断腸亭日常日記 2020年 7月 その1

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


 7月17日(金) 雨/曇 12896

 雨降りて 肌寒きかな 梅雨の朝  風吟
朝から雨が降って、涼しい。部屋の中を風が通り過ぎれば、涼しいよりも肌寒く感じる。遅めに起きて、炭酸水にタバコ。朝食は、豚肉の野菜炒め。テレビで藤井聡太七段が、渡辺三冠に勝って、30年ぶりに17歳と11カ月の最年少でタイトルを取った記録が更新された話題などを観る。昨日夕方は、飯を作りながら、ABEMAの動画中継をネットで観ていた。3八銀で、飛車取りから逆襲に転じて、110手で投了した。渡辺三冠は、「競っているところで負けている。凄い人が出てきなという感じ」といった。今日の新聞の1面は、このニュースで飾られた様だ。

 以前は序盤が弱点といわれていたようだ。2カ月のコロナの中断で、自分の将棋を見つめ直して、タイトル初載冠した。記録を破られた屋敷九段は、「記録はいつか破られるもの、非常に嬉しい気持ちが強い。」と語った。また渡辺二冠は、「負け方がどれも想像を超えているので、もうなんなんだろうね、という感じです」「この指し方を真似するのは無理なので、自分の長所を生かして対抗できる策を見つけるしかないと思うますが、勝ちパターンがそれしかないのでは厳しいので、次の機会までに考えます」と語った。ABEMAで解説などしている棋士の多くが、なぜ負けたのか、理由がわからない負け方という。藤井君から藤井さんになり、藤井四段から藤井七段に。そして、藤井棋聖になった。「これからは、タイトルホルダーとしての、立ち居振る舞いを身に付けていきたい」という。「探求心」の色紙を掲げ、今日の会見に臨んだ。

 昨日の午前中に、東京の感染者が280台という速報が、都知事から出された。これがダメ押しになったように、GO TO トラベル・キャンペーンから、東京が除外された。観光業が切羽詰まっているとかいうのが、GO TO トラベル・キャンペーンを行う理由だというが、これだけ感染者が増えている中で、やるのは、おかしいだろう。WBSの解説者は、そもそも、効果があるか疑問をいっていた。観光地の人気がある処に集中すること、それを利用する客は、時間とお金に余裕がある。これでは、効果があるか疑問だという。久我尚子(ニッセイ基礎研究所主任研究員)は、感染拡大を懸念している状態では、消費は活発にならない。それを解消するためには、PCR検査などを充実させることと、治療がちゃんと受けれるということが重要だという。暗に、医療体制が、金銭的にも、苦境になっていることを指摘しているのだと思った。感染拡大がおさまれば、経済効果が出るはずなので、それまで待つべきではないかと思う。

 スペイン政府発表の感染者数と、カタルーニャ州政府が発表して感染者数が大きく違っているようだ。この場合、カタルーニャの方が正しいと考えるのが良いようだ。それによると、バルセロナは、250人だという。スペイン政府発表のマドリードの感染者数の6倍近くある。

 世界では、1380万5千人の感染者が出、58万9千人が死亡。アメリカは、357万6千人の感染者、13万8千人が死亡。スペインは、258855人の感染者、28416人の死者。ここ3日は、3、4、3人の死者。東京では、ここ3日、119、165、286人の感染者(23日連続45人以上、8日連続100人以上)が出て、昨日までの累計で、8640人。326人の死亡になった。全国では、昨日の時点で623人増え、23658人の感染者、985人の死者。東京の速報は、293人の感染者が確認された。


 7月18日(土) 雨のち曇 10477

 目覚まし前に起きて、炭酸水にタバコ。朝食は、豚肉のロースに炒めた野菜とエノキを添えた。3月からの、『ガイアの夜明け』『カンブリア宮殿』などを観ていると非常の面白い。倒産などを調べる民間の帝国データバンクの仕事ぶりなども、現地調査に裏打ちされた最新情報を提供している。その中でも、企業を売却することによって、店舗と従業員の雇用をそのまま引き継ぐ処もある。また、閉店などで、好立地の物件に空きが出ていて、そこに入りたい複数の業者の取り合いになっているという現状もある。平時では、とても手に入れれない物件だからだという。こういうのも、いわゆる賭けである。また、困難な時期を乗り越えた企業は、ピンチは最大のチャンスと感じているようだ。経済番組は、こういう特異なケースを取り扱うことが多いが、ようは、企業というのは変化に対応できなければ生き残れないということ。その為に、平時何をしなければならないかという事なのだろう。しかし多くの処は、あっぷあっぷ状態で見えない未来に震えている。

 10万円の給付は、政府発表で9割が完了したという。MEGUさんにせっつかれてやったが、もう振り込まれている。外食も、何処へ行って食べたいとかいうのなの?と訊かれたが、思う浮かばない。つけ麺食いたいとか思うが、今じゃないと思う。例えば、京都の花脊にある美山荘で、つみ草料理が食べたいと思っても、これは2名からになっているので、バレンシアのパエジャと同じ状態だ。それに高いし、京都へ今行っている場合じゃない。部屋で、書き物している方が良い。大体、東京でやっている美術展にも行く気にならないのに、京都じゃない。まず外食もしていない。最近は、スーパーに行くのも嫌な気がする。先日散歩で、ミュシュランに載っているラーメン店の前を14時前に通ったら、10人くらい並んでいた。それを観て、今じゃないでしょうと思った。

 東京は今日も、290人の感染者が確認された。これで3日連続200人以上で、300人目前だ。無策の政府。選挙資金集めのパーティーを麻生財務相が開いているが、そんなことしている場合じゃない。カタルーニャの感染拡大も止まらない。1100人以上の感染者が確認され、都市部に集中している。バルセロナは346人。州政府は、外出自粛を要請したようだ。非常事態宣言のような罰金はない。が、日本でも、外出自粛を要請した方が良いと思う。世界では60万人以上の死者が出た。それでも、アビラで闘牛が開催されるようだ。

