断腸亭日常日記 2003年 その1

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年のスペイン滞在日記です。

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12月16日〜12月31日 2003年1月1日〜1月15日

 1月16日(木)

 『TORERO』 というスペインのゲームソフトを借りてインストールしたのは良いのだけれど全然使えない。何故かは分からない。もともとゲームをコンピューターでやったことがないのでどうやればいいのか分からないのだ。折角やってみたいと思っていたのになぁ。

 林家こぶ平が真打ちになって父親の三平の存在に苦悩した話をしていた。13人抜きでの真打ち昇進。彼を押したのは柳家小三治だったそうだ。昇進披露で口上を述べたのは古今亭志ん朝。そして、辛口の立川談志が、「親と同じ仕事を選んだって言うのは、三平の兄さんは1番嬉しいことだろう」と喜んだ話などがあった。こぶ平がどういう落語をするのか聞いたことがないので分からないしあまり興味がないが、上記3人が出てくるところが面白い。志ん朝は、真打ちになったとき、古典落語をやるとき着きる着物をプレゼントして、「いやー何、三平兄さんから真打ちになったとき背広を貰ったから・・・」と言ったという。一種の照れなのだろう。これから桂小南の、『転失気』 を聞こうかな。

 東京駅のコンビニで店長を刺し殺した万引き犯に懲役15年の実刑がおりた。軽すぎないか。最低でも無期懲役だろう。

 今年の選抜の行進曲は、平井堅の『大きな古時計』になった。


 1月17日(金)

 あれから8年が立った阪神大震災。記念のイベントが大小行われているそうだ。

 アトレティコのヘスス・ヒルが、「ジダン何てタダでも要らない」と、言っているそうだ。レアルとアトレティコ。マドリードのライバルチームは何年かぶりの1部リーグで会長から話題作りをして盛り上げている。勿論これはヘスス・ヒルの得意技。日本にはこんな戦略は存在しない。


 1月18日(土)

 「スペイン語で、ある仕事をなしとげたという意味で普通に使われるのは、「クンプリール」という言葉である。仕事に関して用いられるとき、クンプリールは「相応の熱心さをもって要請されている仕事をなしとげる」ことであり、また、「労働者がこのくらいは、と責任を感じる程度に、広く認められた基準に従って相応の質の仕事を相応の熱心さをもって行うこと」と定義できる(マルティネ・アリエール『南スペインの労働者と地主』による)  ーー『闘牛』 スペイン文化の華 ギャリー・マーヴィン著よりーー

 cumplir の部分を読んでいてホセ・トマスを想い出していた。ホセ・トマスの仕事は、一般的な闘牛の基準を遥かに越える質と情熱に支えられていた。クンプリールに繋がる文章は、デゥエンデである。著者はイギリス人闘牛士ヘンリー・ヒギンズの文章を引用して「ドゥエンデをもつ人という言葉には、どこか皮肉な響きがある。デゥエンデのある人間の演技はすばらしいかおぞましいかのどっちかで、むしろ後者の確率の方が高いのだ。重要なのは、デゥエンデをもつ者は、人間の経験や可能性のすべてを表現しているかに見える、ということなのだ。デゥエンデをもつ人間は、すばらしく未完成なのだ」(『マタドールであること』)。そして、クーロ・ロメロの闘牛を引き合いに出して誰よりもデゥエンデを多くもつトレロなのだろう。と、言っている。

 僕のデゥエンデの解釈とは違うし、また、クーロ・ロメロがデゥエンデを多く持っているトレロというのも違うと思う。少なくてもクーロの闘牛にはデゥエンデを感じない。僕がクーロの良い闘牛を観て感じたのはラス・ベンタスでもセビージャでも観ている観客の方に、ドゥエンデという幻覚を観させてしまう魔力を感じたのだ。闘牛どうのではなくクーロは観ている観客に幻覚を見せてしまうことが凄いのだと思う。

 ホセ・トマスやセサル・リンコンの闘牛は幻覚ではなく事実なのだ。事実として物凄いのだ。こういう闘牛をデゥエンデではないかと思うのだが。スペイン人は何というか。こういうのは観念に近いから、感覚の話だろうし・・・。僕は肉体の動きとしての凄さから話をしている、当然差異がが生ずることだろうとおもうのだ。


 1月19日(日)

