断腸亭日常日記 2000年、その16

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

太い斜字で書いてある所は99年、2000年のスペイン滞在日記です。

99年1月13日〜2月16日 2月19日〜4月14日 4月15日〜5月11日 5月12日〜6月4日
6月7日〜6月10日 6月13日〜7月9日 7月11日〜8月8日 8月9日〜9月9日
9月12日〜10月7日 10月10日〜11月10日 11月14日〜11月28日 12月12日〜12月31日
2000年1月1日〜15日 1月16日〜1月31日 2月1日〜2月28日 3月2日〜3月29日
4月2日〜4月19日 4月20日〜4月29日 5月1日〜5月14日 5月15日〜5月31日
6月1日〜6月15日 6月16日〜6月29日 6月30日〜7月15日 7月17日〜7月31日
8月1日〜8月15日 8月16日〜8月31日 9月1日〜9月15日

 9月16日(土)

 スペインから帰ってきたTAKEさんと新宿で会ってきた。エウヘニオ、ホセリート、ファン・バウティスタ、アベジャンの闘牛の話が聞けた。今回初めて闘牛に感動したと言っていた。TAKEさんは、闘牛の魅力を充分感じてきたようだった。闘牛の本も改めて書いて行かなければと思った。

 丁度オリンピックの最中なので判りやすいと思うが、闘牛とスポーツは明らかに違う。スポーツは大会に会わせて肉体を鍛え、調子を上げていけばイアン・ソープのように世界記録で金メダルが取れる。闘牛はそうはいかない。自分の意志ではどうにも出来ない牛を相手にするからだ。だから、闘牛は難しいのだ。

 帰ってきてTVを観たら、田村と野村が柔道で金メダルを取っていた。金をとって泣くのは良いことだ。泣くが良い。

 変な天気だ。ゴロゴロ雷が遠くで鳴ってるなと思っていると強い雨が降ってくる。その繰り返しだった。名古屋はまた避難勧告だ出たようだ。さっき帰ってきたので闘牛の結果は明日にしよう。


 9月17日(日)

 昨日の夜、セサル・リンコンからメールが届いた。正確には、付き人というか、マネージャーというか、そういうことをやっているエドガールからだった。 Aprececiado Saito. で始まるメールには、運のないセサルは、体に肝炎が潜伏していた事。毎日に錠剤を服用し、インターフェロンの注射をする日としない日があり、今後1年間という長い間、非常に厳しい生活を強いられる事が書いてあった。

 モンチョリのHPに書いていなかったインターフェロンの治療のことがやはり書いてあった。セサルは、凄い道徳心と頑張りで1回の治療に臨み、終わると元気になるそうだ。

 僕のメールに対してエドガールがセサルに報告し、セサルからは、僕の心配に感謝して愛情のこもった挨拶をするようにエドガールに頼んだそうだ。最後は、Saito esperamos que todo te vaya bien, te deseamos mucha suerte.Un abrazo で終わっていた。

 メールを読んでいて涙が出てきた。セサルは真面目なので忍耐強く治療に当たれるだろう。心配は消えないが何とかなりそうな気がしてきた。

 オリンピックのサッカーはひどい試合だった。中田は殆ど機能していなかった。良かったのは1点目の時くらいだ。後は、トラップも悪いし、パスは最悪だった。イエロー・カードを貰ったのでブラジル戦には、森岡と共に出場できない。でも、かえって良いのかも知れない。バックスのセンターには松田か宮本が入ればいいし、中田に代わって誰を出すにせよ新しい攻撃パターンを試せるので寧ろ良いかも知れない。

 バックスはフラットスリーがしっかりするような気がする。攻撃はワントップにするにしろツートップのままにしろ上手く行く機能すると思う。中村がパスを配球することになるだろうが決定的な場面で決めれれば勝てるだろうが、今までのようだと危ない。フォワードとバックスは依然として駄目だ。中田に至っては最悪だ。でも、これでも勝つんだから強いのかも知れない。

