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9月28日(火)

いろいろ興味がわいてきたのでMike Keneallyオフィシャルサイトをあちこち覗いてみると、サイトづくりが趣味なのかコンテンツがやたら多く、しかもおふざけが大好きらしい。
  • 本人によるとYESの「Siberian Khatru」も(「も」というのは「Roundabout」「Mood for a Day」のほんの一小節をステージでしれっと弾いてみせたのをライヴ音源で聴いたから)カヴァー。 追記:アンコールに「South Side of the Sky」もやっていた ステージでの「プログレお楽しみタイム」はお約束のようだ。
  • アルバムを1枚出したThe Mistakes時代のドラマーは(『Skylarking』にも参加していた)Prairie Prince。
  • 「Mike Keneallyが選んだ1997年ベストアルバム」にはSELFの『The Half-baked Serenade 』が入っている(ちなみに飛行船のBBCセッションズもランクイン)、などなど。
ライヴ演奏を聴いただけで「あ、こういう演奏好きだ」と思った要素がたくさん詰まっているわけだ。
さらに。
『Wooden Smoke』
"When critics use the word‘mature’to describe somebody’s music, it's usually code for‘old and boring.’ Well, I’m wresting the word back to apply it in its proper sense to Mike Keneally’s Wooden Smoke: this album is strong, gentle and wise. How many people do you know who can make a CD sound hand-carved? Beautiful."
---- Andy Partridge of XTC
ベタ褒めではないか。

9月26日(日)

下の子が出品した書道展を見に行く。 青墨で書いた「静寂」、軸装されるとそれなりにさまになって見えるのが不思議だ。 留守番をしている上の子が夕方下宿先に戻るので、会場で先生と少し立ち話をして帰宅。 ちょうど「キングダム・ホスピタル【吹替版】」が始まるところだった。

NHKアーカイブス
NHK特集「そしてトンキーもしんだ 動物たちの悲しい物語を子に伝える父親」(昭和57年)さとう宗幸

Mike Keneally & Bryan Beller / July 30, 1995 / San Diego, CA
  1. Spearmint Pup
  2. Day of the Cow 1
  3. Snowcow
  4. Day of the Cow 2
  5. The Desired Effect
  6. Career/Quimby
  7. I Can't Stop
  8. Them Dolphins is Smart
  9. 1988 Was a Million Years Ago
  10. Open Up!
  11. Spoon Guy
  12. Rosemary Girl
sponsored by Taylor Guitars
楽しいアコースティック・ショー。「I Can't Stop」などサビの部分をすぐ覚えてしまうほど親しみやすく、声も深くて好み。

きっかけはたまたまめくっていたSFマガジンのバックナンバー(特集・SF小説と映画の密なる関係)の音楽レビューページに目を引くジャケット写真が掲載されていたことから。 大きな鋏とタイトル、アーティスト名の手書き文字。 Mike Keneallyのセカンドアルバム 『Boil That Dust Speck』ということしかわからなかったが「ザッパ風変拍子インストからXTC風ねじれポップ、ストレートなロックからアヴァンギャルドまで」という文章が気になり、本人の公式サイトでいくつか音楽を試聴して気に入った。 ライヴの録音、音源トレードも売買しない限りご自由にというおおらかさ。

もっとも彼が参加していた肝心のFrank Zappaに関しては「Smoke on the Water」に名前がちらっと出てくるのと、京都の某レコード店名がらみで知っているだけ(つまり全然知らないの)だった。

9月24日(金)

ポイントカードの期限が迫っていたタワーレコードに行く。 輸入盤はamazonで買う方が格段に安く、価格差のない国内盤でリリース直後のBlue Nile『High』と引き換えてもらうつもりだったのに、仕切りはあるものの新譜どころか旧譜も1枚もない。 タワレコはロンドンから撤退した、という話を先日聞いたこともあり「本当にここ一番で使えない店だ」とうんざりしながらアルファベット順に棚を移動していくと、Robert Wyattドキュメンタリーヴィデオが目の前に。
  • Robert Wyatt 『Little Red Robin Hood』(1988) ロクス・ソルズ

9月23日(木)

『トーチソング・トリロジー』(1988) 待望のDVD化なので2回も続けて観てしまった(2回目はHarvey Fiersteinのコメンタリーつきで)。 第三部で母親とアーノルドが激しく口論した後、母親と息子としてではなく、愛する伴侶を失った者同士として心を通わせる。その瞬間母親(アン・バンクロフト)の見せる表情が大好きだ。

