断腸亭日常日記 2002年 その1

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、のスペイン滞在日記です。

99年1月13日〜2月16日 2月19日〜4月14日 4月15日〜5月11日 5月12日〜6月4日
6月7日〜6月10日 6月13日〜7月9日 7月11日〜8月8日 8月9日〜9月9日
9月12日〜10月7日 10月10日〜11月10日 11月14日〜11月28日 12月12日〜12月31日
2000年1月1日〜15日 1月16日〜1月31日 2月1日〜2月28日 3月2日〜3月29日
4月2日〜4月19日 4月20日〜4月29日 5月1日〜5月14日 5月15日〜5月31日
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12月16日〜12月31日 2002年1月1日〜1月15日

 1月16日(水)

 12日の闘牛の会は予定を変更して、「2001年の闘牛」 林 栄美子さんは中止になり、青山さんが、「レイナ・ソフィアについて」 をやった。本にするための原稿を書き上げた直後に荻内先生が連れてきての発表になった。会は始めに、仙台からわざわざ来てくれた、安達ゆうこさんが、「フェリア・デ・オトーニョ フェリア・デ・ピラールの観戦報告」 をやってくれた。丁寧な報告だったが、今日は時間がないのでここまでにしてまた後日書く。

 山田風太郎 『忍法封印いま破る』 は、『銀河忍法帖』 の後記になる。途中まで読んでいるが、六文銭の魅力に比べれば、おげ丸は今一だ。詰まらないわけではないが、寝不足で睡魔が襲ってきて集中力を欠いていることと、そのせいで全然進まない。『あさきゆめみし』 のことも書かなきゃならないけど時間がない。光源氏は都落ち。紫の上は大人になって源氏と情を交わした。

 13日の結果。 メキシコ。アントニオ・ウルティア、ポンセ、耳なし。エル・フリ、耳1枚が2回。


 1月17日(木)

 小雨が降り続く寒い朝だった。7年前の今日、仕事に行こうと起きてTVをつけたらNHKで倒壊した高速道路が写っていた。これは死者が何千人単位で出たなと直感した。その日の仕事場はでは、死亡者が何十人出た、100人越えたと、震災のニュースが直ぐに入ってきた。真冬の寒い時期にテントを張った被災者が、冷たい飯を食っているとか、水がない、トイレが水がないので使用できないとか、車椅子に乗った身障者が飯を食うとトイレに行かなきゃいけないけど、僕たちが使えるトイレがないから飯を食べていないんですと、言う言葉を聞いたとき、初めて実感として震災を感じれた。

 健常者ですら、大変なことになっているというのに、身障者の人たちの苦労というのは並大抵のことではないのだと、非常に暗い気分になった。何年か立ってから知り合った人が、震災直後に神戸に行ってボランティア活動をした話を聞いて色々考えさせられた。具体的な話が聞けて、当時善人の顔をして乗り込んできた人の中には卑劣な行為をやっていた人たちがいることを聞いて、人間というものは凄いものだと驚いた。風太郎の小説の中に出てくるとんでもない悪人が、ああ言う状況の中で平気な顔をして悪行を行う人間の業というものを感じずにはいられなかった。

 風太郎は東京大空襲を体験しているのでそう言うものを肉体で感じれるのだろう。震災から4,5日立ってTVでは、仮設の風呂に入っている人たち報じた。寒い中でそれまで冷たくなった体、パサパサになった髪の毛を洗えたのは気持ち良いことだろうと思った。次の日、ラジオで震災に遭われた人たちに少しでも勇気が出るようにと流した歌と聴いたとき涙が出た。歌は吉永小百合の、『寒い朝』 だった。

♪北風吹きぬく 寒い朝も
 心ひとつで 暖かくなる
 清らかに咲いた 可憐な花を
 みどりの髪にかざして 今日も
 ああ
 北風の中に 聞こうよ春を
 北風の中に 聞こうよ春を

 北風吹きぬく 寒い朝も
 若い小鳥は 飛び立つ空へ
 幸福求めて 摘みゆくバラの
 さす棘いまは忘れて 強く
 ああ
 北風の中に 待とうよ春を
 北風の中に 待とうよ春を♪

 慰めでも、僕の嫌いな言い方だけど、「心ひとつで 暖かくなる 清らかに咲いた 可憐な花を」 とか、「若い小鳥は 飛び立つ空へ 幸福求めて 摘みゆくバラの さす棘いまは忘れて 強く   北風の中に 待とうよ春を」 何て言う所は胸が熱くなった。吉永小百合の声も良かった。TVのない被災地でこの放送を聞いている人もいるのかと思ったらなおさら胸が熱かった。当たり前に生活できることがどんなに幸せなことかその時感じた。

 神戸の方では、不況と震災の後遺症で、失業率は17%だという。失業の理由も、不況の2.5倍多い震災のためと言うのがダントツの1位だった。これから、どうなるのだろう。

 大和和紀 『あさきゆめみし』 4巻読了。 山田風太郎 『忍法封印いま破る』 読む。

 15日の結果。モロレオン(メキシコ)。ソトルコ、耳1枚が2回。チロロ、耳1枚。エル・フリ、耳なし。


 1月18日(金)

