断腸亭日常日記 2005年 その7

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年、2003年、2004年、2005年のスペイン滞在日記です。

99年4月15日〜5月11日 5月12日〜6月4日 6月7日〜6月10日 2000年4月20日〜4月29日
5月1日〜5月14日 5月15日〜5月31日 6月1日〜6月15日 6月16日〜6月29日
2001年4月19日〜5月3日 5月4日〜5月17日 5月18日〜5月31日 6月1日〜6月11日
6月12日〜6月22日 2002年4月16日から4月30日 5月1日〜5月15日 5月16〜5月31日
6月1日〜6月13日 2003年4月16日〜5月24日 5月25日〜6月10日 6月12日〜6月26日
2004年4月14日〜5月7日 5月8日〜5月31日 6月1日〜6月17日 2005年1月1日〜1月28日
1月29日〜2月25日 2月26日〜3月30日 3月31日〜4月24日 4月25日〜5月22日
5月23日〜6月16日 6月19日〜7月28日 7月29〜8月13日 8月14日〜9月7日
9月8日〜10月7日

 10月9日(日)

 昨日闘牛の会があった。片山先生が発表した。内容の濃いスペインあれこれだった。今後の闘牛の会の事も少し話し合ったが、11月辺りにメンバーが集まって方針を考えなければならない。

 7日の結果。 サラゴサ。パディージャ、ロペス・チャベス、耳なし。アルベルト・アルバレス、耳要求。

 8日の結果。 マドリード。ミックス闘牛。騎馬闘牛士、レオナルド・エルナンデス、耳なし。カステージャ、耳要求で場内1周。セラフィン・マリン、耳なし。ミゲル・アンヘル・ペレラ、耳1枚。コヒーダされ左太腿に25cmの角傷を受ける。重傷ではないようだ。入場行進の後、死亡したアルバロ・ドメク・イ・ディエスの為に1分間の黙祷が捧げられた。 サラゴサ。パウリタ、セラニト、耳1枚。


 10月10日(月)

 闘牛の会の始まる前に井戸さんの所に行った。荻内先生が原稿を送っていないと言うことで月報が出来ていなかった。始まるまで時間がない。井戸さんに今日は月報やめましょうと言った。そんな物は待っていても来るわけがないのだから。今後の闘牛の会のことを井戸さんとちょっと話した。そんな話をしていたら、俺もHPをやめて本が書きたいと言ったら、井戸さんは、やめたら。何月何日で閉鎖しますってよく出ているわよ、と。それが出来れば、とっくにやめているけど・・・。

 井戸さんが言うには、インターネットって情報を受ける側はこんなに便利な物はないけど、発信する方は物凄く時間を使っている。段々面倒くさくなってくるのは判るわ、と。その通りだ。原稿に集中できない事はHPだけの問題じゃないけど、それに縛られているのも事実だ。もうすぐテンポラーダが終わる。HPの更新も日記が中心になるだろう。その時、時間が出来るだろう。HPが続くかどうかはその時の状況と、気分に寄るところが大きいだろう。

 9日の結果。 マドリード。フンディ、パディージャ、エンカボ、耳なし。 バレンシア。モランテ、フリ、耳なし。 フエンヒロラ。ヘスリン、コルドベス、耳1枚、耳2枚。ファンディ、耳2枚が2回。 フエンテ・アラモ。サンチェス・バラ、耳1枚が2回。フリオ・ペドロ・サアベドラ、耳1枚。ファン・アビラ、耳1枚が2回。 モントロ。ハビエル・コンデ、耳1枚。オルドニェス、マンサナレス、耳2枚。 サロブレニャ。オルテガ・カノ、耳2枚。カナレス・リベラ、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。チィコテ、耳2枚と尻尾1つが2回。 トレホン・デ・ベラスコ。ラモス、カルペタノ、耳1枚が2回。ゴメス・エスコリアル、耳2枚。 ベラジョス。ミックス闘牛。闘牛士、ファン・モラ、耳2枚。アベジャン、耳2枚と尻尾1つ、耳2枚。見習い闘牛士、ハビエル・デ・ラ・コンチャ、耳2枚が2回。


 10月11日(火)

 先週から今日の朝までずっと雨模様だった。また、奴が出てきたので明日帰ったら対応しようと思う。不動産屋とも連絡を取らないといけないだろう。最近寝不足気味だ。パキスタンの大地震で死者は2万1000人以上出ているという。救助活動で各国の救援隊や医療チームがパキスタンに入っているそうだ。

 ドイツで始めて女性の首相が誕生する。メルケル氏は、東ドイツ出身者として始めてドイツの首相になる。ニッポン放送の株の時も出てきた村上ファンドが、阪神電鉄の筆頭株主になって電鉄側と今日話し合いがもたれる。

 早速、HPや闘牛の会のことについてKadoyanからメールが届いた。

 10日の結果。 サラゴサ。パウリタ、耳要求。マンサナレス、アルベルト・アルバレス、耳なし。セラニト、耳1枚。


 10月12日(水)

 「スウェーデン王立科学アカデミーは10日、2005年のノーベル経済学賞をヘブライ大教授のロバート・オーマン氏(75)=米国とイスラエルの二重国籍=と、米メリーランド大教授のトーマス・シェリング氏(84)=米国籍=の2人に授与すると発表した。両氏は「ゲーム理論」を確立した代表的な経済学者。授賞理由について王立科学アカデミーは「貿易やビジネス上での紛争を回避して、協調につなげるためのゲーム理論を構築した」としている。」 ーー日本経済新聞よりーー

 「ゲーム理論は、政府や企業など経済主体の相互関係を考える分析手法で広く応用されている。 シェリング氏は、冷戦中の50年代にこの理論を安保・軍拡問題に応用。交渉当事者が、手段を限定的にしたり、自らの立場を意図的に悪くしたりすることが、長期的な利益につながる可能性があることを解き明かし、戦略研究の古典として影響を与えているという。 オーマン氏はシェリング氏の分析を数学的に定式化。また交渉当事者がすべてを知らない場合、交渉の決着がどう変わるかという「認識問題」をゲーム理論に導入した功績が認められた。 オーマン氏は30年独生まれでイスラエル・米両国籍を持つ。マサチューセッツ工科大学で数学博士号を取得。シェリング氏は21年米生まれ、ハーバード大で経済学博士号を取得している。ゲーム理論の研究では94年にも3人が同賞を受賞した。 」 ーー朝日新聞よりーー

 ゲーム理論の創始者は、フォン・ノイマン。彼が掲げた数学の応用が経済や政治を動かす中心的な理論になっている。

 11日の結果。 サラゴサ。フリ、エドゥアルド・ガジョ、セラニト、耳なし。


 10月13日(木)

 昨日のウクライナとの試合は非道い。攻撃が殆ど出来なかった。中田浩二が退場してからの方が攻撃できたのはどういう事か。審判の判定も非道かったが、ヨーロッパでやる以上はこういう非道い判定は当然と受け止めるべきだろう。苦しんだフランスは、ジダンの活躍でワールド・カップ出場を決めた。スペインは勝ったが1位になれずプレーオフで出場を賭けることになる。

 荻内先生のビエント・オトニャールが今日あるが見に行けない。明日の朗読会には行く予定でいる。

 12日の結果。 マドリード。クーロ・ディアス、ロペス・チャベス、イバン・ガルシア、耳なし。 サラゴサ。ポンセ、アントニオ・バレラ、耳なし。サルバドール・ベガ、耳1枚。 カランダ。パディージャ、耳2枚。フェレーラ、耳1枚、耳2枚。セラフィン・マリン、耳1枚が2回。 ウヒハル。ミックス闘牛。騎馬闘牛士、ペドロ・カレロ、耳1枚。闘牛士、ビクトル・プエルト、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。カナレス・リベラ、耳1枚、耳2枚。 ラ・ペサ。エル・レンコ、口笛。トレス・ヘレス、耳1枚ともう1枚要求。


