−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−
por 斎藤祐司
過去の、断腸亭日常日記。 −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−
太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、2006年、2007年、2008年、2009年、2010年、2011年のスペイン滞在日記です。太字で書いたモノは2010年11月京都旅行。2011年3月奈良旅行と東日本大震災、11月が京都旅行の滞在日記です。
3月13日(火) 5890 盛岡は雪がちらついていたが、東京は曇 東京にて
昨日は、叔父さんの処に泊まって話をして酒を飲んだ。ヘネシーのXOがあったので久々のコニャックの美味しいのを飲んだ。伯母ちゃんが煮物を出したが、その中に、凍み大根が入っていてそれを食べたが、美味しかった。盛岡でしか食べれないモノだろう。おばあちゃんの料理の話などをして、両親の事を話した。朝は、車で送ってもらい、家で少し話をした。
デイケアやショートスティの事などを話して叔父さんは帰っていったが、東京に戻る前に、親父が、俺が死んだら家族、親戚だけの葬式にして欲しいと言ってきたので、それが希望ならそうすると言った。弟にそのことを言うように言った。他にも家のことなどの事を言っていた。自分から死んだあとのことを考え始めたということ。体の具合で、そういうことを考えたのだろう。
3月14日(水) 曇 6869
今日は青梅に行って梅を観ようと出掛けた。しかし、観光協会のHPにあった通り、梅は殆ど咲いていなかったので、そうそうと引き上げてきて、スパに行った。電車の中で物凄く眠くなって、スパでは岩盤浴して時間を気にせずに昼寝した。気がついたら夕方のニュースをテレビでやっていた。北海道、青森、岩手の太平洋に津波注意報が出ていたのでビックリしたが、注意報なので大丈夫だろうと思った。それからまた岩盤浴して風呂に入り体を洗い、夕食にスパゲッティを食べて会計を済ませようとしたら、携帯の地震速報がなった。立ち止まって携帯を観ていたら、席に座っていた女の子二人が地震?というので、携帯は鳴ったよと教えた。
買い物をして、帰宅したら手紙が来ていた。高校の同級会をやるという知らせだった。その中で、津波で被災した同級生がいることを知る。嫁さんの実家に住んでいるというが、大船渡は壊滅的だったから、凄いことになっているんじゃないかと思う。うちの高校は校区が全県なので盛岡市内だけではない同級生がいる。大槌町が実家の先輩もいたし、同級生もいるが、そいつは今、釜石にいることが判った。てっきり盛岡に住んでいるとばかり思っていたが、大震災と津波で、実家の近いところに移ったのかもと、思う。
何か出来ることはないかと思う。『がれきの中の天使たち』椎名篤子著 集英社 を読んでいる。これは、大震災直後から仙台で、宮城県子ども総合センター所長、本間博彰医師を中心に、大震災後の子どもたちの心のケアの治療などを行った事が書かれている。心の中に仕舞い込んだ幼い子どもたちのSOSを受け止めて、治療していく姿には、涙が流れる。
大人の生活が元に戻らないと、傷ついた心を隠そうとする子どもたち。「津波ごっこ」 「葬式ごっこ」などの遊びを繰り返してそれを克服しようとするらしい。また、親に抱きついたり、困らせたり、赤ちゃん返りしたりする。自分の感情を忘れようと、ゲームやいたずらに夢中になったり、けんかしたり、中には、自傷行為に走ることもあるという。日常の中で、児童虐待などが叫ばれている今という時代に、ちゃんとした親の子どもでも、大震災の爪痕は、子どもの心に大きな傷を残す。特に両親や片親を失った子供たちは、これから何十年経っても消えることがない心の傷を負ったのだ。
本を読んでいると、目薬をささなくても目が浄化する。何故なら涙が出るからだ。
フリはサン・イシドロなどラス・ベンタス闘牛場には出場しないことになった。興行主とアポデラードのロベルト・ドミンゲスの交渉が決裂した。
3月15日(木) 曇 12943
日本は、サッカーでオリンピック出場を決めた。2−0と快勝したようだ。テレビがないから観ていないが、ネットでも安定した試合をしたように記録されている。清武が入ると違うのかも知れない。
3月16日(金) 曇 12123
本部に行ったら、色々人と会って話をした。子どもの具合が良くないからと、現場を変わったMと会ったので話を訊いたら、元々引きこもり気味で、不登校だった子が、症状が悪化して黙っていられない状態になってビートたけしのようにしょっちゅう首を振ったり、ウッ、ウッと声を上げたりしていてとても不安定な状態だ言う。仕事で全然会わなかったり、母親の方も仕事があるので、子どもにかまっている時間が少なくなった結果のようだ。
