−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−
por 斎藤祐司
過去の、断腸亭日常日記。 −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−
太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年のスペイン滞在日記です。
11月16日(土)
この前の闘牛の会では、それぞれの闘牛との出会いを話した。1/3くらいの人が未だ闘牛を観たことがなかったが、その人たちの闘牛の出会いは、闘牛の会との出会いだった。その接点は、闘牛の会を開催している東西文化センターだった。そこでやっていたスペインの焼き物展を見に来て出会った人。闘牛写真展に来て知った人。スペイン語を習いに来て講師に闘牛の会を教えて貰い来るようになった人などだった。
他はスペイン留学中にホームステイ先のおばさんに闘牛を勧められて初めて観た人。旅行中に闘牛を観て好きになった人など。僕もその中の1人だ。高橋さんの様に宝塚歌劇団ファンで宝塚が、『血と砂』の公演をやるために、資料集めとして闘牛の会にやってきた人もいる。同じようにネットでスペイン旅行を計画してこのHPを知って闘牛の会に来た人たちもいる。
牧ちゃんの話が1番面白かった。パックツアーで出会った闘牛。バレンシアの火祭りで格好いい闘牛士、リトリと出会う。早速追っかけを始め闘牛場を廻る。ホテルでリトリを待ったり、移動のバスや電車で顔を見た日本人。その全員と闘牛の会で再会したそうだ。あのホテルにいたでしょ。あのバスに乗ってたでしょ。と、いった具合に闘牛の会で話がはずんだそうだ。そういう意味でも闘牛の会は貴重だと言っていた。上手いことまとめたもんだ。
闘牛の会発足で集まったのは確か9人だった。95年12月。東西文化センター。それから徐々に増えていって今は会員が90人くらいいるのだろうか。定例会に来るのは20人か30人くらいだけど、闘牛の会の活動は牧ちゃんが言うとおり貴重なものだ。
アントラーズが負けて優勝できなくなった。何やってんだか。
11月17日(日)
マイルチャンピオンシップは、今週新聞を読んで、データ、血統、調教、距離適性、騎手との相性、格、調子などを考えて検討した結果、本命は勢いに乗る、メイショウラムセス。1600mでの抜群の距離適性、最近の充実ぶりと、調教の仕上がりが良いのでこれで行ってみることにした。心配がないわけでもない。それは格的に劣るし、ローテーションが6月から休みなしに6走していること。大事なG1でその不安が出なければいいが。
対抗は、遂に来たその時、ブレイクタイム。前走、天皇賞では距離が合わずに完敗したが得意のマイルでタイトルを狙う。単穴は、エイシンプレストン。やっぱりG1馬。格がある。天皇賞では原因不明の敗戦。今度は何とかしろよ福永という気持ちだ。注は、こちらもG1馬、アドマイヤコジーン。6歳馬というのが気になるが、今年は連続して連帯を記録して充実しているので安田記念の再現も充分あり得る。1番人気になって当然かの知れないが、混戦予想の通り、前日発売で3.0倍。
他に、G1馬3頭、ゼンノエルシド、アローキャリー、ダンツフレームは調子落ちでお客さんだと思う。武豊の乗るモノポライザーはマイル3戦3勝。距離適性は抜群だが何故買わないかというと、訳がある。血統だ。ノーザンテースト肌の牝馬に、サンデーサイレンスはG1を勝ったことがない。これがジンクスではなく、そういう結果が出ているという事実を減点材料にして買わなかったが、もし、デビュー当時の勢いでレースに挑んできたら買っていただろう。
今回は、馬連だけじゃなく、3連複も3点買った。これは3着に来そうな格下だが勢いがあるデュランダルを注目して、本命のメイショウラムセスをベースに、対抗、単穴、注へと流した。これが来れば万馬券も夢じゃない。
予想はしたが、自信がないので金額はひかえたが、来ればもっと買っておけば良かったと思い、来なければこれで良かったと思うだろう。
そういえば、セレッソ大阪がJ1復帰を決めた。
