断腸亭日常日記 2002年 その9

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年のスペイン滞在日記です。

99年1月13日〜2月16日 2月19日〜4月14日 4月15日〜5月11日 5月12日〜6月4日
6月7日〜6月10日 6月13日〜7月9日 7月11日〜8月8日 8月9日〜9月9日
9月12日〜10月7日 10月10日〜11月10日 11月14日〜11月28日 12月12日〜12月31日
2000年1月1日〜15日 1月16日〜1月31日 2月1日〜2月28日 3月2日〜3月29日
4月2日〜4月19日 4月20日〜4月29日 5月1日〜5月14日 5月15日〜5月31日
6月1日〜6月15日 6月16日〜6月29日 6月30日〜7月15日 7月17日〜7月31日
8月1日〜8月15日 8月16日〜8月31日 9月1日〜9月15日 9月16日〜9月30日
10月1日〜10月15日 10月16日〜11月20日 11月22日〜12月10日 12月11日〜12月31日
2001年1月1日〜1月13日 1月14日〜1月31日 2月3日〜2月12日 2月13日〜2月26日
2月27日〜3月10日 3月11日〜3月31日 4月1日〜4月18日 4月19日〜5月3日
5月4日〜5月17日 5月18日〜5月31日 6月1日〜6月11日 6月12日〜6月22日
6月23日〜6月30日 7月1日〜7月15日 7月17日〜7月31日 8月4日〜8月15日
8月16日〜8月31日 9月1日〜9月15日 9月17日〜9月29日 10月1日〜10月15日
10月17日〜10月31日 11月1日〜11月15日 11月16日〜11月30日 12月1日〜12月15日
12月16日〜12月31日 2002年1月1日〜1月15日 1月16日〜1月31日 2月1日〜2月16日
2月18日〜2月28日 3月1日〜3月15日 3月16日〜3月31日 4月1日〜4月15日
4月16日から4月30日 5月1日〜5月15日 5月16〜5月31日 6月1日〜6月13日
6月15日〜6月30日 7月1日〜7月15日

 7月16日(火)

 13日の闘牛の会で発表した、「サン・イシドロ報告」について少し書いておく。始めに流した6月8日、場内1周したビクトリーノ・マルティン牧場の牛でのエンカボ。体型はビクトリーノの牛らしくなかったので手拍子や口笛を吹かれたが、カポーテでパセを始めるとキビキビした凄い動きをした。これはいけると思った。左角が体の方を通るときに特に良い動きをした。エスプラとやったキーテ合戦も良かった。牛は観客に捧げられ、アレナ中央でナトゥラルで牛を誘った。試しのパセをしないでファエナを始めたが牛の動きが物凄い。シン・パラール気味の牛でパセの後の返りも早いがエンカボは上手に牛を扱った。

 始めから、「オーレ」の合唱。牛が兎に角凄い。こういう牛はなかなか観れない。トゥリンチェラやパセ・デ・ペチョを決めた後のエンカボを格好良いと思った。当然耳2枚出るようなファエナだったが後半風が吹いてから良いパセを繋げなくて、剣と代えた後も直ぐ剣刺しに行った。観客から、「ケ・ノー」と言われていた。後5回いや後3回良いパセを繋いで、「オーレ」を叫ばせていたら耳2枚出ていただろう。

 アントニオが、その後のポンセのファエナの後に、感動的なのはポンセよりエンカボのファエナと言っていたのは当然だ。エンカボは詰めが甘い。いつも何かか足りないのが彼をフィグラにさせない理由だろう。

 鈴鹿からわざわざ闘牛の会に来たNさんのビデオを観たが感心した。普通素人がビデオを撮ると手ぶれなど画面が揺れるものだがそれが殆どない。こう言うところにNさんの闘牛に対する情熱を感じる。これは凄いことだと思う。ビデオの撮り方、画面の構図など初日に撮ったフリのウニコより、翌日撮ったモストレスのビデオの方が数段良い。物凄い進歩だ。本当に感心する。こうやって日本からスペインに行く人の中にビデオを持って闘牛を撮る人がいるのだろうが、かなり、上質のビデオ撮影だと思う。

