断腸亭日常日記 2020年 3月4月

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


 3月24日(火) 晴 9523

 午後散歩に出かけた。公園は自転車がいっぱいで、子供たちの声が聞こえる。春休みで、思い切り体を動かし声を出している。母親たちは、それを観て解放されている感じがする。平和だ。こういう姿が、いつまでも続くと良いのだがと思う。東京の株価は、1204円値上がりした。歴代9位の大幅高だという。

 小池東京都知事は、東京の感染者で、感染ルートが不明な人数が多くなっていることから、東京の封鎖措置があり得ることを明言した。3連休で上野の花見や千鳥ヶ淵に、多くの人が集まったことのなども、危惧する状態になっている。また、自粛疲れも起きているのだろう。感染ルートが特定できない患者が増えると、それだけ、感染者が巷に増えていることを意味する。非常に危険な兆候だ。危機感を強く持った方が良い。

 スペイン保健相の発表では、4000人近い医療従事者が新型コロナウイルスに感染していることを明らかにした。これは、医療従事者の10分の1を超える高い割合で12%にあたるのだという。死者の87%が70歳以上だという。検査は、医療従事者と老人ホーム従業員が優先されている。また、エル・コルテ・イグレスは、医療従事者への買い物支援策として、自宅への無料配達を行うという。スペインの感染者数は、35068人、死者は、2299人になった。イタリアの感染者数は、6万人を超え、6000人以上が死んだ。アメリカの感染者数は、4万人を超え、死者は初めて1日に100人を超えた。1億5千万人に外出を規制されている。イギリスも3週間の外出禁止になった。スペインの外出禁止が始まって初めての週末で、金曜日の15時から日曜日の0時まで間の交通事故死は1名だったという。

 日本の医療現場は、マスク不足のようだ。薬局などでマスクが置いていない状態が続いているが、優先的に医療現場へ配るシステムを、早く整えないと、これから大変なことになるだろう。マスクでさえ、こんな状態だと、酸素吸入器など重要な問題は、もっと大変なことになる。最悪の場合のことを考えて、こういう治療などに必要なものの準備を迅速に整えておく必要がある。

 森友学園の問題で、公文書偽造を指示され、自殺した職員の妻が告発したが、国会でもそのことについて議論されたが、再調査しないと安倍首相がいった。自分の都合が悪いことは、握りつぶすようなやり方をやっているようでは、危機には、対応できないだろうと思う。おかしなことばかりやる。

 買い物をすませ部屋に戻る。手洗いして顔も洗う。人は、1時間に平均23回顔を触るという。手などについたコロナウイルスが、口や鼻や、目について感染するという。手洗いしてから、顔を触るのであれば、大丈夫なのだろう。これから、最近毎週作っているカレーを作って、食べようと思う。今日は、牛肉で作る。

 「少年老い易く学成り難し、一寸の光陰軽んずべからず。今だ覚めず池塘(ちとう)春草の夢、階前の梧葉已(ごようすで)に秋声」(『偶成』朱熹)


 3月25日(水) 11069

 散歩も同じ道を歩いていると、季節の変化を感じる。しかし今日は、違う道を歩いてみた。それもまた、面白い。巷は、コロナ慣れとか、コロナ疲れとかいって、ガードが甘くなってきているようだ。オリンピックは、来年夏頃まで延期になった。政治日程にも影響するだろう。

 ニューヨーク市場は、2112ドル、史上最高の値上がり記録した。それを受けて、東京市場も値上がりした。26年ぶりに、1454円上がった。昨日の東京市場から値上がりに変わったが、依然として、新型コロナウイルスは、猛威をふるっている。東京はいつ封鎖されるのだろうか?近い気がする。一つのデータがある。64日。12日。4日。これは、新型コロナウイルス感染者発見から64日目で、10万人の感染者が確認された日にちだ。それから、12日目に20万人になり、それから4日目に、30万人になった。そして、今40万人を超えた。30万人から40万人まで何日だったのだろう。2日?グラフにすれば、物凄い曲線を描いて、増え続けている。スペインの感染者は、42058人、死亡者は、2991人になった。アメリカは、5万5千人の感染を出している。イランは、死者が2000人弱、フランスは、1100人になった。インドは、感染者が500人を超えた時点で、21日間の全土封鎖を決めた。

 論語に、四十にして惑わずという言葉がある。若冲四十にして、次弟に代を譲り、好きな絵を描く決意をする。ようやく、四十になって、その覚悟が出来たという事だと思う。錦市場の青物問屋の家業は、弟へまかせ、今風にいえば趣味に生きようとした。絵を描いて、画家のように、お金を稼ぐという事を念頭には、置いていなかったと思う。もちろん、お金のやり取りが、なかったわけではないだろう。

 彩色画にしても、墨絵にしても、若冲独特の画法を身に付けたという自信と、意欲がなかった、そんな覚悟など出来ないはずだ。『動植綵絵』以前の彩色画や、鹿苑寺大書院障壁画以前の墨絵にしても、確固たる自信と覚悟があったはずだ。その覚悟の年が、若冲にとって四十だったという事だろう。儒学者で絵も描いた皆川棋園が、「白い紙に淡い墨を幾層にも重ね、花を描いているようなのだが、描き終わって墨が乾いてきてはじめて、みごとな花になっているのが分かる」と書いている。これは今でいう筋目描きの事である。同じことを、安永四年(1775)大典顕常が出した、漢詩集『小雲棲稿』に書き残している。