 世界では、1410万8千人の感染者が出、60万2千人が死亡。アメリカは、364万7千人の感染者、13万9千人が死亡。スペインは、260255人の感染者、28420人の死者。ここ3日は、3、4、不明人の死者。東京では、ここ3日、165、286、293人の感染者(24日連続45人以上、9日連続100人以上)が出て、昨日までの累計で、8933人。326人の死亡になった。全国では、昨日の時点で597人増え、24254人の感染者、985人の死者。東京の速報は、290人の感染者が確認された。


 7月19日(日) 曇のち晴 9913

 目覚まし前に起きて、炭酸水にタバコ。豚肉野菜炒めなどで、朝食を取る。『日曜美術館』を観る。池波正太郎がルノワールを語り、岡本太郎がピカソ語り、清志郎がゴッホを語った。昼過ぎ、競馬しながら、『半沢直樹』の番宣のような番組をちょこちょこ観ていたが、実に面白い。この番組は、自粛中の間、台本を読み込んでいたと堺雅人。途中からドラマになったが、半沢直樹はほぼ出てこないが、それでも実に面白かった。そして、今日から新シリーズが始まる。

 市川崑が好きだ。何が良いって、インタビューの時、タバコを唇の上下左右の丁度真ん中に、咥えながら言葉を発するのが良い。右手を使わずにタバコを咥えたまま、煙たがらずもせずに、応えるさまが美しい。息を吸うように、タバコを吸う。美とは、こういう事をいうのだ。計算できない、タバコの煙の漂う様も美しい。昨日の夜中、『東京オリンピック』が、BSプレミアムで放送された。1964年の撮影された映画だ。オリンピックの頃、丁度退院してテレビで断片的に観た。覚えているのは、体操の遠藤やチャフラフスカ。重量挙げの三宅。女子バレーは記憶にない。1番印象に残っているのは、マラソンだ。映画の最後の方で、鋭い目で淡々と走るアベベ。苦しそうに走る他のランナー。「長距離走者の孤独」がそこに描かれている。給水所で、立ち止まって、水を3杯も飲む選手もいる。

 優勝したアベベは、ゴール後ストレッチをする。記憶では、あと20キロ走れるとインタビューで応えたが映画にはない。次に国立競技場に入って来たのは、円谷幸吉。すぐ後ろにヒートリーがいる。がんばれ円谷。アナウンサーが叫ぶが、3コーナーでスパートして、ヒートリーが円谷を抜く。円谷はもう抜き返す力がない。銅メダル。その後、ゴールするランナーを写す。疲れ切っている姿。つまずきそうになる選手。ゴール後、抱きかかえられたり、寝転がったりする選手たち。靴を脱ぎ、靴下を取った足の裏を写す。豆がつぶれたのか、血が流れている。様々な足の裏。それだけで、マラソンの過酷さが判る。疲れ切った表情。朦朧としている選手。担架で運ばれる選手もいる。それらを克明にカメラは描写する。小学生だった時に観た記憶が蘇る。最後の閉会式。そして、最初と最後が太陽を映し出す。

 賛否両論あった映画『東京オリンピック』。市川崑を知らなかった頃、幕で囲って暗くなった小学校の体育館で観た、『ビルマの竪琴』が初めだった。竪琴を抱えた兵隊が美しく悲しかった。次が、『東京オリンピック』なのだが、その次が、テレビの『木枯し紋次郎』。「あっしには、関わり合いのないこって」と、突き放す言い方をしながらも、必ず関わってしまう上州新田郡三日月村生れの渡世人・紋次郎。その殺陣が、時代劇のように決まっていない、滅茶苦茶な下手くそさ。それが逆に、武士ではない渡世人同士のチャンバラのリアルさがあった。それと長楊枝を飛ばすさまが印象に残った。その後、角川と組んで、横溝正史シリーズを映画にしてヒットした。『東京オリンピック』は、記録映画という意味においても、非常に面白い映画だ。

 最近約4日で100万人の感染者が確認されている。昨日日本では、662人。スペイン政府発表がないが、カタルーニャ州政府の発表は、1200人以上で、バルセロナ県は900人弱で、バルセロナ市は、349人。そろそろバケーションで、ここに住む人が旅行へ出かけると、スペイン中に感染が広まるだろう。日本も同じ問題を抱えている。対策するならバルセロナの都市封鎖だろう。スペイン人は、強制されないと守らないだろう。東京は、外出自粛した方が良い。スペイン本土で、外出時にマスク着用が義務化されていないのは、マドリードだけだになったという。18日アビラで闘牛が開催しされた。スペインでの闘牛はコロナ禍で、中止になっていたが久々の開催になった。カステージャが耳1枚。ロペス・シモンが、耳1枚と耳1枚ともう1枚要求でプエルタ・グランデした。入場行進後、コロナでの死者に1分間の黙祷が捧げられ始まった。また、1.5mの距離を取て約1000人の観客が、闘牛を観たという。

 世界では、1429万人の感染者が出、60万2千人が死亡。アメリカは、371万1千人の感染者、14万人が死亡。スペインは、週末のためデータの更新はない。260255人の感染者、28420人の死者。ここ3日は、4、不明、不明の死者。東京では、ここ3日、286、293、290人の感染者(25日連続45人以上、10日連続100人以上、3日連続200人以上)が出て、昨日までの累計で、9223人。326人の死亡になった。全国では、昨日の時点で662人増え、24916人の感染者、986人の死者。東京の速報は、188人の感染者が確認された。


