断腸亭日常日記 2012年 その2

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、2006年、2007年、2008年、2009年、2010年、2011年のスペイン滞在日記です。太字で書いたモノは2010年11月京都旅行。2011年3月奈良旅行と東日本大震災、11月が京都旅行の滞在日記です。

99年4月15日〜5月11日 5月12日〜6月4日 6月7日〜6月10日 2000年4月20日〜4月29日 5月1日〜5月14日
5月15日〜5月31日 6月1日〜6月15日 6月16日〜6月29日 2001年4月19日〜5月3日 5月4日〜5月17日
5月18日〜5月31日 6月1日〜6月11日 6月12日〜6月22日 2002年4月16日〜4月30日 5月1日〜5月15日
5月16〜5月31日 6月1日〜6月13日 2003年4月16日〜5月24日 5月25日〜6月10日 6月12日〜6月26日
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 11月21日〜11月27日 2012年1月2日〜1月11日 1月12日〜2月8日

 2月9日(木) 晴 7968

 昨日の夜は、スパに行って帰ってきてメールをチェックしたらISOさんから減塩レシピが載っている雑誌の紹介が書いてあった。それで、今日は、お寺に行って写経をした帰りに本屋によって観ようとしたら、2月号はなくて、もう3月号になっていた。それで注文して帰ってきた。それで、本屋で観た、武士の食事とかいう本に載っていた、高山右近の牛肉の味噌鍋が食べたくなったので、帰ってきたそれを作った。基本が、牛肉とネギとゴボウと大根。それにレンコンを入れた。水の中に、ニンニクと生姜。それを沸かして、材料を入れた。味噌味に塩分に対する不安が多少あったが、丁度良い具合に出来上がったので、美味しく食べられた。

 「■ 五観の偈(ごかんのげ)

一つには功の多少を計り 彼の来所を量る
(ひとつにはこうのたしょうをはかり かのらいしょをはかる)
ひとつには、この食材がここに至るまでどれほどの多くのことがあったのか、またこの食事はどのような過程を経て、ここにもたらされたのかについて思いをめぐらすこと。

二つには己が徳行の 全缺を忖って供に応ず
(ふたつにはおのれがとくぎょうの ぜんけつをはかってくにおうず)
二つには、自分自身がどの程度徳行をなしたか、食事をいただくだけの資格があるかについて思いをめぐらすこと。

三つには心を防ぎ過を離るることは 貪等を宗とす
(みつにはしんをふせぎとがをはなるることは とんとうをしゅうとす)
三つには、罪や過ちをおかさないためには貪りと怒りと愚かさといいう三つの心をもたないことであると思いめぐらすこと。

四つには将に良薬を事とするは 形枯を療ぜんが為なり
(よつにはまさにりょうやくをこととするは ぎょうこをりょうぜんがためなり)
四つには、この良薬である食事をいただくことは、自らの身心を保つためのものであり、決して美味を求め、飽食をすることではないという思いをめぐらすこと。

五つには成道のための故に いま此の食を受く
(いつつにはじょうどうのためのゆえに いまこのじきをうく)
五つには、仏道を成就するために、今からこの食事をいただくのだと思いめぐらすこと。

上分三宝 中分四恩 下及六道 皆同供養 一口為断一切悪 二口為修一切善 三口為度諸衆生 皆共成仏道
(じょうぶんさんぼう ちゅうぶんしおん げぎゅうろくどう かいどうくよう いっくいだんいっさいあく にくいしゅいっさいぜん さんくいどしょしゅじょう かいぐじょうぶつどう)」 −−青松寺HPより抜粋−−

 今日写経行ったお寺のHPに載っていた、五観の偈。人間は本来こういうことを感じながら食事をするべきなのだろう。ISOさんに電話して、雑誌のことを話した。写経のことも話したが、感想があまりないのが正直なところ。般若心経の写しを貰ってきたので、阿字観に行くときまでに、暗記でもしようと思う。日記を読んだようで、PCがダメになった処を読んで笑っていたという。それで、今日メールしようと思っていた所だったという。ようは、PCを逆さに水を出して、乾燥させる。メーカーに電話で問い合わせても、そういうことをいうという。水やお茶をこぼして電源を入れていなければ、5日間くらいで復活するはずだという。ISOさん推奨は、バッテリーを外して空気の通りを良くして、液晶画面を開いてキーボードを空気にさらす。出来れば、扇風機に3時間くらい当てるとより乾きが良くなるという。

