−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−
por 斎藤祐司
過去の、断腸亭日常日記。 −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−
太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、2006年、2007年、2008年、2009年、2010年、2011年のスペイン滞在日記です。
太字で書いたモノは2010年11月京都旅行。2011年3月奈良旅行と東日本大震災、11月が京都旅行、2012年4月、11月の京都旅行の滞在日記です。
11月14日(水) 曇 20543
昨日はちょっとしたことがあって、寝不足気味。スペイン闘牛ビデオ上映会用のDVDの編集作業などあって忙しいのに、横浜まで行ってきた。成果と言えば、成果は上がった。見えてきたのだ。なるほどと思って、解ってきたなと思った時に、丁度時間になったので帰ってきた。帰り紀伊国屋で手帳を買おうとしたが、迷ってしまってやめた。早く手帳を買って、来年の予定にサン・イシドロ行きを書き込みたい。
来年の予定は、5月から6月にかけてスペインに行こうと思っている。国内は、おそらく来年は中継点として泊まることがあっても、京都中心の旅行は出来ないと思う。来年は、久々に伊勢神宮に行きたい。もう一度ゆっくり観たい。出来れば20年に1度建て替えのある時期が望ましいと思っている。宿次第だが、そちらの計画も調べて立てたい。
熟れ割れた 柘榴の実をば グラナダと 街の名にもし 印にも残す 風吟
東京も 目をこらせば 紅葉が 染め始むる 木々の葉の色 風吟
11月15日(木) 晴 9083
ちょっと本を読む時間が少なかったので、それを補うために時間を作ろうと思った。スペイン闘牛ビデオ上映会用のDVDの編集は進んでいる。11月は、1年の内で京都に最も観光客が来る月だという。桜よりも、紅葉を目当てに来るのは、京都の見事さをよく知っているからだろう。先日たばこ屋で、元看板娘のお婆さんが、僕を観ると、今度29日日帰りで行ってくるの。と、話しかけてきたので、1番良い時期じゃないですか。京都に詳しい人がいて、連れてってくれるのよ。と、言うから、何処ですか?永観堂?永観堂良いわね!でも、何処かわかんないけど。
それを訊いていた他の客が、何の話ししてるの?と、口を挟んだ。元看板娘は、京都よ!もうこの人はそういう話しするのよ。ねぇ。そこで、なるほど、こういう会話は、知らない人が訊いていると何を言っているのか判らないんだなぁと、思った。
衆議院は解散総選挙することになった様だ。投票は12月16日だという。選挙運動をやっている京都というのは、何となく嫌な気がする。
11月16日(金) 晴 32230
相当な感じで寒さが強まってきている。色の付き始めた木々の葉は、一気に赤く染まる勢いだ。日本の四季で1番美しい時期が近づいているのが判る。京都の紅葉も一気に色づき盛りに向かっているようだ。こういう状態だと、ハズレかなと、思ってしまう。寒さにさらされて色が付き始め、やがて落葉する。そして、枯れる。人が寒さにさらされても、よっぽど極寒でなければそう簡単には死なない。
京都の寺院の造りなどを観ていると、夏向きに造られていることが判る。そういう日本的な気候が、紙と木で家を造ることに繋がっている。寒さでは、人はなかなか死なないが、暑さでは簡単に死んでしまう。特に蒸し暑さも加わるとより一層それが強まる。だから、日本の建物は、夏向きになったのだろう。
スペイン闘牛ビデオ上映会用のDVDの編集も大詰めに来ている。夜中には出来るだろう。それから競馬の予想だ。
11月17日(土) 雨 5809
夕方、土砂降りの雨が降っている中、みんな集まってスペイン闘牛ビデオ上映会を練馬文化センターで開催した。『京都慕情』歌、長山洋子、絵、おおた慶文、を流して始めた。絵が評判良かった。1部は、98年6月17日マドリードのベネフィセンシアからパブロ・エルモソ・デ・メンドーサとホセ・トマスの耳1枚、耳2枚の闘牛。ホセ・トマスは、20歳過ぎにもうすでに、牛の動きをちゃんと見極めてムレタを振っている。その凄さに観客が熱狂する闘牛だった。メンドーサは、剣が駄目で耳は取れなかったが、名馬カガンチョが観れる騎馬闘牛。
