断腸亭日常日記 2012年 その3

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、2006年、2007年、2008年、2009年、2010年、2011年のスペイン滞在日記です。太字で書いたモノは2010年11月京都旅行。2011年3月奈良旅行と東日本大震災、11月が京都旅行の滞在日記です。

99年4月15日〜5月11日 5月12日〜6月4日 6月7日〜6月10日 2000年4月20日〜4月29日 5月1日〜5月14日
5月15日〜5月31日 6月1日〜6月15日 6月16日〜6月29日 2001年4月19日〜5月3日 5月4日〜5月17日
5月18日〜5月31日 6月1日〜6月11日 6月12日〜6月22日 2002年4月16日〜4月30日 5月1日〜5月15日
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 2月23日(木) 雨のち晴 7376

 休んでいたせいか、腰痛は大分良くなってきた。背筋腹筋をつけないとまた起こるだろうと思った。朝から借りてきた『GLEE』のDVDを観ている。シリーズ2の8、第15話、16話は素晴らしい曲が入っている。15話の1発目が、「Do You Wanna Touch Me (Oh Yeah)」 「Kiss」(プリンス) 「Landslide」 と続けていくと、その変化がとても素晴らしいことに気づくだろう。「Landslide」はどうやら、スティーヴィー・ニックスが作った歌らしい。この歌が、グッと来る。ホリー先生の声がまた素晴らしい。さりげなくだけど、ジワーっと来る。フリートウッド・マックの方も聴いたけど、原曲を上回る出来だ。カントリー調のアレンジが良い。バンジョーにスティール・ギターと生ギター。

 サンタナが泣いていたけど、その気持ちはよく分かる。元々がカントリーの曲ではなく、あの60年代を青春時代として過ごした世代の歌詞だなと思う。ということは、彼女は27歳の時にこの歌を作っている。そう考える凄いことだと思う。27歳でこんな歌詞が書けるのが凄い。こういう歌詞は40代50代が書くような内容だ。しかも今はカントリー歌手がこの歌を歌い継いでいるようだ。こうやって『GLEE』の様な人気番組に取り上げられて、さらに歌う人が多くなるだろう。隠れた名曲の一つだ。

 この15話からCDになっているのは、「Do You Wanna Touch Me (Oh Yeah)」 「Kiss」(プリンス) 「Landslide」の3曲だけ。当然の選曲だ。16話からは、「Get It Right」 「Loser Like Me」の2曲。これも当然の選曲。

 職場で2人目が出来た人がいる。嫁さんから病院に行って取ってきた超音波の写真がメールに添付されてあったという。それで、そいつはガックリ肩を落としている。家もローンで買ったばかりで、最近給料が減ってこれからどうしようというときに、思いも寄らない2人目の懐妊の知らせ。これからどうするの?アワとかヒエを食べるの?と訊いたら、インディカ米を食べると、冗談交じりに言っていたという。金になりそうな仕事を探すようだ。

 セビージャのフェリア・デ・アブリルのカルテルなどが発表になった。ホセ・トマスの名前はない。コルプスにも、サン・ミゲルにも出場しない。去年の12月14日から交渉を初めて今まで待ったが、何の連絡もないという。出場料は20%アップを提示したと言うが、興行主の話、特にラモン・バレンシアの話は信用できない。その他にペレラもフリ、ポンセも出ない。セビージャ闘牛士モランテ、エル・シド、ダニエル・ルケ。観たいのは、セバスティアン・カステージャとアレハンドロ・タラバンテだけだ。


 2月24日(金) 曇 2587

 ネットで観ると色々観れるが、『GLEE』で、サンタナの『ヴァレリー』の時にマイクとブリットニーがやった踊りは、テレビでやった時とコンサートでやったときでは違う。テレビでやったときのものは凄いし、コンサートでやったときのものは素晴らしい。こういうのを映像として残しておくことが凄いし、アメリカしか出来ないことだ。マイクとブリットニーの踊りは最高だ。勿論、サンタナの歌も素晴らしい。こういうのを観ていると楽しくなる。


 2月25日(土) 雨のち曇 15460

 今日も相変わらす、『GLEE』を観ている。体型が揃っていない。それでいてダンスする。太った子もいれば、痩せた子もいる。背の高い子もいれば、低い子もいる。車椅子の子までいる。それでダンスする。声だって良い子もいれば音痴の子もいる。白人もいれば黒人、黄色人種もヒスパニックもいる。まさに不揃いの子たちが、一つになって歌って踊りまくる。こういう物語を考えて脚本を書きプロデュースしたライアン・マーフィーは凄い。ゲイであるという性的思考が、色んな人間を一つにするという、アメリカ的な民主主義を描いているようにも見えている。

