断腸亭日常日記 2009年 スペイン編 その1

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、2006年、2007年、2008年、2009年のスペイン滞在日記です。

99年4月15日〜5月11日 5月12日〜6月4日 6月7日〜6月10日 2000年4月20日〜4月29日
5月1日〜5月14日 5月15日〜5月31日 6月1日〜6月15日 6月16日〜6月29日
2001年4月19日〜5月3日 5月4日〜5月17日 5月18日〜5月31日 6月1日〜6月11日
6月12日〜6月22日 2002年4月16日から4月30日 5月1日〜5月15日 5月16〜5月31日
6月1日〜6月13日 2003年4月16日〜5月24日 5月25日〜6月10日 6月12日〜6月26日
2004年4月14日〜5月7日 5月8日〜5月31日 6月1日〜6月17日 2005年3月31日〜4月24日
4月25日〜5月22日 5月23日〜6月16日 2006年4月13日〜5月6日 5月7日〜5月29日
5月30日〜6月19日 2007年4月20日〜5月19日 5月20日〜6月16日 2008年5月13日〜6月16日
2009年1月1日〜2月10日 2月11日〜3月19日 3月20日〜4月16日 4月17日〜4月24日
4月25日〜5月11日 5月12日〜5月25日 5月25日〜6月6日

 6月7日(日)  マドリードにて

 今日も寒いマドリード。早朝目覚ましをかけて起きてPCに向かった。昨日までの雨が上がった東京競馬場。そう安田記念を買うために起きたのだ。馬体重をチェック、晴・良馬場を確認して買い目を絞る。本命、ウォッカ。対抗、ディープスカイ。3着候補には、カンパニー、スーパーホーネット、ファリダット。ファリダットの馬柱を観て、使い詰めで上がり目がないと判断して、切る。単勝、馬連、3連単を買う。

 結果を見てガッカリ。ハナ差で、3着がカンパニーではなく、切ったファリダットが来ていたからだ。JRAのHPに動画がアップされるのを待って観る。ウォッカは直線前がつまり壁になって出てこれない。それでも後200mくらいの所で隙間が空き、そこを突いて伸びてきて、あっという間に先頭のディープスカイを並ぶまもなく差しきった所がゴールだった。強すぎる!ハラハラドキドキのゴール前で歓声が大きくなった。東京じゃ負けられないウォッカが武豊の腕ではなく、馬自身の力でもぎ取ったGT、6勝目。賞金も牝馬史上初の10億円を突破した。

 「最後の直線の攻防にウオッカの強さが凝縮されていた。ディープスカイがスムーズに抜け出したのに対し、ウオッカはまだ馬群に包まれ、進路はふさがったまま。「降りたくても降りられない。満員電車に乗っているようだった」と武豊騎手はユーモアたっぷりに振り返ったが、確かに危機的状況だった。ようやく視界が開けたのはゴールまで残り200メートルあたり。ここからがすごかった。驚異的な瞬発力を発揮してライバルを追い、並ぶ間もなく抜き去って、安田記念がGIになってから史上2頭目の連覇を達成した。 「ひやひやでした」と言う武豊騎手の表情には余裕があった。「残りの距離が短くても、スペースさえできれば差し切れると思っていました。強さを再認識できましたね」。愛馬への信頼度はさらに深まったようだ。」 ーーサンスポよりーー

 「武豊騎手
「直線は安全策を取ろうとして、かえって前が詰まり(勝負の行方が)際どくなってしまった。厳しいレースをさせてしまい、馬には申し訳なかった。それにしても強い馬ですね」
角居勝彦調教師の話
「状態は前回のヴィクトリアマイル(優勝)より良かった。武豊騎手にすべて任せていたが、最後の直線はひやひやして…。かわせるとは思わなかった。馬に感謝している」 」 ーーサンスポよりーー

 3連単惜しかったよな!3点買っていれば万馬券が取れたけど、それも自分で決めた買い目だからしょうがない。教訓。来そうな気がしたときは買うべし!今日はこれからおそらく今年最後になるだろうラス・ベンタス闘牛場へ行く。


