断腸亭日常日記 2003年 その13

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年、2003年のスペイン滞在日記です。

99年1月13日〜2月16日 2月19日〜4月14日 4月15日〜5月11日 5月12日〜6月4日
6月7日〜6月10日 6月13日〜7月9日 7月11日〜8月8日 8月9日〜9月9日
9月12日〜10月7日 10月10日〜11月10日 11月14日〜11月28日 12月12日〜12月31日
2000年1月1日〜15日 1月16日〜1月31日 2月1日〜2月28日 3月2日〜3月29日
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9月19日〜10月10日

 10月11日(土)

 NHKでカルロス・ゴーンの事をやっていた。子供の頃や経営建て直しの実績など色んなエピソードがとても面白かった。エルトン・ジョンが好きだなんて知らなかった。『ユアー・ソング』 『グッバイ・イエロー・ブリック・ロード』 などが流れた。子供の頃苦手だった神父の言葉が社会に出てからいつも想い出す言葉があった。

 物事は分かり易くシンプルに

 これがいつも心掛けている事になったのだそうだ。こういうことは何にでも活用できる事だろう。

 これから闘牛の会に出かける。用意は調った。いざ出発。

 ラス・ベンタスの騎馬闘牛は、ルイ・フェルナンデス、アルバロ・モンテス、セルヒオ・ガランがそれぞれ耳1枚ずつを取った。

 10日の結果。 サラゴサ。アベジャン、口笛、罵声。エル・シド、耳なし。フェルナンド・ロブレニョ、耳1枚。コヒーダされ左膝12cm、腰10cmで、太股までの傷。


 10月12日(日)

 昨日闘牛の会に行ってきた。面白い会だった。それは後で書こう。来年は大変なことになりそうだ。

 良くやったセラフィン!今日フェルナンドに代わりフェレーラが出場する。

 11日の結果。 マドリード。エンカボ、ファン・ディエゴ、耳なし。セラフィン・マリン、耳1枚。 サラゴサ。フリ、耳1枚が2回、耳2枚。


 10月13日(月)

 部屋の中にあるビデオを探し出してダビング中。9月中旬に日本用のビデオデッキを買い、下旬にマルチビデオデッキを買ってきた。これで画質が格段に良くなった。98年アベジャンのプエルタ・グランデ翌日のビア・ディヒタルのインタビュー。2000年6月2日流血のプエルタ・グランデの闘牛と、翌日のテレマドリーのインタビュー。これが終わったら、いくつかビデオを編集しないといけない。ホセ・トマスのファエナだけを集めたビデオも作りたい。3時間で納まるのかな。それと3つのテルシオごとに良いシーンを集めたものも作りたい。

 サッカー、ジーコ・ジャパンは確実に良くなっている。このチームは中田が中心。彼がいなかったらチームとしてまとまらない。柳沢も良くなった。これからもっと良いチームになっていくだろう。

 12日の結果。 マドリード。カバジェーロ、口笛。ウセダ・レアル、耳なし。フェルナンド・ロブレニョに代わり、フェレーラ、耳1枚。 セビージャ。エル・シド、ルイス・ビチェス、耳なし。セルヒオ・アギラール、耳1枚。 サラゴサ。ポンセ、耳なし。マンサナレスに代わり、パウリタ、耳なし。セサル・ヒメネス、耳なし。 ヘレス。モランテ、耳1枚、耳2枚と尻尾1つ(エル・トレロ牧場の牛、場内1周) ハエン。ゴヤ闘牛。ヘスリン、耳1枚が4回。 トバラ。エウヘニオ、耳1枚、耳要求。ホセ・マヌエル・プリエト、ホセ・マヌエル・サモス、耳1枚が2回。 トーレ・パチェコ。ペピン・リリア、耳1枚、耳2枚。ハビエル・コンデ、耳2枚が2回。セバスティアン・カステージャ、耳2枚と尻尾1つ(インドゥルトの要求があり、牛、場内1周)、耳1枚ともう1枚要求。 ラ・ペサ。フェスティバル闘牛。ルイス・マリスカル、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。サルバドール・コルテス、耳2枚と尻尾1つが2回。