 15日の結果。 サラマンカ。ホセリート、耳1枚。ビクトル・プエルト、耳2枚。プエルタ・グランデ。ファン・ディエゴ、耳1枚。 バジャドリード。クーロ・バスケス、耳なし。ポンセ、耳2枚。プエルタ・グランデ。ルギジャーノ、耳1枚、場内一周。 ニーム。アベジャン、ファン・バウティスタ、耳なし。セバスティアン・カステージャ、耳1枚。 モストレス。ソトルコ、耳2枚。プエルタ・グランデ。ボテ、耳なし。エスコリアル、耳2枚。プエルタ・グランデ。 グアダラハラ。オルドニェス、耳なし。エル・カリファ、場内一周、耳1枚。エル・フリ、耳1枚と場内二周。 フエンラブラダ。エル・フンディ、耳1枚、耳2枚。プエルタ・グランデ。ミゲル・ロドリゲス、耳2枚。エル・ファンディ、耳1枚、耳2枚。プエルタ・グランデ。 ピエドラブエナ。エスプラ、タト、耳なし。フェレーラ、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。プエルタ・グランデ。 ビジャカリジョ。ペピン・リリア、エウヘニオ、ダビ・ビラリニョ、耳なし。

 アルバセーテのマヌエル・カバジェーロのウニコ・エスパーダは耳5枚取ってプエルタ・グランデした。ヘスリンが地元ウブリケの、満員の観衆の前で耳3枚を取って復帰戦をプエルタ・グランデで飾った。17日、ロルカでの闘牛はモランテに代わってエル・カリファが出場する。

 16日の結果。 アルバセーテ。カバジェーロのウニコ・エスパーダ。耳1枚が3回、耳2枚。プエルタ・グランデ。 サラマンカ。マノ・ア・マノ。アベジャン、エル・フリ、耳1枚。 バジャドリード。ホセリート、耳1枚。オルドニェス、耳なし。ホセ・トマス、耳1枚。 ニーム。フェルナンド・メカ、耳1枚が3回。剣刺しで角傷を受ける。パディージャ、耳2枚。プエルタ・グランデ。フェレーラ、耳2枚。怪我で1頭しか出来なかった。

 ウブリケ。フェルナンド・セペダ、耳1枚。ヘスリン、耳1枚、耳2枚。プエルタ・グランデ。ビクトル・ハネイロ、耳2枚。プエルタ・グランデ。 グアダラハラ。クーロ・バスケス、ポンセ、耳なし。ルギジャーノ、耳1枚。 アルドバル・デル・カンポ。ペピン・リリア、耳2枚。プエルタ・グランデ。ビクトル・プエルト、耳1枚。ファン・バウティスタ、耳なし。 アランダ・デ・ドゥエロ。ファン・モラ、耳なし。エル・カリファ、耳2枚。プエルタ・グランデ。騎馬闘牛士、パブロ・エルモソ・デ・メンドーサ、耳1枚。 バルガス。エスプラ、耳1枚。ホセ・イグナシオ・ラモス、場内一周。エル・ファンディ、場内一周、耳1枚。 カダルソ・デ・ロス・ビドゥリオス。タト、耳1枚。マリアノ・ヒメネス、耳2枚、耳1枚。プエルタ・グランデ。ヘスス・ミジャン、耳2枚。プエルタ・グランデ。 カスカンテ。ルイス・デ・パウロバ、耳1枚。マヌエル・ベハラノ、耳1枚。セバスティアン・カステージャ、耳3枚。プエルタ・グランデ。 カサルビオス・デル・モンテ。エル・フンディ、耳1枚。ミゲル・ロドリゲス、耳1枚が2回。プエルタ・グランデ。ロドルフォ・ヌニョス、耳 1枚。


 9月18日(月)

 オリンピックのインタビュアーは一体何なんだろう。彼等は選手にプレッシャーを掛けるためにインタビューをしているようだ。あるいは、自分達が言葉で応援しているつもりらしいが、選手を心配したり、いたわったり、しているわけではない。本当にその選手を思っているのなら余計なことは言わないはずなのに、まぁ、よく言いたい放題のことを言う。おまけに選手に対しての尊敬心がない。まるで、自分達の方が上の人間のような口の利き方だ。マスコミは何様だと思っているんだ!

