断腸亭日常日記 2003年 その6

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年のスペイン滞在日記です。

99年1月13日〜2月16日 2月19日〜4月14日 4月15日〜5月11日 5月12日〜6月4日
6月7日〜6月10日 6月13日〜7月9日 7月11日〜8月8日 8月9日〜9月9日
9月12日〜10月7日 10月10日〜11月10日 11月14日〜11月28日 12月12日〜12月31日
2000年1月1日〜15日 1月16日〜1月31日 2月1日〜2月28日 3月2日〜3月29日
4月2日〜4月19日 4月20日〜4月29日 5月1日〜5月14日 5月15日〜5月31日
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 4月1日(火)

 いよいよ出発のつきになった。後15日でスペインにいる。

「貧しかったが、みんなが未来を信じていた昭和三十年代の東京。幼い著者はカメラ・マニアの父の格好の被写体となる。古いアルバムを引っぱり出すとセピア色の写真の背景に懐かしい東京の街が写っていた。そんな家族写真をあしらって時々に街に流れていた流行歌に思い出を乗せて綴った「歌のある東京アルバム」。「スーダラ節」が大流行したとき、父は酒場で植木等と出会い、そのまじめさに感心する。「アカシアの雨がやむとき」は六十年安保のヒット曲。「夜、二段ベットの上段にいると、鼻にかかった軽い歌い方のこの曲がかすかに聞こえ、私は壁に耳をつけて長屋の隣のお兄ちゃんが受験勉強をしながらラジオを聞いているのだった」しみじみと昔が想い出されるいい本である。」 ーー『昭和のジュークボックス』 森まゆみ 著 旬報社・1600円。 毎日新聞 日曜日の書評より ーー

 昨日TV東京で昭和30年代の流行歌をやっていた。お袋からTELがあり懐かしい曲が流れているね。とつぶやいていた。この本が読みなくなった。


 4月2日(水)

 霧雨、小雨が降り続いた1日だったが、昼片山先生の所に行ってきた。駅からTELをしたらさっき起きたばかりだから直ぐメシというのもあれだから家に来ない。シラクとアスナールの話から始まって養老孟司の話を僕がしていたら、「甲野さんって知ってる」と先生が言った。全然知らないので教えていただいた。古武術の人で、「捻らない・うねらない・タメない」という身体理論に基づいて古武術を研究指導している。巨人の桑田真澄投手をその古武術指導法で復活させたことで最近注目を集めているのだそうだ。

 甲野義紀と何故か養老孟司が対談して本を出しているという。それも2冊。昼食を取りに部屋を出る前に、『自分の頭と身体(からだ)で考える』を借りようとしたら、今文庫本で出ているからそれ買ったらと言うことになって、昼食後、本屋に行って、『自分の頭と身体(からだ)で考える』と『古武術の発見』、それと、甲野義紀の、『武術の新・人間学』 『古武術からの発想』 の4冊を買ってきた。

 今年のテーマは、水準を超えた闘牛を、どう言葉で説明するか、表現するか、と言うものだと、思っていたので養老さんと甲野氏がどういう言葉で絡み合っているかというのは、非常に興味をそそられる。身体と言うか、肉体と、心というものが古武術でどう考えられているか、どう説明されているのか。それに、養老さんがどう反応し、肉体と精神を考えているのか、養老さんの本では書かれていない部分が見えてくるような気がする。おそらくそこに、ここ何年か考えてきたことのヒントがあるのだと思う。

 飯は、銀だらの南京焼き定食。おばあちゃんが作ってくれた懐かしい味がした。みそ汁は赤だしぽくて気に入らなかった。やっぱり煮干し(東京ではいりこと言うらしいが)で取った田舎味噌の方が口に合う。先生はイカの姿焼きを定食にして貰い、それを少しつまんだが、火加減が抜群だった。本屋に行ってから喫茶店へ。あまりにも多くの言葉と内容を先生は話した。今日の話だけでも本になりそうだ。スペインでの目的なども聞いた。明日か明後日には僕は飛行機の切符を発券して貰う。来週には先生の予定も判るだろうし、サン・イシドロのカルテルも発表されるだろう。


