back



6月28日(月)

4月に実家で見たテレビ朝日開局45周年記念ドラマ「砦なき者」原作・脚本の野沢尚氏が自殺したそうだ。 それが縊死、というから、人がドラマとの関連性を考えてしまうのも避けられない。 妻夫木聡は名前しか知らなかったが、キャストを順に読み上げていくと母が「この子、なかなかよかったよ」(何を見て知っていたんだろう)と言い一緒に見たドラマだった。 母なら迷わず同じ時間帯の「御宿かわせみ」の方を見ると思ったが。 報道の犠牲者を装う妻夫木が携帯世代のカリスマに登りつめていく過程をもっと見せてほしかったが、主役は役所広司の方だからなぁ。

6月26日(土)

来日公演2日間のうち行ける可能性の高い11/5(金)のチケットをメールで予約。 この日はPHの誕生日だそうで指摘されるまで知らなかった(か、忘れていた)が、驚いたのは招聘元もそのことを知らず偶然この日程で来日公演を組んでいたということだ。

6月25日(金)

1日雨降りで、家で本を読んで過ごす。

バラード「ゴダード氏最後の世界 (The Last World of Mr. Goddard)」
家の金庫に厳重にしまってあるドールハウス状の「わが町」の住人を夜な夜な密かに観察するゴダード氏は、他人のプライヴァシーにまで立ち入るようになり、よかれと思ってしたことが逆に憎まれていたことを思い知る。 勤め先も解雇され、傷心のまま金庫の前で眩暈を起こし「わが町」の入った箱を床にぶちまけたまま気絶。 町の住人が続々と箱の中から出てきたところを、彼の唯一の友である隣の猫が……
神の領域に踏み込んだ男の物語。

昼頃 Real & Trueメーリングサービスから思いがけない告知が届いた。 Peter Hammillの来日公演が11/4と11/5に決まったそうだ。 東京での平日公演(夜のみ)だが、1日だけならなんとか行けるだろうか。

6月21日(月)

BLACK SNAKE DÎAMOND RÖLE / Robyn Hitchcock / CD (R2 71820)
  1. The Man Who Invented Himself
  2. Brenda's Iron Sledge
  3. Do Policemen Sing?
  4. The Lizard
  5. Meat
  6. Acid Bird
  7. I Watch The Cars
  8. Out Of The Picture
  9. City Of Shame
  10. Love
  11. Dancing On God's Thumb *
  12. Happy The Golden Prince *
  13. I Watch The Cars #2 *
  14. It Was The Night *
  15. Grooning On A Inner Place *
* ボーナストラック

Hitchcockによると「The Man Who Invented Himself」でモンティパイソンの"Life of Brian" のフィナーレを飾る(同じ磔でも『パッション』とは大違いだ)「Always Look On The Bright Side Of Life」をちょっと真似てみたと!

「Love」にはTom(Thomas)Dolbyが参加。

きっかけがあると聴くCDはすぐ出せるところに置いてあるが、見ればその並びのアーティスト同士もなんらかの交流があったりして、と書けば大体どういう顔ぶれが並んでいるかお察しのとおりで、Captain SensibleとMartin Newell。 アーティスト名をアルファベット順に並べるより、実際このほうが探しやすい。

6月20日(日)

台風接近中で湿度が高い。

『時間の墓標』より「識閾下の人間像 (The Subliminal Man)」。 サブリミナル効果というと『ファイト・クラブ』で話題になっていたっけ。 この短篇の発表は1963年。 1957年にニュージャージーのドライブイン・シアターで上映した映画に「コカコーラを飲もう」「ポップコーンを食べよう」というメッセージを5秒にひとコマずつ挿入したところ、売上が飛躍的に伸びたと報告された(のちに報告した本人が「あれは架空の実験」と暴露したという話もあり、どちらが正しいのかわからないが、撤回されたのが1962年というから微妙な時期だ)、たしかに小説の素材としてはおもしろいな。
今買おう、今買おう、今買おう……新車をたった今、新車をたった今……そのとおり、そのとおり、そのとおり…… (P78)

6月19日(土)