 貴重な意見を貰った。慌てて電源を入れなかったのが正解ともいっていた。それは経験上知っていたから、正しい対処が出来たのだ。修学院離宮に行ってきた話を訊いた。秋の紅葉の時期はとても綺麗で、桜の季節は桜の木があまりないので面白くない。夏は暑いだけ。冬は寒いだけ。結局、秋の紅葉の時期が最高のようだ。だが、穴は、新緑の時期に苔を観に行くというのが、1番すいていて良いのかも知れない。

 MEGUさんにも昨日電話して話した。体調があまり良くないようで、心配だ。昨日はスパの帰りに、ビデオ屋に寄って、DVDとCDを借りてきた。TAMAさんがいっていた『マノレーテ』のDVDを見つけたからだ。それと、『GLEEのコンサート』のDVDも借りて、昨日からそればかり観ている。もう5,6回観ただろうか。買おうかどうか迷っていたが、踏ん切りが付いた。買う事にした。


 2月10日(金) 晴 5399

 この前、新聞を読んでいたら、京都のネットカフェで捕まったのが、東福寺から逃げた僧侶で、修行がつらくて逃げて、お金がないのにネットカフェに潜入して盗みで逮捕された。寝込んでいた他の客の財布からお金を取らず、保険証を盗んだ。理由は、ネットカフェの会員になるためには身分証明書が必要だったからだという。JR東海の『そうだ、京都へ行こう』シリーズの97年の東福寺のコピーは「六百年前、桜全部、切りました。春より秋を選んだお寺です。」 そう紅葉で有名なお寺である。


 2月11日(土) 晴 17537

 『GLEE』の話をしたら、興味を持ってネットで検索したらしく、凄い!といって驚いた。2010年2011年と2年連続ゴールデン・グローブ賞を受賞。レイチェルとメルセデスの声は抜群。バーバラ・ストライザンド的な正統的な白人女性のボーカルのレイチェルに対して、メルセデスは、子供の頃から教会に通い詰めて、ゴスペルをしっかり身に付けてきた事は、歌を聴けば一目瞭然。声の良さと声量を備えている。この2人が競演しているだけで殆ど奇跡だ。ダンスでは、マイクとブリットニーが素晴らしい。基本的にみんな歌も歌え、ダンスも出来る。

 ウキペディアの概要には、「『NIP/TUCK マイアミ整形外科医』のライアン・マーフィー制作。オハイオ州ライマにある架空の学校、ウィリアム・マッキンリー高校の合唱部(グリークラブ)を中心に描かれる、ミュージック・コメディ・ドラマである。プロのダンサーやミュージシャン、ブロードウェイでの舞台経験などを持つ実力派のキャストたちが、60年代〜90年代のスタンダードから最新のヒットソング、著名なミュージカル・ナンバーなど、毎回幅広いジャンルから名曲をカバーするパフォーマンス(ショウ・クワイアー)が見どころのひとつ。

 放送開始直後から瞬く間に人気を博し、異例の早さで第3シーズンの製作が決定した。サウンドトラックが3作品連続で全米アルバム・チャートの1位を記録するなど、全米で社会現象を巻き起こす大ヒットとなっている。「glee」と、マニアやおたくを意味する語「geek」(ギーク)をかけあわせ、熱狂的なファンを「gleeks」(グリークス)とも呼ぶ。 主要キャストは、家族で作品のファンだというオバマ大統領から直々にホワイトハウスに招かれ歌を披露した。ワールドシリーズの始球式では国歌を斉唱している。2010年には米4大都市でのツアーを成功させた。メイシーズは、本作にインスパイアされたファッション・ラインを展開している。

 業界内にもファンが多く、ジェニファー・ロペスやアン・ハサウェイなどが出演を熱望している。コールドプレイ、ポール・マッカートニーは、作品内で曲を使って欲しいと公言している。

 日本では、2010年にFOXチャンネルでシーズン1の放送を開始。2011年にシーズン2の放送を開始している。その後2011年4月にNHK BSプレミアムでシーズン1が放送開始している。」 と、いう具合だ。