 カルシウムとマグネシウムの摂取量は、2:1が理想的な摂取バランスなのだそうだ。ココアの特集をTVでやっていた。スペインでの朝食でチョコラテを取るのは体に良いことなのかも知れない。

 魚のあらのようなものを売っているが、それをみそ汁や鍋にしたいのだが、みそ汁にするときに魚の臭みをどうやって取ればいいのだろうか。コンソメなどをを肉で取るときは野菜、とりわけ香味野菜と一緒に煮ればいいのだが、みそ汁にするときは、どういう下処置をして何と一緒に煮ればいいのか、それが分からない。

 今日の武豊の乗り方は何だろう。馬がかかっているからタズナを弛めて2コーナー過ぎから行かせて、結果的には大逃げの形になり直線はたれて惨敗。あんな乗り方をして結果を出せるわけがない。ファンは天才武豊が乗っても、馬がかかるのだから仕方がないと思うかも知れないが、僕は武がレースや馬を大事に乗っていない証拠のように見えた。最低だよ君は。3歳春の若駒にはああいう気性の悪い馬がいる。能力があっても気性が悪くてそれを発揮できない馬を矯正していくのが、調教であり、騎乗なのだ。はっきり言って違う騎手に乗り替わって、調教から付きっきりで矯正していく時間がある騎手に任せた方が馬のためだ。あの乗り方は、次走に繋がらない騎乗だった。馬をダメにする騎乗だった。

 17日の結果。 トレオン(メキシコ)。マノロ・メヒア、耳2枚。フリ、耳1枚、耳2枚。ホセ・ダニエル・アジャラ、耳2枚。

 18日の結果。 メデジン(コロンビア)。騎馬闘牛士、ファン・ラファエル・レストゥレポ、場内1周。闘牛士、セバスティアン・バルガス、耳なし。セバスティアン・カステージャ、耳1枚ともう1枚要求、耳要求で場内1周。ラミロ・カデナ耳なし。 ドゥランゴ(メキシコ)。ミゲル・ラ・オス、耳1枚。フリ、耳2枚。レオポルド・カサソラ、耳1枚。


 1月20日(月)

 イラク問題で査察に協力的になるべきだと国連側が注文を出した。近日中に何らかの動きがある模様。北朝鮮とロシアの話し合いが行われている。ロシア側の解決案への北朝鮮の回答がある模様。

 U-23の予選リーグで日本はドイツを4−0で破り首位に立った。このまま行けば決勝進出だ。2003ダカールラリー増岡浩が2年連続2度目の総合優勝を飾った。連覇は史上4人目。アルペンスキーのワールドカップ(W杯)男子回転第5戦は19日、スイスのウェンゲンで行われ、佐々木明(日体大)が合計タイム1分47秒92で2位に入った。佐々木は2回目のトップタイムをたたき出す快走。優勝したジョルジョ・ロッカ(イタリア)とはわずか0秒04差だった。1回目65番目でスタートして7位に着け2回目に賭けた。どうやらホーストがプロレスルールでザップに勝ったようだ。

 レアルは勝利寸前アトレティコに追いつかれて2−2で引き分けた。同点は上手く訳せないがどうやらゴールキーパーのカシージャスがゴールラインを割ったようだ。


 1月21日(火)

 どうでも良いことだけど、日本人の親孝行息子を演じてきた横綱が引退した。かつて宮沢りえとの婚約をしてマスコミを騒がせたりしたが、婚約を破棄して宮沢りえは拒食症になり?激痩せした。CMで、「しぼられました」といって女って凄いもんだと感心していたが、哀れなほどの痩せ方だった。あれから精神障害を起こしたように無口になり、口を開けば意味不明の訳の分からないことを言うようになった。引退を決めるまでも支度部屋では一言も口を開かなかった。

 兄弟で仲良く相撲を取っていた頃から偽善的な感じがしていたが、兄弟の仲が悪くなるとその後、両親は離婚した。仲の良い家族は虚像だったのか、それとも・・・。マスコミは人気横綱が引退して、国技相撲が外国人力士が最上位の番付にいることを危惧しているが、国籍や生まれがどうあれ強いものが活躍すればいいのだ。今の日本人はハングリーじゃないから能力と意欲のある外国人が番付上位に来るのは時代というものだろう。