 昔、上野さんが新宿2丁目の飲み屋で、「満月の夜に結ばれて、おぼろ月の夜に別れるって映画があって、誰が撮ったのか、誰が出てたのかも忘れてしまったんだけど。あの映画、ちょっと良かったなぁ」と、言ったことがある。『あさきゆめみし』 で、光源氏が交合時にどんな月が出ていたかというのは、重要なことじゃないかと途中で気づいた。六の君と交合したときは、まさにおぼろ月。後に、朧月夜の君と呼ばれるが、この事によって源氏は都落ちになる。やっぱり満月の夜に初めて交合しないとダメなのだ。源氏の思いとしては、藤壺や紫の上の時が満月の夜だったんじゃないかな。確認してないけど。三日月やおぼろ月じゃその後あまり上手く行かないような気がするのだ。

 末摘花の君との交合の時は、顔を見ていない。だから、新月の日じゃないと思うのだが。どうだったのだろう。後で確認しないと。

 フランス、アルルのカルテルが発表になった。時間がないので後日書こう。


 1月19日(土)

 昨日、銀行に行った帰り古本屋に入ったら欲しいなと思っていた本が何冊かあった。その中から、早乙女貢の、『伊賀忍法』 と、『大江戸小説・実況中継』(オフサイド・ブック)を買った。『大江戸小説・実況中継』 は3章に分かれていて、PART1が、「江戸もの」大作家と出会う。PART2が、江戸期の大事件・実況中継。PART3が、大江戸プロフェッショナル。巻頭は、帝都「辻馬車」同乗記。次が、山田風太郎忍法帳・番外(?)。何故か“帖”ではなく“帳”になっているが・・・。この両方は非常に面白く読んだ。

 帝都「辻馬車」同乗記は、作家の楠木誠一郎が風太郎の小説作法を踏襲したような筆に思わす引き込まれてしまった。作者が風太郎の、『幻燈辻馬車』 に同乗して、風太郎の書いた明治ものの世界を廻るという筋立てだ。『警視庁草紙』 の川路大警視に捕まりそうになると辻馬車に同乗していた、お雛が、「父(とと)!来て、助けて」というと、田原坂で戦死したままの格好の幽霊が登場。読みながらニヤッとしているとキイクル、キイクルと動き出した馬車を出獄人保護を生業とする原胤昭が、口をあんぐり開けて観てる。これ、『明治十手架』。そのまま馬車を走らせていくと、

 「  建ち並ぶ煉瓦街を眺めながら走っていると、後方から薄い金髪の美女が走ってきている。何か叫んでいる。
 「馬車を停めたまえ」
 風太郎先生が干潟干兵衛に向かって言った。
 美女は、馬車に乗り込んでくるなり叫んだ。
 「ツキジ、セイヨーケン!」
 築地精養軒に行ってくれということらしい。

 (中略)

 わたしは肘で風太郎先生を突っついた。先生も、目の前の美女が誰かわかっているらしい。『明治波濤歌』に登場するエリスだ。ドイツ留学中の森林太郎、すなわち、のちの森鴎外と恋に落ち、日本まで追いかけてきたのだ。お雛が隣に座ったエリスの灰色のドレスに見とれている。
 「先生、エリスは美人ですね」
 「君、昭和第一の美人は誰だと思うかね」
 「やはり、原節子ですか」
 「あれは四位くらいだ。皇后の美智子さん、轟由起子、高峯秀子の順だよ」
 ふたりの会話に気づかないエリスは、ドイツ語でぶつぶつ言っている。日本語に訳すと、こうなる。
 「日本人は嘘つきよ。よくわかった。森林太郎に会ってからドイツに帰る」
 エリスは、彼女を取り巻く男たちの決闘騒ぎやなにやらで疲れ切っているのだ。

 (中略)

 数寄屋橋の方へ向かっていると、窓の外で風が舞い、新聞紙が舞い込んできた。『万朝報』 だ。「万朝報精読賞、宝探し」 (中略) 東京市内のある場所に「一金五百円也、万朝報」と書いた小型の木札を隠し、新聞に載ったアナグラムの暗号を解いて探し出すというものだ。
 わたしが文字を並べ替えて解読しようとしていると、風太郎先生がぽつりと言った。
 「君、アナグラムというのはね、答えがひとつと思ってはいけない。幾通りか考えなくてはね。でないと、歴史のアナグラムを解くことはできない」  」

 ここの所は風太郎そのものじゃないかと思った。

 「   そのとき、ゾクゾクと霊気が襲ってきた。振り向くと、牧師というより乞食というにふさわしい髭を生やした大男がやってきた。目が爛々と輝いている。その横に、役人風の男が付き従っている。
 「ら・・・・・・ラスプーチンがいた!」
 「君、それを言うなら 『ラスプーチンが来た』 だろう」   」

 ここの所で、吹き出してしまった。この作者、実に風太郎の小説を読み込んでいる。良く知っているし、話の進め方が良いし、言葉のタイミングが良い。こんな文章なら風太郎ファンは喜んで、笑ってかな、読むだろう。山田風太郎忍法帳・番外(?)も筆者が違うが同じ様な感じで書かれている。くノ一忍法の話なのだがこれも面白かった。何だかとってもウキウキした気分になった読書だった。

