断腸亭日常日記 その3

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

太い斜字で書いてある所は99年のスペイン滞在日記です。

99年1月13日〜2月16日 2月19日〜4月14日 4月15日〜5月11日 5月12日〜6月4日
6月7日〜6月10日

 99年6月13日(日)

 12日の朝8時に、無事成田到着。スーツケースを送って貰おうと、宅配サービスの受付に行くと台座の所が壊れていた。航空会社の受付に行き、苦情を言う。5年以上たったものについては減価償却と見なし治すことは出来ないとのこと。しかし、バラッハス空港で預かり荷物超過料金を払ったのだから直して欲しいと言って交渉した。

 代理人では、らちが行かないので航空会社の人を呼んで貰うことにした。タバコが吸いたいので外で待つ。もう12時間以上も吸っていない。11日マドリードを出たのは7時15分頃。寝ないでやっていた作業は闘牛の写真をパソコンへの取り込み。取り込み機材とパソコンの相性が悪いのかなかなか作業がはかどらない。時間だけが過ぎていった。

 7時前に取り込み作業を諦め荷物の最終チェック。取り込み作業中断時に荷物を少しずつまとめていった。中崎君に手伝って貰ってタクシー乗り場へ。バラッハスのカウンターで荷物超過9kgを言われる。48100ptsを払った。痛い出費。

 12時間ぶりのタバコは体に効いた。TELをして、東京闘牛の会の足立さんに今日の月報の事などを聞く。16時にTELで、起こして貰うように頼む。この時は家に帰ったら寝ると思っていたからだ。スーツケースの台座は結局直して貰うことになった。

 家に着いて寝ようと思ったが寝れなかった。闘牛の会で報告するサン・イシドロのビデオを観てたら競馬中継を見る気もなくなった。そして、闘牛の会での報告。今年の主なコヒーダを始めに流し、ホセ・ルイス・ボテ、ペピン・リリア、ホセ・トマス、ファン・バウティスタのビデオを流す。

 アントニオはボテのビデオを観て涙を流していた。1番評判が良かったのはホセ・トマス。当然だ。ファン・バウティスタのプエルタ・グランデにも反応が大きかった。今回もこのHPを見てフラメンコのダンサーの人が来た。5月に、定例会で報告した石井さんも元気だった。会が終わった後に牛の話を色々したが、石井さんの話は非常に面白い。牛のビデオを見せたいなと思っている。

 松田君、上田さんも久しぶりに来ていた。荻内さんは体調が良くないようだった。が、今日の僕の話を、肩の力が抜けて良かった、と言っていた。でも、これは時差ボケで元気がないだけなのだ。林さんや片山さんも。片山さんは来月定例会報告をする。足立さんは7月から9月までスペインに行くそうだ。仕事があるという。8,9月は色々回れるらしい。

 荻内、林、片山の3人の大学教授は夏休みにはスペイン、フランスに行って闘牛を観てくるだろう。始まる前に井戸さん、小林さんと会う。井戸さんは、スペインに行っていたが帰ってきてからまだ、時差ボケが抜けないようで0時過ぎると眠くなると言っていた。小林さんは、7月にパンプローナのサン・フェルミン祭に行く。カルテルを教えた。

 今日は安田記念。東京競馬場に行こうと思っていたが、時差ボケで昼寝をしてしまってTV観戦。まさか、グラスワンダーが負けるとは思わなかった。日本に帰って来て、阪神タイガースが1位になっている。選手はやる気になっている。ファンはその気になっている。やることを淡々とやっているのは監督の野村。チームのことは彼が1番知っているだろう。彼が思っているのは基本線をしっかりし、細部を一つ一つ確かにしていくこと。

 TVで、小野田寛郎さんの事をやっていた。彼がルバング島のジャングルで過ごした30年間は生と死の狭間で、真剣に生きることに向き合っていた時間だ。それはフィリピン軍兵と生死を賭けた戦いの中で過ごした日々。ジャングルから戻ってきた小野田さんは、生まれたときから平和があってその中で生きてきた今の日本人には、生きることの真剣さがない。と言うようなことを言っていた。

 スペインで闘牛を観て帰ってくると、僕はいつも小野田さんが言っていたと同じ事を思うのだ。だから小野田さんの言葉は今の気持ちにぴったりだ。真剣に生きようと思えば、死と言うことを考えずには生きれない。闘牛の原点はそこにあるのだ。何故闘牛士は牛の前に立つのか。何故、僕らはそれを観て感動するのか。それは生と死を真剣に理屈抜きに感じることが出来るからだ。闘牛はそういうものだと思う。

