−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−
por 斎藤祐司
過去の、断腸亭日常日記。 −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−
太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、のスペイン滞在日記です。
7月17日(火)
14日の闘牛の会のことについて書かなければならないが、帰ってきたばかりで時間がない。部屋の掃除をしなければやばい。取りあえず今は、4本のビデオを流したことだけを書いておく。初めは、6月9日サン・イシドロ最終日のエスプラ。5月20日のラファエル・デ・フリアのプエルタ・グランデ。5月18日のマヌエル・カバジェーロ。5月24日のモランテ・デ・ラ・プエブラのビデオを流しながら説明した。
書かなければならないメールがある。これも送らないと行けない。時間は24時間誰にでも公平に与えられているのだが足りないような気がする。
15日の結果。 マドリード。マリアノ・ヒメネス、場内1周。アンドレス・サンチェス、マルティン・アンテケラ、耳なし。 バルセロナ。オルテガ・カノ、場内1周。エスパルタコ、ホセリート、耳なし。 アビラ。フェルナンド・セペダ、耳1枚。オルドニェス、耳なし。アベジャン、耳2枚。プエルタ・グランデ。 マルベージャ。フィニート、耳2枚と尻尾1つ。エル・コルドベス、耳2枚と尻尾1つ。ビクトル・プエルト、耳2枚。3人ともプエルタ・グランデ。 バイヨンヌ(フランス)。リシャール・ミリオン、耳なし。フェルナンド・メカ、耳1枚。セバスティアン・カステージャ、耳2枚。プエルタ・グランデ。
7月18日(水)
選挙が始まっているが家の回りは静かだ。名前の連呼はうるさいだけ。そんなんじゃ票は入らないよ。女子大生ストーカー殺人事件実行犯に求刑通り懲役18年と16年の実刑判決がおりた。人を殺してそれだけなのかというのが感想だ。
イチローが22打席ぶりにヒットを打った。
7月19日(木)
この前TVで小説家の高橋克彦と俳優の林隆三が東北弁のことを話していた。林隆三が東北で育ったのは知らなかった。ピアノの弾き語りなどで都会的な雰囲気の俳優とばかり思っていたが、東北弁を話すと落ち着くというようなことを言っていた。高橋克彦は、浮世絵三部作で有名になった直木賞作家。受賞作 『緋い記憶』 は彼が生まれ育った盛岡が舞台。この小説集を読んだときある衝撃を受けた。
それは人を探して場所(家)を訪ねる。そこには信じられない差異がある。時間という差異が。こういう違和感を僕は盛岡の街で感じていた。そう言う少年時代の感覚を小説にした高橋さんとその小説に衝撃したのだ。ただそう言う感覚は少年時代に誰もが感じることかも知れないので、盛岡という街独特のものではないのだろうが。
高橋さんは今盛岡に住んで小説を書いている。確か大学の先生でもある。最近は東北を題材にした小説が多いようだが。林隆三は子供の頃親しんだ東北弁で宮沢賢治の朗読をしているのだそうだ。僕の知っている限り賢治を東北弁で始めて朗読しだしたのは女優の長岡輝子さんだ。長岡さんは盛岡生まれ。彼女の読む賢治は耳から入り体に浸みる。小学校の頃賢治を習ったときは標準語で強制的に読まされた。もし、長岡さんのように盛岡弁で授業していたら僕の人生はかなり変わっていただろう。
