断腸亭日常日記 2020年 11月 その1

--バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で--

por 斎藤祐司


 11月23日(月) 晴 10190

 目覚ましで起きれず、遅くなった。炭酸水を飲んで、準備して散歩へ出た。外は寒い。人出も少ない。帰りに弁当屋へ寄って、唐揚げ弁当を買ってきた。久々に、弁当屋で買った。ご飯が多い。それで、納豆を出して残りのご飯を食べた。今日は勤労感謝の日で、ラグビーの早慶戦をテレビでやっていた。秩父宮ラグビー場には、観客が多く入っていた。大学のサークルなどで切符が売りさばかれて、学生やOBが多く来ていたのだろう。3連休で、GO TOでの観光地などで、人出が多いようだ。移動すれば、感染が増えるのは、ヨーロッパでの感染状況を見れば判ること。キャンセル料がかかるから、出掛けたという人も多いようだ。それは、それぞれの判断でやれば良いが、政府の対応は鈍い。今日の阪神競馬場の最終レースで、3着が3頭同着という非常に珍しい事象があった。写真判定も長くなる訳だ。2頭同着はたまにあるが、3頭同着は初めて観た。

 土曜日の夜、NHKで、『三島由紀夫 ‟50年目の青春論”』をやっていた同じ時間に、BSプレミアムで、『‟イマジン”は生きている ジョンとヨーコからのメッセージ』をやっていた。ビートルズのジョン・レノンと小野洋子。そう60年代の時代の寵児だ。マッシュルーム・カットで、世界中に新しい音楽を発表したビートルズの中心にいたジョン・レノン。ニューヨークで、前衛芸術をやっていた小野洋子の個展で出会った。脚立の上にあった白いキャンパス。虫眼鏡があって、それで観ると、YESと書かれてあった。それが始まりだった。ビートルズで、誰が好きかといえば、ポール・マッカートニーではない。もちろん、ジョン・レノンだ。天才的なメロディーメイカーのポールより、ジョンの方が絶対的に素晴らしい。生き方も、歌も。そして、歌声も。歌が、素直に入ってくる。

 『LOVE』が流れていた時に写っていた時の映像は、京都の対龍山荘だと思う。琵琶湖疏水から小川治兵衛が水をひいて作った庭。非公開の庭を、観ていたことに驚いた。洋子と知り会って、日本文化も吸収しようとしていた。俳句が好きだったようだ。『イマジン』の歌詞だって、洋子の詩からインスピレーションを得て、書いた物だった。何かあの歌詞の世界がスーッと入ってくる。シンプルな歌詞。三島のように、修辞で飾らない言葉がある。『労働者階級のヒーロー』のジョンがいる。ジョンは、三島のように幸せな家庭で育っていない。生まれた時、父は蒸発して、母は新しい男が出来て、育児放棄で叔母に育てられた。少年になってようやく、母と会う時間が出来て、そこでギターのコードを教えて貰う。これから母子の関係を作ろうとしていた17歳の時に、交通事故で死ぬ。非番の警察官の飲酒運転だった。ジョンにとって、歌は母から与えられた愛すべきものだったのだろう。

 例えば、三島のように幸せな家庭に育っても、太宰治みたいなぐれ方をする方が、好きだ。ジョンは、洋子が3度の流産の後に出来た子供を可愛がった。だから、音楽活動を休止して、主夫として子育てに専念する。5歳になった息子が『イエロー・サブマリン』を観て、パパはビートルズだったの?と、いわれ、活動を再開する。レコーディングする姿を息子に見せた。発売されたアルバムは、ヒットチャート1位を獲得する。が、3週間後自宅前で、射殺された。洋子と息子と3人で、幸せに生きようとしていた。でもそれは出来なかった。三島は、自殺というよりどちらかというと、死ぬ方向へ誘われて行った思う。が、そういう人間と、ジョンは正反対の人間だった。余計な言葉をはぶいて、歌詞を作る方法は、俳句にも似ている。そこも、飾り立てる三島との違いだろう。だから歌になり、人の心を打つのだと思う。

