断腸亭日常日記 2004年

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年、2003年のスペイン滞在日記です。

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 2004年1月1日(木)

 この翼ある牡牛(シェリユバン)は
 極楽の賛美を物語る
 其処で 神様のおゆるしが出たら
 天使たちのかたわらで
 友よ 僕らはまた会おう    ーーアポリネール 『牡牛』 堀口大学 訳 よりーー

 年が明けた。昨日の夜は忙しかった。特に21時以降は、TVのチャンネルを変えるので大変だった。DVDは紅白歌合戦を、ビデオは、男祭り2003を録画予約して、TVは紅白とイノキボンバイエ2003とK-1プレミアム2003Dynamite!!とPRIDEスペシャル男祭りの4つのチャンネルと変えながら見続けた。思ったより面白かったのがイノキボンバイエだった。ヒョードルはやっぱり凄かった。藤田も凄い。永田は全然ダメだった。安田に至っては何と惨めな負け方だっただろう。娘の呆れたような顔が何とも悲しくなる。あいつはバカだ。自己破産は今までの自分の人生の結果だ。

 男祭りは、パンプラス近藤有己だけ。桜庭も吉田も完敗。ガッカリだった。K-1は、ボブ・サップが曙にKOで完勝。曙はカエルのように又を広げたまま頭からリングに倒れた。全く何も出来ずに終わった。この2人はプロレスでタッグを組んで一緒に戦ったら面白いと思う。人気が出ると思う。曙はK-1じゃ未だ何も出来ないだろう。

 それにしてもワクワクする夜だった。こんなに興奮したら年を越すのも忘れてしまう。年が明けて吉野家で牛丼を食べた。これも後1ヶ月しか食べられないのかと思うと寂しい。DVDに録画していた紅白を観る。森山直太朗の、『さくら』 は素晴らしかった。夏川りみとBEGINと一緒に歌った、『涙(なだ)そうそう』 の森山良子のハーモニーの付け方は素晴らしく良かった。あれは感動した。並じゃない。この声から直太朗が生まれたのは素直に判る。絶品だった。自分を殺して裏声で歌っていてもその凄さで1番目立っていた。

 松井が良かったと言った、綾戸智絵の、『テネシー・ワルツ』と、伊藤多喜雄の、『TAKIOのソーラン節』 も素晴らしかった。2人とも自分らしい歌を歌った。綾戸さん初出場おめでとう。良い歌を歌っていれば認めて貰えるのだ。松井は素晴らしいものを観る目をちゃんと持っている。1流の1流たるゆえんだ。氷川きよしの、『白雲の城』 は迫力があった。あの気迫は凄い。歌に気が入っている証拠だ。

 浜崎あゆみは観ない。大嫌いだからだ。気持ちが悪い。持田香織も苦手。どうもついていけない。一青窈の、『もらい泣き』 で左の頬に涙を付けていたのはやりすぎ。女が聴いて泣く歌だという。変な世の中だ。水森かおりは歌が上手い。藤あや子は不幸な女。倉木麻衣は相変わらず疲れる。あれなら中島美嘉の方がずっと良い。何にも知らないと言うのが素直に出ているから。島谷ひとみはどうしてあんなにニコニコしていられるわけ?あれじゃまるでマネキンだ。アッ元モデルか。平井堅はどうでも良いけど、坂本九の映像と歌が流れたのは感動した。aikoはいつも難しい歌を歌う。これも歌が上手いからだろう。変な女は基本的には嫌いじゃない。

 ラストを飾ったSMAPの、『世界に一つだけの花』 は良かった。麻薬で逮捕されて再起をした槇原敬之の曲。こういう曲が書けるのは才能がある証拠。社台の創始者、吉田善哉が言った言葉を想い出す。「才能を金に換えないヤツはバカだ」反省して良い曲を書いているのは良いことだ。


 1月2日(金)