休憩時間は、『GLEE』シリーズ3の第8話から、『Survivor/I Will Survive 』 『ABC』『Control 』『Man
In The Mirror』の4曲を流した。2部は、パブロ・エルモソ・デ・メンドーサのカナル・プルスがやった特集番組をノーカットでまるまる流した。調教や牧場、厩舎、種付けなど闘牛場では観れない面が観れる貴重な映像だ。みんな熱心に観ていた。エンディングは、一青窈の『うんと幸せ』。
それから、原稿が出来なくて気分転換に久々に来た万希ちゃんから、『ゴロンドリーナ』を貰った。今年観たタラバンテや、コルバチョの話しを訊いた。楽しい会だった。解散が惜しい気がした。雨が降ったので電車で行ったので、帰りにMEGUさんと車中で、京都旅行の話しをして、別れ競馬予想をしながら戻った。
明日のマイル・チャンピオン・シップは、ドナウブルーからと考えている。今日の東スポ杯で、優勝したコディーノはレコードで圧勝した。2着が、レッドレイヴンで、藤沢和雄厩舎の親子丼。コディーノは、来年のクラシック戦線の主役になるだろう。藤沢厩舎がダービーを取れる逸材を輩出した事になる。鞍上横山典弘。揺るぎない自信を持って順調に行って欲しい。今から楽しみな、来年のクラシック。
「17日の東京11R第17回東京スポーツ杯2歳S(GIII、芝1800メートル、15頭立て、1着賞金3200万円)は、横山典弘騎手騎乗の1番人気コディーノ(牡、美浦・藤沢和雄)が好位追走から直線で抜け出し、札幌2歳Sに続く重賞2連勝でデビューから無敗の3連勝を飾った。タイムは従来のレコードを一気に0秒9も更新する1分46秒0(良)。
発走前にインプロヴァイズの馬装整備があったが、1番人気のコディーノは初の当日輸送、初の左回りも感じさせない落ち着きぶりを披露。レースでも難なく好位を追走して、直線では前が開くのを待ってから追い出した。2カ月半ぶりの実戦でゴール寸前まで左手前のまま走っていたが、1馬身3/4差の完勝。圧巻のレコード勝ちで、無傷の3連勝を決めた。2着は後方を追走していた3番人気のレッドレイヴンで、藤沢和雄厩舎のワンツーフィニッシュ。3着には7番人気のインプロヴァイズが入った。
コディーノは、父キングカメハメハ、母ハッピーパス、母の父サンデーサイレンスという血統。母は京都牝馬S勝ち馬。通算成績は3戦3勝。重賞は札幌2歳Sに次いで2勝目。藤沢和雄調教師は東スポ杯2歳S初優勝。横山典弘騎手は07年フサイチアソートに次いで2勝目。
横山典騎手は「強いですね。引っ張りきりの手応えでしたし、ちょっとでも前が開けばと思っていましたが、初めてのコースだったし、むしろ早めに先頭に立つよりじっくり行けてよかったです。最後も余力がたっぷりある状態で、見せムチだけでした。一生懸命に走る馬ですが、だいぶしっかりしてきています。僕は40代でもう伸びしろはないけど、この馬は人間ならまだ18歳、20歳という感じですから今後が楽しみです。無事に行って来年のクラシックを盛り上げたいですね」とジョークを交えながらも来春への思いに胸を高鳴らせていた。」 ーーサンスポよりーー
11月18日(日) 晴 5933
昨日会が始まる前、Nさんとのメールのやり取り。アレルギーの関係で食事を代えたら体重が7キロ減ったと言う。肉は10日に1回程度、後は大豆など野菜中心の食生活。食べるのにも順番がある。野菜、タンパク質、炭水化物の順番だという。そういえば、『ためしてガッテン』でも、食べる順番をやっていた。ご飯(炭水化物)を後に食べた方が、それだけで、同じ物を食べていても、1キロ程度は痩せるという。
日本料理店へ行くと、会席料理などでは、ご飯が最後に出てくるが、あれは昔の人はそういうことをちゃんと知っていたのかと思ってしまう。
11月19日(月) 曇 6621
歯医者に行って、抜歯した。直ぐ抜ければいいなぁと思っていたが、案の定、なかなか抜けなかった。詰めた歯だったのでおそらく上の部分だけが先に取れた様だ。見えないからそういう風に想像する。それから歯を削って、取ろうとしていたが、取れない。この先生が取れないのならしょうがないという気持ちである。それだけ、医者を信頼している。何度目かやっているときに、予想外のことが起こってますね。おできが出来ています。これは大きな問題ですね。
