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10月31日(金)

『ビートルズをつくった男』を読み終える。 エプスタイン像に、『ドレッサー』のノーマンが(みてくれでなく本質が)重なった。

10月30日(木)

日曜日からR.コールマン『ビートルズをつくった男 - ブライアン・エプスタイン -』(新潮文庫)を読み始めている。 関係者による彼とBeatlesのメンバーの人となりについての証言を話半分に読んでも(話半分は本来「聞く」のか)特にジョンの、社会的な弱者(敗戦国、マイノリティ、ハンディキャップをもつ人々)に対する発言や態度はすごいものだ。 人の性根はきっかけ次第で変わるのかもしれないが。
数年前にNHK教育で放送した"Brian Epstein Story"(BBC)の録画テープがどこへ行ったやら。だからきちんとラベルを貼っておけってのに。

10月28日(火)

KCRW New Ground : Tribute to Elliott Smith
  1. Miss Misery
  2. Waltz #2 (XO)
  3. Needle In The Hay
  4. Coming Up Roses
  5. The Biggest Lie
  6. Bottle Up And Explode!
  7. Angeles
  8. Waltz #1
  9. Figure 8
  10. Between The Bars
  11. Tomorrow Tomorrow
  12. Independence Day
  13. A Distorted Reality Is Now A Necessity To Be Free
  14. Tiny Time Machine (instrumental / unreleased)
  15. Because (Beatles cover)
    There were four vocal parts - so there was a question of whether I could do it. And I didn't want someone else to do it who.(Elliott Smith)
(Aired Saturday, October 25, 2003)

約1時間の放送はオンデマンド。流しながら本を読んでいると、あの囁くような'Angeles'のギターが流れてきて、しばらく耳を傾ける。 エリオット・スミスを最初に聴いたのがこの曲だったので、どうやら刷り込まれているようだ。 以下番組で流れた曲と内容の覚え書き。 タイトルも知らずに聴いていた曲が多い。

Slim Moon(Kill Rock Stars) Lenny Waronker(Dreamworks)、 Margaret Mittleman(元マネージャー)  プロデューサーRob Schnapf, Tom Rothrock 、Luke Wood(A&R)のコメント。

'Tiny Time Machine'(Figure 8 レコーディングセッション)
'A Distorted Reality Is Now A Necessity To Be Free'(最後のシングル)
Reports from the States say he was found dead on Tuesday by his girlfriend in their LA apartment. The singer, who had been battling drink and drugs, died from a single stab wound to the chest.(BBC)

10月27日(月)

サウンドビームを障害児の療育に使っている国立療養所鈴鹿病院のことを知人に教えてもらい、HPを覗いてみた。 そこで思い出したが、弟の結婚式の前日、新幹線に乗る前に購入したここの院長の著書『ヒトラーの震え毛沢東の摺り足 神経内科からみた20世紀』(中公新書)はとてもおもしろかったのだ。

10月25日(土)

ほぼひと月かけて『キャッチ=22』読了。 まさかの大逆転(Yo-Yoの**どころではない)がまさに荒唐無稽な戦争、もとい「反戦小説」だった。
上々だ。いや、おれはひどく怯えているよ。
読み終えたのが翌日(もう26日)の5時半。これから模試に行く子の食事の支度だ。

10月24日(金)

初めて入った店舗のブックオフにて。
  • ジョージ・オーウェル『カタロニア讃歌(Homage To Catalonia)』(ハヤカワ文庫NF97)
  • オースン・スコット・カード『奇跡の少年(Seventh Son)』(角川文庫)
  • 世界文学全集(30)『モラヴィア』(学習研究社)
    「無関心な人びと」(河島英昭訳)
    「病んだ冬」「冬の憂鬱」「不幸な恋人」「ドン・ジョバンニの一夜」(米川良夫訳)
米川良夫氏は河出文庫版イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』の訳者でもある。

10月23日(木)

