断腸亭日常日記 2025年 3月

--バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で--

por 斎藤祐司


 2025年3月7日(金) 晴

 たしか先週も週末に雪が降って寒かったが、今週末は積雪になるという。今日は風が強く寒かった。9日ローソンで最後のカブス対ドジャース戦のチケット販売をするという。先着順での発売で、アクセスが殺到するだろう。セブンイレブンでは、700円買うと抽選か何かでチケットが当たるという。どちらも天文学的な確率で、チケットを手に入れるのは奇跡に近い。それでも、何とか手に入れたいという人がよだれを垂らして求めるだろう。ネットでは、チケットが200万とも300万円ともいわれる高値で取引されているという。こっちは、はじめっから欲しいと思わない。1番安い席でも8000円くらいで、それとて高いと思っている。おそらくこうなることが判っていたから、日本ハム最後の年に大谷を観に行っていたのだ。テレビで観れるのだから無駄なことはするつもりがない。それで充分。

 今年の大河ドラマ『べらぼう 蔦重栄華之夢噺』が放送されているが、鈴木俊幸という研究者が時代考証をやっている。去年からいろいろ調べていたら、その彼が、蔦屋重三郎が出版した本の年表を書いている。それを読んでいて鱗形屋と蔦重の関係がよくわからなかった。ところが、ドラマでは良く判る作りになっている。これには感心した。流石時代考証をやった成果が出ているのだと。『吉原細見』の序を平賀源内が書いのも、これを仕掛けたのが蔦重だということになっている点も合点がいく。読んでいてそう思ったからだ。こういうのは、楽しくなる。いろいろ調べていくことは、時間がかかるが新しい発見があるのが嬉しい。毎日コツコツ細雪。 


 3月11日(火) 晴

 東日本大震災から14年目。大船渡の山火事は、鎮圧されようやく住民が家に帰った。しかし、200軒くらいの家が焼失した。津波の被害で壊滅状態からようやく復興したところにこの火事。家を津波で流されローンを組んで再建したしたのに、また火事で家を失くした。300万個のアワビを陸上養殖場が、この山火事で海水の供給が止まり全滅した会社。ここも津波で全壊からようやく、この2年で震災前までの生産量をあげるまでになっていた。

 佐々木朗希は、東日本大震災のあったこの日、コメントを出した。朗希は、祖父母といつもキャッチボールをしていた父親を震災でなくした。
「今年は日本以外で迎える初めての3月11日ですが、自分にとって特別な日であることに変わりはありません。自分が小学生だったあの日から14年という月日がたち、今こうしてアメリカで新しい挑戦をさせてもらえていることに、これまで支えてもらったたくさんの人たちにあらためて感謝の気持ちでいっぱいです」

 野球で懸命なプレーを続け、次なる舞台、最高峰のリーグでのチャレンジが始まる。環境は大きく変わるが、故郷への思いは不変。米アリゾナ州でのキャンプ期間中には、大規模な山林火災の影響を受けた大船渡市へ、寝具500セットと1000万円を寄付した。「故郷では新たな自然災害が発生し、多くの方が被災されたことに胸を痛めています。一野球選手の自分にできることは本当に限られていますが、これからも変わらず故郷とつながっていたいと思います」(日刊スポーツ)

 「佐々木と「3・11」にまつわる新事実がある。11年3月11日、岩手・陸前高田市。当時小3の朗希少年たちに高さ15メートルの大津波が迫る。彼らから津波を引き離したのは“血の形相”だった。震災から14年、男性(匿名)は初めてあの日の出来事を明かした。

 佐々木の“恩人”なのだろうか。間髪入れずに否定する。「子どもたちを救ったなんて全く思いません。誰もが必死だっただけ」と奥ゆかしい。しかし生存本能に響く訴えが、小学生を大津波から遠ざけた。佐々木自身も以前、テレビ取材で「血を流した人が走ってきて、パニックで校庭からみんな逃げた」という趣旨の証言をしている。

 佐々木の父功太さんの長い友人だ。「よく自転車で走ってた。『よぅ、朗希』って声掛けると、照れて『ウン』って表情をする子で」。11年3月10日までご近所同士。男性は自営業。あの日、大きな揺れで15キロの商品が棚から落ちた。「いてぇ!」。左側頭部を切った。自宅を見に行き、店へ戻った頃。近くの消防署員が血相を変えて叫んでいたのを見た。

 「逃げろぉ! 堤防が壊れたぞぉ!」

 それでも男性は「堤防をジャバッて越えたくらいだろ」の認識だった。かつて2度の津波に襲われた陸前高田。でも「町の長老たちはいつも『津波も線路は越えない』って話して。それがすり込まれたのかな」。800メートルほど内陸の高田小へ歩き始めた。佐々木と同級生の子どもを迎えに行くために。

 偶然振り返った。線路を越えないどころじゃない。「壁ですね。2階建て以上の。最終的に15メートル。視界一面真っ黒の壁がズアーッて来て。掃除機の中みたいに、電信柱も建物も全部のみこんで」。生き残るためにひたすら走った。

 息も絶え絶えで高田小に到着。校舎1階の高さの校庭に子どもたちは固まっていた。「海側に土煙が舞っていて。極端に言うと、子どもたちはそれに目を奪われすぎて足が動かないように見えました」。だから反射的に叫んだ。

 「死ぬぞぉ!! 逃げろぉ!! 走れぇ!!」

 いつの間にか額への流血がくっきりしていた。命の危機を伝えるのに、あまりにも雄弁。佐々木少年もその顔で動いた。

 校舎へ逃げる子どもたち。そこじゃダメだ。校舎の2メートル上の道へ次々と持ち上げる。「山へ走れ!!」と伝えながら。佐々木の兄、当時小学6年の琉希さんを最後に上げ、自分も高台へ。夜が明けると、校舎1階は流されてきたガレキや車で埋まっていたという。

 男性は「5分遅かったら俺は死んでいた」と言う。“流血の男”が現れず、津波の勢いがもう少し強かったら…。校舎2階に避難して助かっても、トラウマの光景を見たかもしれない。佐々木朗希はそんなギリギリのところから、ここまで来た。友は「功太君に今の朗希を見せてやりてぇな」と涙した。」(日刊スポーツ)

 東日本大震災のエピソードはそれぞれに一杯ある。佐々木朗希というMLBの有名選手だから、こうやってマスメディアに取り上げられる。明日朗希は、オープン戦最後の登板をする。開幕2戦目のカブス戦に向けての試しだ。朗希けっぱれ!今日は、震災のあった14時46分に黙祷をした。東北人は前を向く。


 3月25日(火) 晴

 今日25度の夏日を記録した。東京地裁で、旧統一教会に解散を命じる決定が行われた。正しいことだと思う。しかし、旧統一教会は、即時抗告を検討するという。安倍晋三元首相暗殺事件で、マスコミが書き立てた旧統一教会の霊感商法や寄付といって財産を奪い取ることなどが次々と明らかにされた。一国の首相が、選挙演説中に暗殺されるということが日本で起こることがショッキングなこと。しかしそれによって、旧統一教会のやって来た選挙介入などの悪事が暴かれた。その後分かった安倍派の金権体質などの方が、世間的にはショックだったかも知れない。

 テレビカメラの前で、トランプ大統領とゼレンスキー大統領の口喧嘩が世界中に配信された。アメリカという強国が、ロシアに攻撃されている弱い立場のウクライナの大統領に対して、感謝を言えと強要した。トランプ大統領にとって、世界は弱肉強食の世界だ。弱い者は強い者に従わなければならないと思っている。だから徹底的にそういう立場でディールを仕掛け、言うことをきかせようとする。その事を世界の中心で叫んでいる。パレスチナのガザ地区へのイスラエルの侵攻や爆撃は、アメリカ大統領に容認されている。人道的なことなど眼中にない。トランプが大統領になった時点で、こういう風になることは判っていた。これから4年間これが続くのだ。

 先週知人に会った。近況などを聞いた。緑内障で、近く手術するという。久々に人と昼食を一緒にとって、お茶をした。支払いの時、タッチパネルの字が観えないという。これが緑内障なのかと思った。今日ファミレスに行ったら、杖を突いて首が地面と平行くらいの爺さんが、注文時に使うタッチパネルを使わずに店員のところまで行って注文を口頭で伝えていた。この人も目が悪いのかもしれないと思った。知人に会ったのは渡した物を読んでもらうためだった。今日の朝、連絡がきた。いくつかの点での指摘があった。それとアッと思うところもあった。


 3月27日(木) 晴

 昨日東京は今月3度目の夏日を記録した。長袖で、新幹線の切符を買いに行ったが暑かった。外にいる人の服装も春の服装になっている。如実に判るのは、女の服装だ。それでも週末は冬の寒さになるという。桜の開花宣言が出され週末が見頃という話もある。こっちは、毎日散歩で桜を観ている。だから毎日花見をしている。大船渡の山火事が鎮火したしたと思ったら、愛媛や岡山の方で山火事が拡大している。飯田橋の秋田書店で火災も発生した。解体工事中の火事のようだ。

 みどりの窓口は、混んでいた。空いている時間を見計らって行った。聞いたら係員が、この時期は定期購入などで忙しくなるという。それでも30分かからなかった。この時期は、観たい美術展が多い。東京近郊でも3つ4つある。東京ドームで開幕したMLBカブス対ドジャース2連戦。ドジャースが2連勝し、山本由伸が勝ち投手になり、今永昇太が4回無安打無失点と好投した。2戦目は、佐々木朗希が3回1安打1失点。大谷翔平は、今シーズン初ホームランを打った。テレビ視聴率も31%を超え、グッズ販売は60億円あったという。狂想曲は終わったが、これからが本番だ。明日からアメリカ本土でMLBが開幕する。そうなると余計忙しくなる。計画を立てないと、観たいものが観れなくなるだろう。ついでに書けば、日本のプロ野球も明日開幕する。


 4月3日(木) 雨

 今週は桜が満開になっているのに、雨が降って冬に戻ったように寒い。昨日盛岡市内で、熊が発見された。青山といっていたので、住宅地もいいところ。材木町から安倍館や前九年など。ちょっと恐ろしい。麻酔で捕獲した。JR盛岡駅近くの北上川沿いを歩いたりしていたという。この時期に、盛岡の町中で熊が発見されたということは、1年中熊が出てもおかしくない状態になったというなのか?

 トランプ大統領は、各国に関税をかけることを正式に発表した。日本は、24%の輸入関税がかかることになった。東京株式市場は、1000円安で始まり、一時1600円以上下落したが989円安で引け終値は3万5000円を切った。ニューヨークダウ先物は、1000ドル安の数値を出している。アメリカの景気は悪くなるだろう。日本も良くはならないだろう。これはトランプの世界観だ。世界を不況へ追い込むような、トランプ岩盤支持層への強烈なアピールだ。世界を一変させている。どうなるか不安だけが増幅されていくだろう。

 今日のドジャース先発のスネルは、球審の判定にイライラしていた。マンシーの送球エラーなどから自滅。2回までに5失点。それでも、5回まで投げた。2回裏エドマンの2ラン、4回コンフォートのソロで3点を返し救援が無失点に抑えてドジャースの試合のペースを掴んで、8回マンシーのタイムリーで同点に追いつき。9回1アウトから大谷翔平が初球センターへの逆転サヨナラ3号ソロホームランを打った。湧き上がるドジャーススタジアム。この日は、大谷のボブルヘッド人形が配られた。そういう日に、3安打してサヨナラホームラン。役者が違う。打たれたクローザーのイグレシアスは、エンジェルス時代の同僚。去年もサヨナラタイムリーを打っている。カブスの鈴木誠也は、2打席連続ホールラン(3ラン、ソロ)。5打数3安打1四球5打点。エンジェルスの菊池雄星は、6回104球投げ被安打4、被本塁打2、与四球5、奪三振6。勝ち投手の権利を持って降板したが、救援が打たれエンジェルスは負けた。

 MLBで、全勝しているのはドジャースだけではない。ダルビッシュ有がいるパドレスも7戦7勝だ。そして唯一全敗しているのがドジャースに3連敗したブレーブス。なんとパドレスの4連敗と、いずれも連勝しているチームと対戦だった。ナ・リーグ東地区の雄。去年も地区優勝している。が、同リーグ西地区のドジャースとパドレスに連敗スタートとなった。怪我人が多いのと、移籍選手の薬物違反で出場停止になったりと明るい話題がない。


