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8月31日(木)

wさんから教えてもらった『めかくしプレイ』(MUSIC MAGAZINE増刊)を購入。

「狸親父」など悪態をついたことをお詫び。 Fuzzy Warbles Collectors Albumは、私の場合コレクターズアルバム(おまけのbonus CD/booklet/stampsつき)とVol.7、Vol.8だけをApe Houseで注文できるようになった。 手持ちとダブらずにすむ。

8月30日(水)

4回で打ち切りの憂き目にあったシリーズ"Wonderfalls"。 いろいろ理由はあるものの、要は観てみたいの一心でThe Complete Series 注文してしまった。 テーマソングはAndy Partridge。
Wonderfalls is probably the most hilarious show you've never seen. An hour-long "dramedy" about a young woman who hears the voices of inanimate objects--which instruct her to help out total strangers--
  • 『スペース・オペラ名作選(1)太陽系無宿』(ハヤカワ文庫SF49)
  • 『スペース・オペラ名作選(2)お婆ちゃんと宇宙海賊』(ハヤカワ文庫SF55)
BS-2で『山椒大夫』を観る。 小学校の国語教科書で読んだ内容で覚えているのは 「安寿恋しや、ほうやれほ、厨子王恋しや、ほうやれほ」 の心うつ再会場面(挿絵つき)だけだったのだが、その前に母君は佐渡へ遊女に売られ、逃げられないように足の筋を切られてしまっていたのか。

8月28日(月)

世界ショートショート傑作選(1)から:
「風のなかのジェレミイ」カカシと旅をするにしても、「オズの魔法使い」のドロシーとこの語り手はたいそうな違いだ。 作者ナイジェル・ニール短編集『トマト・ケイン』を俄然読みたくなった。 妙に視覚に訴えかける作品だと思ったら、ホラーからサー・ローレンス・オリヴィエやアラン・ベイツ出演の「寄席芸人」まで脚本家としても活躍している人らしい。 俳優としての活動をみるとTV版「1984年」の「Voice from Telescreen」おっ、新語法で喋っているのかな。

ロマン・ギャリ「ヒューマニスト」、アンドレ・モロア「夢の家」(星の時計のLiddellショートショート版)、シャイニング(キングでなく絶対キューブリックのほう)的なL・P・ハートリイ「メリー・クリスマス」、オチのバカバカしさに呆れつつ、笑ってしまったフレドリック・ブラウン「赤色の悪夢」(これによく似た、巨大ドミノに追いかけられるCMがあったな)とシェクリイの「密室殺人」いうことなし。

ウィリアム・P・マッギヴァーン「死刑囚監房」、ジェラルド・ミゲット「ヒーロー退場」のように、しみじみと胸をうつショートショートも収録。 自分もこんな美しい心で死ぬことができるだろうか。 マッギヴァーンの長編『緊急深夜版』は積読の一冊。

8月27日(日)

先日届いた『世界ショートショート傑作選』は三分冊。 未購入と思っていた(2)を積読の中から発見(バカ)。……したらば、と(3)を楽天フリマで同じ県内の出品者から注文。
『暗黒太陽の浮気娘』あらすじによるとSFマニアのお祭り会場で起きた殺人事件。 表紙にもMr.スポック(だって顔がレナード・ニモイだもんね)が。 SFマニアが登場する作品といえば、これまた積読の山の中にある(はずの)『天使墜落』もまだ読んでいないのだ。 読みたいときにすぐ読めるように収納場所を入れ替えておかなくては。
『妖精たちの森』DVD到着。

8月25日(金)

