断腸亭日常日記 2006年 スペイン日記 その1

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、2006年のスペイン滞在日記です。

99年4月15日〜5月11日 5月12日〜6月4日 6月7日〜6月10日 2000年4月20日〜4月29日
5月1日〜5月14日 5月15日〜5月31日 6月1日〜6月15日 6月16日〜6月29日
2001年4月19日〜5月3日 5月4日〜5月17日 5月18日〜5月31日 6月1日〜6月11日
6月12日〜6月22日 2002年4月16日から4月30日 5月1日〜5月15日 5月16〜5月31日
6月1日〜6月13日 2003年4月16日〜5月24日 5月25日〜6月10日 6月12日〜6月26日
2004年4月14日〜5月7日 5月8日〜5月31日 6月1日〜6月17日 2005年1月1日〜1月28日
1月29日〜2月25日 2月26日〜3月30日 3月31日〜4月24日 4月25日〜5月22日
5月23日〜6月16日 6月19日〜7月28日 7月29〜8月13日 8月14日〜9月7日
9月8日〜10月7日 10月9日〜11月10日 11月11日〜12月31日 2006年1月2日〜2月9日
2月10日〜3月17日 3月18日〜4月12日 4月13日〜5月6日

 5月7日(日) 曇り 3950

 昨日の闘牛は何と言えばいいのだろう?全体的に言って闘牛はちゃんとやっていたと思う。が、牛が動かない。良いぞ、続けろと、思うと良いパセが出なくなる。そんな繰り返しだったと思う。ちゃんとやれば牛が動くという物でもない。闘牛は難しい。馬鹿だと思っていたフェルナンデス・ピネダだって角のことをちゃんと解っていたし、期待していなかったトレス・ヘレスも悪くなかった。何が悪いかと言えば、牛がおかしいとしか言えないような気がする。この闘牛をつまらないと一言で言えばそれまでだが、牛と闘牛士のバランスというかコミュニケーションが取りづらかった闘牛だった。

 それにTシャツにフリーズ、下はズボンで行ったが日が暮れると寒かった。今日も天気が良くないので少し厚着をしていこうと思っている。メヒカノで買ってきたコーヒーを入れていたら、アントニオが、質の高いコーヒーだねと言った。飲んでみて判ったが美味しい。スーパーなどで売っているコーヒーと全然違う。250g入りで2.55ユーロ。日本より状態が良く、しかも安い。と、Kadoyanも言っていたとおり。今回は、コロンビアを買ったが、Kadoyanお勧めのケニヤを次回は買おうと思う。

 NHK・マイル・カップは、やはりフサイチリシャールは勝てなかった。勝ったのは武豊騎乗のロジック。競馬は理論通り行かないんだけど・・・。

 6日マラガで行われたフェスティバル闘牛で、エル・シドがハンディージャ牧場の牛をインドゥルトした。

 6日の結果。 マドリード。ファン・ディエゴ、フェルナンデス・ピネダ、トレス・ヘレス、耳なし。 ログローニョ。ミックス闘牛。騎馬闘牛士、メンドーサ、耳2枚。闘牛士、モランテ、耳なし。見習い闘牛士、カジェタノ・オルドニェス、耳なし。 プエルトジャノ。コルドベス、ビクトル・プエルト、耳2枚。エル・カペア、耳2枚が2回。 コルメナール・デ・オレハ。アベジャン、耳2枚、耳要求。ロブレニョ、耳1枚。セラフィン・マリン、耳1枚。左太腿に10cmの角傷を受ける怪我。 ヘレス・デ・ロス・カバジェーロ。フィニート、耳1枚。オルドニェス、耳2枚。ファンディ、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。

 トレビエハ。カナレス・リベラ、耳1枚。ビクトル・ハネイロ、耳2枚。レジェス・ラモン、耳2枚。 ボカイレンテ。ヘスリン、耳1枚、耳1枚ともう1枚要求で場内2周。バレラ、ファン・アビラ、耳1枚、耳2枚。 アルカラ・デ・ロス・ガスレス。ミックス闘牛。ヘスリ・デ・トレセラ、耳1枚、耳2枚と尻尾1つ。見習い闘牛士、ダビ・ガラン、耳1枚が2回。ベセリスタ、フラン・ゴメス、耳1枚が2回。 ソンセカ。カリファ、耳なし。エウヘニオ、耳1枚。ルイス・ビルチェス、耳なし。 バラソテ。セルヒオ・マルティネス、耳2枚。バルベルデ、耳1枚。セラニト、耳1枚、耳2枚。 ロタ。アントニオ・マヌエル・プンタ、耳1枚。ファン・コントレラス、エンリケ・ペーニャ、耳1枚が2回。

 マラガ。フェスティバル闘牛。騎馬闘牛士、アルバロ・モンテス、耳なし。闘牛士、ニーニョ・デ・ラ・カペア。耳2枚。マンサナレス、エスパルタコ、耳1枚。ポンセ、ハビエル・コンデ、耳なし。エル・シド、シンボルとして耳2枚と尻尾1つ。見習い闘牛士、ハビエル・アビレス、耳なし。 アルブルケルケ。フェスティバル闘牛。騎馬闘牛士、ジョアオ・モウラ(息子)、耳2枚。闘牛士、フリ、耳1枚が2回。ミゲル・アンヘル・ペレラ、耳2枚と尻尾1つ。 アグアカリエンテ(メキシコ)。セサル・リンコン、耳なし。ラファエル・オルテガ、耳1枚ともう1枚要求。ホセ・マリア・ルエバノ、耳1枚。


 5月8日(月) 晴れ 4515

 起きるのが遅く、朝食が13時過ぎになっている。これも寝るのが遅いからだ。最近、歩かないので体が眠くならないようだ。少し、外に出て歩き回った方が良いようだ。天気が悪かったせいもあるが、そればかりが理由ではない。何かないとなかなか外に出ないのだ。理由を作るより、習慣として散歩みたいな事をしないとダメだろう。日々の買い物でも良いし、出かけて何かを探したり、調べたりする様なことをして歩こうと思う。

 今日ネットにラス・ベンタス闘牛場での、サン・イシドロ、75周年記念フェリア期間中の催しが発表された。15日にセサル・リンコンが来て1980年から2005年までのサン・イシドロを振り返って話をするようだ。是非行きたい。だから、今年もコミック闘牛を観ようと思っていたがそれはやめにしようと思う。

 昨日の闘牛場は寒かった。前日の教訓を生かして厚着して行ったら待ち合わせしていた、アナスタシアさんに笑われた。しかし、闘牛が終わる頃には、周りのスペイン人も含めて彼女も寒いと言っていた。あまりに寒いので、コーヒーを飲んで帰ってきた。一昨日は、もっと寒かったので、帰りにコルテによって、暖めるだけでいいスープを買って来てレンジで温めて飲んだ。とっても、暖かい気分になった。闘牛は、寒いのと風が強いのと、牛を思うように扱えずにつまらなかった。エウヘニオは、去年一昨年よりは良かった。毎年サン・イシドロに出場して欲しい闘牛士の1人だけど、アポデラードが変わってから出場できずにいるのが残念だ。

 7日の結果。 マドリード。エウヘニオ、フェルナンド・クルス、ルイス・ミゲル・バスケス、耳なし。 バルセロナ。フィニート、耳要求、耳1枚。モランテ、罵声、耳2枚。ファンディ、耳なし。 モストレス。コルドベス、耳1枚、耳2枚。オルドニェス、耳2枚。カステージャ、耳2枚、耳2枚と尻尾要求。 イブロス。ビクトル・プエルト、耳1枚、耳2枚と尻尾1つ。ハビエル・ロドリゲス、耳1枚。ミウラ、耳2枚、耳1枚。 モラレス・デル・ビノ。カナレス・リベラ、耳1枚が2回。バルベルデ、耳1枚、耳2枚と尻尾1つ。エドゥアルド・ガジョ、耳2枚、耳1枚。 コルメナール・デ・オレハ。フェスティバル闘牛。闘牛士、トマス・カンプサーノ、耳1枚。ビクトル・メンデス、ファン・バウティスタ、イバン・ガルシア、耳2枚。アルバロ・フスト、耳1枚。見習い闘牛士、ダニエル・ルケ、耳2枚と尻尾1つ。おまけ、闘牛士、ファン・クエジャール、耳2枚と尻尾1つ。