 明日は会社に行って来る。


 6月15日(月)

 日曜日のTVに、演出家の蜷川幸雄が出てコミュニケーションの問題について話していた。シェークスピアの演出で海外でも有名になったが元は小劇場で清水邦夫と一緒に、緑魔子、石橋蓮司、などを演出していた。蜷川幸雄曰く、最近の若い役者は、モノローグは上手いが、絡ませると下手だ。と、。ここで言うモノローグとは、1人芝居のこと。絡ませると下手というのは、相手がいて会話のやり取りをするととたんに聞いてられなくなる。

 そんなことを言っていた。さらに、失敗を恐れてか当たり前にしか役を演じられない。人間関係は、傷つき傷つけ合う事によって、それぞれが成長し物事を深く理解していくものなのに、それを恐れているから役者としての質も以前に比べると落ちてきている。

 その番組に出ていた視聴者代表の男女大学生が、「やはり、自分が傷つきたくないからあまり他人と深く付き合わない」と言ったり、「親友というのは、一緒にいて楽しい人」とか、「親友でも悩みを相談したりする人はなかなかいない」とか、今風の大学生気質を語っていた。

 その中で1人の女子大生が、「私達は他人とコミュニケーションを取るのが確かに下手かも知れませんが、でも昔の人達はコミュニケーションを取るのが本当に上手いんでしょうか」と、言う発言は確かにその通りだと僕は思った。が、広く浅くのプリクラ交換的な友達付き合いは、所詮、傷つけたくない、傷つきたくないの延長線でしかないと思う。

 それに比べれば、蜷川幸雄が言うように確かに深い人間関係があったと思う。大体、傷つきたくない、傷つけたくない何て、人生を舐めている証拠だと僕は思う。人間、傷つかなかったらどうやって成長していくのだ。現実に直面したときに真剣になれるんじゃないのかな。

 僕は、プリクラ交換的な友達付き合いは、現実逃避ないし、時間のばしだと思う。でも、あの女子大生が言うように、「昔の人達はコミュニケーションを取るのが本当に上手いんでしょうか」と言う疑問は当たっていると思う。何故ならそういう親に育てられてきたからこそ、もっとコミュニケーションの取り方が下手なんじゃないかな。僕も含めて他人とのコミュニケーションを取るのは難しい。

 コミュニケーションの基本は、哺乳類の場合は、母と子。全てはここから始まる。これが上手く行かないとコミュニケーションの取り方その物が下手になる。大学生や若い世代がだけが、コミュニケーションの取り方が下手なのじゃない。古い世代もまた同じだ。ただ古い世代は、現実を経験してきた柔軟さがある。その中で人間関係の深さも当然知っている。

 重要なのは現実。日本に帰ってきて僕にも現実が待っている。スペインに行って改めて思った。スペイン語をちゃんと勉強しなきゃと。それと、仕事をして金を稼がないとなぁ。他にもやらなければならないことがある。それを少しずつやっていかないと。HPにばかり力を入れていられない。毎日の更新はスペインにいたときのようには出来ない。

 月に10回出きれば良い方だろう。このHPは結局の所、闘牛に興味がない人は来ても意味ない。興味がある人が来れば良い。HPのカウントも気にせずに自分の楽しみでやっていこうと思う。競馬空振り日記なんて誰も読んでないだろうし。これこそ自分の楽しみ、考え方の整理をHP上でやっているだけ。闘牛写真館もまたそう。少しずつ少しずつ・・・。

 現実は厳しい。傷つくもの。何も大学生に言うんじゃない。自分自身に言っている。もっとその事をはっきりしないと。競馬予想は、一つのファクターだけでやるものじゃない。データ、展開、血統、脚質、騎手、騎手と馬の相性、調子、調教、当日の馬体、など様々な要素が絡まって結論を出す。そうやって予想しても現実に傷つくのが俺の予想だ。

 「傷つくのが怖いから」と、おぼこの様な事を言ってたらまともに生きていけないのだ。「役者が絡みが下手なら良い芝居は出来ない」と、蜷川幸雄は言う。その通り。そんな芝居見たかない。そのせいじゃないけど最近、蜷川幸雄の芝居見てないな。彼の芝居だけじゃなく、芝居その物を見なくなった。