 また台風が来ている。さーっと通り過ぎるようだが、嫌なもんだ。


 7月17日(水)

 悲しいことに、エルコンドルパサー(7歳)が腸捻転のため16日21時10分、繁養先の北海道・早来社台スタリオンステーションで死亡した。ナリタブライアンもそうだったが種牡馬になって直ぐ死亡。18億円でシンジケートが組まれ種牡馬として期待されていただけに関係者はショックだろう。そして、競馬ファンも馬って本当にコロッと死ぬんだなぁとガッカリしているだろう。

 歯医者に行ってきた。久しぶりに行ったので、まずレントゲンを撮って、歯磨きチェック。磨きの腰が多い。ブラッシングが強すぎて歯間に届いていなかった。もっと力を抜いてブラッシングをするように教育的指導を受ける。それから歯垢を落として貰った。それから、先生が登場。右上奥歯の状態が良くないのでそれをどうするか。詰め直した方が良いようだ。次回までに考えるように言われた。左上奥歯もあまり良くない。

 山田風太郎 『戦中派不戦日記』 昭和20年5月13日から6月12日まで読む。


 7月18日(木)

 山田風太郎 『戦中派不戦日記』 で、毎日東京に空襲がある。3月10日の東京大空襲。5月に連続して続く空襲。遂に24日焼け出される。そして、世話になっている人の代わりにこの子供と山形に疎開。そこで運命的な出会いをする。5月27日の記述には、「啓子ちゃんという可愛らしい女学生がいた。」とある。それが、30日では、「啓子ちゃんという女学生はだれに属するのか、ときいた。「房」と、ただ一言答えた、高須さんの奥さんの名だった。電流に打たれたような感じだった。奥さんが高須さんと再婚だというのは知っていたが、あんなに大きなお嬢さんがここにいようとは、まったく知らなかった。お父さんはずっと以前に死んだという。」とある。

 啓子ちゃんの境遇はまさに風太郎と同じだった。関心を持っていたところにそれを知って好意を持っていったのだろう。後の風太郎夫人になる啓子ちゃんとの出会いがこのように記述されていた。明日をも知れぬ命。そんな中で50年連れ添う女性と出会った。そして風太郎は、この夫人が居たからこそあのような大作品群を創作できたのだ。

 17日の結果。 ナバス・デル・マルケス。コルドベス、ハビエル・カスターニョ、アントニオ・バレラ、耳2枚。


 7月19日(金)

 今日も東京は暑かった。これで風がなかったらばててしまうかも知れない。夜、買い物に行こうと部屋を出ると車が止まってクラクションを鳴らしている。どうしたのかと観ると猫が道路の真ん中で涼んでいる。運転手は何と考えているのだろう。そのまま進めば、猫は危ないと思いどけるのに。こういう運転は危ない。猫をひくくらいの気持ちがないと後続に車が続いていたら事故になるだろう。

 訳の分からない交通事故に、犬や猫をが車道にいてそれを避けようとしてハンドルを切り歩道に乗り上げ人をひき殺す事故がある。これはヒューマニズムじゃなくて殺人だ。動物をひき殺すのと人をひき殺すのとはかりに掛けたら、動物をひき殺す方を当然選択するべきなのにその判断が出来ない。いくら動物愛護団体でも、人をひき殺すべきだとは言わないだろう。もし言うとすれば、それは狂人集団だ。獣医に聞けば動物を飼っている人にはかなりおかしい人がいるらしいが・・・。

 山田風太郎 『戦中派不戦日記』 を持っていくのを忘れたので、替わりに、『ヨーロッパ美術を読む旅』 ー旧約聖書編ー 柳澤保雄 を読んだ。色々面白いことが書いてあってスペインファンとしては興味深い。その中で1つの疑問が解決した。ミケランジェロの彫刻 ダビデ像 のダビデは包茎だ。ダビデはユダヤの王なので当然割礼をしているはずなのだ。この疑問は、ミケランジェロの時代までユダヤにそういう習慣が定着していなかったのだろうかとも思っていたが、そうじゃなかった。明らかにミケランジェロの間違いだったということが判った。


 7月20日(土)