11月18日(月)
ネットで昭和20年代の少年雑誌が出ていた。その中で山田風太郎のいわゆる“少年物”で本になっていない物が出ていた。ネットで風太郎の作品リストを観ていたら、光文社文庫の山田風太郎ミステリー傑作選、『笑う肉仮面』<少年篇>には載っていない物だった。そこで解説を読んでいたらやはりこの本に載っていない、『少年少女譚海』の連載されていた未完の、『神変不知火城』は、天草四郎、その忠臣で幻術師の森宗意軒、孫娘のお夢、原城を築いた塚本伊織の一子伊太郎、妖術を使う由井正雪、槍の名人丸橋忠弥、真田幸村に忍術使いの猿飛佐助、孔雀組の頭領、白頭巾などが入り乱れる大伝奇物語なのだそうだ。
つまり、風太郎忍法帖の基になるような小説のようだ。これが未完だったので物語は、「侠雄、神童、美少女、悪人のむれが、砲煙たちこめ、剣先きらめく原城をめぐって、まんじともえとみだれたたかう波瀾万丈の物語は、いずれ筆をあらためて諸君におつたえすることとしよう」で、終わるのだという。
それだけでも、それだけでも良いから読ませて欲しいと思ってしまうのは、やはり山田風太郎中毒患者だからだろう。毒が廻った体に、風太郎の毒を続けて注入しないと人生がつまらなくなってしまう。
驚きのトウカイポイント。マイルチャンピオンシップは、前走2度の降りで5着に負けていたトウカイポイントが勝った。シンボリルドルフ、トウカイテイオーと3代の血がG1を勝ち取った。2着エイシンプレストン、3着リキアイタイカンで馬連、馬単、が万馬券。3連複が37万9390円。リキアイタイカンが絡んだワイド2点も万馬券になった。これも競馬。この結果をどう解釈すればいいのか。
11月19日(火)
幸福とは何か?
山田風太郎ではなく、映画監督の山田洋次が、25年前撮った、『幸福の黄色いハンカチ』の撮影現場夕張の炭坑団地あとに、作られた幸福の館に年間5万人が訪れる。そこを訊ねて黄色い紙に書いたメッセージの主に会い、話を聞く番組をやっていた。お金持ちになるとか、有名になると言う薄っぺらい価値観しか持ち合わせていない人には、幸福の意味は簡単だろう。山田洋二はそういう幸福感ではなく、日常をささやかに暮らす家族の幸福を考える。それを小市民的と言ってしまえば、左翼的な簡単さで召すことが出来る。が、右翼とか左翼とかそんなのはどうでも良いのだ。穏やかな幸福。最大公約数の幸福。
そういう何でもない幸福。いるべき人がいてそこにいて、普段は気にかけることがない家族が、お金がなくても幸せに暮らせる事は、人間にとって重要なことだ。「腹の底から笑える家族になろうよ」という夫婦の短冊が部屋に飾られている。でももう、2人は離婚していた。娘の結婚式には離婚したばかりだからと2人とも出なかった。出なかったが、娘の結婚には希望を持った。
今日本人は、自信を失い、希望をなくし、何かに怯えているようだ。人生に必要な物は、自分がやりたいことを見つけ、それをやり続けていく環境を自分で作り、そのことによって希望が持てる人生を送ることが出来るのだと思う。お金はほんの少しあればいい。
そういえば、今年スペインでそんな人になったなぁ。お金がなくても家族で幸福に暮らしている人だった。幸福って抽象的なことではなく具体的なことだと思う。
11月21日(木)
「 音楽や芸術、創造性など人間を動物から分かつ特徴は少なくないが、その代表格は言語と言われる。
チンパンジーも言語を操ると話題になったけれど、「文法のような規則的な構造を持った文を使うのは人間だけ」。この人間らしさの本質に「科学のメス」で切り込もうとしている。
言語は謎に満ちている。その一つが「プラトンの問題」だ。ギリシャの哲学者プラトンが、幼児が不完全な経験から完全な知識を身につけていく不思議を指摘したもので、言語学の巨匠ノーム・チョムスキーが言語学の分野で掘り下げた。
例えば、「太郎は行った」「太郎が行った」は共に正しい。しかし「誰が行ったの?」は正しいのに「誰は行ったの?」は誤用だ。こうした微妙な助詞の使い分けを幼児が苦もなく身につけるのは、脳にそもそも「文法のひな型」があるからではないか。チョムスキーは1950年代にそんな仮設に到達した。