 ♪ポケットをたたけば ビスケットが一つ ポケットたたけば ビスケットが二つ ・・・ ♪

 子供には夢のある歌だ。ドラえもんのポケットのように欲しい物が何でも手に入るなら人生は簡単だ。例えば10分後の未来が判るなら僕は競馬で大金持ちになれる。そんなことは出来るわけがないから馬柱とにらめっこをして検討を重ねレースをシュミレーションして競馬場に出かけるのだ。パドックで良い馬が見つかるときもあれば、本命に考えていた馬が良く見えないときもあるのだ。この微量なずれが馬券を買うときに決定的な違いになって現れるのだ。だから何年経っても馬券が上手くならない。努力などというものが、必ず結果に現れると言うことなどないということを悟るのだ。

 そして簡単ではないことが人をしっかりさせていくのだ。こういう手順を何度も繰り返すことが人が生きることなのだ。何でも完璧なものはない。人は遊びから人生を学んでいく。TVゲームからはおそらくそんなことを学べないだろう。人が学ぶことが出来るのは現実からだ。

 11月23日の結果。 メキシコ。ラファエル・グティエレス、罵声。ファンディ、場内1周、耳2枚と尻尾要求。ホセ・ルイス・アンヘリノ、耳1枚。

 30日の結果。 メキシコ。ホルヘ・グティエレス、罵声。カバジェーロ、耳1枚。ファビアン・バルバ、口笛。

 12月7日の結果。 メキシコ。オルテガ・カノ、耳1枚。ミゲル・エスピノサ・メンデス、口笛が2回。ソトルコ、耳1枚。

 14日の結果。 メキシコ。騎馬闘牛士、メンドーサ、耳2枚。闘牛士、ホセ・マリア・ルエバノ、ハビエル・コンデ、耳1枚。ヘロニモ・ラミレス、場内1周。

 21日の結果。 メキシコ。ソトルコ、耳1枚。ファンディ、耳なし。アレハンドロ・アマジャ、口笛。

 26日の結果。 カリ(コロンビア)。カリファ、耳なし。セバスティアン・カステージャ、ゲリータ・チィコ、耳2枚。

 27日の結果。 カリ(コロンビア)。カバジェーロ、耳なし。ディエゴ・ゴンサレス、耳1枚、耳2枚。セバスティアン・カステージャ、耳2枚、耳1枚。

 28日の結果。 カリ(コロンビア)。ビクトル・プエルト、耳1枚が2回。パコ・ペルラサ、耳なし。セバスティアン・カステージャ、耳2枚、耳1枚。

 29日の結果。 カリ(コロンビア)。フェスティバル闘牛。カバジェーロ、耳なし。ディエゴ・ゴンサレス、耳2枚。ビクトル・プエルト、カリファ、セバスティアン・カステージャ、ラミロ・カデナ、耳なし。

 30日の結果。 カリ(コロンビア)。闘牛士、ビクトル・プエルト、口笛。エル・ヒノ、罵声。セラフィン・マリン、耳1枚。騎馬闘牛士、アンディー・カルタヘナ、耳なし。

 31日の結果。 カリ(コロンビア)。ビクトル・プエルト、耳要求で場内1周。カリファ、耳なし。パコ・ペルラサ、場内1周。セバスティアン・カステージャ、耳1枚。ゲリータ・チィコ、耳なし。セラフィン・マリン、耳2枚。


 1月4日(日)

 近くのレコード屋へ行って森山直太朗のCDを買おうとしたら、売り切れですと言われた。

 3日に始まったマドリード、ビスタレグレ闘牛場での闘牛学校生徒による、未来のマドリードの闘牛士を探す闘牛で、フリアン・シモン、ダニエル・ルエダスが耳1枚と取り、ヌノ・ミゲル・ビセンテが場内1周だった。

 1日の結果。 カリ(コロンビア)。騎馬闘牛士、フェルナンド・ロペス、口笛。闘牛士、パコ・ペルラサ、耳1枚。ラミロ・カデナ、耳なし。

 2日の結果。 カリ(コロンビア)。セサル・リンコン、耳1枚。カバジェーロ、耳なし。


 1月5日(月)

 鉛筆転がして1000万円を手に入れた新庄を観て笑ってしまった。新庄ってトコトンこういうキャラクターなのだろうか。野球を辞めてもタレントで食って行けるだろう。正月の驚きはこれが1番かも知れない。イランで地震があり、4万人とも5万人とも言われる死者が出ている模様。悲惨なことだ。救援に各国から駆け付けたが殆ど為す術がなかったようだ。

