断腸亭日常日記 2020年 5月 その1

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


 5月23日(土) 曇 11147

 東京は、日照時間0が5日間続いているが、今日も曇。雨の予報だった雨は降らずも、6日連続日照時間なしになりそうだ。朝ドラを観て、スーパーで、チャーシューなどを買ってきた。朝はカレーで、昼は、混ぜそばを初めて作って食べた。チャーシューの他に、ゆで卵キュウリネギ。散歩にも行ったが、思ったよりも暑かった。上着は途中から腰に巻き、汗を流した。土曜日なので、人が少なかった。

 緊急事態宣言が、解除された大阪京都兵庫は、初めての土曜日で百貨店なども営業して、人出が多くなったようだ。少しずつ経済活動が、動き出したようだが、みんなまた感染者が多く出たら困るなと思っているようだ。ニュー・ノーマルに、戸惑いながら慣れるしかないと考えている。磯田道史が、いっていたが、江戸時代は頭巾をかぶっていた。明治になりそういう習慣を忘れた。スペイン風邪の時に、髪の毛に頭巾でおおっていなかったので、それで感染した人もいうでしょうね、と。今帽子をかぶって散歩したり、買い物に行ったりしているが、やっぱりこれは正解のようなだと思った。

 京都西京区のタケノコ畑に、縦に金色の縞がついた竹が発見された。畑の持ち主は、30年間やっているがこんなの初めてだといっているという。そこから、かぐや姫でも出るのだろうか?ここのところ、日本列島に地震が毎日のように起こっている。こんな時に、避難所へ行くなんて、考えたくない事だ。

 世界では、520万5千人の感染者が出、33万7千人が死亡。アメリカは、163万4千人の感染者、9万6千人が死亡。スペインでは、234824人の感染者、28628人の死者。ここ3日は、95、48、58人の死者が出た。東京では、ここ3日、5、11、3人の感染者(20日連続100人以下17日連続50人以下)が出て、昨日までの累計で、5136人。263人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、25人増え、16543人の感染者、814人の死者。東京の速報は、2人の感染者が確認された。


 5月24日(日) 曇 12609

 朝食は、カレー納豆に味噌汁。昼前に、散歩へ出かけた。お寺のアジサイが、少しずつ形になってきた。もう、黄色と薄い青い色がついたものもある。今日は四の日。アジサイ観ながら、今日は2枠4番のデアリングタクト勝つだろうと思った。気温はそんなでもないが、歩くとやはり、汗が出る。昼は、混ぜそばを食べた。

 優駿牝馬、オークスは、無観客の東京競馬場で行われた。レース前、圧倒的1番人気のデアリングタクトの発汗が、激しいと細江純子が解説していた。「心配ですね」と。レースは、スマイルカナが、1000m59秒8で飛ばすハイペース。離れた2番手に横山典弘騎乗のウインマリリン。デアリングタクトは、中段の内を追走する。最後の直線で、先頭に出たのは、ウインマイティ―。内からウインマリリンが競りかける。デアリングタクトは後200m手前では馬群の中。しかし、そこから抜け出してムチが入ると解き放たれたように、グングン脚を伸ばす。あっという間に、差を詰めて、馬体が合う間もなく交わしてゴール板を駆け抜けた。優勝デアリングタクト。松山弘平騎手もデアリングタクトと一つずつ夢を掴んでいく。2着ウインマリリン、3着ウインマイティ―。上位3頭は、いずれも3勝馬だった。やっぱりという感じだ。

 4戦4勝。1957年以来、63年ぶりの無敗の二冠馬が誕生した。やっぱり、デアリングタクトは化物だ。もう駄目か?と思った処から、ぶっ飛んできた。この馬が化物じゃなかったら、完璧なレースをやった、横山典弘のウインマリリンが勝っていただろう。凄い切れ味。この馬も、女傑になるだろう。アーモンドアイのような、牡馬相手に良いレースを見せるだろう。しかし、今年は、もう1頭化物がいる。来週のダービーに出てくる皐月賞馬コントレイル。こちらも無敗馬で、しかも、GT2勝馬。来週も楽しみだ。

 マドリード市長が、外国人観光客が戻るのは早くても来年になってからといった翌日、サンチェス首相は、7月にはスペインは安全になっているので、外国人観光客を歓迎するといった。無茶苦茶だ。観光業界からのプレッシャーが強いから、首相がこのような発言をしたのだろう。ドイツなど他のEU諸国が、国境を開放する政策を打ち出していることも後押ししたのかもしれないが・・・。今のスペイン安全か?今の日本に、海外の観光客を受け入れようと思うか?そういう疑問を持ってしまう。

 世界では、528万8千人の感染者が出、34万人が死亡。アメリカは、165万8千人の感染者、9万7千人が死亡。スペインでは、235290人の感染者、28678人の死者。ここ3日は、48、58、48人の死者が出た。東京では、ここ3日、11、3、2人の感染者(21日連続100人以下18日連続50人以下)が出て、昨日までの累計で、5138人。271人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、26人増え、16569人の感染者、826人の死者。東京の速報は、14人の感染者が確認された。


 5月25日(月) 曇 8406

 目覚まし前に起きて、炭酸水にタバコ。朝ドラ観ながら朝食は、羊肉と野菜炒め。緊急事態宣言解除にむけて、諮問会議が行われ解除が決まった。正式には、夕方決まるようだ。未だに数値を満たしていない神奈川や北海道も解除され、緊急事態宣言がなくなる。徐々に店舗の営業も始まって、電車にも人が多くなったという。だからといって、今までの売り上げが戻るわけではない。インバウンドの海外の観光客は、いないわけだし、日本人も外食などしたがらない苦しい状態は続くだろう。今エコノミストなどがいうように、バブル状態になっているのは、株価だ。アメリカも日本も、本当はもっと下がっていなければならないが、日銀やFRBが資金を投入してこういう状態になっている。こうしないと、経済が大変なことになるからだが、この結果どうなるかは、エコノミストも、経済学者も判らない。実験といえば実験をやっている。インフレになるのか、ならないのかも判らない。