 4月5日(土) 晴

 3日ニューヨークダウは、1679ドル急落し40545ドルになった。4日の東京市場は、955円急落し34000円を切り、33818円になった。4日ニューヨークダウは、史上3番目の下げ幅2200ドル急落し39000ドルを切り38324ドルなった。日経平均先物も一時1500円以上急落した。トランプ関税発表は、景気冷え込みを予想し下落した。ヨーロッパもアジアの市場も下落して世界景気が冷え込むという見方をしているからだ。世界同時株安。相互関税というが、一方的な関税をかけてディールするというトランプ大統領。しかし市場は、貿易摩擦を生んでしまい物価上昇と景気後退になるとみている。よって原油市場も急落している。来週も市場の反応は変わらないだろう。これは市場のトランプ関税への強烈な批判である。好きにすればいいだろう。誰の言葉も耳に入らないだろうから。自分で気づかなければ変わらないものだ。

 昨日日暮里で降りて上野まで歩いた。谷中霊園を初めて歩いた。桜のトンネルのようになっていた。古い大木が多かった。自動車通る道だが人が多い。写真撮影している人も外人も多かった。上野の東京芸術大学前に凄い人。入学式だった。先に東京国立博物館で、新JAPONISM展を観た。これは詐欺みたい。テレビでやっているいるようなものを、映画と同じ値段を取っている。ガッカリした。他も展示も観て、庭園を散策した。ここを歩くと気分が落ち着いた。それから芸大で、『音はいつ、音になるのか』を観た。まだ人が一杯いた。谷中霊園を歩いて日暮里に戻って帰ってきた。散っている桜を写真に撮ろうとしたが、なかなか上手く撮れない。何故だろう。

 ドジャースは、大谷翔平のサヨナラ3号ソロホームランで開幕8連勝した。今日は山本由伸が先発して6回1失点。自身の暴投による失点だった。しかし今日のドジャースはチグハグだった。11mの強風で、大谷の打球が外野フライになったり、ヒットの後、ベッツの打席で盗塁失敗。連続盗塁成功は38でストップした。9回もマンシー三振で、テイラーの盗塁失敗でゲームセット。エドマンの2ランホームランが出たが、2-3で負けた。山本の好投を見殺しにした。明日は、佐々木朗希が先発予定。連勝が途切れたことは、朗希にとってプレッシャーの1つが軽減されただろう。カブスの今永昇太が、パドレス戦に先発して7回1/3、91球を投げ被安打4、被本塁打1、無四球、失点1で勝ち投手になった。連勝だったドジャースとパドレスが敗れた。


 4月7日(月) 曇り時々小雨

 昨日に比べ今日は暖かい。時々小雨が降っている。週明けの東京株式市場は、全面安で始まり終値は2644円の暴落し、31136円になった。下げ幅は、史上3番目で、7.83%の下落。市場閉鎖後、先物も400円以上値下がりしている。アジア市場は、5%以上の下落しているところが多い。香港は、13%、台湾は、10%近く下落している。ヨーロッパ市場は、先週金曜日に、5%前後下落した。先週の金曜日の時点で、世界で930兆円程のお金が株式市場で消えたことになるという。これからも増え続けるだろう。それでも経済アナリストは、世界大恐慌にはならないだろうといっている。世界的に大きな影響を受けるのはヨーロッパだという。今まで、そういう対応をしてきたことがないので打撃が大きいという。日本だって大きいはずだ。

 日曜日、佐々木朗希がドジャース移籍後3度目の先発登板した。過去2回は、制球が悪くボールが先行して直球を狙い打たれた。制球について、朗希は技術が足りないといっていた。しかし、メンタルが弱いという批判が多かった。滅多打ちされた方が、彼のためになるという元メジャーリーガーもいた。マイナーに落とせともいわれた。ロバーツ監督は、いろいろな批判を受け流し3度目の先発を託した。3度目は、4回0/3、68球を投げ被安打3、与四球2、奪三振4、失点1。5回に四球、安打が出たところで降板しバンダが登板した。中飛、右直で、1塁走者が飛び出しゲッツーでピンチを切り抜けた。試合後朗希は、メンタル批判を知ってか知らずか、技術あってのメンタルと語った。

 スポーツ選手の多くがそうであるように、自分の技術に自信があるから困難な状況に前向きな気持ちで挑んでいける。大谷もそうだ。緊張しないのかと、ここで結果を出せなかったらどうしようとか、そんなことを考える暇がないのだ。自分の技術を信じてやるだけだ。朗希は、自分の技術で3度目の先発登板で結果を残した。この場合技術とは、投球フォームのことだ。ちゃんとしたフォームで投げていないので、制球が悪くなるのだ。それを分析して、ブルペンで改善した。日本との違いは、ボール大きさが違い、滑りやすい。マウンドが硬いことなどがある。MLBの記者や解説者は手のひら返しで、朗希を讃えている。そんなもんなのだ。その時、良くないものを駄目といい、良いものを褒めるのが、日本以外のメディアの報道の仕方だ。それは、スペインでの闘牛の報道の仕方で学んだこと。つまり、良いか悪いかしかないのだ。白か黒を分けることが彼らの世界観だ。日本人のように、その中間にある物は決して語らない。

 日本時間明日未明、ドジャースはホワイトハウス訪問する。前年のワールドシリーズ優勝チームは毎年ホワイトハウスを訪問することが恒例になっているからだ。レッドソックス時代、トランプ大統領が嫌いで訪問を拒否したといわれるベッツも今回参加する。ロバーツ監督は、これは政治とは関係がないことで、優勝チームに与えられた名誉を全員で受けるといっている。


 4月17日(木) 晴

 今週末は、30度行くかもしれない暑さになる予報が出ている。これから暑くなるのか。二十四節季とか、七十二候とかはもう通用しないようになった。温暖化で、地球環境が激変して予想がつかないようなことが起こるのだろう。だからといって、田植えをする時期はそれほど変わらないだろう。去年から米不足深刻になっている。スペインで買っていた米は、1kg1ユーロしなかった。こんなに安いのか思った。最近日本では、5kgで4000円を超えるという。食卓には、そばやそうめん、うどんが出る頻度があがっているという。それとインスタントラーメンやカップ麺が売れているという。安さが正義なのだ。俺のように、お金のない人間から観れば同類を観る思いだ。

 「今日の芸術は、うまくあってはいけない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない」1954年8月に岡本太郎が出した『今日の芸術』の言葉。この言葉が、刺さる。きれいであってはいけないというのは美しいという言葉には、置きかえれないだろうけどそれと同等に感じる。美しいものには、嘘がある気がする。闘牛を観ていたときもそう感じていた。美しい闘牛は嫌いだ。そういう物が好きな人もいることは知っている。そっちに行くと、何か大事なものが見失われていく。たぶん歌川国芳は、うまく描こうとは思っていなかったと思う。きれいにとか美しく描こうと思っていなかったと思う。国芳のことを思うと、よりいっそう岡本太郎の言葉が刺さって来る。


 4月21日(月) 曇

 だいぶ暖かくなった。半袖でもいいくらいだが、風が吹くと肌寒い。早朝に起きてMLB中継を観た。大谷翔平に、第1子の女の子が生まれて産休明けで出場した。ホームランを期待されたが無安打で四球1つ。その四球が唯一の得点に絡んで、1-0で勝った。先発グラスノーは、足の痙攣で降板。緊急登板したガルシアがキャッチボールから投球練習。こういう緊急降板の場合は、制限時間とか投球練習の球数とか関係なくなる。そしてピシャリと抑えたのだから立派だ。父親になっての初安打は、水曜日に持ち越しになった。ドジャースは、山本由伸が好投して3勝目をあげ防御率が、0.97になり、佐々木朗希も初めて6回を投げ2失点。勝ち投手の権利を持って降板したが、9回に救援が逆転サヨナラホームランを打たれて勝ち星が消えた。メッツの千賀滉大が無失点で3勝目をあげ、防御率は、0.79でナ・リーグトップになり2位が山本になった。8位が今永。

 先週の金曜日、日暮里から上野まで歩いて東京芸術大学美術館へ行った。『相国寺展』を観た。若冲、応挙、長谷川等伯などいろいろ観た。後水尾天皇の書もあった。ほとんどが、観たものだったが等伯の絵を観れたのは収穫だ。酒井抱一の『夏秋草図屏風』を思い出させる物だった。尾形光琳の『風神雷神図』の屏風の裏に描かれた物。あの詫び寂びの世界は、姫路藩主の息子というドラ息子の余裕とはまた違う等伯の世界を感じた。もちろん等伯の絵の方が先である。抱一は、等伯のこの絵を知っていたのか、知らなかったのか?時代も違うし、京都と江戸と場所も違う。しかし抱一は、光琳に私淑した訳だから、その意思が反映されているいるのだろう。江戸琳派の抱一は、まさに今大河ドラマでやっている蔦屋重三郎の時代に生きた人。吉原連という狂歌連に入って狂歌も、吉原も楽しんだ。遊女を身請けして女房にした。兄が死に姫路藩主になることもできただろうが、出家してそれを拒絶した。鈴木其一など弟子にも恵まれた。蔦屋重三郎が版元だった時代は、黄表紙作家が武士から町人に変わっていった時代。絵師も、浮世絵が中心で、狩野派なども衰えて町人が中心になっていった時代だ。


 4月25日(金) 曇

 昼過ぎ京都から東京へ戻った。秋葉原で降り、目指す立ち食いそば屋へ行って、念願のゲソ天そばを食べた。そばが美味しかった。ゲソ天も美味い。歩いて御徒町まで行き、松坂屋でやっている大北海道物産展展を覗いた。コロナになってから初めての物産展。刺身など生ものを食べない生活をしているので、海産物は観ないことにして肉料理を観た。食べたいものもあったが触手が動かず。電車を乗り継いで帰ってきた。今朝京都は気温が高かったが風が吹いて過ごしやすかったが、東京は蒸している。曇っているし雨が降りそうな感じだ。ドジャースは、カブス2連戦で連敗した。中継ぎが打たれすぎだし、大谷も不調。どうなっているのか。

 22日から大阪奈良京都へ行った。美術展を観に行った。大阪中之島美術館で、美人画の上村松園展を観た。美人画というジャンルは好きじゃない。なぜ観たかといえば、女性が描く美人画だからだ。円山応挙の系統の京都画壇の人。やっぱり一つも面白くなかった。女の人生がこんなに悲しいのかと、絵を観ていて思った。子どもを抱いている母親の絵も、顔は笑っているがどうも…。「真善美の極地に達した本格的な美人画を描きたい」と、青眉抄、棲霞軒雑記に書いたが、その時代の女性の人生が楽しく見えないのはなぜだろう?そもそも美人画を観て、美人と思ったことがない。絵を観て、ワッと思ったのは、ムリーリョの聖母の妖艶さだけだ。それよりビックリしたのは、花鳥などのデッサンや応挙などの模写が素晴らしかった。こういう絵を描けば、面白いと思った。松園は、資質としては、花鳥画の人のように思えた。「よい人間でなければよい芸術は生まれない」と、棲霞軒雑記に書いているが、何がいいたいのか判らない。ゴヤは宮廷画家だったが、気が狂って『暗い絵』を描き、ゴッホも気が狂って絵を描いた。よい人間だけが芸術を生むわけではないのは明らかだ。むしろ、こんなことをいっているから、つまらない美人画を描いているのかと思ってしまう。「芸術を以って人を済度する」という言葉自体が、生真面目だ。優等生の言葉。ゴッホのように、生きている間、まったく売れなかった劣等生には響かない言葉だ。大阪に行くと中之島美術館へ行く。最近できた美術館だが、日本画を意欲的に企画している。それで、京都の上村松園を取り上げたのだろう。それは意義がある。来ている客の9割が女だった。松園だからだ。


 4月28日(月) 曇りのち雨

 トランプ関税、ウクライナ情勢、ガザ地区へのイスラエル侵攻。戦争を1日で終わらせるといったトランプ大統領だったが、そう簡単には終わらない。トランプのハッタリを、世界は見透かし始めた。就任100日での支持率は、過去80年で最低だという。株価も下げ、物価上昇につながる関税と自由貿易ではない、閉鎖的アメリカ第一主義はアメリカ国内でも不評だ。でも選んだのは、アメリカ国民である。あらゆる意味で、マイナスの作用をもたらすトランプ大統領就任。ひどいことになってきた。大谷は昨日今日と調子を上げて4長打1単打して打率も上がった。佐々木朗希に勝ち星はつかなかったが、クオリティースタートだった。ドジャースも連勝したが、グラスノーが右肩に違和感で2回のマウンドに上がったが投球練習中に降板した。前回が両足の痙攣で降板したが、次の佐々木の次には投げないだろう。おそらく、マイナーから先発投手をあげることになるだろう。