 JRAのWINSに行ってカレンダーを貰おうと思ったら配っていないなかった。聞いたらカレンダーは去年の内に配り終わったと言うことだった。記憶にないなぁ。去年は金杯の時に配ったと記憶していたがそれも間違いだったのだろうか。森山直太朗のCDを買ってきた。CDより紅白の、『さくら』 の方がずっと良い。それだけ歌が上手くなっていると言うことなのだろう。

 4日のマドリード、ビスタレグレ闘牛場での闘牛学校生徒による、未来のマドリードの闘牛士を探す闘牛で、ペドロ・カレロが耳2枚。ホナタン・ナビダ、耳1枚。ファン・オルティス、と、ディエゴ・ベガが場内1周だった。

 3日の結果。 カルタヘナ・デ・インディアス(コロンビア)。ビクトル・プエルト、耳1枚、耳2枚。ルビオ・デ・サン・ディエゴ、耳1枚が2回。セバスティアン・カステージャ、耳2枚、コヒーダされ怪我を負う。また、助けに入った元闘牛士で、彼のアポデラードのホセ・アントニオ・カンプサーノが左太股に角を受け重傷を負った。

 4日の結果。 カルタヘナ・デ・インディアス(コロンビア)。セサル・リンコン、耳1枚。カバジェーロ、耳2枚、耳1枚。マヌエル・リバルド、耳1枚。


 1月6日(火)

 未だに紅白で歌った森山直太朗の、『さくら』 を何度もDVDで聴いている。これは凄い!HPの掲示板に、さくらママと言う人の書き込みには、ファンの熱い思いが伝わってくる。良い歌はこのように熱狂的な、信者のようなファンの支持を獲得するものなのだ。

 4日メキシコのユリリアでソトルコがモデロ・デ・モンテクリスト牧場のNO144、472キロの牛をインドゥルトした。名前は記入されていない。

 5日のマドリード、ビスタレグレ闘牛場での闘牛学校生徒による、未来のマドリードの闘牛士を探す闘牛で、アレハンドロ・ブイトゥラゴ、と、フェリック・エステベス、と、ビクトル・ゴメス・ロペスが耳1枚。


 1月7日(水)

 餅もなくなった、伊達巻きも食ってしまった。七草粥も食べられているようで正月は終わり。相変わらず紅白での森山直太朗の、『さくら』 を何度もDVDで聴いている。

 闘牛の会用の原稿を書かなければいけないが未だ書いていない。

 6日のマドリード、ビスタレグレ闘牛場での闘牛学校生徒による、未来のマドリードの闘牛士を探す闘牛で、アナ・インファンテが耳2枚。ロマン・マルコスが耳1枚を切った。3日から6日までの結果ポイント制で準決勝(セミフィナル)に出場する6人の生徒が決まった。ペドロ・カレロ(耳2枚)、アナ・インファンテ(耳2枚)、アルバロ・フスト(耳なし)、4位、アレハンドロ・ブイトゥラゴ(耳1枚)、ディエゴ・ベガ(場内1周)、ファン・オルティス(場内1周)になった。耳1枚取った生徒の中で出場できない者が何人もいるがファエナなどの内容がポイントになったときに落ちたのだろうと思う。

 セミフィナル出場の6人の内、3人は去年闘牛学校で観ている。去年の6月21日の日記に書いてある。耳2枚切っているペドロ・カレロと、アナ・インファンテ(女性闘牛士)より、コロンビア人のファン・オルティスの方が良かったが、それでもかなり非道い内容でガッカリした事を覚えている。このメンバーを観るとそんなに良い生徒がいるようには思えない。勿論、あれから成長というものがあるだろうが・・・。


 1月8日(木)

 今日急に用事が出来たので時間がなくなった。今日こそ有馬記念のことを書こうと思っていたが、書けなくなった。明日かな・・・。

 マニサレスのフェリアが開幕した。

 6日の結果。 マニサレス(コロンビア)。セサル・リンコン、モランテ、耳なし。マヌエル・リバルド、耳1枚。

 7日の結果。 マニサレス(コロンビア)。カバジェーロ、ディエゴ・ゴンサレス、耳なし。バンデリジェーロのエイネル・ゴメスがコヒーダされ重傷。ウセダ・レアル、耳1枚。