 「 あなたの一日はどんな感じですか?ベーシックな日だと・・・。 ジョン レコード作りをしていなければ、朝6時に起きる。キッチンに行ってコーヒーを飲み、タバコを吸ったら、7時に新聞が届く。ショーンは7時20分ごろ起きるから、朝食に何を食べているか観察する。朝食作りはしない。もう懲りたから。ヨーコが仕事に向かう前に、キッチンに立ち寄る時間があれば、エスプレッソを作ってあげる。仕事場に持って行けるようにね。」 やっぱり、朝起きて飲み物を飲んだら、タバコを吸うのが1日の始まりなんだと思った。

 世界では、5866万6千人の感染者が出、138万8千人が死亡。アメリカは、1224万7千人の感染者、25万6千人が死亡。スペインは、週末のためデータ更新がない。1556730人の感染者、42619人の死者。ここ3日は、328人、不明、不明の死者。東京では、ここ3日、522、539、391人の感染者(149日連続45人以上、20日連続100人以上、5日連続300人以上)が出て、昨日までの累計で、37708人。479人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、2168人増え(6日連続2000人以上、1週間で1万4千人以上)、133117人の感染者、1988人の死者。東京の速報は、314人の感染者が確認された。


 11月24日(火) 曇/小雨 11559

 ジョンのように、6時には起きれなかった。朝食は何にしようか考えたが、手っ取り早く牛肉そばを作ることにした。キノコも野菜もネギも入っている。午後になり、散歩へ出た。銀行へ行った戻り道で、小雨が降っているのに気づいたので、部屋に戻り傘を持って出かけた。お寺や神社を歩いた。菊の花も、少しずつ色あせてきた気がする。戻ってスーパーで買い物をした。何もしなくても、何かをしても、時だけは流れていく。

 昨日BSプレミアムで、『阿修羅 1300年の新事実』をやっていた。JR奈良駅を降りて、三条通を歩いて行くと、東向き商店街がある。近鉄の奈良駅を降りて直ぐの処にも。昔、興福寺の門前に、興福寺に向かって商店街が出来た名残だと、『ブラタモリ』で、京都高低差崖会の梅林秀之がいっていた。断層があって、その上に興福寺がある。三条通を歩いて行くと猿沢池が見え、左側に五重塔が見えてくる。修学旅行で泊まった宿はこの近くだと記憶する。猿沢池から五重塔を撮るのが写真スポット。その高低差が判る。

 その道を真っ直ぐ行くと、左手に奈良国立博物館があり、さらに進むと春日大社へ行きつく。その間の左側に、東大寺がある。興福寺の阿修羅像は、日本で一番有名な仏像の一つ。光明皇后が、関わったといわれている。聖武天皇との間に生まれた、基王が生まれたが1年も経たずに病死した。番組では、もし基王が生きていたらと、八部衆の仏像の顔に子供の顔を作るように命じたのではないかという。阿修羅の三面ある顔は、恐い阿修羅の顔ではない。十代の少年の顔だ。光明皇后は、今でいう福祉施設や病院などを作って人々の救済をした。

 父は、藤原不比等。東大寺の盧舎那仏(大仏)建立を、聖武天皇へ進言したのは光明皇后だという。聖武天皇の崩御した後、正倉院を作り、遺品などを収蔵し、七七忌は、東大寺ではなく、興福寺で行われたと記憶する。興福寺は、藤原氏の菩提寺。そして、春日大社と強い結びつきがある。東大寺、春日大社、興福寺の三角形は、面白い。阿修羅像の顔を少年の顔にした光明皇后。聖徳太子や、天武天皇、持統天皇と並んで、面白い。奈良の街に、鹿がいるのは、春日大社があるからだ。阿修羅像や五重塔がある興福寺。お水取り(修二会)や、大仏、正倉院がある東大寺。その文化的な物に、聖武天皇、光明皇后に関係が強いことに、興味が沸く。阿修羅像の困ったような少年の顔。不思議な魅力がある。

