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2月28日(水)

仕事を早めに終わらせ、髪を切りにいく。 半年に一度の人が前回から2ヶ月半で現れたので驚かれたよ。

2月27日(火)

  • 山岸凉子『妖精王の帰還』(ブッキング)
  • マリオン・ジマー・ブラッドリー『ダーコーヴァ年代記』(創元SF文庫)
  • J.G. Ballard "High Rise" (Carroll & Graf Publishers)
『ダーコーヴァ年代記』は創元SF文庫の既刊22冊(うち2冊外伝)。 奥付をみると1986年9月から1988年9月までの2年間で22冊というハイスピードで刊行されたことがわかる。 22冊目の『キルガードの狼(下)』あとがきで『ゼンダラの館』『魔法の都』近刊予定のまま途絶しているのは、毎月のように出る新刊を読んできたファンには酷な話だったろう。
バラードのペーパーバックは200円。 原書まで読む余力はないに決まっているが、地元にこの値段で買える洋書専門店はなかろうて。

2月25日(日)

読了した長編:
  • パトリック・ジュースキント『香水―ある人殺しの物語』(文藝春秋社)
    パフューム―ある人殺しの物語、うう、主演の俳優みたさに映画を観たいけど、小説で十分堪能した気もする……。匂いにとり憑かれた人々が最後にひきおこすあれ、ものすごいよねぇ。

    今日の一枚:
  • BEFORE THE FALL - The Peel Sessions / V.A. / CD (SFRCD 203)
    2004年10月に聴いていたお気に入りのCD。 JUNE TABOR - The Fiddle And The Drum (25/1/77) 収録で当時の日記になんと「June Taborの声が気に入った」と書いている。 ついでに簡単な経歴まで調べていた。好きな声質が一貫していることを実感した。 そのまま彼女の名前は忘れてしまったが、同じ声に再会し、今度は「June Taborの歌」と向き合おうとしている。縁は異なもの。

    2月24日(土)

    家人は大阪出張中、ついでに今日は息子と食事をするそうなので朝から音楽を聴き放題。 BGMはThe John Renbourn Group "A Maid In Bedlam" アイリッシュトラッド"My Johnny Was A Shoemaker"をつい一緒に口ずさんでしまう。
      到着便:
    • Jane Tabor "Some Other Time" CD (HNCD1347)
    • キリル・ボンフィリオリ『深き森は悪魔のにおい』(サンリオSF文庫)
    Some Other Time / June Tabor / CD (HNCD 1347)
    1. Some Other Time
    2. Night And Day
    3. You Don't Know What Love Is
    4. Body And Soul
    5. This Is Always
    6. Pork Pie Hat
    7. Solitude
    8. I've Got You Under My Skin
    9. The Man I Love
    10. Meditation
    11. Sophisticated Lady
    12. Round Midnight
    arranged and accompanied by Huw Warren
    June Tabor, vocals
    Huw Warren, piano and cello
    Mark Lockheart, saxophones
    Danny Thompson, bass
    Bosco de Olivera, percussion

    ということで届いたアルバムがJune Taborの歌うスタンダード集。 ジャズに疎い私でも一度や二度聴いたことのある曲ばかりで、聴けば聴くほどアルトの歌声が耳に心地よく響く。 "Round Midnight"はRobert Wyattの歌うヴァージョンを『EPs』でも聴いたけれど、これもいいなぁ。

    2月22日(木)

    調べもののついでにallmusicで試聴したアルバムがとてもよかったので、密林マーケットプレイスで注文。 出品者の方は2002年にKevin Ayersを見に東京へ行っていた(お台場TLGだ!)。 大先輩だった。 いいなぁ、いい体験だなぁ。うらやましいなぁ。
    本の話も。 英IMPULSE誌で『パヴァーヌ』を読んでいるのだそうだ。 主要人物の名前が変更されているとか、雑誌の表紙が「パヴァーヌ」の世界そのままだとか……と未読ならぜひ、と強く薦めていただく。 IMPULSEの編集長キリル・ボンフィリオリの屈折ピカレスク小説「深き森は悪魔のにおい」もおもしろいとのこと。 職場近くの古書店では6000円という高値(高嶺だ)の花でとても買えないこの本、オンライン古書店で注文。
      到着便:
    • ボブ・ショウ『去りにし日々、今ひとたびの幻』(サンリオSF文庫)

    2月21日(水)