台風が来る前に『燃える世界』を買ってきた。

Elliott Smith / December 17, 2001 / Great American Music Hall, San Francisco
  1. Let's Get Lost*
  2. Don't Go Down*
  3. Passing Feeling*
  4. Strung Out Again*
  5. Pretty (Ugly Before)
  6. Needle In The Hay
  7. Shooting Star*
  8. True Love*
  9. Division Day
  10. Little One*
  11. Fond Farewell*
  12. Say Yes
  13. Friends (Led Zeppelin)
  14. Independence Day
  15. No Name #4 - Between The Bars
  16. Somebody's Baby*
ソロ・アコースティックセット。 肩の下まで伸びた髪を三つ編みにして破れたTシャツ姿(まるでヒッピー)、路上生活者顔負けのいでたちでステージに現れたそうだ。 * は未発表曲、といってもレコーディングを済ませているかいないかの違いで、むしろステージで長い間演奏していない曲をリクエストされると困ってしまう人らしい。 「Say Yes」などそれを理由に演りたがらなかったのを何度もリクエストされ、忘れた歌詞はオーディエンスが途中から引き取って一緒に歌っていた。 本人嬉しそうに "That was awesome, thank you."

アンコールの「Friends」ではひとりで頁・植物をこなし、意外なカヴァーにイントロを聴いたファンから歓声があがる。 12月はこの曲がお気に入りの様子で、いつも演奏していたそうだ。

痩せて蒼白な顔色をし、ビールとウォッカベースの飲み物をやりながら演奏をしていたという話だが、翌年数回ライヴをした後しばらくステージから遠ざかる。

先日リリースされたThe Milk & Honey Band "The Secret Life Of The Milk & Honey Band" クレジットの最後に"So Long Elliott"。


The Secret Life of MILK AND HONEY BAND / The Milk And Honey Band / CD
  1. Way Too Long
  2. Message
  3. Four Leaf Clover
  4. Satellite
  5. Letting Go
  6. Interlude No.2
  7. Boy From The Moon
  8. Find The Ocean
  9. Sold My Star
  10. Photograph
  11. Road
  12. Hole In My Heart
  13. Never Think About You
  14. Silver Horses
  15. Ship Of Fools
  16. Here I Am *
  17. Baby's Song *
  18. Happy *
邦題『ミルク&ハニー・バンドの知られざる生活。
(PCCY-01704) * はボーナストラック

「モーニング娘。」や「つんく♂」のようなネーミングには個人的に嫌悪感がありこの「。」つき邦題も自分の許容範囲を大きく超えているがそれはさておき、久しぶりに新譜を買った。何曲かはインディからのアルバム "Boy From The Moon" で発表ずみだが、レーベルの主(Andy Partridge)が信用するデザインチームにアートワークを、エンジニアにリマスターを任せ満を持して新装開店したといえる。 前作よりさらにレンジのある音楽性をみせ、"Boy From The Moon"はamazon.co.ukで簡単に入手できるから聴き比べ(音質云々ではなく)てみるとおもしろいかもしれない。 実はよく聴いていたのでアルバムとしての統一感も高いこちらにまだ愛着が深いのだ。
不思議な懐かしさの漂う「San Francisco」など1回でメロディを覚えてしまったくらいだが、新作には入っていないんだな。

6月18日(金)

『家の中の見知らぬ者たち』読み終える。 今まで読んだシムノンの作品で主人公(『リタと大学教授』のブライアント教授に境遇が似ている)が心の平穏と生きる力を取り戻すのは初めてだ。 初老のジャン=ポール・ベルモンドがこの酒浸りの弁護士をどう演じていたんだろうな。

『時の声』電車で読み終えた。 「深淵 (Deep End)」「音響清掃(The Sound-Sweep)」などヴァーミリオン・サンズのシリーズに入れてもよさそうな作風。 部屋の隅にこびりついた人の声や物音の残滓を掃除機で吸い取る腕利きの掃除人の話などいったいどこから考えつくのか。 次は『時間の墓標』を鞄に入れる予定。
古本購入の足しに、と思わぬお小遣いをいただく。 ありがたく、amazonのマーケットプレイスで安く出ないかと待っていた本を古書店でまとめて買ってきた。 当時の定価(170〜200円)の3倍くらいになっているが、それでも恩の字だ。 読んでいないものをあるだけ買ったつもりなのに『燃える世界』が抜けていた。 『沈んだ世界』と勘違いしてしまったようだ。バラードの本は「……世界」というのが多いから、と言い訳。 明日また出かけようか。

6月15日(火)