 22日中之島美術館を出て歩いていると、ホテルのレストランが安くて美味しそうな物があったので行ってみるとサラリーマンが10人ほど並んでいたのでやめた。出ると弁当屋がいてそれを頼んで近くのベンチで食べた。それから心斎橋に向かった。町を歩いていると外人が多い。インバウンドで大阪も町にも白人もアジア人もいる。大阪浮世絵美術館で、『べらぼうな浮世絵師18人展』を観た。来る途中、錦橋に明治の頃の浮世絵があり、それを描いたのが長谷川小信だった。明治の頃に大阪などで活躍した浮世絵師。こういうのは、関西に来ないと観れない絵師だろう。歌麿や北斎の絵もあったが、歌川派の絵師が多い。国貞、国芳、広重。芳年や弟子の年方などの絵もあった。梅田に行って、阪急で京都河原町へ向かった。それから京阪に乗って三条京阪へ行って、細見美術館へ向かった。『若冲と江戸絵画』を観る。兎に角、若冲に飢えている。若冲の絵が観れるなら何処へでも行く気分だ。『雪中雄鶏図』や『糸瓜群虫図』など何度も観ている絵も多数あったが、同じ江戸時代の画家に比べても特異な絵を描いていたことが判る。細見の帰り道は違う道を歩いていたが東大路に喫茶店があり、カレーなどと書かれてあったがドアの上に、ワクチン接種8回、喫煙可と書かれたあった。それを観て、非常に嬉しくなった。タバコが吸える喫茶店は、京都でも少なくなった。こういうところは、大好きだ。

 結局三条河原町まで歩いて、びっくりドンキーで夕食のハンバーグを食べた。盛岡のベルという店から出来た、びっくりドンキー。ベルのハンバーグを食べなれているから、安心して食べられると思った。初めてのびっくりドンキーのハンバーグは美味しかった。今盛岡では、サンビルの店しか残っていない。昔は、おばさんに連れていって貰った県庁近くにベルはもうない。懐かしさもあるが、味噌汁に煮干しが入ってないのがちょっと寂しい気もする。地下鉄に乗り京都へ行きロピアで買い物してホテルに行った。


 5月7日(水) 晴のち雨

 スペインとポルトガル全土で、大規模停電が起こって原因追求しているさなか、今度はセビージャ方面のAVEなどが運休した。どうやら信号システムなどの銅線が切り取られて盗まれたことによるもののようだ。森を通らなければ行けない所ともいわれ、これも捜査が始めっている。フェリアで混み合うセビージャへの客で駅は乗れない客で大混乱したようだ。これは、大停電とは全く関係ないことだが、ネットではフェイクニュースがささやかれているという。そのセビージャの闘牛を、カナル・スールが放送している。全部ではないが、モランテの耳2枚の日を観れた。キーテがラルガでやって観客を沸かせファエナも無難にこなして耳2枚を取った。ボルハ・ヒメネスの耳2枚もまあまあだった。

 昨日ゴールデンウイーク最終日に、佐倉の国立歴史民俗博物館へ行った。ここに行くのは2回目だ。前回は、漆展を観たが今回は、時代を写す錦絵―浮世絵師が描いた幕末・明治―を観た。雨が降る中、京成佐倉まで行き、駅近くのファミレスで昼食を取り傘をさして歩いて向かった。ここは佐倉城址にある。戦中は陸軍の連隊の駐屯地でもあった。だから土地があったのだろう。風刺画の基盤、風刺画の登場、鯰絵、流行り病と錦絵、激動の幕末、開帳と流行り神、横浜絵、動物狂騒曲、開花絵とその周辺。国芳から始まる。そして、その弟子たちが、安政大地震から開国して横浜絵や人などを動物に見立てた風刺画や明治の開花絵など。これを企画した学芸員たちの意図が感じれた素晴らしい浮世絵展だ。国芳が描いたほぼ全てのジャンルが、弟子たちに引き継がれていることが判る。明治になっても国芳一門の玄冶店派が活躍したからこういう企画が通ったのだろう。


 5月9日(金) 曇りのち雨

 先日山口崇が死んだ。『天下御免』で、平賀源内役をやった俳優だ。早坂暁の脚本が凄かったし、紅役の中野良子も小野右京之介役の林隆三、杉田玄白役の坂本九など脇役も面白かった。ほぼ1年間放送されたドラマは、俺が観たドラマでは最高だと思う。毎週ワクワクして観ていた。今放送している『べらぼう~蔦重栄華之夢噺~』の平賀源内役の安田顕とはだいぶ違う平賀源内だった。山口崇の源内は、もっと発明を楽しんでいた。安田顕の源内は、非常に野心的人物になっている。どっちがどうというのではなく、自分の発想を楽しむ源内を観ていてワクワクしたのを覚えているのだ。おそらく現実の源内は、安田顕に近いのだろうと本など読んでいると感じる。

 4月23日京都。ホテルで、ドジャース戦を観てから近鉄に乗って奈良へ行った。奈良国立博物館で行われている超国宝展。とはいえ、絵画よりも仏像が多い。天平時代などアルカイックスマイルの仏像と仏衣の曲線の彫り方に特徴がある。駅からの道中鹿が沢山いて外人が触れたり写真を撮っていた。中にも外人がいた。こっちがキリスト教の像や絵を観ていると飽きるが、そんな感じだった。時代を映す錦絵展には、非常に熱心な外人がいた。日本人も家族連れもいて、鯰絵や流行り病などを熱心に観ていた。日本は、地震と流行り病ばかりという時代の絵を観てみんなで話し合っていた。阪神大震災や東日本大震災、コロナ禍を思い出させる絵を観て感じるものがあったのだろう。日本は昔から飢饉・地震・疫病があった。それを何とか収めて欲しいと神様や仏に頼った。奈良時代の仏像には、そういう物が込められている。夕方近くにJR奈良駅近くのラーメン屋でラーメンを食べる。きれいな曲線の器に盛られた今風ラーメン。美味しゅうございました。値段は、1000円近く。こういうラーメンを食いたいわけじゃないけど、最近は1000円くらいで出されるラーメンを、ラーメンというらしい。


 5月13日(火) 晴

 サン・イシドロが始まった。セビージャのフェリア・デ・アブリルは終わった。モランテのキーテが良かった。ボルハ・ヒメネスも耳2枚切った。ペペ・モラルも耳2枚。でもプエルタ・デル・プリンシペしたのは、ダビ・デ・ミランダだった。牛も良かったが、マドリードのラス・ベンタス闘牛場で、プエルタ・グランデした時以上の熱狂をマエストランサにもたらした。そしてサン・イシドロの初日(9日)に、タラバンテがプエルタ・グランデした。デレチャソから始まったファエナは、ナトゥラルが始まるとオーレの合唱が始まった。手の低いパセが繋がり右手に持っていた剣を離し、左右両手でナトゥラルでパセを繋ぐとオーレの声はより大きくなった。ホセリートのファエナを思い出す。レマテの後、牛から離れクルサアードして牛と対峙する。ワクワク感が漂う。剣を代え、アジュダード・ポル・アルトからナトゥラルを繋ぎレマテが決まると観客は立ち上がって喝采を送った。スエルテ・ナトゥラルで剣が決まった。確信出来る耳2枚だった。ファン・オルテガは美しい闘牛をしようとしている。同じ距離で牛を誘う。牛の扱い方が判っていない。未だに判っていない。19年まで観ていたときと変わらない闘牛だった。コンフィルマシオンのクレメンテは、牛が判っていない。左角が短いのに注意不足。だからコヒーダされる。

 24日もホテルでドジャース戦を観てから出かけた。七条にある京都国立博物館で、「日本、美のるつぼ展」を観に行った。俵屋宗達の『風神雷神図屏風』や、狩野派の礎を作った狩野元信、雪舟など。3階から1階までゆっくり観て回った。腹がへったので、昼食を取った。博物館の中にある前田珈琲で、ナポリタンスパゲッティとコーヒーを頼んだ。ビックリしたのは、このナポリタンは、茹でてあるスパゲッティを使うのではなく、茹でたてのスパゲッティを使っているのだ。会計の時、そのことを尋ねたらその通りだった。非常に珍しいナポリタンだ。戻って続きを観た。ホテルに戻り一服して、七条の反対側、つまり西側を歩いて食堂で夕飯を食べた。ハンバーグと豚汁、納豆と玉子。昔ながらの惣菜を選んで頼むスタイル。来ているのは地元の人ばかり。こういう店があるのが京都だ。オシャレな店や、金を出して美味しい店もいっぱいある。でも、こういう店に今のうちに行っていないと、なくなってしまう。帰りに七条に松尾大社の御旅所があった。祭りの時に、ここに必ず寄る儀式がある場所だ。松尾大社からは結構距離がある。祇園祭の御旅所は近い。同じ四条にある神社なのに…。京都は千本通を中心に作られたが、四条通が中心になった。それはおそらく、祇園祭と松尾大社の祭りがあったからだろう。四条通の東の端と、西の端。この直線が中心になるのは、当たり前のことだったのだろう。戻り道は、夜の桜と京都タワーを観て帰った。


 6月10日(火) 雨

 昨日今日と散歩をすると、気温が高くないのに汗をかく。湿度が高いからだと思う。世の中はコロコロ変わる。株価も為替も上下に動いている。トランプ関税のせいだ。そのトランプ大統領と蜜月だったマスクは、政権を離れた後、ののしり合いを始めた。こうなるんじゃないかとみんなが思っていた通りになった。弱肉強食のトランプの世界観は、世界の政治も経済も振り回している。1日で戦争を終わらせるといっていたが、そんなことにはならなかった。反イスラエルとして、ハーバード大学の助成金は打ち切り、留学生を締め出そうとしたが裁判所が停止処分にした。学問の場をも政治利用している。これではアメリカ自体が没落していくだろう。

 サン・イシドロ3日目の11日。フエンテ・インブロ牧場の牛で、ミゲル・アンヘル・ペレラ、パコ・ウレニャ、ヒネス・マリン。ペレラはだいぶ前だが、サン・イシドロでノビジェーロ時に、フエンテ・インブロでプエルタ・グランデしている。始めの牛は、コッホで牛交換でチャマコ牧場の牛。4頭目は、凄く良かった。アレナ中央に膝をついて牛を誘う。背中を通すパセから始まり、前を通すパセを繰り返し立ってナトゥラルを繋ぐとオーレが鳴り響いた。レマテのパセ・デ・ペチョで、喝采が鳴った。距離を遠く取ってデレチャで牛を誘う。この距離の取り方が良い。セサル・リンコンまで遠い距離を取るわけでないが、他の闘牛士はこういう距離の取り方を最近しない。

 8日のベネフィセンシアの闘牛で、モランテ・デ・ラ・プエブラがラス・ベンタス闘牛場で初めてプエルタ・グランデした。1頭目の牛のベロニカから素晴らしかった。ラルガ・カンビアールとかガオネラとか派手なカポーテ技をやる若い闘牛士は、モランテのベロニカを参考にした方が良い。普通の古典落語の噺を、心地よいテンポの江戸弁で話す話芸のような素晴らしさ。当たり前のベロニカがこんなに味があることを知るべきだ。一気に、オーレの合唱が鳴り響いた。ムレタも手の低い長いパセを繋いだ。観客を夢中にさせた。この日は、牛との距離の取り方も良かった。やる気もあった。1頭目の剣刺しは完璧だった。10秒くらいで牛が倒れた。剣は良いところに入っていた。4頭目の牛は、そんなに良くはなかったが最後まで丁寧にパセを繋いだ。ナトゥラルもデレチャソも長いパセを繋いでいた。剣はバッハだったのは残念だったが、それでも耳1枚が出た。6頭目が終わった後は、アレナに観客が何百人も入った。ホセ・アントニオ、モランテ・デ・ラ・プエブラと叫ぶ。肩車して場内1周の時にも、ホセ・アントニオ、モランテ・デ・ラ・プエブラの合唱が起きた。トレロ・コール。プエルタ・グランデでは、ホセ・アントニオ、モランテ・デ・ラ・プエブラの合唱。そして、アルカラ通りも肩車されて坂道を登る。それから車の中に入っていった。アルカラ通りをあそこまで肩車に乗った闘牛士を観たのは初めてだ。


 6月16日(月) 晴

 今日は暑い。都内では熱中症で搬送された人が20人いたそうだ。その中には、4歳の子供もいたという。MLB中継を観ていたら、レッドソックスのディバース三塁手がジャイアンツの今日先発予定投手との電撃的なトレードがあって、ジャイアンツの先発が急遽変わった。1対4のトレード。レッドソックスは今年、FAだったブレグマン三塁手と契約。ディバースから三塁手のポジションをブレグマンに代えた。これに反発してもめた。これがトレードの要因だが、ジャイアンツには、ゴールデングローブ賞のチャップマン三塁手がいる。ディバースはDHになるのだろうか?そんな報道があったあとに、大谷翔平が明日のパドレス戦に先発登板するというビッグニュースが入った。オープナーで、1回か2回投げる予定のようだ。NHKは、急遽BSの放送から総合へと変えることを発表し、abemaは、明日の放送を無料にして、解説に五十嵐亮太と高橋尚成の元メジャー投手を据えると発表した。突然の二刀流復活に、SNSなども反応しているようだ。