 「好んで白紙のみじみやすものを用いて墨画を作った。にじみで濃淡の境界を作り、花卉・羽毛・鱗が並んでいるさまを明らかに描き分けて見せるのである。筆を運らすときには形がはっきりせず暗中模索するようだが、乾くに及んで濃淡がはっきりを分かる。実に筆の至るところ円熟して滞ることがない。一種の風流、いまだかつて世になかったものだ。観る者はことごとくその妙に感服した。若冲はこの墨画を一斗の米と交換し、収入にした。これゆえ斗米庵をいう号がある。」

 今出来ることを、やろう。そう少しずつ『細雪』である。


 3月26日(木) 晴 13100

 天気が良いので洗濯した。朝食は、インスタントの塩ラーメン。昨日の買い物で、買ってきたのだが、まだ、4個もあった。それを食べ、昼食はカレー。昨日は、薬局を回ったが、マスク、消毒用アルコールは、売り切れだった。こんな状態で、医療現場での医療品や人工呼吸器など大丈夫なのかと思ってしまった。

 イタリアの新型コロナウイルスの死者数の統計を取っている担当者が、発表されている死者数は、実数よりも少ないという事を認めているという。部屋で、死んだ老人などがその数に含まれていないという。どうやら、フランスも発表数より実数が多いようだ。これは、医療関係者がいっているようだ。統計が統計になっていないという混乱が起こっているようだ。ニューヨークは、1か月企業閉鎖命令が出たようだ。ピークがいつになるのか、判らい状態が続いている。

 スペインも大変なことになっている。3月14日から行われている外出禁止。マドリードでは、軍がイベント会場にベットなどを運んで、感染者の収容施設を作っているようだ。マドリードについで多いバルセロナも大変だ。スペイン政府は、中国に4億3200万ユーロ(約530億円)分の医療用具を買う契約を結んだ。感染者が増えて、医療用具が足りなくなっているからだ。購入するのは、マスク5億5千万枚。人工呼吸器950台。550万回分の迅速なウイルス検査キット。手袋1100万枚。今月から6月の間に全て納入されるという。スペインの感染者数は、49515人、死亡者は3647人。カタルーニャ州が感染者数で、マドリード州を抜いたようだ。

 昨日東京都での感染者が41人になり、急激に増えて、小池都知事が会見を行って、感染爆発の重大局面として、週末の外出自粛を要請した。先週の3連休前に、大阪・兵庫間の往来を自粛要請をしたが、東京でも同じように外出自粛を要請した。法的なものではないので、強制力はない。しかし、もっと強いことをしないと、感染は広がる。イタリア、スペインの状況を学ぶべきだ。事は急をようする。早く外出禁止にするべきだ。ビル・ゲイツは、トランプ大統領のイースター(4月12日)までに経済活動制限解除の動きに、反対を唱えている。

 「 「妥協点などというものはない。『隅の犠牲者たちは無視して、レストランに行き、新しい家を買いに行き続けて。GDPの成長が最も重要なことだと考えている政治家がいるかもしれないから、消費し続けてほしいんだ』とはまず言えないだろう」 「いいとこ取りができるなどと言う人間は非常に無責任だ」とゲイツ氏は語った。

もし自分が大統領だったら何をするか? と尋ねられると、ゲイツ氏は経済に対する懸念より人々の健康を守ることを優先するだろうと答えた。
「(新型コロナウイルスの)経済への影響は本当に大きい。わたしたちが生きているうちに、経済にこんなことが起きたことはない」とゲイツ氏は語った。

「だが、経済を回復させるのは…… 人を生き返らせるよりも可能なことだ。だからこそ、わたしたちは病気と死の痛みを最小限にするために、経済面での痛み ── 大きな痛み ── を受け止めようとしている」

ゲイツ氏は今後、さらに6〜10週間はビジネスをストップさせたままにしておくべきだと言う。」(BUSINESS INSIDER JAPAN ビル・ゲイツのインタビューより)

 神奈川・埼玉も週末の外出自粛を要請した。千葉も検討に入った。都知事は昨日の会見で、首都大学の新学期は、ゴールデンウイーク明けにすることを述べた。それに合わせるように、早稲田大学も5月から新学期始めるようスライドすることを発表した。

 「作家でコメンテーターの室井佑月さんは今回の小池氏の要請に「自粛しろって言われれば、できる限りそうしますけど」とした上で「五輪が延期になったら、こういう感じで小池さんって都知事とか国も?安倍さんもそうですけど私達の命と五輪を天秤にかけていたところがあるんじゃないかなというのが率直な感想です」と指摘した。」(報知新聞) 蓮舫もツイッターで、同じような事をいった。痛快でもある。女の口は、ふさげないぞ!

 京都での感染者に、いつも行く、うどん屋の店員が感染したと書いてあった。実は、20日に京都へ行く予定だった。しかし、美術館も閉鎖し、ギャラリートークも中止。キャンセルしたのだ。もし行っていたら、銀閣寺のとこなら、感染していたかもしれない。先斗町の方なら大丈夫。若冲が観たくても、観れない状態だ。6月中旬までの予定なので、6月にでも行こうかと思っている。

 今日も、東京の感染者は、45人以上の感染者を出した。昨日41人という最多数を連日超えたことになる。これは、今の数字ではない。2週間前の数字だ。これがおそらく、爆発的な感染を招いていると思われる。そして、スーパーでは、買いだめで、棚が空いている処があった。


 3月27日(金) 曇 11348

 朝起きて朝ドラを観てと、テレビを観ていたら、シカゴ便92人を、隔離せずに入国させたというニュース。こんなことやっていたら、あっという間に感染が広まるだろう。水際対策って、アメリカには入国拒否をしていない。中国を抜いて、世界で1番感染者が多い国になったのに、安倍首相は、何考えているのか。中国に対しても、初期対応が遅れたが、アメリカに対しても、遅れている。「私の責任で」などと、やっている感を出しているけど、ほとんどが、丸投げで、責任を取るつもりは、ほぼない。ただ、入国審査で、14日隔離とか、実際の隔離場所が指定されているのか。そこが疑問だ。そういう処があやふやになっているから、こういう事が起こるのではないかと想像する。