『雨ニモマケズ』 は大嫌いな詩だったが、長岡さんの盛岡弁を聞いていると涙が出てくるほど感動する。恐らく賢治はそう言う風に読んだのだろうし、あの音があっての意味なのだと言うことを感じざるを得ない。こういうのを感覚というのだろう。大嫌いな詩が、盛岡弁で聞くことによって感動する。スポーツ中継でも、「執念の一打」とかアナウンサーが言うが執念で打てるわけがないのは誰でも知っている。でも、こういう言葉で感動する人がいるのは、その時の状況と音が表す意味によるのだろう。闘牛中継の言葉もそう言う事なのだろう。
言っていることが大したことを言ってなくても感動するのは、状況と、言い方という声の音が感情を刺激するのだ。恋というものもそうだ。林隆三の東北弁で賢治の朗読、高橋克彦の東北を題材にした小説。勇気づけられるなぁ。
アメリカのFRBグリーンスパン議長が景気の先行きに不透明感があるという発言で円高ドル安、円安ユーロ高に市場が反応した。日本の株価は12000円を切った。
14日にパンプローナのサン・フェルミンが終わったと思ったら、バレンシアの祭りが始まった。闘牛はこれからが本番。9月まで毎日何処かで闘牛が行われる。
7月20日(金)
景気低迷が言われているが、そんな中で低価格型専門店が売り上げを伸ばしている。7.2%増と言うのだから凄い。どういう店かというと、コジマ(家電小売り)、ヤマダ電気(プラス41.9%)、ヨドバシカメラ、ファーストリテイリング(カジアル衣料 プラス106.1%)、大創産業(100円ショップ プラス40.9%) と主な上位で前年対比の伸びが良いものを書いた。これが今の時代のある部分を表している。
今秋、発売されるウィンドウズXPの宣伝がTVでも流れている。「フリーズしてもデータが消えない」がキャッチフレーズだ。魅力的なフレーズだが困ったことに、ウィンドウズ95、98、ミレニアム・エディションとの互換性がないと言うことだ。オフィス型OSソフト、ウィンドウズ2000が基本になっているためだという。だから95、98、ミレニアム・エディションで使っていた周辺機器が使えなくなると言う。勿論ソフトも。何故かと言えば、あまりにもクレームが多いからこういう風になったのだという。進化というのはこういう風になるわけ?
7月21日(土)
1年10ヶ月ぶりに新装オープンした新潟競馬場は絶好の芝状態で物凄いスピード競馬になっている。1000mが55秒台、2000mが1分56秒台で条件馬が駆けている。これがオープン馬、重賞レースになったならどれだけのタイムが出るのか。スペインから帰ってきて競馬に行こう行こうと思っていても全然行ってないが直線1000mのコースが日本に出来たことは意義のあることだ。
この前、TVでケント・デザーモ騎手の話をやっていた。アメリカの至宝と言われた超1流騎手がクラシックシーズンにわざわざ日本にやってきて騎乗した。アメリカは、日本で言う地方競馬が各々競馬を開催してる。日本の様な全国レベルのJRAの様な組織で運営しているわけではない。週5日騎乗しないとトップジョッキーではいられなくなる。デザーモの次男が耳の病気で、手術後言葉を教えるために一緒にいる時間を多く作りたいと言うことで週2日だけ騎乗すればいい日本にやってきた。
身元引受人は、社台の吉田氏と美浦の藤沢和雄調教師。調教は火水つければ良いので午後は家族と一緒に過ごせる。デザーモが来る前に藤沢調教師は、「少なくてもG1を1勝して貰うつもりだ」と言っていたが牝馬クラシック、オークスを外国人騎手で始めて勝った。デザーモが日本のクラシックを勝っても驚くことではない。腕を見込まれて日本にやってきてある意味で当然の結果だ。
アメリカの至宝とまで言われた男は、アメリカでの栄光を捨ててまで家族と一緒の時間を作りたいために日本にやってきた。デザーモは言う。「人生で1番大事なものは家族です」と。輝くばかりの騎手としての栄光を捨てても彼が選んだ道は非常に美しいものだ。JRAで約2ヶ月の騎乗で29勝。物凄い数字だ。JRAの短期免許は3ヶ月ある。また今秋クラシックの頃日本に戻ってきて乗って欲しい。秋華賞や天皇賞、菊花賞などで・・・。春はスペインに行っていて1度も観れなかったけど、秋は東京で見てみたい。勿論その時は馬券も買いたい。