 昨日、来週のスケジュールが決まった。また、ハードな仕事になってしまった。仕方がないけど、他人の尻拭いをしなければならない。疲れるよなぁ。

 ニューヨークの株価は、400ドルくらい値下がりした。

 ラ・リネア・デ・ラ・コンセプシオンで行われた闘牛で、エル・ファンディがペラルタ牧場のNO945、ゴメロという牛をインドゥルトした。

 19日の結果。 ラ・リネア・デ・ラ・コンセプシオン。サンチェス・メヒアス、耳要求で場内1周。コルドベス、耳2枚。ファンディ、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。牛、インドゥルト。 ロケタス・デ・マル。フィニート、耳2枚。フリ、耳2枚と尻尾1つ。ヘスス・アルメリア、耳2枚が2回。


 7月21日(日)

 暑い。ようやく梅雨も明けたように蒸し暑くなってきた。汗が全身に滲む。着ている服は1日で洗濯。パジャマだって寝汗で濡れてしまう。部屋に冷房がないのは今年も同じ。仕事場には冷房が入っているが、体が悪くなるような冷え具合で寒気すらする。夏は暑い方が良いし、夏の風呂は気持ちが良い。暑いときは暑いように暮らし、寒いときは寒いように暮らす。人間自然が1番。

 7月の闘牛の会、「2002年サン・イシドロ報告」の続き。ファエナ2つ目は、5月24日のエンリケ・ポンセ。ポンセは、去年までと違う。信じられないように突然変異した92年を思わせる闘牛を今年はやっている。何処が違うってパセするとき、腰が動かないのが良い。綺麗なベロニカを繋ぐと、「オーレ」がなった。ラルガを連続して繋ぎ喝采。この牛、ピカの時、右側からカポーテを振っても来なかったので右目が悪いのかと思ったが、特にそんなことはなかった。キーテは、ベロニカを繋ぎ、メディア・ベロニカ。きれいに決まって「オーレ」がなる。

 ファエナは、右手で膝を折ったパセから始めトゥリンチェラ、パセ・デ・ペチョ。「オーレ」がなる。充分距離を取って、デレチャソ。クルサードして綺麗に繋ぎ、パセ・デ・ペチョ。脇が開いているが、盛り上がっていく。余裕を感じさせるムレタ捌き。パセが綺麗。腰が動いていないのが良い。92年の様な闘牛だ。アジェダード・ポル・アルトからナトゥラルを繋ぎ、モリネーテ、パセ・デ・ペチョ。正面を向いて足を揃えたデレチャソを繋ぎパセ・デ・ペチョ。「オーレ」が続いた。剣を代えて、膝を折った手の低い長いパセを繋ぎトゥリンチェラ、パセ・デ・ペチョ。スエルテ・コントラリアに牛を置いて、良いところに決めた。牛が直ぐ倒れ、何と耳2枚。信じられない。1枚でしょう今のは。ともあれ、ポンセは、久々にラス・ベンタスのプエルタ・グランデを開けた。

 パセを繋いでいるからビデオで観ると耳2枚に見える。アントニオが、エンカボのファエナの方が感動したと、言ったがその通りだと思う。でも、ポンセのパセは久しぶりに良かった。セビージャで観たときから、今年のポンセは違うと言って騒いでいたが、まさかラス・ベンタスのプエルタ・グランデを開けるとは思わなかった。今年のポンセはお薦めだ。

 山田風太郎 『戦中派不戦日記』 6月13日から11月8日までを読む。

 闘牛は、バレンシア、サンタンデール、モン・ド・マルサンが始まった。ホセ・トマスは、明日モン・ド・マルサンで復帰する。

 20日の結果。 サンタンデール。ミウラ、耳なし。ヘスス・ミジャン、場内1周。ラファエル・デ・フリア、耳なし。 マンサナレス。フィニート、口笛。コルドベス、耳2枚、場内1周。エウヘニオ、耳2枚。 グアルダマル・デル・セグラ。ミゲル・ロドリゲス、耳1枚。バレラ、耳なし。ビクトル・プエルト、耳1枚、耳2枚。 ラ・リネア・デ・ラ・コンセプシオン。オルテガ・カノ、耳なし。ファン・カルロス・ランドロベ、耳1枚、場内1周。モランテ、耳なし。 サン・ペドロ・デル・ピナタル。ペピン・リリア、耳2枚、耳1枚。フェレーラ、耳1枚、耳2枚と尻尾1つ。ファンディ、耳2枚、耳1枚。 FREJUS(フランス)。フンディ、場内1周、耳2枚。ファン・バウティスタ、場内1周。セバスティアン・カステージャ、耳1枚。