    『香水』ちょうど半分読んだところ。 すさまじいオブセッションの物語だが、グルヌイユが警察犬やトリュフ豚のように匂いを手がかりにその主を追うところなど、映像でどのように見せているだろうか。 人の未踏の地(2000メートルの山頂)に辿り着き、どこに鼻をめぐらしても人の気配がないことに歓喜して踊り狂う男、人といかなる関係も築けないその絶対的な孤独。 洞窟にこもり必要最小限の排泄と食事(トカゲなんか食べながら)のほかは「匂いの記憶の宮殿」で幸福な7年間を過ごすさまも、滑稽でいながら不思議と感動的ですらある。

    2月20日(火)

    長崎から今年も桃カステラが届く。
    昨夜NHKの「クイズ日本の顔」はアコーディオン奏者のcobaがゲスト。 お子達の高校の先輩なので、おととし学校で講演+演奏をしてくれたのだが、話好きというだけあって大幅に予定時間を超過したそうだ。 私は仕事で行けなかった、もったいなかったなあ。 映画がもうすぐ公開とのことで、積読のパトリック・ジュースキント『香水』を読み始める。鼻がまがりそうだ〜。 チェスタトンは一時お預け。
      予約したCD:
    • Mike Keneally "Boil That Dust Speck" CD
    • "Hat" CD
    リマスターされ再発。大好き。

    2月18日(日)

    17日深夜からNHKで「アーチストドキュメント 奥田民生 −我が道を行く!奥田流音楽のルーツ− 」を観る。いやいやいや眼福。 いいもの観た〜。
      ヤフオクとブクオフ:
    • ロス・マクドナルド『兇悪の浜 The Barbarous Coast 』(創元推理文庫)
    • カーター・ブラウン『死体置き場は花ざかり The Passionate』(HPB)
    • マーリス・ミルハイザー『ネラは待っている Nella Waits 』(角川文庫)
    • コナン・ドイル『北極星号の船長 <ドイル傑作集2>』(創元推理文庫)
    • ギ・デ・カール『破戒法廷 La Brute』(創元推理文庫)
    • ニッポンのマンガ―AERA COMIC』(朝日新聞社)
    • 高橋葉介『クレイジーピエロ』(日本エディターズ)
    • 結城昌治『怖い話と短い話』(中公文庫)
    どーしてこう自分が生まれる前の作品を読みたくなるんだか。 カーター・ブラウンと田中小実昌さんの訳は相性がいいらしいんだよね。 「ネラは待っている」カバーは、横溝正史作品も多数手がけた杉本一文。 オリジナルは1975年上製本装丁(Hardcover Book Jacket)エドガー賞の大鴉賞だそうだ。 『ニッポンのマンガ』は高野文子描きおろし目当て。 『破戒法廷』は集英社ワールド・ベストセラーズの「けだもの」と同じ作品なのね……

    2月17日(土)

    読んだ短編:
  • ロジャー・ゼラズニイ「フロストとベータ For a Breath I Tarry 」
    「そしてわたしは淋しい」今日も素敵な物語を読めた。 速読、ファストフード、インスタント○○の氾濫している今の時代からずうっと先の時代につくられた人工知能フロスト。 とても哲学的で、最後のページまで読んで自然に涙が流れるような物語。

    家人が「MONSTER」の欠けた16巻を買ってきたので、11巻から再読してすべての記憶、もとい物語が繋がった。

    2月16日(金)

    • 英国探偵作家協会編『15人の推理小説 Butcher's Dozen』(東京創元社)

    2月15日(木)

    読んだ短編:
  • ロジャー・ゼラズニイ「吸血機伝説 The Stainless Steel Leech」
  • ロジャー・ゼラズニイ「キャメロット最後の守護者 The Last Defender of Camelot」
    シーベリイ・クインの「道」が出発点ならこちらは目的地。
  • ロジャー・ゼラズニイ「そのままでいて、ルビー・ストーン Stand Pat, Ruby Stone」
    「愛のコリーダ(変な意味じゃなくてね)」という言葉を連想する。美しくも厳しい愛の物語。 キャラクターの言葉遣いにも酔えましたなぁ。3回くらい読み返した。 はじめはエルフのような姿のキャラクターを脳内に描いて読んでいたのだが、とある事情で路線変更を。 いや、だって複眼がね……
  • ロジャー・ゼラズニイ「ハーフジャック Halfjack」
      ヤフオクにて100円:
    • パトリック・クェンティン『愚かものの失楽園』(創元推理文庫)

    2月14日(水)

    TOKUMA Anime Collection『天使のたまご』を観た。 少女の目覚め、方舟、始祖鳥、魚影(シーラカンスのよう)。 タルコフスキーの『ストーカー』にも通じる、好きな世界。 あと、昔教育テレビで観た『紅い服の少女』(原題『紅衣少女』)の詳細のわかるページを見つけてごきげん。

