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4月29日(土)

楳図かずお「ロウソク」
処刑を翌朝に控えた無実の男が独房の片隅に置かれた1本のロウソクに気づき、それを灯してみる……
真犯人は捕まった。 優しい妻とともに子供の成長を見届けた男は、燃え尽きたロウソクの前で幸せそうなほほえみを浮かべ老人の姿でこときれていた。

ロベール・アンリコ監督『ふくろうの河』(1962年仏)/ DVD (DXDS-0027)
モノクロ 93分
1963年アカデミー賞短編実写賞受賞
1962年カンヌ国際映画祭パルム・ドール(短編)受賞
  • ものまね鳥
  • チカモーガ
  • アウル・クリーク橋の一事件
昔『世にも怪奇な物語』という怖いオムニバス映画を観た。 『ふくろうの河』もアンブローズ・ビアス自身の南北戦争体験に基づいた短編から成る三部作で、双子もの、子供もの、脱出ものが好きなら一粒で三度おいしい。 『悪魔の辞典』以外ビアスの作品は未読で、原作がわかれば作品集で読める……と調べるも、表題作"An Occurrence at Owl Creek Bridge"以外わからず。 Googleでそれらしきタイトルを打ち込み、原文の掲載サイトで"One of Twins""A Baby Tramp"など拾い読みして内容とつきあわせるも、はずれ。 やっと"The Mocking-Bird (ものまね鳥)""Chickamauga(チカモーガ…南北戦争の激戦地)"だと確認できた。 わたしも物好きな。

耳栓をするか音を消して観ると、道化のようなあるいは幽霊のような、また次々と川に倒れこむレミングの群れのような兵士たちの間を嬉々として走り抜ける少年の気分を味わえるかもしれない。 このエピソードでは、始まりと終わりの黒人霊歌がとても印象的だった。

表題作「ふくろうの河」は25分にも満たない短編ながら、一度観たら忘れられない。

4月28日(金)

ジョイス・ポーター『案外まともな犯罪』読了。
    いい陽気なので、職場からひと駅歩いて古書店をまわる。
  • 野坂昭如/米倉斉加年『マッチ売りの少女』(大和書房)
  • 高田瑞穂『新釈現代文』(新塔社)
  • ミステリマガジン6冊
『新釈現代文』は何年探したことかなぁ。 ちょっと前に立ち寄った時はワゴンになかった、と断言してもいい。 店の人の気が変わらないうちに、と内心ひやひやしながらレジに差し出す。 人の探求本が高いと代理購入がありがた迷惑になりかねず買うにも躊躇するが、100円なら気兼ねなく受け取ってもらえるだろう。 ……と思ったら安すぎて遠慮されてしまった。 「転売して儲ける気も、ブックオフに売ってせどりを喜ばせる気もないので、自分で読むことにする」と書き送ったら、それで不要になったらでいいとのこと。了解。
例えば、肉でも野菜でも、鉛筆でも紙でも、何でも切ることの出来る丈夫なよく切れる一丁のナイフ−そういう本にしたいと思います。 (読者へのことば − 「たった一つのこと」)

4月27日(木)

    Joe Jacksonの"Steppin' Out"が絞った音量で流れる古書店など:
  • ウォルター・ミラー『黙示録3174年』(創元推理文庫)
  • ロバート・グロスバッグ『死者がUFOでやってくる (Never Say Die)』(創元推理文庫)
  • クレイグ・ライス『わが王国は霊柩車』(ハヤカワ・ミステリ880)
  • ソルジェニツィン『イワン・デニソビッチの一日』(河出ペーパーバックス)
    昭和38年初版の新品で、当時の売上カードもそのまま挟まれている。 訳者、小笠原豊樹氏は詩人岩田宏としても活躍。「住所とギョウザ」という詩がすごかった。

4月25日(火)

