断腸亭日常日記 2018年 9月

--バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で--

por 斎藤祐司


過去の、断腸亭日常日記。  --バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で--

太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、2006年、2007年、2008年、2009年、2010年、2011年、2013年、2014年、2016年、2017年、2018年のスペイン滞在日記です。
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 9月6日(木) 晴/曇 9857

 きょう未明、3時8分に北海道で発生した震度6強の地震で、北海道全域が停電になった。原発は、電源が供給が途絶えたが、非常電源によって冷却装置が作動した。気象庁は、データが送られていない処があるため、震度7だった可能性を否定していない。厚真町では、大規模な山の崩落が発生していて、集落が土砂に埋まっている処がある。札幌市清田区では、道路が陥没して液状化で泥に埋まってしまった処がある。札幌市北区でも道路が陥没している。北海道は、今日の夜から雨の予報で、結構降るようで、それで被害が大きくなる事が考えられる。これから、被害状況の情報が入ってくるだろうが、台風被害といい、今日の北海道地震といい、自然災害が続いている。

 MEGUさんに電話したが、実家とは連絡が取れないという。震源地に近い処で、電話は停電で通じないようだ。携帯とかもないし、PCもないのでメールの連絡も取れないらしい。いわゆる黒電話の知人には連絡が取れたという。停電だけではなく、水道、ガス、などのライフラインの復旧は時間がかかりそうだ。電気は数時間後にと言っていたが、明日から復旧しそうだが、全域復旧には1週間かかるという。その後に、水道、ガスの順番になるだろう。

 大谷翔平は、3番DHで先発。第1打席四球。第2打席、三塁内野安打。第3打席ライトへの17号ソロホームラン。第4打席センター前ヒット。そして、二塁への7個目の盗塁。エラーで三塁へ進塁。第5打席、ライトへの18号2ランホームランを打った。4打数4安打、2ホームラン、1盗塁、4得点、3打点。右ひじの新たな損傷が発見され、医者からはトミージョン手術を勧められたという。そういう中で、普通にプレーしている。大谷のメンタルはタフだ。いつも前を向いている強さを感じる。これが被災地に送っている彼のメッセージのような気がする。

 ソーシア監督は、「間違いなくがっかりしている」と言っていたが、試合後「彼は留まることを知らない。プレーすることが大好きなんだ。今日のニュースは確かにがっかりしたが、彼は野球をプレーしたいだけなんだ。今夜素晴らしい活躍をしてくれた。これ以上のものはない」と称賛したという。


 9月7日(金) 曇 9066

 涼しい朝。夜通し続いた自衛隊などの救助活動で、発見され死者が増えた。台風後の水分を含んだ山の地滑りは、厚真町の山沿いに出来た集落を襲った。夜には雨になる予報で、救助活動は、時間との戦いになっているようだ。これで地肌が出ている処に雨が降ると、また地滑りが起こるだろう。だから、急いでいるのだろう。停電も徐々に解消してきて、半分くらいが復電したようだ。新千歳空港も正午前に、東京からの飛行機が到着して、徐々に正常に戻るだろう。電車は、まだ安全が確認されていない様で、運行されていない模様。バスも、道路状況によるので、一部での運行になっているようだ。

 避難所の食べ物や飲料水が今日の夜で、大きく不足するとニュースでいっている。住んでいる人は勿論、旅行者も動きが取れない状態。ある人は、関空が閉鎖で、日を変えたら、今度は地震で飛行機が飛ばない。と、言っていた。乳児を連れているお母さんが、お湯がないのでミルクが作れない。どうすれば良いか分からないと困っているという。外国人観光客は、情報が出ないので、どうしたらいいか途方にくれているようだ。

 函館の市場の人は、停電で水槽に酸素も送れないし、水温も維持できない。魚介類が弱って行くと嘆き、畜産農家は、搾乳が出来ず、例え出来ても、冷やすことが出来ないので、何とかしてほしいといっていた。搾乳しないと牛が病気をすることにもなる。コンビニは、電卓で計算して会計している状態で、交差点には警察官が立って、整理している。スマホの充電が出来ないと、ドコモや市役所などに2・3時間並んで充電したり、乾電池や食料を買うために、ホームセンターやコンビニに何時間も並んでいる。考え方によっては、台風後の地震で良かった。台風が来ている時に、この地震じゃもっと大変だった。不幸中の幸いなのかもしれない。