今日からディヴィッド・イーリイ『観光旅行』を読み始める。 今年の夏どっこもいかなかったからね。少なくとも、恐水病にかかったイグアナに遭遇しそうなところへは……
    ブックオフにて:偶然文庫全品半額セール中。
  • シャーリン・マクラム『暗黒太陽の浮気娘』(ハヤカワミステリアスプレス)
  • ジョー・ホールドマン『宇宙大作戦 閉鎖世界チャタリア』(ハヤカワ文庫SF687)
  • グレッグ・ベア『宇宙大作戦 コロナ』(ハヤカワ文庫SF793)
  • ロバート・シルヴァーバーグ編『伝説は永遠に(2)』(ハヤカワ文庫FT281)
  • ロバート・シルヴァーバーグ編『伝説は永遠に(3)』(ハヤカワ文庫FT282)
  • パロネス・オルツィ『隅の老人』(ハヤカワ文庫34-1)
  • 仁賀克雄『海外ミステリ探偵ベスト100』(現代教養文庫)
ひさしぶりの宇宙大作戦だ。 短編集は数冊それも四半世紀前に読んだことがあるのだが、今日買ってきたのは長編。 『妖精たちの森』DVD発送通知あるもまだ届かず。今夜はWOWOWでフジロック特番だな。

8月24日(木)

米谷ふみ子『サンデー・ドライブ』(集英社)を読む。 短編集。歯切れのいい大阪弁をまじえた言文一致体。
シャーロット・アームストロング『毒薬の小壜』(ハヤカワ・ミステリ文庫HM46-1) を通勤の電車と昼休み、帰宅後に一気に読んでしまった。 高野文子の「奥村さんのお茄子」のよう。心温まる、善意によるサスペンス。 1959年度アメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞受賞作。 こういう作品がお芝居になったらカーテンコールが楽しみだ。小笠原豊樹訳はやっぱり会話が魅力的。
    古書店にて3冊210円:
  • 会田雄次『アーロン収容所』(中公文庫)
  • わかぎえふ『OL放浪記』(集英社文庫)
  • A・A・フェア『黄金の煉瓦』(ハヤカワ・ミステリ文庫HM4-3)

8月22日(火)

    ヤフオクにて競合なし:
  • ポウル・ウロム『沈黙の証言』(講談社文庫)
  • クリストファー・ブッシュ『完全殺人事件』(講談社文庫)
  • 各務三郎編『世界ショートショート傑作選(1)』(講談社文庫)
  • 丸谷才一・常盤新平編『世界スパイ小説傑作選(3)』(講談社文庫)
  • アーサー・アップフィールド『ボニーと警官殺し』(ハヤカワ文庫)
  • ネヴィル・スティード『ブリキの自動車』(ハヤカワ文庫)
  • ポーラ・ゴズリング『ウィッチフォード連続殺人』(ハヤカワ文庫)
同一出品者より黒背4冊、ハヤカワ文庫4冊ずつ出品されたもの。 講談社文庫(黒背)は読んでみたかった本が多く、デンマークの邦訳ミステリ(沈黙の証言)というのも珍しい。 『ブリキの自動車』は英国推理作家協会賞新人賞受賞作、以前ブック○フででおもしろそう、と思ったことがあるのだけど、そのまま店頭から姿を消してしまった。 ポーラ・ゴズリングは『クリスティーに捧げる殺人事件』にも短編が収録。アメリカ生まれで1964年からイギリス在住だそうだが、 「コヴェント・ガーデンのオレンジの箱から見つかったコブラ以来、最も恐ろしい輸入品(Observer紙のゴズリング評)」とは……。

8月20日(日)

昨日から今日にかけて、キャサリン・エアード『そして死の鐘は鳴る』読了。 時系列順、といっても3作しか邦訳されていないので、最後の長編『死体は沈黙しない』を読み始め読了。 糖尿病の合併症で亡くなったというシド・バレット訃報も耳に新しいが、『死体は沈黙しない』の被害者も糖尿病の高校教師。 「ミステリ史上最も頭の悪い警察官」といわれる部下クロスビー刑事の天然ぶりはこの作品でも健在の様子。
『そして死の鐘が鳴る』
「クロスビー、この事件に関係のある者はすべて共通したところがあることに、きみは気づいているかい」
「いいえ」

『死体は沈黙しない』
「いなくなったというのは、どんな犬だ?」
「めす犬です」
スローンは深く息を吸ってから、ごくおだやかに訊き直した。「どういう種類の犬なんだ、クロスビー」
「イソルドと呼ぶと犬が答えると、彼女はいっていました」
    まとめて値段の下がった単行本を密林マーケットプレイスで注文。
  • ティム・ヒールド編『クリスティーに捧げる殺人物語』(ハヤカワ・ミステリアスプレス)
  • アントニイ・バークリー『ジャンピング・ジェニイ』(国書刊行会)
  • アントニイ・バークリー『第二の銃声 世界探偵小説全集』(国書刊行会)
  • アントニイ・バークリー『最上階の殺人』(新樹社)

