断腸亭日常日記 2020年 4月

--バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で--

por 斎藤祐司


 4月6日(月) 晴 10547

 カレーで昼食を取った後、銀行へ行き、散歩をする。植物は毎日、少しずつ違う顔を見せる。その違い全部を、感じ取ることは出来ないが、ここは蕾が大きくなってきたとか、花が咲いてきた、枯れかかってきたとかを感じる。そういう物を、写真に撮りながら散歩する。ジョギングしている人、夫婦で、ご近所で散歩している人もいる。子供連れもいる。

 スペインのサンチェス首相は、外出禁止を4月25日まで延長することを発表した。3月14日から続いている外出禁止は、1か月以上になることになる。効果が出ているが、感染者、死者が出続けているので、それで足りないという事のようだ。なお10日から企業活動について、許可するという。実際には、セマナ・サンタ期間開けに、なると思われる。州によっては、14日からになるようだ。しかし問題は、イタリアで起きている事だ。「ピークに達した」という報道で、外出禁止を守らず、市場に人が溢れたという。一気に人が出たことでソーシャル・ディスタンス(社会的距離。2m離れる)が、保たれることなくなっているという。日本人とは、意識が違う。安心感が、そういう行動を起こさせるのだろうが、これでは、感染拡大に逆戻りである。タイミングとしては、早すぎるだろう。サンチェス首相は、取りあえず経済活動を再開させないと、雇用の問題や生活が出来ない人などがいるからというのだろうか。感染拡大要因だろう。

 昨日東京で発表された感染者143人のうち、90人以上が感染経路が不明だという。これは、3月20日からの三連休の結果が反映されたものだと思われる。コロナ疲れとかいわれ、花見などに出掛けた結果、感染が拡大した。怖さを感じながら、国立博物館へ出かけようと思っていたら、閉館になった。それが3月26日くらいだったと思う。行かなくて良かった。観に行きたかったが、そうじゃないんだという事が、今は判るのだ。

 それにしても、日本の検査数が少なすぎる。保健所の聞き取りから、検査をするしないを決めているようだが、人手不足と相談件数の激増で、ここが疲弊しているようだ。今までのクラスター対策では、対応しきれない状態になっているようだ。違うやり方を考えないと、処理できないだろう。ドライブスルー方式の検査所を作ったり、聞き取り調査を後回しにしないとダメなんじゃない?処理能力の限界を超えている保健所から、違うやり方に移行しないと、検査数は増えないだろう。

 やんごとなき方は、ようやく重い腰を上げたようだ。緊急事態宣言を出す為の諮問委員会を、開催して準備して、明日の国会で質疑などして承認され、8日から始まる模様だ。朝の報道だと、外出禁止要請の期間は、3週間という風にいわれていたが、6か月という話もある。6か月じゃ長すぎるような気がするが、どうするんだろう?そして、世の中は動く。もうすでに、都内では緊急事態宣言が出るという事で、スーパーなどで買い占めが始まったようだ。さっきスーパーへ行ったが、棚に物がない処があったし、肉も少なくなっていた。また、都内から脱出して、軽井沢の別荘を借りて避難するという動きもある。そうやって、移動すると感染を拡散させることにつながるので、やめた方が良い。

 東京都医師会が会見を開いて、「6週間頑張ってください」といった。その中で、院内感染対策として、発熱外来を作って、そこで新型コロナウイルス患者の現場の窓口にするという。テレビでもう3週間も4週間も前に、岡田晴恵白鷗大学教授(感染症学)が言っていた、発熱外来が出来ることを訊いて、ホッとしたのか笑顔になっていた。本当に発熱外来が出来て、検査や患者の振り分けが出来るようになれば、ひとまずホッとする。日本のコロナ医療、最前線が本格的に動き出す事になるだろうから。