それから、取れているいるけど、出てこない状態でようやく終わった。流石だ。先生の説明だと、歯にヒビが入っている状態が続いたので、中に膿み袋が出来ていたという。見せて貰ったが、タンパク質で出来た薄い膜の様な物だった。取り合えず来週また行って、その後の状態を見るという。未だ、麻酔が効いている状態ので、痛い状態ではないが、痛み止めと、化膿止めの薬を貰ってきた。
山茶花(サザンカ)や 葉っぱ踏み踏み 通う道 吐く息白し 鍋の季節か 風吟
止血綿 噛みしめ帰る 夕暮れ 木々の彩り 目立つ血の色 風吟
11月20日(火) 曇 8907
手帳を買い、暦も買った。手帳は、手に取って気になった物を買った。暦は、いわゆるカレンダーではなく、神宮館が出している物で、六輝、干支、九星が載っているものだ。六輝とは、いわゆる大安、仏滅などが書いているもの。九星が知りたかったので買ってきたが、行事も載っているので、色々なことに気づくだろうと思う。
手袋に毛糸の帽子も買ってきた。すっかり冬支度である。先日、手袋売り場で尻の小さい金髪の外人の女性が、手袋を選んでいる姿を見て、何か今の日本の女に感じないしとやかさを感じてビックリした。最近の日本人はめっきり、デジタル仕様になったようで、そんな姿にしとやかさを感じなくなった。特に東京生まれのはそう感じる。地方から来た人はそこまで行っていないと思うが…。
抜歯後の歯の痛みは、薬を飲んでいることもあり殆どない。非常に良い感じで食事も支障なく出来る。
11月21日(水) 晴 14865
日曜日のマイルチャンピオンシップは、どうでも良いけど武豊騎乗のサダムパテックが、優勝し、2着に、グランプリボスが入り、3着にドナウブルーが入った。つまり、馬券は堅実に取ったと言うこと。何故なら、ドナウブルーからのワイドを流していたからだ。馬券には、色々な買い方があって、単勝、複勝、枠連、馬連、馬単、3連複、3連単、ワイドという種類が、中央競馬にはある。その他に、WIN5という、5レースの1着を当てて高配当を狙うレースもあるが、これはいわば邪道的なもので、殆ど買わない。
マイルCSの様に、ワイド馬券を買うと、負けない。この課題をクリアーしつつある段階が今で、これからは、勝てる馬券を目指して買うことが、テーマになっていく。色々な実験段階を踏んで、目標達成に向かって行きたいと思っている。課題となるのは、いくつかの物がある。まず確率的に当たるレースに、お金を入れる。それと、余計なレースに手を出さない。基本は、ワイド馬券にして、勝負できる踏んだときに、馬連、馬単、3連複、3連単という具合に馬券を選んで買うことが出来れば、面白いことになるだろう。
冬になり 青葉の色も 黄や赤に 移りけりたり 落ち葉にして 風吟
散り積もり 枯れ葉の色は 哀れにも 滅び行くかな いえ春のため 風吟
11月22日(木) 曇 9886
久々にスパに行った。体が脱力してしていくのが判った。やっぱり良い気分だった。こうやっている時の穏やかな気分は貴重だ。嫌なことや、困った時に、気持ちを癒す貴重な場だ。それにしても、普段時間に追われていると事が判る。もっと時間に追われない生活をしたい物だと思ってしまう。
京都へは、前日に行って、翌日朝から観ようか、それと、MEGUさんが来る日の午前中に下鴨へ行ってジブリが観れるのか検討中で、ホテルの予約は入れていない。入れるとすれば、あのホテルが良いなぁと思っている処があって、それは、ネットでは予約を入れれない。電話になる。色々考えて、決めたい。予算のこともあるし、時間が作れても実行できないかも知れない。
帰る前日に合流する事もほぼ決まったシーラさん。その日も予定は、ほぼ決まり。ISOさん提案の通り実行したいと思っている。日帰りか、1泊になるのかで、夕方の予定が変わるにしても、良いところへ行ける。問題は、最終日で、これはISOさんやMEGUさんとも意見交換をしないと、詰めが出来ないと思う。真っ赤な紅葉の京都になるのか、冬枯れの京都になるかは、天気次第だが、京都新聞の紅葉情報によると、ほぼ今が盛りで、どうやら冬枯れの寂びを感じる旅になりそうだ。それはそれで良いと思う。
