箏曲歌詞解説(地歌・筝曲・端唄)since 2004.03.03 山戸朋盟 目次         

 葵の上 青柳 明石 秋風の曲 晶子短歌抄 秋篠寺 秋の曲 秋の言の葉 秋の七草 秋の初風

  梓(あづさ) 吾妻獅子 海人小舟

 石山源氏・上 石山源氏・下 磯千鳥 磯の春 祝い歌 今小町 今様朝妻舟

 宇治巡り 臼の声 打盤(うちばん) 梅が枝 雨夜の月 

 江の島 越後獅子 近江八景 岡康砧 尾上の松 おちや乳人

 楓の花 鶴寿千歳 影法師 かざしの雪 楫枕 春日詣 鐘が岬 合唱と合奏による閑吟集

  神遊び

 菊の薫 菊の露 雲井の曲 雲井弄斎 黒髪 芥子の花 

 小督の曲 心尽くし 五段砧 寿競(ことぶきくらべ) 高麗(こま)の春 狐会(こんくわい) 

  金剛石

 西行桜 嵯峨の秋 嵯峨の春 桜狩 桜川 桜の宿 さくら讃歌 笹の露(酒) 里の暁

  狭筵(さむしろ) さらし 残月

 四季の遊 四季の曲 四季の段 四季の眺 七福神 忍び駒 松上の鶴 松竹梅 新雪月花 新高砂

  新道成寺 新松尽くし(松は常磐の) 新娘道成寺 深夜の月

 末の契 須磨 須磨の嵐 住吉 赤壁の賦 冊子の雪 園の秋 袖香炉 袖の露

 玉川 玉の台

 竹生島(生田流) 竹生島(山田流) 千里の梅 千鳥の曲 千箱の玉章 茶の湯音頭 長恨歌(白楽天)

  長恨歌(山田流) 千代の鶯

 椿尽し 摘草 鶴の声 出口の柳 遠砧 十返りの松 融(とほる)

 長良の春 那須野 夏の曲 夏の眺め 夏やせ 七小町 難波獅子 新潮 子の日の遊 根曳きの松 

  軒の雫 野路の梅

 萩の露 羽衣 鉢の木 初鶯 初音 花三題 花の旅 春の曲 春の夜

 飛燕の曲 比良 菜蕗 船の夢 冬の曲 時鳥(山田流)

 松風(山田流) 松尽くし(歌い囃せや) ままの川 

 水の曲 水の玉 水の変態 都の春 三つの船 御山獅子 

 虫の音 虫の武蔵野 六玉川(山田流) 名所土産 明治松竹梅

 八重垣 八重衣 八千代獅子 夕顔 夕空 夕べの雲  熊野 横槌 四つの民 夜々の星

らわ 蘭の香 若菜

最近アップした曲のリスト

 玉の台(09/07)・花の旅(10/29)・五段砧(11/07)・打盤・横槌(11/09)・松風(山田流)(11/21)・
 晶子短歌抄(11/28)・出口の柳(12/8)・千代の鶯(12/15)・さらし(2009/01/31)・三つの船(01/31)・
 今様朝妻舟(02/14)・融(02/26)・かざしの雪(03/08)・初鶯(03/11)・虫の音(03/23)・明治松竹梅(03/29)
 鉢の木(2010/02/14)・水の曲(02/14)・千里の梅・羽衣・新潮・祝ひ歌・神遊び・初音(2011/02/05)
 軒の雫(2012/05/20)・磯の春(10/13)・梓(12/10)・夏の眺め(2013/01/21)・夏やせ(2914/02/24)
 四つの民(2021/05/03)

○文字の大きさが大きすぎると、歌詞と現代語訳が対応しなくなります。その場合は、インターネット・エクスプローラーの画面の一番上のツールバーから『表示』→『文字のサイズ』を選び、文字を小さくして下さい。

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 私は尺八の演奏家ですが、いつも箏や三味線を演奏する人を羨ましいと思っています。なぜかというと、尺八は、演奏しながら歌うことが出来ないからです。楽器を演奏しながら、あんな美しい、深い意味を持つ歌詞を歌えるなんて、実に素晴らしいことではありませんか。

 箏曲の歌詞は、文学史的に言うと、和歌文学の流れの中に位置します。三十一文字の短い詩形の中で、掛詞、縁語、比喩などの修辞法をうまく用いて、重層的な表現を生み出したのは、平安初期に編纂された『古今和歌集』でした。鎌倉初期に編纂された『新古今和歌集』では、本歌取りなどの技法も生かされ、和歌は「幽玄」の世界を表す象徴的な芸術にまで高められました。謡曲の詞章や箏曲の歌詞などは、その伝統を取り入れ、より豊かで自由な形式に発達させたものです。このような表現を研究することは、私の大学時代からの課題でした。

 この長年の夢を実現させるために、私は今度、自分のホームページの中に歌詞解説のページを作りました。どのように解説したら、分かりやすく、しかも歌詞の深い意味を十分に表現できるか、私なりに工夫した結果、従来のこの種の解説書とはかなり違う形式のものが出来ました。このような、重層表現を視覚化する現代語訳の形式そのものも、私の和歌表現に対する独自の理解の表れと自負しています。今後、生田流・山田流の区別なく、少しずつ曲目を増やして行きたいと思っています。多くの人にこれを読んでいただいて、演奏の参考にしていただければ、たいへん幸いです。また、良い注釈書を書くということは、読者が知りたいと思う知識を書く事です。そういう意味で、歌詞解説に対する質問や要望などを頂くことは大歓迎いたします。

 箏曲の歌詞は古語で書かれています。古語を理解する基礎は高校で勉強するいわゆる「古文」ですが、その勉強も復習したい人は、このホームページの中の、『超基礎古典文法』『黄色い表』『青い表』などを利用してください。

 なお、本稿の形式および内容の著作権は山戸朋盟に属します。無断の利用はご遠慮下さい。