 東京都の方も、これから記者会見するようだ。速報では、東京で100人の感染が確認された。昨日、日曜日の感染者数なのに非常に多い。


 4月7日(火) 曇 11399

 納豆玉子の朝食を食べた後、いつものタバコ屋へ行き、立ち話。ここでも新型コロナウイルスの話。どこでも、コロナ、コロナだ。昨日行ったタバコ屋の婆さんが、天気はこんなに良いのに、なんだか気が滅入ってしまいますね。オリンピックなんか、やらなきゃいいのにと、いっていた。その通りだと思った。最近行くタバコ屋なので、話しかけられたのは初めてだ。これが、下々が感じていることの一端だ。経済アナリストは、オリンピックの経済効果を、2兆円弱と計算している。

 スーパーで買い物をして、昼食はいつものカレー。テレビをつけたら、BSプレミアムで、『アメリカン・グラフィティ』をやっていた。もう終わりの頃で、ウルフマン・ジャックがが鳴り声をあげて曲をかけている。この映画、製作がフランシス・コッポラ、監督がジョージ・ルーカスである。50年代から60年代初めのロックンロールなどがかかっている。あの有名な『ロック・アンド・アラウンド・ザ・クロック』や、チャック・ベリー、ファッツ・ドミノの黒人の音楽も多いし、ビーチ・ボーイズなど白人の曲もある。ベトナム戦争以前の、アメリカの青春映画。サウンドトラックになる音楽は、全て当時ラジオから流れていた。

 プレスリーが入っていないと思う。それも良い。とにかく選曲が素晴らしい。この映画は、興行的に当たり、ジョージ・ルーカスは、ジョージ・ルーカスになって行くし、コッポラはコッポラになって行った起点の映画だ。懐かしい音楽を聴きながら、観終わったあと、ボブ・ディランが聴きたくなった。パソコンを開いて、『廃墟の街』を聴きながら、細雪。


 4月8日(水) 晴 11099

 朝食は、肉そば。昼食は、羊肉野菜炒め。午後は散歩に出かける。川には、桜の花びらが流れている。天気も良く、蕾も大きくなり、大きくなっていた蕾が開き始め、花も大きく咲き開いているものも多い。鳩小屋に近くづくと、鳴き声ではなく、羽ばたく羽根の音が聞こえる。1羽2羽でなく10羽近く鳩が羽ばたいている。小屋に閉じ込められ出たいのか。まるで小鳥が巣立ち前に、バタバタ羽ばたきをしているのに似ている。しかし、今はその時でない。

 慶応病院の研修医18人の感染が確認された。会食に参加した40人のうち、1人の感染者から感染した模様。これにより接触した99人が自宅待機したが、そこから18人の感染者が発見された。また、京都大学医学部付属病院に4月から配属された研修医95人のうち、57人が禁止されていた飲酒をとも会う会食に参加して、自宅待機になっているという。今、国民が最も頼りにしているのは、医療関係者。どういう事なのかと思ってしまう。こういうのは、院内感染とは、いわない。3密違反で感染したわけだから、この時期医者という自覚のない、ノーガードのボクサーのような愚かさだ。医者だった山田風太郎なら、どう思うだろう。人間のやることだからと、笑ってしまうだろうか?それとも・・・。

 一方、京都産業大学の集団感染にたいして、脅迫電話などが数百件あるのだという。殺人予告もあるというので、刑事告訴などの対応も考えているという。3月の卒業旅行で行った、ヨーロッパで感染して戻り、無症状で飲み会など参加して集団感染に広がって行った。あの時期、ヨーロッパ旅行へ行くかとも、思うが、何も知らなかったのか、今しか行けないからと考えたからなのかは、知らないが・・・。

 昨日のテレビは、Eテレとテレビ東京以外の地上波デジタルは、全て安倍首相の緊急事態宣言を中継した。新宿、渋谷の都内と横浜、大阪や福岡も夜の街からは人出がグッと減った。7都府県、東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡に出された。名古屋のある愛知は含まれていない。しかし、この7地区で、人口の4割を占めるのだという。給付や助成などについては、詳しく把握していない。外出自粛の他、営業自粛などは細かく決まっていない。国と都との間で調整中だ。