 7月20日(月) 曇/晴 7879

 朝早く目覚めるが、二度寝して昼前に起きた。今日は昨日まで違い、暑い日になった。サバの味噌煮に納豆を入れた物を、そうめんで食べる。昨日の夜つけた、キュウリの漬かり具合を観たが、もう少しおいた方がいいと思った。夏の漬物は、キュウリか茄子が良い。ただ、茄子は漬ける自信がないので、結局キュウリに落ち着く。コリコリした食感も好きだ。京都の祇園祭の頃は、このキュウリは食べられない。キュウリの切り口が八坂神社(祇園社)の紋に似ているからともいわれている。だからなのか、この時期に錦市場などで見かけるのは、水ナスである。これをつまみながら、一杯飲むのは、京都を感じる。

 『半沢直樹』の新シリーズが始まった。巨大な不正を暴いたのに、子会社の東京セントラル証券会社へ出向になった半沢直樹。同じく銀行から出向で来ている落ちこぼれ組と、証券会社の生え抜き組の対立。そこに、親会社の東京中央銀行が、情報を盗み巨額案件をかっさらっていく。情報を銀行へ流した落ちこぼれ組と、銀行の証券部の伊佐山部長。時期頭取を目指す三笠副頭取に取り入って、大和田取締役と決別する構図。自分たちの出世のために、正義を貫く半沢直樹は、邪魔ものである。半沢直樹証券会社企画部部長から地方へ左遷を企てている。「やられたらやり返す。倍返しだ。それが私のモットーなんでね」と、伊佐山部長へ啖呵を切る。また、理不尽に対する戦いが始まった。

 田中優子著『江戸の想像力』をめくる。源内が薬品会を田村元雄へ頼んで開いたが、4回目までは出展は少ない。1年休んだ5回目は、千二百種以上が出展される。それまで、多くて二百種強しかなかった出展が何故増えたか?そこには、俳諧ネットワークが使われたという。各地の俳諧ネットワークを使って出展が増えた。こういう事を、源内が始めたのかは判らないが、狂歌ブーム直前に行われた。文化がひろがる事と、俳諧ネットワークが使われた。それが、色々なものに活用されて行く。

 東京はここ2日、200人を切っておさまってきたように思うかもしれないが、予断を許さない状態に変わりない。カタルーニャ拡大も同じだ。バルセロナは、312人。フランスは、そろそろバルセロナからの入国制限を始めるかもしれない。コルドバの1000人集まったディスコから、73人の感染者が出たというニュースもある。

 世界では、1450万8千人の感染者が出、60万6千人が死亡。アメリカは、377万3千人の感染者、14万人が死亡。スペインは、週末のためデータの更新はない。260255人の感染者、28420人の死者。ここ3日は、不明、不明、不明の死者。東京では、ここ3日、293、290、188人の感染者(26日連続45人以上、11日連続100人以上)が出て、昨日までの累計で、9223人。326人の死亡になった。全国では、昨日の時点で511人増え、25425人の感染者、986人の死者。東京の速報は、168人の感染者が確認された。


 7月21日(火) 曇 10684

 新月で、土用の丑の日。今日も蒸している。土用の丑の日にうなぎを食べる習慣は、江戸時代平賀源内が、知り合いのうなぎ屋に頼まれて、コピーライターになって宣伝したのが、定着したといわれている。夏バテ防止のために、うなぎが良いというのは、おそらく、後付けだろう。源内が江戸に出て、神田白壁町に住んでいた頃、錦絵の創始者、鈴木春信と出会っている。絵暦交換会で、春信の絵暦が評判になる。仕掛けたのは、巨川(きょせん)。牛込に住む千六百石の旗本・大久保甚四郎忠舒(ただのぶ)が巨川だという。巨川は俳号で、彼が中心になって、絵暦が作られていた。もちろん、源内も絵暦交換会に出入りしている。たぶん、大橋巨泉は、巨川から芸名を取ったのだろうか?大学時代に俳諧をやっていて、俳号を巨泉といっていたのだろう。あのCM「みじかびの きゃぷりきとれば すぎちょびれ かきすらすらの はっぱふみふみ わかるね。」

 多色摺りの絵暦を作るために、絵師、彫師、摺師、巨川やその仲間が、知恵を絞ったのだろう。版木に、「見当」をつけることによって、多色摺りに成功するが、見当を作った人には色々な説がある。大田南畝は、江見屋の三代目主人、上村吉右衛門が1744年に、版木に紙を置く位置を示す、見当をつけることを思いついたと『一話一言』に書き、滝沢馬琴は、彫師の金六がなんとかいう摺師を誘って1765年、見当を工夫したと、『燕石雑志』に書いたという。また、源内の研究家のある人は、源内が考えたという。

 まあ、それはどうでもいいのだ。話として面白いのは、春信と同じ長屋に住んでいた源内が、見当を考案したというのが、1番面白い。つまり、『チコちゃんに叱られる』のように、「諸説ございます」、なのだ。この辺は、江戸時代を研究する田中優子でも、上記2人を書いているように判らないといっているし、浮世絵研究家も、調べても良く判っていないという事のようだ。いずれにしても、錦絵にも俳諧ネットワークが使われたということ。この時代の文化は、俳諧ネットワークが発信元になっていることが多いようだ。

 世界では、1470万6千人の感染者が出、60万9千人が死亡。アメリカは、383万人の感染者、14万人が死亡。スペインは、264826人の感染者、28422人の死者。ここ3日は、不明、不明、2人の死者。東京では、ここ3日、293、290、168人の感染者(27日連続45人以上、12日連続100人以上)が出て、昨日までの累計で、9579人。327人の死亡になった。全国では、昨日の時点で419人増え、25844人の感染者、988人の死者。東京の速報は、237人の感染者が確認された。