 一馬からまたメールが来た。以下引用。

「4/30(土)の東スポ紙面
清水成駿「馬単三国志」より、以下抜粋します。

(中略)・・・ 先週、「1馬」時代の盟友・石井進吾の急逝は
何ともいたたまれない思い。「予想」にしか生きられなかった
職人・石井進吾の退社は言ってみれば舟を取り上げられた船頭のようなもの。
舟のこげないストレスは余人の想像を超えるもの。
それでも今は、うまそうに目を細め、盃に口を寄せる進吾の顔しか浮かばない。
「ああ、もう少し早く立ち上げていれば・・・」と片翼をもぎ取られた
無念ばかりが先立つ。冥福を祈って合掌。


49日を超えぬ日を見計らって、石井さんの家へ
線香をあげに行ってくるつもりです。」

 何も清水成駿だってぼやぼやしていたわけではないだろう。何故って、『一馬』を辞めるときだって、社長から条件が出されていたはずだ。それで、毎週の予想を定期的に新聞紙上で出来ずにいた。当然、ラジオにも出演できなかった。その間は、週刊誌などに記事を書いていた。色々な制約があったのだと思う。それが今でも続いているのかも知れない。だから、石井進吾への配慮がなかったとは全然思えない。精一杯やったと思っている。だから、それでも、「ああ、もう少し早く立ち上げていれば・・・」と、つぶやき、合掌するのだ。そして、楽しかった頃を思い出しながら、「それでも今は、うまそうに目を細め、盃に口を寄せる進吾の顔しか浮かばない。」と、語る心情は、察してあまりあるではないか。本当に泣けてくる!

 一馬も、「49日を超えぬ日を見計らって、石井さんの家へ線香をあげに行ってくるつもりです。」って言うのも、あいつらしくてうなずける。一馬、良い仕事しろよ。いや、それより良い人生を送れよと、思った。


 5月9日(火) 晴れ 6236

 また朝遅く起きてパンを摘んでラス・ベンタス闘牛場へ行った。6月3日と4日の切符を買ってきた。帰りにコーヒーを買おうと思ったらメヒカノは閉まっていた。夕方行かないとダメだ。今、Kさんと昼食を中華で取ってきた。チャーハンの米が長い米だった。チャーハンや、パエジャの時はこういう米の方が良いのかも知れないと思った。

 昨日の夜は、ISOさんと佐々木さんと、くまさんと、あとから、MHの女の子と5人で飲んだ。サッカー闘牛フラメンコの話をした。俺も熱いけど、佐々木さんも熱い。

 ネットで観ていたら、ジーコ・ジャパンは、1−2で負けた。本当にバックスはどうかした方が良い。勿論、点を取れないフォワードは最低。結果が出ないとスペインではぼろくそ言われる。日本では、色々言い訳を言ってかばったりするが、それが逆に選手を甘やかしているような気がする。結果が出ないのはやる気がないのと一緒だと思って、やじらないと。そこに行くと、阪神ファンは偉い。そういうことを長年に渡ってやってきたのだから。

 8日の結果。 バルデモロ。ヘスリン、耳1枚が2回。ファンディ、アンドレス・レブエルタ、耳2枚、耳1枚。 PALAVAS(フランス)。フリ、耳2枚。ファン・バウティスタ、耳1枚、耳2枚。サルバドール・コルテス、耳1枚。


 5月10日(水) 晴れ 6908

 いよいよ今日からサン・イシドロが始まる。体を清めて闘牛場に向かい事にする。昨日夜、ネットを観ていたら、マルテリジャ牧場の牧場主のゴンサロ・ドメクは12頭の牛を用意したそうだ。始め8頭を持ってきて、あとから4頭追加した。獣医検査で何頭か落とされても絶対6頭だつという意志が感じられる。セビージャのグラン・トゥリンファドールのサルバドール・コルテスのコンフィルマシオンの日。ラス・ベンタス闘牛場のHPに、サルバドール・コルテスは、セビージャでトゥリンフォしたあとでラス・ベンタス闘牛場でプエルタ・グランデするのが夢だと言っている。97年のサン・イシドロでエウヘニオと共に活躍した当時見習い闘牛士だった(今は闘牛士)ルイス・マリスカルの弟。それと、アベジャン。良い闘牛が観れることを祈ろう。

 闘牛HPのムンド・トロに、載っている記事には、各メディアの注目闘牛士の名前を上げている。それによると、『ディヒタル・プルス』のマノロ・モレスは、12か13の面白いカルテルが組まれていると言う。シンコ・グランデと言い、セサル・リンコン、エル・シド、エンリケ・ポンセ、エル・フリ、モランテ・デ・ラ・プエブラの名前を上げている。『6TOROS6』のパコ・アグアドは、今年フリは何とかしなければ。と言い、あとは若手の名前を上げた。セサル・ヒメネス、セバスティアン・カステージャ、マティアス・テヘラ、ミゲル・アンヘル・ペレラと、イバン・ガルシア。『TVE』のフェデリコ・アルナスは、ポンセ、フリを上げ、セバスティアン・カステージャがプエルタ・グランデするだろう。エル・シドも。見習い闘牛士では、アレハンドロ・タラバンテ。騎馬闘牛士は、ディエゴ・ベントゥラ、アンディー・カルタヘナを上げた。

 人それぞれ見方があるが、1番まともなのは、マノロ・モレスだ。僕の注目闘牛士は、セサル・リンコン、エル・シド、セバスティアン・カステージャ、セサル・ヒメネス、ミゲル・アンヘル・ペレラ、セラフィン・マリン、サルバドール・コルテス、ミゲル・アベジャン、エドゥアルド・ガジョ。あと期待しているのが、フィニート・デ・コルドバ、エル・カリファ。アントニオ・フェレーラ、ビクトル・プエルト。多分、モランテ・デ・ラ・プエブラはダメだと思う。見習い闘牛士では、ホセ・トマスのアポデラードだったアントニオ・コルバチョがやっているアレハンドロ・タラバンテ。騎馬闘牛士は、パブロ・エルモソ・デ・メンドーサ、アンディー・カルタヘナ。さあ、どうなるか。6月2日まで楽しめる。そして、今年はそのあとの闘牛も良いカルテルが組まれている。

 昨日、買い物に出かけた帰りにFNACに寄った。DVDなどを観ていたら、ストーズの4枚組59.98ユーロが19.98ユーロで売っていた。思わず欲しいと思ったが、待てよ、Amazonで検索してからと思って帰ってきて観たら、演奏シーンがない評判が悪い物だった。他に、バースとエミルー・ハリスとウィリー・ネルソンのDVDも安く売っていた。エミルー・ハリスは、スプリングスティーンの『ボーン・トゥ・ラン』を歌っていた。これはいいやと思ったが、バースのDVDはほぼヒット曲を集めた物だったので、欲しいと思った。日本では手に入らないようだ。それと、検索していてFNACにあったら欲しいのが、ウィリー・ネルソンの『アウトローズ・アンド・エンジェルス』。これには、ディランやキャロル・キングが出ている。 