 10月15日(土)

 昨日スペイン大使館でビエント・オトニャール第2弾、『ドン・キホーテ』の朗読会と堀越千秋、ドン・キホーテ展覧会のオープニングがあった。14時から始まった朗読会は井戸さんが1番手に読んだ。1人1ページか2ページの割合で約3分の持ち時間で1部、2部に別れて54人が読んだ。読み手は、関係者他、作家、女優、俳優、翻訳者、大学教授など様々な人がいた。17時からの2部は、スペイン大使館の人が挨拶をして日本語で読んだ。そして、荻内先生、堀越さんも読んだのだ。

 始まって割と直ぐに僕は荻内先生が何をやりたかったのか判った。それは、『ドン・キホーテ』の翻訳で声に出した音を楽しむ翻訳を主眼にした物なのだと気付いたのだ。それが2部の最後の方で際だったのは、講談師、田辺一凛の語りだろう。まるで荻内先生が彼女のために書いた本のような感じさえするほど、講談、ドン・キホーテがピッタリとはまっていた。ワインやホセリートの生ハムが用意された堀越さんの展覧会で、そのことを先生に言ったら、まさにその通り。そういう翻訳をやろうと思ったと、言っていた。

 朗読者には、作家では、逢坂剛、加賀乙彦、ねじめ正一など、詩人もいたし、女優では元宝塚のトップスター。この人の朗読は素晴らしかった。顔も綺麗だった。宝塚って基本をちゃんと勉強しているのだなと思った。面白いところでは、斎藤孝、明治大学教授。そう、『声に出して読みたい日本語』を書いた人だ。毎年子どもたちと。『ドン・キホーテ』を読んでいて風車の所で子どもたちが笑い転げると言っていた。「僕は学生の頃、何故ドン・キホーテが死んだのか?という論文を書いたことがあります。ドン・キホーテを殺したのは、笑いとかが判らない人たちが殺したのだと書きました」と、言い、出版おめでとうございますと挨拶をして朗読を始めた。

 絵画展オープニングで、田辺一凛さんと話が出来た。上記の様なことを話して、割とラフな感じで自分流に翻訳を変えれたと言っていた。そういう風にやっても荻内先生は、どうぞどうぞという雰囲気なのは良く判る。やりやすかったし楽しかったそうだ。20分と1番長い時間を読んで、次に出てきた俳優が、「非常にやりにくいです」と正直に言っていた。20分は高座でも出来る長さですね。と言うと、高座でやっていきますと元気よく目を輝かせていた。面白い!


 10月16日(日)

 秋華賞は、予想通りエアメサイアが指し切り2着がラインクラフト3着が内を割って最高の乗り方をした横山典弘のニシノナースコール。馬複を1点予想で買った。いくら着くかと思いきや、1.8倍。それはそうだよなぁ、これしかないもの。配当が少ないのは仕様がない。良いレースだった。よっぽどエアの単勝を買おうと思ったけど、それはしなかった。そっちの方が配当が良かったのに・・・。来週が菊花賞。ディープインパクトの無敗の三冠が掛かるレース。おそらく勝つだろう。馬券的には今日と同じで面白くないが、2着3着が何になるのかが興味の対象。

 13日の結果。 サラゴサ。アベジャン、場内1周。右太腿に角傷を受ける怪我。ファンディ、耳1枚。カステージャ、耳なし。

 14日の結果。 サラゴサ。フェレーラ、耳要求で場内1周、耳1枚ともう1枚要求。アントン・コルテス、セラフィン・マリン、耳なし。 ハエン。パディージャ、耳1枚。クーロ・ディアス、場内1周、耳1枚。ホセ・ルイス・トレス、耳なし。右太腿に10cmの怪我。

 15日の結果。 サラゴサ。ペピン・リリア、耳なし。エンカボ、耳2枚。ヘスス・ミジャン、耳なし。 ハエン。クーロ・ディアス、アントン・コルテス、耳なし。サルバドール・ベガ、耳1枚、耳2枚。 アビラ。カナレス・リベラ、耳なし。右手を怪我。ロペス・チャベス、耳1枚。イケル・ハビエル・ララ、耳なし。 モラン・デ・ラ・フロンテラ。フェスティバル闘牛。騎馬闘牛士、ホセ・ルイス・カナベラル、耳1枚。闘牛士、ホセ・アントニオ・カンプサーノ、耳1枚、耳2枚と尻尾1つ。セペダ、耳1枚。ミウラ、耳2枚。アニバル・ルイス、耳2枚と尻尾1つ。カステージャ、耳2枚。セサル・ヒロン、耳2枚と尻尾1つ。


 10月17日(月)

 今日は残業で疲れた。荻内先生のオトニャールの朗読会は凄い企画だ。こんな事はあまりというか他は出来ないだろう。そして、面白かったのが素晴らしい。逢坂剛が、次は僕の小説のスペイン語訳の朗読会をやりたいと思いますと、言っていたがそれは出来ないだろうと思った。

 Jリーグで田中達也が大怪我を負った。右足関節脱臼と腓骨骨折。後ろから足を引っかけられて転倒しての怪我。前から思っていたけど、彼は転ぶときにいつも後ろに転んでいた。あれじゃいつか大怪我をすると思っていたらそうなった。スペイン・リーグを観ていてもタックルで転ぶときは前に倒れる。これが普通だ。この方が足に負担が掛からない。骨折もし難い。彼は体が固いから後ろに転ぶのか?

 若く才能がある選手。海外に行っても活躍できる可能性を感じていたがこれでパーになった。勿体ないが倒れ方を知らないと将来の可能性もなくなると言うこと。騎手でも、落馬するときは足から落ちるなとか、手を着くなとか散々注意されるそうだ。これも大怪我をしないための方法なのだ。それならどこから落ちると思うが、それは馬に乗ったことがないので判らないが騎手の常識らしい。ネット上でタックルして達也に怪我を負わせた柏の土屋選手に誹謗中傷が掲示板に沢山書き込まれているという。それを訊いた達也は、「土屋選手を誹謗中傷しないで」と訴えているという。気持ちの面でも立派に世界で通用する選手。でも、本当に残念なことだが転び方が下手すぎた。

 ロッテが31年ぶりのリーグ優勝を決めた。今年1番パリーグを盛り上げた最大の功労者。優勝が決まって良かった。一方、2年連続でリーグ戦終了時点で1位だったソフトバンクが優勝できないプレーオフというシステムは一体何なんだろうという疑問も当然出てくるだろう。ベンタスでは騎馬闘牛で、ディエゴ・ベントゥラがプエルタ・グランデした。


 10月18日(火)

 いよいよ三冠へ向けてディープインパクトが動き出す。何も変わらないことを調教師が強調している。無事に出走できれば21年ぶりの無敗の三冠馬になるだろう。天気予報では京都は晴れ。馬場も大丈夫。問題は2着3着。今週は新聞とにらめっこだ。


 10月19日(水)