 その中で銀メダルを取った女子柔道の選手は、精一杯やったのだから悔いはありません、と言っていた。非道いインタビュアーを相手にしても、選手の方がよっぽど大人だ。この国はこうなのだからと諦めているのかも知れないが。

 17日、グアダラハラにはホセリート、ホセ・トマス、ミゲル・アベジャンが現れず、代わって、フラスクエロ、ハビエル・バスケス、エル・レンコが出場した。ちゃんと訳してないが、どうやら、予定していたハンディージャ牧場の牛が3頭しか出なくなったために、これを拒否した模様。

 17日の結果。 アルバセーテ。ポンセ、耳なし。マヌエル・アマドール、耳2枚。プエルタ・グランデ。エル・フリ、耳1枚。 バルセロナ。マノロ・サンチェス、ダビ・ヒル、エル・シド、耳なし。 サラマンカ。クーロ・バスケス、アンドレス・サンチェス、エウヘニオ、耳なし。 アルモドバル・デル・カンポ。フェルナンド・セペダ、モレノ、レイナ・リンコン、耳なし。 ベアス・デ・サグラ。ビクトル・プエルト、耳1枚、耳2枚と尻尾1つ。プエルタ・グランデ。カナレス・リベラ、耳2枚が2回。プエルタ・グランデ。エル・ファンディ、耳2枚と尻尾1つ、耳1枚。プエルタ・グランデ。 フエンラブラダ。エスプラ、耳1枚、耳2枚。プエルタ・グランデ。エル・ハビ、耳2枚。プエルタ・グランデ。ミウラ、耳2枚、耳1枚。プエルタ・グランデ。 フエンサリダ。ファン・クエジャール、耳2枚。プエルタ・グランデ。ビセンテ・ベハラノ、耳なし。アルベルト・ラミレス、耳2枚。プエルタ・グランデ。 グアダラハラ。フラスクエロ、場内一周、耳1枚。ハビエル・バスケス、耳1枚。エル・レンコ、耳2枚。プエルタ・グランデ。 ロルカ。ペピン・ヒメネス、場内一周。オ ルドニェス、口笛2回。エル・カリファ、場内一周。 マハダオンダ。エル・フンディ、耳2枚。プエルタ・グランデ。ボテ、耳なし。エスコリアル、耳2枚が2回。プエルタ・グランデ。 ナバス・デ・ラ・アスンシオン。ファン・モラ、耳1枚。ルギジャーノ、耳1枚、耳2枚。プエルタ・グランデ。エミリオ・デ・フルトス、耳2枚が2回。プエルタ・グランデ。 サン・アグスティン・デ・グアダリス。ソトルコ、耳1枚。ウセダ・レアル、耳1枚が2回。プエルタ・グランデ。ヘスス・ミジャン、耳2枚、耳1枚。プエルタ・グランデ。 セビージャ・ラ・ヌエバ。エミリオ・ギジェン、耳2枚。マリアノ・ヒメネス、耳1枚、耳2枚。ロドルフォ・ヌニェス、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。三人ともプエルタ・グランデ。 ジェペス。イガレス、耳1枚。ホセ・イグナシオ・ラモス、耳なし。エンカボ、耳2枚。プエルタ・グランデ。


 9月19日(火)

 何だか解らない間に・・・。勝っちゃって、と言ったのは金メダルを取った滝本選手。上に上がったら頭が真っ白になって、と言ったのは初戦で負けた世界チャンピオン前田選手。勝っても負けても泣いていた。前田桂子さんは上がるんじゃないかなと思っていたがやっぱりそうなった。無念そうに、今にも泣き出しそうに退場していって姿が印象的だった。

 またホセ・トマスがやった。サラマンカで初めの牛で、テルシオ・デ・バラスで2回コヒーダされ、ピンチャソ4回。でアビソ。角度の浅い剣刺しで、2回目のアビソ。そのままデスカベジョをしないで3回目のアビソ。その後、アレナに残った牛にプンティージャ(短剣を刺す事)して物凄い罵声を浴びた。

 La Razonは、petardoと記し、モンチョリはHPでbronca monumentalと記した。非常に珍しいホセ・トマスのトゥレス・アビソ。うーん、観たかった。