 10月14日(火)

 今日もこれから雨が降るらしい。昨日の雨は1時間に60ミリ降ったところもあり凄い降り方だった。変な天気。

 今週はビデオの整理とダビング作業をしよう。

 13日の結果。 サラゴサ。ホセリート、耳2枚。ハビエル・コンデ、耳1枚。ヘスス・ミジャン、耳2枚。


 10月15日(水)

 今朝、発狂している人を見た。大声を上げ壁を叩き、部屋を出てきてまた大声を上げ走り回った。部屋からで来た母親が顔を赤くして汗をかきながら慌てていた。何処へ行ったか探して欲しいという。探して見つけた。どうしました?と、聞いたら、助けて下さいお願いしますと、言って腰のバンドを掴んだので危なく転びそうになった。落ち着いて下さいと言ったら、土下座して、助けて下さい、助けて下さいと何度か繰り返した。だから、判りました、落ち着いて下さいと言って、その人の話を聞いた。そして、場所を移して椅子に座らせた。

 少ししたら母親がTシャツを持ってきた。その人は上半身裸だったからだ。それから母親を捕まえて首を絞めたり色々あった。部屋に戻って玄関のものを蹴飛ばしたりするので、止めた方が良いですよと言うと、片づけながら、あんなのが37年間母親ですよ。僕のストレス判るでしょう。この人は、初めに、あいつは信用できないと、怒鳴っていた。あいつとは、母親のこと。

 母親は、インターネットやっていてある書類が送られてきたらおかしくなったと言っていた。前は結婚していて嫁さんが同居していたそうだ。頑固な母親、そして狂人になった息子。結局救急車を呼んで大学病院に搬送されていった。こういう2人が殆ど部屋から出ずに日常生活を続けていたらどちらかがおかしくなるしかないのかも知れない。息苦しい生活は人を狂わせるようだ。あの人は僕には暴力をふるわなかった。助けて下さいというのはあの人の本当の叫びだったのだろうと思う。

 現在、本当に発狂していない人の中にもあの人のように、助けて下さいと、口に出して言わなくても、そう思って日常生活を送っている人が多いような気がする。これは個人的な問題じゃなくて日本の社会の問題だろう。コミュニケーション不良状態で過ごす生活は人の気持ちを滅茶苦茶にしてしまうようだ。僕は怖さも感じなかったし、怒りも感じなかった。飛んだ目で、汗を流しながら、助けて下さいと言う言葉だけが、耳に残っている。だが僕は、何も助けてはあげることが出来ないのだ。

 今日知ったことだが、90年サン・イシドロで耳2枚を取って最優秀闘牛士になったことがある元闘牛士でカサ・デ・ロサノのフェルナンド・ロサノは、今ニーニョ・デ・ラ・カペアの息子エル・カペアのアポデラードをやっているようだ。

 ラ・ビジェ・デル・ロサリオ(ベネズエラ)で、サン・イシドロに見習い闘牛士時代出場したことがあるベネズエラ人闘牛士、エリック・コルテスがランチョ・グランデ牧場の牛をインドゥルトした。

 エストレメラ。フェスティバル闘牛。闘牛士、イガレス、セルヒオ・マルティネス、セラフィン・マリン、耳2枚。見習い闘牛士、アントニオ・カルベジド、耳1枚。


 10月16日(木)

 今週の秋華賞は面白そうだ。人気馬が絶対的なと良さがないからだ。何処かに弱みがある。だから当然狙いは夏の上がり馬。

 整理をしてビデオのダビングは順調に出来ている。闘牛の会が終わって発表した石原さんが、言っていた。今度の発表のために色々調べたりして大変でした。斎藤さんは毎月こんな事やっているのかと思うと頭が下がりますと。そういわれてみるとそうなのだ。初めは本当に大変だった。今は当たり前に事になっているけど。慣れると出来るようになるのだ。

 15日の結果。 ハエン。モレノ、ヘスス・ミジャン、耳なし。エル・シド、場内1周、耳2枚。 アビラ。アベジャン、弱い口笛。ラファエル・デ・フリア、耳2枚。イバン・ビセンテ、耳1枚。