 本屋に行ったら注文していた、『脳と仮想』茂木健一郎著 と 『囚人のジレンマ―フォン・ノイマンとゲームの理論』ウィリアム パウンドストーン著が届いた。なかなか進まない『素数に憑かれた人たち』は数式が出てくると極端に読むのが遅くなる。だから、風呂で地震にあった後に帰ってきて、『脳と仮想』を読み始めた。そこに重要な事が書かれてあった。何のことを書いているかというと、クオレアの事である。クオレアとは、「人間の経験のうち、計算できないものを、現代の脳科学では、「クオレア」(感覚質)と呼ぶ。」 ーー『脳と仮想』 茂木健一郎よりーー と言うこと。

 素数から始まる「ゲーム理論」もそうだが、数値に置き換えて方程式を発見していった。クオレアは、そういう風に発展してきた現代科学を、違う物の見方で問い直そうという考え方のようだ。

 「科学万能のイデオロギー信奉者が、できれば、主観的体験などというものは、世界から消去してしまいたいと思ったとしても当然だろう。実際、デカルトが心と物質を分離して以来、科学は、一貫して私たちの意識の中の数に直すことのできない体験の重要さを消去するというシナリオの下に発展してきた。
 そのためにまずなされたのは、私たちの主観的体験を、科学が対象としている客観的な物質のふるまいから切り離すことであった。心の属性は、科学の対象にはならないということを宣言することであった。赤というのは、どのような波長の光に対応するのか。この問いは、数に直すことのできる問題だから科学の対象になる。一方、いかにして、私たちの心という奇妙なものが生まれ、その中に、かくも生々しく赤という質感が感じられるのか、そのような問いは科学的ではないとして排除されてきた。科学万能のイデオロギーの下では、科学的な問いに乗らないものは、存在しないことになる。だから、クオレアは、最近の「再発見」まで、存在しないことになっていた。」

 「バートランド・ラッセルとともに大著 『プリンキピア・マテマチカ』を書いたイギリスの哲学者アルフレッド・ホワイトヘッドは、1920年に出版された『自然の概念』の中でつぎのように書いている。

 自然哲学にとっては、感覚されるもの全ては、自然の一部である。私たちは、その一部分だけを都合良く選択することはできないのだ。夕日の「赤い色」の感覚は、その現象を科学者が説明するのに用いる分子や、電磁波と同じように自然の一部でなければならない。自然哲学の目的は、「赤の感覚」と「分子、電磁波」といった自然の様々な要素がどのように結びついているかを明らかにすることである。

 その言葉こそ使っていないものの、ホワイトヘッドが論じているのは、まさにクオレアの問題である。」 ーー『脳と仮想』 茂木健一郎よりーー

 主観的体験。例えば、スポーツで応援しているチームが31年ぶりに優勝したロッテ・ファン。去年4位だったチームが何故優勝できたか?監督が選手にやる気を起こさせたと言うが、監督でスポーツ・チームが優勝したり、最下位になったりするのは誰でも知っている。選手(人)をどう動かせば最良の結果が得られるのか考え実践することが出来る人が良い結果をチームにもたらすことが出来るのだ。

 どれだけのスピードでバッドを振りボールに当たるときにどの角度で当たればホームランになるかと言う数値はすでに出ている。また、それをさせないために投手はどれだけの球速の球を投げればいいかとか、変化をさせればいいかとかも数値では出ているだろう。それが試合の中に生かされるかどうかは、現代野球ではデータや状況によるチーム戦略など色々な要素が入ってくる。そして何より、試合に関わる選手の身体的な能力と心理状況によっても、同じ球速の同じコースに同じ変化した球でも、打てたり、打てなかったりする。それは、サッカーや他のスポーツの場合でも同じだろう。むしろ、サッカーの方が選手の動きやコミュニケーションの取り方、経験的な呼吸の有無でパスが繋がったり繋がらなかったり、シュートが決まったり決まらなかったりするのだと思う。

 そういう様々な要素を含んでいるから、スポーツは観ている人間まで興奮させ熱狂させることが出来るのだ。闘牛も牛に向かって何度の角度で牛を誘いパセすれば美しく見えるかとか、感動できるかとかは、科学されていないのだ。だからこそ、見続けて何かが判るだろうと思ったりするが、なかなか難しい。やっている方はもっと難しい。牛という1頭1頭違う個性的な動物を相手に同じ結果など出せるわけがない。だから深いのだが、それを、主観的体験から、解説、解明しようとして作業しようとすることは面白い事だと思う。そういうことを考えさせる、『脳と仮想』という本だ。

 驚いたことに、19時からのNHKニュースで史上2頭目の無敗の三冠馬を目指すディープインパクトの最終追い切りが流れた。三冠レースや有馬記念ですら定時のニュースで流すことすら珍しく、スポーツ・ニュースが主流なのに、レース前の1頭の馬の追い切り調教を定時ニュースで流すことが、注目の大きさを物語っている。

 18日の結果。 ハエン。ポンセ、耳2枚。オルドニェス、耳2枚。ファンディ、耳1枚が2回。


 10月20日(木)

 台風が秋雨前線を太平洋に持っていたので晴れだが、放射冷却で朝が寒くなった。8日闘牛の会での片山左京先生の発表は興味深いものだった。未だ、記述していなかったので、簡単にではあるが書きとめることにする。「スペインあれこれ」で言っていたのは、ヒターノ(ジプシー)の事だ。彼らの起源は、インド辺りの芸能を生業にする部族ではと言われているという。スペインと言えば、日本人なら誰でも闘牛とフラメンコを想起する。ヒターノがスペインに入ってきたのは、ヨーロッパが人の移動を禁止していた時期だという。巡礼の名目でヒターノは、<帝国安全通行許可書>という旅券を手に入れる。その中でヨーロッパ中を旅する流浪の民が生まれる。勿論一方では定住していくヒターノも出る。その中であまりにも犯罪が増えて差別されるようになっていく。そしてそのヒターノがスペインで、ミの音を調整音として使う独特なフラメンコを創作する。これもスペインという土地がなければ発達しなかったという。

 ole=wallah!!(アラブ語の神にかけて)。 闘牛や勿論フラメンコの掛け声に使われる声。ロルカは幼い頃、サクラモンテでフラメンコの歌や踊りを聴いていたという。ロルカはフラメンコを、「悲しみとも絶望とも関係ない苦しみです。」と言ったそうだ。片山先生は、「教師(大学教授)的に言えば、エクスタシーは、エクス・スターシス。つまり、存在から出てしまう事ではないかと思う」と言っていた。まっ、セックスでもそういうことだろう。これが、ドゥエンデなのだ。ここで感動の声が上がった。拍手も沸いたかも知れない。フラメンコの歌や踊りには、人間の暗い部分が表に出る。そういう深みがあると。人間の明るい部分だけが強調されがちな現代で忘れられているものがそこにあると。それは闘牛のような犠牲の儀式を国民の祝祭にしている国は他にはないからだと。ここでようやく闘牛と結びついたと笑っていた。

 スペインという国は、闘牛とフラメンコでくくられるけれど、こういう根本的な部分が文化としてあるからなのではないかというようなことを言っていた。非常に素晴らしい、そして、面白い片山先生の話だった。荻内先生が、ロルカがドゥエンデについて書いた文章は、大学の教授になりたくて手紙で出した論文なのだと言っていた。11月の闘牛の会は、上智大学で教えているエレナ・ガジェゴ。彼女は、『源氏物語』をスペイン語に翻訳するのが夢というスペイン人だそうだ。どんな話になるのか楽しみだ。闘牛の会、会員ならずともスペインに興味のある人なら面白い話が聞けるような気がする。因みに、13日14日とビエント・オトニャールで荻内勝之先生翻訳のミゲル・デ・セルバンテスの『ドン・キホーテ』は初版出版400年記念としての意味もあることをここに記しておく。