 5月11日(木) 曇り 9467

 朝、両替に行ってTELなどかけていたら待ち合わせの時間前になったので、すずめさんにTELをして事情を説明してから向かった。それからバルで、スペインの事や色々なことを話をして部屋に帰ったのは16時過ぎ。昼寝をすると用意が遅くなるのでシャワーを浴びてようやく落ち着いた。10時起床では、遅い。明日は8時の起きれるようにしたい。昨日は闘牛が終わったあと、M夫妻と3人でバルで一杯やった。サルバドール・コルテスの話で、パセが廻すような感じになっている。あれだと、ベンタスでは受けないという。判りやすく言えば、セサル・リンコンが同じようにパセを繋げば、牛を最後まで観てムレタを振っているから、次にパセを繋ぐときに、牛をちゃんとムレタを出すところに置いている。サルバドール・コルテスは、それが出来ないから、3歩歩いてからパセを繋ぐ。それが、ダメだという意見だった。

 僕は、コロカシオンが良いことと、角の善し悪しが分かっているのが素晴らしいことを言って反論した。Mさんの言っていることは判るが、それは上級な話だ。確かにそうなれたら素晴らしいだろうが、あそこまで闘牛を理解して表現できているのは、充分1流の証になると思う。そこまで行かない闘牛士はごまんと居る。ただ、今日の牛ならもっと徹底してやった方が良いと言った。例えば、遠くに立って牛を誘いパセしたら、また距離を取って遠くから牛を誘ってパセをする。そういうのを何度も続けるだけでも感動する。ベンタスならそういうパセでも観客はちゃんと観ているし評価するのだ。だから、徹底して何かをすると言うことが足りなかったと言った。

 闘牛は難しい。観れば観るほど、色々な見方が判ってくるのだ。だから、自分と違う意見だからと言って排除するというのは、傲慢だしお門違い。色々な見方、感じ方をそれぞれが話し合った方が面白いと思う。それこそが闘牛の幅を広げるのだ。

 10日の結果。 マドリード。アビジャン、アントン・コルテス、サルバドール・コルテス、耳なし。


 5月12日(金) 曇り 7770

 昨日のセサル・ヒメネスのプエルタ・グランデは良かった。何年か後には、サン・イシドロの中心メンバーになっていつもプエルタ・グランデを観れる闘牛士として活躍しているだろう。彼は大きな可能性を感じさせる闘牛をした。ああいうことをやったら、コヒーダされて病院に行っていてもおかしくないだろう。でも、コヒーダもされないのは、良く知っているし、良く牛を観ているからだ。Mさんが、セサル・ヒメネスがやっているときにホセリートがカジェホンに出てきてセサル・ヒメネスの近くでずっと観ていたと、言っていた。セバスティアン・カステージャにとっての、カンプサーノの様な存在にホセリートはなってきたのだろうか?

 セサル・ヒメネスは、パセの時の姿勢が綺麗だ。どんなときでも、安心して観ていられる。危ない牛でも、剣刺しの時でもちゃんと出来るだろうと思えてしまう。それは良いことだし、同時に感動があまり感じられないのだ。素晴らしい闘牛をしている。が、面白くないのだ。それがホセ・トマスの様にこらえきれない感情が想起するような闘牛を出来るようになったら本物だろう。それでも、ホセリートだけじゃなく多くの人が彼の質の高さを認識しただろう。

 好みで言ったら、エドゥアルド・ガジョのファエナの方が好きだ。技術的にはセサル・ヒメネスよりもかなり落ちる。それでも、彼の闘牛には感動が感じられた。ちょっと熱くなった。エンカボも良いと思った。牛の頭をあれだけ下げさせたら喝采を送りたい。そして、今日も闘牛がある。セバスティアン・カステージャがどういう闘牛を見せるか、楽しみだ。

 11日の結果。 マドリード。エンカボ、耳1枚。セサル・ヒメネス、耳1枚が2回。エドゥアルド・ガジョ、耳1枚。


 5月13日(土) 晴れ 8758

 昨日闘牛が終わって、みんな興奮状態でコロキオに行った。Yさん笑顔だ。そして、セバスティアン・カステージャのことを話すると目が潤んでくる。闘牛には色んな興奮がある。前の日の耳4枚より凄い闘牛だった。セサル・ヒメネスのプエルタ・グランデは上手いと感心して、エドゥアルド・ガジョは感動があった。でも、セバスティアンの感動は遙かに前日の感動を乗り越えている。深い感動。人間の体の奧まで感動させる物だった。セバスティアンに乾杯してコロキオが始まった。くまさんの掲示板で知り合ったcaballoさんは、初めて闘牛を観た。その人も、驚いていた。凄いですね。斎藤さんが闘牛にハマルのが判る気がします、と。

 そのcaballoさんの仕事は、家畜を殺したりする仕事で、闘牛士の剣刺しを観て感心していた。と言うのも、屠殺するときに前脚の付け根の動脈を切って殺すそうだが、完全に動かなくなるまで3分くらいかかるという。それまでに、体を痙攣させたり、暴れたり断末魔の苦しみをするそうだが、剣刺しで殺すときはそういうのがないですね。と、言う。非常に面白い話だったのでみんなにも訊いて貰った。みんなも、そうなんだと、驚いていた。そして、帰りにメールで詳しく書いて送ってもらいように頼んだ。是非HPに載せたいのでと言ったら、喜んでくれたみたいだった。闘牛って残酷じゃないのだ。そのことを分からない人が多すぎる。観もせずに何が判るというのだろう。

 今日の新聞を買ってきた。タイトルが、エル・ムンドが、『Castella, una quietud de fuego』 ラ・ラソンが、『Napoleon Castella asusta y emociona』 だった。

 12日の結果。 マドリード。ファンディ、耳なし。カステージャ、耳1枚。エル・カペア、耳なし。 ヘレス。ポンセ、耳2枚。パディージャ、耳1枚が2回。エル・シド、耳なし。


 5月14日(日) 晴れのち曇り 6760

 昨日の闘牛で耳を切ったフェルナンド・クルスはマドリード闘牛学校出身。学校以外の所で色々考えて闘牛術や牛の扱い方を勉強してきたのだろう。場内1周をしているときに、バンデリジェーロの中にミゲル・クベーロがいた。去年までセサル・リンコンに付いていた。その前が、ホセ・トマスである。そして、昨日の写真を観ていたら、ルシアノ・ヌニェスがいた。それが何とフェルナンド・クルスのアポデラードだった。つまり、同じくホセ・トマスの所でバンデリジェーロをやっていたルイアノがミゲル・クベーロを呼んでフェルナンド・クルスのバンデリジェーロに付けさせたのだろうと思ったのだ。彼がセサルの所から抜けた理由が分かった気がした。そして最後の牛をミゲル・クベーロに捧げた。何を言ったんだろう?

 古馬牝馬だけのヴィクトリア・マイルは、初めの予想が、ラインクラフトとダンスインザムードの1点予想をしていたが、馬場状態が悪化したというのを読んで、勝つのはダンスインザムードだと思っていた。結果は、ダンスインザムードが優勝し、2着がエアメサイヤ、3着がディアデラノビアだった。ラインクラフトは、直線伸びずに9着。

「GI馬5頭を含む実力のある古馬牝馬が勢ぞろいしたマイル女王決戦は、関東のダンスインザムードに軍配が上がった。好発進から好位に控え、直線ぎりぎりまで待ってスパートした北村宏司騎手は8年目にしてうれしいGI初制覇だ。

北村騎手は「プレッシャーはありました。期待も大きかったので、良い結果を出せてほっとしている。ゴールの瞬間は本当にうれしかった」とほおを緩ませた。

師匠の藤沢和雄調教師も手塩にかけたまな弟子の初制覇を喜びながら、「岡部ジョッキーならもう少し追い出しを我慢していた」と辛口ジョーク。同調教師にとっても一昨年の有馬記念(ゼンノロブロイ)以来のGI優勝だけに、満面に笑みを浮かべていた。