超の付く1流は腕だけではなく、人間としても超1流だ。
7月22日(日)
昨夜、明石市で花火大会直後、駅に繋がる歩道橋で見物客多数が将棋倒しになり100人以上が病院に運ばれて10人が死亡した。死亡者の多くは幼い子供たちだった。
ポンセが、19日耳の手術をした。大したことはなく22日のマルベージャには出場する。ラス・ベンタス闘牛場で今年もまた金曜日の夜中(今年は22:30開始)にノビジェーロをやる。今月の27日から始まり、8月3日、10日、17日である。将来性のあるノビジェーロたちが出るようだ。注目は8月3日のレジェス・メンドーサ。サン・イシドロでは非常に良かった。
21日の結果。 バレンシア。ホセリート、耳1枚、耳2枚。プエルタ・グランデ。バレラ、耳1枚。エル・フリ、耳1枚。牛、場内1周。観客はインドゥルトを求めた。 サンタンデール、ヘスリン、耳なし。エル・コルドベス、耳1枚。ハビエル・カスターニョ、耳なし。
7月23日(月)
明石市長が死亡者の家を訪ねてお悔やみを言って回ったが、遺族からは罵声を浴びせられた。ある遺族の父親は歩道橋の窪んだ部分に子供を置き「ここから離れないように」と言って被害者の救出に当たっていた。しかし、子供は現場の異常な雰囲気の中でその場所にずっといることが出来ずに事故に巻き込まれて死んでしまった。救出に当たった父親を馬鹿と思う人がいるのだろうか。僕は立派なことをしたと思う。それより何よりそう言う状況でその父親はジッとしていられなかったのだろう。もし、そのままその場を子供を抱えて立ち去ったならば彼は後悔しているだろうし・・・。だから、あの時ああすればとかというのは言っても仕方ないことだ。
人はその局面局面で最良の方法を選択していると思って生きている。そして、その積み重ねを人生という。問題はそう言う生き方をしてきた自分の人生を受け入れることが出来るかどうかだ。人生には色々のことがある。悲しいことがあっても、腐ることなく、生きる希望を持って前向きに生きていくことだ。
株価が今年の最安値を記録した。
久しぶりにホセ・トマスが闘牛をしたが、耳を切れなかった。バルセロナではここ3年間で毎回耳2枚以上切っていたがその記録もこれで途絶えたことになる。
22日の結果。 マドリード。カナレス・リベラ、マヌエル・ベハラノ耳なし。フェルナンド・ロブレニョ、耳1枚。 バルセロナ。フィニート、耳1枚が2回。プエルタ・グランデ。ホセ・トマス、モランテ、耳なし。 バレンシア。ビクトル・プエルト、エル・カリファ、耳なし。アベジャン、場内1周。 エル・プエルト・デ・サンタ・マリア。カバジェーロ、耳1枚が2回。プエルタ・グランデ。ハビエル・コンデ、耳1枚が2回。プエルタ・グランデ。ミウラ、耳2枚。牛、場内1周。プエルタ・グランデ。 マルベージャ。ポンセ、耳1枚。ヘスリン、耳1枚。エル・フリ、耳2枚が2回。プエルタ・グランデ。 マンサナレス。エル・タト、耳なし。ホセ・ルイス・モレノ、耳1枚が2回。プエルタ・グランデ。ヘスス・ミジャン、場内1周。 グアルダマス・デル・セグラ。オルテガ・カノ、耳1枚。エスパルタコ、耳2枚が2回。プエルタ・グランデ。アントニオ・モンデハル、耳1枚、耳2枚。プエルタ・グランデ。 メンギバル。ラファエル・カミノ、耳2枚が2回。プエルタ・グランデ。エル・コルドベス、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。プエルタ・グランデ。フランシスコ・バロソ、