 1月9日(金)

 明日は闘牛の会。ビデオの編集は出来た。DVDになってからは編集が非常に楽になった。闘牛の会のコンテンツで予告したとおりテーマは“つっぱり”。後は明日の会で流して話をするだけだ。明日は闘牛の会に日であると同時に、森山直太朗の、新曲 『太陽/声』 の発売日だ。新曲と言ってもコンサートで1番評判の良い曲でファンの要望でCDシングルになったようだ。明日は非常に楽しみ。

 8日の結果。 マニサレス(コロンビア)。セサル・カマチョ、場内1周。セバスティアン・バルガス、ビクトル・プエルト、耳2枚。雨のため3頭で中止になった。


 1月11日(日)

 昨日は闘牛の会があった。今日は時間がないので後日記入する。

 10日マドリード、ビスタレグレ闘牛場での闘牛学校生徒による、未来のマドリードの闘牛士を探す闘牛で、ペドロ・カレロがまた耳2枚と切った。これは本当に実力をつけているというこのなのだろう。ディエゴ・ベガが耳1枚。

 9日の結果。 マニサレス(コロンビア)。パキート・ペルラサ、耳なし。セバスティアン・カステージャ、耳2枚、耳1枚。マティアス・テヘラ、耳2枚。


 1月12日(月)

 土曜日に闘牛の会。始まる30分前に百済君とシーラさんがパソコンの準備。20分くらい前から、「夕暮れの代弁者」森山直太朗の、『さくら』のイメージフィルム(CD『いくつもの川を越えて生まれた言葉たち』についているDVD)を流していたらshouheiーmamaが、「アッ、この先生が凄いんです」と、合唱をしている宮城第三女子高等学校音楽部の桑折先生と生徒たちの話をしていただいた。合唱部門で2年連続全国優勝したのが宮城の“三女”と言うことを初めて知り、何故その合唱部との録音をシングルCD 『さくら』に入れているのかが、ようやく理解できた。

 “三女”の卒業式の時、生徒たちの合唱を聴くと本当に来て良かったと思えるような綺麗な声で・・・、と、いう面白い話を聞いて判るような気がしました。しかし、何故、仙台なのかという質問にも、母親の森山良子の関係で・・・、という話を聞いて納得できた。16日からライブツアー「笑えない冗談」が始まる。その皮切りが仙台。このツアーで同じ都市で2回やるのは仙台だけ。3月22日にチケット取れたら観に行きたい。

 それから、2000年、セビージャのオルテガ・カノのファエナ。辛口で有名なエル・ムンドの新聞記者ハビエル・ビジャンが良いファエナだったと語ったファエナだ。去年で引退したオルテガ・カノに因んで流した。そして、オープニングはパソドブレじゃなくて紅白での森山直太朗の、『さくら』 を流した。今年はこれから始めますとわざわざ言った。

 そして、百済君とサポートのシーラさんのコンビで「スペインクイズ」を始めた。これが意外と面白かった。全員参加で盛り上がった。わざわざ商品(ういろーと、味噌煮込みうどん)まで用意してきて、パソコンをTVに接続して小型スピーカーまで持参。知らないこともあったが、忘れていたこともあった。エル・コルドベスの父親の綽名がエル・レンコだったのはそれ。

 それからアントニオがカナル・スールで放送したクーロ・ロメロ特集の中からインタビューを流して訳してくれた。何故闘牛士になったか?という質問には、尊敬してくれると言うのとお金が稼げる事をあげていた。闘牛とは、芸術?感情?勇気?という質問には、まず、感情である。それがなければ出来ないから。それから芸術。勇気。と言っていた。これは、あくまで闘牛を演じる闘牛士としての立場からの言葉だと思う。ファンの立場とは微妙に違う。牛をどう判断するか?という質問には、自分が動かせる牛かどうか、と言うことを観ると言っていた。牛を観て直ぐ判ることがあるのか?という質問には、いつも判ります、と言い、それでも間違うこともあると言っていた。これは当然だろうと思った。続きは来月にやる。