記念すべき初代マイル女王に輝いたダンスインザムードの次なるターゲットは安田記念(GI)。新たなタイトルを引っ提げて挑む春のマイル王決戦が楽しみだ。」

「◆北村宏司騎手の話 
「プレッシャーもあったが、この馬の力を信頼していた。初めてのGI優勝だが、下手な私を根気よく乗せてくれた関係者に感謝している」

◆藤沢和雄調教師の話 
「休養したことで、昨年とは馬が変わってきていた。返し馬の雰囲気もよく、その辺が良い結果につながったと思う。次は安田記念を考えている」

3週連続GI制覇が懸かっていた武騎手は、「この枠(18番)なりに外めの良いところを通ってベストの騎乗ができた。でも強い馬が1番枠だから。残念だったなあ」と、悔しがっていた。」 ーーサンスポよりーー

 やっぱりダンスインザムードが勝った。藤沢調教師の「岡部ジョッキーならもう少し追い出しを我慢していた」というのはどういう事なんだ!岡部を引退に追い込んだ張本人なのに!それに何より乗り替わりで岡部が桜花賞を取れなくしたのも藤沢調教師自身だろう!岡部のことが出てくると腹が立ってくる。まっ、それだけ岡部は、全騎手の手本になっていたって事なんだけど。

 13日の結果。 マドリード。マヌエル・アマドール、口笛、罵声。パウリタ、耳なし。フェルナンド・クルス、耳1枚。 バレンシア。ウセダ・レアル、トマス・サンチェス、耳1枚。サルバドール・コルテス、口笛。 バジャドリード。ルギジャーノ、耳1枚、非道い罵声。セラフィン・マリン、耳なし。サルバドール・ベガ、耳1枚。 ヘレス。フィニート、耳1枚。モランテ、耳2枚。ファンディ、耳1枚が2回。 オスナ。ポンセ、場内1周。エル・シド、耳2枚。カステージャ、耳要求で場内1周、耳2枚。 ボロックス。ミックス闘牛。騎馬闘牛士、メンドーサ、耳2枚。闘牛士、マンサナレス、耳4枚。見習い闘牛士、セバスティアン・パロモ・リナレス、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。 フォンタナル。イガレス、耳1枚。イバン・ビセンテ、耳2枚。セルヒオ・セラノ、耳1枚、耳2枚。 パレハ。サンチェス・バラ、エミリオ・ラセルナ、耳1枚が2回。 バルディビア。セルヒオ・ベガス、耳1枚、耳2枚と尻尾1つ。マルティン・キンタナ、耳4枚と尻尾2つ。 ボドラル・デ・ラ・シエラ。ミックス闘牛。騎馬闘牛士、レオナルド・エルナンデス(息子)、耳1枚が2回。フランシ スコ・マルコ、耳2枚、耳1枚。カペア、耳2枚と尻尾1つ、耳1枚。


 5月15日(月) 晴れ、曇り 5484

 この前の、『テンディド・セロ』でサン・イシドロが始まるので、ラス・ベンタス闘牛場でアフィショナード(闘牛ファン)にインタビューをしていた。その中の1人が、ラス・ベンタス闘牛場は、闘牛士のカテドラルだと、言っていた。カテドラルってどういう意味で言ったんだろう。catedral は、辞書には、司教座聖堂、大聖堂と書いてある。catedra が、教授の職。講座。教壇。(高位聖職者の)座。となっている。ラス・ベンタス闘牛場は、僕にとっては、闘牛の聖地だ。だから、聖地を汚す様な闘牛士や牛は許せない気持ちになる。逆に、活躍する闘牛士や牧場は賞賛するし、尊敬するのだ。

 「これが夢にまで見た“GI”だ! デビュー8年目の北村宏司騎手が、残り200メートルから、ダンスインザムードをゴール目がけて追いまくる。一昨年の桜の女王は、輝きを取り戻していた。ケタ違いのパワーと切れを見せ、完璧フィニッシュ。普段は派手なアクションを好まないヒロシが、左手をサッと振り上げて喜びを爆発させる。尊敬する師匠・藤沢和雄調教師の管理馬で、待望のGIジョッキーの仲間入りだ。

頬は紅潮していても勤勉実直な男に涙はない。「馬の調子が良かったし、みんなの期待も大きかったのでプレッシャーもあった。勝てて本当に嬉しい。いいスタートが切れたし、折り合いのつく所でうまく流れに乗って行けた。(昨年の)天皇賞・秋(3着)は早めに抜けて負けたので、追い出しを我慢した。先生(藤沢和師)にはたくさんチャンスを頂きながら結果が出せなかったけど、少し恩返しができましたね」と満面に笑み。

世界も制した藤沢和師のもとでは、たとえ所属していても有力馬に乗れる訳ではない。それでも陰日向なく努力を重ね、チャンスを待っていた。気分屋のダンスに我慢を覚えさせるために試行錯誤を繰り返してきて、その頑張りに師匠もダンスを託した。馬場入りは「常歩でしっかり歩かせたい」というヒロシの希望で最後に登場。入場後のスタンド前では、すぐにキャンターに下ろさず、しっかりと御して歩かせた。

そんな愛弟子の快勝劇に「2、3回ステッキを使ってたかな。岡部さんなら使わずに勝っていたな。追い出しのタイミングも、岡部さんならもう少し我慢したかな」と藤沢和師はにやりジョーク。ゼンノロブロイで勝った一昨年の有馬記念以来、通算22回目のGI美酒。初めての愛弟子とのVは格別な味がする。「ダンスは昨秋以降休ませて落ち着きが出たし、阪神の前走(マイラーズC2着)の時も落ち着いていた。年をとって、みんな諦めてくれたのが良かったんじゃない? 北村にも、これからもっともっと頑張ってくれないとね」と心憎い。」 ーーサンスポよりーー

 藤沢調教師のコメントを読んで怒りが収まった。何故なら彼にとっては岡部は、彼の中の騎手の基準になっていることが判ったからだ。

 「【シンガポール航空国際C】コスモバルク世界制覇!
バルク快挙だ!! 14日にクランジ競馬場でナイターで行われたシンガポール航空国際C(国際GI、芝2000メートル)で、ホッカイドウ競馬から参戦したコスモバルク(田部、牡5)=3番人気=が快勝、悲願のGI制覇を成し遂げた。2分6秒5(稍重)。地方馬の海外GI、芝GI制覇は史上初。五十嵐冬樹騎手も海外初遠征での快挙。2着は1馬身3/4差で地元のキングアンドキング、現地で開業している高岡厩舎のダイヤモンドダストは5着。

「ヒャッホー!!」。五十嵐冬樹騎手の雄叫びが、シンガポールの空にこだました。熱気あふれる南国の夜に、北の大地からやってきた勇者コスモバルクが伝説を打ち立てた。日本から遥か5000キロ離れた赤道直下の獅子の国で、不屈のチャレンジャーが悲願のタイトル奪取。皐月賞から数えて9度目のGI挑戦で、世界の覇者となった。

好位2番手から馬場のいい外目を通って、直線半ばで逃げたヴルームヴルームをかわして、渾身のスパート。バルクに追いついてこれる馬はなく、完璧なワンサイドVだ。「2番手は出たなり。1コーナーで少し掛かったが、2コーナーで落ち着き、日本より楽にいい位置が取れた。最後はギリギリだったけど、頑張って伸びてくれた。夢が見れました」と五十嵐冬。今月末には第2子が産まれる予定の道産子は、「勝った時には頭が真っ白になりました」と頬を紅潮させた。

「自分が考えている以上に強かった。日本でGIIIとGIIを勝って、GIでもいい競馬をして、その力を世界でも見せられた」と、体調を崩し点滴を打ちながらの遠征だった田部和則調教師も最高の笑顔を見せた。そして同じ道営出身でフォローしてくれた高岡秀行調教師に「本当に感謝しています」と言葉を贈った。」 ーーサンスポよりーー

 コスモバルクが、ついにGT制覇。しかも海外で。このレースは、イギリスからGT、2勝馬も参戦して行われた。その馬は2番に気だったが最下位に負けた。それだけ実力馬が力を発揮でない条件で良く勝った。賞賛に値する。ジーコ・ジャパンの23人のメンバーが発表された。ジーコが選んだんだから文句はない。外野のことなんか気にせずに自分の考えるサッカーを見せて欲しい。