 18日の結果。 サラマンカ。ポンセ、耳2枚。プエルタ・グランデ。ホセ・トマス、アビソ3回で罵声、耳1枚。ファン・ディエゴ、場内一周、耳1枚。 バルガス。ビクトル・プエルト、耳2枚が2回。コヒーダされ怪我。オルドニェス、耳1枚、耳2枚。プエルタ・グランデ。イグナシオ・ガリバイ、耳1枚、耳2枚。プエルタ・グランデ。 カソルラ。タト、耳2枚。アベジャン、耳2枚。エル・ファンディ、耳4枚。三人ともプエルタ・グランデ。 ビジャビシオサ・デ・オドン。ボテ、ウセダ・レアル、耳なし。ミウラ、耳1枚。


 9月20日(水)

 サンスポの3面の広告は、サッカーボールから赤い線が何本も描かれてマンガの台詞風の言葉がいくつも書いてあった。「仕事なんかやってられるか。」 「弾丸帰宅だ。」 「二度と奇跡なんて言わせない。」 「リベンジを返り打ちにしてやる。」 「2−0希望。」 「相手はかなりや。」 「ここで終わるかここから始まるか。」 などと書かれていた。日本対ブラジルのフジTVの広告だ。

 試合は0−1で負けたが後半は攻めまくっていた。中村、三浦、稲本などが良いところを見せたがやっぱり決定期に決めれなかった。スロバキアに救われた形だ。トルシエは、理論的に当然の結果。と言ったがスポーツは理論だけではどうにもならないものがある。でも、日本の今までのスポーツはあまりにも精神に頼りすぎてきたのでこの発言はある意味で納得しなければならないだろう。

 決勝トーナメントはアメリカ。勝ち進めば、スペインかイタリア。ブラジルも日本も決勝まで行けるかどうかは謎のままだ。

 昨日金メダルを取った滝本選手はJRAの職員らしい。馬券は買えないが金は稼げる仕事だ。

 本田技研のcivicのCMに使われている歌は、エミルー・ハリスが歌っているように僕には聞こえる。

 今度はホセ・トマスが怪我をした。手を怪我したのと、右太股10cmの角傷、外転筋挫傷。重症ではない。マドリードでは、エル・シドが、重傷を負った。右太股20cmの角傷、外転筋をずたずたに引き裂き、大腿骨挫傷。ミゲル・マルティンがプエルタ・グランデした。

 19日の結果。サラマンカ。カバジェーロ、耳1枚が3回。プエルタ・グランデ。ホセ・トマス、耳1枚。エル・フリ、耳2枚。プエルタ・グランデ。 マドリード、ディナスティア、耳要求で場内一周。ミゲル・マルティン、耳2枚。プエルタ・グランデ。エル・シド、耳1枚。


 9月21日(木)

 昨日の試合は予選リーグで1番良い試合だったと思っていたが、サッカー解説をしていたほぼ全員が最悪の試合と言っていた。でも、今日の新聞の中村のコメントは僕と同じだった。

 井上康生が亡き母に捧げる金メダルを取った。スポーツ選手は家族を大切にする。これは現実的に本来正しい。これをダサイというのは間違った認識だ。父親が、「典型的な母親っ子」と言う。これをマザコンと言うのも間違いだ。哺乳類の特性は母親と強く結びつきたいという本能があるからだ。幸せな家族。これが1番じゃないか。

 勝ってガッツポーズをして雄叫びをした。表彰式でもさわやかな笑顔が印象に残った。

 田中雅美は世界ランク1位だったがメダルには届かなかった。「ホントに厳しいレールでした」と言っていた。メダルだけが価値のあるものではない。体調が悪い中で精一杯やった、と言っていた彼女はこれから人間的に素晴らしくなって行くんじゃないかと思う。

 ホセ・トマスはサラマンカでの怪我で今シーズンの闘牛を打ち切った。


 9月22日(金)

 日中はまだ暑いが日が暮れると大分涼しくなった。

 ヨーロッパ中央銀行、日銀、アメリカ、3者によるユーロ下落に歯止めを掛けるための協調介入が行われた。ユーロは、市場で値上がりしている。対円で94円まで上がった。

 柔道の篠原選手の判定を巡ってもめたが優勝はフランスの人のドゥイエだった。これはルール上そうなるべくしてなったもので現状のルールではどうしようもないことだ。篠原選手は世界選手権でも誤審で金メダルを逃しているようだが日本柔道界は何故その時に改善提案を出し誤審を少なくするルールを改善修正出来ていなかったのだろうか?