 10月19日(日)

 昨日は片山先生、TAKEさん、カエルさん、MEGUさんと飲んだ。飲み過ぎて先に帰ってきた。

 17,18日とビデオのダビングをした。4本作ったが、その内3本がホセ・トマス。7時間ある。これはファエナからインタビューまでを録画してあるが、ファエナだけのものにしてもおそらく3時間は超えてしまうだろう。

 16日の結果。 ハエン。モランテ、セサル・ヒメネス、サルバドール・ベガ、耳なし。

 17日の結果。 ハエン。フィニート、耳1枚が2回。モランテ、口笛。ファンディ、耳2枚が2回。

 18日の結果。 ハエン。ポンセ、耳1枚。ハビエル・コンデ、口笛。セサル・ヒメネス、耳1枚ともう1枚要求。プレシデンテへ罵声。 カラバカ・デ・ラ・クルス。フィニート、耳1枚、耳2枚。ファンディ、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。エル・ルビオ、耳1枚が2回。 ロス・モンテシノス。フェスティバル闘牛。ペピン・リリア、耳2枚。カリファ、耳1枚。ウセダ・レアル、耳2枚。アベジャン、耳2枚と尻尾1つ。アントン・コルテス、耳2枚。


 10月20日(月)

 日曜日の朝起きたら腹が痛かった。何故だろうと思っていたら原因があった。医者に行っても仕方がないだろうから行かないが、この痛みは1ヶ月ぐらいは付き合わないといけないだろう。

 秋華賞は予想に反して本命決着になった。荒れるだろうと思って買った馬券は外れたが、買った馬6頭は上位7着までに来ていた。1着2着だってちゃんと買っているが、買い目がない。京都内回り2000mは坂が殆どないので実力通りに決まらないことが多い。しかし今回は実力通りに決まった。17年ぶりに牝馬3冠馬が誕生した。勝たれてみれば納得のレース。あれじゃどうしようもない。府中牝馬Sは1点勝負でばっちり取った。大逃げのレースって面白い。

 幸騎手は史上初めての20代3冠騎手になった。松元省一調教師は、トウカイテイオーで果たせなかった夢を牝馬、スティルインラブで達成して感涙を流したそうだ。牡馬でも難しい調整を、気難しい、体調変化のある牝馬で出来たことが相当嬉しかったのだろう。この日昼に引退式を行ったビリーヴと同じ馬主のスティルインラブは、今後エリザベス女王杯から有馬記念へ進むようだ。馬主はあくまで馬の状態を観てからと言うことを強調している。幸騎手も馬を上手に調整した厩舎スタッフを讃えていた。

 武豊が乗ったアドマイヤグルーヴは上手くレースを進めたが直線でスティルインラブを捕らえることが出来なかった。武は首を傾げたそうだがそういつも上手く行くわけではない。向上面で少しだけかかり気味だったのが原因かなぁ。牝馬クラシックで3冠を達成したことで、牡馬クラシックでも3冠馬が出てダブル3冠馬誕生というのが競馬ファンの話題に上がっている。勿論そういう気持ちも分かるが、今度の菊花賞はゼンノロブロイが1番強い。馬券は、サクラプレジデントと3冠を目指すネオユニヴァースへ流せば取れるはずだ。3強は揺るがず。

 19日の結果。 マドリード。セルヒオ・マルティネス、アントン・コルテス、耳なし。マルティン・キンタナ、耳要求。 ウエルカル・オベラ。ハビエル・コンデ、耳なし。ルイス・マヌエル、耳2枚、場内1周。ファンディ、耳2枚、耳2枚と尻尾1つ。 チィンチョン。フェスティバル闘牛。フラスクエロに代わり、セサル・ヒメネス、ラファエル・カミノ、フリオ・アパリシオ、フェレーラ、耳2枚。マティアス・テヘラ、アルベルト・アギラール、耳2枚と尻尾1つ。 ビジャヌエバ・デル・パルディジョ。フェスティバル闘牛。闘牛士、ダマソ・ゴンサレス、カリファ、耳1枚。エンカボ、耳2枚。ヘスス・ミジャン、耳1枚。フェルナンド・ロブレニョ、耳なし。見習い闘牛士、クーロ・シエラ、耳なし。