 フェルナンド・クルスのアポデラードのルシアノ・ヌニェスの所に、興行主のホセ・アントニオ・マルティネス・ウランガからサン・イシドロの活躍で、サラマンカ、バジャドリード、アルバセーテへのコントラート(出場依頼)が来て出場が決まったそうだ。可能性としてサンタンデールの出場もあるらしい。

 14日の結果。 マドリード。ビクトル・プエルト、口笛。フェレーラ、耳1枚。イバン・ガルシア、耳なし。 バジャドリード。マノロ・サンチェス、耳2枚。カステージャ、耳1枚、耳要求。セサル・ヒメネス、耳1枚。 ヘレス。オルドニェス、耳1枚ともう1枚要求で場内2周。サルバドール・ベガ、耳1枚が2回。ミゲル・アンヘル・ペレラ、耳2枚、耳1枚。 サン・ロケ。ゴヤ闘牛。ポンセ、耳2枚。エル・シド、ファンディ、耳1枚が2回。 エステポナ。ミゲル・アンヘル、耳1枚、耳2枚。セラフィン・マリン、アルバロ・フスト、耳2枚。 ビジャディエゴ。ヘスリン、ファン・ディエゴ、モレニート・デ・アランダ、耳1枚、耳2枚。 ベレス・ルビオ。コルドベス、ペピン・リリア、耳2枚。ホセ・オリベンシア、耳1枚が2回。 エレラ・デル・ドゥケ。レイ・ベラ、耳1枚。サンチェス・バラ、耳2枚、耳1枚。イケル・ハビエル・ララ、耳1枚が2回。 カサス・デ・ベニテス。カリファ、耳2枚と尻尾1つ。マヌエル・アマドール、セルヒオ・マルティネス、耳2枚。 FLOIRAC(フランス)。ファン・バウティスタ、フリエン・レスカレット、マンサナレス、耳1枚。


 5月16日(火) 晴れのち曇り 8954

 新聞は昨日闘牛について牛が悪かったと言う論調だ。それでも良いんだけど、僕には闘牛士の方が悪かったように見える。と言うのも、ガナデロが、自分の牛が悪かった言ったことがあってそうなったのだろうか。でも、これほど正直なガナデロはいない。こういう風に、正直なガナデロが増えれば良い牛が一杯出てくるだろうと思う。それとも、フィグラが出ていると闘牛士を悪く書かないという論調になるのだろうか。その辺はよく判らないが・・・。牛は良くはなかったが、出来ない牛ではなかった。どう考えても闘牛士の方が悪かった。

 明日は、チャンピオンズ・リーグ決勝。多分、バルセロナが勝つだろう。

 15日の結果。 マドリード。フィニート、口笛、罵声。フリ、口笛。ミゲル・アンヘル・ペレラ、耳なし。 タラベラ・デ・ラ・レイナ。エル・シド、耳1枚、耳2枚。カステージャ、耳要求、耳1枚ともう1枚要求、耳1枚。


 5月17日(水) 曇り 8638

 今年1番驚いたのは、セビージャのレアル・マエストランサ闘牛場のパティオ・デ・クアドリージャで、パコ・カノに会ったときだ。90歳にもなる有名なカメラマンがずっと使っていたニコンのマニュアルのカメラからデジタル・カメラに替えていたことが、何と言ってもショックだった。それまでは、フィルムも白黒で、闘牛が終わったあと、ホテルで現像、焼いて翌日にはそれを闘牛場へ持ってきてプレゼントしていたものだが、今年から、デジカメでオート・フォーカスで勿論カラーである。あれを観たときに、俺もデジカメにしないとダメなのかと思った物だ。

 そして、そのことをくまさんに話したら、そりゃー今はデジカメでしょうと言われた。くまさんが持っている物は、ビデオも撮れるデジカメ。そう言うのも良いが、本当のデジカメはどうなのかと、昨日闘牛が始まる前に、Mさんの所へ行ってちょっと教えて貰った。Mさんの撮った写真を観ながら、これならデジカメで仕事が出来るなと実感した。デジカメの利点は、フィルムがいらないので、荷物にならない。これが大きい。それと、印刷してもフィルムと遜色なく印刷が出来る。ポスター大の大きさになると荒くなるとMさんが言っていたが、データの大きさでそれは対応できるそうだ。

 そうなると、日本に帰ったらどういうデジカメが良いか探さないとと、思ってしまう。あと何度か行ってその辺も含めて検討材料など訊いてこないと。それと、今まで使っていたフィルムが、スペインでなくなるつつあることに気付いた。FNACではもう置いていない。コルテと、昔使っていたカメラ屋に行ったら2個だけ置いてあった。こういう現状もデジカメ使用を決断させる要素になっている。

 今日はセサル・リンコンの初日。牛がどうかで決まるだろう。血統的には良いんだけど・・・。

 16日の結果。 タラベラ・デ・ラ・レイナ。クーロ・ディアス、耳なし。マノロ・アマドール、耳1枚。


 5月19日(金) 晴れ 15733/2

 今日はシーラさんの結婚式。写真を撮りに行かなければならない。取材でテレマドリードが来るという。


 5月20日(土) 晴れ 多分10000以上

 晴れているが風が強い。昨日は、シーラさんの結婚式。テレマドリードが取材に来てその日の18時から19時半の間に5分くらい放送があったそうだ。22時からみんなで集まって飲んだ。そのレストランで、テレマドリードが再放送したのを観た。面白かった。みんなにはやされていた。ベソのリクエストなど、他のスペイン人たちにも。時間がないので今日はここまでにする。

 なお、明日のオークスの予想。コイウタと、キストゥヘヴンの1点。関東馬同士で決まって欲しい。


 5月21日(日) 晴れ 7098

 掲示板のよるとテレマドリードの物は再放送ではなくビデオだった。そう今部屋にあるビデオをバルに頼んでくまさんがかけて貰ったようだ。その中にも映っているが、シーラさんがインタビューに応えて、今日は人生最良の日ですと、言っていた。朝から36枚撮りのフィルムを夜までに15本も撮った。車酔いもして疲れたが、美味しいものも沢山食べて面白かった。人生色々あるだろうが幸せに暮らして欲しい。

 すずめさんから貰ったDVDを観た。11日12日13日の耳。セサル・ヒメネスは上手い。でも、ガジョのファエナは感動的だ。でも、それより感動的なのがセバスティアン・カステージャ。観客席のおばさんが泣いているが映っている。セバスティアン・カステージャだけ2回観た。あー剣さえ決まっていれば・・・。今日はペピン・リリアに代わって13日に耳を切ったフェルナンド・クルスが出場する。耳を切った若い闘牛士にチャンスが増えるのは良いことだ。

 17日の結果。 マドリード。セサル・リンコン、耳なし。モランテ、罵声。セラフィン・マリン、場内1周。 

 18日の結果。 マドリード。ミウラ、マティアス・テヘラ、サルバドール・コルテス、耳なし。

 20日の結果。 マドリード。ポンセ、サルバドール・ベガ、アルバロ・フスト、耳なし。 ロス・バリオス。パディージャ、耳1枚、耳2枚。ロブレニョ、耳なし。ルイス・ボリバル、耳1枚。 モトリル。フィニート、口笛、耳2枚。コルドベス、耳1枚、耳2枚。ファンディ、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。 ドス・エルマノス。ビクトル・プエルト、耳2枚、耳1枚。ミウラ、耳1枚が2回。ファン・マヌエル・ベニテス、耳2枚と尻尾1つ。


 5月22日(月) 晴れ 5339

 決戦の日を迎える。晴れているが、風があり肌寒い。アレナの中に風が舞う状況になりそうだ。セサルは、去年プエルタ・グランデしたアルクルセン牧場での闘牛になる。牛がどうかと、風が穏やかになって欲しい。