耳なし。 モン・ド・マルサン(フランス)。リシャール・ミリオン、耳1枚。ペピン・リリア、口笛。アントニオ・フェレーラ、耳1枚。
7月24日(火)
暑い。夜これだけ暑いと寝汗が凄い。熱中症にでもなるかと思うくらいの汗の量だ。そうめんがうまい季節になってきた。と言ってもそうめんよりひやむぎの方が好きなのだが。太いところが良い。
TVでファースト・フーズの事をやっていた。妻と離婚調停中の夫が新規出店開発に関わる話。48歳で異業種のファースト・フーズに人生を賭けている話。大学を中退して一人前の店長になろうとしている話。この不況の中でみんな一生懸命だ。そうじゃないと落ち着かないのかも知れない。でも、あえて言いたい。もっと肩の力を抜いて生きたらと。深く考えてもダメなときがあるし、自分を追い込んでやっていっても出来ないことだってあるんだから。
9月のニームのカルテルが発表になった。
23日の結果。 サンタンデール。フィニート、ビクトル・プエルト、エル・フリ、耳1枚。 モン・ド・マルサン(フランス)。カバジェーロ、耳1枚。ホセ・トマス、耳なし。アベジャン、プレシデンテへ罵声。
7月25日(水)
午後突然土砂降りの雨。涼しさが帰ってきた。と思ったのもつかの間、蒸している。部屋の中は暑い。外の方が涼しい。パソコン雑誌なんて最近買ってなかったが、興味深い題材を扱っていたので買ってきた。月刊パソコンQ&Aマガジン、エラーメッセージ対策集。雑誌の表紙には、あなたは不正な処理で終了しますか?とある。買わずにいられないタイトルだ。これで少しはこのノートが快適に使えるようになれば良いのだが。
4月にスペインに行くために買ったノートの調子が悪い。元のNECのノートの方が、使いやすかったしトラブルも少なかった。今回のノートはあまり好きになれないでいる。ノートはキーボードのタッチがディスクトップのものより好きだから使っているが・・・。
24日の結果。 バレンシア。クーロ・バスケス、口笛。ポンセ、耳なし。エル・カリファ、場内1周。 サンタンデール。カバジェーロ、耳なし。ホセ・トマス、耳1枚。モランテ、耳なし。 モン・ド・マルサン(フランス)。フィニート、口笛、罵声。ビクトル・プエルト、場内1周。エル・フリ、口笛。
7月26日(木)
暑い。しかし、夏の暑さより熱いものがある。 ♪君を守るため その為に生まれてきたんだ♪ SMAPはらいおんハートでこう歌った。こういう風に言われると女性陣は嬉しいだろうが。でも、これは幻想である。だが、こういう幻想を人生の一時期のある瞬間にでも感じることの出来ない人生は寂しいものだろう。恋は熱だ。火照って来る。火照るのは勿論、体だ。それは夏の暑さよりも熱い。
通常の燃焼の定義。燃焼とは、一般的に「酸化反応に伴う発熱によって温度が上昇し、その結果として発せられる、熱輻射線の波長及び強さが光として肉眼に感じるに至っているもの」 言い換えれば「熱と光の発生を伴う酸化反応(化学反応)」である。
燃焼の条件。燃焼が起こるためには、可燃物(燃えるもの)・酸素(空気など)・熱源(点火エネルギー)が必要で、これを燃焼の三要素という。
これを恋愛に当てはめると、燃焼の三要素は、肉体(男)・肉体(女)・摩擦になる。男と女は何処にでもいるがなかなか発火しない。しかし、可燃物である自分の肉体が、酸素である女の肉体によって燃える為には、点火エネルギーが必要だ。点火エネルギーは、勃起した感情の摩擦だ。視線、会話によって少しずつ感情が勃起して点火温度に達していく。それなくして点火も発火もしない。
