断腸亭日常日記 2003年 その3

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年のスペイン滞在日記です。

99年1月13日〜2月16日 2月19日〜4月14日 4月15日〜5月11日 5月12日〜6月4日
6月7日〜6月10日 6月13日〜7月9日 7月11日〜8月8日 8月9日〜9月9日
9月12日〜10月7日 10月10日〜11月10日 11月14日〜11月28日 12月12日〜12月31日
2000年1月1日〜15日 1月16日〜1月31日 2月1日〜2月28日 3月2日〜3月29日
4月2日〜4月19日 4月20日〜4月29日 5月1日〜5月14日 5月15日〜5月31日
6月1日〜6月15日 6月16日〜6月29日 6月30日〜7月15日 7月17日〜7月31日
8月1日〜8月15日 8月16日〜8月31日 9月1日〜9月15日 9月16日〜9月30日
10月1日〜10月15日 10月16日〜11月20日 11月22日〜12月10日 12月11日〜12月31日
2001年1月1日〜1月13日 1月14日〜1月31日 2月3日〜2月12日 2月13日〜2月26日
2月27日〜3月10日 3月11日〜3月31日 4月1日〜4月18日 4月19日〜5月3日
5月4日〜5月17日 5月18日〜5月31日 6月1日〜6月11日 6月12日〜6月22日
6月23日〜6月30日 7月1日〜7月15日 7月17日〜7月31日 8月4日〜8月15日
8月16日〜8月31日 9月1日〜9月15日 9月17日〜9月29日 10月1日〜10月15日
10月17日〜10月31日 11月1日〜11月15日 11月16日〜11月30日 12月1日〜12月15日
12月16日〜12月31日 2002年1月1日〜1月15日 1月16日〜1月31日 2月1日〜2月16日
2月18日〜2月28日 3月1日〜3月15日 3月16日〜3月31日 4月1日〜4月15日
4月16日から4月30日 5月1日〜5月15日 5月16〜5月31日 6月1日〜6月13日
6月15日〜6月30日 7月1日〜7月15日 7月16日〜7月31日 8月1日〜8月15日
8月16日〜8月31日 9月1日〜9月15日 9月16日〜9月30日 10月1日〜10月15日
10月16日〜10月31日 11月1日〜11月15日 11月16日〜11月30日 12月1日〜12月15日
12月16日〜12月31日 2003年1月1日〜1月15日 1月16日〜1月31日 2月1日〜2月15日

 2月16日(日)

 一部の免疫システム異常が花粉症を引き起こしているのだそうだ。今日は雨模様なので花粉は飛ばない。僕はこの事には関係ないがどちらかというと雨が降るより晴れの方が良い。

 イギリスでは100万人の反戦デモがあり、ブレア首相は厳しい立場に立った。ドイツなどでも反戦デモがあった。日本はアメリカの金魚の糞。イラク問題で意見をアメリカに言えないのなら、北朝鮮問題でどう言うことを言うというのか。拉致のことしか話することがなくなるだろう。それじゃ外交とは言えないのだ。

 HSVは2−0で勝ち、フェイエノールトは4−1で勝った。小野は怪我のため前半で退場した。

 詳しいことは未だ載っていないが、アリセダ(カセレス)のフェスティバル闘牛でロス・グアテレス牧場の牛をマノロ・サンチェスがインドゥルトした。


 2月17日(月)

 日曜日の新聞書評に書いてあった『進化した隣人』を書店に注文した。いわゆるサル学の本。チンパンジーから人間を観る本だ。

 加山雄三がTVで、『夜空の星』に新バージョンをやっていた。フラメンコ風のアレンジだった。宇多田ヒカルの新曲『COLORS』の歌詞にこんな言葉があった。「炎の揺らめき 今宵も夢を描く あなたの筆先 渇いていませんか 青空が見えぬなら青い傘を広げて いいじゃないか キャンバスは君のもの 白い旗はあきらめた時にだけかざすの 今は真っ赤に 誘う闘牛士のように」

 今頃という感じだが、16日、クーロ・ロメロとカルメン・テージョが結婚した。いわゆる法律上のけじめをつけたのだろう。セビージャで、元闘牛士のクーロ・カマチョのところに行ったとき、確か60年代だったと思うけどフェリアの写真があってそこに若き日のジョン・フルトンやその息子(ヒターノからの養子)、などの闘牛関係者が写っていたが、その中にカルメン・テージョもいた。詳しくは知らないが、もう10年以上も恋人関係だった2人。正式に結婚したのだ。