 それより今日興奮したのは、ラス・ベンタス闘牛場で行われたビクトリーノ・マルティンを讃える記念闘牛で、ビクトリーノ・マルティンの最後の牛6頭目で、ボルハ・ヒメネスが左角が良いのを見切って、ナトゥラルを繋ぎ闘牛場を熱狂させたことの方が凄かった。彼は、牛の見方が素晴らしい。扱い方もたけている。レマテの後の牛との距離の取り方も、ちゃんと分っている。だから、牛がちゃんと動くのだ。もちろん牛がビクトリーノ・マルティンだから、剣刺しまで口を開かない。パセの後の返りが早いがムレタ捌きが上手い。ファエナに熱狂するのは当たり前だ。素晴らしい技術だ。剣も決まり耳2枚。牛は青いハンカチが出て場内1周。素晴らしいプエルタ・グランデだった。その前のエミリオ・デ・フストの耳1枚は、個人的にはいまいちのらなかった。確かここ3年連続して、ラス・ベンタス闘牛場でプエルタ・グランデしていると思う。良い闘牛士だ。モランテのプエルタ・グランデも良かった。タラバンテのプエルタ・グランデも良かったし、ミゲル・アンヘル・ペレラのグラン・ファエナも良かったが、今年観た中で1番良かったのは、今日のボルハ・ヒメネスのグラン・ファエナだと思う。2時からネットで中継を観ていて興奮した。テレマドリードには、毎年中継をやってもらえれば、日本にいながらサン・イシドロが観れるという贅沢が味わえる。


 6月27日(金) 晴

 いよいよ本格的に暑くなってきた。今日は35度まで気温が上がらなかったが、今週は熱中症で搬送された人が東京では多かった。今日は昔のタバコ屋の婆さんにあった。腰が悪く、旦那が認知症になって老々介護で大変だといっていた。デイサービスも受けているが送り出すのも、迎えるのも大変そうだった。暑くなってきたので、無理しないようにした方が良いだろう。散歩に出るにしても、この時期はいつが良いのか?早朝なのか、日が暮れてからなのか。むしろ、曇りや雨の日はねらい目だ。

 トランプ大統領の指示で、イランの原子力施設3ヶ所を爆撃した。完全に破壊したとトランプ大統領がいっているが、数ヶ月遅らせた程度という報道がある。いずれにしても、国際法を無視してイスラエルやアメリカのイラン攻撃やガザ地区で行っている侵攻は許されるものではない。ガザの飢餓は限界だろうし、医療をするにも薬なども不足しているだろう。敵か味方か。軍事力による平和は、大きな偏りが出来て憎しみを増幅させることだろう。

 MLBのオールスター投票第1次の結果が出た。ナ・リーグ最多得票は、大谷翔平。ア・リーグ最多得票は、アーロン・ジャッジ。ジャッジは401万票強で、大谷は、396万票強だった。あとは、上位2位までと、外野は、6位まで(ア・リーグは、4位まで)の再投票で、スターティング・メンバーが決まる。ドジャースは、最下位のロッキースに3連勝して、今季最多貯金20になった。大谷は、ロッキーズ3連戦で2本のホームランを打って28本になった。


 6月30日(月) 晴

 暑い。スペインから一時帰国した友人が、日本の暑さは、マドリードとは違いますねといっていた。東京を楽しんだり、家族に会ったり、サッカーを観に行ってキング・カズに会って写真を撮ったりしていた。時間がなくて会えなかったが、無事にマドリードに到着したようだ。マドリードは、盛岡とほぼ同じ緯度だから東京に比べて北にある。夏は暑いが湿度が低いのでからっとした暑さ。日本の蒸し暑さとは質が全然違う。日影を歩けば風が涼しい。だから闘牛場の切符は、ソル(日向席)と、ソンブラ(日影席)では値段が違う。当然、ソンブラの方が高い。貧乏人は、安いソルで観る。それにしても、蒸し暑い。今週は猛暑日になる予報。

 先週上野に行った。上野の森美術館で行われている『五大浮世絵師展』を観た。歌麿、写楽、北斎、広重、国芳の五人である。7月6日までなので、混んでいた。凄い人で入るのに10分くらい待たされた。これも『べらぼう 蔦重栄華乃夢噺』が放送され、関心が高まっているからだろう。日本人以外に外人もいた。期間が1ヶ月ちょっとなので、これからもっと混むだろう。東京国立博物館の『蔦屋重三郎展』の方が見応えがあるが、この五人の絵師は浮世絵では重要だ。伊藤若冲に絵に魅せられて、東急文化村の『国国展』(歌川国貞、国芳)を観に行って感じた、国芳の絵の異質さに驚いた。北斎も凄いが、国芳の面白さも凄いものだと思った。それと、のちの時代になお残した弟子たちが多いのも国芳の凄さ。これは他の絵師にはない。関係した人も凄い。そういうとこも魅力だ。


 7月6日(日) 晴

 先週の火曜日新幹線に乗って大坂に行った。新大阪に着いて、大阪に向かった。大阪で昼飯を食べようかと思ったが、時間が合わない。地下鉄に乗って、肥後橋へ行き歩いて中之島美術館へ向かった。途中で腹が空くだろうと思い喫茶店でモーニングを頼むことにした。コーヒーとバターをぬった食パンとゆで卵。そこで一服して中之島美術館へ行った。『日本美術鉱脈展 未来の国宝を探せ!』を観に大阪に来た。4月に開館3年で200万人を記録した。多分3・4回来ている。企画が良いからだ。日本美術を、特別展でやるから来る。国芳も芦雪も円空も、印象に残っている。今回の目玉は、なんといっても江戸時代の金屛風。新発見された伊藤若冲の『竹鶏図屏風』と円山応挙の『梅鯉図屏風』の対の物。それと白黒写真から復元された伊藤若冲の『釈迦十六羅漢図屏風』。東京芸術大学の協力で筋目描きのアナログを復元して、そのデータを取り込んでデジタル仕上げしたものだ。金屏風は、若冲は若冲だったし、応挙は応挙だった。多分京都以外の人からの注文だという。応挙の署名に、平安が書かれているのがその証拠だとという。他にもいろいろな物が観れたが、江戸時代の人間と同じくらいの大きさの人形が観れたのは良かった。

 今日アメリカ時間で、大谷翔平の誕生日だった。日米通じて初めての先発登板。2回31球(ストライク19球)を投げ、被安打1、奪三振3、無失点。これで4回も段々よくなって来ている。試合は、大谷降板後、登板したロブレスキが打たれ逆転負け。アストロズに連敗した。それでも2位に8ゲーム差の首位にいる。6月チームは調子が良かったが、ベッツ、フリーマン、テオスカー・ヘルナンデスの3人が不調だった。投手17人が負傷者リストに入っている中でも、ダントツの首位。不調のベッツが決勝タイムリー打った日のインタビューで、「大谷の背中に乗っていけば、約束に地に連れて行ってもらえる」といった。ベッツは、去年守備に不安があったが今年は素晴らしい。しかし、好調だったマンシーが接触プレーで怪我を負って、約6週間無理だろうといわれているが、代りに出ているキケ・ヘルナンデスやロハスなど良いところで打っている。強いチームは、代わった選手が良い仕事をする。


 7月8日(火) 晴

 朝から暑い。大阪も暑かった。中之島美術館で、若冲と応挙の『竹鶏図屛風』『梅鯉図屏風』を観て、昼過ぎに駅に向かって歩いていくとホテルの2階にレストランある。前回は昼時で混んでいた。今回のぞくと空いていたのでランチにありつけた。こじゃれた和風レストラン。着物を着ている人が多い。客の服装もそれなりの人が多く、俺だけ場違いな感じだ。昼食後、地下鉄で大阪へ行き、JRで京都へ行った。まず駅近くの喫茶店でコーヒーを飲みながら一服した。どうしよう?やっぱり京都文化博物館で、『和食展』を観ることにした。それから夕食のことを考えると、何処へ行こうか迷うところ。『和食展』は、東京でもやったがその時は観なかった。和食といえば、いろいろな菌を使った発酵食品。味噌・醬油・酒に漬物など。魚類も川魚と海魚。寿司や海藻など。日本人は昔からタンパク質を魚と豆で取ってきた。肉食はほぼ明治以降のこと。仮名垣魯文が『安愚楽鍋』を書いたが、それは滋養が良い肉が政府に推奨されたからだろう。それ以降洋食から転用されるような形で肉料理が考案された。トンカツにしろすき焼きにしろ、これは和食なのだ。ハンバーグもしかり。そんな展示を観ても、いっこうに腹が空かない。結局ホテルに行って、そこで出る夕食にありついた。この日は、ハンバーグだった。充分美味しかった。もう何日か京都にいたかったが、大谷翔平が観たかったので翌朝東京へ戻った。

 オールスター投票1位の大谷翔平の他に、日本人は、山本由伸と菊池雄星が選ばれた。両リーグ打点1位の鈴木誠也は選ばれなかった。おかしいと思った。今日その山本と菊池が先発した。山本は2/3、41球なげ被安打4、被本塁打1、与四球2、失点5、自責点3。1回持たずにノックアウトされた。もうメロメロ状態。ベッツのエラーがあったが、それは3ランホームラン打たれた後のこと。ドジャースは、アストロズに3連敗の後の敗戦は痛い。大谷は、2安打したが…。菊池は5回4失点。こちらもピリッとしない。それでもチームはサヨナラ勝ち。


 7月11日(金) 曇

 今日は涼しかった。半袖で出掛けたが、帰りの電車のクーラーが寒かった。千葉市美術館で、『江戸の名プロヂューサー蔦屋重三郎と浮世絵のキセキ』『日本美術とあゆむー若冲、蕭白から新版画まで』を観たが、それは後日にする。ドジャースは、アストロズ、ブリュワーズの6連戦どちらもスイープされ6連敗した。打線が打てない。投手は、先発はだいぶ良くなってきたが、リリーフがメッタ打ちにあったり逆転されたり上手いこと行かない試合が続いている。タイムリーも出ない。大谷だけじゃく、ベッツ、フリーマン、スミス、パヘスなど…。マンシーが怪我をしてから全く勝てなくなった。エドマンが足の指を骨折。キケ・ヘルナンデスが肘を痛め負傷者リスト入り。それでも、グラスノーが怪我から復帰した。悪いことだけじゃなく、良いこともある。明日から同地区のジャイアンツとの3連戦。オールスター前最後の3連戦。なんとか良い形で、後半戦に入って欲しい。

 京都文化博物館の1階に、美術関係の本屋がある。そこで、パッと目に入ったのが、佐藤康宏著『若冲の世紀』(東京大学出版会13000円)だ。日本で初めて若冲を卒論にしたという佐藤康宏。おそらく彼の集大成の本なのだろうと思った。ページをめくりながら図書館で借りて読もうと思った。13000円は高い。まず図書館が先だろうと思ったからだ。東京に戻って検索して申し込み。それで読み出している。冒頭はこうである。

「十八世紀後半の京都というのは、きわめて創造力にあふれた場所だった。重要な業績を残した画家の名前を挙げれば、彭城百川、池大雅、与謝蕪村、伊藤若冲、曾我蕭白、円山応挙、呉春、長沢芦雪といった個性がひしめき合う、実に活力に満ちた場であった。あらためて振り返れば、彼らはみなアマチュアからプロになった者ばかりである。狩野派…中略…世襲で画業を継いだわけではない。百川は名古屋の薬種商の出身である。大雅の父銀座の下役で、蕪村の父は下馬村の郷民だった。若冲は青物問屋の主人だった。蕭白の家も商家で、応挙は農家の出身だった。弟子の呉春は京都金座の年寄役の家に生まれ、芦雪は武家の出だった。ついでに関係の深い大坂の画家も加えれば、鶴亭は黄檗僧で、葛蛇玉の家は寺院だった。」