 新型コロナウイルスの症例で、川崎病(全身の血管に炎症が起き、発疹や手足の腫れなどの症状がでる乳幼児に多い原因が特定されていない病気)が10代や子供に多数上がってきている。それについて、NHKの番組で日本、アメリカの臨床医や、専門家の話があった。昨日のフジテレビの番組でもやっていた。ACE2というタンパク質が人間の体の中にあって、それがウイルスの受容体になっているという。ACE2というタンパク質は、肺の内側にある。ここにウイルスが付く。ウイルスの入口だという。ACE2は血管の中にもあり、そこにウイルスが付くと、血管内皮細胞が損傷して、それを治そうと血小板が付いて、それが血栓になるという。血栓は、その場所で血管を詰まらせるとこもあれば、流れて行って、他の臓器で血栓が詰まる場合もあるという。こういうメカニズムで、敗血症を起こすようだ。サイトカインストーム(免疫暴走)が、体の中で発生して死に至らしめる。

 多臓器不全で死んだ力士に起きたことも、上記のメカニズムによるもののようだ。毛細血管などが詰まるような、川崎病。何故、子供の感染者に川崎病が多く、大人には川崎病が起きないかは、判らないという。が、血栓が出来るという現象は、変わらないようだ。Dダイマー(血栓が出来た時に増加する物質)の数値が上がると、血栓が出来たことが分かるようだが、それが何処に出来たかは、なかなか探すのが難しいようだ。この場合、ニューヨークの臨床医は、血液が固まるのを抑える薬や、血栓を溶かす薬剤を投与する抗血栓療法をするという。

 新型コロナウイルスは、非常に怖い感染症だ。退院した人でも、肝機能障害、腎不全、皮膚の変化などを起こす症例が出ているという。そして厄介なのは、無症状の人からも感染するということ。だから、感染者を隔離する必要があるが、無症状の人を発見して隔離するのが困難なのが、この感染症の難しい処。

 本庶佑「このウイルスが示している病態の非常に多くが、生体側の免疫反応によります。それが人によって非常に反応性が違う。これが非常に重症になる患者さんと、非常に軽症でけろっとする患者さんに分かれる。それからこの重症化した場合の特色としては、サイトカインが上がってくるフェイズがある。それは血中濃度を調べることによって、きちっとモニター出来るんですが、それと同時に、非常にここが不思議なことですが、リンパ球の数がガーと下がってくる。白血球はそんなに下がらないんですが、リンフォペニアという現象が起こる。これがどうして起こるかという事が、まだ良く判らない。このウイルスの特徴は、スローグローイングである。したがって、免疫反応が段々段々加速して行って、最後に非常にディスレギュレーテッド(調整できない)な状態になる。ゆうことがこの病態を複雑にしているのではないかと、わたくしは考えています。」

 世界では、540万人の感染者が出、34万4千人が死亡。アメリカは、167万7千人の感染者、9万8千人が死亡。スペインでは、235772人の感染者、28752人の死者。ここ3日は、58、48、74人の死者が出た。東京では、ここ3日、3、2、14人の感染者(22日連続100人以下19日連続50人以下)が出て、昨日までの累計で、5152人。280人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、42人増え、16611人の感染者、838人の死者。東京の速報は、8人の感染者が確認された。


 5月26日(火) 曇 7603

 朝、炭酸水を飲んでタバコ。朝食は、冷奴と、最後のカレー。銀行へ行って散歩。アジサイも色々だが、もうすでに小さな花に色が付いた物もあった。スーパーに寄ったら、ピーマンが安く売ってたので、玉子とめかぶを買ってきた。マスクをしていると口の辺りが暑くなる。息苦しい。時々マスクを取る。お寺の境内で涼んで、神社の境内で涼んでと散歩をした。

 帰って来て昼食は、博多ネギを一杯入れた混ぜそば。スーパーで買ってきた一幻の海老風味の物。これから玉ねぎ刻んで、海鮮カレーでも作ろうかと思う。昨日NHKの21時のニュースで、山極寿一京大総長(霊長類研究所)がコロナの事を話していた。途中からそれを訊いた。

 「今コロナで、不要不急の外出自粛をしてますが、今まで1番家族と一緒の時間を過ごしているんですね。こんなに長いこといることはないんですね。仕事の時は、自分と同じような人間と一緒に過ごすんですけど、性別も違うし、子供もいる。そういう違いを判って、過ごしているんです。仕事とは全然違う時間です。でも、僕の専門のゴリラは、いつも家族と過ごしているんです。それを観ているから、家族との一緒の時間を楽しんでます。」

 何か明るい感じがしますね。というアナウンサーに、山極寿一が、「人類は常に弱みを、強みに変えて来たんです。だからみんなで、協力してやって行かないといけないんです」というような事をいっていた。弱みと強みに変える。そうやって力を合わせてやってきたから、生き延びたんだと、思った。

 世界では、544万5千人の感染者が出、34万6千人が死亡。アメリカは、169万6千人の感染者、9万9千人が死亡。スペインでは、235400人の感染者、26834人の死者(感染者数が減り、死者は、2000人くらい減っているなどの統計が?これがスペインってことなのか)。ここ3日は、48、74、不明の死者が出た。東京では、ここ3日、2、14、8人の感染者(23日連続100人以下20日連続50人以下)が出て、昨日までの累計で、5160人。288人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、21人増え、16632人の感染者、851人の死者。東京の速報は、10人の感染者が確認された。


 5月27日(水) 曇 9433

 朝ドラ観ながら炭酸水とタバコ。朝食は、他人丼風衣笠丼。昼食は、一幻の混ぜそば。雨上がりだからか、蒸している。黒川元検事長の賭けマージャンの賭博容疑で告発状を、市民団体が東京地検に出した。ネットでは、東京地検前で、黒川杯という賭けマージャン大会をテンピンでしようなどと盛り上がっているようだ。こういうパロディーは、笑える。京都アニメーションの放火殺人犯が10カ月半ぶりに退院して、ストレッチャーに乗せられたまま逮捕された。