 10月21日(火)

 ニューヨークの新聞が3ランホームランを打った松井を絶賛しているそうだ。地元で打っているのだから当然だろう。一方、阪神への危惧が日本のマスコミは指摘している。が、野球評論家はそれでも阪神はここままでは終わらないだろうと言う論調。地元甲子園に戻ってきて流れが変わるだろうと言うことらしい。

 ホセ・トマスのファエナは物凄い。頭がどうかしているとしか思えないような事を平気でやっている。気が変になりそうなファエナだ。


 10月24日(金)

 菊花賞の枠順が確定した。今日から前売り発売が開始され、1番人気が17番ネオユニヴァース、1.6倍(単勝支持率が50%近い)。2番人気4番ゼンノロブロイ、2.7倍。3番人気10番サクラプレジデント、7.9倍。馬連の1番人気が、4−17で、2.2倍。2番人気が、10−17で、8.9倍。3番人気が、4−10で、11.0倍。3強の戦いがオッズに繁栄されているが、それにしても恐ろしく低い配当だ。日本競馬史上初めての外国人騎手の1,2着になるのかそれとも・・・。

 宋三姉妹の末っ子、宋美齢がニューヨークで死亡した。106歳だった。故蒋介石夫人である。「浙江財閥の三女として上海に生まれた。生年については台湾メディアが依拠する1898年をはじめ、1901年、02年など諸説ある。 長女は財閥で国民政府財政部長を務めた孔祥熙夫人の宋靄齢、二女は中国革命の父、孫文夫人の宋慶齢・中国名誉国家主席。3人は「宋三姉妹」として知られた。」 ーー(共同通信)ーー

 清朝末期に生まれ、中国を近代国家にしようと革命運動シンパだった父の影響を受け、日本の占領から解放。その過程で孫文死去。「抗日」 「国共合作」 などの変遷を辿って三姉妹はバラバラになっていく。激動期の中国で深く政治と関わった三姉妹の人生は実に面白い。おそらく世界でも稀有な存在だろう。その末妹の死去。三姉妹が生まれてから1世紀経った今でも中国は未だに1つになっていない。孫文も蒋介石も日本に留学した。今の日本に人を育てる社会的な良い土壌があるのかは甚だ疑問である。

 藤井総裁が解任された。法的な手続きをするそうだ。選挙を意識したもので早さを要求された。中曽根元首相がごねて議員辞職をを拒否。話の分からない頭の固さはロンヤス時代から変わらない。もっとごねれば選挙にも影響が出るだろう。自分勝手って素晴らしい?

 阪神タイガースが野球の聖地、甲子園球場に帰ってきて生き返って3連勝。日本一に王手を掛けた。連打のでない阪神が何とか勝てたのは1点差の試合ばかりだから。阪神ファンは狂喜しているだろう。20勝投手が1勝もできないシリーズになりそうだ。総力戦。第6戦はどちらにしろ大量点で勝敗が決まりそうだ。


 10月25日(土)

 今判ったニュースでは、11月21日ビスタレグレでフェスティバル闘牛が行われそれをTVEが中継するようだ。オルテガ・カノが中心の慈善闘牛。ここの所闘牛のニュースが一杯あって訳すのに時間がかかって他のことが進まない。もうテンポラーダが終わったのに南米のカルテルや他のニュースが一杯ある。

 この前、片山先生から借りた、大塚英志 『物語の体操』 を実に面白く読んでいる。先生はこれを読んで本を書いてと言って渡してくれたものだ。


 10月26日(日)

 久しぶりに東京競馬場へ行って来た。京都競馬場で行われた第64回菊花賞を観るためと、改装された東京競馬場を観ておきたかったからだ。トキノミノルの銅像はまた改装が完全に終わったわけでないので他の場所に保管されているそうだ。日本にいるとき競馬場は僕にとって闘牛場の代替である。いつもそうだが今回の菊花賞の物語はどうなるのか。史上初の牝馬牡馬同時3冠馬の誕生か、それとも藤沢和雄調教師初クラシック制覇か・・・。物語の結末は意外なものだった。タイトルをつけるとすれば、「3冠はそう簡単には達成できない!何やってんだペリエ!」