 4月3日(木)

 「・・・日本を含め東洋というのは、心身を分けていませんでしたから、身体の使い方というのは、すなわち精神の使い方でもあるわけで、つまり「心身不離の世界」というものを掴むことが、昔の武術の目的であった。そして、その「心身不離の世界」というものはどういうものであったかを、単に「精神修養のために」といったレベルの考え方ではなく、具体的かつ術理的に検討し直して、再現してみることも現代においては意味があるのではないかと思うのです。」 ーー『武術の新・人間学』 甲野義紀より ーー

 肉体と言うことだけを戦略的に言ってきたつもりなので、いよいよ詰めになるとこういう部分が必要かつ重要になってくる。


 4月4日(金)

 イラク戦争は、サダム・フセイン国際空港の攻防でアメリカ軍が勝って首都バグダッドまで20キロに迫った。バグダッドまでは6車線の道路が真っ直ぐ通っているそうだ。いよいよ首都攻防戦になる模様だ。戦争は早期終結の目途が立って市場は円安ドル高に振れた。

 「たけしの誰でもピカソ」にテツ・and・トモ、綾小路きみまろなどが出ていた。最近人気のこの芸人たちは面白い。テツ・and・トモは歌と動きが受けているし、綾小路は中高年にその毒舌が受けている。25年前にたけしが鶴太郎と一緒に見に行って感心して、彼の語り口を鶴太郎などが多くの芸人が真似をしたのだそうだ。裏社会のキャバレーなどでは物凄い人だったそうだ。森進一のショーの総合司会を務めていたこともあり、長い芸歴だ。最後に、ようやく売れてみんなが喜んでいると言われて綾小路きみまろは、こう言っていた。

 「俺が俺がの 我を捨てて おかげおかげの 下で暮らせ」 綾小路きみまろ

 苦労を重ねてきた芸人の日本人的な言葉。こう言うのが何故かグッと来る。

 「正常の人体を解剖しようなどと、なぜヒトは考えたのか。その理由はすなわち言語である。ヒトは世界をことばで埋めつくした。この作業は、ほとんど偏執的としかいいようがない。ところが、ある日突然、だれかが気づく。「からだの内部が、まだことばで埋めつくされていないではないか」。ここで大宇宙に対して、小宇宙が出現する。小宇宙とは、つまり人間のことである。」 ーー『からだを読む』 養老孟司よりーー


 4月5日(土)

 HP情報では、4月1日に 山田風太郎記念館 が、故郷兵庫県関宮町にオープンした。

 「スペイン警察当局は、4年前に盗まれたシュールレアリズムを代表する美術家サルバドール・ダリの絵画を無事回収したと発表した。この絵画「The Motionless Swallow」(30万ユーロ相当、約3900万円)は、マドリード市内の古美術店で発見された。店側は、バルセロナの美術商を信用して入手した、と説明しているという。

 同作品は他の古美術品とともに、ダリの出身地フィゲラスに近い北東部カタルーニャ地方の民家から盗まれた。絵画は欧州数カ国に持ち込まれたことが判明しており、警察は近く容疑者としてスペイン人3人とフランス人2人を逮捕する方針。容疑者の1人は昨年6月25日、競売会社サザビーズのオークションに同作品を出品しようとしたという。」 ーー(ロイター)ーー

 サン・イシドロのカルテルが動いてきた。


 4月6日(日)

 またまた安藤!また勝己!天皇賞トライアル大阪杯は、1番人気マグナーテンが逃げてそれをピッタリとマークした安藤勝己鞍上のタガノマイバッハが直線の叩き合いを制して優勝。2番人気1番人気の決着となった。後方から追い込んできた武のツルマルボーイが3着。横山典弘は上手く逃げたが、それ以上に上手かったのが安藤勝己。恐れ入ります。武は直線で物凄い脚で追い込んだが展開無視のレース。どうしてもっと大事に乗らないのだろう。