 なんと分かり易いだろう。江戸で浮世絵を描いていた鈴木春信、北尾重政、勝川春章、喜多川歌麿、葛飾北斎、東洲斎写楽なども世襲で絵師になったのではない。おそらく好きで絵を描き始めた。こうやって当時、サブカルチャー的に庶民のための絵が始まった。だから面白いし、時代を超えて魅力を感じるのだ。今テレビでやっている『べらぼう 蔦重栄華乃夢噺』などは、当時の社会状況を織り交ぜながら出版者蔦屋重三郎を通して江戸を描いている。文化(絵・狂歌・文学・吉原など)が、観えてくる。こういう作品によって浮世絵だけではない、江戸文化の研究が盛んになっていけば嬉しいかぎりだ。何故?それが知りたいが、人間の知識欲だろう。そうやっていろいろなことが分ってくるのだと思う。若冲は、「私の絵は、千年後に理解される」といったが、そういう気持ちで絵を描いていた人がいうことをもっと知るべきだ。

 さらに読んでいくと、「私がいま問題にしようとしているは、十八世紀京都画壇の作品における<身体性>だといっていいだろう。」とある。俺がいままでずっと肉体について考えてきた。闘牛でもそうだし、野球においてもそうだ。肉体=身体である。こういう感覚で、若冲を語るのはそもそも正しい姿勢だと思う。肉体とは、現実であり事実なのだ。それが知りたい。だから本を読む。


 7月29日(月) 晴

 日本で35度以上を記録したのは過去1回301地点だったが、今日はそれを超えて320地点になった。地球温暖化という言葉があるが、国連の事務総長が何年か前に地球沸騰化といい始めたことを思い出す。大陸からの熱波と海水温が高いのがあいまってちょっと前北海道は異常なまでの気温を記録した。38度39度と40度手前の気温になった。日本の北、北陸や東北辺りから北に平年より5度以上高い海水温になっているという。去年も暑かったが、今年はさらに暑い。最高気温は、東京は36.4度、練馬は37.7度になった。先週病院へ行ったとき、外に出る気がしないので太ってきましたというと、医者が誰でも外に出たくないでしょう。と、いっていた。インバウンドの外人は、観光などで忙しいようだが本当に外に出るのが嫌な季節、夏。 手に団扇 蝉の声きき ため息す


 8月4日(月) 晴

 日本で、毎日40度を超える地点が出た。太平洋高気圧とチベット高気圧が重なり、日本周辺の海面水温が平均よりも5度高い所もある。それらが重なって異常に気温が高くなっている。これは、日本だけじゃない。ヨーロッパもインドもアメリカも異常気象で高くなっている。フランスやドイツは北にあるので、冷房が普及していない。病院などもそうで、入院して暑さに苦しんでいるという。スペインも暑いようだ。それとバルセロナでは、オーバーツーリズム反対のデモが、サグラダファミリア付近で行われたという。観光客が急増して、住居が観光客用の宿泊施設になって生活者の家賃が高騰し住めなくなる人が増えたことが原因のようだ。日本でも、オーバーツーリズムが問題になっている。外国人が土地や物件を買い、いろいろ問題も起きているようだ。

 こういう不安に付け込んで、参議院選挙で外国人問題を取り上げて議席を大幅に増やした所もある。それを支持した善良な顔をした市民たち。今まで一度も投票に行ったことがない人が、熱狂的な推し活をして選挙応援した。おそらく、ファシズムはこうやって民主主義の基で、ポピュリズムで民衆の心をつかみ政権を奪取して好き勝手なことをやり始めるのだろう。一体民意とは何なんだろう?例えば、パラ巻きという言われる、直接支給を自民党と公明党が主張し、おおむね野党は消費税減税を主張した。与党は、国債を増やすことためらっているが、消費税減税の財源を国債発行といっているところが多い。どちらが正しいかといえば、国債を減らさなければ国の赤字が増え続け大変なことになる。このまま増え続ければ、国債金利高、株安、円安の三重苦が待っている。そんなことになったら無茶苦茶なことになる。財源を国債以外のものにしなければ、消費税減税はしてはいけないことだ。どこの党に投票してもいいが、政治経済のこういう基本的なことを分かっていなければ大変なことになるだろう。

 先週MLB中継を観ていたら、9時40分ごろ警報音が鳴り津波警報が出て、テレビ各局が津波のニュースに切り替わった。それでabemaで中継をやっていたので観ることにした。はじめカムチャツカ半島で、マグニチュード8といっていた地震が8.7に変更になった。かなり大きな地震で、気象庁が津波の被害を想定したようだ。夜になってようやく解除されたが、太平洋岸の交通機関やコンビニなどの小売りなどいろいろと混乱があった。大谷は5タコで、4三振。左腕のサイドスローの投手に全然合っていなかった。というか、ボールが見えてない。集中力が全くなかった。こういう日もあるのは判るのだが…。ドジャースは接戦で勝ったから良いものの。今日は寝ずに1時からのMLB中継を観た。三振が多くなっていた大谷は、ボテボテの捕手前のゴロがヒットになったりして2安打。盗塁も二盗三盗を決めたりしてドジャースの勝利に貢献した。山本由伸が10勝目をあげた。


 8月16日(土) 曇

 夏になったらサバ缶だ。山形ローカルでは、サバ缶に納豆でそばを食べるという。それを真似てそばを食べていたが、最近はスパゲッティで食べるようになった。サバ缶の水分が少ないので、牛乳や野菜ジュースなどを入れて伸ばしているが、水煮のサバ缶の塩分で充分なのでそれをスパゲッティで食べる。スパゲッティは、2時間以上水につけた乾麺を使うと、炒めて直ぐできるので暑くならない。これはキャンプでスパゲッティ使うときにやる方法。白っぽい麺が黄色に色が変わると茹で上がった時と同じになる。朝食にこれと食べると、納豆効果で腹持ちも良い。

 甲子園が始まった。広島原爆記念日、長崎原爆記念日から80年、日航機墜落事故から40年経った。昨日は終戦記念日だった。テレビでは、終戦記念日を記念して各局で関連の番組を流している。野坂昭如が書いた、『火垂るの墓』をアニメ映画にした高畑勲。8月15日にテレビで放送された。おそらく多くの人は、野坂昭如原作というより、高畑勲のアニメ映画として記憶しているのだろう。実は、スタジオジブリは、宮崎駿だけじゃなく高畑勲というもう一人の巨頭がいた。高畑勲死後に、7冊のノートが見つかった。高畑がどういう思いで、『火垂るの墓』を作ったかが綴られている。いつもある日常が、戦時には全くなくるのだ。広島長崎の原爆があった時もそうだし、爆撃があった大都市や、そういうもがなかった地方でも今まであった日常はなくなっていった。食べられるものが食べられないとか、当たり前に言えたことが、言えなくなるとか…。坂本九が亡くなった日航機墜落事故。多くの人が死んだが、飛行機には阪神タイガースの社長も乗っていて死んだ。あの日、働いていた築地市場で新聞を読んで思ったのは、阪神タイガースはこの年絶対に優勝するだろうと思った。バース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発などで打ち勝って初めての日本一になった。上を向いて歩こうと思っていた阪神ファンが熱狂したが、そこには社長の死があった。今日京都では、五山の送り火。そして、両親にも送り火を…。


 8月26日(月) 晴

 連日35度を超える猛暑日が続いている。外に出る気がしない天気。毎日MLB中継を観ているので、昼間に外には出ない。朝か、夕方に出る。外に出るとムッとする。湿度が高いからだ。水を飲んで出かけても、2分もしないうちになんかおかしい時がある。1回クラっとしたことがある。それまでよりゆっくり歩いたらおさまってきた。だから散歩を続けた。熱中症にはなったことがないが、高校時代グランドで練習していたとき、同級生が倒れて救急車を呼んだことがある。厳しい練習で、合宿の時は毎年1回か2回救急車が呼ばれていた。当時は、汗を流しても水は飲むなといわれていた。そんな時代の甲子園も炎天下で160球も投げるピッチャーがいた。昔の運動部は、みんなそんな感じだった。今では考えられない。Jリーグでも給水タイムがあったり、MLBでも脱水症状で、嘔吐したり、体のどこかの部分にしびれや、痙攣を起こしたりすることが毎年ある。それにしても、ここ2・3年の夏の暑さは異常だ。

 ドジャースは、今季最後のパドレス3連戦を1勝2敗でしのいだ。前回はホームで3連勝でスイープ。打てなくて2連敗でむかええた最終戦は、打ち勝った。10打数無安打だった大谷翔平に、パドレスファンの男性がずっとヤジを飛ばしていた。9回の最後の打席で、10打数無安打だ。真ん中低めに投げろ。ユウキ簡単だろうと、パドレスの松井祐樹にも声をかけた。ドジャースベンチ横に陣取ったヤジを飛ばすパドレスファンに、ロバーツ監督をはじめイライラしていたという。しかし大谷翔平は、配球を読み切って内角高めの直球を右中間へ45号ホームランを打った。歓声が鳴りダイヤモンドを1周して次の打者とタッチしてベンチに戻ってくる。ここで大谷は、ヤジを飛ばし続けたパドレスファンに歩み寄りハイタッチした。パドレスファンは、笑顔で迎えタッチ後に頭を下げた。それを観ていた、ロバーツ監督やテオスカー・ヘルナンデスなどナインも笑顔になった。

 6月のパドレス戦は、一触即発の死球合戦になった。パドレスのシルト監督がベンチを飛び出し挑発して、ロバーツ監督と口論になり両者退場になり、警告試合になった。そして、パドレスのクローザーのスアレスが160キロの直球を大谷の右肩甲骨下に当てて退場になる。怒ったカーショーがベンチから飛び出そうしていたのを、大谷が来なくていいと手で制した。だから乱闘にはならなった。投手交代でピッチング練習の間、大谷はパドレスベンチに近づきエンジェルス時代の同僚イグレシアスと笑顔で会話した。それから1塁手のアラエスと、会話し握手した。パドレスは、シルト監督やマチャードなどは挑発的で事を荒立てようとする。大谷は真逆のことをして、緊張を和らげた。それには、ロバーツ監督はじめチームメイトが絶賛した。パドレスナインも感銘を受けたようだ。MLBの解説者なども大谷の行為を讃えた。こんなのは、初めて見た。今までのMLBは、威嚇で次の被害を食い止めようとしていた。イチローと共に、野球殿堂入りしたサバシアは、俺ならマチャードの頭に当てるといっていたが、大谷の振る舞いに感動を覚えたようだ。大谷翔平は、成績だけで名声を上げたのではない。このように非常に人間的な振る舞いで、MLBファンを魅了している。それはとても日本人的な振る舞いのように感じる。ただしこれ以降、初打席に入るときに敵チームの監督に毎回挨拶するのだが、8月にパドレス戦からは、シルト監督だけには挨拶しなくなった。大谷への報復死球の指示をしたからだろう。ドジャースはそう思っているし、MLBレジェンド解説者たちもそう思っている。大谷は、8月のパドレス戦6試合1度もシルト監督へ挨拶しなかった。その事は、正しいと思う。


 9月1日(月) 晴

 パンツが濡れる。ファミレスへ行っても、部屋でも。冷房が利いているのに汗でパンツが濡れる。何故か?それは、暑いからだ。猛暑で、海も山も畑も敏感に反応している。取れるところで魚が取れず、取れないはずのところで魚が取れる。伊勢湾では、アワビや伊勢海老の漁獲量激減している。海水温度が2度近く上がって、海藻類がなくなる磯焼けになり、食用にならない毒があるウニが発生して熱帯魚のような魚が多くなった。海だけじゃなく山もおかしいようだ。多分熊が食料を求めて人里に現れるのもそうせいだろうと思う。米も野菜も暑さと渇水で出来が悪い。米は白濁した2等米が早場米では多いという。農家にとっては、値段が低くなる2等米にがっかりだろう。スペインの米は、以前は1キロ1ユーロしないくらいで、白濁した米だった。日本では2等米だろうけど、米が食べたいからそれを炊いて食べていた。だからあまり2等米は気にならない。野菜も、規格外の野菜はスペインでは当たり前なのでこれも気にならない。それが安いなら、好んで買いたいくらいだ。いつから日本人は贅沢になったんだろう?あるもので、工夫してやりくりすることを忘れたようだ。

 ガキのころ、お祖母ちゃんが畑で取れた野菜を一緒に取ってきて食べた。トマトは半分以上青いものが好きだった。歯ごたえが良かったから。キュウリは、くるっと丸まった物が好きだった。これも歯ごたえが良かったから。実が詰まっている感じで味も良かった。そういう規格外の野菜が取れるということを、畑で学んでいたからだ。夏に食べるキュウリやナスの漬物が好きだった。冷奴もそうめんもこの時期に食べるもの。きみと言っていたが、トウモロコシも美味しかった。それから瓜。メロンではない。そんなに甘くもない瓜をそれでも美味しいと思って食べていた。盛岡に行くと、朝市で売っている。5個で300円。今こんな瓜を買う人はいないようで安いのだ。でも昔を思い出す味だ。貧乏だったが、お祖母ちゃんが工夫して作る料理はみんな美味しかった。どれほど美味しい料理を自分たちが食べているかを知ったのは、親戚が隣に引っ越して来たときにそこで出された料理がなんて不味いんだと思った時だった。電気釜で炊かれたご飯はベチョベチョで、どのおかずも味も火加減も悪いのだろう口に合わなかった。そして、親戚の同年代の子供がお祖母ちゃんの作った料理を夢中になって食べて、美味しい美味しいといっていたことでも分かった。ああ俺は、幸福な家で育っているんだと思ったものだ。