 6月9日(火) 曇 14268 マドリードにて

 闘牛がないと、朝方までまで起きていて目覚ましもなく昼過ぎに起きる。よく寝れる。夜中にネットでRENFEの切符とホテルを予約した。トレドとバダホスの闘牛の切符は未だ手を付けていない。どうしようか考え中だ。

 「世界的演奏家を多く出している「バン・クライバーン国際ピアノコンクール」の結果が7日(日本時間8日未明)、米テキサス州フォートワースで発表され、東京都在住の上野学園大3年、辻井伸行さん(20)が中国人ピアニストの張昊辰(ちょうこうしん)さん(19)と並んで1位となった。 辻井さんは全盲で、国際的なピアノコンクールを全盲ピアニストが制覇したのは極めて異例。

 「まるで夢のよう。ショパンコンクールの時は本選に残りたいという欲があったが、今回は決勝でオーケストラと共演できればいい、という気持ちで臨んだのが良かったのかもしれない」。辻井さんは発表直後、関係者を通じて喜びを語った。 同コンクールは、ピアノコンクールとしてはチャイコフスキー国際コンクール、ショパン国際ピアノコンクールなどと並ぶ難関。過去の日本人入賞者は3人で、1969年の野島稔さんの2位が最高だった。辻井さんは書類選考で残った151人から、決勝の6人に残り、4日にショパンのピアノ協奏曲第1番、6日にラフマニノフの同第2番、7日はベートーベンのピアノ・ソナタ第23番<熱情>などを弾き、聴衆を熱狂させた。この模様はインターネットの公式サイトで流された。

 辻井さんは生まれた時から全盲だったが、音の感覚が鋭敏で、ピアノの多彩な音色にひかれて、4歳から本格的に習い始めた。7歳で全日本盲学生音楽コンクール・ピアノの部で1位に。10歳でオーケストラと初共演してプロデビューした。今までに国内のほかアメリカ、ロシア、フランスなどでも演奏会を開いている。2005年にはショパン・コンクールで「批評家賞」を受賞し、注目を集めた。

 授賞式を終えた直後の辻井さんは、読売新聞との電話インタビューに応じた。
 「とても興奮している。セレモニーが終わって、落ち着いてきたが。お客さんが熱心に聴いてくれ、応援もしてくれたので、持てる力を存分に出し切ることができた。今は何よりも両親に感謝している。プロとしてスタートラインに立ったばかりなので、自分の音楽にさらに磨きをかけたい」

 ◆「天から降る」音色◆
 辻井伸行さんのピアノは音が美しく、「天から降ってくるようだ」と指揮者の佐渡裕(ゆたか)さん(48)などから高く評されている。2007年に上野学園大学に入学。同年末から翌年3月にかけ、初の全国ツアーを行った。07年10月にCD「debut NOBUYUKI TSUJII」をエイベックスから発売している。

 ◆バン・クライバーン国際ピアノコンクール◆
 第1回チャイコフスキー国際コンクールで優勝した米国人ピアニスト、バン・クライバーンの名前を冠し、1962年に始まった。
 原則4年に1回開かれ、今年が13回目。過去にラドゥ・ルプー、アレクセイ・スルタノフ、アレクサンダー・コブリンらが優勝している。 」 ーー讀賣新聞よりーー

 「第13回バン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した盲目の日本人ピアニスト、辻井伸行さん(20)が9日午後、米国から帰国し、成田空港に到着した。 白いポロシャツにベージュ色のジャケット姿、米国土産に買ったという白いカウボーイ・ハットをかぶった辻井さんは、出迎えの関係者に花束を渡され、うれしそうに花のにおいをかいでいた。 辻井さんは「皆さんが温かく迎えてくれたので本当に幸せ。ここまで来られたのは両親のおかげです」と満面の笑み。「(受賞は)まだスタートなので、これから国際的に活躍できる器の大きなピアニストになりたいです」と語った。 同行した母いつ子さん(49)は「よく頑張ったのひと言です」と声を詰まらせていた。」 ーーサンスポよりーー