 7月22日(水) 雨/曇 12693

 東京は今日も蒸している。GO TO トラベル・キャンペーンが今日から始まった。テレビでは、小樽、京都四条大橋、厳島神社などが映っていたが、何処も人出が少ない。昨日夕方、スーパーへ行くと、うなぎが売っていた。しかも半額である。それがあっという間に売れた。半額のシールを観ると、途端に買意欲が急上昇するのだろう。こういうのを、現金だというのだ。源内がうなぎ屋のためにやったコピーは、250年経った現代においてもまだ、うなぎを食べるための、きっかけになっている。そう考えると、凄いことだ。

 THさんは、バルセロナから、マドリードへ引っ越した。こんな時期にである。やっぱり、ぶっ飛びだ。おそらく、職場をマドリードに得たのだろうと思う。闘牛のないバルセロナではなく、マドリードに住みたいといっていたので、そうなるようにしたようだ。残念ながら、今はコロナ禍。アビラで闘牛が開催されたとはいえ、マドリードや多くの闘牛祭が中止になっている。レアル・マドリードのリーガ・エスパニョーラ優勝騒ぎもおさまっただろう。バルやレストランなどが、閉店した処も多いだろうマドリード。街は代わっているだろうなぁ。当然、治安が悪くなるだろう。いつもマドリードに行くと、泊まる友人の辺りは、人種のるつぼなので、危ない処だろう。友人もどうしているのか?

 マドリードの感染者が少ないとということについて、州の副知事が、検査してないか、数字を誤魔化しているからだという、根も葉もないうわさをしているようだが、誤魔化しているなどとんでもない話だ。検査数は、1日、1万4千件実施しているといった。それを訊いた、マドリードの友人は、本当だろうか?と、思ったそうだ。スペイン政府の発表する感染者数と死者数は、あまり信用できないようだ。カタルーニャ州政府の方が、自分たちのデータなので信用できるが、マドリード州はどっちなんだろう?こういう事は、連休の4日間は、不要不急の外出をひかえるようにという都知事と、GO TO トラベル・キャンペーンを前倒して決めた政府と、どっちが信用できるの?と感じることと同じだろう。疑心暗鬼になる。そういうこと自体が、この新型コロナウイルスの厄介なことだし、判らないことが多いから、何を信じて良いのかと考えるからだろう。

 新型コロナウイルスに感染し入院治療を終えて、退院した人たちの2000人の追跡調査するという。退院した人たちに後遺症が多く観られるからだという。初めに知ったは、21歳の大学生。退院後も、家で寝ている状態が多い。倦怠感、頭痛、味覚・臭覚異常、食欲不振など。こんな事になるのか?と思った。これは、日本だけでなく、世界各地の患者に起こっていることで、医者が論文を書いて発表しているようだ。その他に、呼吸困難、動悸、発疹、気分変動などの症状が出ているという。21歳の大学生は、健康で基礎疾患はなかったが、後遺症に苦しんでいる。多くの場合は、倦怠感、呼吸困難だという。2000人の追跡調査は、どういう結果が出るのか?いずれにしろ、症状が軽くても、退院後何カ月も苦しんでいる人が多いようだ。

 世界では、1495万9千人の感染者が出、61万6千人が死亡。アメリカは、390万2千人の感染者、14万2千人が死亡。スペインは、266194人の感染者、28424人の死者。ここ3日は、不明、2、2人の死者。東京では、ここ3日、290、168、237人の感染者(28日連続45人以上、13日連続100人以上)が出て、昨日までの累計で、9816人。327人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、632人増え、26476人の感染者、989人の死者。東京の速報は、238人の感染者が確認された。


 7月23日(木) 雨 7531

 朝から雨が降っている。電車は混んでいるという。本来なら夏休みに入る高校が、授業で登校のために電車に乗っているからだという。東名高速道路は、東京から出る下りが渋滞している。中央道も混んでいるようだ。4連休で、行楽に出かける家族連れなどで、道路が混んでいるようだ。人それぞれ。出かけたい人は、そうすれば良いと思う。コロナがなければ、明日が東京オリンピック開会式だった。そして予定では、来年の今日が開会式である。

 源内が江戸に出て、田村元雄の処で学ぶが、同門に中川淳菴がいる。第一回薬品会(物産展)から参加し、第五回薬品会のあと源内が発行した『物類品隲』の校閲もやっている。源内が発見した火浣布(石綿)にも関わったといわれている。中川淳菴は、若狭の小浜藩に勤めた蘭方医で、杉田玄白の後輩である。小塚原の腑分けに、前野良沢、杉田玄白と共に立ち会った。もちろん、『解体新書』の翻訳にも参加している。源内と玄白と繋いだのは、中川淳菴だろう。源内が秋田から小田野直武を連れて来て、『解体新書』の人体の絵を描かせ頃、六、七人が源内の処に同居していた。主に蘭方連のたまり場になっていたという。その中に、「贋作画家・鈴木春信すなわち日本最初の銅版画師、司馬江漢」(江戸の想像力)がいた。

 田中優子著『江戸の想像力』を再読しているが、以前は全然入って来ない事柄や名前が、ドンドン繋がる。全体像が見えてくる。小田野直武も司馬江漢も遠近法、陰影法の洋画の技法で絵を描いている。それを教えたのが、源内なのだろう。これが、役者絵や美人画の浮世絵から、北斎や広重の遠近法を使った風景画へと転用されて行ったのだろうと思う。俳諧ネットワーク、あるいは、「連」がこの時代文化を創り出していくようだ。