 来週はクラシック第1弾、桜花賞。有力馬が集結して混戦模様。関西勢では、チューリップ賞馬、オースミハルカ。2着だったが良い脚を見せた、スティルインラブ。アネモネを勝った、センターアンジェロ。フィリーズレビューを制した安藤勝己のヤマカツリリー。牡馬を相手に若葉Sを勝った武豊のアドマイヤグルーヴ。そして、関東からは、物凄い脚でフラワーCを圧勝した、横山典弘のマイネヌーヴェル。

 今年の調子から安藤が勝ちそうな気がしてくる桜花賞。でも、武も典弘も黙っちゃいない。これが終われば、スペインに今年も行く。josemiさんから闘牛手帳が届いた。Aplausosのおまけ。

 怪我から復帰したフェレーラがいきなりインドゥルトした。ラファエル・デ・フリアもインドゥルトした模様。

 5日の結果。 ソリア。ディエゴ・ウルディアレス、耳なし。ファン・ディエゴ、耳1枚、耳2枚。フェルナンド・ロブレニョ、耳1枚。 グアダラハラ。ルイス・ビチェス、耳なし。セルヒオ・マルティネス、セラフィン・マリン、耳1枚。 サンタ・オラジャ・デル・カラ(ウエルバ)。エンカボ、耳1枚が2回。フェレーラ、耳2枚、シンボルとして耳2枚と尻尾1つ(インドゥルト)。ファンディ、耳2枚、耳2枚と強い尻尾の要求。 トラルバ・デ・カラトゥラバ(シウダ・レアル)。オルテガ・カノ、耳1枚。ラファエル・デ・フリア、耳1枚、シンボルとして耳2枚と尻尾1つ(インドゥルト)。イバン・ビセンテ、耳2枚、右手をプンタッソにより怪我をする。 トゥリジョ(グアダラハラ)。ぺぺ・ドミンギンを讃えるフェスティバル闘牛。騎馬闘牛士、マルティン・ゴンサレス・ポラス、耳2枚と尻尾1つ。闘牛士、マンサナレス、ポンセ、オルドニェス、イバン・ガルシア、耳2枚と尻尾1つ。見習い闘牛士、マンサナレス(息子)、耳2枚と尻尾1つ。


 4月7日(月)

 日曜日の新聞書評は、毎日新聞が圧倒的に面白かった。『ふしぎの博物誌』河合雅雄編 中公新書・740円。『童謡 心に残る歌とその時代』海沼実著 NHK出版・1400円。『現代日本アニメ』スーザン・J・ネイピア著 中公叢書・2600円。『パリの胃袋』エミール・ゾラ著 藤原書店・3600円。評者が養老孟司、清水徹など。

 今日は、鉄腕アトムの物語上の誕生日だ。

 アメリカはバグダッドに繋がる幹線道路を封鎖して包囲した。首都攻略へ向けて準備は完了した。戦争はいよいよ最終局面に入った模様だ。

 レアル・マドリードは、モリエンテスの大活躍で先制されて苦しい試合を終了間際に逆転して3−1で勝ち首位をがっちりキープ。レアル・ソシエダは、3位デポルティーボと戦い1−2と逆転負け。デポルティーボと入れ替わり今期初めて3位に転落した。レアルとデポルティーボとの勝ち点差は6。

 6日の結果。 マドリード。ハビエル・バスケス、アルベルト・エルビラ、口笛。ゴメス・エスコリアル、耳なし。ハビエル・バスケスのバンデリジェーロ、ガジート・デ・サフラが1頭目の牛でコヒーダされ左首側面を切った。生命維持に必要な血管や器官には関係がない模様。 ログローニョ。ホセリート、フリ、耳なし。セサル・ヒメネス、耳要求で場内1周、プレシデンテに罵声。耳1枚。


 4月9日(水)

 サン・イシドロのカルテルが発表になった。闘牛のHPにその都度情報が出て興行主の発表として載ったカルテルとラス・ベンタス闘牛場のHPに載ったカルテルとは微妙に違っていた。しかし、アベジャン、セサル・ヒメネスは出場せず、フリはソリタリオの1回だけ出場。カルテルで面白そうなのは14日、15日、20日、21日、22日。26日、2日、3日、4日もまあまあだ。最後の3日間は、牛を観る日。ラス・ベンタス好みのカルテルだ。フリのソリタリオは期待できないと思う。去年活躍した闘牛士に、エウヘニオ、カバジェーロ、ホセリートが何処までやれるか。

