−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−
por 斎藤祐司
過去の、断腸亭日常日記。 −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−
太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年のスペイン滞在日記です。
8月1日(木)
使っているウイルスソフトが1部、破損したようでアンインストールして再インストールしようと思い、作業したら、これが出来ない。ソフト会社にTELをして聞いた。TELに出た女性が、住所、名前、電話番号などを聞いてちっとも削除作業の話にならない。そう言うと、彼女は、始めにユーザー登録の話をさせていただいてから連絡先を言いますので。と、言った。まあいいやと、それを言って電話番号を聞いた。最後に、TELをかけたら、1 を押して下さいと、言った。はっ。TELはダイヤル回すものでちょっと、聞いたら、トーンをパルスに変えてから・・・。と、意味の判らないことを言う。
それって、ダイヤル接続の話じゃないんだから何と言っているんだろうと思った。電話は黒いやつで昔ながらのダイヤルを右に回してかえるもの。説明すると意味が判って様で、少々お待ち下さい。と言って間があってから、最後までインフォメーションを聞きますと繋がります。と言うことだった。今や、ダイヤルを回してかける電話は時代遅れなのだ。目的のサポートセンターに繋がり、話していると、FAX番号をお願いします。と来た。また説明。メールで送って貰えないですか、と聞くと判りました。と、それから床屋に行って帰ってきてメールを開いた。
そしたら、ネット上から削除用のプログラムをダウンロードして削除作業をしなければならないことが判った。2つのプログラムをダウンロードしなければならないが、2つ目が良く判らなかった。結局出来たのだが、文章で書いていなくて、絵をクリックしてするものだった。もっと分かり易くして欲しいと思うのは僕だけだろうか。そして、ようやく作業が完了。快適な作業スピードにパソコンが戻った。
アントニオ・フェレーラは30日、カラスパラで復帰した。
30日の結果。 カラスパラ。ペピン・リリア、耳1枚。パディージャ、場内1周が2回。フェレーラ、耳なし。
31日の結果。 アスペイティア。ホセ・イグナシオ・ラモス、エル・シド、場内1周。フェルナンド・ロブレニョ、耳なし。
8月2日(金)
パソコンが良い状態に戻ったのは良いのだが、また、上の部屋から水が落ちて部屋が水で濡れている。張り紙があり、後でお詫びに来ますと言うこと。約1ヶ月前のムンディアル決勝の時に、初めて水を浴びて以来、不安が付きまとっていたが、またやられた。
そのムンディアルの日に、獣医師と会って頼んでいた、牛の図解の1部が郵便で届いた。骨盤部が中心だから未だはっきり判らないが、動脈静脈は背骨の下を通っているので、胸部についても同じように背骨の下を動脈静脈を通っているものと想像できる。つまり、闘牛の剣刺しでは、以外と剣が刺さる直ぐ近くを、致命傷を与える部分があることになる。
1日の結果。 アスペイティア。カバジェーロ、耳なし。フェレーラ、耳1枚、耳2枚。アルフォンソ・ロメロ、耳なし。 ウエルバ。ペピン・リリア、耳1枚ともう1枚要求、耳1枚。パディージャ、耳1枚ともう1枚要求で場内2周。プレシデンテに罵声。フランシスコ・バロソ、耳1枚。 ラ・コルーニャ。コルドベス、耳1枚ともう1枚要求。ビクトル・プエルト、耳1枚、場内1周。フリ、耳1枚が2回。
8月3日(土)
本屋からTELがあり、山田風太郎 『戦中派焼け跡日記』 が届いたと連絡があったので取ってきた。ゆっくり読んでいこう。
