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7月31日(木)

  • 竹沢タカ子『潮風の子どもさ』(徳間書店)
    雑誌「リュウ」に1981年から84年にかけて単発読みきり形式で掲載された「海棲人」シリーズ。
    ヒトが陸棲人(という言葉は使われないが)と海棲人に分岐し(させられ)、今また海棲人が陸に「帰化」せざるを得なくなった背景を明らかにした「The Night」を描きおろしで追加。はるかな昔、陸の天変地異を避け管理階級トライアにより人為的につくられた二種類の海棲人ギュヨーとタサミ。世代を経て徐々に海への適応力が弱まる海棲人。ギュヨーの餌として作られたタサミには遺伝子の操作も少なく、まだ陸へ戻しても生きていける。再びタサミの陸への「帰化」。人工的な種の弱さ、遺伝子操作への警鐘とまでとらえてしまうのは少し穿ちすぎか。

    ジャンルを問われればSF、それだけでもたいへんおもしろい作品なのだ。それ以上に海洋汚染や関西で育ったものなら道徳の副読本で必修の(必修だった、か)同和、在日韓国・朝鮮人問題がちょうど写真のネガとポジ(どちらがポジでどちらがネガ、ということはない)のように重なりあう。そんなこと意図してない、読者の勝手な思い込みだよと作者は笑うかもしれないが。

    子どもを個人の所有でなく社会の宝として、血縁の有無にかかわらず海から迎え育む、陸へ帰化したタサミたち。海に棲めなくなりつつある仲間(親世代)を迎えるために、陸社会に同化し努力を重ね各分野で頭角をあらわし始める子どもたち。自然の、種族の声に耳を澄ませる少女ゆい。きっかけはなんでもいい。表紙のかわいいキャラクターにつられてたくさんの少年(少女)がこの作品を手に取り、その深い内容に気づいてくれていれば嬉しい。

    コマの隅におおやちき、立原あゆみ、吾妻ひでお、青池保子などの見慣れたキャラクターがカメオ出演したり巻末にXTCがちらっと出たりと、 おそらく同世代の作者の、もしくはアシスタントの趣味が垣間見えてまたなんとも。

    竹沢タカ子の単行本はとても少ない。
  • 『ラストゲイル』(東京三世社マイコミックス)……「ザ・ホスピタル」は雑誌掲載時に読んでいましたよ。
  • 『ボイルス・タウンの狼男』(新書館ウイングスコミックス)……連載はどうみても打ち切りのようなかたちで終了し単行本は1・2巻刊行後未完のまま。作者の書きたいことと実際の読者層(編集部の意向)がかけ離れすぎていたのかもしれない。3巻に収録される予定だった終盤の掲載誌を一号ずつ探して読むだけの価値があると思った。 まだ2冊しか読めていないけど……。余談だがこの作品読む限り作者は「More Than A Feeling」が大ヒットしたBostonの大ファンのはず。

    7月30日(水)

    前の勤務先からようやく離職票が届き、管轄のハローワークで手続き。 「雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり」を受け取る。 所属部署の閉鎖で離職を余儀なくされたかわいそうな人「特定受給資格者」にあたり通常の2倍の給付日数がつくのだが、 もとが安く抑えられていたためさっさと新しい仕事を見つけるのが得策というものだ。 しかしハローワークまで家から自転車でも20分はかかるしかも上り坂、今年は全国最高の暑さを誇るT市の隣である。 なかなか通う気になれない。 もっと近ければなぁ。
    暑気払いにはがっつり、と家人ととんこつラーメンを食べに行き、ブックオフで涼む。
      ブックオフにて:
    • 結城昌治『偽名』(新潮文庫)
    • 筒井康隆『霊長類南へ』(講談社文庫)買い直し
    帰ると郵便物。 エーハブ船長がvocaloid初音ミクで(初音ミクとのコラボで)制作した9曲入りアルバムMiku Sings Yutaka、新しいアートワーク・リミックスヴァージョン入りで再送して下さった分だ。
    私はこの人のつくる音楽がとても好きだ。 メロディーをすぐ口ずさむことができる。 歌詞に心がこもっている。 vocaloidに命を吹き込んでいる船長の存在をちゃんと感じられる。 願わくは人の演奏でこれらの曲を聴ける日が、いつか訪れますように。

