断腸亭日常日記 2003年 その10

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年、2003年のスペイン滞在日記です。

99年1月13日〜2月16日 2月19日〜4月14日 4月15日〜5月11日 5月12日〜6月4日
6月7日〜6月10日 6月13日〜7月9日 7月11日〜8月8日 8月9日〜9月9日
9月12日〜10月7日 10月10日〜11月10日 11月14日〜11月28日 12月12日〜12月31日
2000年1月1日〜15日 1月16日〜1月31日 2月1日〜2月28日 3月2日〜3月29日
4月2日〜4月19日 4月20日〜4月29日 5月1日〜5月14日 5月15日〜5月31日
6月1日〜6月15日 6月16日〜6月29日 6月30日〜7月15日 7月17日〜7月31日
8月1日〜8月15日 8月16日〜8月31日 9月1日〜9月15日 9月16日〜9月30日
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2001年1月1日〜1月13日 1月14日〜1月31日 2月3日〜2月12日 2月13日〜2月26日
2月27日〜3月10日 3月11日〜3月31日 4月1日〜4月18日 4月19日〜5月3日
5月4日〜5月17日 5月18日〜5月31日 6月1日〜6月11日 6月12日〜6月22日
6月23日〜6月30日 7月1日〜7月15日 7月17日〜7月31日 8月4日〜8月15日
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12月16日〜12月31日 2002年1月1日〜1月15日 1月16日〜1月31日 2月1日〜2月16日
2月18日〜2月28日 3月1日〜3月15日 3月16日〜3月31日 4月1日〜4月15日
4月16日から4月30日 5月1日〜5月15日 5月16〜5月31日 6月1日〜6月13日
6月15日〜6月30日 7月1日〜7月15日 7月16日〜7月31日 8月1日〜8月15日
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4月16日〜5月24日 5月25日〜6月10日 6月12日〜6月26日 6月27日〜7月13日
7月14日〜8月9日 8月10日〜8月24日

 8月25日(月)

 歯医者へ行く。左の治療は今日終わり、右の治療が始まった。麻酔注射をする前に、歯茎に注射の痛みを緩和する麻酔液を塗ってから注射。今までと違い注射の針が歯茎に刺さっているのになかなか終わらない。刺してから2分くらいそのままだった。デジタル音が何度か鳴ってようやく終わる。多分注射器が麻酔液の量を調整している音なのだろう。便利になったものだ。ちゃんと麻酔が効いているのか不安だったが、立派に効いていた。型が出来るのが、4日。それまでに詰めたものが取れると痛い思いをしなければならない。

 体重がスペインに行く前、最大の時に比べて6キロ減った。食べて減っているのは良いことだ。今日は暑かったが適当に風が吹いていたのでそれほどでもなかった。冷夏の今年は、これでも凄く暑く感じる人もいるんだろうなぁ。暑い年ならこんな状態で熱帯夜が20日くらい続くのだ。今年は過ごしやすい。スペインをはじめヨーロッパは猛暑のようで地球はちょっとご機嫌斜めだ。

 オランダに渡った藤田が大活躍をしている。監督からの信頼を得て2試合とも先発して結果を出している。32歳での海外移籍は無理だろうと思っていたから、これだけチームで機能しているのを観ると嬉しくなる。また、中田はパルマに残留を決めた。

 今、闘牛の会の会報を作っている。9月の定例会に間に合うかどうは、足立さんにかかっている。それとも堀池さんか。

 闘牛士の怪我が多くなってきた。骨折やコルナーダなど、有名、無名の闘牛士、ノビジェーロ、バンデリジェーロなど。今年は特に暑いし、疲労も出るだろうし8月9月は闘牛の回数も1番多い時期になるし闘牛士のは、お金にもなる時期だが、怪我も出やすい時期だ。そして、この時期怪我をすると、テンポラーダが終わる場合もあるのだ。

 24日の結果。 マドリード。アンヘル・デ・ラ・ロサ、ラファエリジョ、クーロ・マルティネス、耳なし。 バルセロナ。イバン・ビセンテ、セルヒオ・マルティネス、耳なし。セラフィン・マリン、耳なし。コヒーダ。左耳軽傷。 ビルバオ。フランシスコ・マルコ、耳なし。エル・シド、耳なし。コヒーダ。左肘を骨折。 マラガ。ダマソ・ゴンサレス、口笛、罵声。オルドニェス、フリ、耳なし。 エル・プエルト・デ・サンタ・マリア。ポンセ、耳なし。カバジェーロ、セサル・ヒメネス、耳1枚。 アルマグロ。マティアス・テヘラに代わり、エウヘニオ、ヘスス・ミジャン、耳なし。レアンドロ・マルコス、耳1枚ともう1枚要求。 シエサ。エスプラ、ペピン・リリア、耳1枚が2回。フェレーラ、耳2枚、耳1枚。