2日、ラ・コルーニャで行われた闘牛の最後に、良い牛を出した牧場主として来ていたセサル・リンコンに耳を取った闘牛士以上に喝采が送られた。これはイドロに対するものだと、ネットには書いていた。
2日、ウエルバで復帰したポンセは、この日5頭目の牛でグラン・ファエナをし観客を沸かせたが、ピンチャソ4回、デスカベジョ2回で耳2枚が消えたが、喝采を浴び場内1周をした。
2日の結果。 ラ・コルーニャ。フィニート、耳1枚。ホセ・トマス、耳1枚、耳要求。モランテ、耳1枚、口笛。 ウエルバ。パコ・オヘダ、耳なし。ポンセ、場内1周。フリ、耳要求、耳1枚。 アスペイティア。騎馬闘牛士、イゴール・エチャニス、場内1周。闘牛士、エンカボ、耳なし。ファンディ、耳1枚、耳2枚。セサル・ヒメネス、耳1枚。
8月5日(月)
蝉がミンミン鳴いている。買い物を終えて19時くらいに公園に行って、ノコノコを探したが暗くて見つからなかった。17時から18時頃までにいかないと穴が見つからない。
最近は日記を長く書けなくなった。書くことは一杯あると思うが気が乗らない。TVを観ないで闘牛のビデオばかり観ている。これが面白くて仕方ない。メールなども書かなきゃならないものがあり、会いたい人もいるのでそっちを優先していきた。
3日の結果。 エル・プエルト・デ・サンタ・マリア。ポンセ、耳なし。ハビエル・コンデ、口笛が2回。フリ、耳1枚が2回。 ベニドルム。ペピン・リリア、場内1周が2回。アントン・コルテス、耳1枚が2回。アントニオ・カロ・ヒル、耳なし。 ラ・コルーニャ。オルテガ・カノ、耳1枚。カバジェーロ、耳2枚が2回。エウヘニオ、耳2枚、耳1枚。 ウエルバ。フィニート、耳2枚。ホセ・トマス、耳1枚ともう1枚要求、口笛。モランテ、耳なし。 エステージャ。カリファ、耳1枚。ファンディ、耳2枚が2回。フランシスコ・マルコ、耳1枚が2回。
4日の結果。 マドリード。フラスクエロ、耳1枚。ミゲル・マルティン、クーロ・ビバス、耳なし。 バルセロナ。カリファ、アルフォンソ・ロメロ、場内1周。セラフィン・マリン、耳1枚が2回。 エル・プエルト・デ・サンタ・マリア。パコ・オヘダ、口笛。ホセ・トマス、耳2枚。カナレス・リベラ、耳1枚が2回。 ポンテベドラ。カバジェーロ、耳1枚が2回。エウヘニオ、耳1枚。フリ、耳1枚ともう1枚要求。 サンタンデール。エスプラ、耳なし。ファンディ、耳2枚、耳1枚。ハビエル・カスターニョ、耳なし。
ベルハ。コルドベス、ペピン・リリア、耳1枚が2回。ホセ・オリベンシア、耳1枚。 エステージャ。アベジャン、耳1枚。フランシスコ・マルコ、耳なし。セサル・ヒメネス、耳2枚、耳1枚。 マルベージャ。フィニート、ビクトル・プエルト、モランテ、耳なし。 ペドロ・デル・ムニョス。バレラ、耳2枚、耳1枚。ハビエル・コンデ、ミウラ、耳1枚が2回。 ソト・デル・レアル。ペピン・ヒメネス、耳なし。マリアノ・ヒメネス、耳1枚。イバン・ビセンテ、耳1枚、耳2枚。
バイヨンヌ(フランス)。フェルナンデス・メカ、場内1周。パディージャ、耳なし。フェレーラ、耳1枚。 ISTRES(フランス)。エル・フンディ、フレデリック・レアル、耳なし。 PALAVAS(フランス)。フェルナンド・ロブレニョ、耳1枚。 チィンチィジャ。フェスティバル闘牛。ファン・アントニオ・エスプラ、ラファエル・カミノ、耳1枚。マエラ、耳2枚。ルイス・デ・ラ・カマラ、場内1周。マノロ・トラルバ、耳2枚と尻尾1つ。
8月6日(火)
今日も暑い日だ。昭和20年頃は、こんな暑い日の朝には行水をして汗を流したそうだ。朝に行水をするというのはなかなか風情がある。それが江戸の頃から続いた日本の夏の風景だったのだろう。そんな暑い日の広島の朝に、B29から、原子爆弾が投下された。