 たぶん、やんごとなき方は、精一杯の緊張感を伝えたのだと思う。それは、今日の街の様子を見れば判る。通勤以外は、ほとんど外出自粛要請に対して応えている。しかし、それは、緊急事態宣言という言霊が、日本人の心に響いたからだと思う。統制下の東ドイツ育ち、自由の有難さを知っているメルケル首相の宣言に比べれものにならないくらい、貧弱な宣言だった。やんごとなき方は、緊急事態宣言を発出も、いまだに、ウイルス撲滅と経済活動を両天秤かけている処を感じた。宣言を出すことを決意したが、覚悟が感じられない宣言だ。

 メルケル首相は、「民主主義に必要なことは、私たちが政治的決断を透明にし、説明すること、私たちの行動の根拠をできる限り示して、それを伝達すること」と、いい「唯一できることは、ウイルスの拡散スピードを緩和し、数か月にわたって引き延ばすことで時間を稼ぐことです。これが私たちのすべての行動の指針です。研究者がクスリとワクチンを開発するための時間です。」 「普段あまり感謝されることのない人たちにもお礼を言わせてください。このような状況下で日々スーパーのレジに座っている方、商品棚を補充している方は現在ある中でも最も困難な仕事のひとつを担っています。同胞のために尽力し、言葉通りの意味でお店の営業を維持してくださりありがとうございます」「お父さんであり、おじいさんであり、お母さんであり、おばあさんであり、パートナーであり、要するに生きた人たちの話です。そして私たちは、どの命もどの人も重要とする共同体です。」「不必要な接触を避けることで、病院で日々増え続ける感染者の世話をしているすべての方々を助けることになります。こうして命を救うのです。」「私たちがこの危機を乗り越えられるということには、私はまったく疑いを持っていません。けれども、犠牲者が何人出るのか。どれだけ多くの愛する人たちを亡くすことになるのか。それは大部分私たち自身にかかっています。私たちは今、一致団結して対処できます。現在の制限を受け止め、お互いに協力し合うことができます。
この状況は深刻であり、まだ見通しが立っていません。 それはつまり、一人一人がどれだけきちんと規則を守って実行に移すかということにも事態が左右されるということです。
たとえ今まで一度もこのようなことを経験したことがなくても、私たちは、思いやりを持って理性的に行動し、それによって命を救うことを示さなければなりません。それは、一人一人例外なく、つまり私たち全員にかかっているのです。
皆様、ご自愛ください、そして愛する人たちを守ってください。ありがとうございました。」

 やんごとなき方の緊急事態宣言を、海外メディアは、冷ややかに見ている。強制力を持たない宣言。本気度もあまり感じられないのだろう。外国には、そういう風に写っているのだ。罰金も罰則もない外出自粛。それでも、日本人は意志をもって外出自粛を行うだろう。本当は、それを続けさせるためには、給付や補助金などが必要だが、充分ではない。ドイツでは、名前、職業、税金番号をネットで登録すれば、2日後に銀行に5000ユーロ(60万円)が振り込まれたという。これは、ミュージシャンやダンス教師をやっているフリーランスの日本人の話。スペインやフランスでも、同じように給付が行われているようだ。日本では、これが出来ない。出来なから政府が苦労している。そういう事も、整理する必要があるだろう。

 緊急事態宣言が出たが、7都府県だけではなく、それ以外の処でも、この宣言の影響は大きいだろう。政府ややんごとなき方が頼りなくても、日本の国民は賢い。東日本大震災の時の東北人の姿を観れば判るだろう。雪の降る、津波の冷たい海水を浴びても、じっと耐え、静かに穏やかに行動した。東京でも、電車が停まっても、駅の階段に座っていたが、ちゃんと、人が通れるように通路を作っていた。それは、為政者からの命令でやったことではない。指示や命令がなくても、そういうことを解っている人々が多い。今は、静かに見守ろう。買い出しと散歩、そして、細雪。