    2月12日(月)

      安いとついつい。
    • レスリー・チャータリス『聖者ニューヨークに現わる』(HPB293)……チャータリスは「セイント」の原作者。
    • ノーマン・スピンラッド『鉄の夢』(早川書房)
    • ロジャー・ゼラズニイ『キャメロット最後の守護者』(ハヤカワ文庫SF553)
    • ロジャー・ゼラズニイ『伝道の書に捧げる薔薇』(ハヤカワ文庫SF215)

    2月11日(日)

    息子の部屋からコナン・ドイルのシャーロック・ホームズものを借りてくる。 新潮文庫10冊中「冒険」〜「叡智」まで9冊。借り物に「どのヴァージョンで」なんて贅沢はいえない。 親と違って古本嫌い・新刊派なので表紙がつるつるだ〜。思わず頬ずりしたくなるよね。抜けた1冊『緋色の研究』は下宿に持ってきているとのこと。
    「ドーキー古文書」検索中、この作品とエリック・マコーマック「パラダイス・モーテル」を数日の間に読んでどちらも好感触の読書日記に当たる。ちょっと嬉しい。
      オンライン古書店にて:
    • エラリイ・クイーン編『シャーロック・ホームズの災難(上下)』(ハヤカワ文庫HM)
      1944年に編まれたアンソロジーだが"The Misadventures of Sherlock Holmes" というネガティヴなタイトルに遺族からクレームがつき、早々に絶版になったという。
    • ジーン・ポッツ『さらばいとしのローズ Go, Lovely Rose』(講談社文庫)
      1954年エドガー賞(処女長編)受賞作。同年の短編賞はスタンリイ・エリンの「パーティの夜」だって。
    夜は「風林火山」をはじめNHK三昧。 「ダーウィンが来た!」はライオンの群れに新規参入した二頭のオス、ウィリアムとワレン。 前のボスの忘れ形見は遅かれ早かれオスたちに殺される非情の世界。 生き延びるには、自分から群れを離れるしかないのだ。
    プラネットアース第11集「青い砂漠 外洋と深海」。 青く光るコウモリダコ、クラゲとみまごう優美なユメナマコ、足先の細かい毛を動かして水中を歩くミズムシ。 海底に沈むクジラの頭部が群がる魚たちに数時間で食い尽くされてしまう様子をしんかい6000が捉える。

    2月10日(土)

    Fさんから行き倒れサンタのクリスマスカード以来、久しぶりのおたより。 例年並みの気温だそうだ(氷点下)、あうあう。
    そのFさんよりお薦めの映画:
    Devil's Backbone
    ペドロ・アルモドバルプロデュース、偶然にも「ヘルボーイ」「ブレイド2」のギレルモ・デル・トロ監督作品なんだ〜。 ギレルモ・デル・トロの新作"Pan's Labyrinth"には群れなす団子虫だの、巨大ガマガエルだの、顔に大きな口しかない怪物だの……。 紹介ではビクトル・エリセ『ミツバチのささやき』に似た匂いのダークファンタジーらしい。
    あとはカナダ国営の音楽専門局Espace Musiqueのユニークな選曲の話などなど。日本時間で月〜木の23時から聴けるシャンソン専門番組がなかなかいいそうだ。
    Espace Musique

    2月9日(金)

    電車の中で読んでいた「新ナポレオン奇譚」に肩を揺すって笑いこけてしまった。 巻頭の「ノッティング・ヒル界隈図」を見て、ケンジントンだのキャムデンだのミュリエル・スパーク短編にもある「ポートベロー通り」など、名前しか知らなかった通りの位置関係がちょっとわかった。
      ヤフオクにて900円:
    • 集英社版世界の文学(16)『スパーク オブライエン』(集英社)
      ミュリエル・スパーク「マンデルバウム・ゲイトThe Mandelbaum Gate」、フラン・オブライエン「ドーキー古文書 The Dalkey Archive」 の2編を収録。
    「アイルランドのオブライエン」おお、「ジョニー、あなたと知らずに Johnny I Hardly Knew You 」のエドナ・オブライエンも一緒に読める!と落札してからも勘違いしていた。フラン・オブライエン、無知なもので未知の作家でした。 ミュリエル・スパークと抱き合わせで収録されるならひとくせありそうだ、と調べてみると「ドーキー古文書」を読んだ人の感想は「アホすぎる」「脱力」「ラファティ」おお、なかなかおもしろそうではないか。 これはひと粒で二度おいしい。転んでもただでは起きないのだった。

    2月8日(木)