 レースは各馬出遅れることなくスタート切った。ゼンノロブロイは内から好位に着けたが仕掛け気味。ネオユニヴァース中段よりやや後ろの外目に着けゆったりと走っている。サクラプレジデントは少し後ろの内にいた。少しかかり気味。パドックで一番良く見えたザッツザプレンティはロブロイの少し後ろ外目の好位に着けている。安藤勝己は絶好の位置を確保した。1000m通過が1.00.6。2000mが2.04.4。1000mから2000mの間に息が入るレースになってさいごの1000mが1.00.5と上がりの勝負になった。

 このレースの勝負所は3コーナーから4コーナーに掛けてと、直線の入り口の位置取りだった。初めに動いたのは安藤勝己ザッツザプレンティ。その後を追うミルコ・デムーロ、ネオ。ペリエは動かずジッと内。その後ろに横山典弘のリンカーン。その後ろの武豊のサクラは内に刺さり気味で左タズナを引っ張っている。これじゃどうしようもない。ネオが動いたことで後続が一気に動き出し4コーナー前ではロブロイは後方に位置することになる。再生ビデオが流れているときファンが大声で言っていた。「ペリエはコーナーで眠ってるんだものよー」

 そして、直線手前でロングスパートをかけていたアンカツのザッツザプレンティが先頭に立つ。それを外から追うネオが直線で迫る。ペリエはコーナリングまで失敗して馬がバランスを崩す。先頭はもう大分前に行っている。届きそうにない。典弘はペリエの外に着けて直線入り口をスムーズに廻り外から追い出しを掛ける。鞭を入れ一気にスパート。ペリエは遅まきながら追い出しを掛けたが馬群を捌くのに手間がかかり足を余して惨敗。最低の騎乗だった。アンカツのザッツザプレンティがネオを押さえ典弘のリンカーンの末脚を封じてクラシック初制覇。地方競馬から念願叶って中央競馬へ転向してこれでG1、2勝目。腕を見込んで騎乗依頼した橋口調教師はこれでダンスインザダークに続いて親子2代の菊花賞制覇を達成した。

 好騎乗の安藤勝己。それに続いて典弘も良い乗り方だった。最後の見せ鞭でネオを交わしたのには痺れた。ミルコ良かったが馬の実力差は明らかだった。春は経験でG1を勝てたが他の馬の成長力が追い抜いた。武はサクラをなだめて乗っていたがあれじゃどうしようもない。馬が幼すぎる。そして、ヘグッタ、ペリエ。大チョンボ!普通に乗ってれば勝てたものを・・・。何にも考えてない。ペリエ、手前ぇー、水でも飲んでろ!この野郎!金返せ!下手くそもあそこまで行くと・・・。レースの3,4コーナーの所で負けたなと思った。前走乗ったケント・デザーモが乗っていたら間違いなく楽に勝っていただろう。トライアル神戸新聞杯の後、デザーモが、「同世代の馬に負けるシミュレーションは考えられない」と言った。これじゃ、ゼンノロブロイが可哀想だ。

 レース後の脱力感は何なんだろう。自信があったのにペリエの大チョンボでパーになった。賭けた金の分だけ脱力感を感じる。ああ、これもまた競馬か。岡部幸雄が未だ復帰していないが、やっぱり岡部がロブロイに乗っていたら安心して馬券が買えるのになぁ。早く復帰して欲しい。ペリエは去年のJCでもチョンボして負けた。来週の天皇賞・秋の本命もまたペリエが乗る藤沢厩舎のシンボリクリスエス。疑心暗鬼が渦巻くよなぁ。ヤジの1つも言ってやりたくなるペリエのチョンボ野郎。お前のおかげでおいら今日はハコテンだ。

 それでも競馬場で観た安藤勝己の勝利騎手インタビューを聞いていて涙が出てきた。不況に喘ぐ地方競馬の関係者がアンカツを応援している。アンカツの後ろにはそういう人たちの思いが詰まっているのだ。冷静な好騎乗をして大満足だっただろう。自分が嬉しくて橋口先生とは未だ話していません。と言っていた。良い腕が中央の大舞台G1で発揮出来たのだ。謙虚に喜びを表している安藤勝己を観ていたら、今日はこれで良かったんだと思えてきた。おめでとう、安藤勝己。地方競馬の星は中央に来ても輝いているぞ!