 緊急事態宣言が解除された26日、東京の電車やバスは混みだしたようだ。それでもまだまだ、飲食店などには人は入っていない。スペインのように、人がドッと出て、密になるような事は、電車などの公共交通機関以外はあまり見られないのかもしれない。夜の酒場の営業も、22時までに延長され少しは、客が入っているようだが、飛まつ感染を防ぐためのパーテーションなどがテーブルに付いている処もあるようだ。だからといって、宴会などの予約は入らないのは、密を避ける意識があるからだ。おそらく店側も、どう宴会対応して良いのかも、方針が決まっていないような気もする。

 日本医師会などが要望した医療費関連予算7.5兆円は、補正予算では、2兆円止まりになった。コロナ患者を受け入れれば受け入れるほど赤字になる状態は、依然改善されないだろう。本当にこれで、第2波へ備えているという事が言えるのだろうか?病床を開けて、待機している病院への補償をせずに、第2波へは対応できなくなるだろう。PCR検査を実施件数も、増やしていかなければならないが、それに対する予算も少ないようだ。政府の予算から観ると、第2波への準備は整っていない。残念なことだ。やっぱり、お上は頼りにならないから、企業やひとり一人で、感染防止対策をするしかない状態になるようだ。

 たまさんから回ってきた、Facebookの「7日間 ブックチャレンジ」。ここにも記録を残ることにする。
原則、自分の持っている本で、表紙がちゃんとしているものを載せることにする。1日目。『滑稽新聞』宮武外骨。「威武に屈せず富貴に淫せず、ユスリもやらずハッタリもせず、天下独特の肝癪(かんしゃく)を経(たていと)とし色気を緯(よこいと)とす。過激にして愛嬌あり」を、モットーに、絵と文章で、毒とパロディーで雑誌を売りまくった混乱期明治の大奇人。今日各種ウェブサイトで一般化した技法(アスキーアートや縦読みなど)の原形があり、絵師も、最後の浮世絵師といわれた、小林清親など後の有名絵師を偽名で雑誌で使っていた。何度も警察沙汰になり、最後は、発禁命令前に、自殺号を出し廃刊した。この表紙だって、ピカソの絵のようだ。

高杉晋作と坂本龍馬が死んだ慶応三年生まれ。明治の文学や学問に大きな功績を残した、『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲がり』坪内祐三著の、夏目漱石、正岡子規、尾崎紅葉、幸田露伴、斎藤緑雨、南方熊楠の内の一人。現在東京大学に残る明治新聞雑誌文庫は、全国各地で外骨が収集した物である。戦後も発禁処分をGHQから度々受けて、「何が言論の自由か」と批判したという。晩年まで、反骨の人だったようだ。

神田古本街で『滑稽新聞』を買い集めて編集し、6冊+別冊にして出版したのが、赤瀬川原平。同時並行的に『超芸術トマソン』路上観察学会の活動は、美学校の生徒たちと行っていた。この教室からイラストレーターの南伸坊、コピーライターの渡辺和博、漫画家泉晴紀、『孤独のグルメ』の久住昌之など輩出した。また尾辻克彦の作家名で、芥川賞も取った。路上観察学会とか色々な組織というか集団、会を作った。後半の方は、ライカ同盟。縄文建築団。最後の日本美術応援団は、美術史家の山下裕二と共著を出している。宮武外骨は、人生を面白がった人で、原平さんは、人生を楽しんだ人。

 なお、〜7日間 ブックカバーチャレンジ」とは〜「読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿する」というもの。ルールは以下。
@ 本の内容についての説明は無しで表紙画像だけアップ。
A その都度1人のFB友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いする。

 と、あるが、本の内容についての説明なしで表紙だけアップって、それは難しいものだ。内容は、あまり書いていないけど、どうしても文章を添えたくなる。

 スペインは、7月のホテルの予約が急増しているという。また、リーガ・エスパニョーラは、1部、2部とも原則、6月2週から再開されるようだ。

 世界では、558万4千人の感染者が出、34万9千人が死亡。アメリカは、171万6千人の感染者、10万人が死亡。スペインでは、236259人の感染者、27117人の死者(統計が?)。ここ3日は、74、不明、不明の死者が出た。東京では、ここ3日、14、8、10人の感染者(24日連続100人以下21日連続50人以下)が出て、昨日までの累計で、5170人。292人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、30人増え、16662人の感染者、862人の死者。東京の速報は、11人の感染者が確認された。


 5月28日(木) 曇/雨 7029

 朝食を食べ、銀行へ行った。通帳が目いっぱいになったので、新しい通帳にした。散歩でお寺のアジサイが、段々変わってきた。昔風の花の周りに出てくる花?がハッキリしてきて、花は蕾のは小さいが、色づき始めた。いよいよ梅雨が目前になっているのだろう。緊急事態宣言が解除25日に行われたが、今日東京の病院でクラスターが発生した模様だ。先週の感染者数と、今週は昨日までで同じになった。また、100万都市、北九州市の感染拡大している。それの経路不明の感染者がほとんどで、国はクラスター対策班を派遣した。解除して、こういう状況になるのは、ある意味予想されたこと。こうやって、小さな波がくるんだろう。

 中国は今日の夕方に、国家安全法を全人代で、通そうとしている。香港は、イギリスから中国に返還された時、50年間一国二制度にする約束をしているが、去年から続いている民主化運動が、新型コロナウイルス感染拡大で、デモなどが出来ない状態になっているタイミングを見計らって法案を通す。それを知った、香港の若者たちを中心に反対デモが行われたが、400人近い逮捕者を出している。この状態で、本来異を唱えなければならないイギリスは、コロナ騒動で何もいっていない。代わってトランプ大統領が、警告を発している。週末には、法案を通すなら、強烈な対措置を発令するといっている。どうやらこれは、民主・共和両党の超党派で、強い対抗措置を発動するようだ。香港拠点の金融機関で働く日本人は、あまり危機感がないようだが、欧米の金融に携わる人たちは、これで、香港が金融拠点ではなくなるだろうという、強い危機感を持っている。