 カリファ、モランテ、ビクトル・プエルトなどの過去にサン・イシドロでプエルタ・グランデした闘牛士と、新しい闘牛士が何処まで盛り上げてくれるか。今年は、どうなるのだろう。

 8日サンティアゴ・ベルナベウで行われたチャンピオン・リーグ準決勝は、レアルがマンチェスター・ユナイテッドを3−1で破った。フィーゴが先制、ラウルの追加点2点。勝って当たり前の試合。戦争やってる国のチームになんか負けられません。松井がニューヨークで満塁ホームランって。非常に日本人的な、サラリーマン的な松井は心配入りません。


 4月10日(木)

 バグダッド陥落=フセイン政権崩壊の新聞の見出しの日、日本では松井の満塁ホームランの記事が同じ日だった。ヤンキースタジアムの初登場の日、前の打者が敬遠で廻ってきた満塁のチャンス。そして、グランド・スラム。実力に運が付いている人間はスターの中のスターになっていく要素を持っているのだ。センセーショナルなデビューだった。

 サン・イシドロのカルテルが新聞のHPにも載っている。ラス・ベンタスのHPにはベネフィセンシアが6月12日になっているが新聞各紙は19日になっている。どっちが本当なのか?このHPにはラス・ベンタスのHP通りに書いた。

 土曜日の闘牛の会用のビデオなどを編集している。時間がないって言うのに。


 4月11日(金)

 サン・イシドロのカルテルが発表になり後は、6月にグラナダ、アリカンテ、アルヘシラスなどが発表になれば予定は決まる。マドリードでの部屋も決まった。他のことも行くまでには決まるはず。

 桜花賞の枠順が決まった。有力馬は4枠から7枠に入り良いレースが期待できそうだ。


 4月13日(日)

 今日は投票に行った。後楽園のWINSで桜花賞を観る。競馬ファンはみんなお金持ちだ。ファンが利用しているJRA銀行はいくらかのお金とバスワードでいくらでも預金が下ろせる。馬体重が発表されてアドマイヤグルーヴがマイナス10キロ。切りだと思っていたらパドックを観たらこの馬が1番輝いていた。尻尾は尻から離れて元気がいい。ただ気になったのが前脚と後ろ脚、胸と腰のバランスがちょっと悪い。しかし、体型や歩様は好みだ。ヤマカツリリーは2人引きでうるさい。尻尾が尻にくっついている。スティルインラブはおとなしく落ち着いているが、この馬も尻尾が尻にくっついている。疲れているのだろうか。後ろ脚が破行しているような歩様だが、シンコウラブリーはこういう歩様だったのでこの馬の特徴なのだろう。マイネヌーヴェルは骨格がしっかりした馬で落ち着きがある。歩幅が狭いのが気になるがこういう馬なのだろう。体型からも2000m以上の方が良いだろう。

 うーん、やっぱり買うのはこの4頭だと思ったが、意味もなく気になる馬がいた。馬体重マイナス8キロで2人引きでチャカついて歩いているが何故か気になった。その時はそれが何を意味していたのか判らなかったがレースを観てそれを気づいた。

 レースは1番人気武豊のアドマイヤグルーヴが出遅れた。拍手をしていた人がいた。徹底的に嫌いな人がいるのだ。俺も武豊被害者の会の会員だからその気持ちは良く判る。しかし武はどうしてこうもレースでヘグル(チョンボ)するのか。馬に対する、レースに対する愛情や真剣さに欠ける。とんでもない詐欺師だ。ヤマカツリリーはかかり気味、スティルインラブ、は好位で折り合っている。マイネヌーヴェルは思ったより前に着けたが3,4コーナーで外に出さないで内を突いて直線ではまったく伸びなかった。あの乗り方も典弘のヘグリ。ガッカリした。坂下でヤマカツリリー、スティルインラブが上位に取り付いてさあと思ったらヤマカツリリーは伸びず、スティルインラブが先頭に躍り出た。そして内からシーイズトウショウが伸びて、大外から遅まきながら豪快に追い込んできたアドマイヤグルーヴを押さえて2着を確保した。