 7月22日(月)

 昨日、東京駅内のコンビニで万引きを追いかけてナイフで刺され殺された店長が居た。盗んだ金額は約500円。そんなので殺人を犯すか。殺された店長は正義感が強い人だったそうだ。良い人は長生きできない世の中なのか。

 俊輔最後の試合に国立は満員の状態で別れを告げた。1アシスト、1ゴール。

 フェレーラがバレンシアで怪我。アントニオ・バレラもバルセロナで怪我。モン・ド・マルサンにはセサル・ヒメネスが出場。

 21日の結果。 マドリード。ディエゴ・ゴンサレス、耳なし。アルベルト・ラミレス、エル・シド、場内1周。 バルセロナ。オルテガ・カノ、凄い罵声、罵声アビソ3回。フィニート、耳なし。アントニオ・バレラ、右太股に10cmの怪我。 バレンシア。エスプラ、耳なし。フェレーラ、耳2枚。右太股に14cmと10cm角傷を受け重傷。 タラゴナ。パディージャ、耳2枚と尻尾要求、耳2枚。ファン・バウティスタ、耳1枚。ルベン・マルティン、耳1枚が2回。 ロケタス・デ・マル。ビクトル・プエルト、耳1枚ともう1枚要求。ミウラ、耳1枚。クーロ・ビバス、耳2枚。 マルベージャ。コルドベス、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。モランテ、耳1枚が2回。フリ、耳なし。  モン・ド・マルサン。ソトルコ、デニス・ロレ、耳なし。ペピン・リリア、場内1周。


 7月23日(火)

 暑い。汗が引く暇がない。止めどなく流れ続ける汗。仕事をして汗、洗濯して汗、風呂に入って汗、寝て汗。髪の毛の間から額に流れ落ちる汗。スーパーに行けばギンギンにクーラーが利いていて汗が引くが、出てくるとまた汗が吹き出てくる。暦の上では1番暑い、大暑というのだそうだ。明日、明後日は雨が降って30度は行かない予報。

 アメリカの株価は、ワールドコムの破綻でまた下がり、一時7800ドルを割った。底値は未だ見えない。世界の不況をアメリカの景気の良さが救っていたが、今の状況は、株価高でバブルになっていたアメリカ経済が急降下を始めたことを意味するようだ。世界同時不況が起こるかも知れない。日本はバブル崩壊後、10年以上経っても景気が良くなる兆しがない。株価は、バブル最盛期の約1/4になったまま。

 山田風太郎 『戦中派不戦日記』 読了。敗戦後の日本人はコセコセして不信感を持って生活していたようだ。でも、今の日本よりは遙かに悪い最悪の状況の中で、明日の希望もなくその日暮らしをする人々が焼け跡の中で彷徨っていた。昭和21年は政府の予測では1000万人の餓死者が出るだろうと発表があった。それに比べれば今の日本は遙かに状況が良いのに、現実感覚が稀薄で、希望がない。

 山田風太郎 『戦中派不戦日記』 についてはもっと詳しく書きたいが今は時間がない。

 22日の結果。 サンタンデール。フィニート、アベジャン、フェルナンド・ロブレニョ、耳1枚。 メンギバル。コルドベス、耳1枚が2回。ファン・バウティスタ、耳2枚と尻尾1つ。ファンディ、耳2枚が2回。 モン・ド・マルサン。カバジェーロ、耳1枚。ホセ・トマス、セサル・ヒメネス、耳なし。


 7月24日(水)