 15日メデジン(コロンビア)でエル・ファンディが、ラ・カロリナ牧場の“ブルレロ”という名前の478キロの牛をインドゥルトした。

 15日の結果。 メデジン(コロンビア)。ネルソン・セグラ、口笛。ビクトル・プエルト、耳2枚。ファンディ、耳1枚、シンボルとして耳2枚(牛、インドゥルト)。 ドゥイタマ(コロンビア)。フェスティバル闘牛。セサル・リンコン、耳2枚。セサル・カマチョ、耳なし。カバジェーロ、耳2枚。ペペ・マンリケ、マヌエル・リバルド、耳1枚。 ニーム(フランス)でアンディー・カルタヘナが、耳1枚2回、ディエゴ・ベントゥラが耳2枚。

 16日の結果。 ニーム(フランス)。ホセリート、セサル・ヒメネス、耳なし。サルバドール・ベガ、耳1枚、耳1枚ともう1枚要求。 メキシコ。イグナシオ・ガリバイ、耳1枚。エル・コンデ、カルロス・ロンデロ、口笛が2回。 ボゴタ(コロンビア)。アベジャン、耳なし。フリ、耳2枚。ラミロ・カデナ、耳1枚。 メンドーサが、グアダラハラ(メキシコ)で耳2枚。


 2月19日(水)

 眠い。昨日は眠くて寝たので日記は書かなかった。セビージャのカルテルも大詰めになってきた。時間がない。色々な意味で。

 昨日韓国で地下鉄で、人生に絶望した男が車両に液体をまきライターで火を点けた。周りの人は制止しようとしたが時すでに遅く、大火災になり、100人以上の人が死亡した模様。どうも僕のおおざっぱな感想では、東洋人は結果的に無差別殺人を意図なくやってしまうようだ。馬鹿な人間は何処にでもいるが、これほどのことをしても、一人称単数でしか人生を捉えていないようだ。それでも人前で自殺しようというのは、他者を何らかのコンタクトを取りたいと思っていることなのだろうが。しかし、1人で死ぬ方がこれだけの犠牲者が出ない。死にたくもない人を道連れにするというのが救いようがないことだ。


 2月20日(木)

 韓国で起きた地下鉄の放火事件で死亡者は133人になったと報道された。初期消火が停電で出来ない状況で避難誘導が的確になされていなかったことや、後から入ってきた電車の運転士と中央指令室との交信記録が公開されたが、中央指令室が明確な避難指示を出していなかったことが判ってきた。放火自殺しようとした個人の問題から非常事態になったときの地下鉄側の危機管理に問題があったという事が次第に判ってきた。電車に乗っていた乗客の誰もが非常時の乗降口のドアの開け方を知らなかったのは生死に関わる重大な問題だった。危機管理は、そこの施設を管理する側だけでなく、個々人の問題として常に存在する。

 海外旅行に行った場合も同じである。最終的にはその個人判断が重要な鍵を握ることになる。生死を分ける別れ道になる。今回の場合、火災によって停電して消火活動が出来ない状態で、避難誘導が出来なかったこと、中央指令室が明確な避難指示をしなかったことが重大な過失になるだろう。

 今日、北朝鮮の戦闘機1機が韓国領海上、北方限界線(NLL)を一時的に侵犯した。イラクへの制裁決議について国連で話し合いがされている時期に北朝鮮はどういうつもりなのだろうか。

 阪神キャンプを視察に来た長嶋茂雄に対して選手がバースデー・ケーキの贈り物をしたそうだ。何考えているんだ。それで阪神といえるのか。敵に対して社交辞令を出して闘争心は芽生えないだろう。くだらない阪神になったものだ。野球観るのやめて良かった。


 2月21日(金)

 戦争は回避すべきものだ。査察で何が判るかは判らない。それでも継続すべきだと思う。世界中で反戦デモが行われてベトナム戦争反対のデモを上回る数の人たちが参加した。戦争を望んではいないのだ。

 そろそろスペイン行きの準備をしないといけないだろう。


 2月22日(土)

 床屋に行って髪を切ってきた。朝は混んでいたのでやめて競馬が終わってからいったら誰もいなくて直ぐにやって貰った。「さっきまで混んでてようやくお茶が飲めるようになった。これだけ空いてるのは馬券当てるのと同じで難しい。今日はついてるよ」とおっちゃんが言った。2人で笑って散髪が始まった。

 この前TVで、笑わない赤ちゃんの事をやっていた。無表情な赤ちゃん。赤ん坊は生まれると、何とか微笑とか言って顔の筋肉の動きが笑っているように見える。親はそれを見て子供をあやすのだという。こうやって親子のコミュニケーションが始まる。親があやすと子供が笑い、子供が笑うから親は子供をあやす。こうやって子供の感情が育っていく。一方、猿は子供をあやさない。あやさないから子供は無表情だ。無表情な赤ちゃんは、親が子供をあやさない、あやせない、対応できないから赤ちゃんが無表情になっていくのだという。