広島では57年前、投下された原爆の平和記念式典(原爆死没者慰霊式・平和祈念式)が行われた。暑い朝。鐘の音と共に、1分間の黙祷が捧げられた。闘牛場で捧げる、1分間の黙祷(Un
minutos silencio)は、死んだ闘牛士などに捧げられる。スペインでは黙祷の時、目を瞑る人は殆どいない。帽子を取り目を開け立って行う。日本人は、目を瞑り黙祷をする。1分過ぎると終わるが、スペインの闘牛場では大体30秒位すると誰かが拍手をし始めそれを合図に黙祷が終わる。1分という正確な時間で行わないのだ。
今年の広島市主催の平和記念式典(原爆死没者慰霊式・平和祈念式)で、広島市長が行った、「平和宣言」 は何故か感動的だった。全文をここに載せる。
「 57年前、「この世の終わり」を経験した被爆者、それ故に「他(ほか)の誰にもこんな思いをさせてはならない」と現世の平和を願い活動してきた被爆者にとって、再び辛(つら)く暑い夏が巡ってきました。
1つには、暑さと共に当時の悲惨な記憶が蘇(よみがえ)るからです。
それ以上に辛いのは、その記憶が世界的に薄れつつあるからです。実体験を持たない大多数の世界市民にとっては、原爆の恐ろしさを想像することさえ難しい上に、ジョン・ハーシーの『ヒロシマ』やジョナサン・シェルの『地球の運命』さえも忘れられつつあります。その結果、「忘れられた歴史は繰り返す」という言葉通り、核戦争の危険性や核兵器の使用される可能性が高まっています。
その傾向は、昨年9月11日のアメリカ市民に対するテロ攻撃以後、特に顕著になりました。被爆者が訴えて来た「憎しみと暴力、報復の連鎖」を断ち切る和解の道は忘れ去られ、「今に見ていろ」そして「おれの方が強いんだぞ」が世界の哲学になりつつあります。そしてアフガニスタンや中東、さらにインドやパキスタン等、世界の紛争地でその犠牲になるのは圧倒的に女性・子ども・老人等、弱い立場の人たちです。
ケネディ大統領は、地球の未来のためには、すべての人がお互いを愛する必要はない、必要なのはお互いの違いに寛容であることだと述べました。その枠組みの中で、人類共通の明るい未来を創(つく)るために、どんなに小さくても良いから協力を始めることが「和解」の意味なのです。
また「和解」の心は過去を「裁く」ことにはありません。人類の過ちを素直に受け止め、その過ちを繰り返さずに、未来を創ることにあります。そのためにも、誠実に過去の事実を知り理解することが大切です。だからこそ私たちは、世界の大学で「広島・長崎講座」を開設しようとしているのです。
広島が目指す「万人のための故郷(ふるさと)」には豊かな記憶の森があり、その森から流れ出る和解と人道の川には理性と良心そして共感の船が行き交い、やがて希望と未来の海に到達します。
その森と川に触れてもらうためにも、ブッシュ大統領に広島・長崎を訪れること、人類としての記憶を呼び覚まし、核兵器が人類に何をもたらすのかを自らの目で確認することを強く求めます。
アメリカ政府は、「パックス・アメリカーナ」を押し付けたり世界の運命を決定する権利を与えられている訳ではありません。「人類を絶滅させる権限をあなたに与えてはいない」と主張する権利を私たち世界の市民が持っているからです。
日本国憲法第99条は「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と規定しています。この規定に従うべき日本国政府の役割は、まず我が国を「他のすべての国と同じように」戦争のできる、「普通の国」にしないことです。すなわち、核兵器の絶対否定と戦争の放棄です。その上で、政府は広島・長崎の記憶と声そして祈りを世界、特にアメリカ合衆国に伝え、明日の子どもたちのために戦争を未然に防ぐ責任を有します。