11月23日(金) 雨のち曇 24328
朝方から降り続いた雨は、夕方にやんだ。ジャパン・カップの枠順が発表され前々日発売がされて、大外8枠17番のオルフェーヴルが2倍で1番人気になっている。3歳牝馬三冠馬、ジェンティルドンナが2番人気。ルーラーシップ、フェノーメノと続いている。JCは難しい馬券になりそうだ。オルフェーヴルは、今年国内海外でも6戦して5回大外といういうことになる。騎乗する池添騎手は、大外と聞いて、JRAが意地悪していると、言ったそうだ。決して良い枠とは言えない。
だからといって、牝馬三冠馬ジェンティルドンナが本命になるかと言えば、考えてしまう。東京得意で考えると、フェノーメノ、ダークシャドウ、トーセンジョーダンなどの名前が上がってくる。外国馬は、凱旋門賞馬、ソレミアくらいで後はGTを勝ったことがない。やはり、日本馬の方が優位と観て良いだろう。ちょっと気になるのが、天皇賞を勝った、エイシンフラッシュがデムーロからルメールに乗り変わり、デムーロは、ダークシャドウに乗る。本来持ち馬のはずの内田が、エイシンに乗らずにメイショウカンパクに乗るというのもちょっと引っかかる。
怨みても泣きても言はむ方ぞなき鏡に見ゆる影ならずして 藤原興風
11月24日(土) 曇 5130
寝坊して予定が狂った日に、ずっと引きずるズレは何なんだろう。体が疲れている状態がそうさせるのか、それとも狂ったことによって気持ちが入らなくなっていくのだろうか。それを立て直すのは容易じゃない。何かのきっかけが必要だ。もうすぐ12月。掃除をしたり整理や片付けをしなければならない時期だ。
気持ちの整理も必要だし、これからの計画を立てるのも必要だ。お金も必要だが、時間も重要だ。そして、何より最近気になるのは、バランスだ。それを考えていかないといけないと強く思う。
11月25日(日) 晴 28127
東京競馬場へ行ってきた。ジャパン・カップを観るために出掛けた。凄い人だった。おそらく天皇賞よりも入場者が多かったと思う。あの日は雨も降って、天皇・皇后が来ても天気には勝てずといった感じで、今日の方が人出があった。
「第32回ジャパンカップは岩田康誠騎手騎乗の3番人気ジェンティルドンナが、池添謙一騎手騎乗の1番人気オルフェーヴルとの激しいデッドヒートを制して優勝。3歳牝馬としてこのレースを初めて制した。勝ち時計は2分23秒1(良)。鞍上の岩田騎手は07年アドマイヤムーン、11年ブエナビスタに続きこのレースは3勝目。本馬を管理する石坂正調教師はこのレース初勝利。 2着はハナ差でオルフェーヴル。3着は2馬身半差でC.ウィリアムズ騎手騎乗の2番人気ルーラーシップ。
スタートは13番ルーラーシップの出だしがひと息。最内から1番ビートブラックが飛び出して前へ。外から15番ジェンティルドンナが積極的に出ていき、その外から16番トーセンジョーダンも前へ。ビートブラックが2馬身のリードを奪い1〜2コーナーをカーブ。2番手にトーセンジョーダン。3番手の内々にジェンティルドンナ。1馬身差の4番手に14番ソレミア。1馬身の5番手内に4番フェノーメノ。2馬身離れて中団に2番スリプトラ。外に9番オウケンブルースリ。1馬身半差で5番マウントアトス、並んで8番エイシンフラッシュ。その後ろは12番ローズキングダム、6番レッドカドー、内々にルーラーシップ。外側に17番オルフェーヴルで中団の後ろ。それから10番ダークシャドウ、11番ジャッカルベリー。3番ジャガーメイル。2馬身離れた最後方に7番メイショウカンパクという隊列となった。
前半1000m通過は60秒2でややゆったりとした流れ。ビートブラックが単騎で引っ張る。3コーナー過ぎからリードを徐々に広げ、トーセンジョーダンとの差を離しにかかる。3〜4コーナーでのリードは8馬身以上。オルフェーヴルは外目から徐々に進出を開始した。4コーナーを回り、最後の直線へ。ビートブラックのリードはまだ4馬身以上。2番手以降は馬群がかたまり、一斉の追い出しとなった。 2列目からトーセンジョーダン。持ったままでオルフェーヴルが同馬に並びかける。その両馬の間からジェンティルドンナ。馬場の中ほどからはフェノーメノ、エイシンフラッシュ。外からはダークシャドウ、ルーラーシップが懸命に追った。