 タラソナ・デ・ラ・マンチャ。ヘスリン、耳1枚、耳2枚。フィニート、耳1枚ともう1枚要求。モランテ、耳1枚が2回。 サビオテ。パディージャ、耳1枚が2回。ヒル・ベルモンテ、耳2枚。アレハンドロ・アマジャ、耳1枚。 モンテエルモソ。コルドベス、耳1枚、耳2枚と尻尾1つ。バレラ、耳1枚、耳2枚。エンカボ、耳2枚と尻尾1つ、耳1枚。 サン・バルトロメ・デ・ピナレス。マリアノ・ヒメネス、耳なし。ロドルフォ・ヌニョス、耳1枚、耳2枚。サンチェス・バラ、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。


 8月26日(火)

 床屋に行ったらラジオがかかっていた。そこで、新横浜ラーメン博物館のことをやっていた。ここはラーメンだけではなく昭和30年代の町を再現して駄菓子屋などの店があるのだそうだ。僕が子供の頃、世界は、小学校が1番遠いところで、家の100m先の駄菓子屋と、その前にある空き地、とんぼなどを取りに行った駄菓子屋の向こうにある田圃と小川。反対側の家の先にある電話ボックスの向かいの酒屋横にある神社ではよく野球や缶蹴りをやった。近所の子が神社で遊んでいて落ちてきた木の枝で死んだのは神社の裏の畑の前だった。堤防の向こうには北上川と雫石川、中津川が合流する所に鉄橋が架かっていて、そこから雫石川を上流に行ったところがざっこ釣りをしたり、カブトムシを捕りに行った所だ。

 子供の頃の世界はそんな風にとても狭かった。でも、とても楽しかった。例えば、12チャンネルの、『何でも鑑定団』 に出てくるようなゴジラやウルトラマン、その他の当時の玩具などを懐かしいとは思うけど何万、何十万も出して買おうとは全然思わない。そういう風に後ろ向きにはなりたくない。新横浜にあるラーメン博物館。ちょっと覗いて観たい気もするが、それも滝田ゆうのマンガを読んでからにしたい。

 25日の結果。 アルメリア。カリファ、耳1枚。フリ、耳1枚と弱いもう1枚要求。セサル・ヒメネス、耳1枚ともう1枚要求、耳2枚。 クエンカ。ヘスリン、耳1枚。オルドニェス、罵声。サルバドール・ベガ、耳なし。 アルマグロ。ホセリート、罵声。ポンセ、耳2枚。フィニート、耳1枚。 ケサダ。イガレス、耳1枚、耳2枚と尻尾1つ。コルドベス、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。ビクトル・ハネイロ、耳2枚が2回。 ラ・グランハ。フンディ、エミリオ・デ・フルトス、耳1枚。リカルド・トレス、耳なし。


 8月27日(水)

 7月の闘牛の会、定例会報告は、今年のサン・イシドロ祭の報告をやった。6つのファエナをビデオで流した。

 1つ目は、5月13日のセラフィン・マリン。出てきたパロモ・リナレスの牛は頭が高かった。でも驚いたのはカポーテを振ってパセしようとしたら誘った体の右側じゃなく、左側を牛が通っていったことだった。闘牛場に悲鳴が起こった。牛は右角がブスカンドする。それもブスカンドなどと言う生易しいものじゃない。誘った体の右じゃなく左側を通っていくのだから・・・。悲鳴が上がって当然。カポーテが振れない。替わって彼のバンデリジェーロのセサル・ペレスがカポーテで牛を扱う。上手い。馬の前に持って行ってピカが少し左側の肩骨側に入った。セサル・ペレスのカポーテ捌きに闘牛場から拍手が起こった。これがこのカポーテ捌きを見せていなかったらどうなっていたことか・・・。カポーテを振るが、右角が体の前を通るときに体目掛けて向かってくる非常に危険な牛だった。