 昨日電話で話した。土曜日は外出自粛を要請だが、会社の研修に出なければならなくなった。正直行きたくない。ただ、やっぱりこれは、行かないという選択肢がない状態だ。ただ土曜日という事と、外出自粛を要請もあり、電車なども空いていると思う。昨日の夜、TBSの『NEWS 23』に、小池都知事が出演した。安倍首相に、都知事としてお願いした内容などを話した。水際対策など。がしかし、上記のような事が起こっているのが実態だ。本丸は、首都封鎖だと思う。

 下山さんと連絡した。ジムなどでのリハビリが出来なくなったという。それでも、トレオ・デ・サロンなどを工夫してやって、体を動かしているようだ。コロナが収まったら日本に来るらしい。もともと3月に、来る予定だったが、こんな状態で、来れなくなった。

 都知事の会見以降、壇蜜ではなく3密になった。新型コロナウイルスに感染しないための、3密。密閉、密集、密接である。それを、避けて欲しいと訴えている。密閉空間で換気が悪い。近距離での会話や発声がある。手の届く距離に多くの人がいる。これを子供にも分かるように、むんむん、がやがや、ぎゅうぎゅうと表現した女性医師もいた。

 阪神タイガースの藤浪晋太郎(25)が、新型コロナウイルスに感染したことが発表された。初期の症状に、匂いや味覚が判らなくなったという。それは、ドイツのハンスベルグの1000人の症例の3分の2に、同様の臭覚・味覚障害が報告されているという。またNBAの選手が感染時に、同様の症状を訴えていた。検査対象に、味覚臭覚異常を加えるべきと、医師などがいっているようだ。WHOは、「若者は無敵ではない」といっていた。夜の街で、出歩く若者たち。志村けんの感染は、中年以上にインパクトを与え、藤波の感染は、若者たちにインパクトを与えたと思う。アメリカでは、17歳の少年の死亡が発表され、イギリスでは、21歳の女性の死亡が発表された。どちらも基礎疾患はなく、健康だったという。若者は無敵ではないという事だ。青春とは謳歌するものであるが、多くの間違いも起こすものである。希望は、現実に圧倒される。そのことを、良く理解すべきだ。

 速報値だが、今日も東京では、40人の感染者が出た。世界では、52万人の感染者がなった。アメリカは、8万3千人を超え、世界で最多になった。イタリアも8万人超え、8215人の死者になった。スペインは、56196人の感染者になり、4145人の死者になった。スペインも死者が急増している。マドリード州が中国に発注したものが、あとから中央政府が発注したものと一緒になって届き、それを中央政府が一括して管理分配しているようだ。マドリード州と、中央政府は、党派が違っていて、横取りされた状態になっているようだ。どこの国の政治家も、おかしなことをするという事らしい。また、中国から購入した検査キットは、信頼度30%くらいしかないらしい。それで、中国への返品と交換を求めているようだ。

 早く、首都封鎖をした方が良いと思う。こんな事をいっても、何も変わりはしないが・・・。ドンドン、感染者は増えていくだろう。それは、目に見えている。


 3月28日(土) 雨/曇 10371

 これから会社の研修へ行く。マスク、手袋で出掛ける。

 イギリスのジョンソン首相と保健相の、感染者が確認された。日本は昨日1日で、109人の感染者が確認され合計、1478人になった。世界では、50万人以上の感染者が確認された。アメリカは、10万人を超えた。1週間での失業給付申請は、約350万件だという。スペインは、64095人の感染者が確認された。死亡者は、4934人。マドリード州の感染者は、19200強、カタルーニャ州は、12900強。スペインの過去3日の死亡者は、738、655、769人。医療関係者の感染者は、約1万人。そして、スペインの失業者は100万人を超えているという。スペイン政府は、自営業の知り合いにも年金くらいの現金を支給されるという。こういう補償問題も、今後日本でも問題になるだろう。大使館から中止情報などの連絡がないので、日本人の感染者がないのではないかとといっている。スペイン在住の知り合いからも、そういう連絡は入っていない。少なくても、重症者はいないだろうと思う。

 スペインの新聞でも、感染者は、発表よりも実数の方が10倍あるのではないかという、記事が複数載るようになったという。東京は、3日続けて40人を超える感染者を発表したが、すでに市中感染が進んでるだろうから、この数字の10倍とまではいかなくても、少なく見積もっても、2倍以上いると考えた方が良いように思う。それにしても、若者たちのは、街中に出て集団で活動している。「うつらない」「そんなに重症にならない」とか、考えているようで、自粛するそぶりがない。もちろん、若者だけではない。会社員も、そうだろうし、商売をやっている人たちは、売り上げが減ったとか、目の前のことしかいっていない。本当に恐ろしいのは、近い将来、もっと過酷な現実を突きつけられることを、想像できていない事だ。

 昨日成田で、シカゴ便92人を隔離せず野放しにした。今日の新聞には、成田近郊のホテルに具体的な対応について、何も指示も要請も出していなかったという。空港でも、到着した人たちにどういう対応をするのか、システムが出来ていないようだ。隔離場所は、具体的にどこなのかが、何もないようだ。おそらく、空港をすり抜けていったのは、92人だけではない。それ以前に、何千、あるいは、何万もの人が、市中に放たれている。こういう状態なら、空港を閉鎖して鎖国状態にした方が良い。