 速報では、東京の感染者は最多の144人。


 4月9日(木) 晴 10630

 中国の感染状況を観ていて、スペインの状況で、早く外出禁止令を出せばいいのにと思っていたのが、2月末くらいだった。3月14日になって外出禁止令を出した。遅いと思った。だから、日本も早く対応して欲しかった。3月末の3連休で、コロナ疲れで、花見で人が溢れた。ヤバイと思った。ようやく、8日に0時から政府が緊急事態宣言を出した。遅い。でも考えれば、情報として危機感を持っている人は、素早い対応を望んだが、そういう情報を持っていない人が、多い場合は、危機感がないわけだから、緊急事態宣言をしても外出自粛要請が守れない状態だった。今の東京は、3週間後のニューヨークといわれても、全然ピンと来ない人が多かったようだ。

 危機的な状況が共有されて、初めて外出自粛要請の国民の実行力が、上昇するのだろう。本当は3月の連休の頃に、緊急事態宣言をしていれば、良かったのだが、危機感が共有出来てきたのは、4月に入ってからだ。この2週間くらいは、遅くなった。ソロバンなら、「ご破算に願いましては」と、人差し指を動かせば出来るが、コロナはそうはいかない。残念なことだ。

 やんごとなき方がいった給付や補助策は、どうしてあんなに、分かり難いのだろう。分かり難いし、給付や補助策に時間がかかりそうだ。これじゃ、国民の不満圧力は、膨張するだろう。本当は、分かり易く、早急に行われなければならないはずだ。それと、依然通勤ラッシュで、電車が混んでいる。マドリードの地下鉄の利用者は、1日500人まで減ったという。ここまでやらないと、感染者数は減らないだろう。入口や地下道の閉鎖などもやっている。

 政府と都の間で、自粛要請する職種についてのすり合わせがもめている。都側はより厳しく対応しようとしているが、政府の方は、もう少しゆるくするようにいっている。この2週間様子を見て、それから次の対応を考えると、政府はいったが、そんなのんびりできないというのが、都側の考え方だ。休業補償は出さないという、政府と、コロナ協力金的な感じででも、お金を出そうとしている都側。都の方に理がある。が、譲らない政府。かといって、都知事がドンドン出てくるのも、良い事ではない。この人、おっかない人。出勤でいまだに混んでいる電車。そこをどうにかしないと・・・。

 名古屋の河村市長が、緊急事態宣言の中に愛知も入れて欲しいといい、それを受けた知事が政府に愛知も入れて欲しいいっている。県独自に、緊急事態宣言するという。警察の剣道場でクラスターが起きた。これ大きなクラスターになりそうだ。昨日全国で524人の感染者数。やがて、1000人、2000人と増えていくだろう。東京は144人出て、累計で1300人以上の感染者数になった。いつ200人、300人、500人と増えて行ってもおかしくない状況だ。こうならないと、危機感が出ないようだ。東京だけでなく、埼玉でも感染者が、入院できず自宅待機が増えているようだ。

 世界では、150万人を超えた。アメリカは、43万人超え、死者も1万4千を超えた。フランスも4か国目の死者1万人をだした。スペインは、感染者数、148220人、死者、14792人。3日間の死者は、637、743、757人。昨日マドリードでは、スーパーに長い列ができたという。そうセマナ・サンタ期間である。マドリードは、金曜日から日曜日までは3連休。スーパーによっては休むところがある。それで、列が出来たようだ。

 国と都の行き違い、すり合わせで思うのは、都の本気度と、国の本気度の違いだろう。本当に国は、感染拡大を抑えようとしているのか。ここに至ってもなお、経済活動を優先しようとしている。警察のクラスターや病院でもそうだが、国と都のやり取りなどの混乱が起きている。しかしこういう混乱は、序章に過ぎないのだ。速報では、東京の感染者数は、180人以上。この状態で、全国で5000人の感染者数になったということ。1000人が、3月24日、2000人が、3月31日、3000人が、4月3日、4000人が、4月6日、5000人が4月9日。やんごとなき方、これからどうするの?