 9月13日(土) 雨のち曇

 木曜日の夕方だっただろうか、物凄い雨が降った。立会川は、暗渠が多い川だ。ブラタモリを観ていると暗渠は、道路などになり塞がれて見えない状態になっていることだと知っている。その暗渠部分で塞がれているとはいえ、川であることに変わりない。そこが、1時間134ミリ雨が降って大変なことになった。暗渠などから溢れ出した水は、商店街などを川のようになって流れ地下はもちろん1階部分でさえも水につかった。停電なども起こった。東海道新幹線も一時運休した。在来線も運休したところもあるようだ。突然の豪雨は、コンクリートとアスファルトで固められた東京で思わぬ被害をもたらす。確か国土交通省の想定は、1時間50ミリ雨。それを超えることはないだろうと排水が設計されている。ここ2・3年1時間100ミリを超えるゲリラ豪雨が、各地で観測されている。地球は悲鳴をあげているのだ。

 ドジャースは、今日から10連戦が始まる。スミス捕手は、ファールボールが右手に当たり負傷した。1試合出場したが、翌日腫れが出て欠場した。休日後の今日もスタメンから外れた。スミスの代りだった、ラッシングは自打球を右ひざに当て骨には異常がなかったが負傷者リストに入り、ロートベットがマスクをかぶっている。先発は、大谷、山本、カーショー、スネル、グラスノー、シーハンとそろって。万全な状態。しかし、ブルペンが心許ない。高額で長期契約したスコット、イエーツが試合を壊している。コーペックも制球が悪い。バンダ、ベシアは去年と変わらずまあまあ。ロブレスキ、カスペリアスが良い働きをしている。160キロを投げるエンリケスはまだ信頼できいない。そこで、佐々木朗希が救援に回るかもしれない。カーショーが救援になるかもしれないという話もある。大谷をクローザーにするべきだという意見もある。残り20試合を切って、どこも台所事情が厳しい。

 カーリングのオリンピック最終選考が、行われて男子はSC軽井沢クラブ勝ち上がり、女子は3チーム2勝2敗で並んだがドローショットで、SC軽井沢クラブ、フォルティウス、ロコソラーレの順になりフォルティウスとロコソラーレがタイブレークをやっている。ロコソラーレ藤沢が、ミスをして1エンドがビッグエンドになり、波に乗り切れず6エンド終了後にコンシードして負けた。3大会連続のオリンピック出場はならなかった。試合後、藤沢五月と吉田知那美は抱き合って泣いていた。初日2連勝で流れに乗ったように思えたが、2日目2連敗。ほっとした気持ちにすきが出来たのか。それはどうか判らないが、これでSC軽井沢クラブか、フォルティウスの戦いになった。カーリング女子は、新しい局面を迎えたのかもしれない。それにしても、6エンド藤沢五月のショットを見つめる吉田知那美の目が、気の抜けたようなボーとしたような不思議な目をしていた。何かに視線が合っているのに、何を観ているのか分からない異様な目だった。負けを悟った目といえばそれまでだが…。


 9月23日(火) 曇

 雨上がりの朝は、秋の気配を感じた。歩く人の服装は、さすがに長袖を来た人が多い。と、思ったのは先週末。今はもう気配というより秋である。暑さ寒さも彼岸花。彼岸の入りは20日土曜日だった。本当に秋になった。クーラーがいらない季節になった。ファミレスの冷房が、寒く感じるようになった。嬉しくなって散歩をすると、やはり暑い。汗が出る。途中で、コンビニやスーパーに入るとホッとする。猛暑の日々は凄かったが、ようやく平年並みの気温になってきた。それでも世界では日本でもあったゲリラ豪雨的な現象が起こっている。

 突然ドジャースのカーショーが、今シーズンで引退するという会見を開いた。大谷やベッツ、フリーマンなどチームメイトが多数会見に立ち会った。引退の手土産に、ワールドシリーズ優勝できるのか。そう簡単ではないが、カーショーもロバーツ監督もチャンピオンを願っているはずだ。9月になって、先発投手は最高の結果を残している一方、救援投手陣は制球難から打ち込まれて信頼度はほぼゼロに近い。山本由伸が無失点に抑えたのに、7回コーペックが四球などで1アウト満塁から代わったトライネンが押し出しで2-1の1点差になった。なんとか抑えて9回ベシアが締めてようやく勝った。押し出しの時のドジャーススタジアムの雰囲気は最悪だった。ファンも判っているのだ。いい加減にしろ!と、思っている。先発の誰かが救援に回るとかしないと駄目だろう。佐々木朗希がマイナーで、救援で登板した。球速は、160キロ出ていて1回2奪三振だった。どうやら追試があるようで、それで目途が立てば、メジャーで救援登板するようになるようだ。

 ネットでは、「何しとんねん、トライネン」という風に言われている。9月の登板で、5敗。ことごとく打たれている。山本由伸が9回2アウトまでノーヒットノーランをやっていて、ソロホームランを打たれて降板後にトライネンが連打されて負けてから散々だ。アメリカでは、呪いがかかっているともいわれた。トランプ大統領を支持していた暗殺された、チャーリー・カークの名前を帽子に刺繍していた。敬虔なクリスチャンのトライネンは、追悼の意味で刺繍したようだがそれからマウンドに上がると連打を浴びて連敗。流石に刺繍をやめたが、それでも5連敗。チーム直近5敗いずれも黒星がついている。これはMLB123年で初の珍事だという。ドジャースは、テコ入れを始めた。コーペックは負傷者リスト入りし、マイナーで好投した佐々木朗希の合流を決めた。25日には登板するかもという。ポストシーズンに向けて、カーショーがブルペンに入る。先発は、大谷、山本、スネルで行くようだ。グラスノーは制球が問題なのでどうなるか?シーハンもブルペンでロングリリーフもできるのが強み。結果次第では、トライネンはポストシーズンのメンバーに入らない公算が大きい。明日は大谷が登板する。優勝マジックは、残り6試合で3になった。


 10月1日(火) 雨

 朝の雨が降る中、ペットボトルや空き缶のゴミ出しをして朝食を買いに出た。半袖ではもう寒い。それでも気分がいい。4時過ぎから始まったMLBのポストシーズン初戦で、カブスの鈴木誠也が、0-1の5回に同点のソロホームランを打った。これでレギュラーシーズン4試合連続に続く5試合連続ホームランになった。続くバッターもソロホームランを打って逆転。そのあと1点を入れて3-1で逆転勝ちした。地元リグレーフィールドは、熱狂に包まれた。ワイルドカードシリーズは、2勝勝ち抜けで、次の地区シリーズに繋がる。先勝したのは大きい。しかも地元で3戦できるメリットがあるのでなおさらだ。大谷のドジャーズは、10時過ぎから。どうなるか?カブスと同じように先勝してほしい。

 25日ドジャースは、救援で佐々木朗希とカーショーが登板した。佐々木は二者連続三振で、三者凡退。カーショーも三者凡退に抑えた。これが勝利に繋がった。優勝マジック1。大谷好きの「FOXスポーツ」のベン・バーランダーは、「ドジャースはたった今、プレーオフのXファクターを見つけた。ロウキ・ササキだ」といった。26日にナ・リーグ西地区優勝を決めた。山本由伸が無失点に抑え、大谷が54号ホームランを打って勝った。最後のカードは、シアトルのマリナーズ戦。1戦目は、キケの2ランホームランなどでリードして7回裏佐々木朗希が2度目のリリーフのマウンドを踏んだ。三ゴロ、100(161キロ)マイルの直球での三振。アルザレーナに二塁打を打たれたが、ホームラン60本のローリーには3球ともスプリットで三振を奪った。ロートベット捕手からのサインだった。ロバーツ監督は、朗希を絶賛した。マリナーズ3連戦に2回登板させるといっていたが、これでプレーオフに行くという。そのあと、トライネンがアップアップで1失点で、9回裏は、スコットも何とか抑えて3-2で勝った。9月散々だった二人が、なんとか役目を果たしたのはプレーオフには良いことだ。先発したシーハンは1回で降板し、プレーオフに備える。

 セビージャのサン・ミゲルが始まった。ネット中継が行われた。27日はガルシグランデ牧場で、タラバンテ、ダニエル・ルケ、ボルハ・ヒメネスだった。ネット中継を観たが、牛が弱かった。ダニエル・ルケが耳1枚。ボルハ・ヒメネスは場内一周。ダニエル・ルケは、若いときは、ハイテンションの闘牛を続けていたがこの日の闘牛を観ると、牛の動きが見えていた。落ち着きが出て、味のあるファエナをするようになった。観客の心理を掴んでいる感じがした。逆にボルハ・ヒメネスは、動きが悪く力強さのない牛に対してバタバタしていた。

 翌日の、ヌニェス・デル・クビジョ牧場で、モランテ、ロカ・レイは、期待外れの闘牛だった。マドリードのオトーニョは、全ネット中継がない。10月3日が1番みたいのに中継がない。あるのは12日なのでそれを考えている。12日は、午後のフェルティバル闘牛とオトーニョの切符はすでに売り切れになっている。アントニェーテを記念するフェスティバル闘牛には、パブロ・エルモーソ・デ・メンドーサ、セサル・リンコン、エンリケ・ポンセ、モランテが出るからだろう。アントニェーテからアルテルナティーバを受けたセサル・リンコン。セサルからアルテルナティーバを受けたモランテが出るのが意義がある。


 10月4日(土) 雨

 小雨にけむる京都競馬場。重馬場。こういう馬場は、若い乙女3歳牝馬にはこたえる。だから人気馬が消えたのだろう。自民党の総裁選は、決選投票の結果高市早苗になった。おそらくそうなるだろうと思っていた。参院選で、参政党などが伸びたことにより、自民党員の危機感がこういう結果をもたらしのだろう。MLBは、ポストシーズンに入った。各リーグ東・中・西地区の優勝チームの勝率を1~3順位をつけ、ワールドカードは優勝チーム以外の勝率上位3チームトーナメントに振り分けられる。ドジャースはワイルドカードから始まり2連勝で勝ち上がった。第1戦は、10-5、第2戦は、8-4。第1戦の大谷の先頭打者ホームランは、100マイル超えの内角を打った。これで勢いづいた。豪腕グリーンに一振りで、致命的なダメージを与えた。それから直球から変化球が多くなったから5本のホームランをドジャースが打てたのだ。結果を観れば圧勝だが懸念された救援投手は、やはり心許ない。第1戦の先発のスネルが好投したが、8回には、3人の投手(ベシア、エンリケス、ドレーヤー)が出て3失点。アップアップ。9回はトライネンが締めた。第2戦は、山本由伸先発して好投したが、やはり8回に救援にまわったシーハンが、ヒット四球ヒット四球で押し出し。犠飛で2失点。ベシアに代りようやく抑えた。9回についに佐々木朗希が登板した。歓声が鳴り、球場が盛り上がった。救援陣のふがいなさに嫌気がさしているドジャースファン。フラストレーションがたまっている。だから佐々木朗希に希望を託す。ロウキコールが聞こえる。

 始めの打者2番スティアに100マイル(160キロ)超の直球を投げると球場全体に、ロウキコールが鳴り響く。大谷がイーベルコーチに何かを話すとイーベルコーチがうなずいている。スプリットで三振に打ち取ると大歓声に包まれた。観客は、手に持ったドジャーズカラーのハンカチを振り回している。3番ラックスは去年ドジャースで世界一になったメンバー。100マイル超えの直球で追い込んで、スプリットで三振。ボルテージが上がる。ロウキコールが鳴り響く。大谷や由伸が朗希に拍手をしたりうなずいたりしている。4番ヘイズ1球目ファールフライを打つ。歓声が起きるが、捕手のロートベット三塁ベンチ前で落球。あーというガッカリした声が鳴る。大谷やテオスカーがベンチを出たが笑いながらベンチに戻る。またファールの後、直球に詰まった力ない打球がショートのベッツ飛んでゲームセット。ドジャースファンは、ひどい救援の希望を、佐々木朗希に見た。だから、出て来たときから歓声が沸き,、日本でも起きていなかったロウキコールが鳴り響いたのだ。