    週末に実家で観たNHKの番組(これに落語とラジオ深夜便が加わる)
  • ETVワイドともに生きる「働き盛りのがん」(再放送)
  • プロ野球 阪神−巨人
  • マチベン「死刑囚を救えますか?」
  • ヒューマン 西原理恵子
  • 趣味の園芸 サクラソウ、エアープランツ
  • 新日曜美術館「絵巻・視覚の迷宮」夏目房之介
    京都国立美術館で6/4まで開催の大絵巻展の目玉を紹介。 鳥獣戯画、源氏物語絵巻、信貴山縁起飛倉巻、一遍聖絵 「異時同図法」
    鳥獣戯画の蛙とウサギの相撲場面は5/18からの公開だから、今行っても見られないんだな。
  • 世界遺産 唐招提寺
  • 藤田嗣治
DVD(借りているのもいただきものも買ったのも)がどっさりあるのに、録画した実写版「ちびまる子ちゃん」も観なくてはならず、なかなか。 そういいながらもアラン・アーキン繋がりの2本『愛すれど心さびしく』『暗くなるまで待って』は2回ずつ観てしまった。

4月24日(月)

息子の年金学生納付特例の申請をしに市役所へ行き、帰り道の途中にあるブックオフで自転車を置いて一休み。
  • ジョン・スティークレー『ヴァンパイア・バスターズ』(集英社文庫)
  • ロジャー・スカーレット『エンジェル家の殺人』(創元推理文庫)
  • クリス・ボイス『キャッチワールド』(ハヤカワ文庫SF431)
  • バリントン・J・ベイリー『禅銃<ゼン・ガン>』(ハヤカワ文庫SF579)
ヴァンパイア退治を商売にする男たちのひとりが「翳りのあるガンマン」だそうだ。 ジョン・カーペンター監督で映画化されているのを教えてもらう。 ワイドスクリーン・バロックの2冊はどんなもんかな。
    ヤフオクにて11冊300円で落札。
  • クレイグ・ライス 『七面鳥殺人事件』
  • トマス・スターリング 『ドアのない家』
  • コーネル・ウールリッチ 『ぎろちん』
  • ジョイス・ポーター 『ドーヴァー6 逆襲』
  • ポアロー、ナルスジャック 『ちゃっかり女』
  • コリン・デクスター 『ニコラス・クインの静かな世界』
  • ジェイムズ・マクルーア 『スネーク・ダンサー』
  • コリン・デクスター 『謎まで3マイル』
  • スーザン・ジャフィー 『もう一人のアン』
11冊のうち2冊は手持ちとダブるのだが、小林信彦氏によれば訳者稲葉明雄氏の解説が暴走している(らしい)『ぎろちん』と未読のドーヴァーもの、タイトルに興味をひかれた『七面鳥殺人事件』『ドアのない家』が、送料手数料込み1000円ほどで読めるだけでもありがたいことだ。 書名と直接の関係はないと思うが、VdGG(Peter Hammill)に"House With No Door"というしんとしたいい曲があるのだよなぁ。

4月23日(日)

週末実家へ。 行きの近鉄特急でシェリイ・スミスの「千夜一夜風ミステリ」『午後の死』を一気に読み終える。 二重三重の仕掛けに脱帽、おもしろかった!
    梅田と塚口の古書店とブックオフにて:
  • マーク・トウェイン『アーサー王宮廷のヤンキー』(角川文庫)
  • 西丸震哉『ネコと魚の出会い−人間の食生態を探る−』(角川文庫)
  • 西丸震哉『イバルナ人間』(中公文庫)
  • エラリイ・クイーン『ガラスの村』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
  • 植草甚一『雨降りだからミステリーでも勉強しよう』(晶文社)
  • ジョルジュ・シメノン『過去の女』(ハヤカワ・ミステリ802)
  • ジュリアン・サイモンズ『二月三十一日』(ハヤカワ・ミステリ129)
  • ジュリアン・シモンズ『犯罪の進行』(ハヤカワ・ミステリ677)
  • ジョン・ボール『白尾ウサギは死んだ』(ハヤカワ・ミステリ994)
  • ジョイス・ポーター『ドーヴァー10 昇進』(ハヤカワ・ミステリ1381)
当時はジョルジュ・シムノンを「シメノン」、ジュリアン・シモンズを「サイモンズ」と表記したようだ。 『アーサー王宮廷のヤンキー』は意外にも角川文庫版で見つかる。 創元・ハヤカワ版にもダニエル・カーター・ビアド(アメリカに最初のボーイスカウトを設立した人だそうだ)の挿絵が載っているだろうか。 西丸震哉は母親にちょっと読んで聞かせたら「読みたい」というので置いて帰る。