 ビデオのテーマは、「つっぱり」。闘牛士同士が直接男の意地の張り合いをするのはキーテ合戦。ホセリート対ホセ・トマス。ホセ・トマス対エウヘニオ・デ・モラ。マヌエル・カバジェーロ対ホセ・トマス。の3つのキーテ合戦。意地を張るためには、技術が必要なのだ。パセのやり方などを解説して判るようにしたつもりだけど、判ったのだろうか?その後は、去年のエル・フリのサン・イシドロでのウニコ・エスパーダの耳1枚のファエナを流した。何故観客が口笛を吹いて抗議しているのか、フリが判らないよという風なジェスチャーをした後のファエナの違いを質問したりして何処が違っていて耳に繋がったのかを説明した。剣は見事だった。泣き顔になっていた。観客に潰されそうになりながらの耳獲得。良くやった。

 フリの置かれている環境の変化を話した。何故アポデラードがロベルト・ドミンゲスに代わったのかなど説明して今年はフリを注目してみたいと話した。後で牧ちゃんが、話を聞いていて、本当に今年はフリを観たくなったと言ったので嬉しくなった。

 終わりは、森山直太朗の、『夏の終わり』 のDVD。取りあえず今日はここまで。

 22時のNHKのニュースに吉野家の安部社長が出演して牛肉の安全基準について話していた。非常の分かり易い話だった。今日も牛丼食べたよ安部さん。

 10日の結果。 マニサレス(コロンビア)。ペペ・マンリケ、場内1周。ビクトル・プエルト、耳1枚。アベジャン、耳なし。

 11日の結果。 マニサレス(コロンビア)。セサル・リンコン、耳なし。コヒーダ。カバジェーロ、耳なし。クリスティアン・レストレポ、耳1枚。


 1月13日(火)

 全国的に言えば今日明日は冬の嵐のなるらしい。昨日は成人式だったが年明け始めの馬券は1点買いで的中させた。これしかないという馬券だった。が、だからといって何万も買っていない。それほど信頼できるものではない。感覚的に1点買いの馬券だった。

 フリのアポデラード、ロベルト・ドミンゲスは、セビージャのフェリアで4月11日ドミンゴ・デ・レスレクシオンへの出場を望んでいるようだ。


 1月14日(水)

 もう有馬記念から半月が過ぎてしまった。未だ観戦記を書いていない。時間がないのだ。どうしてもタダ書くのではなく、書き込んでいきたいから時間がないと思うのかも知れない。

 闘牛の会が終わって足立さんと話したら、最近TVのない生活をしていると言っていた。僕もそういう生活をしないといけないのかも知れないと思った。

 12日ドゥイタマ(コロンビア)で行われた闘牛でマヌエル・カバジェーロが、4頭目のラス・ベンタス・デル・エスピリトゥ・サント(セサル・リンコン)牧場のNO6 “セミナリスタ”(482キロ)という牛をインドゥルトした。セサルとのマノ・ア・マノで、セサル・リンコン、耳1枚、耳2枚。カバジェーロ、耳1枚、シンボルとして耳2枚と尻尾1つ、耳1枚を切って2人ともプエルタ・グランデした。

 12月7日ブカラマンガ(コロンビア)でのアベジャンに続きまた、ラス・ベンタス・デル・エスピリトゥ・サント牧場の牛がインドゥルトされた。血統的にいってもマルケス・デ・ドメク牧場の牛をスペインから輸入して着けているから良い牛が出るのだろう。また、セサルがスペインに所有する、エル・トレオン牧場の血統は、ハンディージャ牧場の肌牛にファン・ペドロ・ドメク牧場を掛け合わせたもので、突進する牛が出てくる。こっちの方が血統的に言ってさらに上質だ。


 1月15日(木)

 競馬は競馬場で、闘牛は闘牛場で観るのが1番である。TV画面で観ると良く見えるというのは判るが、やっぱり現場にいて感じるられる事が重要だと思う。僕はこれからも現場主義を続けていきたい。