 どうなってるのか桜花賞。桜の妖気を浴びた乙女たちの心はとてもじゃないけど男には理解できない。何でこうなる桜花賞。幸英明騎手は10年目で初G1制覇がクラシックになった。おめでとう幸。咲くも桜、散るも桜。正式名称、勝馬投票券は負け馬投票券に変わった。パスワードが判らない競馬ファンはいつまでたっても貧乏人だ。

 もう一つの投票は、風太郎風の投票行動になった。

 アルメンドラレホ(バダホス)でフィニートがガルシグランデ牧場の牛をインドゥルトした。

 12日の結果。 コルドバ。チキリン、アレハンドロ・カストロ、耳なし。レジェス・メンドーサ、耳1枚。 マラガ。マルコス・サンチェス・メヒアス、ウセダ・レアル、ラファエル・デ・フリア、耳なし。 アルメンドラレホ(バダホス)。フィニート、シンボルとして耳2枚と尻尾1つ(牛、インドゥルト)。フェレーラ、ファンディ、耳1枚。 ジェクラ(ムルシア)。ファン・バウティスタ、場内1周。ホセ・モンテス、耳2枚。イバン・ビセンテ、耳2枚が2回。 ラ・ムラジャ・デ・ブリウエガ(グアダラハラ)。ホセリート、耳1枚。ポンセ、耳2枚。フリ、セサル・ヒメネス、耳1枚が2回。 

 ビジャルビア・デ・サンティアゴ。フェスティバル闘牛。ダマソ・ゴンサレス、耳1枚。オルテガ・カノ、エスプラ、耳2枚。ハビエル・バスケス、耳1枚。ビクトル・プエルト、フェルナンド・ロブレニョ、耳2枚と尻尾1つ。 ギジェナ。フェスティバル闘牛。ペドゥリート・デ・ポルトゥガル、耳1枚。モレノ、耳2枚。エル・シド、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。ファン・マヌエル・ベニテス、耳なし。アレハンドロ・アマジャ、耳2枚。ホルヘ・コントレラス、フランシスコ・チャロ、耳なし。 サアラ・デ・ロス・アトゥネス。パキーリを讃えるリベラ家のフェスティバル闘牛。リベリタ、耳1枚。リベラ・オルドニェス、カナレス・リベラ、カジェタノ・リベラ・オルドニェス、耳2枚と尻尾1つ。一緒にやった闘牛、カナレス・リベラとカジェタノ・リベラ・オルドニェス、耳2枚。リベリタとリベラ・オルドニェス、耳2枚と尻尾1つ。


 4月14日(月)

 もう時間がないから簡単に土曜日の闘牛の会について書いておく。始めは映画、『エル・スール』の印象的なパソドブレ、『エン・エル・ムンド』の場面を流した。50年代はスペインやヨーロッパなどではパソドブレがダンス・ミュージックとして社交ダンスで踊られていたそうだ。映画の場面は娘と父親がレストランでサンゴの食事をしているシーンで、仕切られた隣では結婚披露宴で楽しくパソドブレを踊って陰陽が対称的に描かれている。

 『フェリア』について安達ゆうこさんが報告してくれた。報告の最後にあったドゥエンデについて僕が観てきた闘牛の感想、クーロ・ロメロについて少し話した。その後のビデオは、99年4月23日セビージャのエル・フリ。フリが1番良かった年の非常に印象に残るファエナ。それから荻内先生が4月に闘牛の取材に行くことを報告した。インタビューの予定は、ホセリートとラファエル・デ・フリア。雑誌は7月に発売されるそうだ。