愛欠乏症のような状態に、子どもの心がなっているような気がする。一緒にいる時間を増やさないとということで、現場を変わったと言っていた。その後、Aなどに会って馬鹿話の様な類をしていたら、もう1人のMがいたので、お腹減ったなぁというと、一緒に食べますかといってきたので、一緒に飯を食った。
飯食いながら1時間ぐらい話をしたが、彼と話をしていると、自分の頭の中を整理することが出来る。貴重な人間だ。生活のことから、文化や人生の姿勢について色々な話が出来る。
帰ってきて一眠りして、医者に行って薬を貰っていた。それから、高円寺に行ってコーヒーを飲んで本を読んだ。『がれきの中の天使たち』は、第1章を読んだので半分以上進んだ。今日新たに買ってきた本をめくった。『選択の科学』シーナ・アイエンガー著、櫻井祐子訳。これはコロンビア大学ビジネススクール特別講義。NHK教育テレビで放送された『コロンビア白熱教室』を担当した、盲目の人気女性教授の本である。
それから、盛岡で買ってきた東日本大震災のDVDを観た。岩手朝日テレビが記録したモノだ。津波の物凄さが伝わってくる。本当に大変になったことが映像から伝わってくる。その後、『GLEE』シリーズ2の第3話4話の音楽を繰り返し聴いた。『I look to you』 『Bridge over troubled water』 は特に良く心に響いた曲だ。
3月17日(土) 雨 9492
昨日夜、下山さんからメールが来た。コルバチョは元気を取り戻したのか、Eさんを牧場に連れて行くと言ってきた。それをメールで取り次いだ。Eさんからの返信の答えを、下山さんに送った。どうして日本にいる俺が、スペインにいる2人の取り次ぎをしなければならないのだろうと?と思ったりもするが、取り合えず、コルバチョが少しでも元気になったようなので、少しばかりホッとした。桜の春は日本に来れないが、紅葉の時に来れるようになれば、とても嬉しい。
朝,Eさんからメールが来て、闘牛は神だったと書かれていた。セバスティアン・カステージャが良かったようだ。ホテルも同じ処らしい。
3月18日(日) 雨 27968
朝、スパに行った帰りに、本屋に寄った。盛岡で買えなかった東日本大震災のDVDが、置いていないかと思って寄ったのだ。そしたら欲しいモノが1個だけあった。それを買ってきた。『3・11岩手・大津波の記録』(IBC岩手放送) 『東日本大震災の記録 〜3・11宮城〜』(TBC東北放送)。
観ていると津波の凄さに胸が痛くなる。呆然とする住民たちの声が入っている。その悲痛な声、また、震災後の自衛隊などの活動への感謝などが入っている、IBCのDVDは特に涙が出る。
3月19日(月) 晴風強し 5652
「釜石の奇跡」と言われた釜石東中学校、鵜住居少学校の教員生徒600人が津波から1人の犠牲者もなく避難した2011年3月11日の大津波での、避難行動をこう言って、全国に発信された。IBC岩手放送のDVDに納められているそれは、生徒、教員が口々に、奇跡ではないと断言している。普段から避難訓練をしている結果で、当たり前の行動であるという。
宮城県では、200人くらいの死者を出した学校がある。同じ三陸でも、リアス式海岸が続く岩手県では、この100年で3回もの大きな津波を経験しているルので、その違いがこういう結果になったのかも知れない。中学生が小学生の手を引いて津波から避難した。泣いている小学生に声を掛け励まして津波から逃げた行動は、普段の津波避難訓練の賜物だ。津波被害という文化を持っていたという事が大きいのだろう。
防災訓練を普段からやっているか、やっていないかは、生死を決定すると言って良いくらい重要なモノである。東日本大震災で全国で防災意識が高くなったが、普段訓練をやるという意識を持つようにすることが、非常に重要だと思う。「奇跡」とは、偶発的に起こったことを言うが、この「釜石の奇跡」は7年間も小中学の津波避難訓練をやって来たという成果であるから、「奇跡」ではないと、彼らは言う。日々の訓練は、それを行った人間の命を救うのだ。
3月20日(火) 晴/曇 16989
『GLEE』のシリーズ1をコピーして貰った。それを観ていたら、聾唖学校の生徒がジョン・レノンの『イマジン』を手話付きで歌っていた。それを聴いたメンバーが一緒になって、歌うシーンには涙が出た。こういう脚本は上手いなぁと思う。
サン・イシドロの情報が判ったが、今年は、ホセ・トマスが出ないようだ。そのことには一言も触れていない。が、おそらく駄目だろう。こういう事なら、今年スペインに行くのを止めるかも知れない。
3月22日(木) 晴 24650/2