    7月27日(日)

    三日間の盆踊りも昨夜で無事終了した。 通しで出ていたわけではなくスタンディングのライヴより立っていた時間は短いのに、自分の楽しみとは違うため疲れ方が全然違う。 テントから提灯まで片付けもしなくちゃだし。 明け方、年中無休の猫にねだられぼーっとしたまま食事の世話をして、また9時過ぎまで寝ていた。 土踏まずが痛い。

    昼から、聴かなくなったCD44枚を金山の中古盤専門店へ持ち込む。 査定を待つ間の時間つぶしに店内をうろつきPから後の(好みがそのへんに集中している)コーナーを物色するうち、Graham Smithが在籍していたというString Driven ThingのボーナストラックつきリマスターCDを見つけた! モノを減らすために処分しに行ったのにまた買ってしまうあたり、悲しいサガですね。 この店舗はもともとプログレに強く、だからここへ持ち込んだのだが……今回も収穫あり。

    その後職場、もとい元職場そばの古書店に久しぶりに立ち寄る。 大学堂の「5冊で¥300」コーナーの商品は回転が早く、いつ行っても嬉しい。
    帰宅してヤフオク今夜終了分にString Driven Thingの“2in1”CDを見つけた。 今日はなんだか運がいいなぁ。二枚のアルバムのカップリングCD、うちGraham Smithの参加は半分だけだがこの値段だから文句はいうまい。
    • String Driven Thing『The Machine That Cried』CD (OZCD-00021)¥1,260
    • String Driven Thing『Please Mind Your Head / String Driven Thing』CD (PGL-9333)¥1,500
    • ハリー・クック監督『蝿の王 (Lord of the Flies)』DVD ¥735
      ウィリアム・ゴールディングの傑作。ピーター・ブルックが60年代?映画化したほうをDVDで観ているのだが、フィリップ・サルドの音楽が秀逸というこのリメイクヴァージョンもいつか観たいと思っていたのだ。
    • Robyn Hitchcock & John Paul Jones『Full Moon in Modigliana』DVD ¥2,625
    • フックス『完訳 風俗の歴史 1.ルネサンスの肉体観』(角川文庫)
    • フックス『完訳 風俗の歴史 6.十八世紀の女』(角川文庫)
    • ポール・セルー『鉄道大バザール(上・下)』(講談社文庫)
      楽しそうな表紙なので購入、もちろん訳者は鉄道オタクの阿川弘之。
    • 大岡昇平『野火』(新潮文庫)
      何回買い直してるんだか。バラードが『野火』を読んでいるらしい。

    7月25日(金)

    Manfred Mann's Earth Band / Budapest Live / CD(CECC-00128)
    1. Spirits in the Night (B.Springsteen)
    2. Demolition Man (Sting)
    3. For You (Springsteen)
    4. Davy's on the Road Again (J.Simon & R.Robertson)
    5. Lies (through the 80's) (D.Newman)
    6. Blinded by the Light (Springsteen)
    7. Redemption Song (B.Marley)
    8. Mighty Quinn (B.Dylan)
    Matt Irving / bass
    John Lingwood / drums
    Manfred Mann / keyboards
    Chris Thompson / vocals, guitar
    Steve Waller / vocals, guitar
    between Feb. 8th and Apr. 14th, 1983

    スプリングスティーンのカヴァー曲「光に目も眩み(Blinded by the Light)」が全米一位に輝いた頃、部活から帰ると真っ先にFMの洋楽番組をつけ、今日も聴けるかなとわくわくしていた。 そのうちシングルも買って聴いたっけ。 高校生にとって月に1枚か2枚のシングルは大変な贅沢だった。 そのぶん真剣に吟味して買っていたから、自分の中で今でも色褪せないのかもしれないな。