 「京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥です。安倍首相から新型コロナウイルスに関して、緊急事態宣言が出されました。これまでに、一層の私たち国民全体の努力が、求められています。私たちは普段、 社会周囲に守られて仕事をしたり、いろんなことを楽しんだりすることができています。いままさに私たちが、社会を逆に守る時です。私たちの努力によって、ウイルスの脅威から社会が崩壊するのを、防ぐことができます。新型コロナウイルスは、これまでにない非常に難敵であります。しかしウイルスは人を介してしか、その力を得ることができません。私たちがしっかり、一致団結して行動を取れば、ウイルスはやがて力を失っていきます。人と人との間を空ける。そして物の共有をできるだけ防ぐ。こういった基本的な努力、注意を私たちみんなが今後数週間、もしかしたら数ヶ月になるかもしれませんが、守ることによって、また少し前までの平和ないろいろなことを、楽しめる社会を取り戻すことができると思います。ピンチはチャンスと、よく言われます。今回の大変な出来事を通して、これまで、やりたくてもできなかったこと。例えば働き方改革であったり、オンラインで授業をしたり、色々な会議をしたり、また医療制度をより確実なものにする、こういったことが今回、このピンチをチャンスに変えて、より良い社会につなげることが、できるのではないか、そんな風にも思います。みんなで一致団結して、この難局を乗り越えていきたいと思います。私も頑張ります。」  ――「コロナに思う」山中伸弥 テレビ東京WBSより――


 4月10日(金) 雨のち晴 8317

 昨日の夜、雨が降った。そのせいなのか、散歩に出ても風が吹いている。川には、桜の花びらが流れている。ソメイヨシノは、散っているが、他の種類の桜の花びらが散って、川に流れている。山桜は、花よりも先に葉が出る。京都の料亭生れの料理家の大原千鶴が、うちのお父さんが、「あれは、山桜の君やな」 「何なのそれ?」 「鼻より歯が出とるから」といったらしい。京都人は、おかしなことをいうもんだと思って訊いた。

 愛知に続いて、京都も緊急事態宣言に入れて欲しいと要請した。意外と驚いたのは、あれだけ観光客が来ていたが、2月に行った時は、激減状態だった。感染した観光客は大勢いたと思うが、あまり感染者が出なかった。ここにきて、数が増えてきた。感染経路が不明の、割合も高くなっている。仮に、今京都旅行をしたとして、ホテル住まいで、3食外食。歴彩館や歴史資料館も閉まっているだろう。観光で出歩けば、人がいないので、ゆったり観れるだろうが、リスクを冒して、楽しくなんか過ごせない。東京にいるより、ストレスがたまるだろう。京都市長は、京都を愛するみなさん、家族や大切な方を守るために、今は京都へ観光に来ないでくださいと、会見でいった。

 それなら、地元の岩手に一時避難的に、帰省するか。それもしない。鳥取と共に、いまだに感染者が出ていない岩手。移動してリスクを冒すのも嫌だし、もし自分が感染していて、ウイルスを持ち込むことになったら、岩手初の感染者ということになる。それに、資料とか持って行かないと、細雪も完成しないだろう。今の生活に、不自由していない。

 日本は、検査数が極端に少ない。2日続けて、500人以上の感染者が確認されたが、その倍以上、または、10倍くらいは実数があると想像する。そう考えないと、感染経路が不明の感染者の割合が多いことに、理屈がついて行かない。ヨーロッパの状況を見ても、都市封鎖をして3週間が過ぎても、先が見えない状況だ。何故かといえば、数字に表れていない、隠れ感染者が多数いるからではないのか、と思われる。東京では、3月10日67人時点から昨日までの感染者数1510人の比較では、22倍になっているという。関数曲線は、このまま行けば、500倍になるという。考えたくないが、3万人を超える。都知事は、4000の病床確保を目指すといっていたが、とても間に合わない。医師などは、4000というのは、2万5千人の感染者の15%の重傷者、中等者への対応のための病床だという。他の無症状者などは、宿泊隔離施設という考えのようだ。