 ファエナはどうなるかと思った。病院行きになるか、牛に殺されるか、それとも、とっとと牛を殺すか。右手に持ったムレタで牛を左右にあしらってアレナの内側に持って行った。クルサードしてパセを繋ごうとしたら2回目のパセでブスカンド。闘牛場が戦慄した。それでもまた、右手にムレタを持ってクルサードしていく。牛が体をずっと見ている。逃げない。拍手が沸く。そして長いパセが繋がると、「オーレ」が合唱がなった。パセ・デ・ペチョも危ない。離れてからまた、右手。クルサード。逃げない。拍手が沸く。パセを繋いだらまたブスカンド。悲鳴とざわめき恐怖で観客が戦慄している。手に汗握ってセラフィンの闘牛を見守っている。

 ナトゥラルでもクルサードを怠らない。これをしないとパセは繋がらない。しかし、こんな牛に対してここまでするヤツは彼以外いないだろう。パセを繋ぐがこっち側もブスカンドする。本来ならもうやりようがない牛なのだ。セラフィンはムレタを右手に持ち替えてまたクルサードする。拍手が起こる。良いパセ、そんなにやってないよ。でも、命懸けで戦慄の牛に立ち向かって勝負する姿に観客は胸を打たれているのだ。ムレタを体の後ろの方まで持って行って牛の動きを確認してパセを繋ぐ。「オーレ」闘牛場の観客はセラフィンの姿に感動して、恐怖心を、興奮に変えてこの息詰まる緊張が凝縮した時間に身を任せているのだ。それにしても尋常じゃない勇気だ!

 牛に力がなくなってきてメディア・パセになってきた。それでもクルサードしてムレタを体の後ろの方までやって牛の動きを確認してパセを繋ごうとしている。単なる勇気だけがあるバリエンテ系の闘牛ではない。ちゃんとした技術に裏打ちされた半端じゃない尋常じゃない勇気と命懸けの気迫が観客席にいる人たちにも伝わっているのだ。パセが繋がると、「オーレ」がなりパセ・デ・ペチョの後、喝采が鳴った。そして剣刺し。スエルテ・コントラリアで置いて1発で決めた。剣が刺さったのを確認したら白いハンカチを振る人たちがいた。これは通常耳2枚が出るときだけだが、気の早い観客はもうそんなことをしていた。牛は倒れ耳1枚。良くやった!偉い!感動で涙が出た。

 闘牛場にいる観客の誰もが息を呑み、手に汗握って、恐怖と戦慄で緊張が凝縮した時間から解放された。嬉しかった。こういう闘牛をやる闘牛士を観れて。いやー、無名の闘牛士が価値あるファエナで耳を取った。ラス・ベンタス闘牛場の耳だ!サン・イシドロの耳だ!いたんだなぁこういう闘牛士が。今日は良いものを見せれ貰ってありがとう、ございました。

 3つ目は、5月14日のフェルナンド・ロブレニョ。一生懸命ひたむきに闘牛をやっている。だから、好感を持たれる。勇気もある。そして技術もある。これが大事だ。5頭目はあまり良い牛ではなかったが、丁寧にクルサードを繰り返しパセを繋いだ。遠くから牛を誘ったり、正面を向いて誘ったり良いパセを繋いだ。トゥリンチェラが綺麗だった。「オーレ」がより大きくなった。パセの後、逃げたりしてやりにくい牛だったが、血管が切れそうなくらいのハイ・テンションでクルサードを続け「オーレ」を叫ばせ続けた。

 このひたむきさが胸を打つ。パセ・デ・ペチョやトゥリンチェラで一連のパセを終わって見栄を切ると喝采が鳴った。手の低い長いパセ。後半は牛がパセの後、逃げるようになった。剣を代えスエルテ・コントラリアで良いところに決まった。牛が倒れ観客は白いハンカチを振り続けた。プレシデンテは耳1枚を許可した。笑顔で場内1周をするフェルナンド・ロブレニョ。初々しさが未だ残る。身長が160cmに満たないような小さな闘牛士だが、大きな牛に対しても怯むことがない。こういう闘牛を続けていればもっと良い闘牛士になっていくだろう。

 続きは後日にする。

「1970年に亡くなったジミ・ヘンドリックスが堂々の第1位−。29日発売の米ローリング・ストーン誌最新号は偉大なギタリストのトップ100を発表した。2位はオールマン・ブラザーズ・バンドのデュアン・オールマンで、3位はB・B・キングだった。
 ロック界の3大ギタリストといわれたエリック・クラプトンは4位に食い込み、ライバルのジミー・ペイジとジェフ・ベックはそれぞれ9位と14位にランクされた。クイーンのブライアン・メイは39位で、ディープ・パープルのリッチー・ブラックモアは55位だった。同誌の編集者らが読者の人気などを基準に選んだ。」(共同)