 高校生という青春時代にこういう風に人生を楽しむことが出来れば、社会に出てからも乗り越えなければならない試練を乗り越えるすべを探せるだろうと思えてしまう。とにかくこのテレビ番組の見所は、歌って踊ってのシーンだ。それといじめなどの学校生活で、自分を見つめ、他の人との違いを認識して、廻りと共存して行こうとする処にあると思う。


 2月26日(日) 曇 5088

 減塩の決め手は、塩分0のおかずを必ず一品以上作ると言うことが、ISOさんから教えて貰った、女子栄養大学発行の月刊誌『栄養と料理』2月号に書いてあった。俺の場合は、面倒くさいので、何でも入れてしまって一品料理を作るので、品数はないがないが色々な材料が入っている料理になる。だから油と減塩には、最近良い材料があることに気づいた。鶏肉である。胸肉でももも肉でも良いが、ぶつ切りにしたものを皿に敷いて塩こしょうをしてレンジで3分半くらいチンする。そうすると丁度良い具合に熱が通りしかも水分と油が出る。それをフライパンに入れて火をつけて残りの材料を入れる。レンコン、ゴボウ、大根、白菜あるいはキャベツなどの好きなものを入れてニンニクと生姜のチューブを入れて炒める。

 それが、その日の弁当のおかずになるのだ。最近は運動量が減ったので、こういうものを食べても、あまり体重に変化がないがいちいちそういうことを気にしていては、始まるものも始まらなくなるので気にしないようにしている。体を動かすことを少しずつやっていけばそれだけでも変化が付くし、日々の楽しみにもなる。家で食べるときは、塩いらずのスープのレシピも参考になる。乾物の水出しスープを作ったりすればレパートリーも増える。

 それと、今まで使っているモノも活用のしがいがあることを知る。麹で塩麹を作って減塩も出来るし、酒粕の活用も出来る。こういう発酵食品は日本人が昔から生活の知恵として使ってきたモノである。塩麹で作る即席の漬け物なんて美味しそうだし、調味料としては使い道が幅広いのも良い。塩を減らそうと思えば、こしょう、七味や唐辛子、カレー味、桃屋の辛そうで辛くないラー油などの辛みと、ハーブ類、ニンニク、生姜、時期によってミョウガも良いし、酢も有効である。

 こういうモノの組み合わせで、アクセントの利いた料理が数多く楽しめるだろう。取り合えず塩麹を近いうちに作ろうと思う。それを使っておばあちゃんが作った大根の漬け物に近づけるようにしたい。そう盛岡でしか食べれない大根の漬け物。それと大根でいえば、凍み大根が無性に食べたい気分だ。これは盛岡じゃなければ食べられない、絶品料理だ!1人当たりの大根消費量日本一の盛岡。だからこその故郷料理だと思う。人間結局、子供の頃食べたお袋の料理に行き着く。

 俺の場合は、お袋の料理じゃなく、おばあちゃんの料理。あのものを言わないおばあちゃんが作ってくれた料理は、味を支配する根本であり基本であり、宇宙である。その宇宙をもう一度取り戻したいと、最近思う。そうすれば子供の頃、丼一杯に大根の漬け物が入ったモノを全部食べた様に、そういうことが出来るようになるかも知れない。今は、それをつまみに酒が飲みたいと思う。うめぇだろうなぁー。


 2月27日(月) 晴 9589

 昨日のマラソンで、最速市民ランナーが後半失速して14位になり、自称プータローランナーが2時間7分台で2位に入り五輪の切符をほぼ確実にした言われる。めまぐるしく変わる男子マラソン五輪代表候補。落ちこぼれでないが、今までとは全く違うルートで五輪代表を狙えることを2人は示した。企業に所属するランナー以外で、五輪候補は今まで出ていなかったと思うが、こういう状況になったのは、地殻変動が起こっているということだと思う。

 これは何も、マラソンの陸連だけでなく、そして、スポーツだけでなく、あらゆる分野で起こりつつある地殻変動を意味するように僕は思う。こういう変革を、受け入れれない人もいるだろうし、歓迎する人たちも多くいるだろう。人は変わるし、社会も変わる。このめまぐるしさについて行けない人は、結果的に芥川龍之介のように自殺するしかなくなるのかも知れない。