ディープな界隈に住みついて2ヶ月半になる息子と10日ぶりに話をした。 お役所の食堂の、ご飯とおかず3品よりどりで320円という大学よりお得な定食の存在を先輩から教えられ、昼食はかなり充実しているらしい。 朝晩は自炊しているがコンロがひとつしかないので、炊飯器で米と一緒に、アルミ箔に包んだ芋や人参を炊く(蒸す、というのか)という小技も使っているという。 家にいる時は食べた弁当箱も流しに持ってこなかった奴でも、生活力がそこそこついてきたらしい。 外食は昼だけかと聞くと「食べようにもお金が」それは失礼。
ところで英語の授業で教材にTIME誌を使っていて、今読まされているコラムがあのメル・ギブソンの『パッション』についてだそうだ。

6月14日(月)

WOWOWで生中継するEURO2004フランス-イングランド戦を録画しようと朝の4時に目覚ましをセットした家人だが、10年選手のヴィデオデッキの電源が入らず昇天してしまったそうだ。 録画してそのまま入れっ放しの『まぼろし』テープも取り出せないではないか。 皮肉にも前日DVD・HDDレコーダ売り場で一通り製品を眺めた上で「まだ様子見」とやり過ごしてきたのだったが、これはもう買い替えてしまえとの天のお告げではなかろうか。

6月13日(日)

知人に教えてもらった石田衣良の『うつくしいこども』をブックオフで探したがなく、代わりに黄民基(ファン・ミンギ)『奴らが哭くまえに 猪飼野少年愚連隊』(幻冬舎アウトロー文庫)を見つけたので買って帰る。 鶴橋駅にはいつも焼肉のいい匂いがして空腹時にはこたえたものだが、なぜこの付近に焼肉屋が多いのか、ということを(漠然と理由はわかっていても)その隣の駅にある学校に通った2年間深く考えたことはなかった。 親はこのようにぼーっとしたまま社会に出てしまったが、人権(民族問題やジェンダー論も含め)に関する講座を土地柄か幅広く設けている大学に通う息子には、そのへんを少しは学んでほしいものだ。

6月10日(木)

『時の声』は短篇集で文庫なので通勤の電車で読もうと持ち歩いているが、 表題作ばかり何度も読み返しているので全然先に進まない。 「沈黙の遺伝子対」を発現させた奇形のイソギンチャクが膨張し触手を震わせながら、天窓から流れ込んでくる太陽の歌を聴こうとしているところに来るといつも感動する。 「目覚めている自分」の消滅と宇宙の終末、ふたつのカウントダウンを絡ませわずか60ページに過ぎない短篇なのにこの映像効果はなんだろう。

6月6日(日)

魚を仕入れに出たついでに古書店へ。 60年代のバラード作品の題名には不思議な吸引力がある。
乗り換えてしばらく行っていなかった中古盤専門店へ。 偶然特設会場で315円均一セールを開催中だった。 下の子にCubic-U、車載用に桑田佳祐と原由子。
  • J.G.バラード『時の声』(創元推理文庫795)
  • The Cardigans "Life" (STOCKHOLM RECORDS 523 556-2)
  • Dot Allison "Afterglow." (BVCP-21104)
  • Crowded House "Weather With You" (TOCP-7157)
  • Depeche Mode. "Ultra." (TOCP-50158)
  • Jean-Jacques Burnel "Un jour parfait" (EPC 462424-2)

6月4日(金)

『家の中の見知らぬ者たち』途中だが、古書店で見つけたユリイカ1991年6月号のセシル・ビートン特集をめくる。
パブリックスクールに入るための予備校で1級上のガキ大将イーヴリン・ウォーにいじめられていたそうだ。 ジョージ・オーウェルにはいじめられなかったらしいが、いかんせん水と油で付き合いはなかったらしい。 世間て狭い。 ちなみにウォーのいじめは大人になってからも続き、作品に明らかにビートンの性格を誇張したとわかる写真家を登場させた…って、それは『ポール・ペニフェザーの冒険』 またの名を『大転落』(Decline and Fall)』か。