 「最難関といわれる「第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール」で日本人初の優勝を果たした全盲のピアニスト、辻井伸行(20)の快挙に、早くもCDや、辻井の母による著書『のぶカンタービレ』の売り上げランキングが上昇している。 この本は辻井の母で、元フリーアナのいつ子さんが昨年11月に出版。息子が19歳でプロデビューするまでの日々を綴っている。書名は辻井も大好きだというコミック「のだめカンタービレ」から取った。いつ子さんは、主人公・のだめ(野田恵)がクラシック界の慣行にとらわれずのびのび演奏している姿を、「伸行が演奏中に身体を揺らし、喜びを発散させる姿もまた、同じエネルギーがあります」と重ね合わせている。

 辻井は17歳のときショパン国際ピアノコンクールに最年少で挑みポーランド批評家賞を受賞したが、このときの心境を、「入賞を狙うとかファイナリストになりたいというよりも、本人がこの時期にショパンを弾きたがっている」などと母親は振り返っている。 受賞からマル1日たった9日朝、同書は、ネット販売大手のアマゾンの書籍エンターテイメント部門で21位に急上昇。 CDの売り上げもうなぎ上りで、ショパンやリストの名曲と辻井の自作曲を収めた2枚組「debut」と、今回のコンクール決勝でも演奏した「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番(DVD付)」がアマゾンのクラシック部門で1、2位を獲得。総合ランキングでは「debut」が13位で、さらに上位をうかがっている。

 凱旋公演となる13日の岩手・北上市さくらホール公演には、問い合わせが殺到。クラシック界は、のだめに続き“のぶブーム”に沸きそうだ。」 ーー産経新聞よりーー

 凄いよなぁ。全盲のピアニストといえば、レイ・チャールズとかスティービー・ワンダーとか黒人ミュージシャンを思い出すけど、こういう人たちは、健常者が視角を頼りに記憶していく(この場合音符)のと違い、多分指で弾くこととそれを聴くことが記憶に刻まれていくのだろう。快挙中の快挙!非常に明るいニュースだ。

 7日の結果。 マドリード。フェレーラ、弱い耳要求。マティアス・テヘラ、耳なし。ルベン・ピナル、耳1枚が2回。 グラナダ。ラファエリジョ、耳要求で場内1周。バウティスタ、耳1枚。エル・グエハラニョ、場内1周、耳1枚。ジージョ、耳2枚。 アルバセーテ。ポンセ、耳1枚が3回。マンサナレス、耳1枚。ミゲル・テンデロ、耳1枚、コヒーダされ左腕に10cmの角傷を受ける


 6月10日(水) 11026 晴 マドリードにて

 レアル・マドリードに、カカが移籍した事より何より、辻井伸行さんがヴァン・クライバーン・コンクールで優勝したことの方が僕にとっての大ニュース。

「快挙を達成した全盲のピアニスト、辻井伸行さん(20)。米テキサス州フォートワースで7日(日本時間8日)にあった「第13回バン・クライバーン国際ピアノコンクール」で優勝した。関係者は「みんなの励みになる」と喜んだ。

 先月4日、大阪市中央区のいずみホールで開かれた2009大阪芸術祭「光あふれる新緑のコンサート」(毎日新聞社主催)。辻井さんは、点字の考案者として知られるルイ・ブライユの生誕200年記念のこのコンサートに出演し、視覚障害招待客など約700人を前にリストやショパンのほか、「高尾山の風」などのオリジナル曲も披露した。 辻井さんは「ブライユを記念したコンサートに出られて光栄です」とあいさつ。演奏中、曲を楽しむかのように体全体でリズムをとり、若々しく力強いタッチのなかにも、美しく流れるような繊細な旋律も織り交ぜて、聴衆を魅了した。 同じコンサートに音楽科の生徒ら14人と出演した大阪府立視覚支援学校の福島伸子教諭(31)は受賞の知らせに、「すぐ生徒たちに報告します。このような方と共演できたことは、生徒たちの喜びと励みになります」と喜んだ。「視覚障害のある子どもはもちろん、日本の子どもたちにとって未来への可能性を広げる光となるのでは。(健常者と)同じ土俵で素晴らしい成績があげられるということは、日ごろの研さんも含め生徒たちの目標になっています」と話した。