8月18日(金)

フランシス・アイルズ『殺意』読了。 倒叙作品という犯人側からの立場で書かれた物語は、特に犯人に感情移入しないまでもいつ誰が何をもってこちらの犯行を嗅ぎつけるかという緊張感が好きだ。 うまく周囲をだしぬいたつもりで自信満々のビクリー博士も、下手な小細工や過去の愛憎関係の発覚に、不安と安堵の間で激しく揺れる。 苦しむ妻に一抹の申し訳なさを覚えつつ犯した第一の殺人と次の犯行はいずれもビクリーの身勝手な欲望によるものだが、第二の犯行で彼の目に映っているのはすでに人間の姿ではなく、彼の「殺意」そのものの象徴。 ビクリー博士は「妻殺し」をうまく隠しとおせるか?意外な結末に「それも仕方がなかろう」とも思う。

今日からキャサリン・エアード『聖女が死んだ』が通勤の供。 往復の電車と帰宅後で一気に読了。 「ステーキともつのプディング」←修道院でも食べているのね。 周囲の物事にも心乱されないよう集中し、「目の管理」をしているという修道女は目撃証人としてはまったく役に立たず、イライラするスローン警部と部下のクロスビー刑事。 次は『そして死の鐘が鳴る』『死体は沈黙しない』だ。エアードの邦訳長編がたった3冊とは物足りない。
    ヤフオクにて:
  • ニコラス・ブレイク『雪だるまの殺人』(HPB628)
  • スタニスワフ・レム『宇宙創世記ロボットの旅』(ハヤカワ文庫SF263)
  • 集英社版世界文学全集17『イーヴリン・ウォー/A.ウィルソン』……「ギルバート・ピンフォールドの試練」収録。

8月17日(木)

The Ultimate Fuzzy Warble
9月発売予定のFuzzy Warbles7,8も含めた、御大による「宅録あれこれ」ブックレットつきデモ音源集152曲8枚組+9曲入りボーナスCDつきボックスセット。 またボートラCDつきボックスセットだよ。この狼親父が。 どこかで批判されているような、儲け主義で出しているのではないのだとは思うのだよ。 こういうパッケージものを企画するのが好きで好きでたまらんだけなのだろうなぁ。 悪いことに、バカバカしいとは思いながら私もこういうオマケつきが好きなのだな。 しかしこのボックスセットを入手すると、今まで聴いていた1〜6が重複してしまうのだな。

オフィシャルのフィギュアは売れたんだろうか?

8月16日(水)

退社後の一番暑い時間帯だが、運動不足解消のためと自分に言い訳をしつつ鶴舞まで歩き、空調の効いた大学堂へ。5冊で300円。
  • 佐々木宏幹『シャーマニズム』(中公新書)
  • スタージョン『原子力潜水艦シービュー号』(創元推理文庫)
  • A・A・フェア『倍額保険』(ハヤカワ・ミステリ文庫HM4-4)
  • キャサリン・エアード『死体は沈黙しない』(ハヤカワ・ミステリ文庫HM84-2)
  • キャサリン・エアード『聖女が死んだ』(ハヤカワ・ミステリ文庫HM84-4)
通勤の供はフランシス・アイルズ『殺意』。

8月15日(火)

    昼休みに古書店へ(5冊で300円):
  • ジェイムズ・グレアム『勇者たちの島』(角川文庫)
  • A・モラヴィア『軽蔑』(角川文庫)
  • 竹宮恵子『ジルベスターの星から』(サンコミックス)
  • アン・マキャフリー『歌う船』(創元推理文庫)
  • アントニイ・バージェス選集(2)『時計仕掛けのオレンジ』(早川書房)
ジェイムズ・グレアム=ジャック・ヒギンズ。 『勇者たちの島』に登場するドイツ人将校シュタイナが、『鷲は舞い降りた』のクルト・シュタイナと同一人物か、あるいはその原型か。 いずれにせよ楽しみな作品だ。