その第一歩は、謙虚に世界の被爆者の声に耳を傾けることから始まります。特に海外に住む被爆者が、安心して平和のメッセージを世界に伝え続けられるよう、すべての被爆者援護のための施策をさらに充実すべきです。
本日、私たち広島市民は改めて57年前をおもい起こし、人類共有の記憶を貴び「平和と人道の世紀」を創造するため、あらん限り努力することを誓い、すべての原爆犠牲者の御霊(みたま)に心から哀悼の誠をささげます。
2002年(平成14年)8月6日 広島市長 秋葉忠利 」
被爆国日本の小泉首相が、「人類史上唯一の被爆国である我が国は、平和憲法を順守し、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずとの非核3原則を堅持してきました。・・・核兵器の無い平和で安全な世界を1日も早く実現することを目指し、我が国は、今後とも国際社会の先頭に立って、核軍縮・核不拡散を推し進め、核兵器の廃絶に全力で取り組みます。」 と従来通りの原則論を言ったのに比べて遙かに意義のある、「平和宣言」 だったと思う。
それは、被爆地、広島が世界に発信した強烈なメッセージがそこになるからだ。このメッセージは世界の人々の中に共感を呼び起こす力をその中に持っていると思ったからだ。言葉によって訴えると言うことの意味がここになるような気がする。
遅くなったが土曜日、マドリード、ラス・ベンタス闘牛で行われた闘牛で、ラケル・サンチェスという女性見習い闘牛士が耳を切った。これは、クリスティーナ・サンチェス以来のことだろう。本名、ラケル・サンチェス・デ・ラ・ジャベ。1979年2月24日生まれ。彼女はトレド出身の23歳。デビューして今年で4年目。ちょっと遅い気もするが、コヒーダされてもがんばっていたようだ。
5日の結果。 ビトリア。カバジェーロ、耳なし。モランテ、口笛が2回。セサル・ヒメネス、耳1枚、耳1枚ともう1枚要求。 イスカル。フィニート、耳1枚。フリ、耳なし。レアンドロ・マルコス、耳2枚。
8月7日(水)
修理屋に出した靴を取ってから、公園に行き、ノコノコを探した。18時過ぎだったので穴から顔を出していたのを2匹見つけた。下が甚平のようなものを着ていったので心配していたことが起きた。蚊の大軍が足の周りを飛び回り痒くなった。他にいないかと探したのだが、蚊に刺された痛みが痺れだし、痒くなってきた。探しているとき足を観ると左足だけで5,6匹飛んでいた。掌で叩きつぶそうと手を振るのだが、敵も慣れたもの。あっさり交わされて何処かに消えている。痺れと痒みに耐えられなくなって家に帰ってきた。
部屋で足を観ると、左足だけで10カ所以上を刺されていた。もう嫌になって右足の刺された後は数えなかった。凄い腫れ方をしているところもある。シンボリ牧場の創始者、和田共弘さん、シンボリルドルフを育てているとき、「虻(あぶ)も良いだろう。」と、言っていたのを思い出す。適当に蚊から毒物を体の中に注入されていれば、体はそう言う外部から入ってくるばい菌に対して抗体を作るという作業に慣れてどうという事なく平気でいられるようになるはずだ。
とわ言え、痒いのだが。
6日の結果。 ビトリア。ホセ・イグナシオ・ラモス、耳1枚。フェレーラ、耳1枚が2回。ファンディ、場内1周、耳1枚。 ラ・アドラダ。マリアノ・ヒメネス、耳なし。フェルナンド・ロブレニョ、場内1周、耳1枚。フランシスコ・ハビエル・カルパス、耳1枚。 ソト・デル・レアル。ウセダ・レアル、耳1枚。ディエゴ・ウルディアレス、耳なし。ヘスス・ミジャン、耳なし。 チャテアウレナルド。コルドベス、耳要求。アルフォンソ・ロメロ、耳1枚。ファン・バウティスタ、耳2枚、耳1枚。
8月8日(木)