 ブックカバーチャレンジ 2日目
『唯脳論』養老孟司。確かNHKの『人体』に出ていた養老孟司を観て、本屋で買って読んだ本。唯心論ではなく、唯物論でもない、唯脳論ってタイトルが素晴らしいと思った。解剖学者の養老先生の淡々とした文章が面白かった。のちの『バカの壁』に繋がる医学・科学的な物の見方が魅力的だ。テレビで、ニコニコしながらする虫の話が面白い。自宅の庭や鎌倉のお寺、虫を通じて自然を感じて科学を学んだのだろう。そして何より、愛煙家で、タバコが体に悪いという医学的証拠はないと、言い切っている処が好きだ!

 新型コロナウイルスで、総理のいう事は聞かなくても、医者や科学者のいう事を信じて自粛して、緊急事態宣言が解除された。コロナの時代は、政治家の言葉よりも、科学者の言葉に真実味を感じ、信用に足ると思うのが日本人なのかもしれない。今は鎌倉の自宅で愛猫まると過ごす日々がBSプレミアムで観れた。外を歩くときは杖をついていた。養老先生も、お年寄りなりました。

 スペイン内務大臣は、マドリードの治安部隊率いる大佐を、信用を失ったためとして解任した。新型コロナウイルス感染拡大が危惧される中、3月8日に予定されていた「女性の日」大集会が行われた。この件の裁判が行われていて、治安部隊の大佐が提出する内容が、政府の対策に対する批判が含まれているようで、それを政府が問題視したようだ。なおこの裁判の裁判官は、資料や情報内容が外部に漏れることなく届けられない場合は、刑法による裁きの対象になることを、政府に警告したという。こういうのを読んでいると、日本よりスペインの方が、司法が健全な気がしてくる。あの時点で、イタリアは泥沼化し始め、スペインも明らかに危険な状態にあったのだから、大集会やリーガ・エスパニョーラの試合は、中止すべきだった。

 世界では、569万人の感染者が出、35万5千人が死亡。アメリカは、173万4千人の感染者、10万1千人が死亡。スペインでは、236769人の感染者、27118人の死者(死者数が2000人ぐらい減った内、カタルーニャがその半分の1000人を占め、この1週間の感染者数が1と報告しているという全く信用できないと中央政府は思っているようだ。)。ここ3日は、不明、不明、不明の死者が出た。東京では、ここ3日、8、10、11人の感染者(25日連続100人以下22日連続50人以下)が出て、昨日までの累計で、5180人。296人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、35人増え、16696人の感染者、868人の死者。東京の速報は、15人の感染者が確認された。


 5月29日(金) 晴 9791

 朝食は、他人丼風衣笠丼。昼は、混ぜそば。小池都知事は、来週からステップ2に規制を緩和する。こうやって、ウイズ・コロナの生活が続いて行く。東京、北九州市、北海道でクラスターが発生している。中野貴史(大阪大学)池田陽一(九州大学)が提唱した、K値とう指標。いろいろある指標の中で、最近注目されるもの。このK値がクラスターが発生3地区で、どういう指標を示しているのか知りたい。もし、上昇に転じているであれば、要注意という事になる。

 緊急事態宣言が解除されたが、その中心になった専門家会議の議事録が作られていないという。どういう事なのだろうか?専門家会議の委員からも疑問の声が上がっているらしいが、こういう非常時の対応を記録に残さないでどうする。政府の姿勢には疑問を持たざるを得ないが、こういう事ばっかりで、不信感が増幅されるだけだろう。責任を取ると再三総理はいっているが、責任放棄としていることになる。

ブックカバーチャレンジ 3日目。
『戦中派天才老人山田風太郎』関川夏央。風太郎が、『人間臨終図巻 上・下』を出した後に、16か月に及んだインタビューを、担当した文芸評論家の関川夏央責任でまとめた物。忍法帖シリーズで売れっ子作家になった風太郎。明治物、室町物の他に、『戦中派不戦日記』は、昭和20年1月1日から12月31日までの1年間の詳細な日記。当時、道頓堀より東京の銭湯の大腸菌が多いというデータの記述もある。永井荷風の『断腸亭日乗』を超える、戦中とGHQが入って来た戦後の混乱を記述している。人によっては風太郎の最高傑作ともいわれる。

このインタビューの後、角川春樹事務所から晩年の風太郎インタビュー三部作、『コレデオシマイ。』『今わの際に言うべき一大事はなし。』『ぜんぶ余禄』が出る。誰も真似が出来ない風太郎の物語の面白さは、間違いなく、医学生として過ごした戦中にある。そして、年を取って、とばけた言葉がアフォリズムになり、独特な死生観を醸し出す。

 マドリードの治安部隊長が、数日のうちに3回代わった。解任の次が、書類提出拒否で辞任、の次も解任。内務大臣は、報告書をどうしても手に入れたいようだ。日本では、ボカシを入れたように、モヤモヤにしようとするのに比べ、スペインは非常にハッキリ分かり易い反応をする。バルセロナの日産工場が閉鎖に向けて協議に入ったようだ。スズキのハエンの工場閉鎖の時は、日本人への被害があったという。実際暴行を受けた人もいるようだ。バルセロナに何人か知人がいるが、嫌な思いをしなければいいがと思う。地元の人とも馴染んでいるので、大丈夫だと思うけど。現地の報道で。直接失業者3000人で、関連失業者が12000人になるという。日本の報道では、合計2万3000人が職を失うと書いてあった。スペイン政府、カタルーニャ自治政府が必死で閉鎖回避に動いている。カタルーニャ自治政府は、1億ユーロの支援策を提示したが、日産は回答していないという。政府は、閉鎖には10億ユーロかかり、続けるには3億ユーロで済むので、続けるように要望しているようだ。日産もカルロス・ゴーン就任時とほぼ同じ、約7000億円弱の赤字を計上した。現地では、激しい抗議活動が労働組合によって行われているが、難しいだろうと思う。