 自衛隊が自主派遣で、空港補助に入るようだ。自粛要請初日、街には人はあまり出ていないようだ。3日続けて40人以上という数字は、2週間前の数字だ。これから2週間どういう風に、感染者数が推移するか。その結果が出なくても、首都封鎖を早くした方が良いと思う。


 3月29日(日) 雪/曇 7305

 朝起きたら、外は雪。大粒の雪が降っている。朝食後、外に出た。いつも行くお寺の境内にある桜は、満開状態になっている。その桜の花の上に、雪が降り積もっている。良い塩梅に、後ろの緑と、手前の雪をかぶった桜の花がコントラストになっている。お堂の屋根にも雪、参道の石畳も雪、仏像の笠にも雪が積もっている。雪のため、中山競馬場は、3レース以降中止になった。ルメールもいない、観客もいない競馬。早めにドバイ出掛けていたが、ドバイワールドカップは、中止になり、検疫のため、14日間隔離になった。遠征に行っていた競馬関係者も全て、14日間隔離されている。検査もされ陰性が確認されたという。

 新型コロナウイルス感染者は、全世界で、60万人を超えた。40万人から50万人、そして、60万になるのはあっという間だ。スペインの感染者は、73235人、死亡者は、5982人。全世界での死者が、3万人を超え、その内、半分が、イタリア、スペインの2国になる。日本も感染者が大幅に増えている。昨日の東京の感染者は、62人。半分が、病院の集団感染。千葉の施設でも集団感染で58人出ている。大坂や名古屋でも増えている。やっぱり、大都市部での見えない集団感染も起こっているようだ。感染経路が不明な患者が増えている。

 東京は大雪警報が出るくらい、雪が降って積もっている。これじゃ、外に出る人は少ないだろう。幸いといえば、幸いである。外は寒いが、雪が降る中を歩くのは、楽しい。子供の頃を思い出すからだろうか。雪合戦に雪ダルマ、田んぼの氷った氷を、長靴で踏んで壊すのが楽しかった。意味もなく楽しかった。そんなことして家に帰ると、おばあちゃんに怒られた。汚れて帰ってくるからだ。雪に土が付いて、色が混ざるさまも、理由もなく好きだ。

 昨日の研修で、久々に会った知人と話をした。話て分かったが、全く危機感がないのだ。もう高齢で感染すると危ない年だが、全然平気である。感染爆発の重大局面などという、都知事の言葉の意味が届いていない。スペインに良く行っていることを知っているので、スペインの状況など説明していたが、ようやく危機感を感じたようだ。特に、2月19日イタリア北部ミラノで行われた、アトランタ対バレンシアのチャンピオンズリーグ1回戦で、イタリア、スペインへ、新型コロナウイルスが拡散されたことをいったら、なるほどといっていた。バレンシアの選手10人、スタッフ15人が感染し、応援で来ていたバレンシアファンの多くも感染したようだ。

 速報で、東京で今日も65人以上の感染が確認された。早く、首都封鎖をした方が良い。ここで書いてもどうにもならないだろうけど…。

 スペインでは、週明けから外出禁止がより厳しくなるようだ。テレワーク出来ない時は、出勤しても良いというのが、禁止されるようだ。これが、30日から4月9日までという。しかし、セマナ・サンタの金・土・日も、あるいはそれ以降も続く可能性もあるようだ。と、いうか続くだろうと思う。昨日までの3日間で、655人、769人、839人の死者が出ているのだから。


 3月30日(月) 曇 4178

 朝食後のテレビで、10時前にテロップで、志村けんが新型コロナウイルスで、死亡したことが流れた。NHKは番組編成上の年度替わりで、朝は桑子アナウンサーが入り、夜は和久田アナウンサーが入り、入れ代わった形だが、出演したアナウンサー同士の距離が、2mくらい間をあけて立っている。他の民放などのワイドショーなども、出演者が2mくらいの距離を取っているのが、先週までとの大きな違いになる。ニュース番組なども、これに準ずるように、出演者が距離を取ってでるだろう。今までは、カメラマン側の要請なのか、撮りにくいので近くにということのようだ。

 東京の感染者数は、連日40人以上、ここ2日は、60人以上が確認された。急増している状態で、都知事は、平日の不要不急の外出禁止要請に変わっている。スペインでもそうだったが、4月7日8日のリーガ・エスパニョーラのサッカーの試合をして、世界女性デーのデモも許可して、心配ないといっていたスペイン政府が、9日か10日には、外出禁止の方へ舵を切った。政治家は何処の国でも、ダメなのかもしれない。日本でも、北海道知事が、非常事態宣言をした後に、政府が動き、安倍首相が学校閉鎖にした。それから約2週間後に文部科学大臣が、4月の学校再開をいう。しかし、都知事が週末の外出自粛を要請をすると、特措法の会議を開いて、準備を始めだした。今の政府は、知事が動いてからでないと、動かない。おまけに、東京オリンピック延期の発表の後の外出自粛を要請。オリンピックと新型コロナウイルス対策を、天秤にかけているような感じを、みんなが思っただろう。ようやく、アメリカ・中国・韓国、ヨーロッパなどの入国拒否を発表した。遅すぎる。トランプ大統領は、感染のピークは、今後2週間以内でおとずれるので、4月30日まで、外出などの行動自粛要請を延長した。

 BBCのニュースに以下のようなものが載っていた。「ロックダウンしなくても……ルールに従う独居の多い国の新型ウイルス対策」という見出しになっている。「欧州に暮らす大部分の人が新型コロナウイルスのアウトブレイク(大流行)に直面し、厳しい外出禁止令に耐えている。こうした中で一国だけ、ふつうに近い日常生活を認めている国がある。