今日も暑かった。みんなが暑さにうんざりしているときにそうじゃない人たちもいる。不思議なことだが。甲子園の高校野球の開会式で、宣誓した生徒は、「甲子園の夏を、熱い、熱い、夏にしたいと思います」だって。そんなに暑い夏が好きなのか。今日は立秋。暦の上では秋だ。今日以降の暑さは、残暑という。だから暑中見舞いではなく、残暑見舞いになるのだ。
何年か前にスペインで買ってきた、『Espan~a Te Quiero』 を聞いていた。これを買ったきっかけはCDの中に入っていた、「Y
VIVA ESPAN~A」(これはおそらく間違いで、QUE VIVA ESPAN~Aが正しいはずだ)が聴きたかったからだ。この曲を意識して始めて聴いたのは、セゴビアの闘牛が終わった後の祭りで、水道橋下で一組の夫婦と子供たちがすれ違いながら探しているときに、色々な曲がかかってみんなが踊っていたときに耳に残ったからだ。
母親は1歳の男の子を連れて夫ともう1人の子供を捜していていた。何度か通り過ぎ、夫と何度かすれ違っていた。僕の立っていた場所で待ち合わせていたのか僕の前の道路標識の所に子供を立たせていた。子供は、道路標識に顔を隠して、“いない、いないばー”をしていた。子供の様子が何か変だと思ったのは、何度も同じ事をやって笑っていたのが、その笑い方が段々大きくなってきたからだ。そうしたら動かなくなった。道路標識の下には水が溜まっていた。おしっこをしたのだ。母親は、困ったような顔をしてから、僕を観て、「この子、未だ1歳なの」と、言った。
確かそんなときに、『QUE VIVA ESPAN~A』 がかかっていて、みんなが楽しそうに踊っていたのだと思う。この曲のタイトルを知ったのはずっと後で、デジタル放送でビア・ディヒタルの、ノスタルジア・チャンネルかなんかで知った。だから、このCDを見つけたときは嬉しかった。買ってきて殆ど、『QUE
VIVA ESPAN~A』 しか聴いていなかったが、今日は通して聴いた。『GUANTANAMERA』 や タンゴの名曲 『LA
CUMPARSITA』 もあった。ホセ・カレーラスの、『AMAPOLA』 などもある。何か昔のスペインの曲や、ラテンの昔の曲が聴きたくなった。あの、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』 を思い出した。名曲は歌い継がれるべきだ。
その他に、何故か、南沙織、山口百恵などを聴く。そのことも書きたいが、それはまたの機会に。
7日の結果。 ビトリア。コルドベス、耳1枚が2回。アベジャン、耳なし。フリ、耳1枚。
8月9日(金)
長崎市長は、初めてアメリカという国家を名指しで、核政策を批判した。その日、前外務大臣の田中美紀子が衆議院議員を辞職した。
NHKで元ちとせの番組をやっていた。島歌をベースに巫女のような霊力を感じさせる歌を歌う。こんな言い方は実は本意じゃないが、今はこういう言葉しか出てこない自分の言葉の使い方に未熟さを感じるが、仕方がない。これもまた、言葉に先行する肉体の所在だ。ファースト・アルバムが出ているので買ってこよう。
8日の結果。 ビトリア。ホセ・イグナシオ・ラモス、耳1枚。ビクトル・プエルト、エウヘニオ、耳なし。 パルマ・デ・マジョルカ。コルドベス、耳1枚、耳1枚ともう1枚要求。オルドニェス、耳1枚。フリ、耳1枚、耳2枚。
8月10日(土)
闘牛のカルテルが動いた。サラマンカ、バジャドリード、ログローニョと続けざまにカルテルが発表になった。アップするのが大変であっぷあっぷの状態だ。これでほぼ9月までの主なカルテルが発表された。夏休みでスペインに行く人も多いだろう。行ける人は良い。僕は東京で仕事だ。
9日の結果。 エル・プエルト・デ・サンタ・マリア。オルテガ・カノ、耳1枚。オルドニェス、耳なし。ミウラ、耳1枚。 ウエスカ。フィニート、耳なし。バレラ、場内1周。フリ、耳1枚。 カンポス・ペーニャ。ソトルコ、フェレーラ、ファンディ、耳なし。 ビトリア。雨のため順延。