 全米が熱狂しているというのは、ビデオ屋から借りてきた、『GLEE グリー ザ・コンサート・ムービー』を観れば良く判る。アメフトのスタジアムを満員にしてのコンサートだ。この熱狂が社会現象になっていると言うことも。このドラマの感想をいっている。「皆 キャラに自己投影している」 「自分の心の奥にあるものを掘り起こす番組だ」 「私にとっては薬よ 気分よくしてくれる アスペルガー患者は外に出ることが不安なの ライブにも行けないし、引きこもっていた。学校も不登校。グリーに背を押されて登校できた」(アスペルガー患者の少女の言葉) 「学んだのは誇りを持つこと。信じる道を進むこと」(ゲイの少年の言葉) 「小さいことは、私のハンデだけど、グリーを見ると、誰もが、もがいている。皆、大事な存在よ」(小人の少女の言葉) 「グリーの皆と同じく私たちも負け犬よ」 「個性は共存できる」 「普通の人にも物語があるし、オタクにはパワーがある」 「彼らは悩みを歌とリンクさせて乗り越える。どの歌も私の人生賛歌よ」

 子供達から大人まで『GLEE』を観て熱狂している。僕もその1人。


 2月12日(日) 晴 4867

 ホセ・トマスとセビージャの興行主パヘスの交渉はこれから始まるようだが、情報によると、春祭りには出場しないようだ。これは、以前から問題になっているテレビ放映の問題があるからで、今年はさらにそれに闘牛士達の肖像権が一括して、ASM(オール・スポーツ・メディア)が管理することになり問題はより複雑になっているようだ。パヘス側は、コルプス(6月7日)かサン・ミゲル(9月末のフェリア)への出場を望んでいるようだ。


 2月13日(月) 晴 16228

♪ビニール袋になったみたい 風に流されて やり直したい気分
 透けそうな紙になったみたい カードの家 ひと吹きで崩れるの
 深いところへ埋められてみたい 叫び声をあげても 誰も気づかない
 でもチャンスはあるわ あなたの中で光るもの
 さあ 火を灯して 輝かせるの あなたの夜よ
 独立記念日のように だってあなたは花火
 魅力を解き放って みんな驚くわ
 空高く輝く あなたは花火
 魅力を解き放って みんな驚くわ
 空高く輝く あなたは花火♪ −ー『GLEE』よりーー

 新聞などで取り上げられている、ホイットニー・ヒューストンが死亡した。死因は明らかになっていない。有り余る才能を開花させて、大ヒットを飛ばし続けた時期がある。おそらくゴスペルで鍛えた美しい声質と凄い声量、そして、美貌。多くの人が羨むモノを持っていたが、悲しい結末だった。物凄い歌の才能を持って活躍する女性歌手の中には、不幸な人生を送る人が多い。エディット・ピアフ。ビリー・ホリディ。アレサ・フランクリン。男に食い物にされたり、酒や麻薬で滅茶苦茶になったりというのが、超1流の女性歌手に付きまとう様な気がする。

 ホイットニー・ヒューストンも、有名になって麻薬や酒を手放せなくなったり、夫からの家庭内暴力(DV)を受けたりして、与えられた才能が開花した歌までもダメにしてしまった様な気がする。周りにいた家族や友人達は、そうなっていく彼女を止められなかったのだろうか?

 映画『マノレーテ』を観た。彼女とのセックスの最中にマノレーテは、「マミータ」をいう。お母さんという意味だ。彼女にそう呼んだことを、誰にもいわない様に約束させる。闘牛場で、牛の角に刺されて病院に担ぎ込まれて、死を迎える時になって、マノレーテは、「マミータ」と呼ぶ。それを、周りの人たちは、母親を呼んでいると思うが、彼女だけが、自分を呼んでいる事に気づいて泣き始める。そして、アポデラードに、「あたしが彼を殺したのよ」と、告白する。するとアポデラードは、「違う。みんなが殺したんだ。」といって、泣き出す。

 ホイットニー・ヒューストンは、幸福な人生を送ったのだろうか?名声もお金も手に入れた。しかし…。僕は思う。人にはそれぞれその人にあった人生というモノがあるような気がする。それを、飛び抜けた才能を持ったばかりに、その人に合わない人生を送らざるを得なくなったのではないかと思う。名声もお金も手に入れることは、幸福の条件としては充分すぎるかもしれないが、その人の器からあまりにもはみ出しすぎると、人生を狂わせてしまうのだろうと思う。