長い冬が終わり、スウェーデンの首都ストックホルムには、屋外で座れるだけの暖かさが戻ってきた。市民はこの気候を思いきり楽しんでいる。マリアトリエット広場には、ヴァイキングの主神トールの巨大な像がある。その下で大勢の家族連れが、皆してアイスクリームをほおばっている。さらに通りを進むと、若者たちがハッピーアワーのお酒を楽しんでいる。市内の別の場所では今週、複数のナイトクラブが営業している。しかし、50人以上の集会は29日から禁止だ。スウェーデンの隣国と比べたらどうだろうか。デンマークでは集会は10人に制限されているし、イギリスではもはや、同居していない人とは会ってはいけないことになっている。

■「各自に大きな責任」

スウェーデン国内の通りは、普段よりも目に見えて静かだ。ストックホルムの公共交通機関の運営会社「SL」によると、地下鉄と通勤列車の乗客数は先週、50%減少したという。世論調査からも、ストックホルム市民のほぼ半数が在宅勤務していることが分かっている。国から出資を受ける、ストックホルム市内のグローバルビジネス・コミュニティを支援する企業「ストックホルム・ビジネス・リージョン」は、技術に精通した労働力や、以前から柔軟な在宅勤務を促進してきた企業風土のおかげで、ストックホルムの大手企業では在宅率が少なくとも90%上昇すると推計している。

「在宅勤務が可能な企業はそうしていて、うまくいっている」と、同社のスタファン・インヴァルソン最高経営責任者(CEO)は言う。インヴァルソンCEOのこの言葉は、スウェーデン政府の戦略の核心をついている。公衆衛生当局や政治家たちは今も、厳格な措置を取らずに新型ウイルスの感染拡大を遅らせることを、いまだに望んでいる。実際、厳格なルールよりも、病気の人や高齢者が家にとどまったり、手を洗ったり、必要のない移動を避けたり、在宅勤務をしたりすることに重点を置いたガイドラインの方が多い。スウェーデンはこれまでに、約3500人が感染し、105人が死亡している。

「私たちは大人なのだから、大人にふさわしい行動を取る必要がある。パニックやうわさを広めてはいけない」と、 ステファン・ロベーン首相は先週末のテレビ演説で国民に向けて述べた。

「この危機において、1人ぼっちの人は誰もいない。しかし、1人1人に大きな責任がある」(BBC)

 しかし、日本の首相は、森友問題や桜を見る会の問題にしても、誤魔化しをする語り口に、信用や信頼を無くしている。そういう首相が、スウェーデンのロベーン首相のように、「この危機において、1人ぼっちの人は誰もいない。しかし、1人1人に大きな責任がある」と語ったとしても、なかなか伝わりにくいのではないかと思う。文化として、こういう土壌が日本にはある。首都封鎖、または、全土封鎖をしなくてもやって行けるのかもしれないが、この首相じゃなぁ。全土封鎖、外出禁止は、特措法では法的に出来ないが、それに近い措置を発動する必要があるのではないかと思うのである。

 新型コロナウイルス感染者数は、世界で70万人を超えた。ヨーロッパも増えているが、アメリカの増え方が凄い。スペインの感染者数は、80100人、死亡者は、6803人になった。ここ3日の死亡者数は、769、832、839人である。3月11日マドリード州の全校休校措置を取ってから、20日経ったが、感染者数は、増え続けている。非常事態宣言は、たしか14日だった。外出禁止は、4月9日までになっているが、いつ頃から感染者数が減るのだろうか?これは、データとして推移を見る必要がある。

 今日日本医師会は、記者会見を開き、緊急事態宣言を出して欲しいという要望を出した。イギリスのイングランド副主任医務官のジェニー・ハリーズ医師は、政府の定例会見で、衝撃的な意見を述べた。要約すると、ロックダウンの3週間で措置を見直す方針だが、いつもの生活に突然戻ってはいけない。理由は非常に危険だから。2〜3か月みる必要がある。理想をいえば、3〜6か月見極める必要がある。という。つまり突然解除してまた、感染拡大する可能性があるからだという。しかし、6か月もかかるようになっては大変だともいっているようだ。それは、経済活動などについての事だと思う。BBCの記者は、これまで政府が発表した最も明確な先行きとしての期間だ。全ての規制がなくなるまで、6か月。その間、ビジネス、教育、収入、移動や人に会ったりするようなことに、甚だしい影響を与えるだろうと書いている。

 今日はまだ、東京の感染者の速報は出ていない。


 3月31日(火) 曇 11977

 桜は、ソメイヨシノだけではない。家の近くにも、いろんな桜がある。ようやく芽吹き出した枝垂桜。白とピンクの色のコントラストがハッキリしている桜。源平桜のように、白と赤が混ざったり、別々になって咲くものもある。散歩をしているいると、こういういろいろな桜を観ることが出来る。そして花は、桜だけではない。黄色い花、薄紫の花、青紫の小さな花。さつきも掌を広げたように咲き出した。ツバキなどは、花びらの端が、茶に色が変わり、散りかかっている。枯れ行く花もあれば、咲き誇る花もある。

 「新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、WHO(=世界保健機関)のテドロス事務局長の上級顧問を務める渋谷健司氏がNNNの単独インタビューに応じ、イタリアやスペインなどヨーロッパ各国で感染拡大のピークが来るのは、今後1〜2か月先になるとの見通しを示しました。

WHO事務局長上級顧問・渋谷健司氏「(ピークは)イギリスにおいては、やはり5月6月以降だと思いますけれども、欧州においては、これから1〜2か月の間、社会的隔離がゆるくなると、また感染(拡大)が戻る可能性が大きい。一般的にこうしたパンデミックが終息するまでに、人口の60〜80%が免疫を持つまでは続くといわれています。(終息までに)数年かかるんじゃないでしょうかね」