 マラガのピカソ美術館落成記念闘牛でハビエル・コンデが2頭目の牛をクリスティネ・ピカソに捧げた。5頭目は今年のテンポラーダを共にしたクアドリージャに捧げた。

 25日の結果。 マラガ。フィニート、耳要求。ハビエル・コンデ、耳1枚が2回。モランテ、耳1枚。


 10月28日(火)

 菊花賞について、新聞、競馬雑誌のコメントを読んだ。ペリエの騎乗について、ペリエ自身が「・・・馬にはかわいそうなことをした。馬は悪くない。今日は馬が負けたのではなく、自分の騎乗のせいで負けた」と言ったそうだ。藤沢調教師は、「競馬だからしょうがないけど、レースは上手な馬なのでもう少し前に行けていればと思っていたが、内に閉じこめられてしまったね。流れもこの馬に向かなかった。また出直します」と言ったそうだ。調教師として、騎手を責めないのは立派だ。腕を見込んでペリエに騎乗依頼したのだから。

 が、1着賞金1億1千2百万円。馬券で言えば100億円近くがゼンノロブロイ絡みで売れているはずだ。ペリエの大チョンボはそういう実質的な金の問題として、ゼンノロブロイの関係者と馬券を買ったファンに多大な迷惑を掛けているのだ。はっきり言って非常に頭に来ている。自分の責任だと判っているならちゃんと乗れ。天皇賞だってペリエの馬券を買おうと思っているんだから、ちゃんと借りを返して貰おうじゃないか。東京競馬場で待ってるぜ。

 騎馬闘牛士パブロ・エルモソ・デ・メンドーサがフリキジャ(メキシコ)で牛にプンタッソされて左膝を強く打つ怪我をした。

 ホセリートは退院してタラベラのフィンカで休養している。

 26日の結果。 サラゴサ。エル・ミジョナリオ、マリ・パス・ベガ、耳要求で場内1周。リカルド・トレス、 ダックス(フランス)。フェスティバル闘牛。騎馬闘牛士アンディー・カルタヘナは、雨が降ってアレナが滑りやすい状態になったために闘牛が出来なかった。闘牛士、フンディ、耳1枚。ファン・ディエゴ、耳なし。フリエン・レスカレット、耳2枚。見習い闘牛士、フェルナンド・クルス、耳1枚。 トリゲロス。エミリオ・シルベラ、耳1枚。イガレス、耳2枚。パディージャ、耳2枚と尻尾1つ。ミウラ、耳1枚。ルイス・ビチェス、耳2枚と尻尾1つ。セラフィン・マリン、耳1枚。 ジェクラ。フェスティバル闘牛。アンヘル・デ・ラ・ロサ、耳2枚。パコ・セルバンテス、耳1枚。セルヒオ・マルティネス、耳なし。エル・ルビオ、耳1枚。ホルヘ・イバニェス、耳2枚。見習い闘牛士、ラモン・イバニェス、、耳2枚。


 10月30日(木)

 何故かは知らないが、セサル・リンコンにボゴタのコントラートが未だ来ていないと言う。他のコロンビアの主なフェリアからはそうそうとコントラートが来ていたのに地元は未だだという。

 アルフォンソ・ロメロは、後1ヶ月入院するようだ。


 11月1日(土)

 天皇賞の枠順が発表された。シンボリクリスエスは大外8枠18番だった。東京2000mは外枠が不利。内枠とは2馬身違うという。明らかに困惑の表情をしたのは藤沢調教師だったそうだ。今度こそ腕でもってこない、えー、ペリエ!