 21日の結果。 マドリード。イバン・ビセンテ、バルベルデ、フェルナンド・クルス、耳なし。 トレモリナス。ヘスリン、耳1枚、耳2枚。コルドベス、耳2枚、耳1枚。クリスティーナ・サンチェス、場内1周、耳2枚。 ロス・バリオス。エル・シド、耳1枚。ファンdぇい、耳要求で場内1周、耳2枚。サルバドール・ベガ、耳なし。 ボラニョス・デ・カラトラバ。サンチェス・プエルト、耳1枚ともう1枚要求、耳2枚。アニバル・ルイス、場内1周。エル・カペア、耳1枚。 オンダラ。レイ・ベガ、耳なし。ファン・コントレラス、耳1枚、耳2枚。 コルテガナ。ルイス・デ・パウロバ、耳1枚。リカルド・トレス、耳なし。フェルナンデス・ピネダ、耳2枚。 プエルト・デ・マンサロン。ギジェルモ・アルバン、耳2枚と尻尾1つ。イケル・ハビエル・ララ、エミリオ・ラセルナ、耳なし。 オルガス。カリファ、ホルヘ・イバニェス、耳なし。アンヘル・ロメロ、耳2枚が2回。 ビジャマンタ。サンチェス・バラ、耳2枚。ルイス・ゴンサレス、耳1枚、耳2枚。ルイス・ボリバル、耳なし。 サモラ。フェスティバル闘牛。マノロ・サンチェス、耳なし。フリアン・ゲラ、耳1 枚。ウセダ・レアル、耳なし。アベジャン、場内1周。ファン・ディエゴ、ホセリージョ、耳1枚。アントニオ・ボジャノ、耳なし。


 5月25日(木) 曇り時々晴れ 22452/3

 3日間も良い闘牛を観たことになる。22日のフリとエル・シド。23日のマティアス・テヘラ。24日の見習い闘牛士アレハンドロ・タラバンテ。でも、セサル・リンコンが耳を切れなかったときはどっと疲れた。良い牛だと思ったけど、頭が一瞬しか下がらなくてファエナが盛り上がらなかった。セサルもさぞガッカリしたことだろう。でも、ちゃんとした闘牛をしていた。耳は取れなかったが恥ずべき事は何もない!でも、僕の体は脱力感を感じた。次の日のマティアス・テヘラのファエナには力が入った。何とかプエルタ・グランデさせてやりたかった。本当に残念だった。あんな必死のマティアス・テヘラは初めて見た。

 そして、昨日のアレハンドロ・タラバンテには驚いた。アポデラードがアントニオ・コルバチョで、期待していたけど、期待以上の闘牛だった。カポーテ捌き、落ち着き、ナトゥラル、どれを取っても1級品だった。デレチャッソだけちょっと工夫が必要だが他は非常に質の高い闘牛だった。剣刺しで牛が動いているのに刺しに行って失敗したとき僕の前の客が立ち上がって怒っていた。僕の前には何とアレハンドロ・タラバンテのペーニャの人たちが陣取っていた。耳は取れなかったがみんな喜んでいた。そのアレハンドロ・タラバンテが、6月9日ムルシアでアルテルナティーバをするという。もう1人のアポデラード、ファン・レベルテが興行主をやっている闘牛場で、パドリーノがモランテ・デ・ラ・プエブラ、テスティーゴがエル・ファンディ。牛は、ホセ・トマスが好きだったヌニェス・デル・クビジョ牧場。

 今日の新聞にはアレハンドロ・タラバンテの記事が一杯載っているが、ABCのタイトルだけ書いておこうと思う。Talavante resucita a Jose Tomas だ。resucitaとは、生き返る、復活した、である。改めて、アントニオ・コルバチョは、凄い素材を手に入れた。

 昨日下山さんにTELしたら、TV放送でアントニオ・コルバチョがインタビューを受けていて、マノロ・モレスがしきりにホセ・トマスの復帰について聞いていたという。アントニオ・コルバチョは、前はあまり会わなかったが、最近は良く会っている。テンタデロでは、昔よりよくなっていると、語ったそうだ。復帰には、何かの動機が必要で、お金は彼の子供まで食っていけるだけのお金は貯まっているので、金のために復帰することはないと、言ったそうだ。さて、どういう動機で復帰してくるのか楽しみである。それと、下山さんが自動車免許を取ったそうだ。来年は、トゥルヒージョにあるセサル・リンコンのエル・トレオン牧場に一緒に行きたい。

 数えてみたら今年もう27回闘牛を観ている。書きためたノートも昨日で半分になった。足りなくなるのかと思って調べてみたのだ。サン・イシドロも半分以上過ぎた。今日を入れて残すところ9日間。記念闘牛他が多分10回。だからあと19回観れる。だからノートは足りることになる。そして、今日は闘牛でプエルタ・グランデが出る可能性が高い日である。セバスティアン・カステージャは死ぬ気でやるだろうし、セラフィン・マリンも今度こそと思ってやってくるだろう。ミゲル・アンヘル・ペレラも、エドゥアルド・ガジョに負けじとやる気だろう。今日も良い闘牛が観れるように体を綺麗にしてから闘牛場へ向かおう。神聖なラス・ベンタス闘牛場へ出掛けるのだから。

 22日の結果。 マドリード。セサル・リンコン、耳なし。フリ、耳1枚。エル・シド、耳1枚が2回。

 23日の結果。 マドリード。ファンディ、セサル・ヒメネス、耳なし。マティアス・テヘラ、耳1枚。 コルドバ。セラフィン・マリン、耳なし。エドゥアルド・ガジョ、場内1周。ホセ・ルイス・トレス、耳2枚。

 24日の結果。 コルドバ。オルドニェス、耳なし。カステージャ、耳1枚。サルバドール・コルテス、弱い耳要求、耳1枚ともう1枚要求。


 5月26日(金) 曇り 6011

 昨日の闘牛にはガッカリした。折角プエルタ・グランデを撮ろうとカメラを持っていったのに、インバリドの牛をプレシデンテが交換しない。初めの3頭は闘牛にならないだろう。あんな奴がプレシデンテというのはおかしい。換えなくて良い牛を換えるしどうかしている。面白かったのは、ヤジ将軍のロスコが6頭目の牛を交換したら怒って帰って行ったこと。他の客にブーイングされていたけど、あれはロスコらしい腹の建て方だとTさんが言っていた。そうかも知れない。非道い牛が出ても、セバスティアン・カステージャは耳を切った。これは非常に重要なことである。

 Yさんは、プレシデンテに腹を立てていたが、耳を取ったことや、牛アレナの中央へ連れて行ってファエナをしたことなど誉めていた。当然だ。ああいう姿というのは、観客の印象に残るのだ。セサル・リンコンは、この前の闘牛でくるぶしの辺りを牛に蹴られてねんざのような状態になっている。復帰は27日。また、ニームの興行主、シモン・カサスが、フェリア中の6月2日の11時から急遽カルテルを組んだ。見習い闘牛で、サン・イシドロで観客を驚かせたアレハンドロ・タラバンテと、メディ・サバジ、オリバ・ソトである。これはおそらく、アレハンドロ・タラバンテのためのカルテルをシモン・カサスが作ったのだろう。この辺が商売人のシモン・カサスのタイミングの良さだ。

 昨日闘牛が終わって話していたら、アレハンドロ・タラバンテを観た人たちはみんな、ホセ・トマスの様だったと言っている。その闘牛のやり方が如何に似ていたかという事だろう。

 25日の結果。 マドリード。カステージャ、耳1枚。セラフィン・マリン、ミゲル・アンヘル・ペレラ、耳なし。 コルドバ。ポンセ、耳なし。フィニート、耳1枚。モランテ、耳なし。