母は大阪の空が落ちてくると言う。 本当に落ちてくると言う……というと「智恵子抄」のようだが、いかなごの釘煮を今年も作ったが、神戸空港の影響かどうか出始めのいかなごがまだ小さく、ざるの目から落ちてしまうものも多かったとか。 「伊丹、関空、神戸と空港が三つもできて、今にみていてごらん、上空で事故が起きるよ」 どうかそれが(故事どおりの)杞憂にすぎませんように。

4月20日(木)

昨日の続きを18冊買いこむ。 さらに重い荷物を持ち帰ることがわかっているので、さすがに靴底にクッション性のあるものを履いていく。 なに、誰が見るわけでなし。 80年代のミステリマガジンにはジャック・リッチーの短編が頻繁に掲載され、1冊に2作ショート・ショートが載っている号もある。 変り種は野坂昭如訳のカポーティ短編や、イーヴリン・ウォー。

禍々しいお話からちょっと離れて、おなじみのドーヴァー警部にご登場いただく(ドーヴァー2)。さくさく読めて相変わらず楽しい。しかし。
おれの名前は 重婚バーティ!
結婚するのが おれの楽しみ!
女房に飽きた そのときは
斧でバッサリ 殺しちまう!
↑子供たちが輪になって回りながら、こんな歌うたうなんて……。 ウィッカーマンの世界みたいだ。

4月19日(水)

    密林マーケットプレイスで1円:
  • クリスチアナ・ブランド『はなれわざ』(ハヤカワ・ミステリ474)
    新刊:
  • 米原万里『ヒトのオスは飼わないの?』(文春文庫)
店内でXTCを流していた例の古書店へ。 外壁につくりつけた本棚に、1冊100円のミステリマガジン(1980年代のバックナンバー)がたくさん入っていた。 「5時ごろまで取りおきをお願いします」15冊の重みで紙袋の手提げ部分がちぎれるかと思った。 単行本に収録されていない埋もれた宝石がたくさん読める。

4月18日(火)

数日来気色の悪い話ばかり読んでいたので口直しに大好きなシリーズ、ジョイス・ポーター『ドーヴァー2』を読み始める。
    昼休みに古書店で各100円:
  • アーシュラ・K・ル=グイン『マラフレナ(上)』(サンリオSF文庫)
  • フレドリック・ブラウン『未来世界から来た男』(創元推理文庫)
  • M・W&W・ウェルマン『シャーロック・ホームズの宇宙戦争』(創元推理文庫)
  • ジョルジュ・シムノン『ビセートルの環』(集英社文庫)
何の予備知識もなく「ル・グインの作品で初めて聞く題名」という理由で上巻だけ買った『マラフレナ』が、実はすでに入手困難な本らしい。 オンラインショップでも上下セットで3500円〜、と法外な値段がつき、とても下巻だけバラ売りしてはもらえなさそうだ。 他に読む本がたくさんあるので、積読の一冊に加え気長に探そう。

4月17日(月)

ベロック・ローンズ『下宿人』を一気に読み終える。

4月16日(日)

アンドリュウ・ガーヴ『ヒルダよ眠れ(No Tears for Hilda)』を一気に読み終える。 ミステリ史上まれにみる特異なキャラクター、ヒルダ。 冒頭2ページ目には死体で登場するのだ。 メソジスト派の厳格な家に育ったという設定だが、あのドーヴァー主任警部もトム・ロビンソンもメソジスト派。

4月15日(土)

    ヤフオクで300円
  • ジョルジュ・シムノン『カルディノーの息子』(ハヤカワ・ミステリ377)
「シムノンの作品は、つねに不幸で、その不幸をみずから発見したときに、幸福になるんだよ」(都筑道夫)
シムノン作品は偶然非メグレものを拾えると嬉しい。 昭和32年の初版で定価120円。貸本の名残か、綴じ込み用の穴が三箇所にあいているが読むには差し支えなし。

4月14日(金)