 『GLEE』や『マノレーテ』を観ていてふとそんなことを感じた。僕は、僕に合った人生を送らなければと思った。


 2月14日(火) 曇/雨 8349

 朝起きて、出勤前に訊くのは、『GLEE』の中から、『Loser Like Me』。レイチェルやみんなの歌声とダンスを観ていると元気になるからだ。こういう風に突出した才能を観ると幸福な人生を送って欲しいと思う。ホイットニー・ヒューストンのようにはなって欲しいくないと思う。彼女の人生の器が試されるのだ。そういう物に耐えられるだけの器を持っているのか、これからも見守ろう。


 2月16日(木) 曇 17094/2

 PC復活。というのも古いモノが起動しなくなって仕方がなく起動させたら、復活を確認した。コルバチョは、日本に来なくなった。


 2月17日(金) 曇。夜になり雨から雪もちらつく 10234

 下山さんからのメールで、コルバチョの容態が一時急変して、死にそうになったという。奇跡的に死ななくてすんだようだ。しかし、お見舞いに行った様子がメールに書いてあったが、決して良い状態ではない。肝硬変から腹水になっていて苦しがっているという。でも死ぬ前に絶対日本に行かなければならないといっているという。

 多分、僕が送った京都の紅葉の写真のHPの写真だろうけど、下山さんが京都の紅葉の写真を見せたら、「これは凄い。この赤は血の色だ」といって驚いていたそうだ。今年の秋か、来年日本に行けるように希望をもちたい。その前に死ななければの話だがと、言っていたという。


 2月18日(土) 晴 4461

 ポンセは、セビージャのフェリア・デ・アブリルには出ない。エル・ムンドの記者が聞き出した情報がネットに載っていた。また、TVEがサン・イシドロの放送権をASMと間接的に交渉しようとしているらしい。闘牛中継をしないと言ってからもテンディド・セロの闘牛ダイジェストを放送していたが、本格的な参入になるのかどうか?


 2月20日(月) 晴 20026/2

 最近毎日、ゴボウ、レンコンなどの根菜を食べているせいか、おならが良く出るようになった。快便でもある。ここ最近は、2月らしく寒い日が続いている。雪が降っているところもある。東京でも雪がちらついたりしている日もある。こうやって厳しい寒さが過ぎれば、春が来て花や緑がまぶしいばかりに咲き誇る季節になる。この寒さがなければ、花も咲くことがないのだろう。


 2月21日(火) 晴 13683

 帰りの電車で座っていたら、腰が痛くなった。最近椅子に座っていて腰痛になることがあったが、それは、椅子の高さを調整すればそんなことにはならなくなるが、今日の電車の座席に座っての腰痛には参った。本屋に注文していた雑誌が届いたというので取りに行き、買い物をして駅まで歩くが、腰が痛くて歩くのがつらい。何度か立ち止まって、座り込んだ。ようやく駅で電車に乗ったが、今度は降りるときに、立つのがつらい。それから家への道のりも非道い気分だった。

 家に着き、横になり中山式の腰を押す道具を出して刺激した。少し楽になった。買ってきた鶏肉に塩こしょうをして、キャベツとレンコン、エリンギを入れてレンジでチン。レンコンは糸を引いていたから、良い物なのだろう。麦ご飯で食べる。

 セビージャのフェリア・デ・アブリルのカルテルも大詰めになってきたようだ。

♪また同じセリフね 俺に自由をくれ
 引き留める私って何? 感じるままに生きるのは 勝手だけど
 自分の音に耳を澄ませて あなたを壊す鼓動のような孤独の音
 静寂が記憶を呼ぶ 何を得て 何を失ったか 過去に得たもの 失ったもの
 雨の時しか雷は起こらない 遊びの愛は遊んでいる間だけ
 女たちは現れては 去っていくだけ 
 雨で洗い流されれば あなたも気づく
 今に目が覚める きっと目が覚める あなたも…♪  ーー『GLEE』挿入歌でフリートウッド・マック『噂』から『ドリームス』よりーー


 2月22日(水) 曇 7141

♪あなたのために もう泣くことはない あなたのために 太陽は輝く
 あなたと一緒にいると思う “これでいい”と これでいいのよ
 鳥たちが歌っている 楽譜が分かるかのように
 私はあなたを愛している 前よりもずっと

 あなたが愛されますように 世界中から
 でも私からの愛を一番に受け取ってほしい
 鳥たちは歌い続ける この歌が分かるように
 そして私は愛し続ける 前よりもずっと 前よりもずっと♪  ーー『GLEE』挿入歌でフリートウッド・マック『噂』から『ソングバード』よりーー