 ともあれ、もう待ったなしの状態になっている。都知事は、会見をして、休業要請した。世界の感染者は、160万人を超えた。スペインの感染者は、153222人、死者は、15447人。ここ3日の死者は、743、757、683人。速報で、東京の感染者数は、最多の189人だった。


 4月11日(土) 晴 13398

 朝食後、わりと早い時間に散歩に出た。やっぱり人は少なかった。でも、スーパーに寄ったら、混んでいた。レジも並んでいるので、3分もいないで、外に出た。先日、THさんと連絡した。元気そうだった。風邪気味といったら、咳はと、心配していた。こっちの心配をするほど、余裕があるくらい元気なようだ。マドリードの知人は、コロナは気合でやり過ごすといっていた。気合じゃ敵わないと思ったが、こっちも元気そう。感染せずに、元気。こっちも、感染せずに、過ごそうと思う。

 昨日スーパーへ行って、ジンを買ってきた。テレビを観ていたら、どっかの国で、アルコール度数が高いレモンの酒で、アルコール消毒をしていたからだ。安い焼酎じゃ、25度。沖縄の古酒(クース)なら60度以上あるものもあるが、これは高い。直ぐ頭に浮かんだのは、ロンリコの151プルーフ。つまり、75.5度のアルコール度数があるラム酒だ。しかし、これも高い。消毒用アルコールに比べると3倍くらいするだろう。それで、ビフィーターというジンを買ってきた。40度ある。税込みで、1000円強。これを、100円ショップで買って来て使っていた、小瓶のスプレーに入れて、使った。外から帰った時などに手に吹きかけて、取りあえず消毒して、着替えたら、手を洗う。完全に乾くと、ベトベトはあまりしない。どうせ手洗うから、これで、良いのだ。これから、夕方か夜に雨が降って来る予報だ。

 例えば、どんなに偉い人の言葉、学者の言葉よりも、スポーツ選手の言葉が響く場合がある。その選手が、好きとか嫌いとかでない。そういうものに関係なく、訊いている人に届くことがある。だから、載せることにする。キング・カズこと三浦知良の4月10日の言葉だ。スポーツ選手らしい楽観論だが、今はそういう慰めでも欲しい気持ちだ。

「日本の力をみせるとき

 クラブハウスが閉鎖され、グラウンドは使えず、利用していたジムも1カ月近く休止している。自分で所有している器具で最低限の運動をする日々が続く。

 自分が新型コロナウイルスにかかることも、他へうつすこともあってはならない――。プロスポーツ選手は誰でも、そんな大きな責任とプレッシャーと隣り合わせの生活を送っていると思う。クラブに、対戦相手に、試合開催に。自らが及ぼす影響が大きすぎる。

 屋外を走りたくなっても、感染するかもと控えてしまう。ほんの3分ほどでもいったん家の外に出たら、何に触れていなくても手をゴシゴシと洗う癖がついてしまった。うちの息子たちは街で遊びたい年ごろだけど、家族にも同レベルの緊張をしいてもらっている。

 「え、行くの?」。ある同僚は奥さんにとがめられつつ練習へ出ていた。4月初旬、1カ月先にリーグが再開する予定の一方で、感染への危機感が増していた時期のことだ。一部屋に40人近くが集まるミーティングのさなか、僕も声を上げた。「緊急事態宣言も出そうなときに、こうして集まって、練習していていいの?」。選手の大半が同じ思いだったという。自らをリスクにさらしてでも、命や社会機能を守るべく奮闘する方々がいる。休みたくても、休めない人がいる。でも選手は、そうじゃない。