 明日から仕事。4時半起き。現実は厳しいのだ。


 6月16日(水)

 今日は暑かった。汗だくだ。どういう分けか行きに車で送って貰った。いつ眠くなるか判らない。時差ボケ。寝ても長く眠れない。初仕事なのに残業。帰ってきて思わず寝てしまった。そして今、頭がガンガンする。体調には気を付けよう。現実は厳しい。


 6月17日(木)

 今日も昨日に続いて残業。仕事は嫌いじゃないけど残業は嫌いだ。仕事だけで何もできなくなるじゃないか。大体まだスペインから帰ってきた荷物を整理してない。ビデオだってちゃんと整理しなきゃならないのに出来ないじゃないか。

 闘牛写真館の開設に付いて考えてから1ヶ月以上たったが、昨日ジオシティーに開設しようと思っていると知り合いに言ったら、「あそこは、重いから写真向きじゃないですよ」と、忠告された。頭の痛い問題だ。どうしようか。

 今日はマドリードで、ベネフィセンシアの闘牛がある。今頃セサルは、ホテルで着替えの準備を始める頃だ。今度こそ耳を取れるような気がする。闘牛が終わった後、ファン・カルロス国王に会見する。その時に笑顔のセサルでいれるように僕は願っている。!Que tenga mucha suerte!


 6月18日(金)

 何と凄いことなんだろう。17日昨日のベネフィセンシアで、ホセ・トマスがまたまたプエルタ・グランデをした。それも、初めの牛で剣刺しがバホナソなのに耳1枚取って、次の牛では耳2枚。あの怪我明けの6月1日は良いところを見せれなかったが、今回はきっちりプエルタ・グランデをした。それも耳3枚。13日のバルセロナでも耳4枚。

 兎に角物凄すぎる。呆れ返るほど凄い。でも当然と言えば当然だ。それだけの事をいつもやっているのだから。97年のサン・イシドロ祭で観てからと言うものホセ・トマスの凄さにタダならぬものを感じていたが、想像を絶する凄さだ。彼はスペイン闘牛士史上最高の闘牛士になったのかも知れない。最近の僕の感想はそれに尽きる。

 何日かするとスペインからビデオが送られて来るはずだ。それを観ればその事が明らかになる。

 昨日ネットサーフィンをやっていて、エル・フリのオリジナルHPを発見した。色々載ってるのでしばらく楽しめそうだ。闘牛の予定や結果なども出ているので活用できそうだ。


 6月19日(土)

 野球を観てたら寝てしまった。つまらない試合で観る気もしない。どっちが勝ったのかも知らなかったが、どうやらあっちが勝ったらしい。今日も雨で寒かった。明日も雨らしい。明日は競馬には行かないだろう。違うところに行って来るつもりだ。


 6月21日(月)

 どうやら今日はアーネスト・ヘミングウェイの生誕100年目らしい。

 昨日の闘牛の結果を見てガッカリした。セサルはベジエでマヌエル・カバジェーロとマノ・ア・マノで、耳を取れなかった。カバジェーロは耳2枚。セサルはもう終わったのか?詳しくは書いてないので判らないが。それに比べて、エル・フリは耳4枚。スゲー奴だ。

 昨日はダリ展に行くつもりだったが行かなかった。家でパソコンと戯れていた。闘牛写真館開設の為のHPを作ったり、開設する場所探しをしたりしていた。F-web や web-G などの無料でHPを開設できる所を調べたがどうも駄目だった。 F-web は、新規のHP開設は出来なかったし、 web-G は、更新が月1回、自分以外の写真は肖像権侵害に当たるので載せられない。

 結局、ジオシティーに登録した。が、ここに闘牛写真館を開設するかどうかはまだ判らない。残された方法は3つ。 biglobe にこのまま載せるか、ジオシティーに、載せるか、スペイン・ジャパン・コムにスペースを提供して貰うかだ。どうするかは、もう少し時間が掛かる。


 6月22日(火)

 ♪雨雨降れ降れ、母さんが蛇の目でお迎え嬉しいな、ピチピチ、チャプチャプ、ランランラン♪

 昔の童謡だ。今なら、「母さんは仕事が忙しいから、雨に濡れて帰って来なさい」とでも言われるのだろうか。今日東京は午後から雨が降った。♪母さんが蛇の目でお迎え嬉しいな♪と、歌った子供は、はたして東京には何人いたのだろう。