 『GLEE』のDVDはとても素晴らしい!もう堪えきれなくなってシリーズ2のDVDボックスを注文した。京都に行かなかったから、その分浮いた金で買ったと思うことにした。


 2月28日(火) 曇 4376

 本当にいるモノと、いらないモノを分けて、断舎利しようかな。3月に入れば花たちが咲き始める。梅はもう咲いている。青梅の方では、梅の有名な処があるらしいのに最近気づいて、そこに行ってみようかと思っている。そうこうしているうちに震災から1年目を迎えるだろう。その頃までに、色々考えたいことがある。


 3月1日(木) 曇 29936/2

 昨日は夜中から雪が降り始め昼前には5cmくらい東京で積もった。電車なども遅れたりしたが、その中で夕方送別会を兼ねた飲み会があった。こういう日に雪が降るのが、彼らしいともっぱらの評判になった。こういうところを外さない。


 3月4日(日) 曇 43618/3

 絶不調の競馬予想。非道いモノだ。この時期にクラシックのトライアルで、大本命が着外が続くというのは、考えられない事態だ。こういう時代に元気なのは、女!ワールド・カップスキージャンプ女子で、優勝した高梨沙羅は、最年少の15歳。スケートの世界ジュニアで総合優勝した高木美帆は、17歳。男子サッカーはダメだったが、なでしこは勝ち続けてアメリカ戦に挑む。どうした男と、言いたいが、男はダメなのだ。

 そういうわけでもないが、ネットで頼んでいた、『樋口一葉「いやだ!」と云う』田中優子著(集英社新書)が届いた。女から知恵と知識を借りようと思う。

 マラガには、ホセ・トマスは出ないようだ。おそらく、興行主がカサ・チョペラに変わったからだろう。未だにホセ・トマスの今年の初戦が解らない状態である。


 3月5日(月) 雨のち曇 17678

 夜,Eさんから電話があった。木曜日には出発するという。バレンシアとカステジョンで闘牛を観てくるという。闘牛が始まったので、色々廻りから問い合わせなどの連絡が来る。TAMAさんからもサン・イシドロの問い合わせが来た。

 パディージャは、片眼を失ってから初めての闘牛に出場して感動的な闘牛をやってプエルタ・グランデした。感動の海とタイトルされている。


 3月7日(水) 曇 25663/2

 ♪愛を手に取り 手放した
 山を登り振り返ると 
 斜面の雪に 私の姿が映ってた
 でも崖崩れが すべてさらった
 空の鏡に問いかける 愛って何?
 私の中の純粋さは 保てるだろうか
 変わりゆく波を 渡れるだろうか
 人生の季節を 超えられるだろうか

 私は変化を恐れていた
 あなた中心に 人生を築いてたから
 でも時があなたを自由にし
 私も年を重ねる 私もどんどん年を取る
 だから手にした愛を 手放すの
 あなたも山に登って 振り返れば
 斜面の雪に 私が見えるかしら
 でも崖崩れがさらってしまう
 斜面の雪に 私が見えるかしら
 見えるかも 見えるかもしれない
 でも崖崩れが 起こってしまう♪   ーー訳『GLEE』より 邦題『ファンタスティック・マック』フリートウッド・マック から『Landslide 』作詞作曲スティーヴィー・ニックス ーー

 『GLEE』シリーズ2の特典映像を観たら、『Landslide 』撮影の日にスティーヴィー・ニックスが現場を訪問して出演者と話をしている処が映っていた。制作のライアン・マーフィーに紹介されて部屋に入ってくる。

 フィンは、「彼女がセットに現れてマジでパニックになったよ。稀に見る才能のシンガーで、人生で抱いた激情を音楽に昇華できる人だ。」といっていた。

 スティヴィーは、「番組を観ていると登場人物に愛着がわく。知り合いの気分ね。だから今日、撮影現場に来たら、友達とくつろいでるような気持ちになった。変な話でしょ。」 そして、出演者に対して語りかける。「みんなは高校生になる子たちに大きな影響を与えてる。“グリークラブに入って楽しみたい”と思われた」と。

 シュー先生は、「彼女は僕たちやスタッフにすてきな言葉をかけてくれた。僕らが音楽のためにやっていることを、分かってくれている」 「 『ランドスライド』は何度もカバーされているが、どれもすばらしい。とても美しい歌だ。」