 いつ電話しても満席だったなじみの繁盛店は、店の維持さえ難しい状況に追い込まれた。我慢は、先が見えてこそ我慢できるもの。娯楽や明るい話題も楽しめず、それどころでない人々がたくさんいる。そんな状況で、僕らが「何か希望を」などとはいえない。

 すべての行動が制限されるわけでない緊急事態宣言は「緩い」という声がある。でもそれは、日本人の力を信じているからだと僕は信じたい。きつく強制しなくても、一人ひとりのモラルで動いてくれると信頼されたのだと受け止めたい。

 戦争や災害で苦しいとき、隣の人へ手を差し伸べ助け合ってきた。暴動ではなく協調があった。日本にはそんな例がたくさんある。世界でも有数の生真面目さ、規律の高さ。それをサッカーの代表でも日常のピッチでもみてきた。僕らは自分たちの力をもう少し信じていい。日本人はこういうとき、「やれるんだ」と。

 「都市封鎖をしなくたって、被害を小さく食い止められた。やはり日本人は素晴らしい」。そう記憶されるように。力を発揮するなら今、そうとらえて僕はできることをする。ロックダウンでなく「セルフ・ロックダウン」でいくよ。

 自分たちを信じる。僕たちのモラル、秩序と連帯、日本のアイデンティティーで乗り切ってみせる。そんな見本を示せたらいいね。 」  ――三浦知良ホームページより――


 4月12日(日) 曇/雨 10609

 夜中降った雨は上がり、曇り空。夕方には、雨が降る予報。明日は、1日雨が降り、台風なみの強風が吹くという。スーパーに寄ったが、昨日よりもすいている印象だ。肉野菜など買ってきた。カップ麺もタバコも。第80回桜花賞が、雨が降り満開の桜の中で行われた。重馬場の中で、最後の直線、2歳女王レシステンシアが先頭に立ったが、外から豪快にデアリングタクトが差し切った。松山弘平渾身のガッツポーズ!2着のレシステンシアは、北村友一から武豊の乗り替わって挑んだが、重馬場のハイペースで、力尽きた。

 昨日NHKのEテレで、『緊急対談 パンデミックが変える世界 ~海外の知性が語る展望~』という番組をやっていた。その中で、10年前に、世界はこの10年以内に、感染症によるパンデミックで大変なことになる。と、書いたフランスのジャック・アタリは、1920年のスペイン風邪の時もそうだが、感染がおさまったと、人々は外に出て、第二波の感染は、第一波の感染よりさらに多くの人が亡くなった。それが、おさまっても第三波が起こる。本当におさまるのは、ほとんどの人が感染するか、ワクチンが出来るまで続く。スペイン風邪がおさまるまで、約2年かかった。

 スペインでは、10日から外出禁止令が甘くなった。セマナ・サンタ明けの13日14日から仕事での外出が許可される。また、イタリアは、14日から一部商店の営業を再開させることを発表した。こういう風に人が出だしてからの、感染者数がデータに出るのは、2週間後。どういう推移になるのか?危険を伴う、政府の決断だ。これからの日本の参考になるだろう。

 日本の感染者数は昨日時点で、6000人を超えて7000目前になった。1日の感染者数も最多の743人。東京も1日最多の197人。累計も、1902人。200人目前なので、もうすぐ1日300人、400人と増えていくだろう。やっていけない、これじゃ食えない、店がつぶれる、と商売人がいっているが、今は、そういうこといっている場合じゃないと思う。スペインの感染者数は、163027人、死亡者は、16606人。ここ3日は、683、605、510人と減少気味になってきた。