 もう一つ、裁判、忠臣蔵、を読んだ。これは、『忠臣蔵』の小説群を裁判の証拠として提出して話を進めるものだが、読んで知ったことだが、浅野内匠頭が精神異常者だったと言う説を書いている本が、複数書かれていることだった。こういうことは井沢元彦のミステリー小説、『忠臣蔵 元禄十五年の反逆』 を読んだときに、おそらく、浅野内匠頭が精神異常者だったのだろうと、思ったがその他にもそう言う説を唱えている人がいることに驚いた。これらの小説は誰が1番先に書いたのか気になるところだ。

 大和和紀 『あさきゆめみし』 5巻 『大江戸小説・実況中継』(オフサイド・ブック) から、帝都「辻馬車」同乗記、山田風太郎忍法帳・番外(?)、裁判、忠臣蔵 読了。山田風太郎 『忍法封印いま破る』 読む。


 1月20日(日)

 この前NHKの、「その時 歴史が動いた」 で日本を動かした人15人を取り上げていた。手塚治虫などもその中に入っていたが瓦解前後の人が10位前後に集中していた。義経がいず、頼朝が入っていたのは幕府という武家社会を作ったからだろう。2位が坂本龍馬だっただろうか。1位は、織田信長。歌舞伎者と言うより、婆娑羅だ。それも大婆娑羅。風太郎は色んな信長の描き方をしているが、感心したのは、『室町お伽草紙』。縄で髪を結わえ、着流しを着る。背中に一筆書きで反り返った大男根の絵が描かれている。これは信長にピッタリだろう。

 風太郎が、対談かインタビューで、あと10年生きていて欲しかった人間の中に信長を入れていた。当然だろう。でも驚いたことを言っていた。考えたこともなかったが、もし信長が生きていたら、天皇を殺していたかも知れないと言っていたことだ。確かに、やりかねないのが信長だ。もしそうなっていたら、信長は日本に革命を起こしただろう。そして、その後の日本と言う国家も文化も今とは違う形で存在したことだろう。それにしても風太郎は恐ろしいことを考えるものだ。風太郎の物の考え方、捉え方の鋭さを感じる言葉だ。戦中派の天才。日本に存在した第1の天才が山田風太郎だ。

 『あさきゆめみし』 の光源氏は帝の子供。そして、帝の女、藤壺と不倫して産ませた子供が次の帝になる。冷泉帝。政治的に見たら源氏は訳の分からない滅茶苦茶さだ。一方、女に対しては限りなく優しい。その時その時の女に対して真心を尽くす。美形で歌も踊りも音楽の才能も兼ね備え、帝の子供と言う血統ももてる要因だ。しかし、美しい美しいという言葉には、宝塚的な感じしてどうも理解の彼方の話だ。女の筆ってこういう風になるのだろうか?もう訳が分からない。政治的には何の意図も感じないと言った方が正しいような気がする。ただ、恋の物語として読んだ方が良いような気がする。

 19日の結果。 サカテカス(メキシコ)。フェスティバル闘牛。騎馬闘牛士、マルティン・ゴンサレス・ポラス、耳1枚。闘牛士、アルミジータ、耳なし。アルミジータ・チコ、耳1枚。ホルヘ・グティエレス、耳2枚。ソトルコ、耳1枚。ポンセ、耳なし。エル・フリ、イグナシオ・ガリバイ、耳なし。


 1月21日(月)

 ラジオの競馬中継を聞いていて、あれ。?マークが頭の中に一杯浮かんだ。おかしい、何故だろう。コンビニへ行って競馬新聞の、『一馬』 を手にとって判った。清水成駿がやめていたのだ。だから、ラジオの解説をやっていなかったのだ。もう1年以上前からそんな噂があった。本人がやめると言っていると言うことだったのでそうなるだろうとは思っていたが、現実にそうなってみると、ガッカリした。清水は何処に行ったんだろう。エロ情報誌、『内外タイムス』 が競馬に力を入れるために人を集めていると言うことだったし、そっちの方に行ったのかも知れないし、週刊誌や東スポにも書いていたはずだからそっちの線もある。競馬を始めた頃、毎週、『今日のスーパーショット』 を読むのが楽しみで、『一馬』 を買って競馬の研究をやっていた。

 競馬と言えば、『一馬』 だったし、石井進吾や落合、古沢なんかの予想を熱中して読んだ。でも、清水の、『今日のスーパーショット』 と、石井進吾のラジオ解説は本当に為になった。あれがなかったら競馬続けてないよなぁ。だから、清水のいない 『一馬』 は、クリープを入れないコーヒー、いや、砂糖を入れたコーヒーのように不味いのだ。ガッカリしたが、競馬新聞はいよいよ淘汰の時代の突入した。井崎修五郎のいる 『馬』 だって他の所の殆ども危ないって言う話だし、清水が抜けて 『一馬』 も危ない。残るのが確実なのは、『エイト』 位だろう。馬産地も大変、競馬新聞も大変、地方競馬も大変、中央競馬も大変。どこもかしこも大変だ。