 昨日は全国で最多795人。大阪、埼玉、愛知、福岡でも最多の感染者が確認された。東京は、1万人を超えた。世界では、1500万人を超え、アメリカも、400万人目前。スペインでも、非常事態宣言以降、730人の最多感染者が出たと、スペイン政府が発表した。アラゴン、309人、ナバラ、132人、マドリード、70人。カタルーニャをマドリードが抜いた?各州の発表と、政府発表は合致しないようだ。こういう国なんだろうなスペインって。WBSのアナリストが、感染者数を見る時には、日にちごとに見るのではなく、曜日ごとに観ると、増えていることが判ると、いっていた。緊急事態宣言解除以降、東京はドンドン増えている。と指摘していた。水曜日は少ない。6月24日、55人。7月1日、67人。7月8日、75人。7月15日、165人。7月22日、238人。いつも少ない水曜日が200人を超えた。木曜日6月25日、48人。7月2日、107人。7月9日、224人。7月16日、286人。そして、今日やっぱり300人を超え、366人になった。こうやって他の曜日も見れは増えていることが判る。それを当てはめれば明日明後日も、300人を超えるだろう。

 世界では、1523万1千人の感染者が出、62万3千人が死亡。アメリカは、397万人の感染者、14万3千人が死亡。スペインは、267551人の感染者、28426人の死者。ここ3日は、2、2、2人の死者。東京では、ここ3日、168、237、238人の感染者(29日連続45人以上、14日連続100人以上)が出て、昨日までの累計で、10054人。327人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、795人増え、27270人の感染者、990人の死者。東京の速報は、366人の感染者が確認された。


 7月24日(金) 曇 9736

 ここ3日間、伸びた髪を鏡を見ながらハサミで切っている。もう虎刈り覚悟である。実際虎刈りになっているところもあるが、だいぶ、短くなった。これで散歩も少しは楽になるだろう。田中優子が、贋作画家鈴木春信を司馬江漢と書いているが、司馬江漢は、春信の弟子である。食えなかった頃には、贋作画家をしていたのだろう。秩父へ源内にくっ付いて行き、秋田から源内が連れてきた、小田野直武から西洋画法を学び、それから蘭方連の連中との付き合いから、蘭書などからエッチング技法を学んだ。

 「鈴木春信はとんでもない時代の子を、その一派から(知らないうちに)輩出してしまったのだった。しかし、彼を生んだのは春信であるよりむしろ、江戸という、様々な「連」が無限に重なり合うエネルギーのるつぼだったのである。」(江戸の想像力)

 テレビ東京のワールド・ビジネス・サテライト(WBS)の解説キャスターの山川龍雄(日経ビジネス編集長)が、ある時から、曜日別に特性があるいい出した。カレンダーを曜日別に観ると、増え続けている判る。先週の木曜日に、来週は感染者が300人台後半になるといい、昨日は、来週は400人台後半になるといった。6月21日からの1週間平均の感染者数は、44人。前週比が1.2倍。7月2日からの1週間平均感染者数は、86人。前週比が2倍。7月5日からの1週間の平均感染者数は、152人。前週比は、1.8倍。7月12日からの1週間平均感染者数215人。前週比は、1.4倍。今週の平均感染者数は、239人。前週比は、1.3倍。ここ2週の1.3倍1.4倍を来週の木曜日に当てはめると、400人台後半になるというもの。

 続けて、東京以外の全国の感染者数をカレンダーに書き出して説明を続けた。こちらも全ての曜日で、感染者数が増えている。6月21日からの1週間の平均感染者数は、32人。前週比は、1.3倍。6月28日からの1週間の平均感染者数は、86人。前週比は、2.7倍。7月5日からの1週間の平均感染者数は、129人。前週比は、1.5倍。7月12日からの1週間の平均感染者数は、262人。前週比は、2倍。今週の平均感染者数は、428人。前週比は、1.9倍。週ごとの感染者数がここ2週では、2倍増えている。東京よりも増えている。東京以外の方がはるかに拡大している。「東京問題」という論争がありましたが、そんなことはなくて、とんでもなくて、だいぶ前から全国問題であり、最近はむしろ、東京以外の方が問題は深刻になっている。つまり、東京より先に医療のひっ迫は、地方で多発的に起こるし、東京を除外した、GO TO の判断は、これを観るとどうだったのか、といっていた。もちろん、感染症の専門家や数理モデルを使って数値を出している学者も多い。どちらかというと、学者の数値の方が、多くの感染者が出るとしている方が多いようだ。山川龍雄の解説は、非常に分かり易い点で、説得力がある。

 7月16日参議院閉会中審査で、参考人の児玉龍彦(東京大学先端科学技術研究センター名誉教授)が、「「わたしは今日、極めて深刻な事態を迎えつつある東京のエピセンター化という問題に関して、全力をあげての対応をお願いしたくて参りました」。

エピセンターとは、発生源、中心地、震源地などという意味で、児玉氏の訴えは、「東京型」「埼玉型」などのウイルスの型が発生している可能性を指摘し、東京発の感染のさらなる拡大に警鐘を鳴らすものだった。

そして児玉氏は、総力で対策を打たないと、「来週は大変になる。来月は目を覆うようなことになる」と危機感をあらわにし、政府・国会・民間など総力をあげての対策を求めた。」(FNN)

 バルセロナでは、感染症(ジカ熱、テング熱、チクングニア熱)の媒体になるアジア産の蚊が大量発生しているという。原因は、コロナ禍で、使われていないプール、清掃が滞っている公園の池、街中の溝などの水が、大量繁殖の場所のようだ。隣接する地区でも、同じような事が起こる前に、早く殺虫作業した方が良い。新型コロナウイルス感染が拡大しているバルセロナはついに、不要不急の外出自粛を要請したようだ。