 去年の自殺者は3万人に達したのだそうだ。これは過去最高と言うこと。自殺を考えている人は、その何倍もあることだろう。それが今の日本なのだろうか。


 6月23日(水)

 今日は、スペインで泊めて貰っていた人の所に行ってきた。今、日本にいるからだ。行ったがどこかに行っていて居なかった。仕方がないのでスペインから持ってきたものをおいてきた。行く途中、ぴあを、見ていたら「アイ・ガット・マーマン」の広告が出ていた。作・演出・振付、宮本亜門。出演、諏訪マリー、田中利花、中島啓江。そう宮本亜門のデビュー作の何回目かの再演だ。

 始めて見たのは初演の時。昭和64年だからもう10年以上前だ。何故見に行ったかと言えば、諏訪マリーが出ていたからだ。昔NHKで「ステージ101」と、言う音楽番組があってそこに出ていたのが、諏訪マリーだった。彼女は歌もまあまあだが踊りが上手かった。彼女を見に行きたいと思ったのだ。

 「ステージ101」は、色々ヒット曲を出した歌手やグループを出したが、1番有名なのは、太田裕美だろう。でも僕が好きだったのは、諏訪マリーだった。そして彼女はやはり彼女だった。年は取っても彼女だった。確か3回ぐらい観たと思う。今回は行かない。7000円何て高い。あの頃は3000円くらいだったと思う。

 帰りに何気なしに入った本屋に半年以上捜していた本を見つけたので買ってきた。大和和紀の『あさきゆめみし』。つまり漫画の源氏物語だ。古本屋だったので全13巻で2457円。安い。漫画で源氏物語を勉強なんて赤瀬川原平みたいで良いじゃないか。

 ニュース・ステーションで、沖縄の特集をやっていた。始めに流れた曲は、佐渡山豊の沖縄弁の歌だった。久々に佐渡山の歌を聴いた。


 6月24日(木)

 仕事が終わった後に、大井競馬場に行って帝王賞に行こうと思っていたが、疲れたのでやめた。岩手の英雄、メイセイオペラは勝ったのだろうか。

 HPの更新は頻繁にやるつもりがないのに、新しいカルテルの発表が相次いでいる。全部書き込みたいが、時間の関係で1日で出来ないので、少しずつ書き込んで行くことにする。明日は、ウエルバ、ウエスカ、をカルテルに書き込もうと思う。


 6月25日(金)

 正しいことが現実に何にでも受け入れられるとは限らない。いくら正しくてもそれが拒否されることもあるのだ。

 エル・フリがまたプエルタ・グランデをした。ホセ・トマスと共にレオンにて。これで8回連続のプエルタ・グランデだ。一方アリカンテでは、エスパルタコが、インドゥルトをした。これまた凄い事だ。

 ニュースで、交通事故関連の事故死した家族の事をやっていた。7歳の一人娘を亡くした母親が、不起訴された加害者の運転手に対する警察の取り調べに対する疑問から、インター・ネットでHPを作って目撃者情報を求めたり、取り調べへの不信感を訴えたり、亡き娘への思いを語ったりしている。

 「本当に2人で暮らしてきたのでいなくなって、生きている意味がなくなりました。せっかく7年間育ててきたのに生きていく望みが無くなりました。」若き母親は泣いていた。現実は、楽しいことや面白いことだけじゃない。辛く、悲しく、厳しいものでもあるのだ。

 日常の中にある、『死』は、突然やってくるようでいても、直ぐ身近にある。この母親にとって理解とは、現実を知ることから始まる。それは、警察の対応や、加害者がどういう運転をしていたかと、いうところから。そしてそれから始めて、現実に娘が居なくなった事を受け入れられる。それがどんなに悲しい事実でも。

 雨は、空が悲しいから降るのではない。水蒸気が雲になって空に上り、核になる物質に水が付いて地上に降って来るのだ。雨が降らなければ土地には命が育たない。現実を受け入れ理解しなければ人間は成長することが出来ない。それがどんなに悲しいことでも。若い母親はHPを作ったりして自分の生き方を模索しているのだと思う。

 僕は、若い母親に拍手を送りたい。コヒーダされた闘牛士がまた牛に向かっていくときに観客が拍手するように。


 6月26日(土)