 MEGUさんから連絡があり、実家と連絡が取れみんな元気だという。凄く喜んでいた。やっぱり家族が元気だと喜ぶ。停電で電話が使えず、公衆電話からだったという。北海道の公衆電話は、この地震で無料開放されている。多分長い間、並んでかけてのだろうと思う。MEGUさんも落ち着いたようだ。大阪なおみが全米オープンで、勝って決勝進出を決めた。決勝は彼女のアイドル、セリーナ・ウィリアム。大阪生まれので、住所登録は、母方の祖父がいる北海道札幌市だという。初めて知ったが、初優勝にむけ頑張って欲しい。次は、錦織だ。

 「シモンズは感心した。彼はプロフェショナルだ。どれだけ真摯にこの仕事に向き合っているか誰も分かっていない。実にプロフェッショナルだ」
 右肘を負傷しながらもチームの勝利に貢献する24歳に「みんな毎試合感心させられるんだ。冗談抜きでね。気持ちの面で、依然として元気な様子を見られてよかった。しかも、まだもの凄い打球をかっ飛ばすしね」と驚きを隠さなかった。
 ファンや解説、実況を驚かせてきた大谷だが、誰よりもその秘めたる才能と精神力に舌を巻いているのは、一番近くで一緒にプレーしているチームメイトなのかもしれない。」(Full-Count編集部)

 また、仙台で行われる予定だった、楽天対日本ハム戦は昨日の時点で中止になった。日本ハムの移動出来ないため。そして、今日行われる予定だった、日本対チリの札幌ドームのサッカーの試合も、中止になった。


 9月8日(土) 晴 8181

 朝は涼しかったが、昼になり暑くなった。大谷翔平は、今日も先発5番DHで19号3ランホームランをセンターへ打った。内角の難しい球だったが凄い。ギリギリのホームランで、センターが出したグラブと一緒にフェンスを越えた。これで日本人メジャー新人の記録を塗り替えた。しかも、記録を持つ城島の打席の半分以下での記録更新。ここ3試合連続4ホームランで、左腕から2本打っている。MLB公式ホームページでは、靱帯損傷すると、人はパワーアップする。これは事実だ。という記事が載ったそうだが、馬鹿げた話だ。そんな理屈の合わない話まで出てくるのが、大谷翔平。試合前、大谷は北海道で起きた地震について、「そんな中にこういうニュースを届けるというのは、ちょっと申し訳ないんですけど。何とかいいニュースを届けられるように今日も頑張りたいですし、明日以降も頑張りますし。そういう気持ちで頑張っていきたいなと思っています。」と、語ったという。新人王争いとかアメリカでも日本でも騒がれているが、どうでも良いと思っている。試合に出て、ただ打てば良い。それを観ていたという気持ちだけだ。

 試合前にインタビューに応えて、シーズン終了までこのままDHで出続けるという。手術の事も選択肢の1つという言い方をしていた。手術などせずに、1年でも2年でも打者でやって、ひじの状態が良くなったら、投手をすればいいのではないかと、思うのだが、どうなるか。11日にロスアンジェルスに戻ってGMや監督、医療スタッフなどと話し合って決めるようだが・・・。

 田中将大は、マリナーズ戦に先発して、8回無失点。3安打、10奪三振で11勝目をあげた。直球のスピードは150キロくらいだった、配球とコントロールが良かった。こういうピッチングを観ていると、大谷のように160キロを投げなくても、押さえれる。大谷はそういう意味で、投手としての完成度が低い。だからこそそこに、大きな可能性を感じるのだ。また、田中も北海道の被災地への思いについて、「何か自分にもできればと思います。何か直接、助けになることがあればと思っています」と語ったという。