    ブダペストでのライヴは、ボーナストラックつきかリマスターされた紙ジャケで買い直して現行版を処分するつもりだったのだが、考えを改めた。 中古屋でこの盤を見つけた時の、「懐かしい友と再会した喜び」を忘れずにいたいし、これだけで十分幸せな気分に浸れたからだ。 なにより今の自分にすでに持っているアルバムの買い換えは、よほどのものでなければ贅沢だ。 いま中古屋に置かれても、このヴァージョンはもう見向きもされないかもしれない。それなら私が聴こう。

    7月24日(木)

  • エドガー・パングボーン「良き隣人(Good Neighbors)」訳:伊藤典夫
    『宇宙人SF傑作選 天使の卵』表題作の作者、パングボーンのショートショートをOさんに勧めていただいた。 手持ちのアンソロジーに収録されていたので早速読んでみたところ、奇妙な味のファーストコンタクトもの好きな自分の好みにぴったり。
    翼の端から端まで六キロの巨大な生きものの正体は?
    あっ、いけません。 タイムズスクエア上空でそんな大きな怪物を撃ち落しちゃ……!
    翌日、過失を認めた宇宙船から詫び状と賠償金がパラシュートで投下された。 地球の言語と被災地で通用するドル札で、という彼ら精一杯の誠意が感動的だ。 そして現在、“5ドル”の文字が逆さまの賠償金が一般に公開されているという。
    最初のスケールの大きさと結末の脱力感との落差に大笑い。

    7月23日(水)

    明日から三日間の盆踊り大会(子供をダシに、実態は自治会老人と民謡クラブの憩いの場)。 公民館の役員総出で櫓(やぐら)組みと提灯+電球のとりつけにかかる。 18時から作業開始して、20時半にようやくひととおり終わったのでやれやれ帰れると思ったら、 館長が大量のおにぎり、ビール、枝豆の差し入れを車に積んでやってきた。 なんと「準備の反省会(という名目の宴会)」だそうだ。
    「あの、今日は夕食済ませてきたので皆さん召し上がって下さい」
    と逃げるように帰ってきましたよ。足だる〜。
      Sofa Soundより到着便、ヤフオク:
    • Peter Hammill『Fireships』(FIE9103)2006年リマスター
      「BeCalmシリーズ第一弾、で止まったまま。」というのはPH流のユーモアかしらん。 RidArtによるアルバムとディスクのデザイン変更あり。マネジメントとFie!の所在地変更あり。
    • 風見潤・安田均編『宇宙人SF傑作選 天使の卵』(集英社文庫コバルトシリーズ)¥890

    7月21日(月)

    15th Oct. 1976
    1. When She Comes *
    2. Masks *
    3. La Rossa
    4. Still Life
    5. Meuglys III (the Songwriter's Guild) *
    6. Gog
    7. The Sleepwalkers
    『Satan, God and Nemo』
    トロントのMassey Hallでの公演。

    "Good evening, Toronto !"
    この年リリースの新作『World Record』から3曲(*)を演奏、「Meuglys III」のレゲエに揺られ心地よく聴いているうちに次第にオルガンの音色は荘厳になり……「Gog」へ。 ひときわ高く歓声があがる。

    だからライヴはやめられないのだ(これも「Sleepwalkers」が尻切れトンボだが)。
      ブックオフにて:
    • ジム・トンプスン『ポップ1280 (Pop.1280)』(扶桑社)¥105
    • セルジオ・コルブッチ監督『殺しが静かにやって来る』DVD ¥950
    先月読んだ尾之上浩司訳『鬼警部アイアンサイド』の詳細なあとがきに、マックス・アラン・コリンズがトンプスンの『ポップ1280』(1964)を最高傑作と評したと書かれていたので迷わず購入。 pop.(population)1280とは「(その町の)人口1280人」という意味だそうだ。 セリ・ノワールはA・D・Gもマンシェットもおもしろかったし『グリフターズ』『ゲッタウェイ』もトンプスンだったなぁと妄想が広がり、とどめは1976年には映画化されていた『内なる殺人者』(1952)。
    なんと原題が「The Killer Inside Me」 。 もちろん直接の関連性はないのだろうが、題名からの連想で思わず「Man-Erg」の出だしを口ずさんでしまうのは仕方がない。この本も探してこよっと。