 世界では、5919万2千人の感染者が出、139万6千人が死亡。アメリカは、1242万人の感染者、25万7千人が死亡。スペインは、1582606人の感染者、43131人の死者。ここ3日は、不明、不明、512人の死者。東京では、ここ3日、539、391、314人の感染者(150日連続45人以上、21日連続100人以上、6日連続300人以上)が出て、昨日までの累計で、38022人。479人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、1520人増え、134635人の感染者、1996人の死者。東京の速報は、186人の感染者が確認された。


 11月25日(水) 雨のち曇 11723

 やっぱり、6時には起きれなかった。朝食は、牛肉そばを作ろうと思っていたが、牛肉を入れるのを忘れて、キノコそばになった。それでも、美味しかった。BLを整理して、ダビングしたりした。ずっと雨が降っているようで、回収ゴミを出した時は、やんでいた。午後になって、散歩へ出た。お寺の紅葉は良い感じになっている。桜でも、紅葉でもそうだが、旅行へ行って観ると、ちょっと早いとか、盛りが過ぎたと思う時がある。丁度いい時に、桜や紅葉を観るのは難しく、いつか良い時にあたるだろうなどと考えたりする。

 今年は、旅行へ行かないで近所の紅葉を楽しんでいるが、丁度いい紅葉って何だろうと思う。2日前に観たときは、過ぎたかなと思っていたが、今日は雨に濡れた紅葉が綺麗だと思った。桜や紅葉の絶対値ってあるのだろうか?ここだとか、決まったものがないような気がする。満開の桜を見れば、際限なく降り続く、桜吹雪が観たくなる。太陽光線に当たった、紅葉を見上げれば、赤と黄と緑のコントラストにワクワクし、散り紅葉を観て綺麗だと思えば、木に残っている紅葉の寂しさを感じたりもする。何がベストなのかは分からない。そこにある風景を、楽しむ心が1番なのだろう。10年前の今日、金閣寺で紅葉を観た。三島由紀夫40回目の命日だった。今日は、近所のお寺で紅葉を観た。そして、フランス人闘牛士、ニメーニョⅡの29回目の命日でもある。

 ニューヨークダウが、史上初めて3万ドルを超えた。政権移行手続きが始まったことを、好感しての株高だ。日経平均もつられるように上昇した。実体経済と関係なく、コロナ禍での金余り現象が、こういう相場になっている。桜を見る会で、安倍前首相事務所が、ホテルでの夕食会費を補填しているという情報が、事務所関係者から出ているという。桜が咲き、そして散り行く様に似て、人の心も、政局もうつろう物である。変らないのは、コロナ感染者が増え続けることだけである。

 世界では、5978万7千人の感染者が出、140万9千人が死亡。アメリカは、1259万7千人の感染者、25万9千人が死亡。スペインは、1594844人の感染者、43668人の死者。ここ3日は、不明、512、537人の死者。東京では、ここ3日、391、314、186人の感染者(151日連続45人以上、22日連続100人以上)が出て、昨日までの累計で、38197人。479人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、1228人増え、135846人の感染者、2015人の死者。東京の速報は、401人の感染者が確認された。


 11月26日(木) 晴 11904

 6時に起きるのは無理と思い、目覚ましをセットしていたが、それよりも前に目が覚めた。多くなってきたので、テレビを観る時間が長くなった。昨日の『刑事コロンボ』は、闘牛士の栄光というもので、メキシコの有名闘牛士の物だった。遅かったので途中でやめたが、録画しているので後で観ようと思う。夕方近くなって散歩へ出た。日々紅葉は色褪せ、落ち葉に変わっている。公園では、子供たちが遊び無邪気に笑い声をあげている。のどかな日常があるが、北海道から始まった秋冬季節の第3波は、感染者を増やし続けている。長い間、感染者がいなかった岩手県は、毎日感染者を出し続けている。

「ポケットをさぐると、小刀と手巾(ハンケチ)に包んだカルモチンの瓶とが出て来た。それを谷底めがけて投げ捨てた。
 別のポケットの煙草が手に触れた。私は煙草を喫(の)んだ。一ト仕事終えて一服している人がよくそう思うように、生きようと私は思った。」(『金閣寺』三島由紀夫) 「諸君たちの熱情は信じる」(東大全共闘との対話集会での三島由紀夫の最後の言葉)