    ブックオフにて:
  • A・A・フェア『釣りおとした大魚』(ハヤカワ・ミステリ786)
  • A・A・フェア『罠は餌をほしがる』(ハヤカワ・ミステリ1014)
  • E・S・ガードナー『氷のような手』(ハヤカワ・ミステリ文庫HM3-30) ,li>ウィリアム・アイリッシュ『死者との結婚』(ハヤカワ文庫HM9-3)
  • コーネル・ウールリッチ『喪服のランデヴー』(ハヤカワ文庫HM10-1)
  • コーネル・ウールリッチ『恐怖』(ハヤカワ文庫HM10-3)
  • ロス・マクドナルド『縞模様の霊柩車』(ハヤカワ文庫HM8-2)
  • アンドリュー・ガーヴ『ヒルダよ眠れ』(ハヤカワ・ミステリ文庫HM64-1)
  • マルセル・エーメ『猫が耳のうしろをなでるとき』(ちくま文庫)
  • 『スティーヴン・キングの研究読本 モダン・ホラーとU.S.A.』(北宋社)
A・A・フェアはガードナーの変名。 来週母への手土産にガードナーを何冊か持ち帰る予定。 小笠原豊樹氏の翻訳が2冊(『氷のような手』『縞模様の霊柩車』) 見つかった。

4月9日(日)

    ヤフオクにて:
  • カースン・マッカラーズ『黄金の眼に映るもの』(講談社文庫)
  • ベロック・ローンズ『下宿人』(ハヤカワ・ミステリ199)
  • クレイグ・ライス『居合わせた女』(ハヤカワ・ミステリ618)
  • ウインストン・グレアム『マーニイ』(ハヤカワ・ミステリ758)
  • ルイ・C・トーマ 『カトリーヌはどこへ』(ハヤカワ・ミステリ1293)
  • ピエール・サルヴァ 『切り裂く手』(ハヤカワ・ミステリ1313)
  • シェリイ・スミス 『午後の死』 (ハヤカワ・ミステリ1414)
  • トマス・チャステイン 『子供たちの夜』 (ハヤカワ・ミステリ1419)
  • ジェレマイア・ヒーリイ 『少年の荒野』(ハヤカワ・ミステリ1478)
  • ジェレマイア・ヒーリイ 『死の跳躍』(ハヤカワ・ミステリ1572)
  • ウォルター・サタスウェイト『リジーが斧をふりおろす』(ハヤカワ・ミステリ1583)
  • ラファエル・イグレシアス『隣の殺人者』(ハヤカワ・ミステリ1589)
  • コリン・デクスター『森を抜ける道』(ハヤカワ・ミステリ1600)
『黄金の眼に映るもの』は映画『禁じられた情事の森』の原作。 終了1分前に新規入札があり、延長戦にもつれ込む。 高くなってしまったので出品者の方から「落札価格のみでOKです」と送料負担・補償ありのお申し出があり、ありがたくご好意に甘えさせていただく。 ポケミスのほうは一人旅で終了したため、開始価格980円で落札。 『下宿人』『マーニイ』もヒッチコック映画の原作。

4月8日(土)

    ブックオフにて:
  • パトリシア・A・マキリップ『妖女サイベルの呼び声』(ハヤカワ文庫FT1)
  • シムノン『メグレ罠を張る』(ハヤカワ文庫HM16-1)
  • ガードナー『おとなしい共同経営者』(ハヤカワ・ミステリ文庫HM3-4)
  • マイケル・ギルバート『捕虜収容所の死』(創元推理文庫)
  • モーリヤック『テレーズ・デスケイルゥ』(新潮文庫)
  • ジュール・ヴェルヌ『カルパチアの城』(集英社文庫)
『妖女サイベルの呼び声』を選んだのは世界幻想文学大賞受賞作であることと、先日の「シベール」の由来であるギリシャの女神からの連想。 モーリヤックの作品は未読だが、「名作」と書かれているだけでへへーとひれ伏してしまうのが教養のない悲しさ。 シャーリイ・ジャクスンの短編に、苦労して財をなした初老の客が古書店で「よい本」を買う話があったっけ。 それも、親切な常連の大学生が選んでくれた本でなく、大学生が欲しがっていたほうの本を、という彼女ならではの毒のある話。
『カルパチアの城』はまずメビウスの表紙、次に「ヴェルヌ随一の伝奇ロマン」という解説につられた。 すべて105円コーナーのもの。

4月7日(金)

