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1月31日(水)

Exit / Alice / 1998 / CD (wea 3934 24879 2)
  1. Dimmi di si
  2. Open your Eyes (Camisasca, Hammill)
  3. Il vento soltanto
  4. L'immagine
  5. Exit
  6. Isole
  7. Il contatto
  8. Il sielo sopra il cielo
  9. I am a taxi
  10. 1943
  11. Transito
  12. Lo specchio
  13. L'Étranger
"Open your Eyes"
Open your eyes, this is the world
Are you on your way to be free?
All of life is self-discovery
Are you on your way to be free?
All of life is self-discovery
Open your eyes, this is the world
Open your heart, accept the world
Are you on your way to be free?
All of life is self-discovery
Open your eyes, this is the world
Open your heart, accept the world
Don't be afraid, less will be more

女性ヴォーカルはそれほど聴かないが、Aliceはアルバムを何枚か持っているし渋いアルトが好き。 これはイタリア盤で、買ってから日本盤も出ていることを知ったが後の祭り。
イタリア語の歌詞はさっぱり。Peter Hammillがクレジットされた2曲目 "Open your Eyes" は部分的に英語で、アリーチェと掛け合いの、当時MorcheebaのヴォーカリストSkye Edwardsのソフトなヴォーカルが意外な収穫だった。Skye在籍当時のMorcheebaのアルバムも探してみよう。 PHはヴォーカルでの参加はなく、歌詞のみ。惜しいっ!

1月29日(月)

読了した作品:
  • G・K・チェスタトン「詩人と狂人たち」
    波に洗われて角がとれた色つきガラス(ディレーニィのdriftglassだよ!)やサクマのドロップスに心が騒ぐ私は、著名な作家ソールトの失踪事件を追う「紫の宝石」におおいに共感。実は色を吟味したリボンや松ぼっくりを透明なガラス瓶に入れていまだに眺めている。
    第1話「おかしな二人連れ」の過去が最終話「危険な収容所」でわかるしくみ。宿屋「昇る太陽」から始まった物語が静かな夕暮れで美しく幕を閉じる。 チェスタトンはおもしろい。 (マン○○イ○、読みたいけどなぁ……) 流れで「木曜の男」読み中。うわ〜、楽しい! なんとなくわかっちゃったけど……

    1月28日(日)

      古書店にて:
    • ホフマン『黄金宝壺』(沖積舎)
    • フリッツ・ライバー『闇よ、つどえ』(HPB SF3092)
    白い家の少女 (1976年カナダ・仏・米)
    The Little Girl Who Lives Down The Lane
    監督:ニコラス・ジェスネール
    原作・脚本:レアード・コーニグ
    丘の上に建つ白い家。「生きぬけ」という父との約束を守り世間とたったひとりで闘おうとする13歳の少女リンを好演するのはジョディ・フォスター。 褪せたような髪の色と茶系の衣装が秋景色にとけこみ、これから訪れる厳しい冬を予感させるようだ。 リンを執拗につけねらう家主の息子、家族の後ろ盾で野放し状態のこの男フランクは少女趣味のサディストなのだ。 ついにフランクは彼女の恐ろしい秘密をつきとめた。 恋人はそばにいず唯一の友は町を去ろうとしている……。

    猫なで声でジョディ・フォスターをいたぶる卑劣漢を演じるマーティン・シーン(チャーリーやエミリオ・エステベスの父親だね)はやさ男だが、原作のフランクは 「この男の身体、持ち物、すべては汚れているか、てかついているか、赤っぽい」背の高いピンク色の男だそうだ。 ああ気持ちが悪い。

    1月27日(土)

    • 中島河太郎編『新青年傑作選(4)翻訳編』(立風書房)
    • ミュリエル・スパーク『ホットハウスの狂影』(早川書房)
    • 渡辺一民編『フランス短篇24』(集英社)
    • イアン・フレミング『ゴールドフィンガー』(HPB601)
    • イアン・フレミング『009は二度死ぬ』(HPB855)
    • エラリイ・クイーン編『シャーロック・ホームズの災難(上)』(ハヤカワ文庫HM2-38)
    • アイザック・アシモフ編『いぬはミステリー』(新潮文庫)
    • 小鷹信光編『美酒ミステリー傑作選』(河出文庫)
    • 小鷹信光編『美食ミステリー傑作選』(河出文庫)
    • フランク・グルーバー『コルト拳銃の謎』(創元推理文庫)
    『新青年傑作選(4)』400円は文庫化されていると勘違いして店頭で見送ったものを、今日無事入手(角川で文庫化されているものは日本作家のアンソロジーだった)。 『ホットハウスの狂影』はヤフオク出品中との情報をSさんにいただく。 その他は初めて訪れる大型店舗2軒をハシゴしたブックオフで。建築家Ernö Goldfingerがモデルといわれる『ゴールドフィンガー』も、まさかブックオフで見つかるとは……。