 神の手を持つディエゴ・マラドーナが、11月25日に死亡した。サッカーの天才で、アルゼンチンの貧しい家庭から出た。その為か有名になって大金が入って、性格が破綻している事が判った。環境がそうしたのか、そういう資質があったのかは判らない。色いろな事件なども起こしたが、アルゼンチン人にとって、マラドーナは、神だった。民衆の熱狂は、良くも悪くもマラドーナゆえのもの。メッシではああはならない。色々なスーパースター選手たちが、コメントを発表している。当然だろう。アトレティコ・デ・マドリードのジエゴ・コスタが、戦線離脱した。9月に新型コロナウイルス陽性が確認され、左足不調を訴えて検査の結果、、左足の深部静脈血栓症が発見された。おそらく、コロナ後遺症だろう。主なスポーツ選手で、後遺症の報告は初めてだと思う。後遺症は、多く症例が発表されている。血栓は勿論、心臓の障害、筋肉炎症、記憶障害などもある。血液に関するものが多いようだが、脳や内臓の障害の症例も発表されている。6000万人を超える感染者が確認された。

 世界では、6042万人の感染者が出、142万1千人が死亡。アメリカは、1277万7千人の感染者、26万2千人が死亡。スペインは、1605066人の感染者、44037人の死者。ここ3日は、512、537、369人の死者。東京では、ここ3日、314、186、401人の感染者(152日連続45人以上、23日連続100人以上)が出て、昨日までの累計で、38598人。482人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、1946人増え、137787人の感染者、2036人の死者。東京の速報は、481人の感染者が確認された。


 11月27日(金) 曇 11384

 起きてみたらゴミ出しのの時間。それから牛肉そばを作って食べた。昨日の夕方は、図書館へ行って本を返し、スーパーで買い物。今日は、『刑事コロンボ』の闘牛士の栄光を観た。闘牛のことや、牧場の頃など、しっかり調べてある脚本だった。元有名闘牛士ルイス・モントーヤが、牧場主の牧場で、使用人が牛に殺される事件。地元の名士のモントーヤは、最後のメキシコの大闘牛場で、足をやられる。血を流しながら、ファエナを続け、耳2枚と尻尾を取った事を自慢話にしていた。その怪我がもとで引退した。

 長年彼に仕えてきたおそらくバンデリジェーロだった、エクトール。住み込みで牧場を手伝っている。その息子のクーロが、おそらく闘牛士を目指しているようだ。クーロが牧場のテンタデーロで、マリネロという牛に、コヒーダされて病院へ担ぎ込まれる。この時、牧童が使う棒で助けたのが父親のエクトールで、クーロを抱きかかえたのが、モントーヤだった。棒ではなく、普通に考えれば、カポーテになるはずだ。クーロは、コヒーダでその時の記憶がない。父親のエクトールは勇敢だったが、モントーヤはおびえて何も出来なった。

 殺人の動機は、モントーヤが勇敢でなかった自分を見られて、エクトールを殺したことになっている。しかし、長年闘牛場に一緒に立った人間なら、そんなことは、関係ないと思った。エクトールはそれについて、何も思わないだろう。足が悪いのだから、仕方ないと思うだろう。モントーヤの方から見れば、足が悪く、その為におびえていたとすれば、自分の年を取った思うだけだと思う。が、実際有名な闘牛士だったとすれば、こういう事は起らないと思うのは、闘牛を観て来て感じる感想だ。足が悪かろうが、片目しかなかろうが、アレナに入ったら、それは関係なくなると思う。昔のように出来なくても、昔取った杵柄。それなりに出来るはずだ。出来ないのであれば、上から見ていると思う。そういう処に、脚本の無理があるように思った。