 また、台風が近づいている。2つ来ているが、9号は明日九州辺りに上陸しそうだ。その影響で、11号は複雑な動きをする模様で、どうなるか判らない。雨はこれから降り、多雨風の影響で長く雨が降るところも出そうだ。

 東京駅内、コンビニで起きた殺人事件の犯人が逮捕された。ホームレス生活をしていた執行猶予中の男で、「今度捕まると刑務所のはいるから、怖かった」と、言っているらしい。自首した大森秀一容疑者は、ビデオが公開された後、弟とTELし、「ビデオは兄貴に間違いない」と言われ観念したようだ。それまで店長が死んだことも知らなかったそうだ。刑務所どころか、死刑になるかも知れない。500円の物品で殺人を犯し死刑になるかも知れない。馬鹿は徹底して馬鹿な人生を歩むようになっているようだ。

 パレスチナへのイスラエル軍による空爆でハマスの幹部が死亡。その他に民間人が多数死亡した。パレスチナは怒り狂っている。当然だ。話し合いをしようせず、軍事力で威嚇して国家を維持しようとする国には、徹底して武力で対抗すべきだ。ニューヨーク株式市場の幹部が、企業の不正経理に対して、「これはテロだ」と、言ったそうだが、今回イスラエルがやったことが、国家がやったテロじゃなかったら何だと言うのだろう。国家や民族を守るものは、平和思想と外交など言う日本みたいな非現実な事を言っていては、国家も民族も守ることは出来ない。軍事だけが全てとは言わないが、軍隊を持たない国家が、国家として存在できない現実がここになるのだ。

 今日、明日と忙しい。

 23日の結果。 サンタンデール。セサル・ヒメネス、耳2枚。レアンドロ・マルコス、耳なし。ハビエル・バルベルデ、耳1枚。 モン・ド・マルサン。ミウラ、アベジャン、耳なし。フリエン・レスカレット、耳1枚。


 7月26日(金)

 2日ぶりに家に帰ってきた。クーラーのない部屋は暑いが、クーラーに当たっていると頭が痛くなったり寒気がするので、暑い部屋にいる方が体に良い。アイスクリームが美味しい。素麺も美味い。クーラーが当たっているところでは、ラーメンがいい。汗を流して体の血行が良くなるような感じがする。しかし、2日も風呂に入っていないと体がベトベトして気持ちが悪い。風呂に行こう。

 山田風太郎 『死なない剣豪』 読了。10日くらいには読んできたが書いていなかったので記入する。『吉野家の経済学』 安部修仁、伊藤元重 読了。

 注文していた『エピソードでつづる闘牛士名鑑』 ーフランシスコ・ロメロからパキーリまで166人の素顔ー 真継 真 著 万年青書房 が届いた。本屋に取りに行って聞いたら、山田風太郎 『戦中派焼け跡日記』 は7月29日発売で即日届けられると言うことだった。

 26日バレンシアの牛はヌニョス・デル・クビジョの牛が獣医検査で不合格になって、ロス・バジョネス、と、マルテリジャ牧場の牛が3頭ずつ出ることになった。こういう場合、あまり良い闘牛が観られない事が多い。

 24日の結果。 バレンシア。ペピン・リリア、耳1枚ともう1枚要求。パディージャ、場内1周。ホセ・カルボ、耳1枚。 サンタンデール。カバジェーロ、コルドベス、耳1枚。ファンディ、耳1枚、耳2枚。 モン・ド・マルサン。フェルナンデス・メカ、場内1周、耳2枚。フリ、耳2枚。セバスティアン・カステージャ、耳1枚が2回。

 25日の結果。 バレンシア。バレラ、耳1枚が2回。ビクトル・プエルト、アベジャン、耳なし。 サンタンデール。ペピン・リリア、耳なし。ホセ・トマス、罵声。モランテ、耳1枚。 モン・ド・マルサン。フェルナンデス・メカ、耳なし。パディージャ、耳2枚が2回。フェレーラに替わり、ハビエル・バルベルデ、耳1枚。 トデラ。フィニート、耳なし。フリ、耳1枚。ハビエル・カスターニョ、耳1枚が2回。 コジャド・ビジャバ。エスプラ、耳1枚、耳2枚。エンカボ、フェルナンド・ロブレニョ、耳2枚。