'Angeles'収録のアルバム Elliott Smith "either/or"を聴く。 おとといまで生きていたこの歌声の持ち主はもういないのだ。

10月22日(水)

あいかわらず通勤の電車で『キャッチ=22』、一方家では『愛のゆくえ』を読んでいた。 手術器具のたてる音、重い物体(手術後の、意識のない恋人や他の女性)を引きずる音、(掻き出されたものを)流すトイレの水音が3回繰り返される。 どれもが流れ作業として続き医者や助手の「苦痛もなく、きれいなものです」という言葉さえも同じ。 メキシコのティファナ(ティワナ)は、当時アメリカで非合法とされたこの手術を受ける人がこっそり訪れた地でもあるということを知った。 ティファナはこの主人公の住む図書館に持ち込まれた本がやがて永久にしまいこまれる、水のしみ出る洞窟と似ている。

10月19日(日)

ブックオフにて。
  • オースン・スコット・カード『辺境の人々(The Folk Of The Fringe)』(ハヤカワ文庫SF1027)
  • リチャード・ブローティガン『愛のゆくえ(The Abortion : An Historical Romance 1966)』(新潮文庫)

10月18日(土)

きのうHMVをぶらぶらしていた時に、頭上のモニターのPVから女性ヴォーカルの妙に耳に引っかかる曲が聴こえてきたのでクレジットを確認。 birdの「チャンス」という曲だった。 あまり多様な音楽を聴かないからアーティスト名もこの曲名も知らず、検索してみると作曲とプロデュースが田島貴男、で、妙に納得。
いや、自分のツボにはまるアレンジってキーワードが「XTC」なのよ。

10月17日(金)

Pretty [Ugly Before] / Elliott Smith / 7"/ Suicide Squeeze(S-028)
  1. Pretty [ugly before]
  2. A Distorted Reality Is Now A Necessity To Be Free
HMVのアナログコーナーで見つけた、2004年リリース予定の新作に先立つシングルで"Figure 8"以来3年ぶりの新録。 今まで幸薄そうな歌が多く、どうやら長いトンネルを抜けたらしい美しいピアノと歌に「よかったねぇ」と声をかけたいくらいだが、こもったオルガンがかぶさるけだるげなB面のエリオット・スミス節もなかなかいい曲で、でも実はこっちの曲のほうが彼の近況だった、としたらちょっとたいへんそうだ。

10月14日(火)

Hail to the Thief. / Radiohead / CD (Parlophone 5848052)
  1. 2+2=5
  2. Sit down. Stand up.
  3. Sail to the Moon.
  4. Backdrifts.
  5. Go to Sleep.
  6. Where I End and You Begin.
  7. We suck Young Blood.
  8. The Gloaming.
  9. There there.
  10. I will.
  11. A Punchup at a Wedding.
  12. Myxomatosis.
  13. Scatterbrain.
  14. A Wolf at the Door.
"There, there"(よしよし)という台詞が出てきたという『キャッチ=22』だが、こちらは古書店でぱらぱらめくっていた本に「2+2=5」という言葉を見つけて仰天したのだ。 '2+2=5'がアルバムのオープニングを飾る "Hail To The Thief"国内盤の解説には説明されているのかもしれないが、手持ちは「とうぞくのちず・雨に濡れたらどうしよう」英国盤でうっかり広げようものなら破れかねない、ほとんど悪意に満ちているとしか思えないつくりなのであまりまともに読んでいないのだった。 で、2たす2が5になる、これ『1985年』の巻頭に書かれた文によると、
2+2=5
第一次五ヵ年計画実施中にモスクワに掲げられた表示。
労働者が本腰をいれれば四年間で計画を完遂できる可能性があることを示したもの。
この『1985年』はオーウェルの『1984年』をアントニィ・バージェスが読み解くというもので、バージェスがマンチェスター大学出身というのがPHとの共通項でもあるし、なんだかおもしろそうなんだな。

10月13日(月)