酒井は今年、文法をつかさどる中枢がこめかみ近くの大脳左前頭葉下部という部分にあることを突き止めた。さらに、外部から磁気刺激でここを活性化させると、文法の誤りを見つけだす課題の成績が上がることも確かめた。」 ーー読売新聞2002年11月19日よりーー
酒井邦嘉(東大大学院助教授)が発見した「文法中枢」の記事を僕は興味深く読んだ。酒井氏は、大学で生物学を学び大学院で脳研究に重点をおいて、それから言語学にのめり込んだのだそうだ。「常に言語を使って考える人間の脳を解析するには、まず言語を知る必要がある」と言うのが言語学に入るきっかけはだったそうだ。
チョムスキーを最近知って、9月11日以降の彼の政治的な発言を本で読んでいる僕は、言語学者として偉大な部分を知らない。こんな記事を読むと研究というのは凄いところまで来ているのだなと思う。僕が今、未だ高校生だったらこういう研究や分子生物学的なタンパク質の研究がやってみたい。ノーベル賞を取った田中さんのように毎日生きていることに意義を見出すことが出来るに違いないからだ。
今日は昼食を片山先生と一緒に取った。海鮮そばを中華料理で食べ、日差しが良いのでテラスを探して喫茶店へ。スターバックコーヒーでエスプレッソをすすっていると日が当たらない場所だったので寒くなり、場所を変えた。女子大生が夜中にナイフで襲われた付近の喫茶店で話した。通りには事件の情報提供を呼びかける立て看板があった。
先生との話はいつもあんまり面白いから時間を忘れて話し込む。政治的な話も結構する。いつも話するのは第2次世界大戦で国のために死んだ軍人たちを何故否定されるのか、判らないと言うこと。本来は尊敬されて当然だ。フランスの地下鉄にシルバーシートの様なものがあって、そこに優先順位が書いてあるが、第1番に来るのは傷痍軍人だ。国のために命を懸けて戦った軍人を尊敬せずして、そもそも国家というものが成立しないではないか。
しかし、僕らが学んできた戦後教育では、靖国神社に祀られている軍人は、悪者と教えられてきたような気がする。僕もすっとそう思っていた。そういう考えからを変えるきっかけは山田風太郎の、『戦中派不戦日記』だった。戦争で死んでいった多くの軍人の殆どが、純粋に国のことを思い命を捧げたのだと思う。それは、「きけわだつみの声」を読めばそういう彼らの気持ちが分かるだろう。では何故それが否定されたのか。侵略された中国、朝鮮など近隣の外圧などから国家神道と結びついた日本兵を祀る靖国神社への強い嫌悪感があるからだ。
それと、チョムスキーも茶番と言っている、戦勝国による敗戦国日本を裁いた東京裁判の事もあるのだろう。が、どうしても判らないのは、山田風太郎の、『戦中派不戦日記』で記述されているような敗戦直後から軍人に対して同じ日本人が嫌悪感を持っている事なのだ。これが良く判らないのだ。よほど悪いことをしていたと、言うことなのだろうかと思ってしまうのだ。ここが判らないのだ。
他には、先生の専門の記号論やチョムスキーの話をした。記号論からフェミニズムの運動が出たことなどを聞いた。記号論と同じ手法でチョムスキーが生成文法と言う事を言いだした事も驚きだった。今はもっと先、行っているけど、と先生は言っていたがその中に酒井氏などが入るのだろうか。
チョムスキーの言語学の本を読んでみたい。生成文法とかを。
来年のスペイン行きの話もした。多分一緒にサン・イシドロを観れるだろう。先生は書く準備をしているものを調べることもスペイン旅行に織り込んでいるらしい。スペイン語を勉強していると言っていた。僕ももう少しスペイン語の勉強をしないとどうしようもない。昨日は疲れて帰ってきたサッカーを観てから眠くなって寝た。今読んでいる映画「チョムスキー9・11』公式カタログを読んだら、『チョムスキー、世界を語る』を読もう。『戦火のレシピ』も途中だし、『テレビ黄金時代』も未だ読んでいない。『別冊新評 山田風太郎の世界』『東京人 山田風太郎特集』『追悼 山田風太郎展』も読んでいない。読みたい本がいっぱいあるのに。時間がない。しかし時間は万人共通に1日24時間与えられているのだ。