 26日の結果。 アルメリア。ホセリート、フィニート、耳なし。ハビエル・コンデ、耳1枚。 サン・セバスティアン・デ・ロス・レジェス。ヘスリン、オルドニェス、マンサナレス、耳1枚。 クエンカ。ダマソ・ゴンサレス、耳なし。ポンセ、耳1枚。ホセ・マヌエル・プリエト、耳1枚が2回。 シエサ。ラファエリジョ、セルヒオ・マルティネス、耳1枚、場内1周。セラフィン・マリン、耳2枚。 アニョベル・デ・タホ。パディージャ、耳1枚。ミウラ、コヒーダ。左太股角傷を受ける。フェルナンド・ロブレニョ、耳2枚と尻尾1つ、耳2枚。 カサシマロ。ラファエル・カミノ、耳2枚。クキ・デ・ウトゥレラ、耳なし。カナレス・リベラ、耳2枚と尻尾1つ。


 8月28日(木)

 7月の闘牛の会、定例会報告の続き。昨日2つはフェルナンド・ロブレニョと書いたがそれは間違いで3つ目だったので訂正した。

 2つ目は、5月26日のウセダ・レアル。今日1番問題になったのは5頭目のエル・ベントリジョ牧場の牛。ピカの時に遠くから呼んで来る牛。観客は喜んだ。ベンタスの観客はこういう牛が好きだ。そしてこういう牛はビクトリーノ・マルティン牧場の様な牛が多い。

 ファエナは、右手の膝を折ったパセから始めた。牛の動きが素早い。パセをした後の返りが早い。始めから「オーレ」がなった。ナトゥラルでも同じ。牛はムレタを出せば向かってくる。クルクル回ってパセをリガールできる。デレチャソでもナトゥラルでも。パセをすると返りが早いから足の直ぐそばに角がある。それをアグアンタールしてパセをリガールする。こう書いても判らないかな?それを我慢して動かずにパセを繋いでいく。緊張感と牛の素早い動きに観客は興奮して、「オーレ」を叫び続けた。何度も危ない場面があったがそれをちゃんと交わして良いファエナを続けた。下手な闘牛士ならこういう風にパセを見事に繋げられないだろう。

 パセ・デ・ペチョの後の返りも早くすんでの所で角に刺されずにすんだ。これもまた重要な技術だ。牛が止まると見栄を切り喝采を浴びた。剣を代え、スエルテ・ナトゥラルでちょっとカイーダ気味の剣が入った。当然耳1枚だと思った。牛がなかなか倒れずデスカベジョ1回。ウセダ・レアルは文句なしに耳だと思っただろう。所が白いハンカチが殆ど振られなかった。ちょっと、ビックリ。これじゃ闘牛士が可哀想だ。あれだけ命を懸けて闘牛をし技術も見せていたのに・・・。

 しかし、それには理由がある。ラス・ベンタス闘牛場のオピニオン・リーダーはテンディド7だ。その連中がファエナの最中から口笛を吹いていた。今日のウセダ・レアルで問題だったのは2つ。1つは、この牛は距離を取って遠くから呼んで来る牛だった。この距離を見誤ったこと。もう1つは、牛が来る場所に立っていたこと。つまり、牛を誘ってパセを引く出すのではなく、牛が来るからパセをしていた。だから、牛を闘牛士がコントロールしていないと言うことが不満なのだ。

 おそらく、ウセダ・レアルはこの事が判らないだろう。何で俺は耳を切れなかったんだろう?と、思っていることだろう。耳が出ずにカジェホンの中で喝采を浴び、アレナに出る元気もないくらいだった。失望しただろう。ガックリ肩を落としてみんなに慰められていたそうだ。あれは闘牛士を潰しかねない。絶望的になるだろう。この前の耳の時のファエナより今日の方がずっと良かったじゃない。そう思っているだろう。実はその通りなのだ。ここラス・ベンタスの観客は完璧を求める。柔な闘牛士なんか直ぐに潰される。世界で最も気難しい観客がいるのだから。

 27日の結果。 アルメリア。ポンセ、耳1枚、耳2枚。フリ、耳2枚、耳2枚と尻尾要求。アントニオ・バレラ、耳1枚ともう1枚要求。 サン・セバスティアン・デ・ロス・レジェス。カバジェーロ、フェレーラ、耳1枚が2回。ファン・ディエゴ、耳2枚、耳要求で場内1周。 アルカラ・デ・エナレス。ヘスス・ロメロ、フェヒノ・オルテス、耳1枚が2回。 クエンカ。エウヘニオ、耳1枚が2回。アベジャン、マンサナレス、耳なし。