 スティーヴィーは、「作曲したのは1973年よ。私は25か26だったわ。だからみんなに分かってほしい。作曲したのはオバちゃんではなく、未来と向き合った、若い女性だったとね。当時、私はハッキリと分かったの。“音楽がすべてだ”と。大きな何かが近づいてると感じていたわ。それが、フリートウッド・マックよ」

 ホリー先生は、「彼女が来るなんて夢みたい。来るとは聞いていたけど、信じなかったの。ギターを弾いてくれとライアンに言われ、少し練習させてと答えたわ。誰かの歌をカバーする時は、“本人の気に障ったら…”と内心は不安よ。だから本番では、考えないようにした。そうでないと、怖くてたまらなくなるもの。」

 スティーヴィー「グウィネス(ホリー先生)の歌声は、すばらしかったわ。」と、言っていた。僕もそう思う。シュー先生が言っていたが、この曲は何度もカバーされている様だ。でも、近年ヒットさせたのは、ディクシー・チックスという女性3人組のカントリー・グループである。シリーズ2、第15話で歌われるこの曲は、真ん中にホリー先生、向かって左にサンタナ、右にブリットニーという配置になっているが、これがディクシー・チックスの配置と同じである。サンタナが黒髪、ホリー先生とブリットニーが金髪という風に髪の色まで同じだ。

 カントリー出身のディクシー・チックスは、ポップスでも売れて、CDが2枚続けて1000万枚を超す売り上げを記録する。リード・ボーカルのナタリイ・メインズは、カントリーぽい歌い方をするが、ホリー先生の歌声は、ポップでよりテレビ向きで聴きやすい。ホリー先生は、『恋におちたシェイクスピア』でアカデミー主演女優賞を受賞したグウィネス・バルトローが演じている。この声が良いし、15話の物語の中で、重要な役割を果たしている。もう一つ加えるなら、スペインに住んでいた事があり、スペイン語が堪能だという。

 『樋口一葉「いやだ!」と云う』田中優子著は、非常に面白い!こういう事にもっと前に気づいていていたら、人生も変わったモノになっていたと思う。


 3月8日(木) 曇 5402

 アルガルベカップ決勝で、なでしこは、ドイツに3−4で負けて準優勝に終わった。折角アメリカに勝ったのに、残念な結果だが沢を欠く布陣で若手を投入して次代を考えた闘いに、賞賛を贈りたい。商事に言えば、映像を観ていないが…。

 Eさんが今日スペインへ出発するが、僕は来週田舎に帰ろうと思っている。大震災の1周年記念の日に帰るというのも、それはそれで意味があることのように思う。


 3月9日(金) 雨 11979

 満開の桜の散る桜吹雪がラスト・シーンになっている映画を探している。記憶では、『優駿 オラシオン』だったが、それが違うことに気づいた。それでその映画を探している。それがなかなか見つからない。どうすれば探せるのか。


 3月11日(日) 曇のち雪 21157/2 盛岡にて

 朝、津波訓練をやっている小学校前を通り、新幹線に乗って盛岡に戻ってきた。盛岡駅から電車に乗って実家に向かう中、雪がちらついてきた。今日は、東日本大震災から1周年経った記念日で、色々な催しが3県中心に行われた。政府主催のモノも国立劇場で、天皇皇后も出席してしめやかに行われた。多くの命が失われた。多くの思いが、ここに詰まっている。

 普段テレビを観ないのに、今日は実家でテレビ三昧。1年前の事を被災者が語っている。地震や津波で孤立して、食料も水もない、雪の降る非常に寒い東北で、真っ暗な中で、そこにいる人たちが、みんなで支え合って絶望に負けることなく、寒さに、空腹に、耐えることが出来た。孤独に海に漂いながら耐えた人も、妻のことを思って自分自身を勇気づけ気力を振り絞って生き抜いた。

 人は1人では生きていけない。生きている事、亡くなった人たちに対して生き残ったことの後ろめたさを感じる必要はないと、被災にあった病院の医師が言っていた。自分の人生を精一杯生きることが、亡くなった人たちの弔いにもなり、復興の力になっていく。人と繋がる、共に生きること。それが復興にも、人生にも重要なことになる。被災という極限状態では、特に誰かと繋がっていることが、孤立感を感じなくて済む。前に進んでいく力になる。