 世界では、1551万2千人の感染者が出、63万3千人が死亡。アメリカは、403万8千人の感染者、14万4千人が死亡。スペインは、270166人の感染者、28428人の死者。ここ3日は、2、2、3人の死者。東京では、ここ3日、237、238、366人の感染者(30日連続45人以上、15日連続100人以上、3日連続200人以上)が出て、昨日までの累計で、10420人。327人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、981人増え、28251人の感染者、992人の死者。東京の速報は、260人の感染者が確認された。


 7月25日(土) 雨/曇 1054

 朝から雨の降る音が聞こえる。炭酸水にタバコ。ディランの『廃墟の街』を聴きながら、雨雲の動きをネットで観る。それから散歩に出かけた。途中いつも歩かない場所を通ったら、きれいな花が咲いていた。雨粒がついて光っている。大リーグが開幕して、大谷が初打席初ヒット。その後はダメだった。秋山は、代打で初打席初安打初打点。筒香は、初安打が初ホームランだった。

 昨日BSで、『養老先生、ときどき まる「めぐる春」』を観る。こういう番組を観ると、気持ちが落ち着く。物言わぬ猫のまると、元解剖学者の養老猛司。鎌倉の自宅での日々を写す。「今の人は、宗教というものを狭くとる。僕はしょうがないから“宗教的なもの”っていう。宗教的な“雰囲気”という。例えば鎌倉に観光客が多いのは、基本的には“雰囲気”でしょう。裏の林とか森とか。つまり神社仏閣プラス“雰囲気”がある。それ来るんですよ、人が。宗教体験は、脳みその一部の働きと関係が深いと分かっている。「側頭葉」は昔からよく宗教の分野といわれていてね。例えば、世界との一体感というのは、断食して滝に打たれたときに起こるし、実は、脳卒中でも起こるんですよ。自分より“自分を超えるもの”っていうか、そういうものを、どうしても考えてしまう、感じてしまうからってことでしょう。」 

 「似てますでしょう。古い教会とお寺さんって。そっくりだと思う。特に、中欧でプラハ辺りの古いキリスト教の教会に入ると、なんかお寺のような感じがしますよ。」 「いろんなことがあるけど、ひとつは香を使います。お香。それもあるし、それから音を使うでしょう。それと全体に暗くする。光が部分的に差すようになっている。大伽藍が多いですね。ああいうふうなものを、セットするといいみたいですね。結局、人は持っているもの。それを上手に引き出すというか、安定させる。そういう装置になっている。つまりね、現実の世の中がある。それは誰でも知っている。もうひとつ、それからちょっと離れた世界があんだけど。そういう世界に簡単に入れるように、大きな装置を作るんですよね。そうすると安心して、その中に浸っている。」

 「どこでもありますよ、そういうものは。」 「あんまり意味を考えちゃいけない。理屈にしないほうがいい。だから、“雰囲気”ってさっきから言っているんだけど。今の人は理屈に合うものと思ってるから。人間って元来、そう理屈に合ったものじゃないですよ。僕はそう思っている。理屈は、後から付いてくる。そう思うと人間って、たちがいいだよ。消えるもん。」建長寺歩きながらのこう説。相変わらず面白い。

 世界では、1573万6千人の感染者が出、63万9千人が死亡。アメリカは、411万2千人の感染者、14万5千人が死亡。スペインは、272421人の感染者、28432人の死者。ここ3日は、2、3、3人の死者。東京では、ここ3日、238、366、260人の感染者(31日連続45人以上、16日連続100人以上、4日連続200人以上)が出て、昨日までの累計で、10680人。327人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、771人増え、29022人の感染者、994人の死者。東京の速報は、295人の感染者が確認された。


 7月26日(日) 雨/曇 8208

 今日も朝から雨が降っている。朝食は、メカブと納豆で、そうめんを食べる。雨が降っているので、『日曜美術館』を観る。民芸運動の柳宗悦が、棟方志功を、お応援していたことを初めて知った。お金まで届けていたこともあったようだ。世界の棟方になる以前の、無名時代に出会い、柳が提唱する民芸運動。鍛冶屋職人だった棟方の父親。そのうち父親の偉大さに気づくだろうと、柳は棟方にいう。手紙を読んだ棟方は涙を流して喜んだという。

 俺は職人ではなく、芸術家になる。そう思っていた棟方に、人々のために職人が作ったものがいかに素晴らしいかという事を、柳は説いた。どういう事かといえば、田中優子の『江戸の想像力』の中にも出てくる。「芸術は「自己」の「表現」である――などというのは近代という一時代の願望にしかすぎなかった。江戸の人々はとっくりと、身をもって教えてくれる。近世は「自己」や「表現」を、観念として己から引き離すことを知らない。文化はゆきがかりで出来るものであった。自分というものが皆無であるからこそ、出来るものだった。ひとりひとりの空っぽの器に、時代の知と技術と様式が満たされ、交わり、また別のものを生み出していくのだった。」(江戸の想像力)

 棟方志功が戦後、イタリアのヴェネツィア・ビエンナーレで、国際版画大賞受賞するが、戦前の作品だったという。その都度、丁度いい時に、棟方にアドバイスを送り、棟方の創作活動を精神的に助けたのだという。柳宗悦と棟方志功にそういう関係があったのは驚きだった。「わ(我)は、ゴッホになる」といって芸術家を目指した青森の青年が、独特の版画世界を創り出していった。虎屋の羊羹を思い出す。