 東京では、過去最多の570人の感染者が確認された。でも、先週に比べれば、鈍化しているような感じだ。それでも、3連休があったので、その結果は、12月の第1週に出る。その数がどれだけになるのか。昨日菅首相は、「この3週間が極めて重要」といっているが、ほぼ対策を打っていない。GO TO タラベルは、菅首相肝入りの物だという。経済を止めないように、その効果はあったが、今は、感染を止めることを最優先にすべき時なのに、それをやめようとしない。これでは、政府が本気になっているというメッセージが国民に届くだろうか?という疑問が沸く。

 世界では、6099万7千人の感染者が出、143万2千人が死亡。アメリカは、1288万3千人の感染者、26万3千人が死亡。スペインは、1617355人の感染者、44374人の死者。ここ3日は、537、369、337人の死者。東京では、ここ3日、186、401、481人の感染者(153日連続45人以上、24日連続100人以上)が出て、昨日までの累計で、39078人。485人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、2504人増え、140290人の感染者、2065人の死者。東京の速報は、570人の感染者が確認された。


 11月28日(土) 晴 11866

 目が覚めた時が、起きる時のように起きた。競馬が始まる前だった。朝食は、豚肉そば。部屋で、グジュグジュやっていて、散歩へ出るタイミングを失くした。競馬が終わってから散歩へでた。空にはもう十三夜の月が浮かんで見えた。帰ってテレビをつけたら、『あの日に帰りたい』を、荒井由実と沢田研二が歌っていた。ジュリーの歌声はやっぱり良い。ユーミンの歌でさえ、良い歌に聴こえる。

 明日は、ジャパンカップ。史上最高の三冠馬、3強対決だ。牝馬三冠のデアリングタクトは、初セリでは、値段が付かず、主取り(生産者が引き取る)になった馬だった。母親が未勝利馬で、魅力的な馬ではなかったのだ。生産した長谷川牧場は、日高の小規模牧場。それでも次のセリの時に、歩き姿に惚れた人がいる。岡田牧雄。セリの平均の1/3の値段の1200万円。岡田スタットという育成牧場を持っている。兄の繁幸は、いわゆる「マイネル軍団」の総師。日高で、血統よりも、育成で強い馬を作ろうとしている。1日20時間の放牧して、体も精神力も強くする。それが開花したのがデアリングタクトだった。

 牡馬三冠のコントレイルの馬主は、前田晋二。生産は、ノースヒルズ。前田幸治、晋二兄弟が中心になっているオーナーブリーダー。鳥取の大山(だいせん)ヒルズという育成牧場を作ってから強くなった。実はこの馬の母親も未勝利馬。近年GⅠ馬を送り出すノースヒルズ。その中でも、最強馬になっているコントレイル。そして、牝馬三冠馬にして、合計八冠のアーモンドアイ。生産は、日本一のノーザンファーム。馬主は、クラブ法人のシルクレーシング。良血のお嬢様で、絶対女王。心情的には、日高の零細牧場が生産したデアリングタクトを応援したい。でも、勝つのは良血のアーモンドアイだと思う。馬券は、この3頭の三連複を買うだろう。

 奈良の鎌倉仏師集団、慶派。南都焼討で、寺や仏像が焼け、復興のために仏師たちがかき集められた。東大寺南大門にある金剛力士像は、運慶が棟梁になって2か月で製作されたといわれている。その中に、快慶もいた。動きがある仏像は、公家の時代から武士の時代に合った益荒男ぶりの仏象だった。だから、鎌倉政権にすり寄るような形で、運慶は依頼がこたえた。だから、鎌倉にも仏像が残っている。快慶は、ある時期から貧困層などの庶民の中で、仏像を彫って行った。由緒の明らかでない小寺にも作品が残っている。仏像の胎内に、快慶の名があり、多くの庶民の名前が記された文書が発見されている。穏やかな顔の仏像が、快慶の物。興福寺、北円堂の運慶作の無箸像、世親像の顔も何ともいえない表情が魅力的だ。運慶だって快慶のような仏像を彫れたのだと思う。が、それをやらなかった。権力へすり寄らず、金や名声ではなく、貧しい庶民の中に、仏を求めた快慶の仏像の方に魅かれるのは何故だろう。