文庫で割愛された最終章(第三部七章)収録の「時計仕掛けのオレンジ」が60円には震えた。 この店は『法の悲劇』も100円だったっけ……。 Andy Partridge(XTC)のデモ音源集"Fuzzy Warbles"は "What you got back home, little sisters, to play your fuzzy warbles on?" というアレックスの台詞から取ったものだ。 原書も持っているが、音楽雑誌(UncutかMojoだっけ)のおまけ。 太っ腹なこと。

8月14日(月)

東京で大停電がおきた。 ディヴィッド・H・ケラーの1928年の短編『健脚族の反乱』を思い出す。
この下で、この周囲で、二千万人の市民がオフィス、商店、家庭で死にかけているということだ。 地下鉄、エレヴェーター、列車の中で、路上やレストラン、フェリーボートの中でも、二千万人が不意に動けなくなったというわけだ。 誰の助けも借りられない。車を捨て、両手と萎えた足を使って、懸命に這っているはずだ。 お互いに助けを求めながらも、この災害がどれほどの規模なのかすら知らない……

8月13日(日)

    楽天フリマにて:
  • ジョイス・ポーター『殺人つきパック旅行』(HPB1301)

8月12日(土)

    「単行本2冊で1,000円」初日のブックオフにて:
  • 村上”ポンタ”秀一『自暴自伝』(文藝春秋社)
  • J・D・サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(白水社)
  • 米谷ふみ子『サンデー・ドライブ』(集英社)
  • コニー・ウィリス『犬は勘定に入れません』(早川書房)
  • 中村融編・訳『影が行く』(創元SF文庫)
村上氏は私より年上だが、同じ兵庫県N市育ち。 当時全国的に有名だった市立I中学吹奏楽部のT先生のもと年中無休で練習に明け暮れていたそうだ。 おおN市、懐かしい…と立ち読みしていたら、3日で退学してしまったという大学は弟と同じところだった。 吉田美奈子さんと一緒に出したアルバムの話などおもしろい逸話がたくさん読めそう。 買って帰ってから知ったのだが、6月に文庫落ちしている。

8月11日(金)

ロバート・マキャモン『ブルー・ワールド』より「夜はグリーン・ファルコンを呼ぶ」を読む。 強く正しき正義のヒーロー、グリーンファルコン。 「ファルコニアン第一号」に泣けた。
  • 古書店とブックオフにて:
  • A・A・フェア『ラム君、奮闘す』(ハヤカワ・ミステリ文庫HM4-2)
  • E・S・ガードナー『怪しい花婿』(ハヤカワ・ミステリ文庫HM3-3)
  • E・S・ガードナー『重婚した夫』(ハヤカワ・ミステリ文庫HM3-36)
  • サイモン・ブレット『気どった死体』(HPB1503)
  • クローニン全集(8)『城砦』(三笠書房)
  • ロバート・A・ハインライン『輪廻の蛇』(ハヤカワ文庫SF487)

8月10日(木)

  • ジュディス・メリル編『年刊SF傑作選(2)』(創元推理文庫)
  • 武田武彦編 海外ミステリー傑作選II『メランコリックな犯罪』(集英社文庫コバルトシリーズ)
  • ジョンストン・マッカレー『地下鉄サム』(世界大ロマン全集6 東京創元社)
地下鉄サムは文庫で既読だが、この全集版にはウッドハウスの短編も数編収録されているのだ。 これも文藝春秋版のウッドハウス・コレクションを買えるまでのつなぎ。
1.専用心配係 (Jeeves Takes Charge)
2.子守歌騒動 (The Ordeal of Young Tuppy)
3.心配係の休暇 (Scoring Off Jeeves)
4.預かった犬 (Episode of the Dog McIntosh)
5.君子豹変談 (Bertie Changes His Mind)

8月8日(火)