    1月26日(金)

      古書店にて:
    • ボリス・ヴィアン全集(6)『心臓抜き』(早川書房)
    • アイザック・アシモフ『ABAの殺人』(創元推理文庫)
    • G・K・チェスタトン『ポンド氏の逆説』(創元推理文庫)
    • ハーラン・エリスン編『危険なヴィジョン(1)』(ハヤカワ文庫SF537)

    1月25日(木)

    Sさんからのいただきもの、オーストラリアはカザーリ社製SCHOKOBANANEN(チョコバナナ)に舌鼓。 マシュマロ状のバナナクリームムースにチョココーティングしたもので、ちゃんとバナナの形をしているのだ。 コーヒーに合うこと合うこと。
    • ジェイムズ・フレーザー『エイブヤード事件簿 陰画応報』(講談社文庫)

    1月24日(水)

    読んだ短編(『殺人コレクション』所収):
  • クェンティン・パトリック「ルーシーの初恋 Love Comes to Miss Lucy 」
  • ヘンリー・スレッサー「ブードゥー人形 Voodoo Doll」
    ロバート・ブロック「子どもにはお菓子を Sweets to the Sweet」と同様人形もの。
  • エド・レイシー「ストア・コップ」
    青弓社、原題くらい記してくれよう。

    仕事はお休み。 積読本の見直しをすると読み終えた本が出てくる出てくる(毎週のように処分しているのに)。 あげたりおろしたりを1日やっていると肩凝りでくたくた。 せっかくの休日もいつもより疲れてしまった。

    1月23日(火)

    読んだ短編は『詩人と狂人たち』第6話:
  • G・K・チェスタトン「孔雀の家 The House of the Peacock 」
    郊外の小邸宅の庭に現れた孔雀! 孔雀の羽根を家の中に入れるとよくないことがおきる、という迷信があるそうだが、他にもサンザシを刈る(抜く)とよくない、2本のナイフを交差させて置くと口論になる、鏡が割れるのは不吉、塩をこぼすと不吉、立てかけた梯子の下をくぐってはいけない……など、わけありのものがあちこちにある「まじないの屋敷」の主人は魔よけのオパールをつけた「13人クラブ」の会長で、邸内に入り込んだゲイルを13番目の出席者として晩餐に誘うのだが、ゲイルは「自分は14番目」と言い出すのだった……。
    こぼれた塩はつまんで自分の左肩(悪魔がいるところ)ごしにまくと不幸が中和されるんだとか。 13番目の出席者が遭った災難はお気の毒としかいいようがない。 西洋の迷信なんて「黒猫が目の前を横切ると不吉」とか「出かける時に靴のひもが切れると不吉」くらいしか知らなかった。

    1月22日(月)

    古書店にボリス・ヴィアン全集各400円、短篇集とタイトルのおもしろさで2冊だけ選ぶ。 ハドリー・チェイスは1冊50円それなりの状態、読むだけなら十分、どうせ積読ならなおのこと。 映画ではシャーロット・ランプリング出演作の『蘭の肉体』は『ミス・ブランディッシの蘭』続編。
    • ボリス・ヴィアン全集7『人狼』(早川書房)
    • ボリス・ヴィアン全集12『醜いやつらは皆殺し』(早川書房)
    • ハドリー・チェイス『蘭の肉体』(創元推理文庫)
    • ハドリー・チェイス『とむらいは俺がする』(創元推理文庫)
    • ハドリー・チェイス『その男 凶暴につき』(創元推理文庫)
    • ハドリー・チェイス『クッキーの崩れるとき』(創元推理文庫)

    1月21日(日)

    「MONSTER」を求めていつもより多めに回っております。6〜9、18巻を家人が入手。 以前最終巻(18)を立ち読みしていたので「ソフィーの選択」「シベールの日曜日」と、掲載誌と同じ出版社の「BLUE MOON」に似ているとは思っていたのだが、 それはそれこれはこれ。
      ブックオフにて:
    • エドワード・D・ホック『夜はわが友』(創元推理文庫)
    • ダシール・ハメット『ハメット短編全集2 スペイドという男』(創元推理文庫)
    • J・M・スコット『人魚とビスケット』(創元推理文庫)
    • ジョージ・R・R・マーティン『サンドキングズ』(ハヤカワ文庫SF1534)
    • ジョージ・R・R・マーティン『タフの方舟2 天の果実』(ハヤカワ文庫SF1516)