 アフガニスタン復興支援国会議が行われているが、今日NHK教育TVで22時から辺見庸と映画監督マフマルバフの、「アフガニスタンをめぐる対話」 がある。これ楽しみだ。本屋に寄ったら辺見庸、『眼の探求』 があったので買った。他に、吉田司、『宮沢賢治殺人事件』 を買う。

 山田風太郎 『忍法封印いま破る』 大和和紀 『あさきゆめみし』 6巻 古今亭志ん生 『疝気の虫』 読了。


 1月22日(火)

 パソコン関係で日曜日の大ニュースがあった。東芝、日立が燃料電池を開発し来年から商品化するというものだった。これは、ブロードバンドに時代対応してノートパソコンが新しい展開があるかも知れない。従来の充電池に比べて小型化は出来ないが、素晴らしい特徴を思っている。@ 使用時間が長い。A 燃料を補給すると直ぐ使える。B 軽量化しやすい。C 寿命が長い。使用時間は10時間対応できるという。重さは、500g位で、100gの物も開発できるようになるそうだ。見通しとしては、2010年には、全体の1割が燃料電池を使用すると試算している。実際発売されて、ユーザーの反応次第だろう。

 辺見庸と映画監督マフマルバフの、「アフガニスタンをめぐる対話」 は、実に面白かった。白人特にアングロサクソンの特権意識と自国の利益追求と押しつけがアフガニスタン侵攻を実現させたことを2人は語っていた。こういう対談こそ実りのある物になるような気がする。マフマルバフ監督の、『アフガニスタン』 『サイクリスト』 が観たくなった。何処でやっているのか調べようと思う。

 アメリカの製造業から円安ドル高を是正すべきだという圧力が強まっているという。今年11月に議会の選挙がありそれに向けて産業界が動いているのだとと言う。両替までは未だ時間があるが、今後の動向が気になるところだ。

 20日の結果。 ロス・パラシオス(セビージャ)。ドミンゴ・バルデラマのウニコ・エスパーダ。耳1枚が3回、場内1周。 グアダラハラ(メキシコ)。ソトルコ、場内1周。エル・フリ、ヘロニモ、耳なし。 レオン(メキシコ)。マリ・パス・ベガ、耳1枚、場内1周。セサル・カスタニェダ、場内1周。アントニオ・バレラ、耳2枚。エル・ミンゴ、耳1枚。 バレンシア(ベネズエラ)。ベルナルド・バレンシア、耳1枚。ホセリート、罵声。エル・コルドベス、耳なし。


 1月23日(水)

 徳島大学でDNAの塩基配列検査で画期的な検査法を開発したそうだ。今までは、DNA断片を検査する方法だったが、染色体から取ったDNAの塩基配列が100万位繋がったDNAを電流を流すことによって取り出すことに成功したという。これだけ長いDNAだと色々なことが判ってくるだろう。私見だが、DNAの塩基配列には今まで、螺旋状に絡み合っていて、結合されない部分がどうなっているか謎のままだった。今回の検査方法によってその結合されていない無駄な部分が細胞や遺伝情報にどう作用しているのかが、判るきっかけになってくるような気がする。これも私見だが、この無駄になっているDNAが、各臓器や骨、筋肉などの違いを形作るのに作用しているのではないかと思うからだ。また、個人差(違う言い方をすれば個性)を形成しているような気がする。非常に興味深い検査方法だ。早く世界の研究者たちが活用して遺伝子の謎の多くを解明していってもらいたい。非常に重要なニュースだ。

 ニュースと言えば、去年のショックだったのは、千石イエス(本名、千石剛賢 せんごく たけよし)が12月12日に福岡県古賀市で78歳で死んだことだ。風太郎より一つ下。戦中どういう生活を過ごしたか知らないが、おそらく、その後の彼の人生に大きな影響を与えたことだろう。あのマスコミを騒がせ、入信した信者の親が子供を帰せと詰め寄り、入院していた千石イエスの所にTV局がカメラを持って殺到し、その中で病身にも関わらず非常に冷静に対応していたのが印象に残る。彼がやろうとしていたのは、オウム真理教のような狂信的で破壊的な新興宗教ではなく、小規模で家族的な聖書研究会だったような気がする。あんな事件になったから九州の博多か何処かに行って地元の人たちの中に交じって活動を続けていた。信者の殆どが当時、若い女性だった。今は年取っただろうが、みんな、「おっちゃん、おっちゃん」 と言っていた。

 彼女たちが、千石イエスのもとへ行かざるを得なかったのは親が子供の話を聞かない、あれはダメ、これもダメと、親たちにすれば子供のためと思ってやったことが、相互のコミュニケーションの破綻をきたし、話をしても判らないという諦念と絶望から、イエス・キリストの話をしながら自分たちの話を親身になって聞いてくれた千石イエスへの信仰上の愛を感じて入信した。生活するためのお金は彼女たち自身の発案で、夜の街でホステルをして稼いでいたそうだ。博多区中州に集会所を兼ねたクラブ「シオンの娘」を営業。昔週刊誌に記事が載っていてそこには、スケベ心や、好奇心で店に行った男たちが出てくるときには、「心が洗われたような気がする」 と言っていたそうだ。ホステスしながら信仰心を話していたようだ。