 ぴょん太さんから送られてきたビデオを観た。前半だけだったが、フェルナンド・ロブレニョは凄い。血だるま。エル・シドもちゃんとやっている。アベジャンはなぁ、出来ていない。

 ホセ・トマスがヌニョス・デル・クビジョの牛を手に入れた。


 11月2日(日)

 東京競馬場に行って来た。遅く出たので着いたらもうパドックを馬たちが周回していた。馬体重をチェックしてパドックの良い場所を見つけ馬を観ていたら2周も観れなかった。もうちょっと早く行くべきだった。馬体重プラス10キロのシンボリクリスエスは太め感がなく良い仕上がりの体というのだけは判ったが、他の馬の状態を判断できなかった。それが反省点。返し馬も混んでいてよく見れなかった。これは、改装途中でスタンド前の傾斜がないので背伸びしても観れない場所で観たため。

 シンボリクリスエスの1本被りのオッズでも馬連で10倍以下がない。これなら良い馬券になる。買い目は、シンボリからローエングリーンが対抗、ツルマルボーイが単穴、そして、エイシンプレストンとアグネスデジタルへの流し馬券。菊花賞でハコテンになったので投入金額が減ったのは、ペリエのせいだ。

 レースは、心配したスタートを各馬がクリアしてトラブルなく2コーナーを廻った。最後方はツルマル、ハナは、ローエングリーンが取ったが、外から何が何でも行きたいゴーステディがつついて行って後続を大きく離す超ハイペースになる。1000mが56.9秒、1200mが1.08.7というスプリンター・ステークスなみのラップを刻んだ。もうローエングリーンが直線でばてるのは目に見えている。それでも直線坂上まで保ったのは能力がある証拠。後藤は飛ばしすぎ。2番手でレースを進めるべきだった。失態と言っていいだろう。

 直線で後続が差を詰めて、内からペリエが追い出しをかけるとシンボリクリスエスが鮮やかな切れ味で抜け出してくる。ゴールまで後200mでローエングリーンあっという間に抜き去る。剛脚一閃。まさに風のようだった。今日のペリエは抜け出すタイミングが抜群だった。ビッシリ追った直線。タイムは、1.58.0のレコード。圧勝だった。今後のレースに影響がないことを祈る。2着は最後方から豪快に追い込んだツルマルボーイ、横山典弘。先週に続いてまた2着。「俺はG1を勝てない男」と、自虐的に言うが良い騎乗をしているから馬券に絡むのだ。勝てないのは腕が悪からじゃない。馬の能力がほんの少し足りないからだ。3着にテンザンセイザが来たのは驚きだ。4着エイシンプレストン。5着のカンファーベストもパドックで発汗してレースでも前に行っていたのにこの結果は能力の高さを示しているのだろう。

 今日は良いレースだった。良い天皇賞だった。先週の分を取り返すまでは行かなかったがJCが楽しみになってきた。不利な大外8枠18番からの天皇盾を手に入れたことでシンボリクリスエスを中心に秋の中距離G1戦線が動いていく。BCを同着で優勝した馬やその他、海外の有力馬が参戦を表明しているが迎え撃つ日本勢はシンボリクリスエス、菊花賞馬、ザッツザプレンティ、2冠馬、ネオユニヴァースの参戦もあるようだ。ゼンノロブロイはどうなるのか?やー楽しみな秋競馬G1戦線だ。


 11月3日(月)

 今日も競馬がある。福島だ。それから大井行われる交流レース、JCBスプリント、JCBクラシック、の2つのレースがある。これをJRAは競馬場、場外で発売するという。こういうサービスが行うようにして地方競馬を盛り上げようとしている。競馬ファンは大歓迎だ。予想だけ書いておこう。JCBクラシックは、ネームヴァリュー、ユートピア、アドマイヤドンの三つ巴。JCBスプリントは、マイネルセレクト、ハタノアドニスの一騎打ちの様相だ。

 昨日、TVで濃野平についての放送があった。そのせいか、アクセスが増えた。闘牛の嫌いな人からのメールがあった。頭だけで考えているとああいうことを言うのだろう。あれじゃ、世界各地にある文化というものを無視する考え方。一律にものを観ていると世界を理解することは出来ない。でも、今の社会状況と闘牛を結びつけて、その人と同じみたいな言い方っておかしくないか?逆に言えば、そうならないために闘牛観た方が良いんじゃないですかと、思うのだが。