 8月29日(金)

  7月の闘牛の会、定例会報告の続き。4つ目は、6月3日のエル・カリファ。

 エル・カリファは、闘牛開始前に観客から拍手を貰い、父親の死に何とかしなきゃとやる気になっていたのだろう。しかし、牛が悪かった。3頭目。膝ばかり着いていて牛交換。ソブレロはホセ・バスケス牧場の牛。牛が出てきてアレナ中央で止まる。バンデリジェーロがカポーテ振って誘うと逃げ出すマンソの牛。カリファが出ていってカポーテを振っても同じ。何度も何度も逃げ回る。ようやくカポーテに向かってきた。ベロニカを繋ぐと、「オーレ」が鳴った。メディア・ベロニカも綺麗だった。ピカが入り牛の動きが少し良くなった。でも、バンデリージャの時にカポーテを振っているのを観たら、左角がブスカンドする牛だった。プレシデンテに挨拶をしてアレナ中央へ歩いていきモンテラを天に向けてブリンディースした。天国にいる父親に牛を捧げた。込み上げてくるものがある。

 6頭目が始まる前にエンフェルメリアの門からカリファが登場すると拍手が起こった。牛が登場し走っている歩様を観ると前脚がおかしい。ピカは反対側の方に牛が行き左前に入った。牛が離れると膝を着いた。また、悪い牛。2度目のピカはいつも刺すテンディド8で刺し左後ろに入った。ファエナは、アレナ中央で右手に持ってムレタで牛を誘い背中を通すパセから始めた。逃げるように離れていった牛を遠くから誘い牛を呼んでパセを繋いだ。観客はカリファの味方だった。右角がブスカンドする。危ないが逃げ腰にならない。角は左足の直ぐ近くを通っている。角は左足の近くになると急に足に向かって角度を変えていたが、カリファはビビっていない。天国のお父さんも後押ししている。命を懸けてパセを繋ぐ。「オーレ」が鳴る。

 ナトゥラルと繋ぐ。「オーレ」が続く。両足を揃えて立ってパセをする。喝采が鳴る。もうモソ・デ・エスパーダが剣を代えようと声を掛けるがまた牛に向かっていった。パセの後牛が何度も逃げていった。やりにくい牛だった。逃げると追いかけてムレタを振り、逃げようとすると剣で尻を刺しこっちを向かせた。手の低いナトゥラルを繋ぐと「オーレ」が鳴る。もうパセを繋ぐと「オーレ」を叫んでいた。パセ・デ・ペチョの代わりに両足を揃えて立ってのパセ。「オーレ」が鳴り喝采が鳴る。カリファは興奮している。モソ・デ・エスパーダが声を掛けてもまた牛に向かっていった。デレチャソをブスカンドする牛を相手に繋いだ一連のパセを切るとバンデリジェーロが剣を持って代えに行った。剣を代え、ナトゥラルを繋ぎスエルテ・コントラリアで牛を置き剣を1発で決めた。もう闘牛場に白いハンカチが振られた。今度は観客が始めっから白いハンカチを振りだした。

 剣はカイーダだった。牛が倒れ、退場用の馬(ロバ)が3頭ひかれてきた。アレナ中央にその3頭が来たときにプレシデンテは白いハンカチを出した。早いなぁと思った。それでも観客はハンカチを振るって口笛を吹き続けた。牛のそばに3頭が来たとき、2回目の白いハンカチをプレシデンテが出した。耳2枚。プエルタ・グランデ。2000年の時は最後の牛でコヒーダされて耳2枚取ってもプエルタ・グランデは出来なかった。僕は直ぐに肩車を観ずにプエルタ・グランデに向かった。下山さんの話だとカリファは泣いていたそうだ。そして、2000年の時も泣いていたモソ・デ・エスパーダも抱き合って泣いていたそうだ。非常に価値のあるプエルタ・グランデだった。

 確かに6頭目で耳2枚?と言う疑問を当然出てくる。でも、3頭目の牛の時にプレシデンテが出し渋った反省で耳2枚出たのだろう。あの1番厳しい判定をするプレシデンテ、ファン・ラマルカ・ロペスが出したのだから・・・。