11月22日(金)
昨日片山先生と会った帰りに本屋とレコード屋に寄ったら欲しいCDがあったので買ってきた。夏川りみ『ていだ』、本田美奈子『ベスト』。夏川りみの、『涙(なだ)そうそう』が聴きたかったので、出身地の沖縄に関係がある歌を歌っている。元ちとせの奄美民謡を歌って島の民謡大賞を最年少で受賞したときの記念に出したCDも売っていた欲しかったが今回は我慢した。同じ系統で、15歳で日本民謡大賞グランプリを受賞した、RIKKI の、『シマウタ TRICKLES』やTHE BOOM のカヴァー曲などを歌っている、『蜜』なども面白そうだった。
本田美奈子の『ベスト』を買ったのは何年か前の有馬記念の後に、中山競馬場で彼女のコンサートを人を待っている暇つぶしに聴いていたときに、とても元気が出る歌を歌っていたので欲しいと思って探したが、当時はそんな物は出ていなかったので買えなかったが、ようやく見つけたので買ってきた。元気の出る曲は、『Oneway Generation』。
♪人ごみの まん中 今居る場所さえわからないように
自分の生き方が 見えない時ってあるよね
話してはみたけど 言葉が 一方通行みたいで
遠くの夢なんて 大人はわかってくれない
僕等は
Oneway Generation Oneway Generation
今 ひとりで何か探して
Oneway Generation Oneway Generation
今 知らないどこかに向かって
戻れない片道のチケットと
夢だけを信じたい♪
おにゃん子クラブで登場した秋元康の歌詞だが、この頃の本田美奈子が歌うと妙に元気が出てくる。
アントニオ・ネグリも面白そうだ。ノーム・チョムスキーの言語学の本をネットで頼んだ。他に関連で、『言語学が好きになる本』『生成文法がわかる本』町田健 著(研究社出版)。と、『ジョーゼフ・キャンベルが言うには、愛ある結婚は冒険である』の3冊を本屋に頼むことにする。
11月23日(土)
「もう11月も終わって12月になるよ。ついこの間、11月になったと思ったのに」というので僕が「ついこの間、1月だと思ってたのにもう11月・・・」と言ったら、相手がはっはっはぁと、笑い出した。「年を取ると時間が早くたってしまう」と、言っていたが、そうじゃない。僕の場合は何もやっていないから時が早くたってしまうのだ。
ジャパン・カップ・ダートは、天才、ランフランコ・デットーリの見事なタズナ裁きで優勝した。デットーリはシングスピール(JC)に次ぐ日本で日本馬によるG1、2勝目を上げた。レースはスローで進み、3コーナーで武のゴールドアリュールが馬なりで上がっていき、それを追いかける形で藤田伸二がアドマイヤドンのタズナをしごく。あっ、早過ぎると、思った。直線で武が鞭を連打して先頭へ。その外で藤田が追い出しならびかける。鞭を振って抜け出そうとするところを2頭の内からデットーリが左鞭で内に切れ込み、それから右鞭で体勢を立て直して抜き去った。
武のゴールドアリュールがたれて、藤田が鞭を連打してアドマイヤドンを叱咤する。ここまま行けば馬券は俺の物だった。外から後方3番手を進んでいた吉田豊のリージェントブラフが猛然と追い込んでくる。末脚に賭けた吉田の作戦がピッタリ決まってゴール前アドマイヤドンを捕らえて2着に入った。あー体から力が抜ける。払戻金は単勝が2080円、枠連は(2)−(5)で3200円。馬連は(3)−(9)で6万100円、馬単は(9)−(3)で12万240円。3連複は(2)−(3)−(9)で5万2270円、ワイドは(3)−(9)が1万1280円、(2)−(9)が940円、(2)−(3)が4280円。
昔の大波乱だった安田記念を思い出した。絶対ヤマニンゼファーとシンコウラブリーの1点と思っていたレースで、するすると穴馬、イクノディクタスがハナ差で2着に入って6万なんぼの馬券が出てガッカリしたことを思い出した。競馬に絶対はない。それは解っている。判っているけどこういうレースになるとは思っていなかった。日本馬が8着までを独占するレースだった。そして、予想して馬券を買った4頭が上位6着までに全て入っているのに馬券をはずした。