    TVをつけたら額に青筋立てている純血ヴァンパイア、ウド・キアのアップだった……。 ヴァンパイア映画「ブレイド」オンエア中。
      古書店にて:
    • 世界ミステリ全集(18)『37の短篇』(早川書房)
    他のアンソロジーとだぶる作品もたくさんあったが、購入を決めたのはエドガー・ライス・バロウズの「ジャングル探偵ターザン」なんだろ、これ。 巻末の座談会も楽しそうだ。

    2月7日(水)

    仕事は休み。 下の子の第一志望校から合格通知。 夢に一歩近づいた。

    2月6日(火)

    読んだ短編(新青年傑作選4 所収):
  • バロネス・オルツィ「砂嚢 The Bag of Sand」
  • P・G・ウッドハウス「怪我をする会 Ukridge's Accident Syndicate 」
    わが家は20年来同じ新聞を読み続けているが、実家の新聞は帰省するごと……深く追究しないでおこう。
    「怪我をする会」でも、1年分の購読料と引き換えの傷害保険の権利に目をつけた仲間たちが、お金を出し合って新聞をとる。くじ引きで負けた一人が怪我をして、見舞金をせしめようと……ところが世の中では鰐に噛まれたり鉄骨が落ちてきたりあらゆるところに怪我の種があるのに、彼はぴんぴんしている。これではお金が入らないばかりか、出し合った分のもとも取れない!こうなったらわざと怪我をするしかない……
      古書店にて:
    • G・K・チェスタトン『チェスタトン著作集10 新ナポレオン奇譚』(春秋社)
      原題"Napoleon of Notting Hill"
      20世紀末のロンドン。人々は民主主義に飽き飽きして、くじ引きで専制君主を決めることになっている…… チェスタトンのディストピアものとのこと。わーい、読むぞ。

    2月5日(月)

    読んだ短編(危険なヴィジョン 1 所収):
  • レスター・デル・レイ「夕べの祈り」
  • ロバート・シルヴァーバーグ「蝿」
  • フレデリック・ポール「火星人が来た日の翌日」
      到着便:
    • 加藤直之『SF画家 時空間画抄』(ラピュータ)
      特典のサイン入りポストカードつき
    NHKプレミアム10 「サウンドオブミュージック、マリア語る一家の物語」
    激動の時代を生き抜いた家族の軌跡・二女の貴重な証言でたどる
    ▽歌が紡いだ家族のきずな
    ▽美しい風景と名画の舞台裏、渡米後の暮らし

    現在、トラップ家は米バーモント州のストウという町でロッジホテルを営み、訪れる観光客に音楽の楽しさを伝えている。ロッジの片隅でアコーディオンを奏でるのは、母と同じ名前を持つ二女のマリアさん。彼女が、故郷のオーストリアを去り、アメリカで苦労を重ねながらも家族のきずなを守り続けたトラップ一家の歴史を語る。
    ― 番組ガイド
    「歌は心に響くのです」
    二女マリアさんは91歳。トラップファミリー・シンガーズとしてアメリカ国内をツアーしてまわっていた頃は、興行主に立替えてもらったアメリカへの渡航費用、ツアーのバス代から一家12人の宿泊費を差し引くとひとり1ドルの食事代も払えない日もあったこと。 アメリカではもっと娯楽性をと求められ、聴衆に話しかけたり曲の説明をする役を、母マリアがとても上手にやってのけたこと。「母は私たちのリーダーでした」

    貴族だった一家がローンで買った土地に自分たちで家を建て、家畜を飼い、畑をつくり自給自足しながら暮らしていたこと。 「自分のお小遣いなどなかったわ。でも不幸ではありませんでした。よその家にはお金があるなんて考えたこともなかったんです。 今は友だちもいますが当時言葉もわからず、家族たちで一人は皆のために、皆は一人のために力をあわせてきました」

    マリアさんは、シンガーズ解散後長年の夢だった宣教師としてパプアニューギニアで30年間活動してきたのだそうだ。 苦しい時期をくぐりぬけてきたマリアさん、93歳で健在な姉アガーテさんとも本当にいい表情をしていた。 こういう番組のためならいくら受信料払っても惜しくない。

    2月4日(日)