    古書店にて。なんだか内容がすごいんですけど…:
  • 20世紀の文学『世界文学全集37』(集英社)
    ウッドハウス「ジーヴズ乗り出す」「コーキーの画業」「招かねざる客」
    マルセル・エイメ「偽警官」「恩寵」
    ジャック・ペレー「けもの」
    イリフ、ペトロフ「十二の椅子」
    ケストナー「点子ちゃんとアントン」
「恩寵」はミステリマガジンで既読、ジーヴズものも国書刊行会のウッドハウス・コレクションにすべて収録済みだが、高くてまだ買えないのだ。 しばらくは安い昔の全集でお茶を濁すかな。
    今日の到着便:
  • アンダースン&ディクスン『くたばれスネイクス!』(ハヤカワ文庫SF721) 共著者のポール・アンダースンの娘さんがグレッグ・ベア夫人ですと。

8月6日(日)

アンソロジー『黄金の十二』所収の短編「黄色いなめくじ」(H・C・ベイリイ)を読む。 天井から「まだらの紐」が降りてくるのもヤだけど、たとえ自分が死んで感覚がなくなっても、なめくじに這い回られるのは勘弁。 いままで見聞きした気色悪い題名のベスト5に入るかもしれないが、もっと気色の悪い題名の長編が今月復刊ではなかったかな。
「ハマースミスのう(以下自粛)」

ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスン『地球人のお荷物』(ハヤカワ文庫SF68)を読む。 うだるような暑さの中で一日笑わせてもらった連作短編集で、訳者は稲葉明雄・伊藤典夫。 50年前の作品で、偶然だが今月復刊されるらしい。 シリーズ続編の『くたばれスネイクス!』が密林で1円だったのでさっそく注文。
宇宙警備軍の一員だった地球青年アレグザンダー・ジョーンズは、船の故障によって太陽系から500光年離れた一惑星上に不時着した。惑星の名はトーカ、住民の名はホーカ。 このホーカ人は、テディベアをそのまま大きくしたようなすこぶる愛嬌のある生物で、想像力にあふれ純真無垢。 地球の文化に夢中になると、ありとあらゆるものをそっくり模倣してしまった――西部の男、ドン・ジョヴァンニ、宇宙パトロール、シャーロック・ホームズetc.(文庫あらすじより)

8月5日(土)

葉を虫に全部食べられてしまった山椒が少しずつ復活。生命の力はすばらしい。

午後、まだ発送通知ももらっていないのに"From These Ashes: The Complete Short SF of Fredric Brown"がペリカン便で到着。
I belieff he sboke another himself originally, budt in America he always sboke Englitch to become more vamiliar mitt it. It iss a beautiful sbeech, is it nodt?

Gootbye, Mitkey.
You vill be happier this vay.
Und there vill always be cheese.
シーリア・フレムリンの短編集『死ぬためのエチケット』(創元推理文庫)読了。 13編のラスト「奇跡」だけは他の作品とは毛色が変わっていて(だからこそ、この作品で短編集をしめくくったのだろう)、 目の前にテムズ川が、その光景が(テムズ川など実際に見たことはもちろんないのだが)開けたような気分になったが、 一方でこのような奇跡でも起こらない限りこの父と子の関係は変わることがないのだろうか、と薄ら寒くも思う。
「ほんとうに彼はレニーを愛している。レニーのためならどんなことでもやるだろう。 ただ、彼はどんな話をすればいいのか、一緒にどうやって遊んでやればいいのかわからないのだ。 自分の子供の頃とはおよそかけ離れた異質な息子にどうやって接触すればいいのか、彼には見当もつかないのだ。
解説の柿沼瑛子さんによると「ラブリーなおばあちゃま」だったというフレムリン。 江戸川乱歩が紹介しているという『夜明け前の時』はさて、今も読めるのかな……と調べたら、アメリカ探偵作家クラブ最優秀賞受賞作だった。

8月4日(金)

月に一度の古書会館倉庫市なので、猛暑の炎天下を職場からてくてく歩いて会場へ。 良心的な値段で、時給の安い私でも2時間働けば取り戻せるお買い物。 合計金額は刊行当時の定価で買うのとほぼ同じだった。
  • J・G・バラード『ヴァーミリオン・サンズ』(ハヤカワ文庫SF691)
  • 伊藤典夫・浅倉久志編SFマガジン・ベスト(2)『空は船でいっぱい』(ハヤカワ文庫SF403)
  • ロジャー・ゼラズニイ『地獄のハイウェイ』(ハヤカワ文庫SF64)
  • フレドリック・ブラウン『73光年の妖怪』(創元推理文庫)
  • 小池滋編『英国鉄道文学傑作選』(ちくま文庫)