残り300mでトーセンジョーダンが脱落し、ジェンティルドンナとオルフェーヴルが激しく競り合いながら伸びてくる。残り200mでビートブラックを交わし、ここからは2頭による激しいデッドヒート。内にジェンティルドンナ、その外にオルフェーヴル。手に汗握る叩き合いはゴールまで続き、内のジェンティルドンナがハナ差競り勝った。3着は外から際どくルーラーシップ。
三冠馬同士の叩き合いという歴史的名勝負を制したのはジェンティルドンナだった。お互いに8枠スタートだったが、ジェンティルドンナはスタートしてすぐに前に出ていき、3番手のインコースで折り合いをつけての追走。対するオルフェーヴルは後方で折り合いをつけ、外目を回ってまくりきみにスパート。最後はハナ差だっただけに、このコース取りの差は大きかった。しかし、経済コースを立ち回ることができるというのも大きな能力。最後の直線で外のオルフェーヴルと接触しながらもひるまない勝負根性も素晴らしかった。「最強牝馬」から「日本最強馬」へ駆け上がった同馬の今後の歩みには、大きな夢が広がる。
オルフェーヴルは凱旋門賞に続いての惜敗。本格化後、国内ではほぼ敵なしだっただけに、叩き合いで敗れた今回の敗戦の方がショックは大きいかもしれない。ただ、舞台や距離、状況が変わればまた違う結果になってもおかしくない。ジェンティルドンナとの再戦が楽しみだ。」 ーーJRA−VANよりーー
「 3歳牝馬ジェンティルドンナ(石坂)がオルフェーヴルとのゴール前たたき合いを制しG1・4勝目を挙げた。3歳牝馬のジャパンC制覇は史上初。勝ち時計は2分23秒1。鼻差の2着には1番人気のオルフェーヴル、2馬身半差の3着に2番人気ルーラーシップが入った。
ゴール前の2頭の競い合いを鼻差で制したジェンティルドンナだが、1着が確定するまで審議は20分も続いた。岩田康誠騎手(38)は「完璧なレース運びができたが、スペースがないところに行って申し訳ない。悔いが残るレースになった」とインタビューの冒頭におわびを入れてから、話を始めた。
レースは予想どおりビートブラックの単騎逃げの展開となり、3コーナー手前から引き離しにかかる。4コーナーで真っ先に追走を始めたオルフェーヴルを見ながら、最内の3、4番手の位置取りで脚をためたジェンティルドンナもようやく追い出しにかかる。直線半ば、ビートブラックをオルフェーヴルが外からかわしにかかると、内から伸びるジェンティルドンナも2頭の狭い間に割って入る。馬体をぶつけて外のオルフェーヴルをはじき出す形となり、走行妨害の疑いがかけられた。
「53キロの斤量を生かし、内が伸びる馬場状態を考えて最高のポジションを取りに行った。完璧な位置取りで、すべてを出し尽くした結果、オルフェに勝てた。まだ底を見せていなかった彼女の本気を初めて見せてもらった。オークスの走りは本物だった。東京の左回りは最高。心の中にファイトを持ってる女の子です」。史上初めて3歳牝馬でジャパンCを制したジェンティルドンナをたたえた。
また、ジャパンCを初制覇した石坂正師は審議について「激しい競馬の結果。私としては大丈夫だと思った」と前置きして、「ジェンティルの能力は通用するのではと確信めいたものがあったので(JCに)挑戦した。マイナス14キロの馬体重にはエッと思ったけど、細かく観察してみても走れないはずはないと思って見ていた。53キロは恵まれたが、並んだら抜かせない強い馬。まだ若いし、もっと成長する」ときっぱり。今後について「秋3走と決めていたので有馬記念は考えていない。これだけの結果を出してくれたのだから、ドバイやフランスの凱旋門賞、競馬大国の米国など海外に出て行くことになる」と来年以降の海外レース挑戦を明言した。」 ーー日刊スポーツよりーー
「〜レース後のコメント〜
1着 ジェンティルドンナ(岩田騎手)
「オルフェーヴルとの叩き合いを制することが出来たのはすごいことですが、逃げ馬を交わす時に微妙な進路取りになり、接触したことは申し訳ないと思っています。8枠からのレースは腹を括っておかないといけないと考えていました。道中は絶好のポジションで、4コーナーまでは完璧でした。接触がなかったら…と思います。自分の気持ちがレースに出てしまったのかもしれません。悔いが残ります。53キロを生かしたレースをしたいと思っていました。馬場状態を考えるとインコースを取りたい一心でした。前を早めに飲み込む形を想定し、オルフェーヴルも前にはいないレースを想定していました。これで負けたら仕方がないと思っていましたし、この馬が底を見せていないことが証明出来ました。彼女の本気を初めて見せてくれました。オークスの走りは良かったと改めて思いますし、東京の左回り、最高の馬場で結果が出ました。お疲れ様です、と馬には言いたいです。本当にファイトを持っている馬です」