 実に不思議な集団だったが、家族の絆が稀薄なった高度成長時代に、いわば、必要に迫られて出現した現代の投げ込み寺的な所だった。千石イエスについては、おそらく誰かが、小説に書くだろう。実に、文学的興味をそそる彼らの生き方である。

 大和和紀 『あさきゆめみし』 7巻 古今亭志ん生 『黄金餅』 読了。辺見庸 『眼の探求』 を読む。


 1月24日(木)

 下山さんについてのメールをもらった。闘牛をやりだした頃にモロッコで会ったという人だった。返事を直ぐ書いた。TV製作会社の人からもメールも来た。こちらには未だ返事を書いていたない。NAOさんから来たメールには、ちょっと良い詩が書いてあった。面白いので載せることにする。


『一日の終わりの詩集』Hiroshi Osada...より

・・・・・・・
毎朝、太陽は仔牛として生まれる。
真昼には牡牛に生長し、
日が暮れると死んでいく。
そして翌朝ふたたび、新しい仔牛として
太陽は生まれてくる。
すべての生けるものは、自分自身の死を知る
太陽の涙から生まれた、と...歌う者は言った。
涙と人間とはおなじなのだ、
砂漠の国の言い伝えでは。

 北欧神話には、氷の大地に出来た割れ目を、雌牛が舐めて、3人の子供を育てそれが世界を作っていく神になる話がある。神話のような詩だ。太陽が牛だという話は、1日と言う感覚が変わる。1日が如何に大事なのかこの詩は歌っていると思う。太陽を牛に例えて人生観を伝えている。


 1月25日(金)

 雪印食品がやった国産牛肉と輸入牛肉をすり替えて業界団体に売った問題で農水大臣、「これは犯罪だ」 と言って、衆議院予算委員会で同社を告発することを表明したという。しかし、あなた達農水省がやってきたことも犯罪じゃないですかと、思ったりもする。この事件の責任者として名前の挙がっている菅原哲明、関西ミートセンター長の総指揮で行ったと伝えられている。

 すり替えた牛肉を売却して利益を上げたのが悪いとか、売り上げ不振で気持ちは分かるが・・・とか色々言っているようだが、1番問題は、牛肉の流通ルートが不正に操作されたことだ。フランスでは、店頭で販売されている牛肉が何処の牧場でいつ処理されたのかが、悉く明確に判るようにシステム化された。これは、狂牛病で消費者の牛肉離れが起こったときに政府がそう言うシステムを導入して不安を一層しようと努力したからだ。市場に流通する牛肉はちゃんと検査されているから、何処の牧場で処理されたかも公開されても何の問題もないし、かえって公開した方が、消費者が安心して牛肉消費をするようになった。

 日本の農水省はそう言うことを一切しないで、安全宣言を出しているのはどういうことなのか?それでいて、「これは犯罪だ」 と言う大臣は自分たちがやってきた仕事が不的確であることの言い逃れをするように、あるいは、忘れさせる良い機会とでも思っているような節もないわけでない。そのことを心配する。何も雪印食品は悪くないと言うのではない。悪いのだ。でも、みんながみんな怒りを口にしているのを聞くとそう言うことを思ってしまう。ちなみに、スペインでは闘牛士が耳を持って場内1周しても観客席に投げ入れるのを去年から禁止された。狂牛病の問題があるからだ。フランスでは投げ入れても良いようだ。去年掲示板でフランスに住んでいる人が闘牛場で投げ入れているのを観たと報告してくれたからだ。フランスではおそらく許可されているのだろう。何故なら、上記の理由からだろう。

 雪印食品の商品を店頭から全て撤去を1番始めに発表した、コープこうべ からそれに追随する小売店が続出した。東証2部の株価もドンドン下がっているようだ。それでも、営業全面停止を社長は公言していない。収拾がつかない中でマスコミには、さんざん叩かれて・・・。マスコミのあの言い方は、あなた達は一体何様なんだ、と言いたくなるような言い草だ。雪印食品は潰れるかも知れない。親会社の、雪印乳業も危ないかも・・・。会社の中の限られた何人かのせいで、真面目に働いていた大多数の人の生活が脅かされている。この不況の中で。売り上げは約900億円。社員数約1100人。その他にもアルバイト、関連企業を合わせるとかなりの数になるだろう。

 いずれにしろ真相の徹底解明、究明されることを望む。

 古今亭志ん生 『親子酒』 読了。辺見庸 『眼の探求』 を読む。

 サン・クリストバル(ベネズエラ)で、ハビエル・コンデがインドゥルトした。ランチョ・グランデ牧場のコンセンティドという名の牛だった。

 24日の結果。 サン・クリストバル(ベネズエラ)。ハビエル・コンデ、口笛、耳2枚と尻尾1つ。エル・フリ、耳1枚が2回。エル・ピノ、耳2枚。

 バレンシアのカルテルが今日正式に発表される。ちょっと替わっているようだ。フィニート、が出なくなっているようだ。確認してからアップする。


 1月26日(土)

 昨日の夜、NHKのニュースで、小泉首相に、「今日、田中真紀子外相が泣かれたようですが」と質問したら、「涙は女性の最大の武器だと言いますからね。・・・泣かれるともう、男は太刀打ちできないでしょう」と小泉首相が言っていたのを聞いて、大笑いしてしまった。この人、真面目なのか、人を喰っているのか・・・。これじゃ、これ以上質問できないよなぁ。ちなみにインタビュアーは女性だった。