 昨日書くのを忘れていたけど、24日の大井競馬場であった、帝王賞で、メイセイオペラは、ほぼ持ったまんまで4馬身の圧勝をした。アブクマポーロが、いないなら当然だ。岩手の英雄は、やっぱり強かった。

 昨日のホセ・トマスは、牛が悪く耳なし。エル・フリは、耳3枚。


 6月27日(日)

 TVにノーベル賞作家大江健三郎が出ていた。オーム真理教の現在の活動について江川紹子がルポ、コメントをした後に出てきて、「魂というときに曖昧で具体的でないことの様に思われるとオーム真理教と同じ様に取られてしまいかねないのですが、僕は、魂を具体的に考えています。魂は、頭で考える。心で感じる。生き方の技術。この3つが合わさっている物が魂だ」と、大江健三郎はいう。

 オームの信者達がオームを離れても社会に帰って行く場所がない。その場所が必要だ。「魂のことをする場所。それが必要だ。僕は小説家だから小説を書くことが、魂のことをする場所で、読者に読んで参加して貰うことがその場所を固めていくこと。」

 オームや、少年犯罪を批判する人は沢山いる。でも彼等の居場所や帰っていく場所の事に付いて言明する人は少ない。そういう居場所が社会に少なくって来ていることが問題だ。その居場所がないと今までと同じでこの様な犯罪がなくならないだろうし、寧ろ増えていくことだろう。

 大江健三郎の言葉は僕の言葉とは違うが同じ事を考えているのだと思った。所で大江健三郎って知ってる。芥川賞を取った『飼育』は、病院の死体置き場の話。彼はデビューの時から、“死”について考えていた。“死”について考えることは“生”について考える事だ。これは僕が何回となく言っていること。

 大江健三郎が好き嫌いは、彼の文学や文体の問題なので色々あるだろうけど、是非読んで欲しい作家の1人だ。特に僕は初期の短編が好きだ。最新作 『宙返り 上・下』 は、オーム真理教が題材らしい。


 6月29日(火)

 午後になって痛くなった頭が帰ってきて猛烈に痛くなっている。スペインから送られてきた17日のビデオを見るが頭痛は治らず。


 6月30日(水)

 オラッオラッオラッー。全国的に雨っー。 漫画家の谷岡ヤスジも先日死んでしまった。

 昨日古本屋で1冊の本を買ってきた。 『昭和歌謡大全集』 ポケット版 成美堂出版。雨に濡れた帰りに読んでいたのでこんな歌の歌詞が目に留まった。

♪肩をぬらす 恋のしずく
 ぬれたままでいいの
 このまま歩きたい
 きっとからだの 中までしみるわ
 そしてあなたの あなたの言葉を
 忘れないように したいの

 頬をぬらす 恋のしずく
 あなたのせいなのよ
 私のためにだけ
 それは二人の 愛のしるしね
 だからやさしい やさしい心を
 じっとだきしめて いたいの

 髪をぬらす 恋のしずく
 やさしい手が触れると
 青空が見えるの
 そうよあなたは 太陽なのね
 だから私は 私はいつでも
 あなたを愛して いたいの♪

 作詞 安井かずみの、『恋のしずく』。歌は、伊東ゆかりが歌った。

 この歌の主人公は、女。あなたを愛していたいのと、言う。何故そういうかと言えば、あなたは太陽だからだ。だが判らないのは、肩を、頬を、髪をぬらす恋のしずくとは何なのか?頬をぬらすものは、直感的に“涙”だと思う。また、肩をぬらすものも、雨ではないかと思う。しかし、髪をぬらすものは、何なんだろうか?汗?

 でもそれはどうでも良いのだ。恋のしずくは具体的なものではなく抽象的なもの、恋の象徴と考えるべきなのだろう。大体女の言葉に具体性があるのは生活のレベルのおいてだし、それ以外は、感覚で言葉を使うのだ。それが悪いと言っているのじゃない。言葉とは、そもそも女のものなのだ。

 この歌は、女の決意を歌っている。 ぬれたままでいいの このまま歩きたい きっとからだの 中までしみるわ 一見投げやりとも思える言葉だが、その後に続く、 そしてあなたの あなたの言葉を 忘れないように したいの で女の決意を知る。女は決意を体に刻む。それを、忘れないようにするために。