 これは、選手の問題ではなく柔道競技、協会の問題だ。犠牲者は選手だ。審判員の担当の分担やそれを補佐する副審の権限の問題、審判員を管理し公正な判定を下すシステムが、何故今までなかったのか、その事の方が問題だ。NHK有働アナは涙ながらにコメントを読んでいたが、あれは女だからだろう。多分明日の新聞にはその事などが書かれるだろうが感傷に浸ってもしょうがないことだ。

 タイムを争う競技と違って柔道やサッカーなどの球技は対人の競技で誤審はなくそうと思ってもなくならないものだ。野球でも審判の判定は誤審だらけだ。野球を観ている人はそんなこと判ってみているし、サッカーだって同じだ。日本のプロ野球はあまりにも誤審が多すぎるのでファンが嫌気を抱いているし、これがプロ野球離れに繋がっている部分があると思う。

 サッカーは、外国から優秀な審判員をリーグ審判員をして1年単位で契約してなんとか審判員のレベルを上げることに努めてきている。大分良くなってきていると思う。が、選手が世界レベルになっても未だ、審判の技術がそれに追いついていないのが現状だろう。

 競馬のようにタイムを争うスポーツでも斜行やラフプレーに対する制裁は、パトロールビデオなどの放映でかなりクリアーになってきた。昨日のオリンピック、ケイリンで神山が斜行の裁定に泣いていたがこういうのも世界大会では日本の競輪と違う部分は何処なのか、しっかり確認していなかったことも残念な判定を受けることになったのだと思う。

 山下総監督が審判団に詰め寄って、審判長と話したが判定は覆らない。これは当然だと思う。ルールがそうなっているからだ。審判長はフェアーだった。あの誤審を覆したらもっと大問題だ。今後、この様な誤審が繰り返されないためにはどうしたらいいかと言うことを、真剣に話し合い改善されることを望む。こういう問題は当事者であればあるほど感情的にならない方が良い。

 何故なら問題点があったらそれを解決に導くためのことを考えなければ、今日の解説者のように不満しか口にしなくなる。それじゃ子供の喧嘩にしかならないのだ。日本人が国と国との交渉が下手なことや他人との関係を上手く保てないのは伝統かも知れないが、それは、気持ちが子供だからだ。もっと現実的な対応をしていくのが重要だ。

 今僕たちに出来ることがあるとすれば銀メダルを取った篠原選手を称えることくらいだろう。君は良くやった、腐るなよ、と。

 努力して報われるのも人生。努力して報われないのも人生。人生はそれぞれの人間のそれぞれの局面にその人間を試すために試練を与える。それを消化できない人間には不幸な人生が待っている。それを消化できる人間には幸福な人生が待っている。と、僕は思いたい。

 22日のタラベラにはホセ・トマスに代わって、クーロ・バスケスが、24日のバルセロナには、ホセ・トマスに代わってホセリートが出場することが決まった。24日のホセリートはファンが納得するだろうが、22日のクーロ・バスケスは、首を傾げる。ログローニョには誰が出るのだろう。興行主は代わりを捜すのは非常に難しいと言っている。

 21日の結果。 ログローニョ。タト、ペピン・リリア、耳なし。パディージャ、耳2枚。プエルタ・グランデ。牛、場内一周。 サラマンカ。騎馬闘牛士、パブロ・エルモソ・デ・メンドーサ、耳なし。ルイ・ベント・バスケス、耳1枚、場内一周。 ポソブランコ。ポンセ、耳なし。ビクトル・プエルト、耳1枚、耳2枚。プエルタ・グランデ。ミウラ、耳2枚。プエルタ・グランデ。


 9月24日(日)

 PKになったときに中田が外すんじゃないかと思っていたがその通りになった。僕はずっと中田に対して良いコメントを書いてこなかったが最後まで彼は彼らしくなかった。今日のゲームの組立も殆ど中村がやっていた。中田は世界最高峰のセリエAでやって来ているのにその力量を殆ど発揮することなくオリンピックを終えた。

 非常に残念なことだが体調が悪かったとしか思えない不調降りだ。中村だけじゃチームはどうにもならない。中田が調子よかったら決勝まで行けただろう。この試合、後半終了間際のPKを取られて所を審判のせいにする人がいるだろうがそれは間違いだと思う。あの審判は再三再四日本に不利な判定をしてきたのでああいう時間帯にああいうことをしたこと自体が駄目なのだ。