 チャンピオン・リーグでレアル・マドリードとチェルシー、リオンなどが勝ち、ビジェレアルが引き分けた。


 10月21日(金)

 昔、「パセリ、セージ、ローズマリー、タイム」って何か知っている?と訊かれて何なのか全然判らなかった。俺はガキの頃からお茶碗でご飯を食べてきた。お皿でご飯を食べるのはカレーライスの時だけだった。だからそういう食生活じゃないから判らなかったのだ。『パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム』と言うのがサイモン&ガーファンクルのアルバムのタイトルだというのが判っていてもそれが何なのかは知らなかった。

 今日、頼んでいたDVD『ザ・コンプリート モンタレー・ポップ・フェスティバル』が届いた。オリジナル劇場公開版の他に、ジミ・ヘンドリックス、オーティス・レディングの模様と、他のアーティストのものがまとめて納められた3枚組のものだ。劇場公開された映画の中の7曲目がサイモン&ガーファンクルの『59番街橋の歌(フィーリン・グルーヴィー)』だった。アコースティック・ギターと2人のボーカルだけというシンプルなのに何故素直な気持ちで響いて来るんだろう。今でも生ギターで聴けるのは、ディランと彼らだけだ。昔は、『サウンド・オブ・サイレンス』だったが、今はサンデーサイレンスになった。

 それは良いとして、ジャニス・ジョップリンの、『ボール・アンド・チェーン』。昔聴いた衝撃はちゃんとDVDに映っていた。人生のエネルギーを歌で完全燃焼させたジャニス。ジミ・ヘンもそうだけど、あれじゃ長生きが出来ない。でも、彼らの偉大な音楽は長く語り継がれるだろう。ジャニスの燃焼のエネルギーは観ている方まで熱くさせる。これがデビューだった。ジミ・ヘン(エクスペリアンス)もアメリカデビューがこのフェスティバルだったようだ。ボーナス・トラックで何故モンタレー・ポップ・フェスティバルを開催したか、企画の話など色々聞ける。

 日曜日の菊花賞の枠順が決まった。ディープインパクトは、4枠7番。何の問題もない。前売りの単勝でディープは、「1・0倍の元返しという1番人気。シックスセンスが70・6倍、フサイチアウステルが94・0倍と2番手以下は空前の高オッズとなっている。」 ーーサンスポよりーー 2番人気が70・6倍。信じられない。


 10月22日(土)

 菊花賞は何を買うか。単勝は買わない。買うなら馬単か3連単、ディープを除いたワイドだろうけど、普通に考えるとディープからの馬単を3点くらいだな。データだけじゃ判断できないものがある。血統だけじゃ判断できないものがある。今日から日本シリーズが開幕する。


 10月23日(日)

 今日ほど全然当たる気がしないことはない、とFが言った。勝つのは間違いないディープインパクト。しかし、馬券となるとこれが難しい。単勝じゃついて1.1倍。たぶんもと返しになるだろうと誰もが思っている。それならと馬単で何を買う?人気上位が有力だからと、ローゼンクロイツ、アドマイヤジャパン、アドマイヤフジ、シックスセンス、フサイチアウステルと2番人気から6番人気の馬を買っても儲けが出ない。どうやって絞るかは、データが参考になる。実績の項目からは、1,重賞で連対経験。2,皐月賞、ダービー出走馬でどちらかで3着以内。3,3勝以上。ローテーション、前走からは、トライアルの神戸新聞杯、セントライト記念で6着以内が圧倒的に結果を出している。それと距離は、ダービー3着以内馬を除き芝2200m以上で勝ち鞍がない馬は連対に絡まないというもの。付属で言えば、1勝馬は、65回の歴史のある菊花賞で1頭として3着までに来たことがない。

 こういうデータで考えると、重賞での連対経験がなく2勝馬のアドマイヤフジ、皐月賞、ダービー3着以内馬に来ていないローゼンクロイツ、1勝馬のシックスセンス、2勝馬のアドマイヤジャパン、が消えて、フサイチアウステルが残る。それならそういう馬券を買ったかというとそうではないのだ。勿論、フサイチアウステルは買ったけど・・・。今回は馬単と3連単を始めて買った。

 結果は、ディープは1コーナー過ぎくらいまでかかって口を割っていた。普通の馬ならこれで終わっているだろうが、ディープは普通の馬ではない。2番手から横山典弘のアドマイヤジャパンが抜け出しそれをディープが直線で捉え2馬身差の圧勝だった。ナリタブライアン以来11年ぶりの三冠馬。そして、シンボリルドルフ以来21年ぶりの2頭目の無敗の三冠を達成した。三冠達成を観に開門前に1万2千人並び開門時間が10分繰り上がり、菊花賞史上最高の13万人以上が京都競馬場に入場した。

 武豊は、勝利騎手インタビューで、「感無量です。あらためて強いと感じたし、ほっとしました。きょうは引っ掛かって、なだめるのに苦労しました。勝ったと思ったのはゴールインした瞬間ですね。ファンのみなさんもおめでとう」と言い、池江泰郎調教師は、「最後までヒヤヒヤしました。ゴール前50メートルまでよく分からなかった。よく我慢をしてくれたと思います。ゴールインした瞬間、シンザンがウメノチカラをかわした(1964年の)菊花賞のシーンを思い出した」と言った。

 横山典弘は、先週に続いて最高の騎乗をした。が、またGTを勝てなかった。でもそれは馬の実力で騎手のないではない。最高の騎乗をしたので誇れることだ。来週の天皇賞では1番人気が予想されるゼンノロブロイに騎乗する。鉄砲だが勝てるだろう。典よ、武豊に対する先輩の意地が自分の技術の向上と努力と結果を結びつけているのだろう。天皇賞はお前に託す。武豊にはそんな気持ちには成れないが、岡部幸雄がターフからいなくなった今、こんな気持ちになれるのはお前しかいない!


 10月24日(月)

 菊花賞の実況中継アナウンサーをした馬場鉄志は、ゴール・シーンで、「これが日本近代競馬の結晶だ!」と、叫んだ。それほど、ディープインパクトの三冠達成は偉大な記録だったのだ。

 「武豊騎手、池江泰郎調教師、金子真人オーナーのコメントは以下の通り。

■武豊 「スタートは五分で出て、デビュー以来最高のスタートが切れた。ただ、行き過ぎないようにと我慢させたが、きょうはかなり行きたがりましたね。1周半の競馬は初めての経験で、賢い馬だから最初の3、4コーナーでもうゴールが来たのだと勘違いしたのでしょうね。1周目は、とにかくゆっくり走ってくれと思いました。きっと途中で落ち着いて走ってくれるだろうと信じて馬群の内に入れましたが、2周目に入ると、いい感じでリラックスしてくれました。3コーナーの坂もいい感じでしたね。ゴーサインは600メートルを過ぎたあたり。550メートルくらいかな。また“飛びました”ね。あとは、もうゴールめがけて走ってもらうだけでした。
 1頭の馬で三冠を取れたのは当然初めてで、いつかこんな馬に乗れたらといつも思っていた。その夢がかなってうれしいです」

■池江泰郎調教師 「勝ってくれると信じていましたが、やはり競馬は何があるか分かりませんからヒヤヒヤでしたね。もう、無我夢中で見てました。馬の状態としては十分落ち着いていましたし、体調も維持できていた。馬の出来には自信を持って送り出せましたね。レースの最初は引っ掛かり気味だったけど、すぐに落ち着いてリズム良く走ってくれたし、4コーナーを回ったら(先頭で)来てくれるだろうという、その気持ちで信じておりました」