ところでアン・バンクロフトと夫の映画監督メル・ブルックスは共にユダヤ人。 メル・ブルックスの出世作『プロデューサーズ(The Producers)』では素人に書かせた最低の芝居が上演されるが、その劇中劇が「ヒトラーの春(Springtime for Hitler)」。 キャプテン、あれ歌ったのか。

9月22日(水)

Patrick McGoohan主演『Danger Man』からTime to Killを観る。 1話24分。「8時だよ!全員集合」の前半コントと同じ時間で事件を解決してしまうジョン・ドレイクは実に頼もしく、Uさんの言葉どおりオーケストラが「デンジャーマーン、デンジャーマーン」と聴こえるのがおかしい!

9月20日(月)

家人が『Kill Bill』『ゼブラーマン』DVDを借りてきた。 『ゼブラーマン』途中まではおもしろかったが飽きた。 『Kill Bill』は……沖縄から東京へ向かう機内のユマ・サーマンの横に刀が。 よく持ち込めたものだ。それより人を斬った刀をそのまま鞘に収めるな!錆びるだろうが! タラちゃん、深作監督へのオマージュでいっぱいいっぱい。

9月19日(日)

パイソン繋がりでIちゃんと帰国中のUさんと会う。 Iちゃんとは数年ぶり、Uさんとは初対面になるが、紅茶専門店CACTUS CAFEが既に閉店していたことを知らず、周辺をうろうろ探しまわる。 つい先日Nさんに聞いて試した性格診断の結果「無計画で行き当たりばったり」どおりではないか。ああ恥ずかしい申し訳ない。
お土産のビスケットが入っていた袋がSloane Streetにある「Partridges」という王室御用達の店のもので、店名が個人的に大うけ。 気分はもうスローン・レンジャー(高級ブティックが立ち並ぶSloane Streetに集まる上流子女)。

書店で「トイレット博士」や「マカロニほうれん荘」を見つけて喜び、変な髪形を集めた写真集を指さして腹がよじれるほど笑った。 仕上げは「若鯱家で食べる味噌煮込うどん」。 また機会を作ってぜひお会いしましょう。 お借りした1話完結30分白黒作品の諜報員もの『Danger Man』DVDが本編テーマソングともお楽しみ。

9月18日(土)

今月はまだ夏休み中の息子が一週間の予定で帰ってきた。 弁当代わりに車中で食べるつもりだったが意外と混んでおりさすがに恥ずかしくてやめた、と他の荷物に押されすっかりひしゃげた手つかずの食パン1斤を出してきたのには笑えたが、近鉄特急が奈良から三重県に入るあたりで「こっちの窓から富士山は見える?」「こっち側からは見えないなー」と話していたという親子連れの話も相当おかしい。

9月17日(金)

きのう買ってきたAndy Partridge『Fuzzy Warbles』Vol.5 、Vol.6を聴く。 2枚通してもっとも気に入った曲が最近のでなく『Mummer』アウトテイクの「Motorcycle Landscape」というのも皮肉、あのアルバムのためにまさかこんな曲を作っていたなど想像もつかない。

9月15日(水)

宅間死刑囚について「彼は悪いことをしたら謝る、ということを教えてもらえないまま成人したのではないか。だから『謝罪』の意味がわからないのだと思う」というどこかの大学教授のとんちんかんなコメントを聞いた。 悪いこと、どころか無差別殺人だ。 殺した子どもたちについてさえ「苦しかったろう」程度の言葉しか出ない男からご遺族への謝罪の言葉を引き出せるわけがない。 「わからない」ではなく「ない」ものをどうやって。

9月14日(火)

先週見つけた『アパートメント・ゼロ』を深夜から観始め、筋も台詞も覚えているので眠くなったら止めよう、と軽く考えていたが結局最後まで観てしまった。 エイドリアンがアパートの階段から転落したところで一旦ディスクを交換しなくてはいけないのが手間。
英国贔屓の人をAnglophileというそうで、きつく巻いたこうもり傘を天気にかかわらず持ち歩くエイドリアンも部屋を借りたいという男の勤め先を聞くと「ハロッズ(ここがポイント高そう)の裏だ、ここから歩いて行ける」。 17年住んでいたイギリスからブエノスアイレスに戻っても友達もなく(自分から作る性格でもない)支配人をしている名画座と自宅を往復するだけの毎日と思われるが、「ハロッズ」にはイギリスを懐かしんでたまに行っているのかもしれない、という深読みもできる。 そもそも男の第一印象=ジェームズ・ディーンだから悪かろう筈もないし。