 28日トメジョソ(シウダ・レアル)でロドリゲス・デ・アルセ牧場の牛を、アントニオ・フェレーラがインドゥルトした。

 28日の結果。 アルメリア。ミックス闘牛。騎馬闘牛士、メンドーサ、耳1枚。ポンセ、耳1枚。フェルナンド・ロブレニョ、耳なし。 サン・セバスティアン・デ・ロス・レジェス。エンカボ、セラフィン・マリン、耳なし。セバスティアン・ペレイラ、耳1枚。 アルカラ・デ・エナレス。セサル・リンコン、耳1枚。マティアス・テヘラ、耳2枚が2回。マンサナレス、耳1枚。 リナレス。フリ、耳1枚が2回、耳2枚。 トメジョソ。コルドベス、耳1枚ともう1枚要求、耳1枚。怪我悪化のため30日のアルカラ・デ・エナレスは不出場。フェレーラ、耳2枚、シンボルとして耳2枚と尻尾1つ(牛、インドゥルト)。アベジャン、耳1枚、耳2枚。 タラゴナ・デ・アラゴン。ホセリート、耳なし。ヘスス・ミジャン、サルバドール・ベガ、耳1枚が2回。


 8月31日(日)

 30日スペインでは、リーガ・エスパニョーラが開幕。多分今年のリーグ戦初ゴールになったのがベッカムの開始2分のゴールだ。先制したレアルは追いつかれ、後半ロナウドが勝ち越しゴールを決めて2−1で勝った。

 7月の闘牛の会、定例会報告の続き。5つ目は、6月7日ビクトリーノ・マルティン牧場の牛を相手にしたフェルナンド・ロブレニョ。6頭目最後の牛は僕が好きな牛だった。カポーテの時から、「オーレ」がなる。非常に反応が良い牛。ビクトリーノの牛は芦毛の肌の牛が良いが、この牛は黒い毛だった。牛は観客に捧げられた。右手の膝を折ったパセからアレナ中央の方へパセをしながら移動してパセを繋ぐと「オーレ」がなった。

 中央で牛を誘う時のコロカシオンが良い。もうすでに角2本分クルサードしている。パセが繋がると「オーレ」がなる。パセ・デ・ペチョ。ムレタを出して誘うと牛が反応する。素晴らしい牛だ。見事だ。ナトゥラルも良い動きだ。手の引く長いパセを繋いだ。パセ・デ・ペチョの後牛の前で見栄を切るフェルナンドの表情が命懸けの闘牛を象徴している。牛はムレタに従順に従ってムレタをなぞってパセを続けた。剣を代え、正面を向いて右手のパセをする。牛は動くものにとことん反応する。「オーレ」がこだまする。後は剣だけだった。でも、それが決まらなかった。剣が決まっていたら耳2枚はまで行ったかどうか判らないが、確実に耳は切れていた。ピンチャソ5回で刺せずアビソが鳴り、デスカベジョ1回。牛は場内1周だと思った。観客は要求したがプレシデンテは青いハンカチを出さなかった。

 30日サン・セバスティアン・デ・ロス・レジェスで、ハビエル・コンデが、グランディシモ・ファエナをして耳2枚を切った。写真は ここ

 29日の結果。 アルメリア。ルイス・マヌエル、ウセダ・レアル、耳なし。フェレーラ、場内1周。 サン・セバスティアン・デ・ロス・レジェス。セサル・リンコン、耳1枚。ホセリート、耳1枚ともう1枚要求。モランテ、耳2枚。牛、場内1周。 リナレス。オルドニェス、耳要求で場内1周。マティアス・テヘラ、耳1枚ともう1枚要求。マンサナレス、耳1枚。 アルカラ・デ・エナレス。エンカボ、耳1枚、耳1枚ともう1枚要求。サンチェス・バラ、耳2枚。イバン・ガルシア、耳なし。 カラオラ。ヘスス・ミジャン、フェルナンド・ロブレニョ、セルヒオ・マルティネス、耳なし。 タラゴナ・デ・アラゴン。フィニート、耳1枚。ハビエル・コンデ、耳2枚、場内1周。レアンドロ・マルコス、耳1枚。 イニエスタ。ヘスリン、耳1枚、耳2枚。セサル・ヒメネス、耳1枚、耳1枚ともう1枚要求。ホセ・マヌエル・プリエト、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。 ロハ。パディージャ、モレノ、耳2枚。カナレス・リベラ、耳1枚が2回。

 30日の結果。 アルメリア。クーロ・ビバス、耳1枚。ホセ・オリベンシア、口笛。ヘスス・アルメリア、耳1枚、場内1周。エル・セサル、耳なし。 サン・セバスティアン・デ・ロス・レジェス。ハビエル・コンデ、耳2枚、耳1枚。フリ、耳1枚と強いもう1枚要求、耳2枚。セサル・ヒメネス、耳1枚が2回。 リナレス。ホセリート、口笛が2回。ポンセ、フィニート、耳1枚。 アルカラ・デ・エナレス。カバジェーロ、耳1枚が2回。アベジャン、耳1枚。ファン・ディエゴ、耳2枚、耳要求で場内1周。 コルメナール・ビエホ。ビクトル・プエルト、フェレーラ、ヘスス・ミジャン、耳1枚。 カラオラ。ヘスリン、耳なし。オルドニェス、口笛。ディエゴ・ウルディアレス、耳2枚。