 世界では、569万人の感染者が出、35万5千人が死亡。アメリカは、173万4千人の感染者、10万1千人が死亡。スペインでは、237906人の感染者、27119人の死者(前日から1人しか増えていない。どうも統計がおかしい)。ここ3日は、不明、不明、不明の死者が出た。東京では、ここ3日、10、11、15人の感染者(26日連続100人以下23日連続50人以下)が出て、昨日までの累計で、5195人。299人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、63人増え、16759人の感染者、882人の死者。東京の速報は、22人の感染者が確認された。


 5月30日(土) 晴 10049

 朝は、他人丼風衣笠丼。昼前に、散歩に出かけた。いよいよアジサイの色が濃くなってきた。それと花の名前は判らないが、黄色い花が咲いて、その花が、めくれるようになって、おしべとめしべがパーッと目立つようになっている花がある。これだけしべが目立つのは面白い花だと思った。蜂に受粉してもらいたくてこういう風になっているのだろう。おしべの曲線が綺麗だ。

 ブックカバーチャレンジ 4日目。『肉体の時代 体験的60年代文化論』上野昂志。
この人知らないという人がほとんどだろう。『ガロ』から始まり、文芸評論や映画評論をやっている。ジョン・レノンが銃殺された時に、12月8日のパール・ハーバーと掛けてその事を振り返った文章で、印象に残っている人もいるだろうけど。あるいは映画評論で。

ヘルメットかぶった学生の火焔瓶と機動隊の放水の安田講堂。健さんがもろ肌脱いで唐獅子牡丹の刺青見せて長ドス構え、東大駒場祭ポスターの「とめてくれるな おっかさん 背中の銀杏が泣いている 男東大どこへ行く」(学生だった後の作家、橋本治)のか、日本人形のような髪型の藤圭子が、ドスの利ずいた声で♪どう咲きゃいいのさ この私♪と歌い、グループ・サウンズもフォークもマッシュルームカット。『竜馬がゆく』と星一徹がちゃぶ台をひっくり返し、明日があるのかないのか『あしたのジョー』。『平凡パンチ』じゃなくて減量で死んだ力石徹の葬式を出した、主題歌作詞の寺山修司とアングラに、テレビや漫画や小説で、忍者がブーム。円谷がヒートリー追い抜かれた国立競技場に、ウルトラマン。イエイエ娘に、オー・モーレツで大量消費。そして、消費される肉体と、消費され擦り切れるイメージ。初めドキドキした小川ローザのパンティーが、小学生のパンツに見え出し、それより子供の頃初めて観た、女子大生のGパンの金チャックを見つめて、エロチシズムを感じた60年代。

実をいえば、歌謡曲にしても、映画にしても、山田風太郎にしても、本の中に書いていることよりも、上野さん本人から訊いた話の方がずっと面白かった。何を隠そう、風太郎の小説『警視庁草紙』を紹介されて読んだのが、上野さんからだった。こんなにハマるとは思わなかった。毎週上野さんを囲んで、飲んだことは忘れらない。赤瀬川源平さんと、小説に出てくる天井裏の蛇の話も楽しかった。それも、上野さんとの酒の席だった。確か芥川賞前後の頃だったと思う。

上野さんの著書『現代文化の境界線』『紙上で夢見る』も楽しく読んだ。一時、俺のバイブルといっていたら、知り合いの子が、どっかで手に入れて読んだらしい。♪義理と人情を秤にかけりゃ♪と歌った高倉健の時代の肉体。あるいは、文化論。肉体化した60年代を感じながら、自分もテーマを肉体にしようと思った。でも、三島由紀夫のように、ボディビルはやらないのだ。ひょっとしたら、この時代の肉体は、帯にもあるように「バラエティーとして」消費された60年代だったのかもしれない。ところで上野さん、いつも笑顔だった印象が強い。

 スペイン国民の40%が解雇の心配をしているという記事が20minutos紙に載った。凄い数字だ。日本でも、100万人の失業者が出るといわれている。緊急事態宣言で、まだ失業届を出していない人もいる。飲み屋チェーン店は、閉店した店が増えたようだ。株主優待券を使おうにも、店が閉まったので行けないと嘆いている人もいる。どこの国も、こんな状態になるんじゃないかな。スペインも、テラス席での営業が許可された様だが、これからどうなのだろう?

 世界では、591万9千人の感染者が出、36万4千人が死亡。アメリカは、178万3千人の感染者、10万4千人が死亡。スペインでは、238564人の感染者、27211人の死者。ここ3日は、不明、不明、92の死者が出た。東京では、ここ3日、11、15、22人の感染者(27日連続100人以下24日連続50人以下)が出て、昨日までの累計で、5217人。302人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、74人増え、16833人の感染者、889人の死者。東京の速報は、14人の感染者が確認された。


 5月31日(日) 曇一時雨 8336

 目覚まし前に起きて、炭酸水を飲んでタバコ。日曜日の早朝の散歩は、人が少なくていい。涼しいのとお寺や神社もドンドン花が咲いてきている。公園のグランドでは、父親と子供たちが、キャッチボールをしていた。小学生は、グローブが重そうだ。薄っすら汗をかいて、心地よい。気分の良い。東京優駿、日本ダービーは、無観客の東京競馬場で行われた。圧倒的1番人気のコントレイルが、やっぱり圧勝した。2着は2強の一角サリオスで、皐月賞の1、2着がそのまま来たことになる。3着は、皐月賞4番人気だったヴェルトライゼンデだった。今日は、皐月賞の着差より大きくなり3馬身差の圧勝だった。コントレイルは、ブルーインパルスの作る飛行機雲のように鮮やかだった。怪物が怪物らしい勝ち方をした。2400mというのは、サリオスよりコントレイルの方が距離適性があったということ。父ディープインパクト以来、15年ぶり史上7頭目の無敗のダービー馬になった。