詩人のディラン・トマスは、「愛の最初の発熱からそれが疫病になるときまで」という言い方などをして詩を書いている。点火すれば、ケミカル・リアクション(化学反応)が起こる。そうすると幸福を感じさせてくれる気分にしてくれる。これは株価と一緒で実体が反映されているかどうかは疑わしいのだが。でも、そんな気分すら感じられないよりはずっと良い。
荻内先生はスペインに旅立った。TELで連絡をしたが話せなかった。ピトンの事についてちゃんと話がしたかった。多分僕の考えていることで良いと思うのだがそれをちゃんと確認しておかないと。
ホセ・トマスが、右足に怪我を負い3〜4週間闘牛が出来ない模様。
25日の結果。 バレンシア。ラウル・ブラスケス、耳1枚が2回。プエルタ・グランデ。アルベルト・ラミレス、耳1枚。ラファエル・デ・フリア、耳1枚、耳2枚。プエルタ・グランデ。 サンタンデール。ホセリート、耳1枚。ディエゴ・ルエダ、ホセ・トマス、耳なし。 モン・ド・マルサン(フランス)。ポンセ、ファン・バウティスタ、耳1枚。ハビエル・カスターニョ、耳なし。
7月27日(金)
秋が来たように涼しい日だった。こういう気候ならすごしやすい。
新聞に、 ソニー営業利益9割減 の見出し。2001年4−6月にパソコン、TVなどでの不振で、赤字30億円。最終的には今年、301億円の赤字になる見込みだという。記事でビックリしたのは、プレイステーションなどのゲームで赤字が30億円になると言うことだった。これでも今年見込みは去年よりかなり改善されているという。徳中副社長は「今の経済環境が年内に回復するのは望み薄」とコメントした。
また、中国の生産シェアが急速拡大しているという。NHKのクローズアップ現代でもその事をやっていたが人件費の安さは日本が対抗できるレベルにない。月給1万7,8千円で働いている。それが中国の労働者の年収分に相当するらしいが、コストの安さがシェアを拡大している要因だが、技術がなければシェアは拡大しない。技術力を急速につけてきているのが注目すべき事。携帯電話、DVDプレーヤー、VTR、ディスクトップパソコン、二輪車、エアコン、など生産製品を見れば分かるだろう。
参議院選挙戦はいよいよ終盤の追い込み。自民党が圧勝しそうな勢いだ。でも、これでは自民党内にある改革反対勢力(橋本一派など)が大量に当選するだろうと言う予測がでている。野党はポイントを付いた主張が出来ないでいる。惨敗になるだろう。
サンタンデールで、ヘスス・ミジャンが場内3周した。一体どんなファエナだったんだろう。
26日の結果。 バレンシア。ヘスリン、耳2枚。プエルタ・グランデ。フィニート、口笛、罵声。モランテ、耳なし。 サンタンデール。エル・カリファ、耳なし。ヘスス・ミジャン、場内3周、場内1周。ラファエル・デ・フリア、耳なし。 モン・ド・マルサン(フランス)。ソトルコ、耳なし。フェルナンデス・メカ、耳1枚。プエルタ・グランデ。エル・タト、口笛、耳1枚。
7月28日(土)
台風は関東に上陸せず。寒くて夜中に目が覚めた。しかし、この天気も明日まで。月曜日からはまた暑さが復活する。
この前燃焼の三要素の続きとして、闘牛のことを書いておかないと拙いだろう。闘牛における燃焼三要素は、闘牛士・牛・観客になる。いくら良い闘牛士が良い牛を相手に闘牛をしても全く盛り上がらない観客の中では本当の感動は生まれない。だからこそ、マドリードのラス・ベンタス闘牛場には本当の感動があるのだ。去年のサン・イシドロのアベジャンしかり、エル・カリファしかり。今年は残念ながら感動するような闘牛に出会えなかったがそれでもラス・ベンタスの価値が落ちたわけではない。
27日の結果。 サンタンデール。ポンセ、エル・フリ、耳なし。フランシスコ・マルコ、場内1周。
7月29日(日)