 明日から始まる地区シリーズ1戦から5戦までの開始時間が発表された。第1戦の先発は大谷翔平。以降スネル、山本由伸と3戦目まで発表された。大谷翔平は、MLBに来て8年。ついにポストシーズンで、二刀流を披露することになる。強敵だからこそやりがいがある。そう、MLBでのプエルタ・グランデを目指して。


 10月12日(日) 曇

 積極財政の高市総裁になって、景気が良くなるだろうという市場の読みで株価が史上最高値を更新して金利が上がり、円安になった。国債発行などの懸念で、金利が上がり円安になった。アベノミクスならぬ、サナエノミクスといっていたが公明党の連立政権離脱が決まった。株価の先物は、3000円くらい下落している。週明けは連休があるので14日火曜日の株価は大暴落しそうな勢いだ。政治不信は、安倍派などの裏金問題や、旧統一教会の問題があったために自民・公明の議席が減った。その前の森友・加計学園問題もあった。総裁就任時に、働いて働いて働いて働いてまいりますと、いっていたが、総理大臣になれなくなるかもしれない。総理・総裁分離、自民単独、野党共闘政権の3つの可能性があるという。政治空白は、自民の政争に使われて多くの生活者は呆れている。これからどうするのか国会を開いて決めなければならない。それまでに、いろいろな工作がなされるだろし、国会を開いてもそのゴタゴタは続くだろう。

 ドジャースは、地区シリーズでフィリーズに3勝1敗で勝ち抜けし14日からのナ・リーグ優勝決定戦に駒を進めた。シャンパンファイトの前、ロバーツ監督が佐々木朗希を讃えた。するとチームメイトたちが「ロウキに乾杯」を口々にいって盃をあおった。相手は、最終戦までもつれ込んで、鈴木誠也が、豪腕新人右腕ミジオロウスキーの101マイル(163キロ)の速球をソロホームランしたが、カブスは、1-3でブリュワーズに負けた。ドジャースが優勝決定戦にすすめたのは、佐々木朗希の快投があったからだといって過言ではない。アメリカのメディアも、テレビなどで元スター選手たちがこぞって絶賛している。2セーブをあげ、勝ち抜けを決めた4戦目は、8回から延長10回まで3イニングをパーフェクトで抑えたことが逆転を呼び込んだ。ポストシーズンで、8回から10回までパーフェクトで抑えた救援投手は、佐々木朗希だけという。地区シリーズは、MVPの表彰はないが、MLB公式ホームページには、佐々木朗希をMVPと讃える記事が載っている。しかも、大谷翔平は、4戦で1安打9三振という散々な内容だったにも関わらず、ドジャースが勝った。ドジャースは、レギュラーシーズンにリリーフが打ち込まれ負けが込んだ。誰か良いリリーフはいないのか、頼れる救援投手を探していた。そしてポストシーズンになって、佐々木朗希が最後のパズルをうめるピースとしてガッチリはまった。

 ブリュワーズには、レギュラーシーズン6戦全敗。それでも勝ち抜ける希望を持てるのは、先発投手4本柱(大谷、山本、スネル、グラスノー)がしっかりしていることと、ポストシーズンに先発からリリーフに回るシーハン、カーショーなどが加わっていることと、最後を締める佐々木朗希がいるからだ。日本では、令和の大魔神・佐々木といわれ始めている。アメリカだけでなく、あれだけぼろ糞悪口を書いていた日本のメディアも、手のひら返しで佐々木朗希を絶賛している。


 10月16日(金) 雨/曇

 14日東京スタジアムで行われたサッカー日本対ブラジルは、歴史的な一戦になった。前半先制され0-2でリードされた。後半に前線からハイプレスをかけると、ブラジルのディフェンスが混乱してパスミスから南野が得点。足の怪我ある久保にに代えて伊東を出すと、右サイドの伊東から中村にパスが通り2-2の同点になった。それから左のコーナーキックを伊東が蹴り、上田がドンピシャのヘディングで逆転した。ブラジルの選手は茫然としていた。監督はレアルマドリードなどでやっていたアンチェロッティ。ヴィニシウスやカゼミロなど現・元レアルマドリードの選手もいた。0-2からブラジルに逆転勝ちしたことに大きな価値がある。ブラジルやアルゼンチンなど南米や、スペイン、イギリスでも大きな衝撃として報道されアジアでも話題になった。スペインの『Marcaa』や『AS』のホームページにも分かり易い所に結果が載っていた。

 ブリュワーズ・マーフィー監督の前日会見で、「投手・大谷翔平には「この前の試合ではスプリットがストライクゾーンの上から下まで落下していた。あれは芸術。あんな能力を持つ野球選手は見たことがない。打つのは相当厳しい」とし、スネルには「彼が登板する試合はいつも腹が立つくらい素晴らしい」と苦笑い。そして「グラスノーも山本もいい」と先発4本柱を称賛。最後には「最後に出てくる100マイルとスプリットを投げる投手…。あれは反則だよ。リーグに直訴して出場停止にできないか検討中」と冗談を交えて新守護神の佐々木にまで称賛の言葉を送った。」(サンスポ)

 第1戦先発のスネルは、そういう言葉には騙されない。と、警戒を緩めることはなかった。8回1安打無失点。スライダーとチェンジアップで三振の山を築いた。佐々木朗希が制球が悪く、トライネンが締めて、2-1と投手戦を制した。第2戦は山本由伸が先発して、初球をチョウリオに先頭打者本塁打打たれたが、3安打完投した。5-1でドジャースが、2連勝した。マーフィー監督は、スネル、山本の好投に、どうすることもできない嘆きが聞かれた。ア・リーグの優勝決定戦は、マリナーズ2連勝の今日ブルージェイズがホームラン5本で大勝した。ブルージェイズはヤンキース戦に好投した、期待の新人投手イェサベージもマリナーズに打たれた。今日は、ゲレーロ・ジュニアの当たりが止まっていたが、ホームランを含む4安打して復調した。こっちはどうなるか?ナ・リーグは、ロサンゼルスに戻るドジャースが有利だ。ブリュワーズは、カブスとの5戦で投手を使い続けている。先発の柱になる投手までリリーフで使っているが、ドジャースに打たれている。キンタナと豪腕ミジオロウスキーがいるが、多分攻略できるだろう。明日の3戦目は、グラスノー、4戦目は大谷翔平が先発する。明日は、TBSで、明後日は、NHK総合の地上波で放送される。


 10月21日(火) 雨のち曇

 めっきり秋らしくなって来た。昼でも上に羽織っていても肌寒い。区役所へ行き健康保険証を新しいものにするための手続きをした。それからネットで申し込みが出来なかったので、直接図書館へ行った。貸し出しの申し込みをした。部屋に戻ってネットで確認しようとしたができない。図書館へ電話して話した。どうやら前回行ったときにカードを新しいものに代えたのだが、その時にID番号が変わっていたようで、それが原因だった。ちゃんと確認できた。頼んだ本は、今週中に読み始めることが出来るようだ。臨時国会が開かれて、新総理に自民党の高市早苗が選ばれた。日本で初めての女性総理が誕生した。維新と手を組んで高市総理が誕生したが、これが日本政界の再編成へと向かう序章になるのだろう。

 スペインの日の12日昼マドリード、ラス・ベンタス闘牛場でアントニェーテを讃える記念闘牛が行われた。セサル・リンコンは、昔の名前で耳2枚切ってプエルタ・グランデした。ブリンディースは、二人の息子に捧げられた。「君達には人生に勝利し幸せになってほしい。そして自分自身で自由を勝ち取れ、今日君達がこうしてここに来てくれたことを感謝する」というゆうようなことをいった。息子たちは泣いていた。夕方は、オトーニョの闘牛で、モランテ・デ・ラ・プエブラ耳2枚切って場内一周。それからアレナ中央に行って、コレタを切って引退した。拍手の中、モランテの目に涙があった。そして拍手している観客にも涙する人たちがいた。この日あらかじめ引退を表明していたフェルナンド・ロブレニョは、入場行進あと拍手に応えて挨拶をしたが、ロブレニョらしい闘牛で耳1枚切った。モランテのプエルタ・グランデでは、アレナに観客であふれた。ホセ・アントニオ・モランテ・デ・ラ・プエブラと名前を叫ぶ観客たち。

 下山さんから教えてもらった、モランテ引退の経緯は春に、セビージャやマドリードで闘牛をするのが苦しくなってきたといっていたという。鬱病を患っているモランテ。若い頃は、まじめな闘牛をやっていた。あの頃セビージャで、プエルタ・デル・プリンシペをやって、カポーテも良かったがナトゥラルが輝いていた。メディアの質問にも、まじめに答え過ぎていたからラス・ベンタス闘牛場のウニコで耳1枚も取れなかった頃から特にひどくなった。あれでテンポラーダを切った。それからモランテは変わった。まるでドゥエンデ系の闘牛士のように振る舞って、若い闘牛ファンは、モランテをそういう闘牛士だと持て囃してした。そうじゃないことは、モランテが1番分かっていたはずだ。何故そうなったか?それはおそらく鬱病だからだ。そういう仮面をかぶらなければやってられなかったからだと思う。その仮面も、いよいよかぶってられなくなったのが今なのだろう。幸い今年になって、サン・イシドロで初めてラス・ベンタス闘牛場でプエルタ・グランデした。そしてオトーニョでもプエルタ・グランデが決まる。そこで仮面を外そうとしたのだと思う。ノビジェーロの頃から観ていたモランテが、ようやく仮面を外し解放されるのは良いことだ。あの涙は、そういうことだと思う。後日ラス・ベンタス闘牛場前に、フェルティバル闘牛で集まったお金でアントニェーテの銅像が立った。式典には、フェスティバル闘牛に参加したクーロ・バスケス、モランテが除幕式を行った。


 11月8日(土) 曇/晴

 ワールドシリーズ前に、救援投手ベシアが家庭の事情でチームから離れることが発表された。この時は、ドジャースは、詳細を明かさなかった。チームにとって痛手だ。しかし、フリードマン編成部長は、これはベシアにとって、ワールドシリーズよりも大事なことだと強調していた。救援投手不安は増幅された。ドジャースは、4勝3敗で勝ち2連覇を達成した。第1戦、スネル先発で4-11。第2戦、山本由伸完投で5-1。第3戦、グラスノー先発で延長18回6-5。第4戦、大谷翔平先発で2-6。第5戦、スネル先発1-6。第6戦、山本由伸先発3-1。第7戦大谷翔平先発で延長11回5-4。両チームの合計得点は、ドジャーズ26-34ブルージェイズ。投手成績は、ドジャースが、7試合4勝3敗1S、73回75安打8本塁打28四球64三振、防御率3.95。ブルージェイズは、7試合3勝4敗0S、73回53安打、11本塁打33四球72三振、防御率3.21。打撃成績は、ドジャースが7試合261打数53安打、11本塁打25得点1盗塁33四球72三振、打率.203、OPS.658。ブルージェイズは、7試合279打数75安打8本塁打33得点2盗塁28四球64三振打率.269、OPS.745。

 打撃・投手の成績どちらブルージェイズが上回っているのに、結果はドジャースが優勝した。ドジャースは先発投手が降板するときに、ランナーを残していることが多かった。そのあとで出た救援投手のほとんどが打たれビッグイニングになっていた。ベシアがいれば状況は変わっていただろうと思うことが何度かあった。ドジャースのブルペン投手たちは、帽子にベシアの背番号51の刺繡をして戦った。それはやがてブルージェイズの選手たちも51の刺繍をするようになっていた。ドジャースは、1点差の試合2試合、2点差の試合1試合勝った。山本が完投した試合も勝ち4勝。ブルージェイズは、3勝した試合全てが4点差以上だった。不安だったブルペン投手が、延長18回の試合では力投した。そして勝負の明暗を分けたのは、ホームランだった。大谷を何度も申告敬遠しても、他の打者がホームランを打った。またブルペンに先発投手が待機して、4本柱(スネル、山本、グラスノー、大谷)以外のシーハン、カーショーなどレギュラーシーズン先発投手がバックアップ体制を取った。1点差試合で、勝負を決めるのは、エラーかホームランである。

 ブルージェイズは、ビシェットが膝を負傷して走塁がままならない。スプリンガーもア・リーグ決定戦で、右膝にデッドボールを受けワールドシリーズ第3戦で右脇腹を負傷した。ヒットを打って出塁しても、ヒットでホームに帰ってこれない状態だった。塁が埋まっても、ドジャースは硬い守備で守り切った。第3戦第7戦の延長でも守り切って、逆転のホームランで勝った。山本由伸は、第2戦、第6戦の先発で勝ち、最終第7戦は、9回1アウトからリリーフで登板して11回まで投げ勝ち投手になり3勝を上げMVPに選ばれた。最終戦だけを観ても、大事な場面でドジャースはスーパープレーが出た。ブルージェイズには、何度も勝つチャンスがあったが、その度にため息が出るようなプレーでドジャースが切り抜けた。9回表ロハスのソロホームランで同点に追いついた。フリーマンは、その時のことを、ベンチで7人くらいが泣いていたと証言している。9回裏の絶体絶命の1アウト満塁で、ロハスの本塁ホースアウトもパヘスのスーパープレーも、ブルージェイズファンを失望させ、ドジャースファンを歓喜させた。そして11回表スミスのソロホームランで逆転。11回裏1アウト一塁三塁のピンチをゲッツーで山本が切り抜けて勝ち切った。