 世界では、6170万7千人の感染者が出、144万3千人が死亡。アメリカは、1309万1千人の感染者、26万4千人が死亡。スペインは、1628208人の感染者、44668人の死者。ここ3日は、369、337、294人の死者。東京では、ここ3日、401、481、570人の感染者(154日連続45人以上、25日連続100人以上)が出て、昨日までの累計で、39649人。488人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、2531人増え、142818人の感染者、2095人の死者。東京の速報は、561人の感染者が確認された。


 11月29日(日) 曇 8385

 目覚ましが鳴っても、起きれなかった。起きてからは、炭酸水飲みながら、インスタントの塩ラーメンを作った。豚肉に野菜とキノコ入り。今日は、準備して散歩へ出た。池のある寺には、小鳥が一杯いて鳴き声を交わしていた。帰って来て、競馬。ジャパンカップは、キセキが大逃げをして、1000m通過が、57.9秒で、後続に10馬身以上(実況放送では20馬身といっていた)離して最後の直線に入った。流石に飛ばし過ぎで後続が殺到した。アーモンドアイが接近し、コントレイルがそれを追う。並んで、デアリングタクトは、カレンブーケドールとグローリーヴェイズの間で伸びてくる。優勝は、アーモンドアイ。1馬身1/4差の2着は、コントレイル。3着が首差で、デアリングタクトだった。やっぱり絶対女王のアーモンドアイが勝った。美人の目をいうアーモンドアイ。良血のお嬢様は強かった。そして、古馬の壁に突き当たった2頭の3歳三冠馬、コントレイルにデアリングタクトも良くやった。世紀の戦いは、発走前に約5分待たされたが、レース中アクシデントもなく、良い勝負が観れた。

 引退レースになったアーモンドアイは、優勝賞金3億円で、生涯獲得賞金も19億円を超え、日本一になった。騎乗したクリストフ・ルメールは、GⅠ4連勝で、今年8勝目のGⅠ勝利になった。東京競馬場の入場希望者が殺到して、先週の時点で、11倍の競争率だったという。三冠馬、3頭の夢の競演は終わった。こんなレースは、100年に1回も観れないだろう。

 昨日の夜、Eテレで、『達人達』鈴木敏夫X津野海太郎を観た。それってジブリの鈴木敏夫が観たかったんだろうと思うかもしれないが、そうじゃない。津野海太郎が観たかったのだ。2人の共通点は、出発が雑誌の編集者。黒テントで演出をやっていた津野海太郎。その前は、六月劇場で、岸田森、草野大悟、悠木千帆(樹木希林)などで、演出、プロデュースをしている。岸田森と悠木千帆が結婚していたことを初めて知った。それはいいとして、常にサブカルチャーに身を寄せた。晶文社で、植草甚一などを出版した。ジャズ評論家の植草甚一は、レコード・コレクターでもあり、10万枚ともいわれる莫大なコレクションは死後、タモリに相続されたことは有名だ。ついでにいえば、ジュリーがグローブ座で、コンサートというか歌の演劇を毎年やっていた時期があるが、その時、演出をやっていたのは、黒テントの加藤直だった。だから、津野海太郎には黒テントの芝居を観ていた頃から気になるのだ。

 『翼を燃やす天使たちの舞踏』の映像があった。写真では、岡林信康なども写っていた。俺の中では、伝説のアングラ演劇だ。草野大悟、清水紘冶、吉田日出子、串田和美、斎藤晴彦、新井純、服部良次、山口美也子、安田南、もちろん、岡林も劇中歌で、『俺らいちぬけた』『墜ちた鳥のバラード』を歌っている。構成は、佐藤信、山元清多、加藤直、斎藤憐。演出は、佐藤信。黒テント観ながら津野海太郎って何なんだろう?音楽の林光(大河ドラマの作曲もやっている)ってなんだろう?といつも思っていた。そういう疑問が、これを観て判った部分がある。いつも僧侶が着る作務衣を着ている鈴木敏夫が、高畑勲と宮崎駿の間に入っての苦労話も面白かったが、津野海太郎の存在が知れて良かった。その後、『転生する三島由紀夫』を観た。