エイドリアンと男が映画に関するクイズを出し合う場面が何度もあり「ジョン・ヴォイト」「アート・ガーファンクル」「アンソニー・パーキンス」でエイドリアンが『キャッチ=22』と即答。
「失敗作だがガーファンクルは他の出演作より良かった」

9月12日(日)

NHKアーカイブスをふたつ。
  • NHK特集「カメラマン サワダの戦争〜5万カットのネガは何を語るか」(昭和57年)
    昭和45年にカンボジアの路上で殺された報道カメラマン沢田教一氏の、ベトナム最前線での足跡。 番組中繰り返し「天国への階段」「The Battle Of Evermore」が流れる。 同じUPI通信の社員でもアメリカ人社員は渡航費用もホテルも会社もちだったが、彼はピュリッツァー賞を受賞した「安全への逃避」で本社に認められるまですべて自費だったという。

  • 現代の映像「ベトナム帰休兵」(昭和40年)
    深夜米軍基地に到着した輸送機から降りたった米兵たちの3日間の休暇を追う。 料理屋のカウンターで日本人客と肩を並べ、慣れない手つきで箸を使う兵士。 日本語のわからない彼が黙々と飯を口に運び熱燗を傾ける間、店のテレビが夜7時のニュースを映す。 画面には焼けただれたベトナムの戦場。
    デパートで家族への土産に浴衣を買い、ホテルの部屋で故国の妻に電話をかける彼らの誰かが村人に銃を向ける姿が、その年にベトナム入りしている沢田教一の残したネガの中に見つかるかもしれない、とも思った。

9月11日(土)

髪を切りに行って5時間拘束され、眠気と空腹でへろへろになりながらも飲まず食わずで中古屋に向かう自分は嫌いじゃなかったりする。 DVDの台頭めざましくVIDEOもLDも軒並み値下がりしている。 わが家で現役のLDプレーヤー (CLD-HF9C)が故障したらメーカーはまだ修理してくれるだろうか、と多少心配ながら安さにつられてLDのコーナーを覗いてみる、と、とんでもないものが。 『アパートメント・ゼロ』だっ。へっへっへ。

9月10日(金)

休み。『愛の嵐 (The Night Porter) 』(1974)を観直す。 字幕もないCriterion Collectionだが台詞には興味がないので全然差し支えなく、ダーク・ボガード(マックス)とシャーロット・ランプリング(エリカ&ルチア)を堪能した。 テーブルの下を四つん這いで移動するルチアの身のこなしが猫のよう。 「君のために踊る」と切なげな視線をマックスに投げるバート役のAmedeo Amodioは同じリリーナ・カヴァーニ監督ドイツ三部作2作目の『善悪の彼岸(Al di là del bene e del male)』にも出演している。 これドミニク・サンダ主演なのにDVD化されていなくて観られないな。

9月9日(木)

『The Bull With The Golden Guts』Andy Partridgeのアートワーク(自分の顔写真にそれぞれ月桂冠とナポレオン帽を描き入れたおバカなデザイン)を印刷しせっせと私家版ジャケットづくり。 プリンタもしばらく使っていないとインクが詰まってしまう。

9月7日(火)

暴風警報で高校は昼から休校。 今年は日本を直撃する台風が多い。

9月6日(月)

『Pixies Live at Fuji-Rock '04』(DiscLive)は本来のセットリストから「Debaser」「No.13 Baby」の2曲がカットされていた。 CD1枚で収まるものをわざわざ分割して2枚組で出すのなら完全収録も可能だろうに、よりによって「Debaser」を……。

Martian Saints / Mary Lou Lord / CD (KRS 264)
  1. Martian Saints
  2. Salem '76
  3. I Figured You Out (recorded and mixed by Elliott Smith)
  4. Sunspot Stopwatch
  5. Cinderella Backstreet
「I Figured You Out」はElliott Smithの未発表曲。
無条件に好きな声なので地下鉄バスキングをそのまま収録した『Live City Sounds』もお気に入りだが、新作の『Baby Blue』がいつの間にか出ていた。 「Fearless」をカヴァーしているというではないか。 プロレス好きのせいで『おせっかい』からPink Floydに入り、当時そうそうLPを買うこともできず、買ったらしばらくはそればっかり聴いていたことを思い出した。
David Gilmour節(あの独特のこぶし)も再現しているのかな、とまたバカなことを考えたり。

9月5日(日)