    1月20日(土)

    下の子はセンター試験。
      ブックオフにて:
    • テネシー・ウィリアムズ『薔薇のいれずみ』(新潮文庫)
      「バラの刺青 The Rose Tatoo 」(1955)アンナ・マニャーニ、バート・ランカスター主演で映画化もされた戯曲。
    • G・K・チェスタトン『ブラウン神父の童心』(創元推理文庫)
    自分用にはこの2冊、あとOさんの探求本を確保。 資料用なのでちょっとした条件つきだが、なんとかクリア。 家人は「MONSTER」を50円、100円で5巻まで手に入れご機嫌。
      Oさんよりいただきもの:
    • カール・タロウ・グリーンフェルド『史上最大のウィルス(上下)』(文藝春秋社)

    1月19日(金)

    読みかけの長編:
  • G・K・チェスタトン「詩人と狂人たち The Poet and the Lunatics」(1929)
    風変わりな画家であり詩人のガブリエル・ゲイルが主人公の、長編というよりは連作短篇集か。 「鱶の影」では半人半魚の神「デイゴン」が窓から顔を出すよ……
    • レアード・コーニグ『白い家の少女』(新潮社)
    • 『イギリス・ミステリ傑作選'85 秘密の恋人』(ハヤカワ文庫HM68-12)
    • ジェームズ・フレーザー『私利私欲 (エイブヤード事件簿)』(講談社文庫)
    • ジェームズ・フレーザー『人形懐胎 (エイブヤード事件簿)』(講談社文庫)
    • パトリック・クェンティン『わたしの愛した悪女』(HPB693)
    • ミッシェル・ルブラン『殺人四重奏』(創元推理文庫)
    • E・S・ガードナー『吠える犬』(創元推理文庫)
    • F・W・クロフツ『マギル卿最後の旅』(新潮文庫)
    • 結城昌治『あるフィルムの背景』(角川文庫)

    1月18日(木)

    NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」浦沢直樹。 プロフェッショナルとは「締め切りがあること。その締め切りまでに最善の努力をすること」という。

    1月17日(水)

    読んだ短編:
  • ジョルジュ・シムノン「メグレの煙管(パイプ)」
    読んだ長編:
  • ディーン・R・クーンツ「悪魔は夜はばたく The Vision」(1977)
    書き出しから引き込まれた「悪魔は夜はばたく」の後半を一気に読んでしまった。 殺人事件を「視る」能力をもつメアリーの耳元で何度も聞こえる「ばさっ、ばさっ、ばさっ」の正体はカモメではなく、なんともおぞましいものだった。

    血なまぐさい長編のあとはシムノンの短編。 最もお気に入りのパイプが盗まれご機嫌ななめのメグレ。 消えたのはツツジ科の潅木、ブライアー製で、妻から贈られた大切なものだ。 メグレは記憶を辿る。 署に捜査依頼をしに来た母子の、息子のほうの仕業に違いない……。

    作品名は忘れたが、和田慎二の漫画で、使い込むほどに飴色になる海泡石やブライアーなどいろんな材質のパイプがあることを知ったっけ。 母は子供の頃から父親(祖父)の煙管をすすんで掃除していたほどの筋金入りのヤニ愛好家だ。 小さい頃粉薬を飲まされる時に膝の上でいつも嗅いだ乾いた匂いは、母の指にしみついた煙草だったのだろう。 その母も健康上の理由で禁煙して10年ほどになるが、若い頃から気にしていた白目の色がきれいになったと喜んでいるのだ。 金曜日にはボランティアグループの新年会とカラオケと言っていたな、元気でなにより。

    1月16日(火)

    読んだ短編と対談:
  • ディヴィッド・イーリイ「隣り同士 A Question of Neighborliness」(EQMM91号)
  • ジョルジュ・シムノン「蝋の涙 Les Larmes de Bougie」(EQMM91号)
  • 対談「メグレとボンドの世界を語る」(ジョルジュ・シムノン&イアン・フレミング)(EQMM91号)

    1964年当時60歳のジョルジュ・シムノンと55歳のイアン・フレミングの対談で、肉筆原稿の読み返しと手入れがすんだらカメラで複写し、写真のほうを送るというシムノンは「コンマひとつたりとも出版社にいじくらせたりはしない」と断言する。 フレミングには原稿を読んで欠点を指摘してくれる親友がいるそうだ。 知り合いの税務署員と主婦にアラ探ししてもらった第一稿を書き直し、原稿が出版社へ届くのは半年後というJ・J・マリックの執筆スタイルも植草甚一『雨降りだからミステリーでも勉強しよう』で読んだっけ。