■金子真人オーナー 「とにかくこの菊花賞を目標にしていたので、今は三冠というよりも菊花賞を勝てたことに感動しています。三冠の重みはこれから時間がたつにつれて徐々に実感がわいてくると思います。今後のローテーションですが、まずは菊花賞が最大の目標だったので、完全に白紙ですね。これから馬の状態を見ながら、池江先生と相談していきます。年内はレースを使いたい。使うなら2つ(ジャパンカップ、有馬記念)のどれかでしょうが、その辺も馬の状態を見ながらになると思います。来年は海外遠征のチャンスがあれば挑戦したいと思っています」 」 ーースポーツナビよりーー

 「▽単勝元返し 単勝配当の100円で、1974年のキタノカチドキの単勝120円を下回る歴代最低配当。
  ▽連敗ストップ 97年以来続いていた1番人気の連敗は8でストップ。1番人気の勝利は史上23頭目。
  ▽SS産駒初の3冠 サンデーサイレンス産駒として初の3冠馬誕生。同産駒のGI55勝、菊花賞4勝は種牡馬の歴代単独トップ記録。
  ▽最多記録 武豊騎手は菊花賞歴代単独トップとなる4勝目。年間GI勝利も5勝目となり、南井克巳、和田竜二の持つ最多記録に並んだ。」 ーーサンスポ、データ・ボックスよりーー

 今週は、古馬GT天皇賞。ディープが次走はJCか有馬と言っているので迎え撃つゼンノロブロイが出走する。去年の年度代表馬のゼンノが強ければ強いほど競馬は盛り上がる。


 10月25日(火)

 健康診断の結果が出た。中性脂肪などの数値が高く、高脂血症との診断。食事・運動に気を付けて内科での受診・検査を必要とするというものだった。阪神が負けロッテが3連勝。勝負なんてあんなもの。アウトセーフの判定で大差がつく。

 22日の結果。 トレド。エウヘニオ、耳1枚、耳1枚ともう1枚要求が2回、耳1枚、耳2枚。 ジュンコス。フェスティバル闘牛。エスプラ、耳2枚。フンディ、耳1枚。イガレス、耳2枚。ロブレニョ、セラフィン・マリン、エドゥアルド・ガジョ、耳なし。

 23日の結果。 ウエスカル。ペピン・リリア、耳2枚が2回。パディージャ、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。ファンディ、耳2枚と尻尾1つ。 トバラ。マヌエル・アマドール、耳1枚。セルヒオ・マルティネス、耳1枚、耳2枚。トマス・プレシアド、耳1枚。 アンドゥハル。フェスティバル闘牛。闘牛士、エスパルタコ、ポンセ、耳2枚。アベジャン、耳2枚と尻尾1つ。マンサナレス、耳1枚。見習い闘牛士、ダビ・バリエンテ、耳2枚。騎馬闘牛士、アルバロ・モンテス、耳2枚。


 10月26日(水)

 荻内先生にTELした。この前のビエント・オトニャールの『ドン・キホーテ』新訳の朗読会の話や闘牛の会の話をしようと。携帯はあれだからと自宅にTELしたら1発で出た。挨拶したらいきなりエレナ・ガジェゴの事を話し出した。今度の闘牛の会の発表者で上智大学助教授。色々調べて内容の濃い発表になりそうだとのこと。それと今後の闘牛の会の話もチラホラ。ようやく最後に、ビエント・オトニャールの話をして終わった。先生は、『ドン・キホーテ』を出版してから元気満々になったのか、声にも張りがあり話にも勢いがあった。

 そろそろ寒くなってきたのでコタツでも出そうと思っている。これからやろう。阪神はようやくタイムリーが出て2−3。もう8回裏。負けるか?


 10月27日(木)

 ロッテが31年ぶりの日本一になった。MVPは今江。ボビー・バレンタイン監督は、日本一になったバレンタイン・マジックについて質問されて、良い選手が集まったことがマジックだったと、選手を讃えた。一言も、自分が凄い監督なのだということを言わなかった。アメリカ人なのに日本人の心を理解しているからああいう事をいうのだろう。それにしても偉い。一度も阪神にリードを許すことなく優勝した。阪神ファンを唖然呆然させた快挙。


 10月28日(金)

 天皇賞の枠順が発表された。春の天皇賞馬、スズカマンボが1枠2番、トライアル、京都大章典を勝ったリンカーンが2枠3番、安田記念を勝ったアサクサデンエンが3枠5番、タップダンスシチーが3枠6番、トライアル、オールカマーを勝ったホオキパウェーブが4枠7番、宝塚記念2着のハーツクライが5枠10番、ダンスインザムードが6枠12番、去年の秋GT3連勝で年度代表馬になったゼンノロブロイが去年と同じ7枠13番、宝塚記念馬、スイープトウショウが7枠14番、トライアル、毎日王冠を勝った、サンライズペガサスが8枠16番、エリザベス女王杯馬、アドマイヤグルーヴが8枠17番。

 前売りが発売され1番人気がゼンノロブロイが、2.8倍。2番人気がハーツクライが5.3倍。3番人気がスイープトウショウが7.4倍。馬連1番人気が10−13で、7.8倍。馬単1番人気が13−10で11.1倍。3連複1番人気は、3−10−13で、10.7倍。3連単1番人気は、13−10−3で33.3倍。

 これから夕刊を読むが、ゼンノロブロイに騎乗する横山典弘が、大分前からタバコをやめ、最近あれほど浴びるほど飲んでいた酒もやめて、「俺もあと何年乗れるか判らない」と体を大事にして腕に磨きをかけている。ここ2週人気薄でGT、2着に来ている。今度こそ主役になるだろう。俺は典に賭ける。

 自民党が新憲法草案公表した。「米海軍は28日、神奈川県の米軍横須賀基地を母港としている空母「キティホーク」が2008年に退役し、後継艦としてニミッツ級の原子力空母を配備すると発表した。」 ーー讀賣新聞よりーー


 10月29日(土)

 東京は雨。明日は上がるので、天皇賞の馬場はおそらく良で行われるだろう。132回の歴史の中で初めて天皇皇后が観戦する天皇賞。前日調教に乗った鹿戸騎手は、「だいぶピリッとして、戦闘モードに入っている感じ。ほぼ100%に近い状態には仕上がっていると思う」と言っている。万全の状態と言って良いだろう。今日NHKで21時からディープインパクトの特集番組がある。

 井口のホワイトソックスがワールド・シリーズを4連勝して世界一になった。1年目での快挙は幸福な野球人生を感じる。イチローもゴジラも出来なかったこと。レアル・マドリードがまた負けて連敗。5位に下がった。今週は、中田、俊輔、松井、稲本がゴールした。


 10月31日(月)

 日曜日、東京競馬場へ行ってきた。パドックでは、ゼンノロブロイは良い状態に見えた。それとダンスインザムードも良く見えて買いたくなった。ハーツクライはボーとしているような感じでパッとせず、スイープトウショウも良いとは思わなかった。あれっと思ったのがサンライズペガサスだが、じっくり見るとそんなに良いとは思えなかった。目立たなかったがヘヴンリーロマンが元気が良いのと脚の上げ方に好感が持てた。結果は大波乱。

 「藤沢和雄調教師にとっても史上初の同一GI4連覇の快挙が懸かっていただけに「うーん、残念。内が開きすぎていたからな。あれだけの脚を使われたら仕方ない。これが競馬だ。しょうがない。ロブロイも上手な競馬をしたよ。ただうまく内がポッカリと開いたし、(勝った馬が)いい脚を使っていた。ノリも切れ込んで馬を寄せに行ったけど…。また次、頑張ります」と悔しそうな表情をのぞかせた。」 ーーサンスポよりーー