 世界では、6226万5千人の感染者が出、145万2千人が死亡。アメリカは、1324万6千人の感染者、26万6千人が死亡。スペインは、週末のためデータ更新がない。1628208人の感染者、44668人の死者。ここ3日は、337、294人、不明の死者。東京では、ここ3日、481、570、561人の感染者(155日連続45人以上、26日連続100人以上)が出て、昨日までの累計で、40210人。488人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、2684人増え、145502人の感染者、2110人の死者。東京の速報は、418人の感染者が確認された。


 11月30日(月) 晴 10729

 目覚まし前に起きて、いつもの事をやり、朝食は、納豆に豚肉と白菜、キノコの具がたっぷり入った味噌汁。『ぶらぶら美術館』と『日曜美術館』の運慶展のビデオを観る。昼過ぎ、散歩へ出た。今日の朝は寒かったようだ。昼はまだ良いが、日が暮れると寒くなる。手袋も必要な季節になった。それでも、太陽を浴びての散歩は汗が出る。『ブラタモリ』で、タモリが1日散歩で、2時間くらい歩くといっていた。人はそれくらい歩かないと、体に異変が出るのかもしれない。暗渠にそって歩いたりしているらしい。早くいろんな処に出かけて、ブラブラしたいが、今はそうも行かない。

 戻って、『若冲』をめくった。鹿苑寺大書院の障壁画について、辻惟雄は、楷体、行体、草体と描き分けているといっている。習字でいう、楷書体、行書体、草書体と同じようなもので、狩野派は、手本になる粉本が、楷書、行書、草書の3つに分けてあったという。その描きわけを、鹿苑寺大書院の障壁画で若冲がやっていたのだろう。鹿苑寺の金閣で思い出したが、『美の壺』で、市松模様をやっていた。市松模様で思い出すのが、東福寺の重森三玲が作庭した方丈庭園だが、今であれば、東京オリンピックのエンブレムデザインの市松模様かもしれない。

 その市松模様は、四角い枡が互い違いに、二色に色を変えて並んでいる。ふと思った。金屏風に貼っている金箔。あれは、四角い金箔を並べている。金閣もそうだし、中尊寺金色堂もそうだ。番組でやっていたが、歌舞伎役者の着物に使われて市松という役者名がついているが、縄文時代の土器などの模様にもあるのだという。つまり、古代から日本にあった模様だという。だとすれば、升目描きは、そういう処から発想して出来たのではないかなどと思った。

 世界では、6274万6千人の感染者が出、145万9千人が死亡。アメリカは、1338万4千人の感染者、26万6千人が死亡。スペインは、週末のためデータ更新がない。1628208人の感染者、44668人の死者。ここ3日は、294人、不明、不明の死者。東京では、ここ3日、570、561、418人の感染者(156日連続45人以上、27日連続100人以上、5日連続で400人以上)が出て、昨日までの累計で、40620人。488人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、2066人増え、147568人の感染者、2126人の死者。東京の速報は、311人の感染者が確認された。


 12月1日(火) 晴 10739

 昨日の満月は、空高く輝いていた。そして今日から師走。映画の日でもあるが、映画も観なくなった。観たい映画もあったが、行くのをやめた。『鬼滅の刃』のように、人気があって満席になるような映画ではなかったが、そういう気分じゃない。朝食は、みそ味のキノコスパゲッティ。ベーコンに、シイタケ、エノキ、エリンギ、シメジを入れた。午後になり、散歩へ出た。今日も寒いが、歩いていると汗が出る。スーパーに寄ったら、異様に混んでいた。買いたいものもあったが、やめて帰ってきた。

 『プロフェッショナル 仕事の流儀』に出ていた、魚の卸しをやっている長谷川大樹は、1年に1度海へ出て素潜りをして、魚を取っている。これを彼は、チューニングをしに来ているといっていた。快慶に憧れる奈良出身の仏師、吉永快聞が、東大寺南大門の金剛力士像を観に来るは、反省のためだという。運慶・快慶が作った仏像を観て、まだまだだと反省して、また仏像に向き合うためだという。チューニングとは、良い言葉だ。絶対音感を持った人なら、チューニングしに素潜りしなくてもいいのかもしれない。金剛力士像を観なくても、反省することが出来るだろう。でも、それを必要だと考える人は多いと思う。知らないうちにズレて来ている仕事が、チューニングによって修正される。