    『殺しが静かにやって来る』はエンニオ・モリコーネ音楽、ジャン=ルイ・トランティニアンとクラウス・キンスキー主演のマカロニ「ウェスタン」だが、舞台は雪のユタ州……らしい。

    7月19日(土)

    きのうトヨタテクノミュージアム 産業技術記念館を見学してきたUさん、朝から閉館までいても全部見られなかったとのこと。 説明員たちの知識が半端じゃない、大感激していた。 うむむ、行ってみたいなぁ。

    7月18日(金)

    27th May 1975
    1. The Undercover Man
    2. Scorched Earth
    3. Man-Erg
    4. Forsaken Gardens
    5. (In the) Black Room
    6. Lemmings
    7. La Rossa
    8. Arrow
    9. A Louse Is Not a Home
    10. Faint-Heart and The Sermon
    11. Gog
    12. The Sleepwalkers
    焦土と化したフランドル地方の野に咲いた赤いポピーの花。 主戦場となったヨーロッパ各国では11月11日を第一次世界大戦終結の記念日として祝日とし、イギリスではこの日胸にポピーの造花をつけ亡くなった人たちを追悼する。

    この海賊盤は『Poppy-fields of France』というタイトル。1975年5月27日フランスのColmarでの公演で、演奏された「焦土(Scorched Earth)」にちなんだタイトルだろうか。 それはさておきdisc-2、PHが絶好調で野太く「Gog」を吼えたにもかかわらず、続く「Sleepwalkers」がテープの残量不足が原因か尻切れトンボだ。なんとも不満である。なぜ〜!
    選曲から(多少荒れているけど)ヴォーカルから演奏からダイナミックでお腹一杯なライヴなのだが、埋もれたままの優れた音源を公式リリースするすべはないものか。

    7月17日(木)

    ベルギー、フランダース地方の「猫の町」イーペル(Ieper/Ypres)のkattenstoetは、魔女狩りの時代に殺された人々や黒猫たちを悼んで3年に一度行われているという「猫祭り」。 次の開催は2009年5月10日だそうだ。
    第一世界大戦の激戦地、フランドル地方。膠着した塹壕戦への打開策として最初の化学戦(毒ガス攻撃)を受け廃墟と化したイーペル。 マスタードガスのもうひとつの呼び名「イペリット」はこの都市からつけられた。 VdGG来日クルーのひとり、Edがこの街のイン・フランダース・フィールズ博物館で戦争の悲惨さを伝える展示を見て泣いたそうだ。 ぜひここを訪れることを薦めていた。 それでちょっと調べてみると、この「猫祭り」を見つけたというわけ。

    Uさんが愛知県陶磁資料館に行かれるというので便乗して現地で待ち合わせ。 リニアモーターカー「リニモ」陶磁資料館南で下車。ホームに降りたのは私一人。 改札口は無人(用があれば駅員をインターホンで呼び出すようになっているらしいが、どこに潜んでいるのか)。 高架駅だがエスカレーターは作りかけのまま「や〜めた」と放置状態でコンクリの土台のまま、乗り口の前には工事用のコーンがふたつ置かれ進入禁止になっている。 駅の利用客は階段か脇のエレベーターを使うしかない。

    陶磁資料館までの大きく弧を描いた長い道のり(徒歩5分なんて誰が計ったのだ)誰にも会わず、半分だけ開けられた鉄の門扉に架かった「WELCOME」の看板だけがお出迎え。 怖いよ〜。 昼下がりの洋画劇場によくありますな、何も知らない主人公がたまたま迷い込んだお屋敷で歓待してくれた主が実は……な展開、あんな印象です。
    ゲートから本館へ続くアプローチがまた長い。 森の匂いがする。ゴルフ場のような広大な敷地に点在する建物が本館・西館・南館・陶芸館・古窯館・茶室に復元された古窯。 たかが資料館とあなどっていました。お目当てはこれ:

    開館30周年記念企画展「中国古代の建築とくらし」−茂木計一郎コレクション−
    平成19年度に愛知県陶磁資料館へ寄贈された、東京藝術大学名誉教授・茂木計一郎氏が収集した建築明器を中心に厨房器具や農機具、家具、食器などのミニチュアを紹介します。(企画展紹介より)
    明器(めいき)とは山口県立萩美術館の平成18年の同様の企画展より引用すると、 「死者が生前の生活で必要としたものを死後の世界でも使えるように模造したもので、建物や儀式に使う器、飲食器、人間、動物など、実に多様な器物や生き物が陶製や木製、青銅製などで造られます。」
    つまり死者が向こう(地下)でも満ち足りた生活を送れるようにとの目的で作られた副葬品なのだが、そういうくくりはあるとしても作り手の創造の楽しみが伝わるようなものが多かった。 これがめちゃめちゃ楽しくて、 池の中に建てられた見張り塔の手すりに猿が腰掛けていたり 池には人よりでかいアヒルやおんぶ蛙、スッポン、魚が泳いでいたり 縮尺も無視されているんだけどとにかくかわいい!
    家の中にはちゃんと人がいて、窓辺には子供がいて、 厠には豚(排泄物を飼料として育つ)がいて、 前から横から裏から当時の人々の理想の暮らしがにじみでている。

    展示が多すぎて(資料館もあまりに広すぎた)3時間では全然足りなかったのでした。 すいませんUさん、こりゃもう一度行く必要があるかも。

    7月15日(火)

    密林「商品の配送状況」では配達済みなのに夜になっても届いていない荷物、 日通に伝票番号を告げ問い合わせたところ18:56に配達済みと報告されているとのこと。 一時間も前だが受け取っていないよ。 配達員名を聞くといつもの顔見知りの人なのでよその家に間違えて届けたとは考えられない。 「確認よろしく」とお願いしてじきに、件の配達員が届けに来た。 こちらからは何も言わなかったが、だめだよ、配達完了前にフライング報告しちゃ〜。
      密林より(輸入盤3枚で15%OFF対象商品)
    • Alice 『Park Hotel』CD (wea8573820062)
    • Alice 『Personal Juke Box』CD (EMI0777-7-46639-2-2)
    • Robert Fripp 『Exposure』2CD (DGM0602)
    third edition とalt. edition収録のリマスター2枚組『Exposure』、もちろん新品だがdisc-1のほうが[check disc]表示とともにペッと吐き出されてしまう。 相当ほにゃららなCD-Rでも読み込める再生機なのにな。 PCでは問題なく再生できた。 返品するのも面倒だし、目当てのdisc-2は問題ないし、the definitive editionは従来の盤で聴けるからいいけど。 Daryl Hallの「Chicago」「Disengaged」には驚いた、すごくいいんだもの。

    7月14日(月)

    観た映画:
  • 山本薩夫監督『白い巨塔』(1966)
    WOWOWの監督没後25周年企画。 どこまでも傲慢な田宮財前は他(のキャスティング)の追随を許さない。 正面きって財前をののしり何度張り倒されても負けない強さと法廷で真剣な面持ちで裁判の行方を見守るケイ子(小川真由美)、目元のわずかな変化で女心がよくわかる。
    それから「財前教授の総回診です」これが見たかったのだよ。

    7月13日(日)

    東海地方は猛暑日。
      久しぶりにヤフオクにて:
    • Guy Evans 『The Long Hello Volume Four』 CD (VP112CD)¥1,200
    いいタイミングで見つけたものだ。ほくほく。 CDジャケットの人影は息子さんを肩車したGuy Evans本人とのこと。 そういえばオリジナルがレコードで発売されたのは1983年、25年も前だったんだね。

    7月11日(金)

    復刊ドットコム『334』に投票、この手があったか!