 「第1回警察庁前テンピン麻雀大会 黒川杯」を検察庁前で開催中、警察官が駆けつけたという。そこには、「開催前に黒川前検事長が賭博容疑で逮捕ないし、起訴等された場合は、自らの浅はかさを恥じて中止とします」というただし書きの看板が付けられていたという。路上はダメという事で、日比谷公園に移動したという。今度は公園管理者に説得されて解散したという。こういう演劇的なデモンストレーションは、おかしい。アングラに通じる。唐十郎とか、寺山修司が若かったらやっていてもおかしくない。そして、排除する側の理由も笑える。直接賭博行為は、ダメだといっていない処がおかしい。わざわざ「開催前に黒川前検事長が賭博容疑で逮捕ないし、起訴等された場合は、自らの浅はかさを恥じて中止とします」と書いている処が防御になっているのかもしれない。路上演劇のようなドタバタ。これって、道路使用許可書を持っていたら黒川杯麻雀出来たのだろうか?いや、使用許可出さないでしょう。

 ブックカバーチャレンジ 5日目。『若冲伝』佐藤康弘。
日本で初めて卒論に、伊藤若冲を書いたという著者。相当詳しく書いている。2016年の東京都美術館の『生誕300年記念 若冲展』の5時間待ちの長蛇の列は何だったんだろう?『動植綵絵』に目を奪われた若冲の色彩と細密さと繊細さ。去年、東京都美術館でやった、『奇想の系譜展』は、辻惟雄がずっと前に書いた本が基になっている。その本がきっかけになって若冲が注目され始める。『十八世紀京都画壇』なども、江戸時代の浮世絵以前の京都の絵師の姿が観えてくる。その辻の『若冲』よりも資料的な価値があるだろう。小説では、『若冲』澤田瞳子著、『遊戯神通 伊藤若冲』河合和香著もある。美術館で買った若冲展の図録などの資料も大事なもの。その中心にあるのが、この本になるのだと思う。「私の画の価値がわかる者を千年待つ」と若冲はいったが、若冲は、言葉ではなく、絵で全てを語ろうとした江戸中期の画家だ。しかし、観る側としては、それを整理するために言葉を必要とする。そこにあるのが、こういう本だと思う。人は、言葉によって他人に伝え、自分の考えをまとめる。

 世界では、605万4千人の感染者が出、36万8千人が死亡。アメリカは、180万5千人の感染者、10万5千人が死亡。スペインでは、278188人の感染者、27709人の死者(また前日から大きう増えた。どうも統計がおかしい)。ここ3日は、不明、92、不明の死者が出た。東京では、ここ3日、15、22、14人の感染者(28日連続100人以下25日連続50人以下)が出て、昨日までの累計で、5231人。304人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、45人増え、16877人の感染者、894人の死者。東京の速報は、5人の感染者が確認された。


 6月1日(月) 雨 9511

 6月になった。2月か3月頃から始まった新型コロナウイルス騒動。緊急事態宣言からでも、2か月近くになる。飯食っては寝て、散歩に出かける。まるで、養老先生のところにいる、まるという猫のような生活だ。まるのように、何も考えず過ごすことが多い。ボーっとしていたい。アメリカで、贋札の容疑で黒人が逮捕された際に、警察官が、膝で首を7分間圧迫して死亡させた。この動画がSNSで拡散されて、各地でデモなどの抗議活動が起きて、放火や略奪が起きて、首都は夜間外出禁止令が出された。トランプ大統領が、黒人差別的なことをいって、それに油をそそいだ形で、ひどいことになっている。WHO脱退を宣言したり、無茶苦茶だ。見たくないない、聞きたくないニュースも嫌だが入ってくる。コロナ禍の中、対立するのではなく、世界は協調しなければならないし、大統領が対立を煽るようなことをしては、デモも激しくなる。中国も中国だが、こういう対立では、希望が見えてこない。

 ブックカバーチャレンジ 6日目。
『ローリングストーン レコードガイド』ローリングストーン誌。
これを本として紹介して良いものかどうか?朝起きたら、何を聴く?食事の時は何を聴く?気分の良い時は、何を聴く?落ち込んだ時は、何を聴く?それぞれにそれぞれの場所や、思いの時、聴きたくなる歌や音楽がある。そして、聴きたい歌がある。昭和57年に発売されたレコードガイド。5つ星で評価され、レコードやアーティストの評などの文章がある。これをメモったりして新宿や渋谷、京都のレコード店を探し歩いた。『ミュージック・マガジン』の記事よりも、広告を手掛かりに店を探した。ちなみに、ビートルズは5つ星が多いが、一方クイーンは、最高が3つ星。ボブ・ディランの『ディラン』って人の歌を歌ったアルバムは、最悪の評価。でも、よく聴くんだよな、これ。所詮ガイド本ってそういうもの。ミシュランガイドが、日本に入るはるか前の星の数で評価する方法だった。こういうのより、自分の価値観に合った音楽を聴けば良いのだ。むしろ、文章の方が参考になった。

友人に、アン・マレーって知ってる?と訊くと、知らないと答える。じゃ、『デイ・ドリーム・ビリーバー』は、と訊くと、あっ、忌野清志郎という。その原曲を歌っているのが、アン・マレー。知ってるから偉いというわけでもないし、知らないから卑下する必要もない。最悪のニューヨークに、クオモ知事の呼びかけに応じて、看護師として手伝いに行く車中で、ジョン・デンバーの『カントリー・ロード』が流れる。Take me homeって患者が、家に帰れるように願っている歌詞にも聴こえる。ニューヨークの病院で、患者が退院する時、みんなの拍手の中で流れる曲が、ビートルズの『ヒア・カム・ザ・サン』。最後の、It`s all right って歌詞が退院患者と共に医療関係者をも励ましているようにも聴こえる。