8月3日(木)

Jollity / Pugwash / CD / Karmit Hit(KH030)
  1. It's Nice To Be Nice
  2. Black Dog
  3. A Rose In A Garden Of Weeds
  4. I Want You To Back In My Life (for Mam)
  5. This Could Be Good
  6. Poles Together
  7. Even I
  8. Something New
  9. Waltz #71
  10. Lullaby #1
  11. Anchor
オリジナルリリースは2005年。
前作の"Earworm"と同じシドニーのKarmit Hit Records盤を入手したが、今年6月にダブリンのインディレーベル1969 Recordsからもリリースされた。 録音の著作権は1969 Recordsに帰属するらしい。

BeatlesやMartin Newell、Damien Riceが好きならPugwashの音楽はアレンジ、ヴォーカルひっくるめて気に入ると思う。 新しさや刺激を求めたい人には興味の対象外かもしれないが、あいにく私はこういう音楽が大好きなので愛聴している。 適度な湿り気のある暖かな音楽性で、6曲にDave Gregoryが参加。 1998年に結成され幅広く活動しているというThe Section Quartetのストリングスも聴きもの。 アルバムをしめくくるのにふさわしい"Anchor"は(直接の参加はしていないが)Andy Partridge他1名との共作で、PugwashのヴォーカルスタイルがAPと 似ているせいもあるのだが、この曲をAPが歌うのを聴いてみたい、と本当に思う。

8月2日(水)

    古書店と密林マーケットプレイスにて(1円):
  • アーサー・C・クラーク『太陽系オデッセイ』(新潮文庫)
  • ジョン・ファリス『サーペンド・ゴッド』(ハヤカワ文庫NV471)
  • アントニイ・バークリー『毒入りチョコレート事件』(創元推理文庫)
『アンダーウッドの怪』より「ドアベル」1934年、MRIなどもちろんなかった時代の作品だ。
少年時代母と兄を父親の敵の四兄弟に殺され、現在成功し大金持ちとなった鉄鋼業者。 家族の敵に復讐を誓った彼が医師と口の固い召使らとともに暮らす山荘に、どこか似合わない押しボタン式ドアベルの秘密。
鉄鋼業者は四兄弟を「一人ずつ(というのがミソ)」招待して歓待する。 たらふく飲み食いして二日酔いになると、名医の処方と偽り薬のカプセルを手渡す。 次に招待された兄弟が山荘に到着。ドアベルに連動した「4トンの鉄でも吸いつけられそうな」巨大な電磁石のスイッチが入ると、 真下の部屋で眠る先客、というのは先に招待されていた兄弟だが、 その腹に巧みに仕込まれていたある物にまでその強い磁力は及ぶ……

8月1日(火)

駅前の駐輪場で自分のを含め数台の自転車が重なり合って倒れていた。 絡まったハンドルやペダルをなんとかはずし、乗って帰ろうとしたら後輪がパンクしていた。 自転車を引いて帰るといい運動になったよ。
    古書店にて:
  • 江戸川乱歩編『世界短編傑作集(1)(5)』(創元推理文庫)
  • ジュディス・メリル編『SFベスト・オブ・ザ・ベスト(上)』(創元推理文庫)
  • レオ・ブルース『ジャックは絞首台に!』(教養文庫)
『アンダーウッドの怪』より短編「発想の刺激剤」を読む。 高熱や痛みにさいなまれている時にこそ天才的なひらめきがあり、素晴らしい作品を書ける作家。 そのために歯はすべて抜き盲腸も取り痔も治ってしまった今、さらに彼が「売れる作品」を書き続けるにはどうすればいいのか……。 思い余った作家が、妻に頼んでワインの栓抜きを背中にねじこんでもらい3時間。 そうして書き上げた作品が好評で出版社に次作を依頼されまた拷問のような数週間。奥さんだってつらいんです。
過去五年間、アメリカ文学にひとつの明瞭な進軍ラッパを響かせたのです。ところがその名声を維持するのがコルク抜きなのです。(p99)

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