 イニエスタ。セルヒオ・マルティネス、耳なし。セラフィン・マリン、耳1枚が2回。ホセ・マヌエル・プリエト、耳2枚、耳1枚。 サンルカール・デ・バラメダ。オルテガ・カノ、耳1枚、場内1周。コルドベス、耳2枚、耳1枚ともう1枚要求。エル・セサル、耳1枚が2回。 アレナス・デ・サン・ペドロ。ラファエル・カミノ、耳なし。パディージャ、耳2枚。カリファ、耳要求で場内1周、耳2枚。 ダガンソ。エル・ミジョナリオ、ラファエル・デ・フリア、耳1枚。イバン・ビセンテ、耳2枚と尻尾要求。 サセドン。エル・レンコ、耳なし。サンチェス・バラ、耳1枚、場内1周。アントン・コルテス、耳2枚。 レケナ。バレラ、耳2枚、耳1枚。モランテ、口笛。マンサナレス、耳2枚。


 9月1日(月)

 80年前に起きた関東大震災を記念して9月1日は防災の日。各地、各機関では防災訓練が実施された。

 7月の闘牛の会、定例会報告の続き。最後6つ目のビデオは5月20日メホール・ファエナになったセラフィン・マリン。

 牛が悪く交換。換わって出てきた牛も良い牛じゃなかった。カポーテではまともなベロニカが出来ない。バンデリージャも苦労していた。ムレタでは悪い牛だったのでなかなか「オーレ」がならなかった。それでも丁寧にクルサードを繰り返しパセを繋ぐ。右手のパセをすると牛の角は右足の直ぐ近くにある。それを全然慌てずに避けてまたパセを繋ぐ。ナトゥラルをすれば牛がスーと回っていくと思いきや、進行方向に向かって90度直角に回って腰の2,3cmの所を通過していく。360度ある観客席のある角度からは牛の角が闘牛士に刺さっていくように見える。パセの度に観客の恐怖と驚きの声が上がる。でも本人は平気でパセを繋いでいる。

 丁寧なクルサード続けて牛を動かしていたが、デレチャソで手に低い長いパセをリガールすると「オーレ」が続きパセ・デ・ペチョの後、喝采にかき消された。物凄い緊張感。牛に対する気が狂った様な底知れぬ勇気。これは絶賛に値する。良いときのセサル・リンコン。判りやすく言えば、ホセ・トマスのような尋常じゃない勇気と冷静さを持ち合わせている。クルサードだって角2本越して牛の前に立っている。こいつは本物だ。間違いなく本物だ。およそ信じられないファエナだ。クルサードしただけで拍手が沸くというのはホセ・トマス以外知らないが、同じ現象がこのラス・ベンタスで起こっている。

 剣を代えてファエナの締めはマノレティーナ。3頭目の牛の時もやってけどこれがまた凄い。牛の前1mの所に立ち、正面を向いてクルサードして体の後ろからムレタを出して牛を誘う。牛はムレタに向かって突進する。体の真横5cmもないところを角を振り上げながら通過する。観客は、「オーレ」と声を上げるよりも恐怖で声を出せない状態だった。丁寧に正面を向いてクルサードして体の後ろムレタを1度隠してから出して牛を誘う。また牛は体の真横5cmもないところを角を振り上げながら通過する。これは本当にホセ・トマスのようだった。信じられないファエナだった。目から涙が流れていた。写真を撮っているというのに・・・。命を懸けるというのはこう言うことなんだ!