 盛岡駅の本屋に寄ったら、大震災関連の本が一杯並んでいた。帰りに買おうと思ったが、1冊だけ『文藝春秋』三月臨時増刊号 3.11から一年 100人の作家の言葉 を買った。巻頭詩に涙が流れた。

 「言葉」    谷川俊太郎

何もかも失って
言葉まで失ったが
言葉は壊れなかった
流されなかった
ひとりひとりの心の底で
言葉は発芽する
瓦礫の下の大地から
昔ながらの訛り
走り書きの文字
途切れがちな意味

言い古された言葉が
苦しみゆえに甦る
悲しみゆえに深まる
新たな意味へと
沈黙に裏打ちされて

 盛岡では夕方、中津川で大震災で亡くなった人たちの為の灯籠流しをすると言っていた。


 3月12日(月) 曇のち雪 5892 盛岡にて

 本屋に行って東日本大震災関連の本を見ていた。イオンには、震災関連の写真展をやっていて、沿岸部の人たちの写真とコメントが載っていた。それが意外と面白かった。

 『復興の狼煙』ポスター展。写真にコメントが添えられている。「被災地じゃねえ、正念場だ。」作業員(釜石) 「瓦礫を踏み台にする。」家族(釜石) 「やるしかないもの、高田。」女子高生たち(陸前高田) 「俺たちがエンジン噴かす」ガソリンスタンド店員たち(陸前高田) 「見てるから、まっすぐに。」母子(陸前高田) 「貫き通してこそ、大工。」老人(陸前高田) 「無かったことにさせないよ。」老人(陸前高田) 「こわかった分、強くなる。」少女たち(陸前高田) 「ぎこちなくても、歩き出す。」(多分、食堂の中年女性と老女(陸前高田) 「考えてる。ちゃーんとね。」少年たち(陸前高田) 「儚いものを、山ほど知った。」老人(陸前高田) 「好きになった言葉は、勇気。」子供たち(陸前高田)

 「忘れたいけど、覚えておく。」女家族(大槌町) 「ひとつひとつに、咲かせるよ。」老女(大槌町) 「あの日と、闘い続けていく。」作業員たち(大槌町) 「頑固者の出番のときだ。」老人(大槌町) 「甘く見るなよ、大槌人だ。」老人(大槌町) 「チョー悲しくなんかない。」少年(大槌町) 「これからを取り戻す旅。」老夫婦(大槌町) 「余計な言葉は無くていい。」父と子(大槌町) 「そして絆は、家族になった。」避難所の人たち(大槌町) 「此処でなきゃ、駄目なんだ。」老人たち(大槌町) 「野球がしたいです、神様。」母親と少年(釜石) 「悔し涙は、嬉し涙にする。」夫婦(大槌町) 

 「もうふざけんじゃねえ。」作業員たち(釜石) 「かじりついてどもまでも。」作業員たち(釜石) 「夢は勝つ。必ず勝つ。」保育園の保育士と子供たち(釜石) 「埃も泥も、思い出にする。」男(釜石) 「かわりに気づいた、宝もの。」家族(釜石) 「しおれてちゃ、男がすたる。」男(釜石) 「こころまで壊されてたまるか。」男(釜石) 「仲間は力だと、わかった。」男たち(釜石) 「大笑いできる、その日まで。」老女(釜石) 「続く未来に、胸張れるように。」親(釜石) 「それでも今日も、海を見る。」老女(大槌町) 「前よりも、いい街にしてやる。」作業員(釜石) 

 「ワルガキ二人の、解禁日。」老人二人釣り竿と魚を持て(釜石) 「ついてきて、おとなたち。」子供たち(大船渡) 「虚しさも切ってあげたい。」床屋の家族(釜石) 「なみだにバイバイします。」少年少女(大船渡) 「潜り続ける。誰かのために。」潜水夫たち(大船渡) 「あたりまえが、愛おしい。」夫婦(大船渡) 「命なんだ。出発点なんだ。」漁師(大船渡) 「ごはんをつくれる幸せ。」女(大船渡) 「お化粧をして立ち向かう。」母娘(大船渡) 「溜息をつかないと決めた。」作業員(大船渡) 「諦めるな、と帆立が言う。」漁師たち(大船渡) 

 本も買った。『がれきの中の天使たち』をコーヒーを飲みながらつらつら読んだが、非常に面白いと思った。宮城県の子供の精神ケア現場の状況というのが判る。なお実家はネット環境にないため東京に戻ってからのアップになる。


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