 5月27日(土) 曇り 5696

 夜中、隣のM君と飲んでいて、それから彼女が来て朝方まで飲んでいた。闘牛や音楽の話をして盛り上がった。M君は、12日のセバスティアン・カステージャを観て、感動して、俺また観るかも、また観るかもと興奮していたそうだ。それで、25日にまたセバスティアン・カステージャを観てまた観たくなったと言って、闘牛場へ切符を買いに行くと言っていた。それは楽しかったが、寝坊して、『テンディド・セロ』を観れなかった。くまさんからTELで起こされたが、また、寝てしまったのだ。それからようやく観戦記を書いて今日記を書いているところ。

 混戦のダービー予想。敬意を表して本命は、皐月賞馬、メイショウサムソン。対抗は、1番人気じゃないのが良い武豊のアドマイヤムーン。単穴が、唯一の関東馬、横山典弘が乗るジャリスコライト。

 26日の結果。 マドリード。ウセダ・レアル、エドゥアルド・ガジョ、耳なし。カペア、口笛。 コルドバ。ヘスリン、耳なし。エル・シド、ミゲル・アンヘル・ペレラ、口笛。 サンルカール・デ・バラメダ。ミックス闘牛。騎馬闘牛士、マルティン・ブルゴス、耳1枚。闘牛士、カステージャ、耳1枚。セサル・ヒメネス、耳1枚ともう1枚要求で場内2周、耳1枚。マンサナレス、耳なし。 アラウリン・エル・グランデ。ビクトル・プエルト、耳1枚が2回。パディージャ、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。ダビ・ガラン、耳2枚と尻尾1つ。


 5月28日(日) 晴れ 6330

 遅く起きてTVをかけてたら競馬をやっていた。どうやらレアル・マドリードのミチェル・サルガドが馬主の馬が勝って、乗っていたのが、オリビエ・ペリエだった。ペリエは何処へ行っても良いジョッキーで通るみたいだ。当然だけど。ネットでダービーの結果を見た。メイショウサムソンが皐月賞に続き2冠に輝いた。2着が青葉賞を逃げ切ったアドマイヤメイン。3着が皐月賞2着のドリームパスポート。ジャリスコライトはダメだった。

 散歩に行こうとしたら、F1をやっていたので最後まで観てしまった。フェルナンド・アロンソが逃げきりで優勝。F1は、競馬みたいにゴール前で広報にいた馬が差し切り勝ちとか言うのがない世界で、僕にはあまり面白くない。バイクなら抜きつ抜かれつのデットヒートって言うのがあって面白いけど・・・。

 それから散歩に出掛けた。暑い中だけど日陰は涼しい。日本みたいにジトっとする蒸し暑さがないから良い。それでも夏は暑いけど。部屋にずっといると耐えられなくなる。だから、外に出て散歩したりしないとダメだ。体が運動を要求しているだ。これからシャワーを浴びて闘牛へ行く。今日はフェルナンド・ロブレニョに期待しているんだけど・・・。

 27日の結果。 コルドバ。フィニート、耳要求。コルドベス、耳なし。ファンディ、耳1枚、耳要求。 アランフェス。ヘスリン、耳1枚。オルドニェス、耳なし。カステージャ、耳1枚ともう1枚要求、耳1枚と強いもう1枚要求でプレシデンテに口笛。 サンルカール・デ・バラメダ。セサル・リンコン、ポンセ、耳なし。フリ、耳2枚が2回。 サン・フェルナンド・デ・エナレス。ロブレニョ、耳1枚、耳2枚。サンチェス・バラ、耳2枚、耳1枚。バルベルデ、耳1枚、耳2枚。 アスアガ。ビクトル・プエルト、耳1枚。フェレーラ、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。セサル・ヒメネス、耳2枚。 ALES(フランス)。エスプラ、フンディ、ルイス・ビルチェス、耳なし。 ラ・ムエラ。アベジャン、口笛。エドゥアルド・ガジョ、耳1枚。セラニト、耳1枚、耳2枚。


 5月29日(月) 曇り 6385

 朝早めに起きて、メルカドに買い出し行ってタマネギを切っていると涙が止まらなくなった。それから銀行へ両替に行こうとしたらパスポートがない。困ったと思ってそれから散々探した。新聞だって挟まっていないかとか、スーツケースの中やカメラバックなんか何回観たか判らないくらい探して、今度は涙ではなく汗がポタポタ落ちてきて、4時間ぐらい探した。もういいやと思って、ロベルト・バッジョのDVDを観て飯を作りにコシーナへ。そしたら女が2人いてその内の1人が、タマネギを観たら、あと5分待ってくれと言う。彼女はタマネギが嫌いだという。しょうがないので10分待ってそれから料理した。

 部屋に戻ってまた探したが見つからない。どうして?何処へ行ったんだ。自分に腹が立ってきた。ないじゃないか!覚悟して新しいパスポート作りに領事館へ行こうかと真剣に考え始めた。汗が流れるので冷蔵庫を開けてコン・ガスを飲む。それから諦めて飯を皿に入れて食べ始めた。でもと思い、闘牛のプログラムを1つ1つ挟まっていないか確かめた。そして、1番初めに探した椅子にかかっている服のポケットに手を入れた。そしたら何やら感覚が・・・。手を出してみたら有ったじゃないパスポート。凄く嬉しくなって飯が進んだ。初めっからポケットに手を突っ込めよ馬鹿!この5時間くらいは何と馬鹿なことしていたんだろう。

 「第73回日本ダービー(28日、東京10R、GI、3歳オープン指、せん馬不可、定量、芝2400メートル、1着本賞金1億5000万円=出走18頭)戦国ダービーは、1番人気の皐月賞馬メイショウサムソンが、ライバルを力でねじ伏せて快勝。デビュー22年目の石橋守騎手(39)は、ダービージョッキーの仲間入りを果たした。春の牡馬クラシックで2冠を成し遂げたサムソンは、昨年のディープインパクトに続く3冠馬を目指す。

「驚きました。ゴールの3完歩も前から手綱を緩めてましたからね。あんなこと、ボクにはできません」−。シンボリルドルフ(昭和59年)で史上初の無敗3冠を達成した元JRAジョッキーの岡部幸雄さんは、ゲスト出演したテレビの競馬中継で感嘆の声を上げた。それほど、メイショウサムソンの手綱を取った石橋守は冷静に映った。

勝者のみに許されるウイニングラン。朝方までの雨も上がり、緑のターフに2冠馬の雄姿。10万超の大観衆の声援に、石橋はぎこちなく手を上げて応える。デビュー22年目の39歳は今春の皐月賞に次ぐGI2勝目がホースマン憧れのダービー。2分27秒9の激闘を制し、泥まみれで引きあげてきた人馬は、すぐ歓喜の輪に飲み込まれた。

「騎手という仕事に就けたことを、感謝しています。ダービージョッキーになれたんだな…と、感無量でした」と訥々と答えた石橋。「(ガッツポーズは)手が震えてできませんでした」と打ち明けたが、2冠がかかったレースで1番人気に支持されながら、見事にコンビの力を引き出した。

スタート後は好位のイン。1コーナー過ぎまで行きたがったが、すぐ落ち着いた。予想通りアドマイヤメインが逃げたが、前半1000メートル通過が62秒5のスローペース。3コーナーで外に持ち出すと、最後の直線では相手をメインに絞り仕掛けた。鞍上は競馬学校同期の柴田善臣騎手。関東リーディングのトップは、クラシック初制覇を目指して逃げ込みを図る。「あの馬の一番いいところが出せました」と振り返ったのが残り200メートルを切った地点。サムソンが持ち前の勝負根性で競り合いに持ち込んだ場面だ。もう、差し返されることはない。馬に負担をかけないよう、手綱は緩められていた。

昨夏の小倉で出会い、秋の東京スポーツ杯2歳Sでクラシックを意識。石橋は1戦ごとに成長する姿を土日以外の毎日、調教で丁寧に乗って確認した。「サムソンにとって、石橋さんと出会えたことが何よりの幸せ」と担当の加藤繁雄厩務員も証言する。地道に努力を続け、妥協は許さない。誠実な人柄は、関係者の信頼が厚く、後輩ジョッキーにも慕われている。