 紅白後初めて、『プロジェクトX』を観た。僕はやはり『地上の星』よりエンディングテーマの『ヘッドライト・テールライト』の方が好きだ。今日は第3次中東戦争を挟んだスエズ運河の工事に携わった人たちの話だった。日本人とエジプト人が喧嘩していると事務所で働くエジプト人女性が仲裁に入った。いつも明るい元気な人だった。彼女はエジプト人労働者に、「日本人はエジプトのために必死になっているのよ」喧嘩は収まった。現場では彼女はみんなの気持ちをなごませた。24歳のその女性が倒れた。重い心臓病だった。

 日本人技術者500人が250万円を寄付してエジプトでは出来ない手術を日本で行うために。人の気持ちはお金では買えないのだ。明るかった彼女が元気になることを願ってみんなはお金を出した。何の見返りも求めずに。そして、工事は改良した掘削用カッターと不発弾撤去作業が順調にいってスエズ運河改良工事が出来上がった。そして、彼女の命も助かった。今は結婚して子供が2人いる。長女には自分と同じ名前を付けた。エジプト語で、「希望」を意味する言葉が名前だったという。

 メールが来て、魚の臭みの取り方が書いてあった。今日はあらがなかったので作れなかったが近日中に作ろうと思う。


 1月22日(水)

 北朝鮮の代表団が韓国を訪問して会談が行われている。それ以前に北朝鮮はロシアの提案に良い感触を示したようだ。しかし、一方中国は依然として国内の北朝鮮難民の取り調べを強化している。日本とアメリカがどう動くのか対応が悪いとへそを曲げられかねない。アメリカはイラクに対して強い態度で脅迫を続けている。

 みずほフィナーシャルグループが、1兆円の資本増強をすると発表した。西武百貨店などの不良債権処理に絡んだもののようだ。2500億円も踏み倒す企業がいて、一方で職をなくしてホームレスに身を落とす人もいる日本。暗い世相は日常生活に影を落としている。

 昨日TVで、ホースト対ザップ戦をやっていた。プロレスって感じの試合だった。シナリオ通りだ。


 1月23日(木)

 仕事を休んでいた人が出勤してきた。話を聞いたら父親が入院して死ぬところだったのだそうだ。神経内科にかかっていて検査をして異常なしといわれ、それでもおかしくて違う病院に行ったらインフルエンザであることが判明、投薬して快復しなければ死亡するだろうと言われたそうだ。今年は全国的にインフルエンザが流行していて各地で老人や子供の死亡が報告されているが、抵抗力が弱い老人子供は簡単に死に至るようだ。幸い投薬が効いて快復に向かったようで仕事に出てきたが、やばかったと、言っていた。

 今日東京では雪が降った。女子高生が太股を赤くして街を歩いていて寒そうだった。若いからかも知れないが寒さよりファッションが優先されているようだ。このまま雪が積もるのかと思っていたら雨に変わり雪は解けた。あのまま雪が積もっていたら東京の交通は大混乱していただろう。京成ではワゴン車が突っ込み電車が脱線して1人死亡。

 去年の12月の時点でADSLなどのブロードバンド通信を利用した人が1000万人を越えたそうだ。今春には電話回線利用と逆転するという予想されている。

 ローリング・ストーンズが来日コンサートを開くが、前売りチケットが完売して非公認のファンクラブが高額のチケットをネットで販売して問題になっている。最近TVのCMでストーンズが良くかかっているがその影響だろう。メキシコで大地震があって死者が出ている。かなりの被害になる模様だ。


 1月24日(金)

 『麻雀放浪記』 『千と千尋の神隠し』 とTVで映画を観た。みんなは宮崎駿を良いと言うが、そんなに良いとは思えないのだ。『もののけ姫』も面白いと思わなかったし、今日のもどうもああいう物語にはついていけない。悪くはないが、納得がいかない。『麻雀放浪記』の方がずっと面白かった。ああいう現実が面白いのだ。宮崎駿のは、非現実世界に逃げているのだ。まっ子供向けって言うのはそういうことなんだろうけど面白くないのは仕様がない。

 阿佐田哲也の本は読んだことがないが、『麻雀放浪記』くらいは知っているし、彼が編集者だった頃、山田風太郎の原稿を取りに行っていたことも知っている。麻雀の好きだった風太郎と一緒に麻雀をやっても決して上がらなかった阿佐田哲也。君は変な打ち方するね。と、風太郎は彼に言ったそうだが、プロ麻雀士をやっていたことはまったく知らなかった風太郎。上がると無邪気に喜んでいたそうだ。プロから観たら風太郎の麻雀は子供の遊びのようなものだったろうが、小説家として尊敬していたから先生を傷つけたくないと思って打っていたのかも知れない。