8月11日(日)
暑い。競馬は大波乱。鹿島が横浜を2−1でくだし、磐田が最終節に勝てば前期優勝が決まる。大種牡馬、サンデー・サイレンスが3度の屈腱炎手術でも治らず、もう一方の足をかばい、蹄葉炎を発症していることが9日、北海道・早来の社台スタリオンステーションで代表の吉田照哉氏によって発表された。蹄葉炎は死の病。1週間以内に薬殺処分になるだろうと新聞は伝えている。競馬関係者にはショックが大きすぎるニュースだ。日本競馬界のあらゆる記録を塗り替えてきた大種牡馬は、もう直ぐ死亡する。
9日、マドリード、ラス・ベンタス闘牛場で見習い闘牛があり、ホセ・ルイス・ミニャロが耳1枚を2回取ってプエルタ・グランデした。
9日の結果。 マラガ。カバジェーロ、モランテ、耳なし。セサル・ヒメネス、耳1枚。
10日の結果。 マラガ。ビクトル・プエルト、強い耳要求でプレシデンテに罵声、耳1枚。オルドニェス、強い耳要求でプレシデンテに罵声。フリ、耳なし。 ウエスカ。クーロ・バスケス、口笛が2回。ホセ・トマス、耳1枚。怪我。トマス・ルナ、耳1枚が2回。 ポンテベドラ。エスプラ、耳2枚。エンカボ、耳1枚。エウヘニオ、耳なし。 ベニドルム。フィニート、耳なし。モランテ、口笛。セバスティアン・カステージャ、耳1枚ともう1枚要求、耳1枚。
ラ・ロダ。バレラ、耳2枚、耳1枚。フェレーラ、耳要求、耳1枚。5頭目のバンデリージャの後に場内1周をした。ファンディ、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。 サン・ロケ。フリオ・アパリシオ、耳1枚。アルフォンソ・ロメロ、耳2枚、耳1枚。ハビエル・コンデ、耳1枚。 ソクエジャモス。カバジェーロ、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。コルドベス、耳1枚、耳2枚と尻尾1つ。アベジャン、耳1枚が2回。 ビジャカナス。マルコス・サンチェス・メヒアス、耳なし。ウセダ・レアル、場内1周。エル・レンコ、耳1枚が2回。 ビジャヌエバ・デ・コルドバ。パディージャ、カリファ、アレハンドロ・カストロ、耳1枚。 ビナロス。ミウラ、耳要求。ファン・バウティスタ、耳1枚。セサル・ヒメネス、耳2枚が2回。
8月12日(月)
今日、片山先生と会って話してきた。特に何という話をしようと思っていたわけででもなかったが、飯を食って戦後の日本の話をした。闇市、戦犯、天皇制。長い間悪と思っていたものが、本当にそうだったんだろうか?と、思うようになってきた。山田風太郎の、『戦中派不戦日記』 『戦中派焼け跡日記』 などをつらつら読むに、戦争の意義や何やらがどうのとかじゃなく、実際にあの当時の国民の心情、気分というものから言うと、戦後の僕らが感覚というような天皇制廃止や戦犯についてもどうも疑問に思えてくるのだ。
それは、何も右翼的な思想からではなく、かといって、そもそも戦後日本の左翼運動のあり方自体も疑問に思えてくるところから、どうもおかしいと思うし、風太郎の日記中に出てくる当時の日本人の心情を考えると、そう言うことを疑問に思わざるを得なくなってくるのだ。片山先生は、8月15日の玉音放送を聞いているとき、「日本は負けた。と、言った近所の人を兄貴と親爺が殴り飛ばしたのを今でも鮮明に覚えている」と、言っていた。可笑しいがその当時は笑えない話だっただろう。山田風太郎の、『戦中派不戦日記』 の中にもラジオの電波の状態が悪くて聞き取りにくかったことなど色々書かれてある。