 ◇本物と認められた 指導の横山教授
 辻井さんを約6年間指導している上野学園大の横山幸雄教授(38)は決勝直前に現地に駆けつけ、直接指導した。「どこから評価されても減点されることがないように指導したつもり。予選での彼の演奏は会場に強い印象を与えていた気がしたので、優勝するのではと思っていた」と話す。「このコンクールは完成された音楽家を求めている。本物として認められたということ。彼の演奏活動のターニングポイントになるだろう」と喜んでいた。

 ▽辻井さんとよく共演している指揮者、佐渡裕さんの話 コンクールで一つ勝ち進むたびに伸君から電話をもらっていたので、1位になったと聞いてうれしくて号泣してしまいました。伸君の演奏を初めて聴いたのは彼が13歳のころで、いただいた彼のCDを聴きながら涙が流れました。彼の音楽は色彩感や温度、幸福感に満ちています。いつも「全盲のピアニスト」ととらえられがちですが、僕が彼の音楽に共感したのはハンディがあるからではなくて100%音楽的なことに対してでした。」 ーー毎日新聞よりーー

 「7日、米国のバン・クライバーン国際ピアノコンクールで、全盲のピアニスト辻井伸行さんが中国人の張昊辰さんと並んで1位となった。同コンクールでの日本人優勝者の誕生は史上初。2位は韓国人のソンヨルムさんが受賞し、アジア勢が上位を独占したことを受け、辻井伸行さんは受賞後「1位と2位を日本、中国、韓国のピアニストが分け合ったのは、とても意味のあること」と語ったという。

 韓国人ブロガーのleekk55は「クラシックの復活を導く東洋の3国、その未来の主役たちが作ったパフォーマンスには感動のストーリーが存在した。私たちに魂の演奏を見せ、感動を与えてくれた辻井伸行さんに感謝したい。インターネットの生放送でこのコンクールを体感できる時代に生まれて、本当によかったと思う。ソンヨルムさんも彼とともに競い合ったこのコンクールは、何物にも代え難い素晴らしい経験となるだろう」とコメント。

 Redholeも同様に「彼のメロディーはコンクール会場の2000余名の聴衆と、インターネットでの生中継を見ていた全世界数十万のネットユーザーたちの心の琴線に触れた。そして辻井さんは今度の大会を控えて、パンフレットの演奏者紹介欄に『音楽の前ではどんな障壁も存在しない』と書いたという。彼の演奏を聴いてその言葉を実感した」と述べた。」 ーーサーチナよりーー

 昨日、下山さんからTELがあり、辻井伸行さんの事を訊かれた。YouTubeで演奏が聴けることを教え、メールでアドレスを書いて送った。ここにもそれを書いておく。報道ステーションのコンクールとインタビューが2つに分かれて載っている。ここここニュース・ゼロフジTV夕方のニュース。そして優勝したクライバーン(Clibum)コンクールで演奏。観客が総立ちの中、喝采が鳴りやまない。1分以上続いている。ここにいた観客は歴史の証人として立ち会ったのだ。

 インタビューの中で、どうやって曲を覚えるのかという質問に、どうやってといわれても自然に入ってくるという様なことを言っていたが、それは何万に1人という特殊能力。一回聴いた音をそのまま楽器を弾いて音を出せるという特殊な能力が彼にはある。だから楽譜がなくても、誰かに弾いて貰えれば弾けるのだ。何という名前の能力か忘れてしまったが特殊な才能だ。彼が尊敬する、スティービー・ワンダーやレイ・チャールズもその特殊な能力と才能に恵まれていた人たちだ。