 9月9日(日) 晴 11528

 大坂なおみが全米オープン制覇。日本人で初めてテニスの4大タイトルの1つを勝った。決勝の相手は、彼女のアイドル、セリーナ・ウィリアム。高速サーブも、フォアもバックも、ストレートもクロスも、みんな良かったようだ。初めての決勝だったが、落ち着いていた。セリーナは、思うようにプレーできず、審判に再三抗議して、自滅したような感じ。そうさせたのも、大坂のプレーが冴えていたからだ。去年までは、力任せにラケットを振っていた感じだ。ホームランバッターが、いつもホームランを打とうとしている感じだったが、それをバランス良く力を抜いて、コースを打つようにさせたり、したのが、新コーチのサーシャ・バジン。ネガティブの気持ちになる大阪に寄り添い、練習を重ねた。

 今回前に出てくるセリーナを、両サイドにトングボールを打って対抗した。それが見事にはまった。セリーナはただボールを見送るしかない素晴らしいショットを続けた。それとショットが深い。コーナーギリギリにも決まる。会見で、セリーナは、「彼女は信じらない試合をした。勝者に値する。彼女から学ぶことがたくさんあった。」と語ったという。大阪は日本人に朝から明るい話題を提供した。それだけでなく、彼女の将来も明るい。これから、4大タイトルを手にしていくだろう予感を感じさせたからだ。素晴らしいテニス、ありがとう!

 木曜辺りから右目が赤くなっていたが、だいぶおさまった。痛さもない。大谷は今日も4打数2安打、1三塁打。3打点。暴投で三塁からホームに滑り込んだ時、投手と接触。怪我をした。軽い怪我だというが、明日出場する出来るかは不明。


 9月10日(月) 曇/雨 15251

 朝から雨が降り、雲って、それからまた雨が降った。秋を感じさせる雨で、明日からはグッと気温が下がるという。日本は秋をむかえようとしている。厚真町は、最低気温が10度を切るという。北海道は一気に中秋のような状態になるようだ。

 大坂なおみが全米オープンを勝った記事を色々読んだ。アメリカのテニス記者の記事で、何人かが書いていることがある。セリーナが審判と口論して、観客がブーイングで審判を批判して異様な雰囲気なった。記者たちは、セリーナがもう、この試合勝つことが出来ないと自分で理解してから、審判と騒ぎを起こしたと指摘している。負けることを恐れ、それを審判への抗議という形で現れたという。

 その異様な雰囲気の中で、大阪は冷静に試合に集中した。試合では圧倒したようだ。かつての有名テニス選手クリス・エバートは、「私はかつてナオミのようにセリーナをたじろがせた選手を見たことがない。新しい時代だ。彼女はその先頭に立っている。」と語ったという。全米オープンのスタジアムの名前にもなっている、ビリー・ジーン・キング(僕らの世代ではキング夫人と呼ばれていた)は、試合後、「2018年全米オープンで優勝したナイミ・オオサカおめでとう。この勝利は明るい未来への序章。テニスはあなたのような選手のための興奮できる場所だわ」とツィートしたという。

 「本当に素晴らしい」と大坂なおみへ賛辞を送った、大谷翔平の怪我は大丈夫だった。4番DHで先発。3打数1安打、1二塁打。1三振。大坂にしても、大谷にしても、どれだけ凄い才能を持っていることか。それは、本人たちよりも、周りにいる人間の方が良く判っているのかもしれない。


 9月11日(火) 曇 9584

 涼しい朝。朝食の後、健康診断用の検便を取って、大谷翔平を観る。試合前に、今シーズン2度目の週間MVPの受賞が決まった。これはバッターだけでの受賞だ。二刀流は、もう今シーズは見られないが、打つ方での活躍での受賞だ。「9月3日から9日まで、DHとして5試合出場し、19打数9安打で打率.474をマーク。4日の適地レンジャース戦から3試合連続ホームラン(合計4本)を放ち、日本人メジャー選手の1年目としては最多の19本塁打を記録した。10打点、長打率1.263はリーグ週間トップで、8得点は同タイ。4本塁打、6長打は同2位タイだった。」(Full-Count編集部)