 観客はもはやこの信じられない光景に驚き呆れてようやく、「オーレ」の声を出し続けた。後は剣刺しだけ。所が牛の置き方も悪かったが、牛が止まって剣を構えると牛は頭を上下に振った。だからとても刺しにくい状態だった。スエルテ・コントラリアでピンチャッソ。「あー」という溜息混じりの声が闘牛場を埋めた。それから喝采が鳴り、大丈夫また耳が出るよと言うような喝采だった。アビソが鳴った。スエルテ・ナトゥラルで置き直しても牛はまた頭を振っていた。バホナッソのメディア。スエルテ・コントラリアのピンチャッソ2回。スエルテ・ナトゥラルでカイーダだった。

 剣が決まっていれば耳2枚はちょっと難しかったかも知れないが確実に耳は出ていた。仮にピンチャッソが1回あっても耳は出ていただろう。

 仕事が忙しく3日まで帰って来れない。

 31日の結果。 マドリード。フラスクエロ、クーロ・ディアス、ギジェルモ・アルバン、耳なし。 バルセロナ。ミックス闘牛。騎馬闘牛士、ルイ・フェルナンデス、耳1枚。闘牛士、ラファエル・デ・フリア、耳なし。アントン・コルテス、耳1枚。 パレンシア。モランテ、耳1枚。フリ、耳1枚が2回。セサル・ヒメネス、耳1枚、耳2枚。 コルメナール・ビエホ。エンカボ、フェルナンド・ロブレニョ、耳なし。 メリダ。ヘスリン、耳2枚。オルドニェス、耳なし。フェレーラ、耳2枚が2回。 クエジャール。ルギジャーノ、口笛。ヘスス・ミジャン、耳1枚が2回。レアンドロ・マルコス、耳1枚。

 カラオラ。ホセリート、フィニート、耳なし。セラフィン・マリン、耳2枚、耳1枚。 エヘア・デ・ロス・カバジェーロス。カバジェーロ、耳なし。コルドベス、耳要求、耳1枚ともう1枚要求。マティアス・テヘラ、耳なし。 ジョディオ。イガレス、ラモス、イケル・ハビエル・ララ、耳1枚。 Vall d´Alba。カミノ、耳なし。プエルト、耳1枚、耳要求で場内2周。アルベルト・ラミレス、耳2枚。 ペアル・デル・バセロ。パディージャ、耳なし。ハビエル・コンデ、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。クーロ・マルティネス、耳1枚が2回。 Lloret de Mar(フランス)。マリオ・コエロ、耳2枚。レオポルド・カサソラ、耳要求、耳2枚。 オリベラ。フェスティバル闘牛。騎馬闘牛士、ルイス・バルデネブロ、耳1枚。闘牛士、フンディ、カナレス・リベラ、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。


 9月3日(水)

 仕事が終わって着替えをしていると、ドン、ドンと外で音が鳴り出した。連続的になるものだから花火だと思っていた。外に出たらそれが雷だというのが判った。パラパラと雨が降り始めたのを観て部屋に戻って傘を取ってきて駅に向かった。雨は段々強くなってきて家の軒先で雨宿りをしている人がいた。それでも歩いていくといよいよ雨は強くなってきたのでこっちも雨宿りをすることにした。ひっきりなしに雷が光、鳴り響いている。犬を連れたTシャツの女もずぶ濡れ。暗いから見えないけどブラジャーは透けて見えているだろう。女子高生もずぶ濡れ。何で毛糸のベストを着ているんだ。10分くらい待って少し雨が弱くなった所でまた駅に向かって歩き出した。駅が入り口が見える通りに出たら雨は強くなってきた。しかし、雨宿りする軒先はもうない。だから駅に向かって歩くしかない。

 後、入り口まで100m。物凄い雨になった。先が見えないくらいで、まるでディランの、『雨のバケツ』だ。以前、女のションベンのような雨が降ったと、書いたことがあるが、そんな雨じゃない。バケツをひっくり返したような雨。入り口の前の横断歩道までずぶ濡れで、角の近くからは風が強く吹いてびっしょり濡れた。夏用のズボンがずぶ濡れになりパンツが透けて見える。駅では電車から降りた人たちが外の雨を観てただ立ちつくしているだけ。

 こっちの方を観て、今外を歩いたらこんなに濡れるんだ、という顔をしている。電車に乗ったら山手線が落雷の影響で不通になっているとアナウンスがあった。乗換駅では、その山手線に電車が止まったままになっているのが見えた。最寄り駅に着いたら雨は殆ど上がっていた。涼しい。この前、何処かの呼びかけで東京で100万人が一斉に置き水をしたら東京の温度が2度下がると、いって使った風呂の水を道路にまこうと言っていたが、この雨で東京の気温は、31度から24.3度に下がった。ニュースで言っていたが、国会に雷が落ちたそうだ。政局も混沌としているし、この天気も雷様の気分の影響での豪雨だったのだろうか。10分間で19ミリ降ったそうだ。カエルたちは喜んでぴょんぴょん跳ね回っていただろう。今日の雷でおへそを取られた人は何人いただろう。鈴木宗男もおへそ取られていれば良いけど。


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