    7月10日(木)

    VdGGのアルバム(ライヴアルバム含む)をよく聴いている。 YouTubeにあがっている2007年、2008年のトリオ編成でのライヴ映像が先日体験したものに近いのだが、モニターの中で小さくまとまっているのと 実際に客席で体験した生の演奏との間に決して埋められない溝を感じる。 やはり行ってよかったと思った次第。

    19時より定例の公民館委員会である。 24〜26日の三日間(せいぜい二晩でいいじゃないかと思うのだが)開催する盆踊り大会「要綱」の読み合わせ。なんて大げさな。 前夜に男性役員は櫓(やぐら)を組み、女性役員は提灯の飾りつけだそうだ。 参加者への団扇やアイス配りは引き受けるが、櫓の上で踊るのだけは恥ずかしいから勘弁してね。

    7月9日(水)

      到着便:
    • ストレンジデイズ2008年8/9月号
    • マイクル・コーニイ『ハローサマー・グッドバイ (Hello Summer, Goodbye)』(河出文庫)
    『ハローサマー・グッドバイ』は山岸真氏による新訳版。 あとがきのとおり、会話で使われる言葉にだいぶこだわりをもって訳されている。 この作品がたくさん読まれれば、未訳続編や絶版になったほかの作品がファンのもとに届けられるかもしれないとのこと、本当にそう願いたい。 作家の存命中にかなうのが一番なのだが……。

    トマス・M・ディッシュ氏も先日亡くなってしまわれた。 マンハッタンの家賃統制住宅にお住まいだったそうだ。 永年のパートナーを亡くし、健康上と退去への不安も重なり、近年は心穏やかでいられなかっただろうと思うとお気の毒でならない。 自殺だそうだ。 『アジアの岸辺』購入も未読のまま、『334』を読んだのがおととしだった。ながらく絶版状態だった傑作が少しずつ復刊され始めたここ数年、『334』をはじめとしたディッシュ作品も再び多くの人に手軽に入手できるようになるといい、本当に。

    7月7日(火)

    サミット開催。 一週間前には東京駅の地下街コインロッカーは使えたが、改札口付近は使用禁止だったらしい。 七夕だというのにニュースもなんだか味気ない。

    7月5日(土)

    東京でコロー展を見たことをご存じのshe36さんより放送のお知らせ。
  • テレビ愛知『KIRIN ART GALLARY 美の巨人たち』
    今日の一枚、カミーユ・コロー作「モルトフォンテーヌの想い出」
    前半でコローの経歴と代表作を簡単に紹介し、後半はこの一枚に絞るという構成なので興味がぶれない。 数日前に感銘を受けた絵の印象が褪せないうちにまたテレビで見られてよかったよ。 なんせ単純なんだものー。 でも、美術館で見た実物がもちろん一番いい。

    7月3日(木)

    朝からWOWOWで三池崇史監督『スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ』(2007)を観る。 オープニングから鳥居にぶらさがる縛り首の男、マカロニウェスタンのファンが観たら憤死するだろうか?
    源氏と平家が争った壇ノ浦の戦いの数百年後。根畑(ネバダ)の地の寒村、湯田(ユタ)は平家の落人たちが開拓した土地だが、平家再興のための埋蔵金が隠されたと噂され、よそ者が押し寄せる。 あるさすらいのガンマンが立ち寄った時、村は平清盛率いる“赤軍”と源義経率いる“白軍”に二分されていた。 両軍とも貴重な戦力になるだろうガンマンを用心棒に招き入れようとするが、ガンマンは赤軍と白軍、どちらが優勢になるか見守る。 (wowowオンエア情報より)
    全編英語の台詞なので苦労している人もいるようだが、吹き替え(笑)日本語副音声でなくこちらでずっと鑑賞。 自分を「ヘンリー」と呼ぶよう手下に強要するシェークスピアかぶれの頭領とか、なんとなくおもしろいのだが、 観た後になーんにも残らなかった。 人によっては、(タランティーノを起用したり)娯楽作品に徹しているところがいいのかもしれないけどね。

    7月2日(水)

    就活中のお子たちであるが、息子はすでに1社から内定をいただき、 娘は某自治体職員採用試験の「一次」通過状態。
    わが家は何のコネもないんだからさ〜、実力で勝ちとるしかないよ>お子。

    7月1日(火)