 それよりも決定的場面で外し続けた選手達に問題がある。中田、高原、稲本などが良いパスを貰いながらフリーで得点を上げれなかったことが今までと同じで、最後まで何も変わらなかった。シュートは枠に飛ばせよ。アエラの電車中吊り広告に、私達 ハラハラしトルシエ って書いてあった。サッカーは最後までハラハラだった。1点差勝ちだけじゃなくもっと得点を入れて良い試合があったが、あそこで点を入れれるか入れれないかが勝敗を分けた。これが日本の最大の課題だ。

 昨日は眠くなって寝てしまったが今日は朝早くから起きてマラソン中継を観た。高橋尚子は完璧なレース運びでリディア・シモンを押さえオリンピックレコードで優勝した。恐らく日本中が歓喜に包まれていることだろう。ゴールで両腕を上げた時に腕の内側にユニホームで擦れた擦り傷が見えた。

 前半で世界記録保持者ロルーペが脱落するスローペースで18km地点で市橋に水を手渡すと1回目のスパートを掛けた。付いてきたのは市橋とシモン。27kmアンザック・ブリッジの上り坂で市橋が脱落し、35km前でサングラスを投げた直後に2度目のスパートを掛け突き放した。解説をやっていた増田明美は、「登りで離して、下りでスピードを上げる。上手いレース運びですね。」と言っていた。後から判ったことだがロルーペは朝食後、レース前2回、レース後と吐いていたという。真面目な選手で期待に応えようとプレッシャーがあったようだと、増田明美が言っていた。

 30秒近く離していたシモンが競技場で8秒差まで詰めたのには驚いた。やっぱりシモンも凄いよな。有森のような根性、執念の選手だ。それとも名前がリディアだから闘牛の牛のようなのか。 タンポポの 綿毛のように 旅に出る と、高橋は歌ったそうだが、軽やかな足取りだった。ウイニングランで泣いていたときの顔は美しかった。あれは女が行ったときの顔だ。おめでとう。感動してしまった。日々の真面目な努力は報われた。幸せな選手だ。

 「みなさんの声援のお陰で、42.195km楽しんで走ることが出来ました。ありがとう御座いました。」凄い選手は最後まで立派だ。走り方はシモンや山口の方が好きだが、あのピッチ走法で脇を開かずに走る独特のスタイルは肉体に合った走り方。苦しい練習でも好きなことをやっているのだから「楽しくなきゃ」って言うのが彼女に考え方だ。自分の力と言うより、監督、コーチなどのスタッフがいたから金メダルを取れた、と言っていたのが印象に残った。どんな素晴らしい選手でも一人だけじゃ何もできないのだ。感謝の気持ちを忘れない彼女は本当に素晴らしい。

 競馬も来週から秋のG1が始まる。引退を表明した的場がオールカマーでメイショウドトウに乗って優勝。天皇賞への切符を掴んだ。2着は岡部のサクラミキオー。絶妙の逃げだった。ベテランの馬場と展開を読んだ逃げが波乱を呼んだ。西、阪神の神戸新聞杯は、ダービー馬、皐月賞馬を従えて、フサイチソニック、四位騎手が勝った。アグネスフライトはパドックでは良くなかったがレースはまあまあだが、エアシャカールは刺さって直線追えなかった。タズナを引いて口向きを直す武豊苦労の騎乗。本番の菊花賞は混戦の模様を呈してきた。

 22日の結果。 ログローニョ。ビクトル・プエルト、アベジャン、耳なし。エル・フリ、耳1枚。 タラベラ・デ・ラ・レイナ。クーロ・バスケス、耳1枚。ホセリート、耳2枚。プエルタ・グランデ。ポンセ、耳2枚。プエルタ・グランデ。

 23日の結果。 セビージャ。ぺぺ・ルイス・バスケス、フェルナンド・セペダ、ファン・バウティスタ、耳なし。 ログローニョ。ホセ・トマスに代わって、ボテ、耳なし。カバジェーロ、アベジャン、耳なし。 タラベラ・デ・ラ・レイナ。タト、パディージャ、耳なし。ヘスス・ミジャン、耳2枚。プエルタ・グランデ。 ロルカ。ホセリート、耳なし。ペピン・リリア、耳1枚ともう1枚要求。エル・フリ、耳1枚が2回。プエルタ・グランデ。