 面白かった。真田広之も、脇役も良かった。加賀まりこが素敵だった。そして、みんな若かった。


 1月25日(土)

 浪曲師、国本武春が一般人を対象にした浪曲講座を開設している。月1回のペースでやっているそうだが約50人の人が集まり講座を体験している。ロックやブルースなどのジャンルにとらわれない浪曲語りを体験できる。誰でも直ぐに上手くなる浪曲は、“縦こぶし”。これは武春の専売特許といって笑わせていた。今年、アメリカの大学に留学して本場のカントリーミュージックを勉強してきて浪曲に生かすのだそうだ。彼は若いときにバンドをやっていて浪曲には興味がなかった。が、確か両親が浪曲師という家庭環境から浪曲師の道へ。今最も輝いている浪曲師だ。面白うと言うのが講座に参加している人たちの意見だし、表現力が素晴らしいと驚いている。

 日本の伝統芸能がこういう形で活気づくのは良いことだ。色々なジャンルで活躍する国本武春。落語のなども衰退しているし、浪曲にいたってそれも極まってきている。こういう芸能は後世に残していくべき遺産だと思う。

 昨日、週刊少年ジャンプの編集長、高橋俊昌さん44歳が、東映アニメ「ワンピース デッドエンドの冒険」(宇田鋼之介監督、3月1日公開)の製作発表が24日、東京湾クルーズ船上で開かていた最中に倒れ死亡した。


 1月26日(日)

 昨日、ボールドブライアンが勝ち、今日はマグナーテンが勝った。藤沢厩舎は東西で武豊、ペリエと、最高の騎手を鞍上に据えて1番人気に応えた。多分、来週から岡部が帰ってくる。もう年だから体のメンテナンスをしないと持たなくなってきたのだ。ボールドブライアンは新馬の頃から期待されていた馬でようやくオープン馬になった。その前の10R(1000万条件)でミスキャストが勝った。アグネスタキオン、ジャングルポケット世代で、3歳の春に期待されていた馬だった。母があのノースフライト、父がサンデーサイレンスだった?と思う。涎が出るような良血馬。ドンドン勝って秋にはG1に出てきて欲しい。

 新聞にフランソワ・トリュフォー映画祭の広告が載っていて狂喜していたら開催がゴールデン・ウイークだって。馬鹿野郎!俺が日本にいるときやれ!14の恋の物語という広告には、『あこがれ』 『大人は判ってくれない』 『ピアニストを撃て』 『突然炎のごとく』 『二十歳の恋』 『柔らかい肌』 『夜霧の恋人たち』 『家庭』 『恋のエチュード』 『私のように美しい娘』 『逃げ去る恋』 『終電車』 『隣の女』 『日曜日が待ち遠しい』 。みんな観たいけど、未だ観ていない、『柔らかい肌』 『夜霧の恋人たち』 『家庭』 『私のように美しい娘』 を劇場で観たかった。そして、『突然炎のごとく』と『恋のエチュード』と『隣の女』の比較をしたら面白いだろうなあ。トリュフォー死して約20年。

 あなたは巨匠ではなかったが、僕にとって1番映画を感じさせてくれる人だった。『フランソワ・トリュフォー完全読本』山田宏一著。平凡社より4月刊行予定の文字。買わせていただきます山田宏一様。あなたのトリュフォーへの思いを読ませていただきます。昔からのトリュフォーファンはヌーベル・ヴァーグ時代のトリュフォーを絶賛するけど、僕はトリュフォーの最高傑作は、『隣の女』だと思っている。あれは完璧な恋の物語だ。


 1月27日(月)

 朝から雨が降っている。明日にかけて荒れ模様になるのだという。

 土曜日に韓国ではほぼ全面的にインターネット接続が出来なくなる事態が発生した。アジア各地でも1部そういうことがあって、日本アメリカでも起こった。どうやらウイルスが莫大な量のアクセスを繰り返したようでサーバがパンクした。半年前に見つかっていた割と単純なウイルスだが、そのウイルスでこれだけの被害が出たことが問題だとメディアが書いていた。