    RAIZ→チェックアウト→東急ハンズ→ドゥ マゴ→タパスタパス→disk union渋谷ロック館→渋谷→品川→名古屋

    早朝出立する一行を見送ってきたMさんと待ち合わせ、朝食。 今回はたまたま宿どうしが歩いても5、6分という近さだったのだ。
    月曜のサウンドチェックの時PHが上機嫌で
    I love to play "La Rossa" !
    と言ったのがPA通して聞こえてきたよね、とか、 鈴木慶一が初日に見に来た(らしい)という話や、もちろんライヴの話ではひときわ盛り上がる。 最終日のライヴで、ふだん冷静な方が思わず立ち上がったのを見た。 バンドに「『Godbluff』が、自分にとって30年間ゆるぎないベストアルバムだ」と言いきり、そのジャケットに7年かけて全員のサインが入った時「パーフェクト」と呟きましたね。 いや本当に、長かったのでしょうね。お疲れさまでした。 次の来日まで、またいずれ。

    雨の心配もなくなり、傘など大きな荷物は宅配便で家に送る。 チェックアウトしてさてどこへ行こう? そうそう「VdGGも通うなるハンズというものを、ファンも……」というわけで、名古屋にも移転前の職場の裏手(職場が裏手?)にあり珍しくもない東急ハンズへ行ってみる。 いったいここの何が彼らを惹きつけるのだろうか? David Jacksonが来日した時にはステージで使う小さい金床 (anvil)をここで調達していたっけ、と館内を歩き回るも、日本人にはピンとこない。 日用品から工具類、グリーティングカードまで揃う便利な店だから、やはりお土産を選びやすいのかもしれないなぁ。

    横の文房具店 Picnic on Picnicで筆記用具やスタンプ類を見て、bunkamuraへ戻る。 ここのドゥ マゴ パリで「青春のロシア・アヴァンギャルド展」関連でピロスマニの出身地であるグルジアをテーマにしたランチがあったっけ。 仔牛のパテとキッシュロレーヌ、グルジアのチーズパンとカスピ海ヨーグルトをワンディッシュに、パンとコーヒー&紅茶がついて、まあお高い。 キッシュはおいしかったが、食べる頃にはヨーグルトもすっかり生ぬるくなってしまって惜しい。 給仕の時は澄ましていたスタッフがカウンターでどこの兄ちゃん?みたいな口調で電話してるしー。 平日の昼間スタッフはアルバイトかな。

    これはいまひとつだったな、とテラスを出て吹き抜けのベンチでのんびりしていると、今日お会いするWさんから電話。 1年足らずで3回も会う機会のあったのはこの方だけである。 ようやく昼休みとのことで、空腹の方にはがっつり食べていただき、私はドリンクバーでジンジャーエールを選ぶ。 いただいたルビナーズの来日記念盤チラシをみるとThe Rubinoosと書いてあり、たしかに前回からWさんが呼び方について「ルビナーズなのか、ルビヌーズなのか」と悩んでいたのもむべなるかな。 別プロジェクトも含め息の長い活動をしているバンドで、来日した時には若いファンの姿も多かったんだそうだ。

    さてWさんが取りい出しましたる1枚のCD、なんとStewart & Gaskinの 『As Far As Dreams Can Go』だった。 そうXTCの「Roads Girdle the Globe」のカヴァーも収録されているコンピレーションだ。
    And I quite like the cover -- he* made it much more like the plush interior of a car. I think we were doing the metal door panels, while he did the nice, comfortable seats and things. (Andy Partridge)
    * Dave Stewart
    Andy Partridgeによると彼のギターは右のスピーカーから、Dave Gregoryのは左から鳴っているそうだから、また聴き直してみようっと。 貴重な昼休みにお付き合いいただいたWさんとセンター街で別れdisk union渋谷ロック館へ。 VdGGもPHもPhil Manzaneraも海○盤も揃っているなぁ。

    長居をすると名古屋へ帰るのが億劫になりそうなので(もう宿は出ているから帰らなくてはいけないのだが)、品川へ向かう。 アキバ付近にいらしたrimaさんが品川駅まで来て下さった。 次はぜひがっつり食べましょう! 夕方ののぞみで名古屋へ。 家族にも、お会いした人たちすべてにも甘え、充実した4日間だった。

    あ、きのうのゴミ出しを忘れていましたね……

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