 そして今日は、4打数2安打1二塁打、1得点、1打点、1盗塁だった。試合後、GMとの話し合いがもたれたが、トミージョン手術については、大谷は保留した。話し合いの場には、医療スタッフは立ち会わなかったようだ。俺の意見は、手術反対の立場。手術しても2年弱投球ができない。それならば、他の治療をやり、その間、打者として出続ければいいじゃないかと思う。2年間の間に治療が終わって投げれるようになれば最高の結果だ。大谷には人が鳴らないことをやると、二刀流をやっている。ならば、人がやらない、トミージョン手術を回避して、直してみる試みをするのも、良いのではないかと思う。手術して、160キロとか170キロとか投げられないだろうと思うからだ。

 大谷にしても、大坂なおみにしても、子供の頃の夢を実現している。しかし、子供の頃、夢がなかったという、柴田陽子は、違和感を感じると言っていた。何故なら夢を持てなかったからだ。『プロフェッショナル 仕事の流儀 ブランドプロデューサー 柴田陽子 晴れた道の真ん中を歩け』では、子供たちに見せたい背中がある。「夢を持ちなさいとか、何がやりたいのって聞くよりも、その目の前にあることへの取り組み方の型みたいなことのほうが教えたいですね。」 色々なヒット商品や店などを出している人で、コンビニで爆発的に売れたプレミアムロールケーキをプロデュースした。時代の顔を作るヒットメーカー。

 気が付いたのは、現場や日にちが替わると、服装がいつも違う。「奇をてらったこととか、面白くて頭良さそうな、言葉を選ぶのではなくて、正攻法のやり方で堂々と、道の真ん中を歩くかのように、1番シンプルで、1番直球で、それが世の中を変えられるくらい、力のあるものだと思います。」

 中途採用の面接で、どういうところを見ているのか訊かれ、「私は絶対、諸悪の根源は頑固だと思うから、頑固じゃない人がいいのと、素直で人から、かわいがられるような要素が、教えてあげたいなって、周りの人が思うような要素があるかどうかとか、気が利くかとか。そこができないとダメですよね。それはもう絶対そう思います。」 「気が利くというのは、想像力だから、私たちの仕事も、全部想像力で成り立っているから、クライアントさんがどう思っているかなとか、この業界はどうなるかなとか、今のお店の人は、どういう気持ちで働いているのかとか、このお店の足らないところは、どこかな、どんなところがあったらいいかなとか、チームのメンバーがどういう機嫌で働いているのかなとか、こうしたら喜ぶかなとか、全部想像なので、気が利くというか、想像力があるか、気が利くかが大事だと思います。」

 人にあげるおみやげとかも、気が利いてないとダメみたいで、きっちりしている。元々が秘書から仕事を始めた。「NOと言わない柴田さんということを、自分にコンセプトとしていたので、その人がストレスなく、効率よく、気持ちよく仕事するのを、お手伝いするっているのが定義だったので」

 仕事ぶりを見ていた上司から企画書を書いてみなかと言われ書き、採用される。店をオープンし話題になる。この頃上司から言葉を掛けられる。「柴田ちゃんは、晴れた道の真ん中を堂々と手を振りながら歩いていくような人生を歩んでほしい」といわれた。「あなたのやり方はド直球だね」とか、「ドストレートだね」「シンプルだね」と言われていて、一生懸命な子に映っているんだとするならば、うれしいなって。」「自分はそういう意識は全然なかったけど、それをテーマに生きていこうとか、それをテーマに仕事をしていこうと思ったんです。」

 レストランをプロデュース。話題を呼び紙面を飾った。それから独立。今でもやっている仕事は秘書時代と変わらないという。「私は目の前にあることに、一生懸命取り組んでいたら、こんな人と出会って、そんな人がこんな職業を教えてくれて、その職業に就いたら、こんなプロジェクトと出会ってとなっていったので、日々の取り組み方のみが、未来の自分を作るから、自分らしく、一生懸命に取り組んでいったら、最後、どういう人生になるかっているのを、楽しみにしています、私は」