また、渋谷氏は、イギリス政府が過去に感染していたかどうかを判別するため、大規模な抗体検査を行うと表明していることについて、「感染率を正確に把握するために必要だ」と評価しました。

さらに日本の現状について、「感染爆発がいつ何時起きるかわからない」として、場合によっては、ヨーロッパですでに実施されているような外出規制も検討するべきだと警告しました。 」(日本テレビ)

 渋谷氏の意見では、イタリア、スペインの感染拡大ピークは、1〜2か月後という見立のようだ。日本はどのくらいになるのか?それより、長くなるのか短くなるのか。この1週間で決まるだろう。医師会が緊急事態宣言を要望したが、大阪府知事も早く出すようにと、昨日今日会見でいった。そして、午後の会見で都知事も、同様の内容を強く望んだという。しかし、政府は岩の如く動かない。決断できずにいる。腹をくくれないでいる。覚悟が出来ていない。スペインの感染数は、87956人、死亡者は、7716人。ここ3日の死亡者数は、832、839、812人である。どうやら、医療従事者が感染して、院内感染も多く起こっているようだ。スペインも医療崩壊状態のようだ。

 スーパーで、ネギやキノコ、冷凍スパゲッティを買ってきた。東京の昨日の感染者数は、13人だった。今日の速報では、78人の感染者が確認された。今までで、最多の感染者数を更新した。


 4月1日(火) 雨 11990

 朝から雨が、降り続いている。傘をもって外に出る。小雨だし、風もあまり吹いていなかった。服などにも、あまり雨がつかない状態で散歩で来た。ただ歩いていて暑くなって、汗をかく。雨に濡れた花を観る。人によっては、色っぽいという人もいるのだろうが、どちらかというと、かわいく観える。健気に観える。雨が雨粒になって、今にも落ちそうになっていたり、雨粒が大きくなっている途中のものもある。それぞれの花についた雨粒。その球体の中には、上下が反転した風景が観える。そのなものを観ながら、穏やかな気持ちになれるのは、散歩の密かな愉しみである。

 昨日の夜に、『あまちゃん』などを書いた脚本家の宮藤官九郎が、新型コロナウイルス感染したと、劇団『大人計画』のホームページで発表した。東京で78人確認された感染者のうち、49人が感染経路が不明である。1日での最多で、全国でも初めて200人を超えた。東京では、国立がんセンター、永寿総合病院が外来診療を停止している。永寿からの転院患者から、感染が広まった慶応病院も外来診療がとまっている。がんセンターや、慶応病院のように、院内感染について非常に注意をはらっている病院ですら、感染が広まる。

 東京の感染経路が不明の人たちの中での特徴を、感染対策にあたっている医療チームの見解では、夜の街での感染が起こっていると、推測されるのだという。ナイトクラブ、キャバレーなど、接客を伴う飲み屋など。夜の街だからの特徴なのか、ホステスに客の名前などを、辿れないのだという。銀座のクラブなどは、都知事が会見を開いた一昨日から休業するところが多いという。歌舞伎町では、女性ホステスなど、風俗店の感染が増えているようだ。

 また、つい最近まで、海外から日本に戻ってきた人たちは、ほとんど、検査せず、しかも、14日間の隔離もせずに、入国していたようだ。空港の検疫所は、ほぼ素通りの状態だったようだ。帰国した人たちが、そういう証言をしている。最近は、検査もしているようだが、それでも、仕事に支障が出るとか、めんどくさいとかで、検査も受けず、14日間隔離もせずに、入国している実態があるようだ。政府が、水際対策強化といっても、ほら安倍首相お得意の、「…と、支持しました」という丸投げが続いている。怖い話だ。小泉元首相は、森友の公文書改竄問題で、安倍首相は辞任すべきという見解をインタビューでいったという。それに対して安倍首相は、「新型コロナウイルスの対策を全力でやっている。ほうり投げることは毛頭考えていない」といったという。そして、今日国会で、今は、非常事態宣言をする時でないといった。

 スペインでは、集中治療室で人工呼吸器を外し、医者や看護師におめでとうといわれて、退院した36時間後死亡したという。あまりにショッキングなニュースだったので、その後、ニュースは流れなかったという。希望を砕くようなことだからなぁ。スペインの感染者数は、95923人、死亡者は、8464人。ここ3日間は、838、812、849人。

 雨が降っている天気のように暗い気分になる。世の中、コロナ、コロナで、コロナ一色。美味しいものを食べて、気分を変えたい。牛肉、羊肉と鶏肉を買ってきた。今日は、何の肉食べようか?エイプリルフールなのに、嘘をつく気にもならない。速報では、東京の感染者は、65人以上だという。これで、合計550人を超えたという。


 4月2日(木) 晴 風強い 9863

 羊肉の昼食を食べた後、散歩に出かけた。午後から風が強くなって、帽子が飛ばされそうになる。お寺や神社、スーパーや八百屋などにも寄った。歩いている時は、マスクはせず、スーパーなどに入る時は、マスクをした。ずーっと風邪気味だが、良くも悪くもならない。熱もない。コロナじゃないのだろう。

 エイプリルフールで、1番ガックリした発言は、安倍首相がいった、1家族に2つの布マスクを配ると、いったこと。何を考えているのかと、感じてしまう。そんな事やるなら、もっと大事なことがあるんじゃない。マスクでいうなら、月6億枚といっていたが、市場にはいまだにない。それは良いとして、医療関係者や、養護施設などに、行っているのであればいいのだが、そこが足りないという。どうなっているのかと、思ってしまう。そういうのって大事なことだと思う。