 番組では、乳児院に預けられた1人の無表情な子供が、保母さんとの交流で自分の感情を表情に出せるようになっていく過程を撮っていた。こんな風に親たちのコミュニケーションが子供たちに大きな影響を与えているのかとビックリした。こんな子供が増えていくことからも、幼児虐待が増えることが想像できる。今の日本人は人間の中の動物的部分を隠匿しようとしている気がする。もっと、人間の動物的な衝動や感情を生活の中に出して行った方が、今は、人間の社会性やコミュニケーションが上手く行くようになっていくと思った。

 国連で、対イラク戦争の決議案についての工作が行われている。戦争は不可避とイギリスが言っているようだ。今後1,2週間が一つの山になるのだろう。


 2月23日(日)

 山田風太郎の知られていなかった少年物の作品が発見された。作品リストに載っていない。これは荊木歓喜とその弟子末弘千吉が登場するものらしい。掲載誌は、『古墳怪盗團』 科学の友 昭和25年2月号 山海堂。『空飛ぶ悪魔』 科学の友 昭和25年3月号 山海堂。

 それと、『探訪日本の城5 北陸道』相賀徹夫編(小学館昭和53)の中に入っている、『安土城』。本能寺の変を扱った短編らしい。これは古本屋に注文したら土曜日に発送したとメールが届いた。

 セビージャにメールしたら下山さんはバルセロナへフェンシングの大会出場で出かけていた。5月は10日くらい1人でセビージャにいることになるかも知れない。

 レアルが3−1で勝って、現時点で今シーズン初めて首位にたった。デポルティーボは6−0の爆勝。トゥリスタンがハットトリック。3位バレンシアと勝ち点が並んだが得失点差で4位。バルサも4−0で圧勝。サビオラがハットトリックで8位。監督、プレシデンテが替わって良かったなあ。あの馬鹿監督じゃこうはならないもの。


 2月24日(月)

 訳の分からない人事は、何も会社だけじゃない。日銀総裁と副総裁2人の人事は混乱の新たな火種になりそうだ。

 韓国の地下鉄放火事件で、放火した男、運転士など7人が逮捕された。警察は、地位の上下に関わらず間違ったことをした人間は逮捕すると明言した。

 多くの難題を抱えて盧武鉉大統領が明日就任する。金大中大統領は5年間を振り返って、「太陽(包容)政策は朝鮮半島の緊張を大きく緩和した」といい、太陽政策を継承する次期大統領を支持するように国民に訴えた。

 燃える火がきれいだったからと、放火犯として補導された小学2年生が言ったそうだ。悪いことは悪いと言う認識がないと言うことが決定的な欠落点だ。

 バレンシアのアボノのことが載っていて約5,000のアボノが買われた。内訳は(数字があってないのがおかしいが)、ファジャスとフェリア・デ・フリオの新しいアボノを購入した数が、2,278。去年から続けて購入した数が、1,600。ファジャスだけのアボノを購入した数が、800。バレンシアのアボノは、ラス・ベンタスの比べると極端に少ない。因みに闘牛場の観客収容人員は、12,884人。

 22日の結果。 メデジン(コロンビア)。セサル・リンコン、耳2枚。カバジェーロ、ペペ・マンリケ、耳なし。 サラゴサ。フェスティバル闘牛。騎馬闘牛士、アンディー・カルタヘナ、場内1周。闘牛士、エスパルタコ、場内1周。ポンセ、耳なし。オルドニェス、フリ、パウリタ、耳1枚。

 23日の結果。 メキシコ。騎馬闘牛士、オクタビオ・サンチェス、耳なし。闘牛士、アルミジータ、罵声。ホルヘ・グティエレス、場内1周、コヒーダ。ホセ・マリア・ルエバノ、耳1枚。 ボゴタ(コロンビア)。騎馬闘牛士、ファン・ラファエル・レストレポ、耳1枚。闘牛士、セサル・カマチョ、耳なし。ペペ・マンリケ、耳要求。ラミロ・カデナ、耳なし。