 プロフェッショナルとは、「結果を出す人。自分より上手くやる人はいるって、どこかで必ず思ってるので、その誰か知らない人に負けないように、いつも最善を尽くすという事と、いつも次の伸びしろになるような、反省とか後悔をもって、がんばろうと思ってます。」

 こういう人もいるんだという驚きだ。「晴れた道の真ん中を堂々と歩く」素晴らしい。俺にはとても歩けない道だ。


 9月12日(水) 曇 9504

 今日も涼しい。昨日と同じ朝食の後、健康診断用の検便を取って散歩に行く。寺にある柿の実が紅くなってきた。神社の花にはミツバチや蝶がとまっていた。秋になると風景が少しずつ変わってくる。咲く花が、百日紅などの夏の花から、曼珠沙華のような秋の花に替わり、葉の色も少しずつ紅葉の準備をしている。もう肌寒い感じになってきた。速足で歩くと、じんわりと汗が出てくる。

 札幌ドーム森保ジャパンは、地震で中止になったが、昨日大坂でワールドカップ以来初めての試合に挑んだ。ワールドカップのベルギー戦の感動はみんな忘れてはいない。メンバーはあの時からガラッと替わった。前線には、中島、南野、堂安、小林。そして、躍動した。特に中島のドリブルやパスは心が躍った。観ていて本当に楽しかった。こういうサッカーを見たかったと思った。守備も上手くいった。前線からのプレスが利いていた。平均年齢が3歳若くなり、走れる選手を集めた感じだ。この試合を観たら、ワールドカップのレギュラー組もうかうかしていられないと、思うだろう。

 みんな良くやった。途中交代した選手も良かった。終了間際に3点目を入れた伊東は、がむじゃらにゴールを狙う姿勢も良い。世代交代が上手く行く方向が見えた。3-0の圧勝。これからワールドカップ組との融合が試されるだろう。その時、どういう化学反応が起こるか楽しみだ。

 今日の大谷は3打数無安打。今日はお休みという感じだ。こういう日もある。明日は、このHPの記念日だ。アルバセーテの明日の切符が珍しく売り切れになった。こんなことがあるのかとビックリ。


 9月13日(木) 曇 9454

 昨日まで3日連続最低気温が20度を切った。今日も同じような気温。朝から健康診断へ行った。手術もあって、バリウムは飲まなかった。こうなると本当に体も気持ちも楽だ。早々に終わって、朝食をカフェのような処で取って帰ってきた。最寄りの駅で買い物して、ちゃんとメジャーリーグ中継には間に合った。

 今日はHPを開設して20年目の記念日だ。よくもまあ長い間続けてきたものだ。HPを開設した時のことを思い出す。闘牛の会の松田君が、東京マドリ―化計画というHPを開設していたので、闘牛の会用のHPを作ろうと思って色々話をした。しかし、闘牛の会では作らいないということだったので、自分のHPで闘牛の情報をたれ流そう。ついでという感じで、勝手に闘牛の会の情報も流そうという事にしてHPを開設したのが、エル・フリが初めてマドリードのラス・ベンタス闘牛場でノビジェーロながらウニコをやった日を記念して開設したのが、20年前の9月13日だった。こうなったら、闘牛の情報をたれ流そうと意欲をもって始めた。

 闘牛を観始めた頃は、インターネットはなかった。だから、約1か月闘牛をやるサン・イシドロ祭がある時期にスペインへ行って、当時は『Aplausos』や『El Ruedo』の闘牛雑誌にカルテル情報が載っていたので、それを参考にコルドバや、グラナダなどへ行った。『6 TOROS 6』は出たばっかりだったと思う。でも、カラー写真が一杯ある紙面は魅力的だった。それがHPを始めることになると、インターネットが普及し始めて、徐々にカルテル情報がスペインの新聞に載るようになる。大きな祭りだけだったが。闘牛雑誌は、カルテルは載せていなかった。その頃はそんな情報を事細かに載せたら、雑誌が売れなくなると思っていたのだと思う。