『GLEE』のシリーズ1をほぼ観た。それから、シリーズ2を出して気になるところを見返している。テレビでは、シリーズ3が放送されている。こういうとき、テレビが観たくなる。残念だが観れない。NHKのテレビでは、吹き替えでやっている。それはそれで良いのだ。歌の処になると、ちゃんと英語で歌い字幕が出る。少なくてもDVDではそうだ。テレビでもおそらくそうだと思う。
Eさんはセビージャでコルバチョに会っているはずだ。元気になったのだろうか?もう腹水は治ったのだろうか?色々考える。サン・イシドロには、ホセ・トマスが出ないことが決まった。セバスティアン・カステージャやアレハンドロ・タラバンテを観に、サン・イシドロを観に行くのは良いが、ホセ・トマスが出ないと意味がない。正式ではないが、カルテルはほぼ決まったようだ。
3月23日(金) 曇のち雨 3636
頭の中で、『You Can’t Always Get What You Want』が何度も繰り返される。ストーンズのそれと、『GLEE』キャストが歌うそれとが重なったりしながら繰り返されるのだ。しかしこれは、心地良い感覚だ。日本タイトルが確か『無情の世界』だったと思う。この歌が、こうやって再び脚光を浴びるのは良いことだ。黒人ブルースから少年時代多くを学んだストーンズだからこそ作れる歌だ。この乗りの良さは、『GLEE』の番組の中で満員の観客を総立ちにさせる。
♪人生は思い通りにいかない 欲しいものが手にはいるとは限らない♪ と繰り返される歌詞。だから日本タイトルが、『無情の世界』になったのかも知れないが、この繰り返しが、聴いている観客の心に感情に、渦を巻き起こすのだ。素晴らしい歌だ。そして、この選曲そうだし、トータルとしてGLEEの選曲は非常に素晴らしい。そして、この番組を作ったライアン・マーフィーを讃えたい。そして歌っている彼らを讃えたい。こういう事が出来るのは、アメリカ以外のあり得ない。
歌の最後は、♪でもやってみれば 必要なものは見つかるさ♪ と結ばれている。
3月24日(土) 雨のち晴 14623
「不器用」って知ってる?と、聞いたら、もう俺速攻で買ってきましたよ。前田敦子の写真集ならコンプリートしました。嬉しそうにそういった。そして、聞きもしないのに、手ブラ写真の話をした。あれは抜けます!と、ニコニコしながらいう。セックスが人生で1番大事という彼は、マエアツを絶賛して、自身のセックス・シンボルであるという様な感じを話していることが判った。そうやってアイドルに熱を上げるのも良いだろう。
何かに夢中になるのは素晴らしいことだ。俺が今夢中なのは、『GLEE』。家にいるとずっと『GLEE』の音楽がかかっている。
時間がなくて、サン・イシドロ情報を更新できない。遅くても月曜日にはアップできるだろうが、その頃には、オフィシャルが発表されているかも知れないが…。
3月26日(月) 晴 23578/2
どうしてだろう?最近日本語入力の時にATOKが、ちゃんと変換してくれないことが度々ある。再起動すれば直るのだが、それをしなくても直る方法がないモノかと、頭を悩ませている。こういう時は、ISOさんに訊くのが1番良いような気がする。
誰に訊いても答えをくれない話もある。2人目の子どもが出来た同僚の話の続き。給料が下がって大変だ、これからどうすれば良いんだろう。インディカ米でも食わなきゃ駄目かと冗談を言っていたが、嫁さんが切迫流産をしたという。これでお金の心配はしなくて良くなったが、嫁さんが落ち込んでいるという。ただ、結婚の時に、子どもが出来ない体と医者に宣告されていて、それでも子どもが1人出来、2人目という時に、嫁さんの体が悲鳴を上げたようなのだ。慰めの言葉もないが、そんな話を訊いてあげるくらいしか僕には出来ないのだ。
シーラさんと電話で話した。この前はMEGUさんとも話したが、京都に行って桜吹雪が見たいと思っている。
サン・イシドロのカルテルが発表された。
3月27日(火) 晴 6789
サン・イシドロのカルテルで、直前に変更になった処で、1番気になるのが17日セバスティアン・カステージャとアレハンドロ・タラバンテ。18日からの1日前になった。他の修正があるのかどうか、カルテルを詳しく観ていないので判らない。未だ記入も出来ていない。アップするのは明日になるだろう。
3月29日(木) 晴 24243/2
昼、吉祥寺でMEGUさんと昼食を取った。日本で1番売り上げがあるというマックの前で待ち合わせて、イタリア・レストランでランチ。それぞれの近況を話して去年の大震災の話をした。コルバチョの話もして京都行きの話などもした。会った目的は、実話血圧計を貰い事。今使っていない古い血圧計を貰い吉祥寺のCD屋と本屋に寄って、最寄りの駅に戻り買い物をして帰ってきた。MEGUさん小食でソーセージやご飯をこっちにくれるものだからお腹一杯になって帰ってきた。