 たぶん勝てるだろうと思っていたゼンノロブロイが先に抜け出したダンスインザムードを交わして先頭に立って藤沢厩舎の親子丼と思った瞬間、その間から突っ込んできたヘヴンリーロマンが頭差、差しきって優勝した。あーこんな事があるのか?一瞬唖然呆然となって頭が真っ白になった。勝ちタイムは、2分00秒1。逃げ馬ストーミーカフェが作るペースが1000m通過が1分02秒4の超スロー。これなら好位に着けた馬が有利で、後方待機で差し足に賭ける馬には不利に働く。

 展開のアヤとは言うけど、まさにそれ。藤沢調教師が言うことは判る。典(ノリ)を信じて単勝馬券だけを買ったが、ワイドを買えば良かったと結果を見て思ったが、あとの祭り。競馬には絶対はない。超スローで進んでは牝馬に切れ味が生きているのも展開的に判る。帰りの足取りが重かった天覧天皇賞だった。


 11月1日(火)

 日曜日、西武新宿のホームに着くとアイマスクをした人の横にもう1人付いて2人一組のグループが大勢いた。おそらく、盲人体験をしている人なのだろう。身障者にとって日本の交通機関は使いやすいかどうかと言う事と盲人が日常的にどういう気持ちで暮らしているのかという体験なのだろう。これを観て、盲目の伝説の馬券師を思い出した。職人をやっていて医者が嫌いで、糖尿病なのに病院に行かず失明。目が見えなくなっても1番好きな競馬をやりたいと大井競馬場などに通いパドックで馬の足音を聞いて馬券を買い続けた。付き添いは実の娘。それで馬券が当たるようになると中央競馬の馬券師になる。月曜日に『週刊競馬ブック』が発売されると娘がキオスクに買いに行き、馬柱を父親に読んで馬券の検討が始まる。

 レース当日には、馬柱が頭の中に入っていて、パドックで歩く馬を娘が教え、その足音を聞いて馬券を買う。ほぼ1点買いで、多くても2点買いだったそうだ。それが、良く当たったそうだ。娘は父親のために旦那を土日ほったらかしにして競馬場へ。その盲目の馬券師が、「女はダメだな。余計な馬券ばかり買う。思い切りがない。判断が出来ない」と、1点で馬券を当てる盲目の馬券師は言ったという。大事なのは、決断。冷静にパドックで馬の足音を聞いていると結果が読めるのだという。

 西武新宿の駅で、伝説の盲目の馬券師のことを思い出した。今思い返すと、何故俺は自分を信じられなかったのだろうかと。パドックで良い馬3頭が判っていてもそれを馬券に反映できない。あー憧れの盲目の馬券師。俺もいつかあなたのようになりたい。何かを極めると言うことは非常に難しいのだ。自分に厳しくないとダメだ。

 昨日小泉第3次内閣の組閣が決まった。思った通り猪口邦子教授が大臣になった。福田康夫元官房長官は、入閣を辞退したらしい。理由は明らかではないが、入閣を待っている人に譲るというもの。次期総理を意識する安倍官房長官とは対照的だ。内閣支持率60・1%に上昇 47・8%が自民支持の世論調査が出ている。


 「東京証券取引所で1日、株式売買の注文を取り次ぐコンピューター・システムに障害が発生し、午前9時の取引開始から全銘柄の取引が停止したトラブルで、東証は午後1時30分にすべての取引を再開した。」「記者会見した天野富夫常務は「市場の信頼を損なったことを重大に受け止めている。今後2度とこうした事態が起こらないよう最大限の対策を講じる」と述べた。東証は障害の原因について、「10月にシステムの能力を増強した際にプログラム操作にミスがあった可能性がある」(天野常務)と説明している。」 ーー讀賣新聞よりーー

 天皇賞の結果を見てからと言っていたオーナーの意向でディープインパクトの次走が決まった。JCではなくグランプリ有馬記念になるという。結果的に言って日本で1番売り上げのある有馬になった。有馬は大変な人出になりそうだ。

 29日の結果。 グアジャキル(エクアドル)。ミックス闘牛。闘牛士、カナレス・リベラ、コヒーダで怪我。ギジェルモ・アルバン、耳2枚、耳1枚が3回。騎馬闘牛士、ルイ・サントス、耳なし。

 30日の結果。 インカ。マノロ・サンチェス、耳2枚、耳1枚。イケル・ハビエル・ララ、耳1枚が2回。アントニオ・コルテス・バルガス、耳1枚、耳2枚。

 31日の結果。 リマ(ペルー)。ポンセ、耳1枚。ファンディ、耳1枚が2回。フェルナンド・ロカ・レイ、耳なし。 サン・クリストバル(ベネズエラ)。ミックス闘牛。騎馬闘牛士、ホセ・ルイス・ロドリゲス、耳なし。闘牛士、エリック・コルテス、耳なし。プロクナ、耳1枚。見習い闘牛士、アンヘル・ラモス、耳なし。 グアダラハラ(メキシコ)。セサル・リンコン、耳1枚、場内1周。ソトルコ、ラファエル・オルテガ、耳1枚。 グアジャキル(エクアドル)。ミックス闘牛。闘牛士、ファン・アントニオ・エスプラ、耳2枚。ニーニョ・デ・ラ・タウリナ、耳なし。ファン・デ・ラ・クルス、耳2枚。騎馬闘牛士、ルイ・サントス、ギジェルモ・ハリン、耳なし。


 11月3日(木)

 昔から思っていたことだが、1番面白いニュース番組は東京12チャンネルの、『ワールドビジネスサテライト』だ。今日も東京コレクションが変革しようとしている事や、アメリカから上陸したアイスクリームのトッピングの店などと紹介していた。勿論経済ニュースが多いのだがそれだけ現在が反映されている。次が、『筑紫哲也のNEWS23』。今日は北野武と新作映画のインタビューをやっていた。こういう文化ネタや「多事争論」などちょっと考えさせられる意見を聞くのは刺激になる。NHKのニュースは基準になる。競馬で言えば正統的な予想。『筑紫哲也のNEWS23』は、ニュースに意見が入っているから面白い。一方、『ワールドビジネスサテライト』は小池ゆり子がキャスターをやっているときから観ているが、経済中心に取材するから現実がそれだけ見えてくる面白さがあるのだ。

 2006年の主な闘牛士のクアドリージャが判った。時間があったら載せようと思う。


 11月4日(金)

 韓国産キムチに寄生虫の卵が発見された。ダイエットに挫折した人、これからダイエットをしようとする人は買って食べて寄生虫を体に飼えば、マリア・カラスのように痩せられるだろう。俺もやろうかな。

 2日の結果。 TLAXCALA(メキシコ)。セサル・リンコン、場内1周。ソトルコ、耳1枚が2回。ペペイージョ、耳なし。


 11月5日(土)

 今日の馬券は1勝1敗。でもメインはしっかり取った。「5日、東京競馬場で行われた7R・3歳500万下でヒカルジェイエ(牡3、美浦・奥平真治厩舎)が勝利。騎乗した横山典弘騎手(37、美浦・フリー)は、1日騎乗機会6連勝(2〜7R)を達成。岡潤一郎騎手(故人)が持っていた連続騎乗5連勝を上回り、新記録を達成した。」 ーーnetkeiba.comよりーー