 今日ベシアの初めて子供の女の子が死亡した。ベシアがSNSで発表した。ドジャースのチームメイトの妻たちが、ベシアに哀悼のコメントを綴った。


 11月17日(月) 晴

♪日に日に世界が悪くなる(女の歌声)
 気のせいか(男の歌声) そうじゃない(女の歌声)
 そんなじゃダメだと焦ったり(男の歌声)
 生活しなきゃと坐ったり(女の歌声)

 夕日がとても綺麗だね(男の歌声)
 野垂れ死ぬかも(女の歌声)しれないね(男と女の声)

 何があるのか どこに行くのか(男と女の声で続ける)
 わからぬまま家を出て
 帰る場所などとうに忘れた
 君とふたり歩くだけ

 黄昏の街 西向きの部屋
 壊さぬよう戸を閉めて
 落ち込まないで 諦めないで
 君のとなり歩くから
 今夜も散歩しましょうか♪ ――『笑ったり転んだり』 作詞作曲:佐藤良成 歌:ハンバートハンバート――

 朝ドラ『ばけばけ』は、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と妻・セツの話である。セツがハーンに、『耳なし芳一』の話をしているところから始まる。それから、セツの家族が描かれる。八雲の『日本の面影』などに出てくる当時の日本は、江戸から明治になり士族が没落していく。その悲惨さを最初に描いている。だから、主題歌『笑ったり転んだり』には、♪日に日に世界が悪くなる♪という歌い出しになる。実は、これは2番の歌詞で、1番の歌詞の初めは、♪毎日難儀なことばかり 泣き疲れ 眠るだけ そんなじゃダメだと怒ったり これでもいいかと思ったり♪と始まる。主題歌を作り歌っているハンバートハンバートは、夫婦2人組のグループ。脱力系の唄い方とその声が、何とも『ばけばけ』にはピッタリだ。

 MLBが、ポストシーズンになって夢中になっていたので、今更ではあるのだが録画した朝ドラを観始めた。主演の、高石あかりの声が素晴らしい。怪談を語るときの声。家族や周りの人たちと話す声が良い。笑った時の崩れた顔に愛嬌がある。語り部になっている蛇と蛙の声は、阿佐ヶ谷姉妹。松江に旅行した時に、八雲記念館を訪ねた。八雲が住んでいた家がある。小さな池があり、蛙の鳴き声が聞こえた。そこを観ていると、その左側に蛇がいた。鳴き声の方に舌を出しながら少しずつ近づいていく。すると蛙が飛び跳ねて遠くへ行った。蛇は目的を失って…。まるで、八雲の『日本の面影』の中に出てくる話と同じことが目の前で起きた。非常に感動したのを覚えている。


 11月19日(水) 晴

 1ユーロが180円になった。ユーロが出来て以来、最安値になった。ドル高でもあり、長期金利が1.75%くらいで円の価値が下落している。今スペインへ行けば、昼のメニューはいくらするのだろう?19年は、ムセオ・デル・ハモンのメニューは、10.5ユーロくらいだった。それでも今の為替レートで1900円弱。今は、15ユーロくらいしているかもしれない。そうすると相当なお金をもっていかなければ、スペインを楽しめないということになるだろう。もう何年もスペイン行の飛行機の値段を調べていない。失われた30年。91年にスペインへ行った頃は、ソル近くのレストランのメニューは、350ペセタだった。これをユーロに直すと、2.1ユーロになる。その頃、スペイン人の給料も安かった。今は、日本より高くなっている気がする。それだけ、日本経済が成長していないのだ。

 午後、スーパーへ行きファミレスで遅い昼食を取った。それから街をぶらついて、店に入ったりスーパーを覗いた。何軒も覗いた。最近、安売りスーパーというのが出来ている。多分そういうスーパーで目玉になっているのが、カップ麵、ペットボトル、缶詰など。サバ缶を買うならこういうスーパーで買うのがお得だ。サバ缶は、スパゲッティで食べる。出来れば紅しょうがが入ったさつま揚げと、油揚げやイカのボイルを入れて最後にかきまぜた納豆を入れて食べると腹持ちが良い。晩秋になっても、これで朝食を取ることが多い。たまにうずらの卵を入れたりもするが、それはタンパク質を別の物に代えただけだ。サバ缶ではなく、ツナ缶でも良い。最近1食で、タンパク質を20グラム取る様にしている。そうなると家で食べる時は、豆腐などを足して食べることが多い。


 12月8日(月) 晴

 12月になって、スマホ決済デビューした。使っている携帯電話のポイントが貯まって、3万円近く使えることが判り使い始めた。現金が減らないのは良いことだ。1日に1回、ご飯が食べたい。朝はスパゲッティで、昼はランチに出かけてスマホ決済でご飯を食べる。1食タンパク質20gを目標にしている。スパゲッティには、サバ缶かツナ缶に納豆を混ぜる。それに豆腐を食べるとタンパク質30g前後になる。MLB中継がないと、昼は時間がある。もう冬なので、昼に散歩するようにしている。夏はこうはいかない。今年のように、猛暑日が続くと、外に出る気にもならないからだ。大谷翔平を観てから昼はどうしようか考える。今は、江戸時代の本草学者貝原益軒の言うように、食後は運動で歩くのが健康に良いと思う。

 政府は、補正予算案提出した。物価高対策と言いながら、おこめ券とかいろいろやっているが、新たに国債を発行して補正予算をたてた。こういうことをやるから円安が進む。国債の金利も、18年ぶりに1.9%を超えてしまった。日銀が金利を上げても、円高にはなりにくい状況のようだ。

 今日からMLBのウインターミーティングが行われる。メジャー挑戦の4人の移籍先は、ここで決まるかもしれない。


 12月11日(木) 晴

 あいこちゃんを、ついに見つけた。AIKO CHAN 鯖水煮 伊藤食品150gをスーパーで見つけた。ちびまる子ちゃんというか、チコチャンのようなおかっぱ頭の女の子がキャラクターで、缶に描かれている。廉価で売られていて、179円だった。缶がちょっと、凹んでいるのがあったりしたのはご愛嬌。缶詰は、骨まで柔らかく食べれる反面、体に有害な添加物が入っている。だから、有害なものが出来るだけ入っていないものが良い。そうなると国産で、添加物なしの物が良い。伊藤食品のあいこちゃん印は、そういう意味で良い缶詰のようだ。だから2ダース以上買ってきてストックすることにした。先日青森沖で、地震があった。缶詰のストックは、備蓄品にもなるので丁度いい。

 MLBは、ストーブリーグになった。オーナーたちが集まって、ウインターミーティングが行われた。例年、FAになった選手の動向がささやかれる。大谷翔平を抑えナ・リーグのホームラン王になったDHのシュワバーは、フィリーズに残留。一塁手のアロンソは、オリオールズと契約し、救援クローザーのエドウィン・ディアスはドジャースと契約した。メッツは、アロンソ、ディアスなど主力が抜けチーム解体が進んだ。ドジャースはさらに、タイガースのスクーバルをトレードで獲得しそうだとか、カブスからFAになったカイル・タッカー外野手を狙っているともいわれているようだ。どこまでも貪欲なのだろうと思う。スクーバル、タッカーまで取ったらやりすぎ!他のチーム、ファンから罵声を浴びせられるだろう。ディアスを取っただけでブルペンに厚みが出来るので、3連覇が近づいたはずなのに…。大谷翔平は、11月末に来年のWBCに出場することを発表した。山本由伸、佐々木朗希は、まだ出場するかどうか明言していないが、佐々木朗希に関してはアメリカメディアが名簿に載っているという情報を流した。他のメジャーリーガー投手や、鈴木誠也の情報は出ていない。

 今日は朝7時からテレビを観ていた。カーリング女子日本代表フォルティウスのオリンピック出場出来るか否かが決まる試合。最終エンドまでもつれ込んだが、6-5で勝ってオリンピック出場を決めた。常呂町出身のスキップ吉村紗也香がようやくオリンピックに出場できる。ロコソラーレの藤沢五月の影に隠れているが、10代で日本のタイトルを総なめした。サードの小野寺佳歩も常呂町出身で、ロコの吉田知那美、鈴木夕湖とは常呂中学時代のチームメイト。父親は、ロコソラーレのコーチをやっている。前回出場したオリンピックは、インフルエンザ罹患でリザーブにまわったりして、万全ではなかった。フォルティウスは、元祖カーリング娘の小笠原歩、船山(林)弓枝のチームが基にになっている。二人共やはり、常呂町出身だ。コーチ席には、小野寺が腰痛で欠場した時に、活躍した小林未奈の横に、小笠原と船山が座っていた。女子カーリングは、常呂町出身の活躍がめざましい。常呂町にロコソラーレを作った本橋麻里は、小笠原、船山がいたチーム青森でオリンピックに出場した。

 なぜ女子カーリングは、常呂町出身者が多いのか?それは、カーリングの父といわれた馬鹿な男、酒屋を営む小栗祐治がいたからだ。彼がいなければ、カー娘は存在しない。カナダにカーリングの研修へ行って、魅力に取りつかれる。常呂町のグランドなどに水をまきリンクを作り子供たちに教え始める。カーリング協会を立ち上げ、NHKに話を持っていきカーリングのNHK杯を開催する。その中から、小笠原、船山、そして、本橋が出て、中学生なのに一般が参加する日本カーリング選手権で3位になった常呂中学の吉田知那美、鈴木夕湖、吉田夕梨花(以上現ロコソラーレ)、小野寺佳歩などが出た。馬鹿な男、最高だ。小栗祐治最高だ。NHKの新プロジェクトXで、紹介されたその生きざまは感動を呼んだ。


 12月17日(水) 晴

 ここ何年か10月か11月に京都へ行っていた。今年はそれをやめた。ドジャースのワールドシリーズが、あったのが原因ではない。行く機会はあった。奈良の正倉院展や、他の美術展などを観たかったがそれよりも東京でやっている美術展の方に興味がわいた。丁度大河ドラマで、蔦屋重三郎の物語をやったので、浮世絵の美術展が多く開催された。それが面白かった。歌麿、写楽、北斎が蔦重の時代。そして、平賀源内がいた。この辺の時代が、掘り起こされたのが今年。関連の本も出版された。分かり易さという意味では、死んでしまったが、杉浦日向子は漫画も描きテレビにも出演していたので、江戸文化の研究家としては良かった。田中優子の本もよく読んだ。『カムイ伝講義』『江戸の想像力』など。そして、松岡正剛との対談『江戸問答』。松岡正剛と田中優子が、江戸を語るのはそれだけで大きな価値がある。今年は、江戸時代が徳川幕府の政治以外ところから掘り下げられた。江戸文化がどう作られたかが、浮世絵や黄表紙など文学がどうだったかが見えてえ来た。歌舞伎や落語講談などの娯楽も、もう少し描かれれば良かったが、それは贅沢というものだろう。

 才能と才能のぶつかり合いが、より輝きを持った物を作り出していった時代が蔦屋重三郎の時代だった。楽しかっただろうなぁと思う。狂歌という江戸の粋が、中心にあったから出来上がったのだろう。人が集まり、化学反応が起きる。だから、面白いものが出来上がる。王・長嶋がいた時代、村山実、江夏豊、星野仙一、平松政次、外木場義郎、安仁屋宗八、松岡弘という偉大な投手たちがいた日本プロ野球。ホセリート、オルテガ・カノがいた時代、セサル・リンコンが突然出てきて闘牛場に熱狂を巻き起こした。そして、ホセ・トマスの登場。2・3年経つと、ホセ・トマスの出る日の切符は売り切れになるようになっていた。おそらく2000年が1番いい年だっただろう。どこに出ても素晴らしい闘牛をしていた。そして今MLBは、大谷翔平という史上最高の選手を相手に、打者は向上心をもって挑んできて、投手たちは、自信のある得意球を投げ込んでくる。それでも、ホームランを打ち、投手では三振を奪う。常に変化し、改良し、向上心をもって練習して試合に挑んでいる。最高の物を観ることは、無上の喜びだ。


過去の、断腸亭日常日記。  --バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で--

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