職場からひと駅歩いてぶらぶら古書店街へ。 ハヤカワの銀背とポケミスが100円〜200円で棚3列にも並び壮観。 シリーズに手を出すときりがないため、シムノンと昔母親が読みふけっていたペリイ・メイスンものだけ選び、SF、ハードボイルド、87分署、隻腕探偵、泥棒探偵、ゲイ探偵、各種警部ものはいつ読めるとも知れず諦める。
  • ロバート・シェクリイ『人間の手がまだ触れない』(ハヤカワSF3038)
  • ガードナー『片眼の証人』(ハヤカワ・ミステリ273)
  • ガードナー『消えた看護婦』(ハヤカワ・ミステリ292)
  • ガードナー『もの憂げな恋人』(ハヤカワ・ミステリ496)
  • ガードナー『そそっかしい小猫』(ハヤカワ・ミステリ539)
  • ガードナー『ブロンドの鉱脈』(ハヤカワ・ミステリ727)
  • ガードナー『うかつなキューピッド』(ハヤカワ・ミステリ1092)
  • シムノン『メグレと若い女の死』(ハヤカワ・ミステリ1188)
  • ジョン・ダニング『死の蔵書』(ハヤカワ文庫HM205-1)
  • アンリー・ピエール・ロシェ『突然炎のごとく』(ハヤカワ文庫NV19)

4月5日(水)

    嬉しいいただきもの。
  • ニコラス・ローグ監督『ジェラシー』DVD
  • ジュゼッペ・トルナトーレ監督『記憶の扉』DVD
カーソン・マッカラーズ『心は孤独な狩人』を今朝から通勤のお供にしているが、冒頭から引き込まれてしまい車内の喧騒は一切耳に入ってこなかった。 再読を繰り返した『長距離走者の孤独』でなじんでいる河野一郎氏の訳(カポーティ作品でもおなじみ)。 主人公はJohn Singer、"singer"という名の聾唖の青年。
あの人は、耳で聞えないどんな音楽を心で聞いているのだろう。それはだれにもわからなかった。もし口がきけたなら、あの人はどんなことを話すだろう。それもだれにもわからなかった。(p67)

4月3日(月)

今読みかけているのはジョイス・ポーター『天国か地獄か』 主人公はイギリスの情報部員で、ソヴィエトのイギリス人好き女囚の死刑を回避するための(妊娠していれば死刑にならない)種馬としてパラシュートで集団農場のど真ん中に落とされるという筋書き。
    密林マーケットプレイスにて:
  • ウイリアム・アイリッシュ『幻の女』(ハヤカワ文庫HM9-1)
  • エラリー・クイーン編『クイーンの定員 傑作短編で読むミステリー史(1〜4)』(光文社文庫)
  • ジェイムズ・カウアン『修道士マウロの地図』(草思社)
    "A MAPMAKER'S DREAM"ちょっとおもしろそうなり。 『第八の地獄』の登場人物の話し言葉がとても気に入っている、詩人でもあるという小笠原豊樹氏の訳。 今まで読んだものでは『一角獣・多角獣』『夜の旅その他の旅』など異色作家短編集でもおなじみ。 翻訳者では『幻の女』『黒衣の花嫁』『ベルリンの葬送』『鏡よ、鏡』の稲葉明雄氏も好み。

4月2日(日)

なんとおくTさんも『シベールの日曜日』のファンであることが判明。

借りてきた『NANA』と『メゾン・ド・ヒミコ』を観る。 『NANA』はなかば押しつけられたようなもので観る前から腰がひけ、エレベーターのない7階の物件とか、床にばらまいたステーキ鉄板の敷き皿をアルバイトが拾い集め洗いもせずに食器棚に戻すファミレスのひとコマとか、内容と関係のないところで許容範囲を超えていた。 それはそれ、これはこれ。 宮崎あおいだけ図抜けて上手かった。

『メゾン・ド・ヒミコ』はゲイのための老人ホームの話。 ホームの設立者ヒミコに田中泯。 末期癌でほとんど寝たきりという設定なので出番は少ないが、皆で食卓を囲む場面でただ座っているだけでも圧倒的な存在感がある。 ヒミコの若い恋人役オダギリジョーはLIFEカードのコミカルな姿からは想像もつかず、伸びすぎたイタドリのような柴咲コウより色気があった。 しみじみとしたいい場面もたくさんあるが、声が小さかったりはっきり喋らなかったりしてセリフが聴き取りにくく、もどかしく感じた。

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