 横山典弘は、岡部幸雄も武豊も出来なかったJRA記録を作った。2R、1番人気。3R、6番人気。4R、4番人気。5R、1番人気。6R、8番人気。7R、2番人気。で、騎乗機会6連勝の達成だった。武豊のようにいつも1番人気、2番人気の馬に乗っていても達成できない。6番人気とか8番人気の馬が入っているのが素晴らしい。8R、2番人気で2着。11R、1番人気で1着。12R、1番人気で3着だった。今日は合計7勝をあげた。それも殆どが好位からの競馬で完全に騎乗スタイルを確立した様だ。先週天皇賞での騎乗もミスで負けたのではない。出来ることをきっちりとやってそれでも展開で負けたのだ。典弘の騎乗は素晴らしいではないか。天皇賞で負けた金はしようがないことだ。自分の中で納得できる馬券だったのだから。

 今日の夜は面白いTVが2つあった。1つは、『NHKスペシャル』「サイボーグ技術が人類を変える」という最新脳医学のレポートを立花隆やっていたもの。人間の脳には悲しみを感じる部分が存在しそこに電気信号を送ると強度の憂鬱病も治療できるというものは非常に驚いた。もう1つは、NHK教育TVでやっていた、『ETV特集』「生きていてくれて、ありがとう夜回り先生・水谷修のメッセージ2」で、心の悩みでリスト・カットなどをして苦しんでいる子どもたちを救済している水谷修氏の講演やそういう子どもたちから夜中にかかってくるTELなどの番組だった。講演での話は自然に引き込まれていく。じっとしていれない最近の中高生も真剣に聞いていた。話の内容も物凄いものだ。非常に強烈な生き方だ。


 11月6日(日)

 「ライオンに襲われた野ウサギが逃げ出すときに肉離れしますか? 準備が足りないのです」。ヤマザキナビスコカップ決勝でPK戦で優勝したジェフ千葉のイビチャ・オシムの名言だ。「あなたは最後まであきらめずに走るように子どもを育てましたか?もしそうなら私が責任を持って教えます。そうでないのならこのまま連れて帰った方が良い」と、新人選手の父兄に言ったことがあるという。90年イタリアW杯で、ユーゴスラビア代表監督として8強に導いている名将。レアル・マドリードからもオファーがあったオシム。

 PK戦も良い思い出がないと、ロッカールームで観ていたという。ストイコビッチも教えたのだろうオシムは素晴らしい結果をもたらした。延長になっても選手はバテることを知らないように走り続けた。非常に素晴らしい監督が結果を出したことはJリーグにとって良いことだ。「この大会は勝って何かあるか…と聞かれればそれで終わり。国際的な大会にも関係ない。喜びだけです」。と、オシムは言った。最後までオシム節である。


 11月7日(月)

 変な夢を見た。グランドでサッカーの練習をやっている。同級生や先輩がシュートをしている。それを2階から観ていた。Aさんがいた。遠くから観てもあの姿は一目で分かる特徴が直ぐにそれだと思ったのだ。思わず、「Aさん!」と叫んで階段を下りようとしたところで目が覚めた。あの夢は何だったのだろう?それが高校時代だったのか、今なのかも定かではない。そんな夢の話をしたら、「誰か死んだんじゃない?」と言われた。そうなのかな???

 キオスクでサンスポを買ったら1面に写真入りで本田美奈子が白血病で死亡した記事が載っていた。闘病10ヶ月、38歳の早すぎる死だった。新聞を手にした瞬間変な夢のことを思い出した。実は、サッカーの練習の前に、競馬の夢があったのだ。この前行ったスペイン大使館のオープニングセレモニーのような雰囲気で酒を飲みながら競馬の話をしていて何故か知らないけど色んな有名人が来ていてその中に本田美奈子がいた。物凄く元気そうで笑顔がはち切れんばかりに輝いていた。病気治ったんだと思った。何年か前の有馬記念の後のパドックで本田美奈子のステージがありそこで何曲か歌った。

 だから、競馬と本田美奈子が一緒に出てきても全くおかしくないのだ。『Oneway Geration』って大好きな歌で、その時パドックでも歌った。その足でレコード屋に行ってベスト盤を買った。そのことを彼女に言おうとしたら、夢が途切れて、サッカーの夢に変わったことを思い出したのだ。夢などというのは何の脈絡もなく突然次の場面に変わるものだ。「誰か死んだんじゃない?」というのは先輩や同級生じゃなくて本田美奈子だったのだ。記事を読んでいたら涙が出てきた。最後まで元気に振る舞っていたとか、「抗がん剤の副作用で頭髪は抜け落ち、バンダナを頭に巻いた写真に涙する知人もいた。だが本田さんは「私は元気よ、あなたこそ元気なの?」と電話をかけ、笑っていたという。そして、息を引き取る間際まで、「レコーディング、早く頑張らなきゃね」と、自らを奮い立たせていたという。」 ーーサンスポよりーー

 「ミュージカル「レ・ミゼラブル」で共演した歌手、岩崎宏美(46)は本田さんが亡くなる前日に見舞いに訪れていた。「具合が良くないと聞き、きのう(5日)病室へ行きました。意識はなかったですが、大声で呼び掛けると『ああ』と答えてくれた」と病床の様子を語り、「奇跡のような美しい声の持ち主に奇跡が起きるよう祈っていたのに本当に残念。人の悪口を絶対言わない天使のような子。仕事先で私のポスターを見たとよく写真をメールで送ってくれた。今、私の携帯には美奈子からのメールがいっぱい入っています」と悲嘆に暮れていた。」 ーーサンスポよりーー

 「親交の深かった南野陽子(38)は号泣した。「レ・ミゼラブル」(97年)で同じ舞台を踏んだ歌手の岩崎宏美(46)は、亡くなる前日の5日も病床で励まし「天使のような子でした」。ミュージカルデビュー作「ミス・サイゴン」(92年)で共演した俳優の市村正親(56)は「悔しい」と語った。

 本田さんと長年の親交があった南野は6日、東京・中央区の明治座で出演舞台「細雪」の公演の合間に悲報を聞き号泣した。関係者によると、昼の公演終了後にスタッフから知らされ、1人で楽屋にこもり大泣き。「ショックが大きくコメントできる状態ではなかった」(所属事務所)と明かしたが、午後4時からの夜の部では、悲しみをこらえ気丈に舞台に立った。

 同い年の2人は堀越高校時代はクラスメート。仕事の面では南野が1年先にデビューした“先輩”だったが、「グリコ」のCMで共演するなど公私ともに仲が良かった。

 本田さんの闘病中にたびたび病室を訪問。3日に昏睡状態に陥った直後にも見舞っていた。今年8月19日に放送されたテレビ東京「たけしの誰でもピカソ」の本田さんを応援する特別企画にもゲスト出演、ミュージカル「ミス・サイゴン」で歌う本田さんのVTRを見て、涙ぐみながら「待ってるから」とエールを送っていた。8日の通夜には、舞台の公演後に駆けつけるという。」 ーースポニチよりーー

 「本田さんに楽曲を提供したことがあるロック歌手の忌野清志郎(54)は、あまりに早すぎる他界に「えっ!そんなことが…」と大きなショックを受けた。

 抜群の歌唱力でアイドル界のトップに立った本田さんは80年代に、大物ギタリストのゲイリー・ムーアに楽曲提供を受けるなどロック色を強め、88年に「MINAKO with WILDCATS」を結成。その第1弾「あなたと、熱帯」を清志郎が作曲した。「すごくまじめな子でビックリしたのを覚えている。歌はうまいしね。その時は“仕事にそんなに気を張らず、もっと軽く考えるようにした方がいいよ”って伝えたんだけど。若いのにとにかくしっかりしてた。残念です」と惜しんだ。」 ーースポニチよりーー