 『GLEE』シリーズ2第19話を観ていたら、今週の課題で取り上げたの、フリートウッド・マックの『噂』というアルバムだった。発売当時ロック喫茶で聴いて買ってきて良く聴いたレコードだ。メンバーは何度も入れ替わっているが、『噂』当時のメンバーは、ミック・フリートウッド、ジョン・マクヴィー、クリスティン・マクヴィー、リンジー・バッキンガム、スティーヴィー・ニックスの5人だった。

 GLEEのメンバーがバラバラの気持ちになった時に、シュー先生は、この課題を思いつく。『噂』発売当時のフリートウッド・マックは、とんでもない状態だった。

「前作からの2年間で、グループ内の関係はより面倒なことになっていた。まず、ミック・フリートウッドが妻のジェニーと離婚した。バンドに参加したときは交際していたリンジー・バッキンガムとスティーヴィー・ニックスは別れ、ジョン・マクヴィーとクリスティン・マクヴィーも離婚した。にもかかわらず、5人のメンバーは、全員がバンドに残っていた。後のスティーヴィー・ニックスの指摘によれば、それはつまり、ただでさえよそよそしいメンバー同士が長い時間を共に過ごし、時々とても気まずい時間があったということだ。クリスティン・マクヴィーは、後に振り返って「自分たちはみんなお互いの事を曲に書いたから、それがアルバムのタイトルになった」と述べている。当時彼らは気づかなかったが、結果として、自分たちを苦痛からすくい上げてくれる素晴らしいアルバムを一緒に作りあげた。

20年後に制作された『噂』録音中の出来事を振り返るDVD作品のインタビューでは、「各メンバーがそれぞれに精神的に辛い状況にあり、みんなアルバム制作に没頭することで辛さから逃れようとしていた」というスティーヴィーの発言が収録されている。上記の状況の中制作された曲は人間関係についてを主に歌っている。 実際のアルバム制作においてはブルース主体だった古くからのメンバーはポップな曲を作るのにとまどい、リンジーが主に周りを引っ張っていった。 1年以上レコーディングを行っていたため、ドラムの高音がマスターテープの損傷により失われ、バックアップしてあったテープからコピーしなおしたという話もある。

"Go Your Own Way"(オウン・ウエイ)は彼らの関係が壊れていく様を暗く言及したものであるとニックスは信じていて、彼女とバッキンガムはそのことについて議論した。リンジーがスティーヴィーにあてつけして作った曲でもある。"Dreams"(ドリームス)は彼女が楽観的になろうと試みたものである。この曲はアメリカにおいて唯一のナンバーワンであり、今でもバンドの一番有名な曲である。 "You Make Loving Fun"(ユー・メイク・ラヴィング・ファン)はクリスティンとグループのライティングディレクターとの関係を述べている。"Gold Dust Woman"(ゴールド・ダスト・ウーマン)はスティーヴィー・ニックス自身の薬物との戦いについて言及したものである。"Don't Stop"(ドント・ストップ)はクリスティン・マクヴィーがジョン・マクヴィーと離婚した後に彼女によって作曲され、2人の新しい分かれた生活の見通しを楽観的に提供している。"Oh Daddy"(オー・ダディ)はほぼ間違いなくミック・フリートウッドについての言及で、彼はグループの精神的支柱であり、大きくグループを包み込み、そしてその当時唯一の親である(子供がいる)メンバーであった。"Songbird"(ソングバード)はクリスティン・マクヴィーが「"a little anthem"(ちょっとした賛歌)」と評しており、これは「私たちみんな」のためと言っていた。録音には長い時間がかかったのだがそれは一度に曲を全部録る必要があったからだ。"The Chain"(ザ・チェイン)は風変わりである。最後の節、最後の1分15秒かそれ以上が最初に書かれたが、その時点でその節はこの曲の最後としてでは無かった。スティーヴィー・ニックスはこれを完全に分離した状態で書き、彼女はこれを組み込むとき、「彼らにあげた」。リンジー・バッキンガムはそれからどう始めるかのアイディアが生まれ、最初の部分が録音し直された。また、その節はBBCF1中継のOP、ED曲として、使用された。