 7月27日(土)

 つらつらと、『エピソードでつづる闘牛士名鑑』 ーフランシスコ・ロメロからパキーリまで166人の素顔ー を読み始めた。実はそんなに期待していなかったがちょっとやっぱりなぁという感じがする。参考資料として使っているのが英語のものが多いことと、文学作品が多い。闘牛用語は未だ読んでいないが、これは言葉が出来る人ならある程度書けるので良いとしても、闘牛士の文章は何だかピンとこない。

 闘牛は始めたロンダのロメロ一家のことについても、ホセリート、ファン・ベルモンテ、などの記述は期待はずれだった。もうちょっと文献を読んで書いた方が良いのにと思った。これだけ重要な闘牛士に記述がこれじゃ何だかガッカリ。

 でも、引用が多いだけに、ジャン・コクトーの、『五月一日の闘牛』 メリメの、『スペイン便り』 ミッチッナーの、『イベリア』 が読みたくなった。だたし、ミッチッナーの『イベリア』 は、文庫で出ていたが、闘牛の章が本になっていないのが残念でならないが、ジャン・コクトーやメリメはどうなんだろう。ネットで調べてみよう。

 来年以降のセビージャのフェリア・デ・アブリルの日程が判った。2003年は、4月20日〜5月4日まで。2004年は、4月18日〜5月2日まで。2005年は、4月3日〜4月17日まで。2006年が、4月16日〜4月30日まで。ドミンゴ・デ・レスレシオンは、フェリアの約2週間前の開催になるはずだ。

 26日の結果。 バレンシア。フィニート、口笛が2回。ホセ・トマス、口笛。セサル・ヒメネス、耳要求で場内1周、耳2枚。 サンタンデール。ビクトル・プエルト、耳なし。フリ、耳1枚。フランシスコ・マルコ、耳2枚が2回。 ビジャヌエバ・デ・ラ・カンニャダ。騎馬闘牛士、ミゲル・カルシア、耳1枚。闘牛士、エル・フンディ、耳2枚、耳1枚。イガレス、耳2枚と尻尾1つ。


 7月28日(日)

 「肥満で心臓病、糖尿病を患ったのは不健康な食事をさせられたせい」とアメリカでマクドナルド、バーガーキング、ウェンディーズ、ケンタッキー・フライドチキンのファストフードチェーン4社に対する損害賠償請求訴訟をニューヨーク州地裁に起こした人がいる。それなら食わなきゃ良いのにとか、人のせいにしてとか、思ってしまうが、そういう裁判を起こして大金を手に入れるのがアメリカのやり方。理解できない考え方だ。

 復帰してホセ・トマスの耳を切られずにいる。体調が悪いのかも知れない。

 27日の結果。 バレンシア。バレラ、耳なし。カリファ、場内1周、耳1枚。フリ、耳1枚。 サンタンデール。エスプラ、耳1枚。パディージャ、耳要求。エンカボ、口笛。 トゥデラ。騎馬闘牛士、メンドーサ、耳1枚、耳2枚。闘牛士、カバジェーロ、耳1枚が2回。アベジャン、耳2枚。 アタルフェ。コルドベス、耳1枚が2回。ミウラ、耳1枚。フェルナンド・ロブレニョ、耳2枚が2回。 ラ・ソラナ。フィニート、口笛。ビクトル・プエルト、耳2枚が2回。エウヘニオ、耳なし。 BEAUCAIRE(フランス)。ファン・バウティスタ、耳1枚が2回、場内1周。セサル・ヒメネス、耳1枚、耳2枚。


 7月29日(月)

 アルメリアとサンタンデールの闘牛のビデオを観た。印象としてフリの耳2枚と尻尾1つ、セサル・ヒメネスの耳2枚はこんなものかと思った。セサル・ヒメネスはラス・ベンタスの時とクルサードの仕方が違う。地方だから仕方ないのだろうが、ファエナは悪いわけではない。牛の誘い方はしっかりしているので、やり方は良い。彼は、フィグラと一緒にやった方が勉強になるだろう。18歳なのでこれから覚えることが多いだろう。フリはあんなものだろう。フリとセサル・ヒメネスのファエナを比べると、やり方、パセの姿勢、落ち着き、牛のある扱い方まで、セサル・ヒメネスの方が正しいやり方をしている。牛も判っている。人気はフリの方が凄いけど。