思ったほど投票率が上がっていないようだ。が、自民党が圧勝の模様。今日のTVを見ていて思った。総論賛成各論反対で土光行革が頓挫したが今回の改革に対して国民の期待の現れが選挙結果に出ているのだろう。ただ改革が成功するかどうかは景気回復にも関わってくるようだ。非常に難しい状況。最近よく日産のゴーン社長の成功例を例えているようだがそれは間違い。彼がやったのは、コストダウンという意識改革。つまりヒット商品のような景気回復をしたわけではない。
自民党圧勝で構造改革はやりやすい環境になっただろう。が、問題は山積。野坂昭如が、「日本はどうしようもないところまでダメになってしまえば良いんです。それから本当に日本が変わるでしょう」という言葉は西ドイツのテロリスト、“赤い旅団”の考え方と同じ。“赤い旅団”はその為にテロをしたが、野坂の様な戦中の焼け跡闇市派の考え方の原点はこういうところにあるのは逆に言えば彼らの強さなのだろう。
28日の結果。 サンタンデール。ルイス・マヌエル、口笛。ペピン・リリア、場内1周。パディージャ、場内1周、耳2枚。プエルタ・グランデ。
7月30日(月)
選挙が終わった。今日の市場はこの結果にどういう反応をするのだろう。株価は上がるのか下がるのか。
29日の結果。 マドリード。アントニオ・モンデハル、罵声。ラファエル・カミノ、弱い耳要求。イガレス、耳1枚。 バルセロナ。エスプラ、エンカボ、耳なし。ウセダ・レアル、場内1周。 エル・プエルト・デ・サンタ・マリア。オルテガ・カノ、耳2枚。プエルタ・グランデ。オルドニェス、耳なし。エル・フリ、耳1枚、耳2枚。プエルタ・グランデ。
7月31日(火)
昨日の株式市場はバブル崩壊後の最安値を記録した。自民党が圧勝しても市場は冷めている。これは経済状況が非常に悪いためだ。上記のソニーに続いて富士通の赤字が2000億円の見通しと発表され、今日は、NECの人員削減が発表され、松下電器は今まで守ってきた終身雇用制を見直す早期退職者を募集すると発表した。
これから日本は大倒産時代を向かえようとしている。経営危機がささやかれている流通、ゼネコンが淘汰されていくだろう。今日、日経平均は上がったが材料的には下を向いている。
今日、須佐君の所に行ってきた。真鳥やアレナは大きくなっていた。6月マドリードで会ったときは須佐君1人で真鳥や嫁さんには会えなかったが、今日は全員が揃っていた。去年のアベジャンのビデオが観たいと言っていたので、貸してきた。須佐君は、嫁さん子供2人を抱えて毎年スペインや南米に出かけてはサッカーや闘牛を観ている。闘牛は、フィニートのファンで、サッカーはレアル・マドリードのファン。ブトラゲーニョと一緒に写真取ったり、子供の名前を真鳥にしたのもレアルファンだからで、スペインの新聞やTVにも取材されメディアでも取り上げられている。今年、レアルが優勝したときのパンフレットにも、須佐君と真鳥が写真入りで紹介されたのだそうだ。
闘牛、サッカーの話、そして、闘牛の会の話をしてきた。色々面白い話が出来た。闘牛の会も構造改革をした方が良い時期が来たのかも知れない。そういやー、96年のフィニートのインドゥルトのビデオを須佐君に持っていけば良かったなぁ。
ショックなニュースが飛び込んだ。28日に作家の山田風太郎が死亡した。こんな事があって良いのか。僕は本を出したら風太郎に是非読んで貰いたかった。時間を掛けすぎている俺が悪い。良いものを書きたい。風太郎は多くの作品を残した。それも非常に面白い作品ばかりだ。死んだことで、絶版になっている短編などが再び出版されることを望む。でも、何か非常に寂しい。
ヘスス・ミジャンが怪我をした。
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