 女の決意に艶を感じる。色っぽいとは言わない。だが、愛が解らず土地にしがみつくことしか出来なかった『風と共に去りぬ』の主人公の決意とは、この歌の決意の質は違うのだ。愛が判らない女は逞しく生きるしかない。『恋のしずく』は、いつでもあなたを愛していたい女の歌。

 オイラは、恋のしずくならぬ、雨の雫で昨日は体調不良だった。元気になって6月17日のベネフィセンシアの闘牛のビデオをじっくり見た。セサルは良くやっていた。あんな風の強い中でちゃんと牛を相手にしていた。アベジャンも良かった。でも、ホセ・トマスの魔力には敵わない。2回共剣はバホナソだったが、耳3枚。ナトゥラルはやはり凄いなぁ。


 7月1日(木)

 1年の半分が過ぎたことになる。TVを見ていたら、女性誌のカリスマとして、叶姉妹が紹介されていた。姉、叶恭子の崇拝者を取材して、美に対する追求降りを流していた。正直に言えば自分の顔や体型を考えて方がお金の無駄遣いをしなくてすむのにと思った。叶恭子は言う。「私は美にとって、気迫、気合いが最終的に大事だと思います。」

 日本は平和だ。確かに叶姉妹は綺麗だ。オッパイもでかい。でもそれがどうした。彼女の様になりたいと努力する。それをして成果を上げれる人はいるだろう。でも無駄な人も多いだろう。それより自分自身の事を考えた方が良いのではないのかな。自分に合ったやり方生き方があり、それを見つけ、その生き方を実践することに努力している人の方が僕は1番美しいと思うのだが。

 この番組を見ていたら、また頭が痛くなってきた。チャンネルを変えると「TVチャンピオン」をやっていた。今日は、少年漫画王決定戦。俺はこういう金にならないことにマニアックなれる馬鹿な奴の方が好きだ。

 去年の自殺者は前年より、8472人多い、32863人だと言う。この中で増加の特に多かったのは経済生活問題で40代から64歳までの自殺者だそうだ。これは、会社の倒産、リストラ、などのお金関係での自殺者だ。また、自殺未遂は自殺者の10倍と言うことだ。

 闘牛のビデオ編集をしている。今度の闘牛の会で使うものや、9月以降に使えそうなものを抜粋している。まだ自分で体温調整が出来ないようで調子が良くない。


 7月2日(金)

 闘牛写真館のコンテンツをようやく開いた。文章で書いても判らないことが、写真を見れば判る、そうなれば良いのだが。

 TVで、キック・ボクサー沢村忠の事をやっていた。真空飛び膝蹴りで、日本中を沸かせた最高のキック・ボクサー。突然失踪して引退。色々あっての事だった。しかし、幼い頃空手家の爺さんから言われた言葉を忠実に守る。「良いか、男は人のために尽くしても代償を求めてはならない」

 沢村忠は、今56歳。好きだった車の修理と販売を仕事にしている。そして、子供達に道場で空手を教えている。3人の子供はみんな成人して、幸福な生活を送っているようだ。今でもトレーニングは欠かさない。子供達に空手を教えているとき、手にグラブをしていた。良い顔をしていた。彼は自分の人生に一切の悔いを持っていなかった。素晴らしい人生だ。

 昨日ブルゴスで、またエル・フリがプエルタ・グランデをした。何故か、ホセ・トマスは出なかった。フリは闘牛場に出すぎの様な気がする。彼の才能が潰れなければ良いが。予定では7月8月で50回以上闘牛をやる予定だ。6月の初めに、『Aplausos』に、6月下旬にエル・フリのコンフィルマシオン・デ・アルテルナティーバがあると載っていたが、情勢はない。予定から見て出来ない。あるとすれば、フェリア・デ・オトニョか来年のサン・イシドロ祭になるのだろう。


 7月3日(土)

 ブルゴスでのポンセとフリのマノ・ア・マノは、ポンセが、インドゥルド、フリが耳3枚だった。ウィンブルドンで、グラフはリードされている。


 7月4日(日)

 新宿、歌舞伎町の夜に、“1分間殴り放題で1000円”の看板を出して立っている男がいる。元プロ・ボクサーで電気工事会社社長。人が良いのが玉に傷。借金1億5千万円を抱えて、この商売をやっているという。歌舞伎町の夜は、素人ばかりじゃない。その筋の人、プロ、ストリート・ファイター、サラリーマンなど、多種多様。