 フィニートは、アンダルシアだとのびのび闘牛をやっている。観客に乗せられて耳2枚。ヘスス・アルメリアは耳4枚取ったが印象にない。ちゃんと観ていないからか。

 『エピソードでつづる闘牛士名鑑』 ーフランシスコ・ロメロからパキーリまで166人の素顔ー を読む。

 書き忘れたが昨日28日は山田風太郎の1周忌だった。山田風太郎 『戦中派焼け跡日記』 は7月29日今日発売だが、本屋から未だ連絡が来ない。チーズの肉トロを食べたかったがそういうわけにもいかなかった。

 28日インカ(バレアルス)で、ビクトル・プエルトがファン・アルバラン牧場の、NO33,アルパルガト、という牛をインドゥルトした。

 28日の結果。 マドリード。フラスクエロ、場内1周。フェルナンド・カマラ、エル・レンコ、耳なし。 バルセロナ。パディージャ、耳なし。ホセ・イグナシオ・ラモス、耳1枚、場内1周。エンカボ、場内1周。 エル・プエルト・デ・サンタ・マリア。フィニート、罵声。バレラ、耳1枚。フリ、耳2枚。 インカ。マノロ・サンチェス、耳2枚、耳1枚。ビクトル・プエルト、耳2枚と尻尾1つが2回。2頭目の牛、インドゥルト。アベジャン、耳2枚。 マルベージャ。ペピン・ヒメネス、場内1周、耳1枚。サンチェス・メヒアス、耳なし。アレナンドロ・アマジャ、耳2枚。 トゥデラ。ミウラ、ハビエル・カスターニョ、アントン・コルテス、耳なし。 ポルスナ。騎馬闘牛士、ルイス・ドメク、耳1枚。闘牛士、コルドベス、耳2枚。アニバル・ルイス、耳2枚と尻尾1つ。 ORTHEZ(フランス)。ソトルコ、耳なし。ファン・バウティスタ、耳1枚。フリエン・レスカレット、耳なし。 SAINT-VICENT-DE-TYROSSE(フランス)。エル・フンディ、デニス・ロレ、耳なし。フェルナンド・ロブレニョ、耳1枚。


 7月30日(火)

 久々の休みで部屋を掃除でもしようと思っていたが、暑いのもあるし7月の疲れが溜まっていたようで寝ていた。やったことは、闘牛のビデオを観て過ごしたくらいだ。やらなければならないことが一杯あるのに、これじゃやばいけど、仕方ない。8月になったら少し楽になるのでその時にやろう。

 闘牛のビデオは、今年のサン・イシドロ、5月17日。エル・ファンディもフェレーラも良い。フェレーラの始めの牛は非道い牛で良くこの牛でファエナが出来るなと感心したことを思い出した。観客にそういう気持ちにしていたからプエルタ・グランデに繋がったのだ。エル・ファンディもファエナはそれほどでもないがカポーテは良いし、バンデリージャ、剣刺しは凄く良かった。

 NHK総合で、「マンガ夜話」再放送をやってい今日は、「ナニワ金融道」をやっていた。面白そうだ。読んだことないけど。明日の深夜は、手塚治虫 「ブラックジャック」。それと、「みどりのマキバオー」。録画しておかないと。


 7月31日(水)

 何故かは判らないが、ウイルス・ソフトの調子が良くない。それによるのかどうか、パソコンの調子も良くない。参ったなぁ。これじゃ、メールもおちおち開けれないじゃないか。でも、パソコンは2台あるのでそれを使ってしのごう。

 逆に調子が良いのは、HPのアクセス数。7月が昨日までで、2000をカウントした。初めてのこと。1日平均、65以上。凄い数字だ。


http://www2u.biglobe.ne.jp/~tougyuu/以下のHPの著作権は、斎藤祐司のものです。勝手に転載、または使用することを禁止する。


ホームに戻る