落ち込んだ時に聴く歌、楽しい時聴く歌、絶望した時に聴く歌、嬉しい時に聴く歌、朝起きて聴く歌と、色々な状況で聴く歌が多い方が幸せな時間が過ごせると思う。このガイドブックは、いっぱい良い音楽聴いて、良い気分になりたいと思って、レコード探してた頃の象徴のような本だ。

 マドリード州の13万人のトレホン・デ・アルドスで、全員に抗体検査を行っていて75%が終わった時点で、20%が抗体を持っていたという。思ったよりも高い。ニューヨークなみの高い抗体陽性率だ。マドリード市やバルセロナ市のような、メトロがある大きな都市では、これ以上の高い抗体陽性率があるような気がする。スペインのサンチェス首相は、6月21日まで封鎖措置の最後の延長する。前回は、国内テロなどに関係したバスクの政党と、今回は、カタルニア独立派の政党と合意した。社会党って、革ジャン着て登場した、フェリッペ・ゴンサレスの頃とは、全く変わった印象だ。コロナ後も、政治の混乱が続きそうだ。

 世界では、615万2千人の感染者が出、37万1千人が死亡。アメリカは、182万5千人の感染者、10万5千人が死亡。スペインでは、239429人の感染者、27127人の死者(どうも統計がおかしい)。ここ3日は、39、43、39の死者が出た。東京では、ここ3日、22、14、5人の感染者(29日連続100人以下26日連続50人以下)が出て、昨日までの累計で、5236人。305人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、35人増え、16912人の感染者、897人の死者。東京の速報は、13人の感染者が確認された。


 6月2日(火) 晴 6399

 今日は遅く起きてしまった。炭酸水を飲んでタバコ。朝食は、昨晩作った海鮮カレーと冷奴。6月になって1日が月曜日だったこともあって、だいぶ電車が混んできたようだ。飲食店や百貨店なども自粛していた営業を始める処が増えて、今日からは、国立博物館や美術館も再開した。楽しみにしていた特別展『法隆寺金堂壁画と百済観音』は中止になり、7月予定だった『鳥獣戯画展』は、来年春に延期になった。パスワードを持っているが、期限が切れる。でも期限切れ前に、コロナで閉館しているので、有効だと思う。確認したら、閉館機関の一律96日間延長するという。

 国立和歌山大学で、必修の授業になっているものを、オンラインで900人の学生に行った。だが、これには授業をしている動画ではなく、文字だけがパソコンなどに映るような授業だった。これは、和歌山大学だけの問題ではなく、日本の殆どの大学が同じだという。900人に動画で授業をする為の、サーバの容量がないのだという。大学でこういう具合なら、これは小中高校だって同じことがいえるだろう。いかに日本のインターネット環境が整っていなかが、露呈した。生徒にタブレット端末を配る事を発表する自治体があるが、根本的な問題として、サーバの容量を増やさない事には、全国のオンライン授業はおぼつかないようだ。

 ブックカバーチャレンジ 7日目(最終日)。『連塾…方法日本…T 神仏たちの秘密 日本の面影の源流を解く』松岡正剛。
全ては、『日本という方法』を考えている。お茶、花鳥風月、山水などの日本人が親しんでいる文化を、編集し直してまとめようとしている。神道も仏教も禅もある。山本健吉の『いのちとかたち −日本美の源流を探る−』、岡倉天心の『茶の本』新渡戸稲造の『武士道』や小泉八雲の『日本の面影』や怪談、オギュスタン・ベルグの『空間の日本文化』、オイゲン・ヘリゲルの『弓と禅』などにも繋がっている。勿論、西田幾多郎や、鈴木大拙、梅原猛にも繋がっているし、民謡などにも…。現代の知の巨人ともいわれる松岡正剛。京都生まれというのも、関係しているのだろう。おそらく、どの国にも真似の出来ない、新型コロナウイルス感染の第1派を抑えたのも、松岡が考える『日本という方法』のような気がする。こういう事は、教わるのではなく、日本人には感覚として染み込んでいるのかもしれない。わび・さびにしてもそうだ。押して切るノコギリが、日本に入って来ると、いつの間にか、引いて切るノコギリ変わる。そういう風に使いやすいように工夫される。日本は、独特であってこそというわけでもなく、そういう風に落ち着くのだ。それが、日本文化なのだと思う。そういうものが、著書の中に一杯詰まっている。もしそういうものが、一度失われてしまったら、元に戻るのは難しいだろう。古い奴だとお思いでしょうが、古い奴ほど…。実はそれは古いものではなく、今も生きているものなのだと思う、日本という方法なのだと思う。

 観光業で成り立っているような京都は、緊急事態宣言解除されて、地元の人しかいないので、門前のおみやげ屋や飲食店は、もうぜんぜんあかんといっているようだ。たぶん、学生の街でもあるので、まだ学生も戻ってきていないのかもしれない。門前ではない、街中で地元の人を相手にやっていた飲食店は、インバウンドの観光客が、99・9%減しても何とかやっているのかもしれないが、それは稀な話だろう。錦市場にしても、仕出し屋や料理屋に客が来なければ、需要も減ったままだろう。こういう事は、京都だけでなく全国で起きていることだと思う。

 世界では、625万5千人の感染者が出、37万5千人が死亡。アメリカは、184万7千人の感染者、10万6千人が死亡。スペインでは、239638人の感染者、27127人の死者(どうも統計がおかしい。EL PSISには、死者35人としているが、トータルの死者数は、前日と変わらず、反映されていない)。ここ3日は、43、39、35人の死者が出た。東京では、ここ3日、14、5、13人の感染者(30日連続100人以下27日連続50人以下)が出て、昨日までの累計で、5249人。305人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、37人増え、16949人の感染者、898人の死者。東京の速報は、34人以上の感染者が確認され、東京アラート発動を検討しているという。30人以上は、5月14日以来19日ぶりだという。武蔵野中央病院で、15人の集団感染が起きたようだが、これが34人に含まれているか不明だという。