 新大久保の駅でホームから転落した人を助けようとした、韓国人留学生と日本人カメラマンが死んで1年目になると言う。多分、新大久保駅は韓国人留学生の聖地になっているのだろう。

 カステジョンのカルテルも半分くらい判ったようだ。


 1月27日(日)

 TV朝日で今更のように、60年安保を省みる番組をやっていた。田原総一郎が司会をし、元大蔵相の榊原英資氏、筑紫哲也、江田五月、森田実などが出ていた。A級戦犯だった岸信介首相が国会で強行採決をし、一気に安保反対運動に火がついたこと、デモ隊の国会突入で東大生、樺美智子さんが死亡した。今は右翼系文化人になった西部邁は当時東大全共闘の副委員長をやって反対を唱えていたという。榊原英資氏も反対していたという所が時代を感じさせる。大江健三郎、石原慎太郎、寺山修司などの若手文化人も反対を唱えた。不確かな昔読んだ本の記憶を辿れば、この時、国民の80%が反対し、自民党国会議員の半分以上が反対だった。

 「  そして、それをもっともわかりやすい言葉で表したのが、竹内好の「民主か独裁か」であった。
 当時、東京都立大教授だった竹内は、二十二日に、公務員の筆頭者である内閣総理大臣みずから憲法に定められた議会主義を否定した以上、公務員として憲法をを遵守する旨の誓約をしていまの職についた自分は、もはやその位置にとどまることはできないという意味の発言をして、都立大教授を辞職する。そして三十日には、東京工業大学助教授の職にあった鶴見俊輔が、同様の理由で辞職する。  (中略)

 ただ、そのとき竹内のいた大学にいたわたしは、彼の行動に衝撃を受けながらも、「民主か独裁か」といういい方には、違和感を覚えた。それで安保はどうなるかと思ったのである。しかし同時に、その反面で、この簡明なスローガンが事態をきわめてわかりやすい形で掲示したことは否定すべくもなかった。二十四日に開かれた「岸内閣総辞職・新安保不承認・学者文化人集会」の席上では、東大教授丸山真男も、「岸政府の暴挙で争点は単純化された」といい、いまや、「権力の万能か、民主主義が、どちらかを選ばねばならない」を発言する。  」  ーーー『戦後再考』 上野昂志 よりーーー

 本質的な安保の争点が運動の中でずれて行くが、これは何も左翼だけではなく、岸信介が安保後に目指した憲法改正も同じくずれて、以降、政府は政治ではなく経済中心の政策を強調し続けていくことになる、と言うのが番組の中で語られる。上野さんの文章は番組には出てこないが内容的には同じことを違う言葉で語っているから引用した。当然、岸信介がやった新安保条約締結の評価は今更語るまでもないだろう。経済復興で日本の繁栄はこの国民の80%が反対しても締結した安保に守られてのものだったからだ。しかし、番組を見て改めて思ったが、もし当時首相が岸信介じゃなかったらこれだけ反対運動が盛り上がったか・・・。A級戦犯だった岸信介首相が国会で強行採決をしたからこそ争点がずれ、闘争が盛り上がったようだ。

 筑紫哲也が言っていたが、「60年、70年安保と言うのがあって、あの当時はみんなが政治について良く話をしていました。そういうのもあったんです。今は政治について話をしないけど」、と。所で山口県出身の岸信介は、北一輝の著作を熟読し傾斜したという。北一輝とは、2,26事件で民間人でただ1人処刑された思想家である。天皇を中心とした国家社会主義者だ。

 NHK、「課外授業」ようこそ先輩は写真家の荒木経惟。「いい顔を撮ろう」というのを母校の小学生に授業で教えた。日本一と言って写真家の荒木経惟。処女写真集の中の1枚は印象的だ。新婚旅行で泊まった旅館で初夜を迎えるが、朝初夜で乱れた蒲団を撮った物だ。皺の寄ったシーツが白黒写真に写っていた。売れない頃は、『SMスナイパー』 とかのマニア向けの写真を撮っていたが、こういうのは、俳優でも売れない頃ポルノ映画などに出て食いつなぐのと同じ様な物。僕も才能があればエロ小説でも書いて食いたいものだがそんな才能はない。

 小学生に見せた自作の3枚の人の写真の最後に、葬式前の母を撮った写真だった。小学生たちはビックリして声も出なかった。そして、カメラを小学生に持たせて撮らせる。カメラの面白さ、物の見方を教えていく。小学生たちには言わなかったが番組中、「裸撮るときもね、尻とかおっぱいとか撮って、最後に行き着くのは顔よ。撮影中色々ポーズとか構えてるけど、全部脱いだ後に出てくる顔、あれがホントの意味で裸なのよ」って相変わらず荒木さんらしい言い方だ。

 小学生たちは、写真を撮るとき被写体に向かって話しかけながら、相手の顔をリラックスさせてからじゃないといい顔が撮れないことを学んでいく。顔がリラックスすると言うことは気持ちもリラックスすると言うこと。授業では教えてくれないことを荒木さんから学んだことだろう。