 このまま行くと、感染者に対しての病床数が足りなくなる。東京ではもうギリギリだ。軽症の感染者を宿泊施設に隔離して、重症者を病院で治療するようにしなければならないが、それが出来る状態ではない。だから、医師会、専門家会議が、爆発的な感染拡大になる前に、医療崩壊が先に起こると警鐘を鳴らした。感染症に指定されているので、病院に入院と法律で決まっているという。それを、解除して軽症者を宿泊施設に隔離して、医療現場が重症者の治療に専念できる環境を作って欲しいと、頼んでいるようだが、国というよりどうも厚生労働省が許可を出さないようだ。こんなことやっていると、医療崩壊するだろう。

 韓国の場合は、そうなってから、大企業などが宿泊施設など、いろいろな協力をして、軽症者の隔離をして、1日3食の弁当提供や、生活必要物資を無料で提供したという。検査も、ドライブスルーなどで、1日1万以上やって、抑え込んだ。非常事態宣言も封鎖もなかったようだ。たぶん、病床が足りなくなってからしか、動かないんだろうなぁ。

 イギリスは、テニスのウインブルドンとゴルフの全英オープン男子の中止を決めた。スペインでは、セビージャのフェリアを9月に延期しようという動きがある。セビージャだけでなく、他も祭りも、9月10月に延期で開催されるとすれば、オーバーブッキング状態になるだろう。各祭りの日程が重なり、大変な事になりそうだ。ホセ・トマスが復帰出場予定のニームは、どうなっているのか?少なくても、予約を入れたホテルは、だいぶ前に予約をキャンセルされたようで、予約のメールはちゃんと来たのに、予約が入っていない状態になっている。おそらく、フェリア自体が中止になると思う。

 新型コロナウイルス感染者数は、あっという間に、93万人になった。イタリアの感染者数を、もう直ぐスペインは追い越すだろう。イタリア11万。スペインは、104118人、死亡者は、9387人になった。スペインの方は、感染がまだ止まっていないようだ。東京の感染者は、97人になった。過去最多。全国でも、160人を超えた。


 4月3日(金) 晴 11629

 穏やかな天気だ。桜もまだ咲いている。道端にある小さな花まで、綺麗で可愛く咲いている。名前の知らない花が、こんな処で咲いているのか驚き、そして、嬉しくなる。1世帯布マスク2つ。面白くない冗談で笑えない。でも、アメリカでは、失笑されている。アベノミクスではなく、アベノマスク。そして今日、1世帯30万円給付するいう。お金なんかいらないから、早く、緊急事態宣言をして欲しい。スペインの医療組合が、政府が現場の医師の警告を無視して、無策に新型コロナウイルスを拡散させたと糾弾した。手袋、マスク、防護服などを用意するようにいっても、全国17地域の内、10地域で当局を提訴した。カタルーニャ州の1件は却下されたが、裁判所は早急に手袋、マスク、人工呼吸器などの個人用防護具を現場へ提供するよう命じた。

 東京のひっ迫する病床不足。厚生労働省が、ようやく重い腰を上げた。朝に、軽症者の自宅やホテルなど宿泊施設での療養を決めた。これを閣議で決定した後に、加藤厚生労働大臣が発表した。ギリギリの状態になってから動く。これって、政府の姿勢なのか、それとも厚生労働省の姿勢なのか?最大限に、医療現場の不安を、あおってからでないと決定できない。手袋、マスクだけじゃなくて、防護服が日本で生産されていない様で、これが足りなくなってくるようだ。これも、現場での大きな問題になってくるだろう。スペインのように、医療関係者の14%くらいが感染することだってあるわけだし・・・。

 「ドイツ政府は、富士フイルムのグループ会社が開発した抗インフルエンザ薬「アビガン」を、新型コロナウイルス感染者への治療効果が期待されるとして、大量に購入する方針を決めた。

 2日付のフランクフルター・アルゲマイネ紙が報じた。購入規模は、数百万セットに上る可能性があるという。

 アビガンについては、中国政府が治療効果を臨床試験で確認したとしており、同国企業が後発医薬品(ジェネリック)の生産を進める方針。ドイツの新型ウイルス研究第一人者であるシャリテー大学病院ウイルス学研究所のドロステン所長は同紙に、アビガンについて「有望だ。効果を示す初期段階のエビデンス(根拠)がある」と述べた。」(時事通信社)

 中国でのデータでは、発症6日までにアビガンを投与した場合は、有効な効果があったという臨床データがある。12日までに飲んだ場合より、初期の場合の方が、効果があるという。このデータを言っているのだと思う。日本も早く、現場で有効とされる4つ5つの薬物治療のデータ取りなどやらないければならないはずだ。たぶん、ここでも厚生労働省がネックになっているのだろうと想像する。アビガンは、妊婦に投与してはならないらしい。そういうのもあって、なかなか進んでいないのかもしれない。

 新型コロナウイルスは、いつ終息するのか?感染者数の関数は、初めのピークの曲線の時、対策を打って下降する。対策が緩むとまた曲線は上昇する。この繰り返しが何度か繰り返されるという。そうしているうちに、国民の60〜80%が感染して抗体が出来ると終息するか、その前に、ワクチンが開発されおさまるかという事のようだ。

 中国では、症状が出ない感染者を、ある時期からカウントしなくなって、それを知った首相が、カウントするよう指示したというニュースもある。韓国は、ピークを脱したが、総選挙が昨日から行われている。選挙運動で、市民が集まっている。これでまた、感染が広がりそうだ。日本は、感染者の関数曲線が、これからピークをむかえるだろう。一説には、BCGを打っていると感染しにくいという話がある。本当かどうか不明。単なるネットの噂かもしれない。いずれにしろ、人が集まる処に、出掛けない方が良いに決まっている。手洗いの徹底と、外出時に顔、鼻、目を触らない。3密を避ける。