そんなことなど話して、漱石の、『坊ちゃん』 の先生がやった比較文化論の話などを聞いた。荷風は江戸趣味に逃げ込んだ。と、先生は言っていた。その通りだと思う。また、戦争中の荷風、『断腸亭日乗』 の日記にある、昭和20年8月疎開中の谷崎潤一郎を訪ねて食事を御馳走になるが、そこで食べる食事は風太郎など庶民が食べていたものなど比べるべきもなく遙かに良いものを食べている。正に敗戦目前に美食を取っている。
漱石の、『坊ちゃん』 の比較文化論を聞いていてその分析を聞いていて先生の考え方、博学さが良く判ってくる。まぁ先生の博学はちょっと話すれば直ぐ判ることだけど。清は、坊ちゃんに取って守護神。風太郎風に言うと、聖母なのだ。こんな話をしていたら時間がたって帰ってきた。結局、小説やマンガの話は今回は一言も話さなかった。
今日は日航機が墜落して17年目。御巣鷹山には慰霊のために遺族たちが登った。色々は催しが行われた。
11日、エル・プエルト・デ・サンタ・マリアにホセ・トマスに替わって出場したマヌエル・カバジェーロが、インドゥルトした。ハンディージャ牧場の、“フルテロ”535キロ。
11日の結果。 マドリード。エル・フンディ、場内1周。ミゲル・ロドリゲス、クキ・デ・ウトゥレラ、耳なし。 バルセロナ。ミックス闘牛。騎馬闘牛士、レオナルド・エルナンデス、場内1周。闘牛士、エル・シド、耳1枚。ルイス・ビルチェス、場内1周が2回。 エル・プエルト・デ・サンタ・マリア。パコ・オヘダ、口笛、耳2枚。カバジェーロ、耳要求、耳2枚と尻尾1つ。エウヘニオ、耳1枚が2回。 ウエスカ。オルテガ・カノ、耳なし。ハビエル・コンデ、耳1枚。オルドニェス、耳なし。 ポンテベドラ。パディージャ、耳なし。フェレーラ、耳1枚が2回。ファンディ、耳2枚。 タラゴナ。サンチェス・メヒアス耳なし。クーロ・マルティネス、耳1枚が2回。イバン・ビセンテ、耳1枚。
バエサ。フィニート、耳2枚と尻尾1つ。ビクトル・プエルト、耳4枚。モランテ、耳1枚、耳2枚と強い尻尾要求。 フォルトゥナ。ペピン・リリア、耳1枚、耳2枚と尻尾1つ。カリファ、耳1枚、場内1周。モリタ、耳1枚、耳2枚。 フレヘナル・デ・ラ・シエラ。モレノ、耳1枚。ラファエル・デ・フリア、強い耳要求。セルヒオ・マルティネス、耳1枚が2回。 マルベージャ。フリオ・アパリシオ、口笛。コルドベス、耳4枚。ファン・デ・プラ、耳1枚、耳2枚。 サン・ロレンソ・デル・エスコリアル。フラスクエロ、耳なし。エンカボ、耳1枚、耳2枚。フェルナンド・ロブレニョ、耳1枚が2回。 トレ・デル・カンポ。ラファエル・カミノ、耳4枚。カナレス・リベラ、耳2枚。ミゲル・アンヘル、耳2枚と尻尾1つ、耳1枚。
バイヨンヌ(フランス)。アベジャン、フリ、耳なし。セバスティアン・カステージャ、耳1枚。 SAINTES-MARIES-DE-LA-MER(フランス)。ペピン・ヒメネス、場内1周、耳1枚。ファン・バウティスタ、耳1枚が2回。レアンドロ・マルコス、場内1周が2回。
8月13日(火)
日本ハム、その子会社の日本フーズが不正申請、偽装工作を行ったことで、製品が小売店から撤去され売り上げが前年対比で40%も落ちているそうだ。雪印食品は倒産した。日本ハムも最悪そう言う状況になるかも知れない。消費者は怒っている。昨日などは、子会社の日本フーズの各営業部長が独断で行ったと口を揃えて言っているが、どうも嘘に聞こえる。日本ハム本社が直接指示しているのではないかという印象は拭い去ることは出来ない。
今後、事実が明らかにされるだろう。そうならなければ消費者はもっと怒るだろう。
片山先生が、「君は日本じゃ闘牛の話できる人がいないでしょう」と、言った。先生はそう言うことを良く解っている人だった。妙に納得した。