『噂』は1978年にグラミー賞の1977年最優秀アルバム賞を獲得し、ビルボードにおいて31週1位に君臨した。1,700万枚といわれる史上空前のセールスを記録する。マックは一躍スーパースターの座に上り詰めた。
1990年代、『噂』の曲"Songbird"(ソングバード)が晩年のエヴァ・キャシディによってカバーされた。彼女はイギリスで有名なアメリカの歌手であった。彼女のカバーはイギリスにおいて非常に有名になった。
2006年Q magazineの読者は『噂』をオールタイム・ベストアルバム(2001年当時)の68位に選出し、テレビ局VH1は16位にランクインさせた。2003年ローリング・ストーン誌上でオールタイム・ベストアルバム 500の中の25位にランクインした。」 ーーウィキペディアよりーー

 カート「フリートウッド・マックの精神学んだら。『噂』の制作中みんな口利かなかった。そこのミルク取ってって言葉すら。話したのは音楽のことだけ。それだけ集中して傑作を生んだんだ。」 レイチェル「とぼける気」 カート「いや、有害であるゴシップ誌に惑わされる位なら、全国大会の準備をすべきだよ」 ーー『GLEE』よりーー

 クイン「フィン!」 フィン「何で睨むわけ。怒りたいのは俺だ」 クイン「私の見解では、私が怒る人で、あなたが怒られる人。この新聞観た。フィンとレイチェルは笑っらり、話したり、寄り添っていた。」 フィン「ただの張り込みだよ。君こそモーテルで何してた。」 クイン「浮気なんかしてない。もう絶対に裏切らないわ。私を信じて。」 フィン「隠し事しといて信じろって」 クイン「じゃレイチェルと何してたの」 フィン「張り込みだって。その間話してただけだ」 クイン「じゃ何話してたの」 フィン「GLEEのことだ。俺とデュエットがしたいって言われた。それだけだ。信じろ」 クイン「お互いに信じることを学ばないと」 フィン「そうだな」 クイン「GLEEであなたと歌う歌が決まったわよ」 ーー『GLEE』よりーー

♪知りたくもない 愛を守る理由なんて あなたと愛の板挟みは嫌よ
 愛を守る理由はいらない まっすぐに行くだけ
 理屈なんかどうだっていいのよ 板挟み嫌よ 機嫌を直して
 とうとう 真実がバレた 非は私のある?
 気にしないわ ただ生き抜くだけ
 愛を語るくせに 私を振り回す
 わざとでしょ  知りたくもないわ♪  ーー『GLEE』挿入歌でフリートウッド・マック『噂』から『アイ・ドント・ウォント・トゥ・ノウ』よりーー

 ハッキリ言えば、ミック・フリートウッド、ジョン・マクヴィー、リンジー・バッキンガム、の男に興味がなかったが、それぞれに別れながら同じグループにいることはどういう事なんだと思っていた。男より女の方が強いなぁと感じた。歌はスティーヴィー・ニックスが圧倒的に良かった。『ドリームス』は最高だった。声も素晴らしいかった。しかし、1番何度も繰り返し聴いたのは、クリスティン・マクヴィーが歌った『ソングバード』。あの当時ディラン以外であれほど聴いた曲はない。穏やかなピアノで始まり穏やかな声でのバラード。胸がキューンとする様な気持ちになった。俺の中ではバラードベスト10に入る名曲だと思っている。

♪あなたを愛するのは愚かね でも気持ちを変えられないの
 あなたにすべてを差し出しても 拒否されたら渡すのも無理
 勝手に進めばいい 自分の道を
 寂しい結末になるわ 孤独かもね
 でも進めばいい 自分の道を

 なぜすべて変わってしまったの あなたは奔放でいたいのね
 私の世界をあげるのに  心を開いて 全部あなたのものよ
 好きに進めばいい 自分の道を
 寂しい思いをすればいい
 自分の思うとおりに 行けばいいわ♪  ーー『GLEE』挿入歌でフリートウッド・マック『噂』から『オウン・ウエイ』よりーー

 レイチェルが歌った、『オウン・ウエイ』は、『噂』発売当時ヒット・チャートをにぎわせていたが、殆ど興味がなかったが、『GLEE』で聴いて初めて名曲だと思った。レイチェルの声は本当に素晴らしい。『GLEE』の人気がアメリカで爆発的だったのは、こういう名曲を番組の中で取り上げて、最高の状態で提供しているからだと思う。物語も面白いが、とにかく歌、踊りが素晴らしい。それを観たいが為にチャンネルを回す人も多いだろう。


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