きのう出した荷物が届く。多いぞ多いぞ。 しかし一緒に古本も入れてもらったのであまり強い立場ではないのだった。
  • アントニィ・バージェス『どこまで行けばお茶の時間』(サンリオSF文庫)
  • アントニィ・バージェス『1985年』(サンリオ文庫)
  • サミュエル・R・ディレーニィ『バベル-17』(ハヤカワ文庫SF248)
  • マーヴィン・ピーク『死の舞踏』(創元推理文庫534)
  • グレアム・グリーン全集(20)『旦那さまを拝借』(早川書房)

10月12日(日)

掃除を済ませ荷物の送り出しと退去時の電力・ガス・水道の精算、鍵の返却。 時間が半端に余ったので『座頭市』をみてから帰る。 「今度は一体何を企んでいる」と思わせるに十分な岸部一徳がやっぱりいい味だ。 16歳というおせいちゃんの、回想シーンをまじえた踊りの稽古の場面にはほろり。 みている間はほんとにおもしろいし衣装やセットの色彩が凝っているんだけど、あとに何にも残らない映画。 でも娯楽作品のありかたはそれでいいのかもしれない。

10月11日(土)

新幹線で『キャッチ=22』。
つづいてヨッサリアンはマクワットに上昇を命じ、高度をどんどん上げつづけ、ついに無事ダイヤモンド・ブルーの静かな空に達した。(p245)
うわっ、「ダイヤモンド・ブルー」だって! Did you make disease, and the diamond blue? (Dear God / XTC)

銀平で魚づくし。 付出しがつみれ入りおでん、刺身盛り合わせ、ハマグリ・エリンギ・車海老の炭火焼き、クエの煮付け、骨せんべい、柿とアボカドのサラダ、鯛めしに味噌汁と白菜の漬物。 最後の鯛めしはさすがに食べきれず、残りをお土産にしてもらう。

10月8日(水)

週末は尾張守(旧摂津守)の引越しの手伝い(荷造りより退去する部屋の掃除だな)に行くことになり、『二つの塔』しばしお預け。 通勤のお供は相変わらず『キャッチ=22』。 Chris Speddingの'Catch-22'を聴いてからはこの曲が常にBGMとして流れている。 読みながら頭でリズムを取りかねないなんともいえない味わいがよい。

お子が友達から借りた「さとうきび畑の歌」の録画を見ていたので夕方終盤だけ一緒に見たが、明石家さんまの「○○なんですよぅ(「よう」を強調)」という今どきの喋り方がどうしても耳につき困った。 沖縄の地上戦の話だが時代考証以前の問題では?重箱の隅をつつき過ぎだろうか?

10月7日(火)

『ロード・オブ・ザ・リング(リング?) 二つの塔(The Lord Of The Rings - The Two Towers -)』DVDが届く。

10月5日(日)

最初に見た時「アルジャーノンに花束を」の感想を日記に書いた覚えがあったので調べてみた。 3年前のちょうど今頃見たわけだが、同じ人間なのに感じ方はかなり違うじゃないか。 「去年のスノードンはどこにいる"Catch-22" p59」3年前のわたしはここにいながら、もうどこにもいないんだな。
10月 9日(月)
WOWOWで放送された「アルジャーノンに花束を」リメイク版。マシュー・モディンはなんといっても「バーディ」、どこから撮ってもさまになる、内面描写の巧みな俳優で大好きだが、これに限っては「レナードの朝」「白痴」と比べて、最後があんなにきれいなものでいいのだろうかとおもってしまう。どうみても純真な少年のようにしかみえない。彼女への愛情がかすかにでも記憶に残されているかもしれないという、観ている側の願望におもねるようなラストはわたしは好きじゃなかった。それはすでに彼自身の手でアルジャーノンと一緒に葬られているのだから、中途半端な(観る側への)優しさは必要ないとおもうのだ。

10月4日(土)