 それは生き方にもある。旅に出たり、祭りを観たり、芝居や映画を観たり、何かを調べたり、本を読んだり、日常では感じられない物を体験する。それらも、ある種のチューニングになるのだと思う。豊かな人生は、そういうものの積み重ねによってつくられるのだろう。人はそれほど強いものではない。ギターだって、1曲やったらチューニングすべきだ。それは、人生の原点をもう一度見つめ直すための、ルーティンなのかもしれない。

 大阪の医療現場は、疲れ切り限界という記事が載っていた。北海道では、14人が死亡したという。東京はもちろん、他の処でも医療現場は、疲弊しているようだ。今日感染者は、15万人を超え、菅首相と日本医師会会長が会談したのも、その為だろう。

 世界では、6325万4千人の感染者が出、146万8千人が死亡。アメリカは、1354万1千人の感染者、26万8千人が死亡。スペインは、1648187人の感染者、45069人の死者。ここ3日は、不明、不明、401の死者。東京では、ここ3日、561、418、311人の感染者(157日連続45人以上、28日連続100人以上、6日連続で300人以上)が出て、昨日までの累計で、40939人。489人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、1439人増え、149002人の感染者、2152人の死者。東京の速報は、372人の感染者が確認された。


 12月2日(水) 曇のち雨 10490

 目覚まし前に起きて、炭酸水にタバコ。銀行へ向かった。銀行窓口は、予約の処が多くなり、このまま感染者が増え続けると、融通が利かなくなると思ったからだ。窓口で手続きできたのだが、この銀行も、11月から予約を入れてやるのを基本にしているという。カッコ付きの条件が付いていた。ともあれ今日のやるべきことは終わった。部屋に戻り、朝食は、牛肉そば。最近朝食に麺類が多いのは、作るのが簡単だからだ。テレビで昨日の政府と東京都の、GO TO への対応について話していた。政権側に立つ人と、批判する人の意見が噛み合わない。不毛な感じがした。録画している物を観たり、整理した。午後になり、散歩へ出た。スーパーから出たら小雨が降り出した。部屋に戻り、傘を持って出かけた。雨が降ると、安いスーパーは、人が少ない。だから、そこへ行き買い物した。弁当も買ってきた。

 大阪市のコロナ患者専用病院になった、大阪市立十三病院では、医師や看護師の退職が出ているという。勤めていた病院がコロナ患者専用病院に強制的に指名されて、何でここが?という思いや、市長のいう事きかなかんの?という思いなどがあり、なおかつ、激務。やってられんわ!ということのようだ。分科会の尾身会長は、ステージ3とみるべきだという、現状で、医療現場のひっ迫している。それなのに、GO TO を続ける国の政策。勝負の3週間といいながら、真剣に感染防止をしようとしない。医者も怒っているが、看護師も怒っているだろう。だから、大阪の病院のように、医療現場の人たちが反乱を起こしてもおかしくない状況になってきたということだろう。冬のボーナスも減るは、激務がいつまで続くか判らない状態じゃ、嫌になるのは、当たり前。今週に入り、金曜最多、土曜最多、日曜最多、火曜最多、水曜最多と、最多が続いている。木~土は、700を超すのか?昨日は全国で過去最多41人が死亡した。さあ、これから一体どうする?

 世界では、6389万4千人の感染者が出、148万人が死亡。アメリカは、1372万5千人の感染者、27万人が死亡。スペインは、1656444人の感染者、45511人の死者。ここ3日は、不明、不明、401の死者。東京では、ここ3日、418、311、372人の感染者(158日連続45人以上、29日連続100人以上、7日連続で300人以上)が出て、昨日までの累計で、41311人。494人の死亡になった。全国では、昨日の時点で、2030人増え、151030人の感染者、2193人の死者。東京の速報は、500人の感染者が確認された。


過去の、断腸亭日常日記。  --バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で--

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