 午後、『若冲ミラクルワールド 豪華版』を観る。金を使わずに、金色を描く若冲。絹の表面に白で鳳凰を描き、裏から黄土で色を付ける。それだけでは、金色に見えない。裏に肌裏の紙を貼るのだが、その肌裏は、黒い紙を使う。金を構成する色は、白、黄、黒と、光。黒い肌裏紙を貼ることによって、人の目には金色に見える。機械を使って絵具の科学分析をした人が、これは、鉄分の黄土を使っているというのは、頭で分かっていても、目で観ると金色に見えてしまう。不思議なもんです。と、いっていたが、若冲これを、何から考え出したか?若冲の事は、誰も解らない。しかし、若冲のちに『花鳥版画』という色付きの版画を作っている。これは友禅染の技法を使っているといわれている。それなら、京都の西陣の技法を使っていても、おかしくないだろうなどと思うのである。

 昨日THさんが、近郊の村である闘牛を観に行ったようだ。ホントぶっ飛びだ。こういうのは、止めたり批判してもダメなのだ。本人は、気を付けて行動しているのだろう。だから、いちいち言わなくても判っていると、反論されるだろう。聞く耳は持っていないと思う。そういう時にいっても無駄だと思う。誰も止められない。忌野清志郎が、『カバーズ』を出していた頃、知人が「誰か清志郎のこと、止めないと」と、いっていたが、誰も止められないでしょう。ハチャメチャで、面白かったしなぁ、清志郎。それに養老先生じゃないが、相手に受け入れる余地がなかったら、注意しても、受け入れないだろう。なにせ闘牛観るために、スペインへ行っているんだから。

 闘牛で思い出したが、セサル・リンコンを追いかけて闘牛を観ていた頃って、闘牛場にセサルがいるだけで良かった。そこで観る全てが、勉強になった。追っかけをやっている頃ってそうなのだ。お金がなくても、働いてお金を作ってスペインへ闘牛を観に行った。セサルが引退してからは、それまでと違い、客観的に闘牛を観れるようになった。色々な闘牛を観て、比較できる物差しが一杯出来たからだろう。それが良いかどうかは判らないのだが・・・。

 養老孟司「一次視覚野は、9割が脳の中から入力で、脳の外からの入力は1割です。見ているのは1割で、9割は、脳みその中のお互いの連絡ですから」 ディレクター「じゃあたしたちが見ている世界は・・・」 養老「自分の都合で見ているの、だから。脳で見ているといったらいい、人間は。」

 追っかけをやっていた頃って、養老先生のように、闘牛を脳で観ていたのかもしれない。セサル引退後は、今行われている闘牛が、どういう風に行われているのか客観的に観ることが出来るようになったように思う。それは、現場で立ち会って闘牛を観てきた、という経験という訓練を、重ねたからだと思う。そういう経験という訓練を重ねることは、重要だと思う。THさんは、その訓練をしている訳だろう。そこで行われている闘牛を冷静に正確に観ることが出来るようになれば、より闘牛を楽しむことが出来るだろう。養老先生が初めに書いた本は、『形を読む』だという。形を正確に観ることが出来、それを理解することが出来れば、面白いはずだ。

 東慶寺の墓を歩く養老先生。「墓場って雰囲気ですね。ここ分かります。和辻哲郎ですよね。『鎖国』とか『風土』とか。」 ディレクター「先生はどうやって死にたいとか」 養老「ないないない。生きているうちだけですから。死ぬって別に特別なことじゃないので。毎日死んでるじゃないですか。意識なくなって、寝てるでしょう。目覚めなかったら、そのまま死んでますよね。それだけのことでしょう。いつ自分がどういうふうに死ぬか分からない。人生そういうもんでしょう。絶対ね、そういうふうにいうと言い返される。「それじゃ、不安です」って、今の人は。不安って、あって当たり前で。あって当たり前と、どのようにして付き合うかっていうことを、心得ていくのが成熟するってことでしょう。それを今の人は不安だからって、消そうとする。消えませんわ。当たり前でしょう。折り合わなきゃいけない。あるものしょうがないでしょうって。ということを、ふうなことを思いながら歩いているわけですよ。こういう人たちは、みんな、生きている人が思い出すための“よすが”みたいになっている。その人がいた。記録ですよ。」

 闘牛観ていて、闘牛士がいつ死ぬか分からない。実際、動脈刺されて血がボタボタ落ちて、医務室に担ぎこまれた闘牛士を何人か見た。そういう緊張感というか、現実もある。それをも含めて、闘牛だ。感動を超えるような感動もある。色々な発見もある。闘牛が、よすがのようにもなっている。

 フランス政府は、今週カタルーニャへの旅行自粛を国民に伝えたが、ベルギーもカタルーニャを含むいくつかの州への旅行を自粛するよう伝えたという。カタルーニャは、1500人弱の新規感染者が出て、0時以降の店舗の営業を禁止した。BSのワールドニュースなどの観ていると、マスク着用義務でも、警察官がいないと付けていない人が多いのは、スペインだけじゃなくて、フランスも一緒。ラテン系って、陽気で楽天的だが、こういう感じになるんだなぁきっと。マジョルカの一角は、全店舗閉鎖になっている処があるという。外国の観光客がどんちゃん騒ぎして、地元民が激怒して閉鎖したようだ。

 世界では、1604万9千人の感染者が出、64万4千人が死亡。アメリカは、417万8千人の感染者、14万6千人が死亡。スペインは週末のためデータの更新がない。272421人の感染者、28432人の死者。ここ3日は、3、3、不明人の死者。東京では、ここ3日、366、260、295人の感染者(32日連続45人以上、17日連続100人以上、5日連続200人以上)が出て、昨日までの累計で、10975人。328人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、803人増え、29022人の感染者、994人の死者。東京の速報は、239人の感染者が確認された。


 7月27日(月) 曇 8941

 今日は、トミージョン手術後、大谷が先発登板だったので、5時に起きてテレビを観た。しかし、ダメだった。3安打、3四球で、1アウトも取れず、5失点。とてもお金の取れる投球ではなかった。球速は、150キロ以上出ていたが、変化球は抜けていた。前田建太は、5回を投げ勝ち投手になったが、大谷と違いコントールが良い。大谷は、制球力をつけないダメだ。それと久々もあってか、落ち着きがなかった。菊池は、直球のスピードが上がったが、結果が出なかった。