 本屋で、『歴代天皇総監』 笠原英彦(中公新書) 『幻少女』 高橋克彦(角川文庫)を買う。『歴代天皇総監』 は、第62代、村上天皇から第67代、三条天皇までを読む。源氏物語に関係があると思われる部分だ。冠名や固有名詞は殆ど判らない。『あさきゆめみし』 を読んでいるがそれでも身に付いていないから訳が分からない。冷泉天皇と言う名前が出てくるが、作中の帝と関係があるのだろうかと言うことすら判断できないのだから本が役立つかどうかは疑問。ただ、源氏にしろ時代小説にしろ関係してくるところがあるだろうから買った。『幻少女』 は、ただただ盛岡の街を思い出せるのではと思って買った。舞台が盛岡じゃなくても良いけど。

 古今亭志ん生 『火焔太鼓』 読了。山田風太郎 『外道忍法帖』 辺見庸 『眼の探求』 を読む。

 25日の結果。 アハルビル(マドリード)。クーロ・マルティネス、エル・レンコ、サンチェス・パラダ、耳なし。 サン・クリストバル(ベネズエラ)。レオナルド・ベニテス、オルドニェス、耳なし。フリ、耳1枚、耳2枚。


 1月28日(月)

 パレスチナで、自爆テロと、イスラエル軍によるパレスチナ自治区への侵攻が続いている。血で血を洗う報復合戦が止む気配がない。タイミングも良くない。アメリカ同時テロの後に、始まった。ハマスなどのグループは徹底抗戦を宣言した。イスラエルの首相はアラファト議長を批判している。仲裁は、アメリカやイギリスなどのアングロサクソンしか出来ないが、やる気配が見えない。自爆テロ対国家的テロ。宗教対立と白人の差別主義は現代においても終わることのない病理の一つ。

 26日の結果。 サン・クリストバル(ベネズエラ)。エル・シド、耳なし。エル・ファンディ、耳1枚。牛、場内1周。ラモン・ゲバラ、耳なし。騎馬闘牛士、ホセ・ルイス・ロドリゲス、耳なし。

 27日の結果。 アハルビル(マドリード)。エンカボ、耳1枚、耳2枚。アルベルト・ラミレス、耳1枚。フェルナンド・ロブレニョ、耳1枚、耳2枚。


 1月29日(火)

 ネットを接続しようとしたら繋がらない。ADSLのモデムが原因かと思って設定し直していたらがモデムが干渉して全く繋がらなかった。どうやら外で、水道工事をしていたことが原因としか思えない。

 高橋克彦 『幻少女』 は短編集。その中の、「雪の故郷」 で雪の積もった城跡(岩手公園と呼ぶはずだけど)を歩くところがある。本丸の所には、あの啄木の、空に吸われし十五の心と言う石碑があり、啄木が女学生と芝生の上に寝ころんで淫心を満たした所がある。ここは石垣はあるが、天守閣はない。瓦解時に、薩長に攻められたからだ。中津川の方に降りていくとサッカーグランドほどの広さの広場があり片隅に小さな動物園がある。小説にも出てくるが昔は熊などがいた。非常に臭かった記憶がある。その後ろには県立図書館があり、左に行くと池がありそこには鶴の口から水が出る噴水があった。南部藩の家紋は併せ鶴なのでそれに因んでいるのだろう。その先には道路がありバス通りで左に行けば大通りに繋がり、右に行けば中津川にかかる中ノ橋がある。道路の向かい側には、東京駅を模したとと言われる岩手銀行本店の赤い煉瓦が見える。歩道を渡り真っ直ぐ行くと右に市役所、中央病院があり、左に折れる大きな通りを歩いていくと右に公会堂、県庁、がある。県庁の斜め後ろに岩手医大病院がある。ここに何度入院したことだろう。

 「雪の故郷」 は、城跡の動物園の前で回想するシーンがある。後ろを振り向くと自分の足跡がない。つまり、死んだ人間の回想なのだ。本丸の方から女坂を降りて来ると枝垂れ柳がある。雪が降った後だと風が吹くと積もった雪が上から落ちて首から入った雪が背中まで行く。とても冷たい。急ぎ足になって動物園の前に行くと冬でも熊の臭い匂いがした。熊がいたかどうかは・・・。冬なのでいなかったと思うが。何故かこの前に来ると僕の記憶は春になる。

 噴水の方に行く左側には石垣がありその手前にはバレーボールコート3面くらいの花壇がありそこに咲いていたダリアを思い出すのだ。本丸に咲く桜の記憶ではなく・・・。花見の頃に桜の木の下で家族でさくら餅を食べたりしているがウキウキした記憶はなく、花壇のダリアの赤い記憶の方が鮮明なのだ。夢のような記憶だ。動物園に来るまでが雪の上を歩き、動物園に来ると赤いダリアと新緑の記憶。「雪の故郷」 を読んでいたらそんなことを思い出していた。