 それから先生の大学時代の友人で東海大学でスウェーデン語を教えている山下さんが初めて見た闘牛の話をした。ヘミングウェイの、『午後の死』などを読んでいたそうだが、牛が可哀想だと思ったそうだ。アングロサクソンにとっては闘牛はフェアじゃない、牛にチャンスがないからと言っていたので、僕は、イラク戦争ではイラクにはまったくチャンスがなかった。あれはフェアなのだろうか?と疑問を言い、牛が良ければインドゥルトして種牛にするために牛を牧場に返すことを説明した。

 それから、林さんがバレンシアのファジャスの報告をした。ポンセがプンティジェロの失敗で耳が取れずプエルタ・グランデしそこなった話。プンティージャを失敗したバンデリジェーロのフランス人が責任を感じてフランスに帰った話は面白かった。ダマソの復帰戦で番長が、「ダマソ・パラ・シエンプレ」と書いた紙を出していたらダマソが気づいて喜んだり、アルバセーテのTV局がインタビューに来たり、終わった後、ホテルの部屋に行ってサインを貰った話をしてくれた。

 カステジョンの報告は平方さんがしてくれた。あの闘牛士は誰と周りのスペイン人に聞いても知らない。フリしか知らない闘牛ファンなど多くて祭りの闘牛で地元の人が多くそう言うファンが多い事を改めて報告してくれた。平方さんも牛が可哀想だと思ったそうだ。でも良い闘牛を観れて良かったそうだ。寿美さんは、フリの話をしてくれた。今年のフリは去年やっていた闘牛が出来ていない。闘牛をやり始めていた頃の、闘牛への情熱とか楽しさなどが少なくなってダメになった。これからどうなるか判らないけどと。

 時間がなくなったので99年4月21日セビージャのモランテのプエルタ・デル・プリンシペは剣刺しの所からプエルタ・デル・プリンシペを肩車で凱旋して、パセオ・デ・コロンを通りホテルに向かう所をまでを流した。最後の始めてきた2人に自己紹介をして貰いフリの2003年カレンダーのオークションなどをして終わった。

 josemiさんが来たのでビックリした。ゆっくり話が出来なかったが、駅前までマドリードに行ってからの話やPARA・妻さんの話などをした。くまさんとは28日闘牛を観る。

 それから飲み会。荻内先生と山下さん牧ちゃんなどと話した。多分25日タラベラに一緒に行くことになる。電車で安達さんにクーロ・ロメロの話をした。興味深そうだった。ミッチナーの言葉はそれなりにインパクトがあるのだ。平方さん、MEGUさん片山先生と話して中野に着き二次会へ。メンバーは荻内先生、片山先生、林先生。荻内先生は途中で帰ったが面白い話が出来た。ハタハタが骨まで美味しかった。

 何でレアルがレアル・ソシエダに負けるわけ。2−4の完敗。去年も大敗して優勝できなかったんだよなぁ。嫌な感じだ。

 13日の結果。 マドリード。ミウラ、アルフォンソ・ロメロ、ラファエル・デ・フリア、耳なし。 ハエン。モレノ、耳1枚。レイ・ベラ、耳なし。ルイス・ビチェス、耳2枚。 イニエスタ(クエンカ)。ファン・モラ、ポンセ、耳なし。アントン・コルテス、耳1枚。 ロケタス・デ・マル。ヘスリン、オルドニェス、耳なし。ファンディ、耳2枚、耳1枚。 トリホス(トレド)。カバジェーロ、耳なし。フェレーラ、耳2枚が2回。セラフィン・マリン、耳1枚。 ロス・バリオス。フィニート、耳2枚。アベジャン、耳なし。サルバドール・ベガ、耳2枚、耳1枚。


 4月15日(火)

 出発の朝。昨日は色々準備をして、荷物もまとまった。朝の世界の天気予報を観ていたら、マドリードは、最高が17度、最低が8度くらいだった。そんなに暖かいわけではない。それはそうだ、北緯が盛岡とほぼ同じなのだから。忘れ物はないと思う。最低でも、お金とパスポート、パソコンがあれば良いのだから。

 そろそろ時間が来た。後は、スペインからになる。良い旅になるようにスペインに思いをはせて。出発だ。


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