 ベルハ(アルメリア)。ペピン・ヒメネス、ルイス・マヌエル、耳1枚が2回。ファン・バウティスタ、耳2枚。 ハエン。フェスティバル闘牛。ファン・モラ、ホセリート、耳なし。ポンセ、ファン・カルロス・ガルシア、耳2枚。モランテ、耳なし。ファンディ、耳2枚と尻尾1つ。ホルヘ・イバニェス、耳1枚。 ムルシア。フェスティバル闘牛。騎馬闘牛士、アンディー・カルタヘナ、耳2枚。闘牛士、フィニート、耳なし。コルドベス、耳1枚。ペピン・リリア、耳2枚。オルドニェス、耳なし。ハビエル・コンデ、耳2枚と尻尾要求。ニーニョ・デル・バリオ、耳なし。


 2月26日(水)

 昨日は頭が痛くて寝た。頭痛は治ったが寒気がする。床屋に行ったので頭が冷えるのだろうか。羊は毛を刈られると24時間で皮下脂肪が出来る防衛手段を備えているそうだが、僕の体にはそんなものはないのだ。「羊が1匹・・・」と数えることもなく寝てしまった。

 国連で制裁決議案を提出したが、査察を4ヶ月延長するように求めた、覚書を対抗して提出した。

 北朝鮮が、日本海へミサイルを発射した。自衛隊はこれを察知していたが報告は後日した。これはどおゆうことなのか?怠慢だ。韓国からこれを聞いた日本の防衛体制はざるだと言うことが判った。


 2月27日(木)

 「看護婦さんは綺麗ですねぇ」と言ったら「命を尊ぶ人はみんな綺麗なんです」と言った。そのことを他の人に言ったら、「何気取ってるんだ」と言って笑っていた。「命を尊ぶ人はみんな綺麗なんです」と言った人がそのキャラクターではないからそういったのだが、その言葉は素晴らしい言葉だと思う。

 今日、大阪府堺市の病院で元入院患者が副院長を出せと暴れて、看護婦を拳銃で撃ち殺し、医師を刺して重傷を負わせる事件が起きた。元入院患者は規則を守らないから強制退院させられた人だったそうだ。事件後、犯人は首を切って自殺を図った。こんな我が儘な人間は入院せずに病院に来なければいいのにそれでも入院したいというのは一体どう言うことなのだろう。「命を尊ぶ人はみんな綺麗なんです」。命をおろそかにする人は、人生を無駄にするしかないのだ。犯人は、元暴力団組長だったらしい。

 経済同友会が消費税率を19%に上げるという提言を出した。これは、06年度に7%にし、07年度9%、08年度11%など段階的に引き上げるよう主張。少子高齢化に対応して消費税率を2010年に16%、20年には19%に引き上げることを柱にした財政・税制についての提言をまとめた。消費税のうち10年に9%分、20年には12%分を年金目的税にし、年金給付の削減も行い、年金保険料をゼロにするとしている。

 昔、社会党が消費税反対で議席を伸ばした頃、堺屋太一(この後大臣になった)が提案した消費税10%にして、所得税0と、いうのは今は昔。

 イラク問題も非常に気になることだが、北朝鮮が、まるで韓国新大統領就任式にあわせるように原子炉を稼働した。アメリカが衛星などで確認したという。ミサイルに次いで原子炉稼働。こういう意図的と言っていい挑発行為をやってどういうつもりなんだろう。イラク問題より北朝鮮の問題の方が切迫しているのに政府の対応は平和ボケでのんびりしたものだ。


 2月28日(金)

 ムンドトロ・コムで、今シーズンどの3人が理想ののカルテルと思うか?というアンケートがあって、その中には10人のフィグラの名前が載っている。その10人の名前は、フリ、ポンセ、ホセリート、モランテ、セサル・リンコン、ファンディ、フェレーラ、フィニート、フェルナンド・ロブレニョ、セサル・ヒメネスだった。10人の闘牛の名前の中に、セサル・リンコンの名前があったことに驚いた。だって、3年間闘牛をやっていなかったのに、今人気実力を持ったスペイン人闘牛士の中にただ1人コロンビア人のセサルが入っていたからだ。

 投票も、最下位ではなかったのも驚いた。フリが1位にいるのは判るが、ポンセではなくホセリートが2位というのも驚き。凄い人気だ。その次にセサル・ヒメネスがいるのも驚き。モランテが5位。ファンディが6位。7位がフェレーラ。人気がないなぁ。8位がセサル。9位がフェルナンド・ロブレニョ。10位がフィニートだった。

 松井がオープン戦でホームランを打った事をどうしてそんなに騒ぐのか判らない。オープン戦なのにTV中継がありキャンプも中継している。イチローとか野茂、中田の方がときめく。


http://www2u.biglobe.ne.jp/~tougyuu/以下のHPの著作権は、斎藤祐司のものです。勝手に転載、または使用することを禁止する。


ホームに戻る