 『半沢直樹』は面白かった。このドラマいつも、半沢直樹が作意的に追い込まれる。それを、協力者の助けを借りて、不正を暴いていて行く物語になっている。敵だと思っている人が、協力を申し出たり、手助けする。また、味方と思っている人間が敵だったりする。作意的に追い込むのは、いつも自分の出世しか観ていない銀行の幹部たち。それに真っ向から立ち向かう処に、視聴者は興奮する。そして問題案件を解決すると痛快に思うだ。決してくじけない男、半沢直樹。来週は、ピンオフ企画で登場した天才プログラマー高坂圭(吉沢亮)が登場する。面白くなりそうだ。ところで、東京中央銀行の階段。あれは、東京国立博物館本館だ。赤絨毯の廊下は、日本銀行本店だと思う。そういう処で、ロケをやっているんだなぁと思う。

 歌手・弘田三枝子が心不全で、デザイナーの山本寛斎が白血病で21日死亡したことが今日発表された。『人形の家』の歌声が忘れられない弘田三枝子。白黒のテレビ画面を見て、化粧が濃く、髪型まできっちり決めて、あまり動かないんだなと思った。唇がキラキラ光っていた。寛斎は、アヴァンギャルド。そして、超ポジティブ・シンキング。話を訊いていると、明るい気持ちになる人だった。デビット・ボウイのステージ衣装やレコードジャケットの衣装でも世界的に有名だ。娘の未来はインスタグラムで、「父、山本寛斎は去る7月21日、私を含め家族が看取る中、安らかに76歳にてこの世を旅立ちました。私のとって、父はエネルギィシュで明るいことはもとより、穏やかで、寛大で、人懐っこく、コミュニケーションを大切にし、無償の愛を与えてくれた存在でした」と綴った。今の世の中、ポジティブでガッカリするのは、新型コロナウイルスPCR検査のポジティブだ。

 イギリスは、スペインからの渡航者に対して、自国民も含め、2週間の隔離することは発表して、実施し始めた。バカンスなどで、スペインへ行っていた人は、混乱しているようだ。これにより、イギリスの大手旅行会社は、スペインへのツアーやチャーター便のキャンセルを一斉に始めたようだ。また、『エル・パイス』には、スペイン政府発表の新型コロナウイルス死者数より、3つの団体(2つの公的機関と葬儀協会)が別々に発表した死者数は、それぞれ約16000人多く、約45000人であるようだという記事が載っている。これは感染拡大初期に、PCR検査体制が不十分で、感染が疑われている死者がこれだけいるというもののようだ。

 世界では、1626万4千人の感染者が出、64万8千人が死亡。アメリカは、423万4千人の感染者、14万6千人が死亡。スペインは週末のためデータの更新がない。272421人の感染者、28432人の死者。ここ3日は、3、不明、不明の死者。東京では、ここ3日、260、295、239人の感染者(33日連続45人以上、18日連続100人以上、6日連続200人以上)が出て、昨日までの累計で、11214人。328人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、835人増え、30666人の感染者、998人の死者。東京の速報は、131人の感染者が確認された。


 7月28日(火) 曇 7225

 目覚ましで起きて、炭酸水にタバコ。朝食は、他人丼風衣笠丼。昨日の夜、人が少なくなる頃に、スーパーに行って買ってきた豚肉を使った。ニュースでは、大雨のために秋田県の大仙で、川が氾濫して浸水した処が出ているようだ。雨雲が南下して山形、宮城、新潟などに大雨が降る予報になっている。秋田新幹線は、盛岡、秋田間が夕方まで運行停止になった。

 江戸時代、農業の生産量が急激に増える。これは、土壌へ肥料を与えることを覚えたからだ。地方の村でも、農業の生産向上のために、指導書などの本を読んで肥料の与え方などを学んだという事が、田中優子著『カムイ伝講義』に書かれてあった。葉っぱなどから魚や人糞が肥料として用いられるようになる。江戸では、人糞問屋のようなものが出来、江戸の街で集められた人糞が、近郊の農家へ売られていたという。

 そして、平賀源内などが、薬品会などを開いて、殖産興業が発展していく。その前後に、紙が各藩で作られるようになる。上質の紙を、経済活動の盛んな江戸、京都、大坂で必要とされたからだ。大量の紙は、商売に使われ、俳諧にも絵にも必要とされた。西鶴の頃から始まる読本も、錦絵から浮世絵になって行く時も、滲まない紙が必要だった。そういう紙があって、俳諧、絵画、文学などが発達した面もあるようだ。その中に、若冲もいた訳である。筋目書きという技法も、紙の質が向上していった過程の中で、若冲が発見した技術なのだろう。文化は、江戸時代という生産向上の中で、生み出されていったようだ。

 ついにスペイン政府発表の感染者数でも、カタルーニャ州が、マドリード州を抜いて最多感染者数を記録した。カタルーニャ州発表では、過去1週間で、5478人の感染者数で、その前の1週間が、3485人と、1.5倍以上に増えている。知事は、州民に対して真剣に取り組むように訴えるようだ。

 世界では、1648万2千人の感染者が出、65万4千人が死亡。アメリカは、429万人の感染者、14万8千人が死亡。スペインは、278782人の感染者、28434人の死者。ここ3日は、不明、不明、2人の死者。東京では、ここ3日、295、239、131人の感染者(34日連続45人以上、19日連続100人以上)が出て、昨日までの累計で、11345人。328人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、598人増え、31264人の感染者、999人の死者。東京の速報は、266人の感染者が確認された。


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

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