YES / September 27, 1980 / Reunion Arena, Dallas
  1. Does It Really Happen
  2. Yours Is No Disgrace
  3. Into The Lens
  4. Clap
  5. And You And I
  6. Go Through This
  7. Man In A White Car Suite
  8. Parallels
  9. We Can Fly From Here
  10. Tempus Fugit
  11. Amazing Grace
  12. The Fish
  13. Machine Messiah
  14. Starship Trooper
  15. Roundabout
Geoff Downes: keyboards
Trevor Horn: lead vocals
Steve Howe: Guitars and vocals
Chris Squire: Bass and vocals
Alan White: Drums
Buggles が丸ごと加入してできた"Drama" は(一番ではないが)かなり好きなアルバムだ。

'Parallels' はさすがに高音がきつそうだが Trevor Hornよく頑張っていると思う。 'Man In A White Car' 「組曲」はBugglesコンビの曲らしく、わずかに自由がきいたのか『ラジオスターの悲劇』のフレーズがちらっと入るが、わたしでも「えっ…」と思うのだから、熱心で保守的なファンの反発は推して知るべしか。
'Go Through This' 'We Can Fly Home Here' は初めて聴く曲だった。 アルバムのアウトテイクだったのだろうか。 どんなにHornがうまく歌ってもAndersonの「ライヴのヴォーカル」をきちんと再現していてそのけなげさには涙出るよ代理、という印象が拭えない抽象的な曲と違って、これらや'Into The Lens''Machine Messiah' ではさすがにのびのびしている。 'Into The Lens' はBugglesのセカンドアルバムのために用意していた曲だそうだ。

ところで演奏中ピーピー鳴っている口笛が声援かブーイングなのか(自分には)区別がつかない。 プロ野球の野次ならわかるんだけどね。 ブーイングなら演奏も聴かずにご苦労様なことだと思うよ。

6月3日(木)

The Stranglers / November 26, 1980 / Masonic Temple, Toronto
  1. Duchess
  2. Hanging Around
  3. Baroque Bordello
  4. Down in the Sewer
  5. Who Wants the World
  6. Threatened
  7. Bring on the Nubiles
  8. Tank
  9. Nuclear Device (The Wizard Of Aus)
  10. Genetix
  11. Dead Loss Angeles
  12. The Raven
  13. I Feel Like a Wog
http://www.infiltration.org/journal-masonic.html

↑会場がちょっとびっくり。
CFNY-FMの1時間の放送枠に合わせ編集されてしまったのは残念。 なんでもこの日のオープニングは'Shah Shah a Go Go'だったとか。 アルバム"The Raven"までは買って聴いていたのでこの時代の曲は全部懐かしく、なんだかまだ歌える曲もあるが、'Bring on the Nubiles'はさすがに人様の前ではちょっとね、ええ、立場上。Hugh Cornwellが "Lemme lemme touch ya touch ya" と言い換えているのは局側からの要請なのか自己規制かわからん
"The Gospel According To The Meninblack" はレンタルレコード屋で借り、歌詞カードをしこしこノートに書き写していた。 コンビニがない時代、事務用品店ぐらいにしかコピー機が置いてなかったし1枚の単価も結構高かったと記憶している。 自分が就職した頃はゼロックス室というそれ専用の部屋と(しょっちゅう紙詰まりを起こして業者さんが駆けつけた)フロアには遅くて臭い湿式(青いの)コピー機があったなぁ。
え、演奏ですか。 そりゃもうアンコールの3曲、'Dead Loss Angeles'なんか大好き。

6月1日(火)

藤本成昌『Wonderland - XTC Discography』
1991年に藤本さんが自費出版した頃は"Oranges & Lemons"が最新作だったので、1997年までの補遺が3部。 現在編纂中の改訂版にはそれ以降現在までのリリースタイトルが加わり、さらにレコーディング以外はほぼ休みなく組まれたツアースケジュールや各国での広告など入手できるものはすべて掲載する予定という。 伝聞による情報を集めるのも好きだし、(電話帳はさすがに読む気がしないけれど)こういう正確な資料集を読むのはもっと好きだ。

ところで「英語圏のマニアの受け売り的な」知識とは何をさすのかわからないが、マニアでもそうでなくても、手元にあれば非常に役に立つデータベースの更新をしている人に向かってあの口調はなんだろか。 『チョークヒルズ・アンド・チルドレン』巻末ディスコグラフィが、その藤本さんの『Wonderland』からの抜粋だと(明記してある)知らないわけではないだろうし、質問があればメールで問い合わせれば済むことなのに。

2003Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec
2004Jan Feb Mar Apr May