 そして、自作の曲、『川のささやき』を、聴くと穏やかな気分になる。それは、同じように障害者として作曲を続ける大江健三郎の子ども光さんのものと違う輝きを持つ。これだけの演奏を出来こと自体、健常者を上回っているし、『川のささやき』では、活き活きとみずみずしい感性を感じる。

 昨日は、ネット観て泣いていた。自然に涙が出て来た。今回のコンクールに出場する前に、ヴァン・クライバーン氏は『フォート・ワース・スター・テレグラム』で辻井伸行さんの演奏を聴き、「奇跡としか言いようがない」「まさに神業だ」とコメントし絶賛したという。コンクールのから2つ載せる。もうアクセスが6万回超える5月23日5月31日のセミファイナル


 6月11日(木) 晴 11934 マドリードにて

 マドリードは昨日辺りから再び暑くなってきた。そうクアレンタ・デ・マジョが過ぎたからだ。昨日は久しぶりにグラン・ビア裏のメルカドに行った。一昨日は、夜にぶらついていたら、スーパーのディアが開いていたので久々に入って中を見たら、生姜焼きに丁度いい豚肉があったので買ってきて、生姜醤油に漬けて食べた。醤油があると肉が2倍も3倍も美味しい!それでメルカドで野菜を買おうと観ていたら、真っ赤な小さいピーマンを見つけ、買おうとしたら店の人が、物凄く辛いと言ったので、3個だけ買った。後はモロッコ・インゲンやセタ、キュウリなどを買ってきて料理した。

 物凄く辛いと言っていた真っ赤なピーマンは炒めているときに一切れ口に入れたら、唐辛子の10倍以上の強烈な辛さだった。たまらず吐きだした。スゲー辛いと言ったらピソの住人が笑っていた。実は笑い事じゃない。料理するために切った時に触った両指はその後、やけどした後のような痛みを感じた。それが1日経った今でも未だ少し残っている。今朝の便通では、肛門が熱かった。辛すぎるのは問題だ!今日の朝食はコーヒーではなくコーラで食べた。この方が整腸作用があるのだ。あれって世界一辛いババネロだったりして…。

 下山さんからTELがあり、YouTubeで観た辻井伸行さんに感動したと言っていた。鳥肌が立ってくるといっていた。

「米テキサス州フォートワースで開催中の「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」に出場している全盲のピアニスト、辻井伸行(つじいのぶゆき)さん(20)が、そのハンディを感じさせない卓越した演奏で全米を驚嘆させている。地元紙は「完全なる奇跡」「神々しさの権化」とまで称えた。」 「今回、本予選でショパンの「12の練習曲」を演奏した辻井さんは、セミファイナルでは弦楽四重奏団とシューマンの五重奏曲などを見事に共演してみせた。地元紙「フォートワース・スターテレグラム」によると、共演した演奏者は「レイ・チャールズやスティービー・ワンダーの例はあるが、全盲でクラシックの分野で超一流のプロの領域に達しているのは奇跡だ。魂のサウンドだ」と驚嘆。聴衆の一人も「演奏中は彼が全盲であることを忘れていた」と絶賛した。辻井さんはAP通信のインタビューに「ピアニストにとって、目が見えないことはハンデではない」と言い切った。」 ーーIZAよりーー

 「(セミファイナルから総立ちの拍手を受け)聴衆の皆さんが僕の演奏を楽しんで聴いていただいているのが分かり、心から楽しんで演奏することができました。現代作品はとても演奏の難しい作品でした。楽譜を手渡さされてから1カ月でしたが、共感を寄せることのできる作品でしたので、僕だけ暗譜をして楽しく演奏したら賞までいただいて感激しています。バン・クライバーンからは結果発表時に2度も祝福の抱擁をされた。奇跡のピアニストでこれからもっと活躍してほしい、と励ましの言葉をいただいて、本当に光栄なことです」 ーー産経新聞よりーー