 闘牛の会が終わって、MEGUさんが貸していたホセ・トマスのビデオを観た感想を言っていた。このビデオ凄くて部屋で1人で観ていて、体ギリギリに牛が通っていくパセを観ながら怖いのと凄いパセで興奮して、芸術だ芸術だと叫んでいたと、言っていた。確かに現場に行けない人にはビデオを非常に有効だ。MEGUさんの様にちゃんとこうやって観て貰えればホセ・トマスも喜ぶだろう。ビデオは、99年の耳3枚取ったベネフィセンシアと、5月26日の剣刺しがダメでプエルタ・グランデが出来なかったが物凄いファエナとオーレの絶叫の連続だった物だ。


 1月16日(金)

 ようやくホセ・トマスの闘牛のビデオのダビングが全部終わった。後はインタビューとか特集とかが残っているがそれは後でやろう。これから編集の作業がある。これがまた時間がかかるのだ。


 1月17日(土)

 15日元ちとせが結婚した。夏には子供が産まれるそうだ。歌手は一時休養して家庭生活を大事にし子育てをするのだそうだ。いつ復帰するのかは決まっていないようだが、子供が3歳くらいになると戻ってくるのかも知れない。あー残念だ。休業する前にコンサートを観たかった。

 こっちは勝手に心配している。出産に対してだ。想い出すのはオペラ歌手の佐藤しのぶさん。彼女が出産の時に分娩室でいきんでいた。オペラのステージを終えると胸囲が8センチも増えるそうだ。それほど体を使って声を出している。だから、いきんでいる声の大きさは半端じゃなかったそうだ。自分では苦しいからそんな意識はなかったそうだが物凄い声を出していた。その声は分娩室の外まで聞こえ、廊下を通りかかった医者がその声を聞いて、獣のような声がするけどどうしたの?と、言ったそうだ。

 その話を佐藤しのぶさんが笑いながら話していた。元ちとせはまさか裏声でいきむわけはないと思うけど、分娩室の外まで聞こえるような声が出るような気がして・・・。まっ、老婆心だけど。


 1月18日(日)

 芥川賞、直木賞の発表があり、「芥川賞に金原ひとみさん(20)の「蛇にピアス」(「すばる」11月号)と、綿矢りささん(19)の「蹴りたい背中」(「文芸」秋号)が、直木賞には江國香織さん(39)の「号泣する準備はできていた」(新潮社)と、京極夏彦さん(41)の「後巷説百物語」(角川書店)がそれぞれ選ばれた。

 芥川賞の金原さんの作品は、ピアスや入れ墨などでの身体改造を通し、19歳のヒロインが自己の存在を確認し、自立していく過程が鮮烈に描かれる。綿矢さんの受賞作は、友人との距離感がつかめず、異性とのもどかしい関係などを描きながら、女子高生の微妙な心の揺れをみずみずしい感性でとらえた。選考委員の村上龍さんは、金原さんの作品について「今を生きる女の子の純愛がきちんと描かれている」と指摘。また、綿矢さんの作品については、「無理がなく文章が正確でうまい。ポジティブな薫りがした」と講評した。

 直木賞の江國さんは恋愛小説の旗手として絶大な人気。受賞作は、さまざまな女性たちの恋や生き方を繊細な文章でつづった短編集だ。京極さんは、古典や史料を駆使し、独特の世界を描く人気作家。明治初期の東京を舞台に、古今の謎めいた事柄の真相を探る連作小説集で受賞した。選考委員の平岩弓枝さんは、江國さんの受賞作について「感性と現代性が優れている」と評価。京極さんに関しては、「もともと個性的で実力のある作家。今回は新たな“京極ワールド”を築いた」と語った。」 ーー(時事通信)よりーー

 史上最年少、19歳と20歳で芥川賞を受賞した作品を今すぐ読みたいとは思わない。受賞が決まってネットや書店では注文が殺到して増刷が決定した。書店では軒並み売り切れ状態。これからも売れていくだろう。そうやって若い世代が本を読む習慣を身に付けていくとすれば良いことだ。マスコミが騒いでいる。受賞した作者はこれから大変だ。が、あまり興味を覚えない作品だ。一方、直木賞を受賞した2人は書店でよく見かける。特に、京極夏彦は風太朗のファンだったと思う。そのドラマツルギーには興味を覚える。読みたいと思っていた作家。江國香織のタイトルはどうも気に入らない。理解できないのだ。頭がおかしいのかと思ってしまう。同性に支持されているそうだが、そういうタイトルだよなと思う。でも、売れている作家が今頃直木賞を受賞なんておかしいよなぁ。