史上21頭目となる皐月賞&ダービーの2冠を制した今、目標はひとつ。「昨年がすごい馬だったんで…。ちょっとでも近づければ、という気持ちですね」。21年ぶりの無敗3冠馬ディープインパクトに敬意を表したが、3冠への信念に揺るぎはない。「まだサムソンは強くなると信じています。また気を引き締めて頑張ります」。苦労人、石橋守は、3冠ロード最終章の菊花賞(10月22日、京都、GI、芝3000メートル)へ、謙虚に、しかし自信をもって向かう。」 ーーサンスポよりーー

 「3歳最高峰レースの日本ダービーは、石橋守騎乗の1番人気メイショウサムソンが皐月賞に続き2冠を達成した。来年2月いっぱいで定年を迎える栗東・瀬戸口勉調教師(69)は、今年が最後のクラシック。多くの名馬を送り出したトレーナーは、平成15年ネオユニヴァース(皐月&ダービー)で獲れなかった3冠をサムソンに託す。

トレードマークの帽子の陰に隠れがちだったが、目元は心なしか潤んでいるように見えた。「よう乗った。ありがとう」と、瀬戸口調教師は石橋守騎手に労いの言葉をかけた。来年2月限りで定年。最後となるダービーを見事に勝利で飾った。

「(1番)人気みたいだが、他の馬と差はないんだし、気楽に乗ってこい」。緊張感が高まるレース前、鞍上との会話は簡潔で、思いやりに満ちていた。この言葉に石橋はどれほど勇気づけられたことだろう。人の和を大切する苦労人だからこそ、オーナー、スタッフ、騎手たちは瀬戸口師を慕ってやまない。

昭和50年に開業した当初は地味な厩舎だったが、時間が経過するにつれて成績はじわじわと上昇。名馬オグリキャップ(昭和63年&平成元年有馬記念など)で注目を集め、最近はネオユニヴァース(15年皐月賞、ダービー)、サニングデール(16年高松宮記念)、ラインクラフト(17年桜花賞、NHKマイルC)など次々とトップホースを誕生させた。原動力はチームワークの良さ。スタッフとよく話し合い、いい意見は取り入れる。その馬にベストの調教法、レース選択をしてきたことが、昨年JRAで54勝を挙げ、初の全国リーディング1位という栄誉に結実した。

馬格の良さと血統が気に入り、瀬戸口師が松本好雄オーナーのために見つけきたサムソンは2冠達成。菊花賞では史上7頭目の3冠がかかる。「ネオユニヴァースは3000メートルに少し不安があったが、サムソンは文句なしでしょう」と、ためらいもなく言い切った。

この世界に騎手見習い(上田武司厩舎)として身を投じたのは昭和30年。真っ黒に日に焼けた顔には、常に現場で体を張ってきた仕事師ならではの風格がある。「この馬はエリートじゃなくて雑草。勝つ度に貫禄が出てきた。派手さはないけど根性があるからね」。定年まであと半年。まるで自らの生き様とだぶるかのようなサムソンに、“せとさん”は半世紀に及ぶホースマン人生のすべてを注ぐ。

★松本オーナー「感無量」“夢の中の夢”叶った!!
現役馬約100頭を持つ大オーナーも人の子だ。坂を上がってから逃げ込みを図るアドマイヤメインに真っ先に並びかけたのが愛馬だったのに、松本好雄オーナー(68)=(株)きしろ代表取締役=は「えっ、本当にうちの馬なのかって思ってしまった」。興奮は坩堝と化していた。「もう、なにがなんだか。声を張り上げたかって? それは出ますよ。ありったけの声がね」。子息の好隆さん(36)はじめ会社関係者ら70人とともに絶叫はまさに地を揺るがすものだった。

「ダービーなんて夢の夢、叶わぬものと思っていたのに。それも1番人気馬で勝てるなんてねぇ」と報道陣に囲まれてから感慨深げにポツリ。そして我にかえったように「夢は頑張れれば叶えられるものなんだね。(サムシンの)氏、育ちは決して立派なものじゃないが、これは本当にみんなの努力の結晶だよ」。

松本オーナーが競走馬となったサムソンを初めて見たのは小倉でのデビュー戦。購入後直ぐに育成場に移ってしまったためだが、「丈夫そうな馬というのが第一印象。使われる度に逞しくなって。こういうのを“野武士”って言うんだろうね」。それにしても…と続けた。「昨日(27日)、ここ(東京競馬場)で岡部騎手のビデオを見たんだ。あんな凄い人だってシンボリルドルフただ1頭だったんだね。それを知って、こりゃダメだな、って弱気にもなったんだが…」。馬主になって30年。「感無量です」は実感だ。

「ただただ嬉しいだけです」。生産者の林孝輝場主(43)は顔を真っ赤にして、しばし体を震わせていた。「東京の直線ってのは長いですね」。そうはいっても皐月賞馬。一方で愛馬の勝利を信じて疑わなかった。だからこそ、この晴れの日は美鈴夫人に、一輝くん(18)、里歩ちゃん(12)の子供と一緒、家族揃っての応援だった。「まだお産のシーズン中。出産の世話は祖父母と近隣の牧場仲間に手伝っていただいてます」。次は3冠。繁殖牝馬10頭にも満たない中小牧場の快挙に、心からの声援を送りたい。」 ーーサンスポよりーー

 石橋守は、皐月賞に続きダービーもメイショウサムソンを優勝に導いた。こういう苦労人が脚光を浴びるのは良いことだ。瀬戸口厩舎と言ったら、やっぱりオグリキャップ。スーパー・アイドル・ホースは丁度バブルの頃、競馬場に1番人が駆けつけた頃だ。あの頃のGTは、物凄い人出だった。池江厩務員はもう引退したんだろうなぁ。無敗の3冠馬ディープインパクトの池江泰郎調教師は、実弟だ。そして、ミホノブルボンやトウカイテイオーのように、零細小牧場からダービー馬が出たことは、人々に夢を与えることだ。秋の菊花賞が楽しみになった。そりゃー、体も震えるよなぁ。

 「作家で、ロシア語通訳の第一人者としても活躍した米原万里(よねはら・まり)さんが25日に死去していたことがわかった。」 ーー讀賣新聞よりーー

 僕は米原万里の本は読んだことがないが、非常に興味のある人だった。話が面白い穏やかな人。TVとかに出ているときから顔色とか悪いので何か病気を持っているんじゃないかと思っていたが、ガンだったとは。残念だ。

 28日の結果。 マドリード。ラモス、ロブレニョ、セルヒオ・マルティネス、耳なし。 カセレス。コルドベス、耳なし。オルドニェス、口笛が2回。ミゲル・アンヘル・ペレラ、耳1枚と強いもう1枚要求、耳1枚。 サンルカール・デ・バラメダ。ポンセ、モランテ、耳なし。アレハンドロ・モリジャ、耳4枚。 ALES(フランス)。デニス・ロレ、耳1枚。パディージャ、ロペス・チェベス、耳なし。 ビジャマジョール・デ・サンティアゴ。サンチェス・バラ、耳2枚。アンドレス・レブエルタ、耳なし。アルバロ・オルテガ、耳2枚、耳1枚。 サンタ・マリア・デル・アギラ。フェスティバル闘牛。騎馬闘牛士、クラウディオ・ホセ、耳なし。アグスティン・ドゥラン、耳2枚。闘牛士、カナレス・リベラ、耳1枚、耳2枚と尻尾1つ。ビクトル・ハネイロ、耳2枚、耳1枚。 アルバセーテ。フェスティバル闘牛。闘牛士、マヌエル・アマドール、アブラアム・バラガン、アントン・コルテス、耳なし。ホルヘ・イバニェス、ハビエル・ペレア、耳1枚。アンドレス・パラシオス、耳2枚と尻尾要求。見習い闘牛士、ホセ・マリア・ロンセロ、耳なし。


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