 「辻井さんは「バン・クライバーンから『奇跡のピアニストで、これからもっと活躍してほしい』と励ましの言葉をいただき、本当に光栄」と語った。 またプロデューサーは、審査員から非公式に「全盲というハンディキャップはまったく考慮していない。純粋に演奏が評価された」と打ち明けられたという。

 逆境を乗り越えての優勝は、知人や関係者にもより大きな喜びをもたらした。辻井さんの父親、孝さんは「幸せな人生が歩めるか、常に不安を感じてきた息子だったが、優勝の瞬間は『生まれてきてよかった』と感じてくれただろう。お世話になった方や、伸行の目となり手足となり付き添ってくれた妻に感謝したい」と話していた。」 ーー産経新聞よりーー

 「辻井さんと同じ全盲のピアニストで、98年にロン=ティボー国際コンクール(パリ)で第2位に輝いた梯(かけはし)剛之(たけし)さん(31)は「辻井君の音楽を聴いて、たくさんの人が癒やされると思うので、これからもじっくり時間をかけて、あせらずにがんばってほしい」とエールを送った。

 ウィーンで知らせを聞いた梯さんは「うれしい。僕が自宅で闘病生活をしていた13歳のとき、まだ言葉もあまりしゃべれない辻井君がお母さんに連れられて家に来てくれたんです。おもちゃのピアノを持ってきて、唱歌とかいろいろ熱演してくれた。そのときすごく才能のある子だなあと感心しました」と思い出を語った。

 また、「コンクールで入賞すると、ものすごく忙しくなる。今まで以上に大変だと思います。練習の合間に散歩したり、意識的に瞑想(めいそう)したり、ゆったりとした時を過ごすことによって、体も精神も休まるし、音楽も深まると思います」と今後を気遣った。」 ーー毎日新聞よりーー

 辻井伸行さんは、12日にサントリー・ホールで、ロシアのプーチン首相が大統領時代の2003年、直々に創設を行ったロシア・ナショナル・フィルハーモニー交響楽団(NPR)と競演のコンサートに出演するという。観たい!その日は、グラナダに行ってホセ・トマスを観る。中村紘子が言うように、辻井伸行さんは、アメリカでもそれ以外でもスーパースターになっていくんだろうなぁと思う。

 辻井さんの演奏について、彼が普段通りに演奏しているのに、それを観ている観客の方が異常に興奮していて、まるで良いときのクーロ・ロメロ状態で、観客の方にドゥエンデが降りてきているようだと言うと、下山さんは、去年のラス・ベンタス闘牛場のホセ・トマスの様に、「神」の様だったという。あの時の観客がホセ・トマスのことを、完璧だったとか、神のようだったとか、足が地面から浮いていたとか、言っていたそうで、それと同じだと言う。1分以上拍手が鳴り止まないことについても、人間は興奮するとああいう状態になる。去年のホセ・トマスやバルセロナのレアパレシオンの時の興奮はそういうものと同じだったという。

 確かにそうかも知れないと思った。してみると、僕は非常に良い闘牛を観ていることになる。

 9日の結果。 グラナダ。エル・シド、ファンディ、マンサナレス、耳1枚。

 10日の結果。 グラナダ。モランテ、耳2枚。ペレラ、耳1枚が2回。タラバンテ、耳2枚、耳1枚。


 6月12日(金) 晴 11801 マドリードにて

 これから、グラナダ行きの列車に乗る。忘れ物がないように気を付けて行きたい。

 11日の結果。 セビージャ。ウセダ・レアル、場内1周。サルバドール・コルテス、耳1枚。ぺぺ・モラル場内1周。 グラナダ。オルドニェス、耳1枚。ファンディ、耳1枚、耳2枚。カジェタノ・オルドニェス、耳1枚が2回。


 グラナダに到着。ホテルからネット接続も問題なし。これから昼食を取り少し休んで闘牛場へ向かう。


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