「皆さんこんばんは、漫画家のヤマザキマリです。私は家族がイタリアにおりますので、普段は日本とイタリアを往復しながら暮らしているんですけど、ここしばらくはいらリアには戻れておりません。そして、そのイタリアでは、相変わらず感染による死者数が、世界で一番という状態が保たれているんですけども、実は半月ほど前から全国で外出禁止令というのが出ました。その時点から初めて感染者の増加がやっと減少傾向になったという報告が出ています。イタリアでの感染拡大に関しては、その要因として、例えば圧倒的な高齢社会であること、そしてその高齢者と一緒に暮らす家族がとても多い点、そして医療環境には問題点がいくつかあった点、それからあと、会話好きだという国民性に起因するような、飛まつ感染率の高さが憶測として上げられている出ですけれども、なにはともあれそれは、イタリア的な特徴だからというよりも、私たちも気を付けるべきヒントがあるという気がしております。イタリアでは今言ったように1ヵ月前から地域封鎖をしたり、国内移動禁止令をだしたり、それから全国封鎖に踏み切り、その後に外出禁止令を出したわけですけれども、こうした段階を踏んでやっとですね、やっと収束の気配が見え始めた。という事は、やっぱり徹底して人に会わない、近づかないことが、何よりも優先すべき防止策になるという事が、判ると思うんですよね。だから毎日そうした不安と緊張感と向き合って、生きていくことは辛いことですし、健康・経済面だけでなく人間の精神も、ぜい弱にしてしまうリスクもあります。でも、こうしたパンデミックは実は太古の昔から、常に人間とともにあっらものです。パンデミックも付随する経済危機も、我々人間は全て乗り越えてきているわけです。本当にうっかりしていると精神面がどんどんやられていってしまうので、この現象と冷静に向き合っていくために、テレビやネットもいいんですけども、いい映画を見るようにしたりとか、いい本を読むようにしたりとか、とにかく生きていく前向きな力を、養うための精神力を鍛える、これが何よりも大事ではないかと、今は思っております。みなさんもどうかご自愛しつつ、たくさんいい映画や、いい本を読むようになさって下さい。」 ――「コロナに思う」ヤマザキマリ テレビ東京WBSより――


 4月13日(月) 雨 10089

 昨日から降っている雨は、ずっと続いている。千葉の一部、三重などに、避難勧告が出ている処がある。この状態の中で、避難所に行くのも、勇気が必要だ。この前は、夜中の1時前に地震があった。その時にも、避難所が開設された処があるが、避難所に入らず、自家用車の中で待機している人がいた。理由は、コロナが怖いからだ。

 ニーム(フランス)の5月27日から6月1日までの予定されていた、フェリア・デ・ペンテコステスは、市長が声明を発表し、中止をすることにした。健康危機と、今後の不確実な状況にによる理由のようだ。早い話、新型コロナウイルス感染がおさまっていないためである。マドリードのラス・ベンタス闘牛場は、その後何も発表はないが、外出禁止令が25日まで延長された訳だから、19日は当然闘牛開催はないだろう。26日このまま行けば、禁止令後になるが、カルテル発表することはないだろう。そして、ニームと同じ興行主シモン・カサスであるラス・ベンタス闘牛場。サン・イシドロの中止が正式に発表されるのも時間の問題だろう。だがある記事を読むと、すでに中止が決まったような書き方をしていたが・・・。14日からスペイン、イタリアで外出禁止令が甘くなる。それによって、急に人が街に出ると、再び感染が増えるだろうことは、感染症の歴史的事実から想像にたやすい。政治による愚作だと思う。

 東京中野区の病院2つで、集団感染が起こっているようだ。中野江古田病院で約90人。総合東京病院で、5人の感染者が確認された。日本の対策も遅い。東京では、今、発熱外来などの整備をしているようだ。遅いよ。院内感染が出るのも、発熱外来が出来ていないことも、要因になっている。世界では、185万人の感染者が出、11万4000人が死亡。アメリカは、56万人の感染者、2万2千人以上が死亡。スペインでは、166831人の感染者、17209人の死者。ここ3日は、605、510、619人の死者が出た。中国では、1日の感染者が5週間ぶりに100人を超えた。その多くは、ロシアからの帰国者だという。国境閉鎖をしているという。東京では、ここ3日、189、197、166人の感染者が出て、累計で、2068人になった。全国の累計は、7398人。東京の速報では、91人の感染者が確認された。日曜日の検査結果なので少ない。


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