人気3頭(ゴールドアリュール、アドマイヤドン、トーホウエンペラー)の3点買いに小島太調教師が、絶好調と言っていたイーグルカフェを本命アドマイヤドンと対抗のトーホウエンペラーに流して買い足し万全だと思っていたのに・・・。しかし、展開の綾というのがこんな結果を招くとはなぁ。
3コーナーで藤田が追い出した時、早いと思い、直線で吉田豊のリージェントブラフに差されたとき藤田はヘグッたなと、思ったがよく考えてみれば、武が上がっていったときに藤田が追い出さなかったらレースは終わっていたかも知れない。だからまさに展開の綾。仕方がない。人気3頭はいずれも前走は岩手公営競馬の盛岡競馬場、オーロ・パーク(スペイン語の金と英語の公園をくっつけて名前を付けるのはどう言うことなんだろうと思ってしまうが)で統一G1を勝ってきた馬だった。
何年か前に中山のパドックで馬を観ていたら、良い馬が2頭いた。それを買おうと思ってオッズを観たら3万馬券だった。それで思わずビビって違う馬券を買った。そしたらレースは、パドックで良いと思った2頭が来て3万馬券になった。その時、乗っていたのがデットーリだった。このイタリア人騎手はおそらく世界最高の騎手だろう。馬を追い出すとき、馬の頭を押すようにして持っている力を出し切るような騎乗はまさに驚きの結果をもたらす。普通、小島太が絶好調と言ったってレースは水もの。ちょっと考えて止めることの方が多い。何故買ったかと言えば、鞍上が天才、デットーリだったからだ。
明日のJCもデットーリが来るのか?ペリエが勝つのか?
11月24日(日)
昨日、駅でCDの安売りをしていて覗いたら、藤圭子と河島英五を売っていたので買ってきた。宇多田ヒカルの母親の藤圭子だが歌手としてのインパクトはやはり藤圭子の方が上。CDに入っている曲全部知っている。『夢は夜ひらく』はやっぱりいい。英五は、『何かいいことないかな』のイントロのハーモニカを聴いたら涙が溢れてきた。ハーモニカの音からもう若いエネルギーが溢れ、絶叫の歌は、やはり僕の人生のテーマ曲的な感動が宿っている。
ネットで検索していて思い出したが、この歌を歌っていたのはホモサピエンスというグループを組んでいたときだった。荒い演奏だが、情熱がほとばしっている。英五の声も男らしく、その声にのって歌われるこの曲は情熱が爆発して感動を呼ぶ。コッキーポップでは、ライブのものも流していたような気がした。ネットで詮索してレコード屋にホモサピエンスを注文した。今はこんな風に簡単に調べることが出来る。2枚組のCDには、『何かいいことないかな』が2曲入っているのでどっちかがライブだと思う。
今日はJC。今週は新聞や競馬雑誌を読んで検討、馬を選定した。本命は天皇賞・秋を勝ったシンボリクリスエス。鞍上が岡部からペリエに変わるのは非常に残念だが問題ない。問題なのは俺の気持ち。岡部で勝たせてやりたかったと思うのだ。馬券は、シンボリからの流し。対抗、ナリタトップロード。単穴、マグナーテン。他には、ジャングルポケット、ファルブラヴ、ブライトスカイに流し縦目は引かない。さあ、15時28分には結果が分かるだろう。
11月25日(月)
スタートが全てだった。レースが始まってシンボリクリスエスが出遅れたとき負けたと思った。ペリエ、ヘグリあがって!馬鹿野郎!あれでレースは終わったのだ。だから割とレースを冷静に観ることが出来た。最後の直線でデットーリのファルブラヴが抜け出し、それを追ってペリエのシンボリクリスエスが脚を伸ばす。内からはコーリー・サトシ・ナカタニのサラファンが物凄い脚で上がっていった。天才デットーリ、アメリカの1流騎手コーリー・サトシ・ナカタニの叩き合い。その外でペリエも鞭を振って追いすがる。ゴール板では馬体があって過ぎて行った。
ペリエは、「ゲートが開いて少し立ち後れたけど、すぐにグットポジションにつけることができた。道中も自分のストライドで上手に走っていたし、直線もよく伸びて来たんだけどね。やっぱり結果的にスタートの差が出たかな・・・」と、言った。スタートで出遅れて約3,4馬身のロス。ペリエが言うように直ぐにグッドポジションにつけた。無理をしたわけではないだろうが、負担がないわけではない。スタート前に12番のブライトスカイがゲート入りを嫌がって発走が少し遅れた。スタート時、ゲート内でシンボリクリスエスは落ち着きを欠いて立ち上がり気味にスタートして出遅れた。もし、乗り慣れた岡部幸雄が鞍上にいたら馬は落ち着いていたような気がする。