早速、血圧を測ったら高い。2・3日計ってデータが揃って平均値が出たら本当に高いのかどうかが判るだろう。それから対処法を考える。昼寝をして『GLEE』のDVDを観ていたら、携帯が鳴った。登録していない番号だったが、何となく大丈夫な気がして出たら、高校の時のバンド・メンバーからだった。高校の学園祭で歌った歌の話をして、夏の同級会で歌おうという誘いだった。今すぐ答えを出さなくて良いから考えるようにいわれた。そして、Mの大震災で被災した話をしていたら、大槌町出身のKの実家が津波で流されたようで母親と兄貴が行方不明だという。
やっぱり。嫌な予感が当たった。怖くて電話をかけて訊けなかったが、そういう事情で盛岡ではなく釜石にいるようなのだ。あいつ父親と喧嘩して家を出ているので大槌にもいにくいのだろうが、せめて近くの釜石にと思っているのだろうなぁ。つらいよなぁ。掛ける言葉もない。
電話を切ったら、着信があるのに気づいた。Eさんからだ。スペインから帰ってきた。セビージャではコルバチョに会ってきた話を訊いた。腹水があるのかも知れないが、歩く姿などは違和感はかなったといっていた。顔が黒いといっていたが、それは前からなのだ。それでも下山さんが、前に比べると黒くなったということなので、それは肝臓の悪化が顔に出ているのだろうと思った。闘牛の話もした。途中で仕事の電話が入って切った。
3月31日(土) 曇のち雨 強風が吹く 16174/2歓迎
28日は歓送迎会があって飲んだ。新しい道を進む人、新しく来た人が混ざって飲んだ。その後、カラオケで歌った。昨日は青梅に行って梅を観てきた。蝋梅はもうしおれてドライフラワーのようになっていたが、白梅、紅梅と咲いていて綺麗だった。年寄り、女性、外国人が来ていた。青梅は今年梅の病気で多くの木が伐採された。それでも、梅祭りは行われ例年に比べて2週間くらい遅いようだが満開をむかえた。奈良と同じように梅があるところを、吉野という。吉野は、「良し野」なのだ。
帰ってきて、『GLEE』のDVDを観た。そうしたらバラードの処で、『Lean On Me』を聴いて感動した。この場面でこういう歌を歌う。本当に脚本が素晴らしいし、それを感動的に歌えるGLEEのキャストは素晴らしい。何度も何度も聴いた。『I look to you』『Bridge over troubled water』『You Can’t Always Get What You Want』を混ぜて聴いていたが、最後の方は、『Lean
On Me』と『You Can’t Always Get What You Want』を交互に聴いて、『Lean On Me』を繰り返して締めた。
♪私たちの人生は
時々痛みや悲しみではちきれそうになる
けど、いつでも明日があることを、私たちは知っている
自分自身が弱っていると感じる時は私を頼ってほしい
あなたの友達になって
あなたがこれからも生き抜いていくための力になるよ
ほんの少しの間
誰にだって、頼れる誰かが必要だから
プライドをぐっと飲み込んで
時には人の力を借りることもあなたには必要だ
あなたが求めなければ
誰も手を貸してあげることも出来はしないから
自分自身が弱っていると感じる時は私を頼ってほしい
あなたの友達になって
あなたがこれからも生き抜いていくための力になるよ
ほんの少しの間
誰にだって、頼れる誰かが必要だから
もし神が居られるならば、へこたれそうなときは神に祈りなさい
もしあなたが呼んでくれれば
私たちは正しき方向へ向かう道の上で神を分かち合えるでしょう
手を貸してほしい時は呼んでほしい
誰にだって、頼れる誰かが必要だ
まさに、あなたを知るための課題が与えられているのだから
誰にだって、頼れる誰かが必要だ
自分自身が弱っていると感じる時は私を頼ってほしい
あなたの友達になって
あなたがこれからも生き抜いていくための力になるよ
ほんの少しの間
誰にだって、頼れる誰かが必要だから♪ ーー『Lean On Me』 ビル・ウィザース作 原曲の対訳(GLEEの対訳ではない)ーー
ビル・ウィザースは、黒人で12歳で父親を亡くして、17歳で海軍に9年間入隊。その後、ロサンジェルスのフォードで働いていた。時代からいってベトナム戦争にも行ったのだろうと思う。深刻な吃音に悩まされていたという。苦労を重ねただけあって良い歌を作る。忘れられない名曲だ。
血圧は何度測っても高い。病院に行かなければならないだろう。ホセ・トマスは今年は闘牛をしないようだ。これで今年のスペイン行きはなくなった。残念。
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