 俺はアイドル時代は大嫌いだった。まともだったからだ。面白味がないなかった。でも、有馬記念の時に思い出した、『Oneway Geration』 と言う歌は何か明るい未来を渇望するノーマルな心情が明るく力強く歌われていて心に響いてきた。

人ごみの まん中 今居る場所さえわからないように
自分の生きかたが 見えない時ってあるよね

話してはみたけど 言葉が 一方通行みたいで
遠くの夢なんて 大人はわかってくれない

僕等は
Oneway Generation Oneway Generation
今 ひとりで何かを探して
Oneway Generation Oneway Generation
今 知らないどこかに向かって
戻れない片道のチケットと
夢だけを信じたい

恋人を送った プラットホームはガランとしていて
空っぽの心が 次の列車を待っている

サヨナラのかわりに 手に入れたものは 小さな自由と
大きな悲しみと 中くらいの思い出だけさ

僕等は
Oneway Generation Oneway Generation
もう 地図など必要ないから
Oneway Generation Oneway Generation
もう まわりを気になどしないさ
青春の終点に 着いた時
何が待っているのか

止まらないで 自分の道を 少し間違ってもいいから
わき目もふらずに

Oneway Generation Oneway Generation
今 ひとりで何かを探して
Oneway Generation Oneway Generation
今 知らないどこかに向かって
Oneway Generation Oneway Generation
もう 地図など必要ないから
Oneway Generation Oneway Generation
もう まわりを気になどしないさ  ーー『Oneway Geration』歌詞:秋元 康よりーー

 息を引き取る間際まで、「レコーディング、早く頑張らなきゃね」と、自らを奮い立たせていた、とか、人の悪口を絶対言わない天使のような子、とかいうのは、本当にまともで素直で他人にも好かれる性格だったのだろう。アイドル時代はあんなに嫌いだったのに今は、こういう当たり前に、素直な明るさというのは凄いことなのだと思う。そして、なかなか出来ることではないことも判る。また、明るく元気にマイクの前に立って欲しかった。今、彼女が残したCDの、『Oneway Geration』を何度も聴きながら日記を書いている。CDの中では彼女はいつまでも元気だ。

 「本田さんの育ての親ともいうべき高杉敬二エグゼクティブプロデューサー(66)は最期を感謝の気持ちでみとったという。

 22年前に「少女隊」というユニットのメンバーを募集していた時にスカウトした。「演歌が上手で森昌子さんの“越冬つばめ”をよく歌っていた」と振り返る。

 リスなどの小動物のような、人なつこい笑顔の裏側で努力の人だった。「感性が豊かで、歌の世界観を自分でつくっていた。“1986年のマリリン”の衣装や振り付けは彼女のアイデア」と明かす。当時話題を集めたセクシーなダンスやファッションも、他人の前では絶対に見せない努力のたまもの。テレビサイズのアイドルから飛び出し、女性ロックバンド活動に挑んだり、ミュージカル女優に転身したのも、アーティストとしての進化の表れ。1万3000人以上のオーディションを経て主役に抜てきされた「ミス・サイゴン」では舞台セットに挟まれ、足の指の骨4本を折り、7針を縫う大ケガにもかかわらず舞台を務め上げた。出会った人間との関係も大事にした。「正月前後には1週間程度の休みを取り、年賀状を2000枚ほど自分で書いていた。僕自身が彼女の大ファンだったし、たくさんの感動をもらいました。最期に手を握りありがとうと言うしかなかった」と声を詰まらせた。」 ーースポニチよりーー

 俺は性格が曲がっているので、こういう真っ直ぐな杉のような性格を羨ましく思う。「ファンや関係者の温かい励ましに包まれ、歌姫は静かに息を引き取った。「天使が天国へ戻って行ったような、眠るような最期でした」 」 ーーサンスポよりーー

「関係者は「文字通り、静かに眠るようでした。最後に天使みたいにほほえんで、全員から『わぁーっ』と感動の声が上がったほどでした」と振り返った。」 ーー日刊スポーツよりーー


 11月8日(火)

 注目の対戦、6番勝負の第5戦。「将棋アマ強豪で会社員瀬川晶司さん(35)(横浜市)のプロ編入試験六番勝負第5局、高野秀行五段(33)戦が6日、東京・千駄ヶ谷の将棋会館で行われ、午後5時51分、瀬川さんが104手で勝ち、3勝目を挙げて合格した。」 ーー讀賣新聞よりーー 米長邦雄、日本将棋連盟会長の改革で今回の対戦が特例で実施された。素晴らしいことだ。それにしても奨励会で規定を達成できずに一度諦めたプロの道を、9年後に掴んだ瀬川さんは凄い。自分の夢を実現した。これからが本当の勝負だ。


 11月10日(木)

 昨日は疲れて帰ってきて直ぐ寝た。

 「6日に急性骨髄性白血病で亡くなった歌手、本田美奈子.さん=本名・工藤美奈子=(享年38)の葬儀・告別式が9日、埼玉・朝霞市斎場で営まれ、弔問客700人、ファン3000人が最後の別れを惜しんだ。俳優、岸谷五朗(41)が「本当にいい子でした。美奈子ちゃんのことをいっぱい自慢します」と涙ながらに弔辞を読み、参列者の涙を誘った。」

 「■弔辞  美奈子ちゃんのくれた手紙は、結局宝物となってしまいました。筆不精の僕は電話やメールばっかりだったので、実はこれが初めての手紙です。

美奈子ちゃんには、たくさんのびっくりをもらいました。初めて食事をした時、みんなビールなのに、美奈子ちゃんだけはにっこり笑って冷酒で乾杯しました。びっくりしました。稽古中にマット運動をして鞭打ちになり、コルセットで稽古場にいたことに、びっくりしました。苦しい稽古の中、美奈子ちゃんの笑顔は稽古場の空気を変えてくれました。稽古場の天使でした。びっくりしました。本番での強靭な精神力、その存在感にびっくりしました。

あなたは、いつも真面目でした。あなたは、いつも一生懸命でした。あなたは、いつも謙虚でした。あなたは、いつも仲間のことを考えていました。あなたは、いつも人に優しかった。美奈子ちゃんには言わなかったけど、仲間たちはいつも言ってました。美奈子ちゃんは本当にいい子でした。いい子でした。こんなにいい子には、もう二度と会えないでしょう。たくさんの優しさをありがとう。そして病気との闘い、偉かったです。

美奈子ちゃんは、ずっと頑張っていたのに、『頑張れ、頑張れ』と言って、ごめんね。頑張りぬきました。これからも美奈子ちゃんのことをいっぱい自慢します。自慢させてください。美奈子ちゃんにとって、本当に貴重な時間を一緒に居られて、幸せに思います。

美奈子ちゃんと約束した同じ舞台に立つことはできなかったけど、僕たちは、また頑張って舞台作りをしていきます。これからは、いつも美奈子ちゃんが見ているのでサボれません。いつまでも僕たちを見守ってください。本当の天使になった美奈子ちゃんへ。

岸谷五朗」 ーーサンスポよりーー

 通夜の模様は各TV局が中継し、告別式の模様はTBSが中継したようだ。TVを観ていないので判らないが、南野陽子などが号泣していたようだ。ワイドショーを一杯観たかったなぁ。電車の中で新聞を読んでいると涙が出てきて読みにくくて困る。目に涙が溜まってくると全然違う記事を読み出す。そうしないと涙がこぼれるからだ。本田美奈子関連の記事一覧は ここ


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