 感染者は世界で、100万人を超えた。アメリカは24万人である。失業保険申請は、先週に続き過去最多の664万8千件。これは、先週の2倍、リーマンショックの10倍の数だという。この2週間で、1000万人の失業者が出たことになる。スペインの感染者は、112665人、死者は、10348人。スペインでも失業者が、約100万人出たという。今日東京では、89人の感染者が確認された。


 4月4日(土) 晴 9593

 朝食後、外に出る。穏やかな天気だ。お寺や神社、散歩道の花を見る。こないだまで咲いていた、桃の花が散って、全く木が切られた思った。良く観ると、桃の花が散っただけだった。それなのに、風情が全く違って観える。それが一瞬、木が切られたのかと、観えてしまったのだ。不思議なものだと、思った。こんな風に感じたのは、初めてだ。これは、こうだと思ったものが、違った形でそこにあると、同じものが、同じように観えなくなる。感じなくなる。その時、そこにあるものの大事さを感じた。なくなってから、感じる心持ちがあるのだ。夕方近くになって、風が吹いてきた。

 NHKは、朝ドラと大河ドラマの収録を中止した。TBSもドラマの収録を中止した。新型コロナウイルスの感染者数が、増えていることが影響しているのだ。芸能界でも、プロ野球や、サッカー、バスケットなどの選手にも感染者が出ている。JRAの職員にも感染者が出て、濃厚接触者と思われる騎手3人が、出場出来なくなり、乗り替りになった。

 昨日日本での1日の感染者数は、初めて300人を超え、合計で3000人を超えた。今日の速報で、東京の感染者数は、118人だという。初めて、100人を超えた。東京には、外出自粛を要請が出ているので、新宿、渋谷、池袋など主要街もガラガラのようだ。大阪の歓楽街、飛田新地の料亭組合が160ある全ての店が、話し合いで休業にした。「お客さん、今は遊んでる時とちゃいまっせ。じっとしときなはれ」という事らしい。東京だけでなく、大阪のような大都市は、危機感が一気に高まっているようだ。ほぼ毎日散歩の途中で、スーパーなどで買い物をするが、今日は寄っていない。今日は、買い物には行かない。

 世界では、110万人の感染者になった。ニューヨークだけで、10万人を超えたようだ。スペインはイタリアの感染者数を超えたという。119199人の感染者数で、死者が、11198人。この3日間は、864、950、932人。2日続けて、900人以上の死者が出ている。


 4月5日(日) 晴 12331

 朝食後、スーパーに買い物に行く。初めに行ったスーパーは、開店直前で30人ぐらい並んでいた。人ごみを避けたかったので、遠くのスーパーに行き先を変えた。入口にある消毒用アルコールに、手を浸す。一旦戻って散歩。コロナ騒動に関係なく、散歩道には花が咲く。風が吹けば揺れ、穏やかなら日を浴びる。お寺の桜は散っている処もある。蕊だけを残して、花びらは風に散った。昨日のBSプレミアムでやった、『令和を彩る京都の桜』に、桜守の佐野藤右衛門が出ていた。長年仁和寺の御室桜を観て来た人。

 植木屋の庭園には150種類の桜があるという。日本にある桜は、3つの桜の交配から出来たといっていた。ソメイヨシノは、雌蕊と雄蕊が退化しているので、種が出来ないという。だから接ぎ木などをして、植えるのだという。藤右衛門がいうには、ソメイヨシノは、幹に観えるところは、枝なんですという。幹ちゃいまっせ、枝ですわ。桜が散った後、サクランボの種から桜を育てるのだろう。ソメイヨシノは、それが出来ない桜。この番組の前に、『京都人の密かな愉しみ 桜散る』を、競馬をしながら観ていた。そこにも、佐野藤右衛門が出ていた。御室桜を焼いて灰を作っていた。この灰は、焼き物の釉薬になる。桜の木は、秋に落としたもの。花が咲き、葉が出ている時は、木が水を吸っている。水を吸わなくなる秋に枝をなどを切ったものを乾燥させて焼くと、良い灰が出来るという。

 東京では、慈恵医大の院内感染が判った。これは、東京だけではなく、他の地方でも起こっている。これは当然起こることだ。スペインでは、医療従事者の14%が院内感染を含め、感染した。

 安倍首相のように、やんごとなき方は、世の中に何が起きても我関せずの体を崩さずのようだ。さりとて、一世帯30万円という給付に満足しているが如く、やっぱり、ポピュリズムでもある。この高貴なお方は、妻には頭が上がらないらしい。空気も読まなければ、先を読むこともない。憲法改正という信念だけが、大事なことのなのか。やんごとなき方、下々のものとは感覚がまるで違うようだ。そうです、そのように、思うがままにやりたいように、おやりになればいい。そうしか出来ないのであれば。

 スペインでは、自宅隔離されている人や、あそこの老夫婦が死んだという話が噂になっているという。日本人でも、死んだ人がいるそうだ。日本でも、聞いた話では、店を開いていた人が、客足が途絶え、売り上げがなくなり、家賃を払えなくなり、自宅兼店を出され路頭に迷ってしまった人がいるという。キリギリスのような生活をしていると、アリのように冬を越す為の貯えを持っているいる人に頼ろうとするのだろう。でも、役所やNPO、お寺など、必死になって探せば、なんとかなるはずだ。一人一人が、自覚してコロナショックを乗り越えなければ、この先にある不況には、立ち向かう事は出来ないだろう。

 世界では、120万人の感染者数になった。スペインの感染者数は、126168人、死亡者は、11948人。ここ3日間の死者は、950、932、806人。速報では、東京の今日の感染者は、130人以上だという。1日最多の感染者数を記録した。


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

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