    「アメリカ探偵作家クラブ」をひとつづきに変換しようとすると必ずアメリカ探偵「錯覚ラブ」と出てしまう。
    読んだ短編(新青年傑作選4 所収):
  • ジョンストン・マッカレー「サムの新弟子」
  • モーリス・ルヴェル「或る精神異常者」「生さぬ児」
  • ステイシー・オーモニア「撓ゆまぬ母」
    「撓ゆまぬ母」は羽振りのよい遠縁の息子アーチーと娘たち(どちらでもよい)との縁組をもくろむビンドロス夫人のお話。訪問と手紙攻勢でようやくアーチーを遊びに来させるところまでこぎつけたが、汽車から降りたアーチーはぱっとしない少年で娘たちと趣味も合わないようす。あげく熱まで出され……。でも夫人は負けない!夫人に代表される「こう云う質の精神が、都市を築き、植民地を作り、帝国を拡大したのである」

    『新青年傑作選(4)』月報に「新青年あれこれ」と題した座談会が掲載。 出席者は監修者(編集長経験者の横溝正史・水谷準)と編者(中島河太郎)の3名で、翻訳原稿に関するすごい話が。
    50枚ぐらいの原稿を、25枚ぐらいにしようというとき、あいだ7枚ぐらいパッと削って、2、3行でつなぐ

    2月3日(土)

    古書会館倉庫市2日目。前回見た本がそのまま並んでいたりして目新しいものは見つからず。 たまに立ち寄る近隣の古書店も即売会の流れで混みあい、1000円均一の国書刊行会「世界幻想文学大系」端本10冊くらいが目の前でさらわれていった。500円の『(12)詩人と狂人たち』を買っただけだが、安西徹雄による解説「四人のチェスタトン」は私のような初心者にはとても親切な手引きとなったと負け惜しみをいってみる。 チェスタトン著作集(春秋社)10巻揃いが2セット積まれている。『新ナポレオン奇譚』を融通してもらえそう。来週中に受け取れるかな? チェスタトンの研究本やミュリエル・スパーク短編集(原書)、The Oxford Book of English Ghost Storiesなど並んでいる本を眺めるだけでも楽しい。

    帰りがけに中古盤専門店でMotorpsychoの新譜2枚組"Black Hole/Black Canvas"サンプル未開封1400円。サンプル品は本来貸与品なので勝手に売ってはいけないらしいが、中古盤屋ではよく見かけるね。 とりあえず二つ桜が咲いたのでケーキをひとり2個ずつ選び、誕生日の母にお祝いの電話を入れる。
    • G・K・チェスタトン『世界幻想文学大系(12) 詩人と狂人たち』(国書刊行会)
    • Motorpsycho "Black Hole/Black Canvas" 2CD (PVCP-9665/6)

    2月2日(金)

    読んだ短編:
  • ハーマン・ランドン「葬式フランク」(「新青年傑作選4」)
    大正11年11月号掲載、さすがに読みにくいけれどしみじみ。 遺族からの寸借詐欺専門の詐欺師「葬式フランク」。 重病の愛犬の行方を捜し、容態を案じながら、他人の悲しみを笑い餌としてきた生き方を振り返る。
    心もあった、狭い狭い心、ただ小犬一つを容るるに足るだけの小さい心ではあったが、それでも石ではなかった。
      ヤフオク同一出品者より、送料サービス:
    • ローレンス・トリート編『アメリカ探偵作家クラブ傑作選(8)スペシャリストと犯罪』(ハヤカワ文庫HM80-10)
    • ドナルド・E・ウェストレイク『ウェストレイクの犯罪学講座』(ハヤカワ文庫HM24-4)
    • フランク・マコーリク『殺し屋から愛をこめて』(ハヤカワ文庫NV321)
    • A・E・ヴァン・ヴォクト『宇宙嵐のかなた』(ハヤカワ文庫SF3)
    • A・E・ヴァン・ヴォクト『イシャーの武器店』(創元SF文庫)
    • A・E・ヴァン・ヴォクト『宇宙製造者』(創元SF文庫)
    • ディクスン・カー『死の館の謎』(創元推理文庫)

    2月1日(木)

    読んだ長編:
  • G・K・チェスタトン「木曜の男」(1908)
    「恐るべき子供たち」「不思議の国のアリス」のように映画を観ている感じ。 「ロンドン警視庁新刑事部のまっくらな部屋にいる」局長もその得体の知れなさから逆光を浴びた真っ黒なシルエットに脳内変換して読んでいたし、秘密の小部屋、変装、秘密結社、追跡というおいしい要素もたっぷりで、スパイ小説も好きな私のツボにはまってしまった。

    解説によるとチェスタトンはセント・ポール学院時代の友人(E・C・ベントリー含む)のほとんどが大学に進学するなか、美術学校に入学したそうだ。 夢見がちで詩作や絵の好きな子供が絵筆をペンに持ち替えて、こういう作品が生まれるのだろうか。 短編集『ポンド氏の逆説』も運よく手元にあるのでしばらく楽しもうっと。

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