12日の結果。 マラガ。オルテガ・カノ、口笛。フィニート、耳1枚。フリ、耳なし。 サン・セバスティアン。バレラ、強い耳要求で場内1周、プレシデンテに罵声。ファンディ、場内1周、耳1枚。セサル・ヒメネス、耳1枚。 ウエスカ。ビクトル・プエルト、耳1枚、耳2枚。アベジャン、耳2枚。セバスティアン・カステージャ、場内1周。
8月14日(水)
昨日の、「何でも鑑定団」 で、横山光輝の16歳の頃書いたマンガが出され、鑑定の結果、1150万円の値が付いた。話によると、通常1万部売ると印税は100万円単位で入って来るという。マンガが売れるとそれまでと信じられないお金が入ってくるのだという。やる気の出る話だ。
下山さんから貰ってきた切れていたビデオ・テープを繋ぎ、再生した。94年のメホール・ファエナ。セサルがバルタサル・イバン牧場で耳1枚取り、牛が場内1周したファエナ。剣刺しで右手を骨折したが、シン・パラールの牛。
最後がインドゥルト3つ。フィニートの牛は凄い。フィニートのファエナには不満があるが牛は物凄い。それでも後半のナトゥラルは、ゾクゾクする。フィニートも若い。マンサナレスは飛ばして、オルテガ・カノは牛も凄いしオルテガ・カノのファエナも凄い。今のオルテガ・カノしか知らない人は信じられないだろうけど、兎に角物凄い。
闘牛士に会って落ち着かなくなるのは、ホセリート。ドキドキするのがオルテガ・カノ。緊張でどうしようもなくなってくるのがセサル・リンコン。これは、やはり91年の強烈な闘牛を観てきているからだ。今年、セビージャの闘牛場でホセ・トマスから1mの所でアップの写真を何枚も撮っているときもドキドキもしない緊張もしない。でも、オルテガ・カノの前では何だかドキドキして口が渇いてくる。セサルと会う前はもうどうしようもなく緊張してどうしようもなかった。あの時の日記を読んだ下山さんが、「まるで恋人に会う時みたいだ」 と言った笑ったが、そんな感じだ。
13日の結果。 サン・セバスティアン。カバジェーロ、耳1枚。オルドニェス、フリ、耳なし。 マラガ。フィニート、エウヘニオ、耳なし。ファンディ、耳1枚が2回。 アルカンタラ。ミックス闘牛。騎馬闘牛士、ハビエル・カノ、耳1枚ともう1枚要求。闘牛士、ビクトル・プエルト、ルイス・ビルチェス、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。
8月15日(木)
山田風太郎は、昭和21年8月15日付で、『戦中派焼け跡日記』 に、復讐記念日と書いた。何に対してかと言えば、東京大空襲、原爆で、「ここまでしたかやつら」 と激怒させた日本人の死体を観て思ったのだ。そうまでやったアメリカは、戦勝国として敗戦国を裁判で裁き、民主主義の名の下に戦争を仕掛ける大暴力国になっている。
戦没者に対して慰霊の気持ちを持つのは実は当然というものだが、今この国ではそう言うことを言うと右翼と言われかねない状況は社会が正常に復興してこなかったからだろう。
14日、ホセ・トマスの復帰戦はプエルタ・グランデで飾られた。
14日の結果。 マラガ。ビクトル・プエルト、耳なし。ホセ・トマス、耳1枚と強い耳要求でプレシデンテに凄い罵声、耳1枚。アベジャン、耳なし。 サン・セバスティアン。騎馬闘牛士、メンドーサ、耳1枚。闘牛士、カバジェーロ、耳なし。セサル・ヒメネス、耳1枚。 ヒホン。フィニート、耳なし。オルドニェス、耳2枚、耳1枚。モランテ、耳なし。 バエサ。凝る土音巣、耳要求。パディージャ、耳1枚。ファンディ、耳1枚、耳2枚。 ミラフロレス・デ・ラ・シエラ。ヘスス・ミジャン、ルイス・ビルチェス、耳1枚。イバン・ビセンテ、耳1枚が2回。 ダックス(フランス)。フェレーラ、耳1枚、耳2枚。フリ、耳2枚。フリエン・レスカレット、耳なし。
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