 9月26日(火)

 朝晩は大分寒くなってきた。長袖が必要になってきた。TORNという日本人が作ったコンピューターソフトがあるのだそうだが、日本の家電製品の5割に使われているという。その普及のためにトロン協会と言うのを作って会合を開いている。これは、文字情報に優れていて、相互交換が簡単に出来るようだ。ただ、コンピューターの付属ソフトとして使われているわけではない。

 日本女子ソフトボールは無情の雨に泣く。4回、宇津木麗花の先制ホームランで始まったが、追加点を入れれず、5回、タイムリーを打たれ同点にされた。延長8回裏雨が降り1アウト1,2塁からレフトフライを落球し、サヨナラ負けをした。しかし、予選リーグ全勝1位で勝ち進み準決勝も地元オーストラリアに勝ち、今日の決勝は、予選4位のアメリカに惜敗した。

 アメリカはオリンピックで日本に負けるまで112連勝をしていたチームだ。予選で日本に連勝を止められたときアメリカの監督は、「信じられないことが起こるものだ」と、言っていた。

 日本に負けた後遺症で3連敗したがそこはアメリカ。予選4位から、4位決定戦、3位決定戦を勝ちあがり決勝に進出してきた。何故8回裏になって急に雨が降ってきたのか。高山投手は指先が雨によって滑ってコントロールを乱しランナーを出した。珊瑚のレフトフライも滑って転んでいた。ついていなかった。でも充分興奮したし、ソフトボールの面白さを楽しんだ。宇津木監督が作ったチームは最高のチームだった。アメリカに2回勝つことは難しいよ。メダル受賞後、宇津木監督の胴上げがあった。監督は泣いていた。

 24日の結果。 バルセロナ。ホセリート、ポンセ、耳1枚。エル・フリ、場内一周、耳1枚。 ログローニョ。エル・カリファ、エウヘニオ、耳なし。ディエゴ・ウルディレス、耳2枚。プエルタ・グランデ。 セビージャ。ファン・モラ、耳なし。ビクトル・プエルト、耳2枚。ミウラ、耳なし。 ベナルマデナ。アントニオ・オルテガ、耳1枚、耳2枚。プエルタ・グランデ。オットー・ロドリゲス、耳1枚。 フレヘナル・デ・・ラ・シエラ。タト、耳なし。モレノ、耳2枚。プエルタ・グランデ。ビクトル・ハネイロ、耳2枚。プエルタ・グランデ。 ラス・ベンタス・コン・ペーニャ・アギレラ。イガレス、ロペス・チャベス、ミゲル・アンヘル、三人とも耳1枚。 ロルカ。エスプラ、耳1枚。ペピン・ヒメネス、耳2枚。プエルタ・グランデ。モリタ、耳1枚。 ムネラ。カナレス・リベラ、耳なし。ホセ・アントニオ・イニエスタ、耳1枚。エル・レンコ、耳なし。 オビエド。エル・フンディ、耳1枚。ルギジャーノ、耳なし。カバジェーロ、耳1枚。

 25日の結果。 ログローニョ。ファン・モラ、ホセリート、耳なし。2人の退場時に座布団の雨が降る。ウセダ・レアル、耳なし。 ベラ。タト、耳1枚。ビクトル・プエルト、耳1枚、耳2枚。プエルタ・グランデ。ミウラ、耳1枚が2回。プエルタ・グランデ


 9月27日(水)

 本当に寒くなった。寒すぎて風邪をひきそうだ。長袖でも夜は寒い。そろそろ衣替えが必要だ。

 26日の結果。 ログローニョ。ホセリート、耳なし。パディージャ、耳2枚。プエルタ・グランデ。ディエゴ・ウルディレス、場内一周。


 9月28日(木)

 シンクロも団体新体操もなかなか素晴らしい。演技だけではなく使われている音楽が日本をアピールしている。日本は芸術の分野では世界的に観て特異な存在だ。こうやってオリンピックで改めて聴かされるとそう思う。だが、日本の芸術の現状は果たしてそうだろうかと言うことも同時に考えてしまう。