ペリエが悪い騎手じゃないのは誰でも知っているし、彼がデットーリと共にヨーロッパを代表する超1流騎手であるのは衆目の一致するところだ。馬を管理する藤沢調教師は今回気の難しいマグナーテンに岡部を配し、癖のないシンボリクリスエスにペリエを鞍上に据えた。F1ならチームとしてポイントを加算させて3着4着なのだからそんなに悪くないかも知れない。でも、みすみすシンボリクリスエスが勝てるレースを、テンノリのペリエに任せたのは間違いではなかったかと思ってしまうのだ。単純に計算して出遅れの3馬身を引くと、優勝したデットーリのファルブラヴの2馬身半先でゴールしていた事になるのだ。競馬とはそんなに単純な計算で済むものではないのは充分判っているが・・・。
岡部は距離不安のあるマグナーテンを巧みに操ってスローで逃げて0.3秒差の4着に粘った。非常の素晴らしい騎乗だった。日系人のコーリー・サトシ・ナカタニも非常に良い騎乗だった。後方2頭目で道中を進み4コーナーでは内からするすると上位に進出して最後の直線では、マグナーテンとインディジェナスの間を馬1頭分を右鞭を入れて斜めに真っ直ぐ走らせるようにして抜け出てファルブラヴに取り付いていった。着差がハナ。7cmだった。レース後ナカタニはデットーリが進路妨害したと抗議して審議になったが過怠金の対象にもならないものだった。
抗議するのは悪い事じゃない。激怒していたそうだが、アメリカの記者からは、「欧米ではこうした抗議はよくあること。とくにナカタニはしょちゅうだ」と皮肉っていたそうだ。腕は超1流。でも、この性格は問題だ。何年か前、短期免許で日本で騎乗したとき降着になり騎乗停止処分を不服として、予定を切り上げてアメリカに帰っていった。あの時の記事はナカタニに好意的だったが、日本の厩舎社会では嫌われるだろう。俺はあの時、凄く期待していたのに。
それにしてもデットーリ。大天才だ。去年の今の時期、ペリエが3週連続G1制覇して一気にペリエがファンや競馬関係者の中で絶対的な信頼を勝ち取った。しかし、デットーリはそのさらに上を行く。結果が物語っているが、その騎乗スタイルが物凄い。JCだって、1コーナーで馬がかかって口を割っているのに、向上面では好位で折り合って4コーナーでは本当に上手いこと前をこじ開けて、最後の直線は、例のタズナを短く持って馬の頭の後ろを押すようにして追い出しいる。決して鞭だけを頼りに追っているのではない。ペリエのスタイルと比べるとかなり違う。ペリエは鞭に頼りすぎている。あれだと馬のバランスが悪くなるのでスピードにに乗り切れない。
社台の吉田照哉がTVゲストで出ていたが、「デットーリが乗ると5馬身から6馬身違いますね」と言っていた。俗に競馬の世界では首の差は、騎手の差と言う。6馬身という言い方は、大絶賛だ。6馬身はタイムに直せば約1秒。これだけ違えば物凄いことだ。勝ったファルブラヴのオーナーがデットーリが乗るからもしかしたらと思っていたけど、まさか勝とは。と、言ったそうだ。
デットーリは長い写真判定の結果が掲示板に出ると両手をVの字に開いて歓び、それから涙を流し、絶叫してまた泣いていた。「何を叫んだかなんて覚えてない。ただ、14歳でイタリアを離れてから、何かの形で恩返しがしたかった。それができたんだ。それに2日連続で、24時間以内でJCを2つ勝てるなんて、ボクは世界で1番幸せものだ」。土曜日は陽気に歓びを爆発させていたが、日曜日はイタリア馬を初めてJCの勝ち馬にした歓びとイタリアへの思いから感涙を流していた。
ランフランコ・デットーリは兎に角物凄い騎手だ。彼を天才と呼ばずして何と呼ぶ。大天才だ。