 だからイライラしながらネットで情報を観ていた気がする。だがヘミングウェイの『危険な夏』を読むと40年前の祭りの時期と、その当時の時期がそんなに変わらないことに気づいた。これは参考になると思った。今なら、大きな祭り以外も、スペイン語で簡単に情報が得られる。闘牛専門のHPが複数ある。新聞などの闘牛情報も充実している。Facebookでも情報が得られるし、20年前に比べればネットから得られる闘牛情報が飛躍的に拡大した。

 あの頃に比べると、スペインでも闘牛を観る人が少なくなった。ちょっと前に統計だと、闘牛が好きというスペイン人は20%を切っている。日本でいえば、喫煙率が20%を切っているのと同じだ。仕事場で当たり前に煙をモンモンさせて仕事していたのが、喫煙室で肩身の狭い思いをして吸っている今とは全然違う環境だ。今地方の闘牛場で切符が売り切れになることはほぼない。ラス・ベンタス闘牛場では、昔から売り切れはあった。だがそれは、スペイン人が見に来ていたからだ。今は、インターネットの時代。世界中のどこからでも、ネットで切符が買える。アボノでも1枚売りの切符でもそうだ。サン・イシドロで周りにいる人は、若い世代も増えたが、スペイン人の年寄りが減った。多分死んでいったのだ。そして、外国人が増えた。それで何とか帳尻を合っているような感じだが、テレビ中継も有料だけになっていると現状では、子供たちが闘牛に関心を持つ機会が格段に減っている。

 若い子がネットや本で知識などを仕入れて闘牛場に来るのは良い事だが、どちらかというと耳年増的な感じがする。爺さんがその息子や孫を連れてきて闘牛を教えるという健全なスタイルが少なくなった気がする。そこが残念だ。このHPは、昔から観る人が少ない。そして、スペイン語の闘牛情報はネットによって格段に増えた。20年やってきたが、あまり意味がなくなってきているような気がする。カルテルの情報も、サン・イシドロ以降あまり書く気がしない。中には、そういう情報を期待してアクセスする人もいるのだろうから、本当はちゃんと書かなきゃいけないんだろうけど・・・。

 ところであれから20年と書いたが、同じ1998年9月13日は、中田英寿のセリエAのデビュー戦で、ユヴェントス相手に2得点を記録した記念すべき日でもある。中田の活躍でヨーロッパのプロチームが日本人選手と契約するようになった。そうメジャーリーグの開拓者、野茂英雄と同じ役割をサッカーでやったのが中田。そのデビュー戦と同じ日でもある。あと何年続けのるか。続けられるか?


 9月14日(金) 雨/曇 8087

 朝から雨。10時頃あがって散歩に出かける。11時からのメジャーリーグ中継までに戻ってテレビ中継を見る。大谷は9回の第4打席でセンターへの二塁打を打った。足が速いから二塁打になる。大谷の二塁打には驚きがある。これから用事があって新宿へ行く。昨日のサラマンカでアントニオ・フェレーラが、インドゥルトした。モンタルボ牧場のNO42、535キロの“リリコソ”という名前の牛。ダイジェストの映像を観たが、良い牛だった。ただ、テンプラールになっていなかった。初めのファエナで膝を折ったパセを左右に繋いだが、あのパセが良かったのだと思う。それとパセが長い。サラマンカでのインドゥルトは、これで5回目だという。2016年のファン・デル・アラモ、ガルシグランデ牧場。87年88年のオルテガ・カノ、カルメン・ロレンソ牧場。67年のパロモ・リナレス、ピラール・サンチェス・カバレダ牧場。


 9月15日(土) 雨のち曇 12857

 昨日新宿へ行った帰り、小さな古本市をやっていた。冷やかしで覗いたら、面白そうな本があったので買ってきた。こういう出会いがあるから面白い。アルバセーテで、パコ・ウレニャがカポーテの時にコヒーダされた。ベロニカ中に、牛の角が目に入った。そのまま続けたようで、終わってから医務室へ行った。どうやら、眼にいくつかの重大な怪我を負ったようで、視力回復は難しいというような医者の診断書が出たようだ。何ということだろう。目を失くしたパディージャが今年引退興行。そして、それと交差するように、パコ・ウレニャが片目の闘牛士になるようだ。


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