 真冬の雪道は、歩くとキュウキュウと音が鳴る。晴れた日には雪が解け、ビショビショになってきて夕方になるとコチンコチンに固まる。自動車が通る道路だと粗目状になった雪(氷)がサラサラになってこれも盛岡らしい雪だ。でも、1番好きな雪は、自分の足跡に水が浮いてくる春が近い雪だ。日溜まりが雪に反射してとてもまぶしい。僕の中の原風景は上記の場所と、雫石川、北上川、中津川が合流する鉄橋下。そこから左に行った雫石川では魚釣りなどで遊んだ。そこから右に行った明治橋までの間では夏には舟っこ流しがあり、カブトムシを捕ったり、穴を掘ってすみかを作って遊んだり、スミレを植えるために河原で土を取って来るのを手伝ったりした。春にはネコヤナギやつくし、ヨモギを取ったりした。友達と遊んだことしか記憶にしかない。それと病院の壁。入院しなかったら楽しい思い出ばかりだったかも知れない。

 動物園の変な夢のような話は、ある種の屈折があるからだろう。高橋克彦の様に実に真面目な盛岡人を観るとある種の羨望と、いい加減にいてくれと言う思いを同時に感じる。ただしそれは風貌に対してだ。彼の仕事については凄いなと思っている。彼の小説の中に出てくる盛岡は読んでいて、僕の中にある盛岡を刺激し続ける。『幻少女』 の中の短編は舞台が盛岡じゃなくても、子供の頃に感じた街や人に対する感性を刺激する。読んでいるとそんな思いがドンドン沸いてくるのだ。

 古今亭志ん生 『お化け長屋』 読了。山田風太郎 『外道忍法帖』 辺見庸 『眼の探求』 高橋克彦 『幻少女』 を読む。

 今年のセマナ・サンタは3月24日から29日までと出ているが?だ。31日までじゃないのかな。と言うことは、セビージャのフェリア・デ・アブリルは2週間後の12日前後から2週間だろうから4月末位には終わるのだろうか。ヘレスの馬祭りは5月5日から12日まで。

 27日の結果。 メキシコ。騎馬闘牛士、ルイス・カレダノ、罵声。闘牛士、ソトルコ、耳2枚。フリ、耳1枚、場内1周。イグナシオ・ガリバイ、耳2枚。 ボゴタ(コロンビア)。ペペ・マンリケ、耳1枚。エル・カリファ、耳1枚。フェレーラ、場内1周。 グアダラハラ(メキシコ)。騎馬闘牛士、ゴンサレス・ポラス、場内1周。闘牛士、ホルヘ・グティエレス、耳なし、ポンセ、耳2枚。レオポルド・カサソラ、耳2枚。 サン・クリストバル(ベネズエラ)。騎馬闘牛士、レオナルド・ファビオ・グリソリア、場内1周。闘牛士、レオナルド・ベニテス、ハビエル・コンデ、耳なし。オルドニェス、耳1枚。


 1月30日(水)

 昨日の夜23時52分に田中真紀子外相がインタビューに応えて、小泉首相から、「更迭された」 ことを伝えた。明けた1時頃から小泉首相が記者会見して、田中外相、野上事務次官、鈴木衆議院議院運営委員長の3人の更迭を発表した。理由は、国会が空転して予算などへの影響が出るためだと言った。起きて思ったが、これは事実を更迭した3人から聴取して対応すると隠しておきたいことが明るみに出ることを怖れたとしか思えない対応の仕方のような気がしてくるのは何故だろう。

 こういうことにしっかり対応できなくて何が構造改革なのだろう。人との対話をせずこういう対応をすることが今までの古い日本の体質から抜け出ていない証拠ではないか。変わらない。日本は変わらないようだ。夕方、大橋巨泉が議員辞職を発表。与党も野党もどうにもならない。体質改善しないと日本はどうにもならないのに・・・。

 ベクトルは、違う方向に向かい始めたようだ。政治が後退したら、経済もこのまま不況から抜け出す光明すら見えない状態が続いていくだろう。しっかりしてないと、いや、しっかりしていても、大変なことになっていくような雲行きだ。非常に暗い気分で2002年1月が終わろうとしている。


 1月31日(木)

 ニッポン放送の緊急アンケートでは、小泉内閣不支持が、76.5%と言う結果が出たという。これは野沢陳平の番組で実施。電話やFAXで回答を求めた結果だ。普通の調査と違うのは、意見を言いたい人が電話やFAXをしてくること。一般の調査は、無作為に選出した人へのアンケートという形で実施するので、この結果は以上に高い不支持率になったのだろう。それでも、女性の回答者が7割を越え、その殆どが小泉首相に不信感を持ったという結果が出たようだ。

 そろそろ闘牛も始まったし、バレンシア、カステジョンのカルテルも発表になった。サッカーは、1部が出だしであれだけ連敗していたレアルが首位で、2位アラベス、3位がデポスティーボ。バルセロナ、バレンシア、サラゴサは不振だ。一方、2部はアトレティコ・マドリードは首位独走。1部復帰は確実そうだ。今年は出来ればレアルの試合が見たいけど切符が買えるかどうか。Eさん式にギリギリに行って値切って入ろうか。しかし、闘牛との絡みがあるのでどうなるか行ってみないと判らない。

 古今亭志ん生 『宿屋の富』 読了。山田風太郎 『外道忍法帖』 高橋克彦 『幻少女』 を読む。


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