馬券を買った身として言うのではない。馬のことを考えると藤沢調教師の選択は間違っていた。シンボリクリスエスに岡部を乗せるべきだった。そしたら如何にデットーリと言えども勝てなかったと思うのだ。柴田政人は、「敗れたシンボリクリスエスの着差はわずか。ゲートさえスムーズに出ていたら勝っていたかもと思わせる着差であり、今回は出遅れとデットーリのうまさに負けたと言える」と書いた。
馬券から言えば今回のJCは来るはずのない馬が2レースとも2着に来て1着3着のハズレ馬券になってしまった。ワイドだったら当たっていた。だが、競馬の予想自体は間違っていたわけではないと思っている。格好つけるわけではないが今回は、予想は完全だったが競馬が悪かった。JCダートは、展開の綾で直線勝負の馬が突っ込み、JCは、出遅れではずした。競馬はこう言うこともある。それにしてもデットーリの陽気な笑顔と涙が印象に残った。
11月26日(火)
イラクの査察団がバグダットに到着して準備を始めた。どう進むのか世界の注目が集まる。
サッカーは、中田、中村がイタリアで絶賛されているようだ。ゲームで見せたプレーの質が高いからそうだし、観ているファンが唸るようなプレーを続けるから人気も出る。今週は小野がさえなかったようだ。毎週コンスタントに活躍するのは難しい。今年俊輔はイタリアに行って良かった。サッカーの厳しさを身につけてきた。逞しく育って欲しい。
24日の結果。 メキシコ。ホルヘ・グティエレス、耳2枚。ポンセ、耳2枚。アレハンドロ・アマヤ、耳なし。 リマ。イグナシオ・ガリバイ、ファンディ、耳なし。セサル・ヒメネス、場内1周、耳2枚。
11月27日(水)
何だったろうか、思い出せない。出来た女房の前で飲んだくれてあれをしろ、これをしろと言い、酒のつまみが悪いと文句を言う。お前なんぞはYシャツの3番目のボタンだ。あってもなくても同じだ。と、言っていながら、女房を買い物に出してから、あれは俺には勿体ない出来た女房だ。と、酔っぱらって言っているのを買い物に行かずに聞いている女房。そんな落語の噺があったが、演目が思い出せないのだ。
今日、古今亭志ん生のCDを買ってきた。当然だが『火焔太鼓』が面白い。
上家さんから資料を戴いた。剣刺しをするときに、牛の何処の部分を剣が通るのかと言うことが載っている。背骨、肋骨、肩甲骨の何処の部分を剣が通るのかと言うのが書いてある。上家さんは獣医なのでその辺は専門なので心強い。他に、『ホースメイト』という日本馬事協会が発行している非売品の小雑誌に書いた、騎馬闘牛や馬の記事も送って戴いた。おかしな箇所があったら指摘して下さいと、書いていた。そんなこと言われても困るんだけど。
これから宝塚の、『ベルサイユのばら』を観る。
11月29日(金)
昨日はビデオで録画しておいた宝塚の『ベルサイユのばら』を観た。いやー面白かった。非常に馬鹿にしていた宝塚がこんなに面白いとはビックリした。女が女を観て何処が面白いのがまったく判らないが、これは文化として後世まで残していかなければならないものだと言うことが良く判った。こっちは、ちっとも格好いいとかいう感情は沸いてこない。それでも、良く劇が出来ている。
それから風邪気味なのか頭が痛く寝てしまった。体が冷たかった。起きても体調不良。頭が重い。飯は食っているので、直ぐ回復するだろう。いつも懐が寒いので風邪には、罹りにくいし、風邪で休むこともまずない。
頼んでいた本が届いた。『言語学が好きになる本』 を読み出した。ソシュールのことが書かれている。高円宮の葬儀にスペインからクリスティーナ王女が来日している。スカートが短い。闘牛場にいる上流階級のお嬢様もスカートが短いけど。そして、今日レアル・マドリードが来日した。
11月30日(土)
2つの国際機関がイラクで査察を始めている。戦争が始まるのかどうか、みんなが心配している。世界が望んでいるのは平和だ。日曜日阪神で行われる2歳牝馬チャンピオン決定戦、阪神ジュベナイルフィリーズで1番人気確実なのが、ピースオブワールド。世界平和だ。血統、レースぶり、データ、調子などを総合して考えて汚れなき2歳女王が誕生するのは間違いないだろう。雨が気になるが。
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