 夫が歌舞伎町で殴られている所を、妻が見る。妻は、自己破産申告の法的な手続き薦めるが、夫は「俺は逃げたくない」と、拒否する。妻は、「部屋代も3か月払ってない。子供だってこれからどうするの?あんたが、殴られてるの見るのは辛いわよ。こんなにまでしてお金を稼いで、家族のために頑張っているなって思うわよ」夫は、泣き出す。

 しかし、現実に払うべきお金がないのだ。「お金貸して下さい。首吊る手前ですよ。お願いします。」だが断られる。当然だろう。彼はまた、歌舞伎町に立つ。「殴られているときは、全てのことを忘れられる」と、彼は言う。肉体に刻まれる現実に対する彼の言葉だ。

 彼が殴られているシーンがTVに映る。殴っていた人が、「悔しい。もう少しだったのに」1分が過ぎてそう言った。殴っている人にも、それぞれの思いがあるのだ。その人は建築関係の社長。「そんなに金に困っているなら俺の所で働け」彼は、1日2万円の仕事にありつく。最高で1日60人を相手にした、殴られ屋。顔に痣が絶えない。

 今こんな人生を送っている人も居るのだ。僕の感想は書かない。TVを見た人はどう思ったのだろう。あるいは、これを読む人は何を思うのだろう。

 ブルゴスで、クーロ、耳1枚。ポンセ、耳2枚。

 アルヘシラスで、ホセ・トマス、耳2枚と、尻尾1つ。エル・フリ、耳2枚。

 明日時間があれば、ヤコブ病と薬害エイズの事を書こう。

 今、ラジオ短波で、サンクルー大賞典に、日本から出走した、エルコンドルパサーが、凱旋門賞馬、アイルランド・ダービー馬、ドイツ年度代表馬を押さえて、勝った。着差は2,3馬身差の模様。万歳!日本馬は世界に通用するのだ。サッカーとは違う!凱旋門賞にも出走して欲しい。


 7月5日(月)

 パンプローナのサン・フェルミン祭が始まった。雨のために見習い闘牛は明日夜に順延。


 7月6日(火)

 スーパーでペプシコーラの500mlを買ったらスターウォーズのキャラクターグッズが付いていた。こんなもの貰ったって仕方ないのにな。100円だったから買ったまでだ。本当はコカコーラが飲みたかった。

 今週は闘牛の会。よく考えたら先月発表した原稿を書かなければならなかった。だがここに来てへばってきている。浪速のロッキーならぬ、何だかグロッキーなのだ。ヤコブ病と薬害エイズに付いてはそのうち。

 一昨日、開幕が雨で流れたサン・フェルミンは、昨日見習い闘牛でエル・ファンディが耳2枚でプエルタ・グランデした。ファン・バウティスタも耳1枚取る。活きの良い若手2人がパンプローナを沸かせた。


 7月8日(木)

 昨日は、七夕。短冊には何も書かなかった。今日の朝、闘牛の会の井戸さんにTELした。「あっ斎藤さん、メール読んだ。」「えっ」「あっそうかあたしさっき書いてまだ送ってないんだ」 だって。読めないよな、送られていないメールなんか。

 兎に角、最新情報も、先月の発表の原稿も短くとのこと。仕事が終わって帰って来てぼーっとしていて、さっき風呂に入ったところ。原稿書かずに、HPを書いている。これから書かないと、お叱りを受ける。と言うより、闘牛の会の月報が出せない。これから書くことにしよう。睡眠時間が減るな。

 コルメナール・ビエホのカルテルが発表になったがアップする時間がない。


 7月9日(金)

 闘牛の会の原稿を、送った。追加でエル・フリの事をTELで伝えた。フリは、63回闘牛をやって、144の耳と、7つの尻尾を取っている。物凄い数字だ。平均で1回の闘牛で、2枚以上の耳を取っている。ちょっと数字を間違えて言ってしまった。明日、闘牛の会で訂正を入れようと思う。

 宝塚記念の枠順が発表になった。二強の一騎打ちになるのか?春シーズン最後のG1。日曜日は場外に行って来ようと思う。

 マラガのカルテルも発表になった。月曜日くらいまでにはアップできるだろう。ポンセと、ホセ・トマスが2日出場、フリも出る。パンプローナで、ビセンテ・ベハラノが怪我をした。良く読んでないので何処を怪我したのか判らないが、剣刺しの時の怪我のようだ。


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