 17日阪神大震災から9年がたって各地で震災関連の訓練が行われた。その中で職場から自宅まで徒歩で帰宅するということをやっていた。口で言うのは簡単だけど電車で仮に1時間かかる人が徒歩で何時間もかけて帰るのは大変なこと。こういう現実感覚が重要なのかも知れない。

 想い出したが12月の闘牛の会パーティーで堀池さんに、「今年のビデオかけないの?」と言われた。その時、ホセ・トマスのビデオを流していた。「今年は誰が良かったの?」と言うから「セラフィン・マリンとか、フェルナンド・ロブレニョとかカリファかな」と言うと「そういうの観たかったのに。1年の終わりに今年のビデオを流さないと」、と。そういわれれば確かにと、思った。やっぱりサン・イシドロのビデオを持ってくるべきだったと反省した。その辺は今度からと思った。

 未だ途中だが16日アルメニア(コロンビア)でセサル・リンコンが耳2枚切った。


 1月19日(月)

 歯医者に行ってきた。前歯の差し歯がぐらついていたので見て貰った。医者の話だとまた金がかかる。帰りに本屋で、ローラ・ヒレンブランド著 『シービスケット』 を買ってきた。ページをめくると目次の前にこう書かれてあった。 「闘牛士でない限り、人生を徹底的に生きているやつなんて、いやしないよ」 ーーアーネスト・ヘミングウェイ 『日はまた昇る』 ーー

 俺のHPのトップには、開設当時からこの言葉を載せている。いつか本を出すときにこの言葉を載せるつもりでいた。だから、先にやられたなぁーという気持ちと、同じ事を考えていた彼女に良くやったという気持ちが交差した。ローラ・ヒレンブランドは、88年から競馬ジャーナリストとして活躍。98年にシービスケットの記事で競馬界の名誉ある賞エスプリ賞を受賞しこの本を書くきっかけなった。

 はじめに には、「アメリカが苦しみぬいた大恐慌もようやく終幕を迎えようとしていた1938年、マスコミをもっともにぎわせたのは、ルーズベルト大統領でも、ヒットラーでも、ムッソリーニでも、なかった。ローマ教皇ピウス11世でもなければ、ルー・ゲーリックでもない。ハワード・ヒューズでも、クラーク・ゲーブルでもない。1938年新聞がもっとも大きく紙面を割いた対象は、人間ではなかった。
 それは、シービスケットという名の、脚の曲がった小柄な競走馬だった。

 大恐慌の後半、シービスケットはアメリカを代表する"アイドル"として、競馬界に限らず幅広い層から熱烈な支持を受けていた。どこかでこの馬が走るとなると、アメリカを横断する特別列車「シービスケット・リミテッド」でファンがどっと押し寄せ、その地の道路を車で埋めた。ホテルはことごとく満員になり、レストランの料理は食べつくされた。彼らはなけなしの金をシービスケットの絵柄をあしらった財布に入れ、五番街でシービスケットハットを買い、スロットマシンの隣でシービスケットの名を冠した競馬ゲーム機ーーすくなくとも9種類あったーーで遊んだ。週末にはこの馬が出走するレースの実況をラジオで聴くのが国民的行事となり、4千万ものリスナーがじっと耳をかたむけた。

 シービスケットは出走した競馬場のほとんどで動員記録を塗り替えた(アメリカ競馬史における最多観客動員記録ベストスリーのうち、ふたつはこの馬が出走したレースである)。アメリカの人口が現在の半分にも満たない時代に、スーパーボウルにも匹敵する7万8千人の観衆が、この馬の最後のレースをその目で見届けた。調教を見るために、4万人の群衆が競馬場に押し寄せ、吹雪や殺人的な熱波を押して、駅に入るこの馬専用のブルマン気動車を垣間見ようとする人も数千人におよんだ。シービスケットは巨大な看板をなってマンハッタンの上空をギャロップし、<タイム><ライフ><ニューズウィーク><ルック><ピック><ニューヨーカー>などの雑誌に、来る週も来る週も何年にわたってフィーチャーされた。シービスケットの調教師も騎手も馬主もそれぞれがヒーローとなり、一挙一動がフラッシュを浴びた。