 「レース前は怖くはない。緊張はするけど。負けるのは怖いことではない。レースは次ぎもあるのだから。充分な戦略を立ててレースを走れば結果は付いてくるものだ。」400m金メダリストマイケル・ジョンソンの言葉だ。これだけ勝ち続けているのに負けるのは怖いことではないと言うのが凄い。超1流の言葉だ。

 野球は何しにオリンピックに行って来たのだろう。それは負けるためだ。弱い、弱すぎる。松坂がいくら三振を取っても勝てなきゃ1面に書くなよ。結局勝てそうになかったので1度も観なかった。勝てるという雰囲気が全然なかった。まるで阪神じゃないか。それで飯食ってるんなら魅せろよな。

 明日からフェリア・デ・オトーニョが始まる。去年のサン・イシドロにエル・カリファの観戦記に、やる気だけでどれだけ続けられるか、彼も消えていく闘牛士の一人だろう。と、書いていたが、今年のサン・イシドロで耳2枚。本当に感動的なファエナだった。俺のコメントも当てにならない。でも、闘牛観戦記はその時、観たまま感じたことをそのまま書いている。

 後から読むと自分でも笑ってしまうことが書いているが、それは、その時の事実だ。だからそれはそれで良いのだ。闘牛はそういうものなのだから。

 27日の結果。 アバラン。ポンセ、ペピン・リリア、耳1枚。ビクトル・プエルト、耳2枚。プエルタ・グランデ。


 9月29日(金)

 本当に寒くなった。長袖でも肌寒い。体の節々が痛い。ゾクゾクする。風邪引いたかな。これで体が怠くなるとやばい。飯が不味くなるし腹の具合も何か変だ。

 オリンピックも終盤。シンクロは素晴らしい演技で銀メダル。こういうのは順位をつけなきゃ駄目なので技術点、芸術点、と得点をつけている。入試でテストをするのと同じ。日本は出きることをやった。銀だったがそれはそれ。

 日弁連が少年法の改正に反対している。理由は、「強制的な教育でしか更正はあり得ない。」と言うのものだ。教育を強制的にして更正など出来ないと思うのだが。生きる希望がない人間に教えていくことは非常に難しい。14歳以上の人間には極刑が適用された方が犯罪は少なくなると思う。

 犯罪者の人権が現行法では保護されているが、被害者やその家族の人権はもっと保護されるべきだろう。また、何故この様な事件に巻き込まれたのかという裁判の傍聴も許されていない現状では残された家族はどうやって立ち直っていったらいいのか判らないだろう。

 アメリカでは、殺人者と遺族を対話させるシステムがある。およそ1年ぐらい掛けて犯罪者と遺族への裁判所の係りの人がそれぞれの気持ちなどを聞き出したり相手への感情などを確かめて会わせる。殆どの場合は、犯罪者は更生を誓い、遺族への謝罪をする。遺族は、犯した犯罪は忘れることは出来ないがあなたを許す。と言うことになるらしい。

 人を癒すとは、こういうことなのではないか。犯罪者と遺族が会うときはお互いに感情が高ぶり最後に抱き合うときはお互いに号泣していた。

 恐らく日本ではこんな事は出来ないだろう。この間、TVで妻を殺された弁護士が、「仇討ちを禁止されている現行法では、法律が仇討ちの代わりをしてくれないのであれば被害者の家族はやりきれない」と、言っていた。

 この国には、相手を許すという感覚が不足している。恨みだけで生きていくのは不健康な人生だ。これも事実を隠そうとする日本人の曖昧さがあるからだろう。

 スプリンターズ・ステークスの枠順が発表された。後は天気と馬場。土曜日のレース結果を見てから予想を詰めよう。


 9月30日(土)

 未だ体の調子が悪い。腹の具合がどうもおかしい。NHK教育TVで面白い番組をやっていた。それは、ミシュランの三ツ星レストランを経営する人の話だった。何回かのシリーズでやるので土曜日の20:00〜20:45を観て欲しい。味覚を極める話だ。

 今日ラス・ベンタス闘牛場でエル・カリファとミゲル・アベジャンのマノ・ア・マノ。期待が高まる一戦だ。

 29日の結果。 フェリア・デ・オトーニョが開幕した。初日はノビジェーロで何もなかった。


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