萩が花をつけ、夏も終わりと思ったところに震度4の地震が一晩に二度も。 日本だなぁ。

9月4日(土)

壊れたVIDEOデッキはようやくメーカー修理に出すことになった。 センターへ持ち込む途中で降ろしてもらい半日ぶらぶらしてくる。 久しぶりのパルコブックセンターは漫画の単行本だらけになり、映画・音楽・建築関係の本のコーナーには椅子がいくつも置かれご自由に座ってお読み下さいといわんばかり。 なんだかおかしいよ。

おとといの「レミング」からの連想で「Lemmings」の入ったライヴを流す。 昼公演の後そのまま移動し夜中(午前)2時の開演とのことだからバンドも強行軍だが客も負けずに待っていたんだな。 会場は当時も今も成人映画向けの映画館らしい。 人込みで疲れたせいもあり続く「W」間奏のフルートを聴きながらなんだか眠くなってきた。

9月3日(金)

監督もキャストも全然知らないが、昔映画番組で紹介されてどうしても見てみたかった作品がいつの間にかDVDになっていた。 失われたアイデンティティをどう取り戻すかという主題は昔から好きだ。 今月は大好きな『トーチソング・トリロジー』もDVDでリリース。アーノルドにまた会える。

息子のまなざし / ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督 (2002) / 103min.
原題 "Le Fils" 仏・ベルギー合作
”果たして人間はもっとも憎い人間を受け容れることができるのか”
撮影が終わる夕方ごろになると俳優も疲れてきて、計算した演技ができなくなる。 ダルデンヌ兄弟によるとその時のテイクが一番いいんだそうだ。 「オリヴィエに自分のしていることがわからなくても、観客がわかっているのだからわざとらしい演技は必要ない」と同名の主人公オリヴィエを演じたオリヴィエ・グルメが説明する。
彼は息子を殺した少年に復讐する機会を狙っているようにも、また赦そうと精一杯努力しているようにも見えるが、常に腰を締めつけている幅広の革ベルトで感情まで抑えこんでいるかのように殆ど表情には出さない。 自分が殺してしまった子どもの父親がオリヴィエとは知らない少年に「後見人になってほしい」と頼まれた時、彼は少年のコップと並んだコーヒーカップをすっと自分の方に引き寄せる。 ありふれた動作で生じる距離感が見た目よりはるかに大きい。

製材所。 積み重ねた材木と材木の間に挟まれた木片を「木を乾燥させるためだ。生乾きのままでは」とオリヴィエが説明しかけ「木がそってしまう」と自分の罪を恥じ不眠症に苦しんでいる少年が受ける。 2枚の板は癒えない傷口を抱えたこのふたりの関係に似ている。
「音による効果を与えたくなかった」という監督の意向で音楽も一切ないが、撮影に13週間もかけ、少年役が演技経験ゼロ、と知って驚いた。

9月2日(木)

1日のうち活字を読むのが電車での往復1時間しかない生活。 J.G.バラード「あらしの鳥、あらしの夢 (Storm-Bird, Storm-Dreamer)」(1966)を読む。 当たり外れはあるが、こういうのを読むとバラード作品から逃れられないな。 巨大な白鳩を剥製にして、鳥の頭をかぶり翼を腕に取り付け女のために大空を舞うクリスピン。
昔ギリシャのイカロスは、という歌があるが、クリスピンは太陽に焼かれるのではなく……バラードという人、女性にさんざん酷い目に遭わされた経験でもあるのだろうか。

帰省の準備で忙しい筈のSFさんが"Jules Verne's Sketchbook"(1987)"The Bull With The Golden Guts"(1993)パッケージその他の画像を送ってくれた。 あの頃ファンクラブに入っていれば、と歯噛みする一瞬。 小さい写真でしか見たことがなかったので、これほど手の込んだものだとは。 恐るべしカナダ人。

9月1日(水)

J.G.バラード「爬虫類園 (The Reptile Enclosure)」(1963)を読む。 発表はバラードのほうが先の筈だが、昔シチュエーションがよく似た筒井康隆(子どもの頃この作家以外の本を殆ど読んでいないから多分そうだと思う)の、タイトルは失念したが短篇を思い出し、結末の予想がついて途中からむずむずしていた。 あれよ、レミングの群れ。 続々とおしよせる人の群れで一杯の浜辺から沖へと歩を進める無表情な海水浴客たち。 本は手元にないし筒井作品は膨大な数にのぼるし(「陸族館」という似た題名の短篇があったが)解決しない疑問をかかえて悶々。

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