(石坂正調教師)
「騎手には特に指示していませんが、自分からあの位置を取りに行けるのがこの馬です。並んだら抜かせないのが最大の長所。今日のレースでもそこが出たと思います。この後、有馬記念は使いません。来年、ドバイを含め、凱旋門賞など海外遠征を視野に、馬の様子を見て決めていきたいと思います」
2着 オルフェーヴル(池添騎手)
「道中、行きたがりましたが、馬の後ろで何とか折り合いました。直線、ぶつけられてバランスを崩し、手前を替えて…着差が着差だけに悔しいです」
(池江泰寿調教師)
「この臨戦過程でよく頑張ってくれたと思います。審議の結果はJRAの判断ですから、それに従うだけです。今後のことはオーナーと相談して決めたいと思います」
3着 ルーラーシップ(ウィリアムズ騎手)
「ゲートで座り込んでしまい…、痛かったです。ゲートを出ていれば、という気持ちです。有馬記念で逆転したいと思います」
(角居勝彦調教師)
「ゲートが良くなかったですね。練習ではそんなことはないのですが…」
4着 ダークシャドウ(デムーロ騎手)
「素晴らしい馬です。前に行きたかったのですが、1コーナーで前をカットされ、思う位置を取れませんでした。2400mは問題ありません。もう少し速いペースの方がこの馬には合っています」
6着 トーセンジョーダン(スミヨン騎手)
「よくやってくれました。作戦通り逃げるつもりでしたが、ビートブラックがあれほど行くとは思わなかったので、離れた2番手で逃げているような形にして徐々に気合を乗せて行きました。ちょっと最後にブレーキを掛けるところがあったので、それがなければもっと上の着順だったと思います」
7着 ビートブラック(石橋脩騎手)
「スタートしてから、もう少しあのペースの中で後ろを離して逃げられれば良かったのですが、思った以上について来られて、早めに後続を離す形になってしまいました。ただ、あれ以上は早く動けないですから…仕方ありません」
9着 エイシンフラッシュ(ルメール騎手)
「4コーナーでは、オルフェーヴルの後ろにつけてうまくいったと思ったのですが、残り200mで脚が止まってしまいました」
14着 オウケンブルースリ(浜中騎手)
「馬場も良かったですし、積極的に勝負を賭けて行きましたが、離されてしまいました」
16着 ローズキングダム(武豊騎手)
「思い通りに行けましたが、直線を向いて手応えがありませんでした。調子が悪い訳ではないのですが、フォームがいい時のものではありませんでした」 」 ーーラジオNIKKEIよりーー
それにしても長い審議だった。それでも、ジェンティルドンナが勝ったと思っていた。だって、オルフェーヴルは内に刺さりぱなしで内ラチ側にいるジェンティルドンナをラチの方に寄せていって危なかった。確かに岩田の入り方は強引だったが、あれで良いと思う。オルフェーヴル側の池添騎手と、池江調教師は、「一生悔いが残る」と口を揃えて言っているが、勝負に勝ったのは、岩田のジェンティルドンナだ。この馬は凄い!驚いた。岩田は降着にはならなかったが、2日間の騎乗停止処分が科せられた。
オルフェーヴルは、内に刺さっている状態からも判るように子供で、こういう気性が矯正されれば凄い力を発揮するだろうが、3歳牝馬なのに大人の走りで、やんちゃのオルフェーヴルを退けたジェンティルドンナは、日本最強馬だ。ちょっと物が違う。来年は間違いなく、海外遠征するだろう。今日、憂国の日に良い競馬を観た。
帰りに本屋で、『ニッポン千年神社』(出雲大社特集)を買ってきた。今日は三島由紀夫の命日。そして、闘牛の会の嫌な思い出の日だ。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~tougyuu/以下のHPの著作権は、斎藤祐司のものです。勝手に転載、または使用することを禁止する。