 11月5日(水)

 総選挙もいよいよ後半になって政権を取ったらという条件で、閣僚名簿を発表した。

 「民主党の菅直人代表は4日夜、都内のホテルで記者会見し、田中康夫長野県知事の地方分権(地方主権)担当相起用など総選挙で政権獲得した場合の主要閣僚候補6氏を発表、菅氏は「脱官僚、脱集権、脱腐敗の政権をつくる最強のチームとなった」と強調した。
 党外からは田中氏のほか、財務相に旧大蔵省財務官の榊原英資慶大教授、国土交通相に元ゴールドマンサックス投信社長山崎養世氏の民間人2人。党内からは小沢一郎旧自由党党首を外交、行革担当の副総理、鳩山由紀夫前代表を文部科学相、岡田克也幹事長は国会対策担当の無任所相に充てる、とした。
 田中氏は知事のまま「閣僚就任」を受諾したことについて記者会見で「兼務を禁じた明文規定はない。テレビ会議や電子署名を用いることは十分可能だ」と指摘した。(共同通信)」

 世論調査で劣性を伝えられる民主党。最後の隠し球的な挽回策。政権交代は出来ないか?それとも・・・。未だ決めていないというおよそ3割の人たちの投票行動に21世紀の日本の運命が形作られていくのだろうか。

 ダイエーの無償トレードで小久保を放出する事を発表した。ダイエーの選手やファンは激怒している。浦和レッズのオフト監督はナビスコ・カップ優勝直後に辞任を発表した。マスコミはオフト監督の見識を云々言っているが、小久保の問題もオフトの問題も球団との不信感が起こしたことのようだ。不思議な2つの事件だ。

 2日グアダラハラ(メキシコ)でパディージャがカルロス・マヌエル・コボ牧場の牛をインドゥルトした。

 2日の結果。 リマ(ペルー)。ファンディ、耳1枚、耳2枚。セバスティアン・カステージャ、耳1枚。マンサナレス、耳なし。 グアダラハラ(メキシコ)。アントニオ・バレラ、耳1枚。右足靱帯損傷。アントニオ・ブリシオ、耳1枚、耳2枚。イグナシオ・ガリバイ、耳なし。 クエンカ(エクアドル)。騎馬闘牛士、パウロ・ホルヘ・フェレイラ、耳1枚。闘牛士、パディージャ、耳2枚。シンボルとして耳2枚と尻尾1つ(牛、インドゥルト)、耳1枚。ギジェルモ・アルバン、耳2枚、耳1枚。


 11月6日(木)

 闘牛の会の準備をしていた。やることは決まったのでビデオの編集をして確認作業。一定のレベルに達していて面白いものになったと思う。が、しかし、未だ、原稿が出来ていない。これから書こう。

 不在者投票に行こうと思っていたが作業に夢中になって忘れた。土曜日に行こう。政権交代するためには、小選挙区で半分は取らないとダメだろうがそれは無理。予想では200もいかないようだ。日本は何も変わらないようだ。

 曙親方が日本相撲協会を退職し、格闘家としてK-1参戦の記者会見を行った。


 11月7日(金)

 原稿を書き上げた。時間があれば違うこともしたいが、今回は出来なかった。持っていくものを用意できたので、明日それを持っていけば良いだけだ。

 自民党が単独で過半数を取るとマスコミは伝えている。ただし、未だ有権者の3割くらいが誰に投票をするか決めていない状況だという。やはり、政権交代はなさそうだ。


 11月9日(日)

 昨日不在者投票へいってきた。理由を書く欄があってそこには、競馬と記入した。今日は投票日。夜は選挙速報を各局が流すだろう。昨日17時頃門前仲町に着いたら凄い人。候補がハンドマイクを握ってがなっていた。選挙カーには安部君の名前があった。掲示板でおなじみの阿部君とは全然違う。人の多さで歩きにくくて仕様がなかった。

 闘牛の会は今回も盛況。諸事情で来れない人もいたが面白い会になった。


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