 彼らはどこからともなく現れた。
 泥のように体色の鹿毛で、どうあってもまっすぐにならない前脚をもつ小ぶりな馬シービスケットは、真価が理解されず、誤ったあつかいを受けた結果、ほぼ2シーズンを各付けのもっとも低いレースで走る羽目に陥っていた。

 いつも悲しげな顔をした騎手のレッド・ポラードは、少年時代、モンタナの牧草地を切り開いて開催されていた競馬場に一文無しで放り出された。それからは低ランクジョッキーとして田舎町を転々とし、金が底をつくと懸賞金目当てのボクサーとして血にまみれ、馬房の床で眠る生活を送っていた。
 調教師のトム・スミスーーほとんど言葉を発しない謎めいた野生馬馴らし(ムスタング・ブレイカー)は、時代の流れとともに、当時消えゆきつつあったフロンティアからの転身を余儀なくされた男で、馬にまつわる古の叡智の数々を身に着けていた。

 馬主のチャールズ・ハワードは肩幅の広いにこやかな男で、米西戦争のとき騎兵隊にいた。自転車の修理店経営から身を起こし、わずか21セントの元手で巨大な自動車販売会社を成功させ、一大帝国を築きあげた人物だった。
 1936年のうだるように暑い8月の土曜日、一見まるで共通点のないポラード、スミス、ハワードの3人はデトロイトで手を組んだ。シービスケットのなかに、そしておたがいのなかに潜む才能を認め合った男たちは、シービスケットの調教を開始し、やがて馬とともに無名の存在から脱することになる。  ーー(中略)ーー

 何かと話題をまいた三冠馬ウォーアドミラルとのマッチレースは、今日もなおアメリカ競馬史上最高のレースと目されている。また、世界一賞金の高額なレースに勝利するまでの、波瀾に満ちた4年の道のりも広く関心を集めた。そして1940年、この馬とジョッキーは、競馬人生に終止符を打つかと思われた負傷をへて復帰し、ひとつだけつかみそこねていた栄光に挑んだ。

 その間ずっと、この小さな馬とそのトラック生命をよみがえらせた男たちは、アメリカ人の心をとらえて放さなかった。人々を惹きつけたのは、単なる記録の偉大さではない。それは、馬と男たちの物語だった。
 その物語は、列車で西海岸に向かうひとりの若者とともに幕を開ける。 」こう書かれてある。

 さっ、読み始めよう。今週の土曜日24日から、映画が公開される。それまでに読んでおかないとな。あの生意気な武豊が、「感動して泣きました」って言った競馬の映画。アメリカでは400万部以上本が売れたそうだ。ディランの、『ビュイック6型』 でも聴きながら始めよう。

 18日マドリード、ビスタレグレ闘牛場での闘牛学校生徒による、未来のマドリードの闘牛士を探す闘牛で、アルバロ・フストが耳1枚を切った。これにより25日の決勝(フィナル)には、ポイントで、1位、ペドロ・カレロ(68ポイント)、2位、アルバロ・フスト(62.25ポイント)、3位、ディエゴ・ベガ(47.5ポイント)となりこの3人の決勝進出が決まった。

 16日の結果。 アルメニア(コロンビア)。セサル・リンコン、耳2枚。カバジェーロ、耳1枚、耳2枚。

 17日の結果。 アルメニア(コロンビア)。セバスティアン・バルガス、耳1枚、耳2枚。パコ・ペルラサ、耳1枚。セバスティアン・カステージャ、耳2枚。

 18日の結果。 メキシコ。ホルヘ・グティエレス、耳なし。ソトルコ、耳1枚。アレハンドロ・アマジャ、耳なし。 ボゴタ(コロンビア)。ディエゴ・ゴンサレス、耳なし。セラフィン・マリン、場内1周。騎馬闘牛士、アンディー・カルタヘナ、耳2枚、耳1枚。 フチィピラ(メキシコ)。オスカル・サンロマン、耳1枚、場内1周。アルフレド・グティエレス、耳1枚。マリ・パス・ベガ、耳2枚。


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