 6月3日(水) 晴 9063

 マドリードは、レベル1の緩和されたら、バルのテラス席には、人が一杯で解放された喜びにひたっているのか、外出禁止があった事が忘れられたような状態になっているという。判っている人は、判っていると思うが、スペインを始めヨーロッパやアメリカでやっている政策は、多少の犠牲を出しても経済を動かそうともので、死者が出ることを前提にしてことだ。7月になれば、外国人観光客が入国して来る。ブラジルの大統領は、放置状態で風邪と変わらないといっているが、さすがに、各自治体は、外出禁止などをしているが、感染拡大が続いている。3万人の死者が出たが、ブラジル大統領は、「すべての死は気の毒に思うが、あらゆる人は死ぬ宿命にある」といったという。

 日本は、そういう政策を取っていない。解除したことによって、爪先がそっちを向いているにしても、重心は感染拡大と抑える方にある。緊急事態宣言が解除されて、人出が増えているが、無症状の感染者が市中にいることは、判っているはずだ。今自粛疲れで、解放された気分が欲しいのだろうが、このままだと感染者が増えるのは、目に見えていること。スペインなどは、もっとひどい状態になるはずだ。新型コロナウイルスは、感染者が回復後も後遺症が残ることが多い。初めの頃は、新型コロナウイルス肺炎といっていたが、最近は、新型コロナウイルス感染症というようになった。何故かといえば、肺だけが悪くなるのではなく、色々な臓器に異常を起こしている。1番大きなのは、血管に血栓が出来ることによって起こるからだといわれている。

 病院は、コロナ患者を受け入れれば受け入れるほど、赤字になる。コロナ患者の為に用意した病床は、患者が来なければ、利益にならない。行政から病床確保を指示されて、確保しても経営を圧迫する。夏のボーナスが出ないという処が多いという。そして、院内感染が起これば、外来診療停止などになり、さらに経営を圧迫する。人命の為と思い、一生懸命やればなるほど、報われない。踏んだり蹴ったりの状態はおかしい。政府は補正予算を組んで対応しているが、まだまだ足りない状態だという。今、秋冬に来る第2波に供えておかないと、医療崩壊が起きるだろう。医療従事者が報われなければ、この感染症には、対応できなくなる。

 世界では、637万2千人の感染者が出、37万9千人が死亡。アメリカは、186万9千人の感染者、10万7千人が死亡。スペインでは、239638人の感染者、27127人の死者(どうも統計がおかしい。EL PSISには、死者34人としているが、トータルの死者数は、前日と変わらず、反映されていない)。ここ3日は、39、35、34人の死者が出た。東京では、ここ3日、5、13、34人の感染者が出て、昨日までの累計で、5282人。306人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、51人増え、17000人の感染者、901人の死者。東京の速報は、12人の感染者が確認された。


 6月4日(木) 曇 1128

 今日の朝も、海鮮カレーを食べた。鹿児島に、50年に1度の大雨が降ると、気象庁は警戒するよう発表した。東京は昨日と同じ曇気味で、28度くらいで蒸し暑い。昨日から時々冷房を付けている。政府は、補正予算で10兆円の予備費を計上した。野党は、巨額の予備費に対して、安倍政権では白紙委任できないと、強く反発している。当然だろう。説明責任もしない、もりかけ桜(森友・加計・桜を見る会)、黒川元検事長の問題もそうだが、今問題になっている給付金業務委託など、明確な説明も出来ていないのに、10兆円という税金を、新型コロナウイルスの対策費に充てるといわれても、信用できないと思うのは当然の心情だと思う。少なくとも明確に、5兆円の医療関係への予算に充てなければおかしい。それでも、数の論理で押し切るのかもしれないが…。

 アメリカで起きている黒人が白人警官に殺害された事件に対する抗議デモで、放火、略奪が起きて、夜間外出禁止令が出さていたが、これに対してトランプ大統領が、軍の出動を考えてワシントン近郊で陸軍が待機していた。大統領は、極左といっていた「アンティファ」は、Facebook が、アンティファを名乗って、白人至上主義が、呼び掛けていることが分かり、アカウントを削除した。その結果なのか、夜間の放火、略奪がなくなったようだ。

 デモの参加者の多くは、殺害された弟の、平和的な抗議活動をするようにという呼びかけに応えて、平和的なデモを行っている。これに応えるように、デモを警備する警察官たちが、デモ隊に対して片膝を着いて、デモ隊の趣旨に賛同の意を表した。「軍を出動する必要はない」と国防長官が声明を出し、大統領ものちに、軍が出動しない事を明言した。また、マティス前国防長官は、「ドナルド・トランプは私の人生において、米国民の結束に尽力しない初めての大統領だ。尽力しているふりさえしない。…むしろわれわれを分断させようとしている。3年に及ぶこの意図的取り組みの結末をわれわれは目の当たりにしている」と米誌の語った。

 デモに参加するという事は、新型コロナウイルス感染のリスクを負っている。デモを見守る女性もマスクをして拍手を送っていた。平和的にデモをやろうとしても、それに乗じて、白人至上主義が意図的に「アンティファ」を名乗り偽装し、この人種差別撤廃を訴える運動に、他のレッテル貼ろうとした。それにしても、大統領は一言も、殺害した白人警官についていっていない。国民を融和しようとせずに、分断しようとしている。こういう処に、彼の本質が出ているのだろう。これは、大統領選挙への投票行動に大きな影響を与えるに違いないだろう。

 世界では、651万1千人の感染者が出、38万6千人が死亡。アメリカは、189万人の感染者、10万8千人が死亡。スペインでは、240426人の感染者、27127人の死者(どうも統計がおかしい。EL PSISには、死者34人としているが、トータルの死者数は、前日と変わらず、反映されていない)。ここ3日は、39、35、34人の死者が出た。東京では、ここ3日、13、34、12人の感染者が出て、昨日までの累計で、5295人。306人の死亡になった。全国では、昨日の時点で31人増え、17031人の感染者、905人の死者。東京の速報は、28人の感染者が確認された。


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

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