 中国の江沢民国家主席は26日、シラク仏大統領と電話会談し、イラク問題をめぐり意見交換し、国連安保理の論議などで協力を強化する方針で一致した。外交努力によって戦争回避しようと言うもの。アメリカのパウエル国務長官はイラクに対して単独行動もあり得ることをちらつかせて、それでも「米国は戦争突入を急いでいない」として、イラクの武装解除に期待を表明した。パウエルはブッシュ政権内の穏健派で戦争回避を主張しているそうだ。副大統領などの強硬派とは肌が違うのだという。北朝鮮に対しても外交で問題を解決しようとしているが昨日、米軍機が韓国内、ソウル近郊に墜落住民3人が怪我をした。

 パルマは引き分け、レッジーナは2位ラツィオを1−0で破る金星を上げた。レアル・マドリードはビルバオに1−1の引き分け。これで勝ち点5差になった。スペインリーグはこれで半分を消化。


 1月28日(火)

 銭湯に行ったら片足でぴょんぴょん跳ねている人がいたので驚いてその人を観た。右足の膝から先15cmより切断されているようでなかった。右足の膝から下は赤くなっていて、風呂用の椅子に座ると、桶に入れた湯に浸して体を洗いだした。もし床に洗剤などが付着していたらその人は転んで怪我をするだろう。それにしても上手いこと水に濡れた床をケンケン出来るものだ。あの人の日常生活にはそういう危険受け入れて暮らしている厳しさと真剣さがあるのだろう。

 仕事の都合で、これから出勤。明日は帰れないだろう。


 1月30日(木)

 昨日の風の強さといったら凄かった。風上に向かって歩く人は前傾姿勢で腕を大きく振って歩いていた。とにかく寒い日だった。朝青龍が横綱になった。2度連続優勝で文句がないはずなのに、今場所横綱、大関とほとんど対戦していないから価値がないという人がいるが、これは国粋主義的な物の見方だ。

 「よい演技の基準とは、バランスのとれた勇気、技術、優美さである。」ーーギャリー・マーヴィン『闘牛』よりーー

 文化親類学者が書いた闘牛の本としての限界はこういうことだろう。闘牛の技術についての具体的なことは実はほとんど書かれていない。それは仕方がない。アンダルシアで闘牛を観ていてはそういうことは感じられないだろうから。感動する闘牛については、かなり良いところまで書いているところがあるが、文学表現的な書き方だった。僕に取っては闘牛は特別なものだからそういう書き方でない違う書き方をして欲しいなと思った。ただし感動する闘牛を他者あるいは読者に伝えるためにはああいう書き方もやもうえないのかなとも思った。

 ギャリー・マーヴィンの『闘牛』 読了。

 レアル・マドリードが、コパ・デ・レイの準々決勝でマジョルカに負けた。控えのメンバーでやっているんだから別に驚かない。何もコパ・デ・レイを勝つためにやっているんじゃないんだから。でも、チャンピオン・リーグもやばいんだよなあ。驚いたのは、今頃になってFCバルセロナが、ファンハールを解任したことだ。最も監督にさせたプレシデンテが悪いのだが。オランダ代表監督をやり予選敗退。その前にバルセロナで監督をやって散々で、コパ・デ・レイには代表選手が出場できないからと試合を拒否して翌年の出場権を剥奪された。何がサッカー理論だか訳が分からない。自分の言うことを聞く選手しか選手扱いをせず、後は奴隷のように扱う。自分の理論は完璧だが選手が悪い。そんな大馬鹿野郎にまともな選手はついていかないのは当たり前。楽しくないから試合に勝てない。ファンハールは本当のカブロンだ。去年の監督が復帰してバルセロナはまともになるだろう。1番喜んでいるのはバルセロナファンだろう。


 1月31日(金)

 カンボジアで暴動が起きた。タイの有名女優が言ったか言わないか判らないコメントが発端でプノンペンからタイ人が500人以上がタイに帰国した。カンボジア政府の対応が遅かったことが外交問題に発展した。流言の恐ろしさだ。

 セビージャのドミンゴ・レスレシオンは、トレアルタ牧場の牛でポンセ、モランテ、フリで行われることになった。エスパルタコ・チコがロサリオ・オスボルネの牧場のテンタデロで、膝上に10cmと18cmの角傷を受ける重傷を負った。彼はエスパルタコの弟でアルテルナティーバをやった元闘牛士で確か去年は、フィニートのバンデリジェーロをやっていた。セビージャの赤十字病院に入院した。


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