窓を開けると今年もどこかで金木犀が香っている。

去年かおととしwowowで録画したカナダ製作「アルジャーノンに花束を」(2000)を再見。 こちらは1時間半のドラマなのでかなり駆け足。「経過報告」もなく、チャーリーが最終的に入るであろう施設を訪問する場面も(これから知能が手術前よりさらに低下すること、余生を送る居場所を施設に定めたことをパン屋の主人やアリスに告げる場面はあるが)割愛されている。 そのかわり母親が「ハル、家に帰ろう」と迎えに来てくれたりエリナ先生の恋人(件の晴彦)と一緒に銭湯に行ったりもしない(なんなんだよう、このドラマ)。 * wowowプレミア上映だから2000年に放送されたものだった
マシュー・モディンの配役はよかったと思う。胴回りにも首にも肉がたっぷりついたが、40でこの童顔、確か194センチという大味な体格にこの顔(しつこい)、 『バーディ』当時とあまり変わっていない。 このガタイと顔のアンバランスなところが買われてキャスティングされたのではなかろうか。
学校でもはや「アリス」ではなくなった「キニアン先生」に大きな身体をかがめてさよならの挨拶(ハグ)を求めるチャーリー、映像でみると確かに切ないものだが、原作の「経過報告(けいかほうこくけえかほおこく、のほうか)」のついしん以下を読んで得るもろもろの思いのほうがはるかに深いのは致し方ない。

10月3日(金)

帰ったらユースケ・サンタマリア主演の「アルジャーノンに花束を」再放送の最終回がたまたまかかっていた。 ドラマ化には興味なくリアルタイムでも見なかったのでこの回しか知らない。 結末が原作と違うのもひどいもんだが、恋人の職場に突然やってきてプロポーズする晴彦、その非常識なふるまいはなんだよ。 学校じゃないか。 これが大教大付属池田小に侵入した宅間被告みたいな奴だったら生徒の命が危ないよ。 障害児学級なら授業を妨害しても差し支えないとでも思っているのか晴彦……と彼を責めてもしょうがなくて、脚本が問題だ。 放送局については今さら何も申しません。

10月2日(木)

下の子が先月書いたのは王義之「蘭亭叙」より「天朗気清恵風」。恵風のあと「和暢」と続くらしい。 上の子は2年ほど小筆で小さい字の練習をしているということで、かなり根気がいるらしい。 でも不思議とやめたいと言ったことは一度もないんだよなぁ。 上の子に聞いたら毛筆(大きな筆)は欧陽詢の九成宮醴泉銘を手本に書いているそうだ。

先週いろんなことがあったりなかったりして気分が落ちつかなかった反動か、今週は暇があると横になり毛布をひっかぶって寝ている。 ふだん見た夢はあまり覚えていないが、うたた寝の間に「ホームに滑り込んだ新幹線の先頭車両の座席が芋とかぼちゃとゴーヤのかき揚げに占領されていた。乗り込むと彼らは席をつめてくれたが、新幹線なのになぜか補助席がついている」という妙な夢を見た。 今日は先週同僚に教えてもらった「ゴーヤと桜海老のかき揚げ」がお子たちに好評で、また作ったのだ。 新幹線は最近出た話題がどうも頭に残っていたからだと思うが、補助席なんて遠足で乗った観光バスの思い出だ。 しかし天麩羅が団体様で座っているという夢を見る(たぶん盛りつけた時の姿からだろうけど)わたしは果たして大丈夫だろうか。

日曜日だったか、スーパー源氏という古書検索システムで結局全部読みたくなった丹下左膳を注文した。 更新が遅れていたらしく同じ店から二度在庫切れの空振りをもらった。さすがに二度目は「お恥ずかしい限りです」とのことだったが。 とにかく読めればいいので別の店から取り寄せ今日届いたが、緒方拳でドラマ化されていたらしく、帯にその写真が載っている。 緒方拳なら「シェイは丹下、名はシャジェン(←誰だよ)」とは名乗らないだろう。
  • 林不忘『完本丹下左膳』(立風書房)

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