    007シリーズの有名な悪役の名前のモデルといわれる建築家Ernö Goldfingerが設計し、1972年に完成した31階建超高層アパートTrellick Tower。 J・G・バラードがこの建造物にヒントを得て書いた長編が『ハイ−ライズ』らしい。
      ヤフオクにて:
    • ジョイス・ポーター『ドーヴァー7 撲殺』(HPB1257)

    1月15日(月)

      MMと一緒にこういうものも発掘:
    • 別冊宝石11月特別号臨時増刊:ヒッチコックマガジン傑作集
    • 別冊宝石53号:世界探偵小説全集 イギリス本格派三人篇

    1月14日(日)

    読んだ短編:
  • ロバート・ブロック「子どもにはお菓子を Sweets to the Sweet」(1947)
      ブックオフにて:
    • 森茉莉『私の美の世界』(新潮文庫)→再読
    • ジャック・サドゥール『太陽の下、三死体』(新潮文庫)
    • ジュリアン・シモンズ『クリミナル・コメディ』(扶桑社ミステリー)
    • ジョン・ハットン『偶然の犯罪』(ハヤカワ文庫HM187-1)
    • グレアム・スウィフト『この世界を逃れて』(白水社)
    グレアム・スウィフトのしみじみとしたブッカー賞受賞作『ラストオーダー』はAndy Davis "Clevedon Pier"をBGMに読みたい。 『この世界を逃れて』は父と娘のモノローグで鮮やかに浮かび上がる親子三代、二十世紀という時代の物語だそうだ。

    1月13日(土)

    読んだ長編:
  • パトリック・クェンティン「二人の妻をもつ男 The Man with Two Wives」(1955)
    「俳優パズル」では素人探偵の影でちょい役だったトラント警部が、さらに魅力を増している。 「しかし、私は、自分の武器としては、この人間的な親切心しか持ち合わせていないのです」 それにしても事件解決後もこの虚しさはなんだろう。
    1967年に増村保造監督で映画化されているそうだ。 江波杏子は……ダフネに違いない!

    1月12日(金)

    読んだ短編:
  • エドマンド・クリスピン「デッドロック Deadlock」(1947)
    フェン教授ものでなく、少年を探偵役にしたビターな短篇。 登場人物のひとりヴァンデルロール船長(オランダ人かな?)がぼくの父の経営する「約束の地」館のバーで決まって注文するのがジン・アンド・ビターズという、19世紀の英国海軍将校たちが好んで食前酒にした辛口カクテルだそうだ。さすが海の男。
      古書店にて:
    • EQMM32号
    • ロジャー・ゼラズニイ『魔性の子』(創元推理文庫)
    • ロジャー・ゼラズニイ『外道の市』(創元推理文庫)
    • ディーン・R・クーンツ『悪魔は夜はばたく』(創元推理文庫)
    • リチャード・マシスン『地獄の家』(ハヤカワ文庫NV148)
    • シオドア・スタージョン『コスミック・レイプ』(サンリオSF文庫)
    『悪魔は夜はばたく』はブラックバーン『小人たちがこわいので』『薔薇の環』と同系統の、表紙いっぱいにコウモリが飛び交う旧版だ。しかも帯の文句が 「ばさっばさっばさっ!」 買います買わせていただきます……
    『コスミック・レイプ』2000円でお釣りがくるのはお買い得なのかどうなのか。

    1月11日(木)

    読んだ短編:
  • ジェイムズ・パトリック・ケリー「少年の秋 1016 to 1」
    原題「10の16乗分の1」表記できないのだ〜。 ジェイムズ・パトリックと続けば、Led Zeppelinファンならすかさず「ペイジ」だろう。さにあらず……でも、翻訳者はこの名前に縁浅からぬ方、増田まもる氏。 2000年ヒューゴー賞ノヴェレット部門受賞作。

    1962年、孤独な12歳のぼくが出会った透明人間がこれからしようとしていること、そして、ぼくがしようとしたこと。 大人びた言い回しをからかわれた後は、周囲から浮き上がらないよう慎重に言葉を選ぶようにする、いろいろなことに気がついてしまう、思慮深い子。12歳で知る重い未来と風変わりな友情の物語。S-Fマガジン537号より。

    1月10日(水)

    読んだ長編:
  • パトリック・クェンティン「網にかかった男 The Man in the Net」(1956)
    画家の妻失踪を機に、「NYからやってきたお高い絵描き」への住民感情が反感からはっきりとした憎悪に姿を変える。 偽装殺人を示唆した状況証拠はことごとく画家に不利に働き、警察までもが彼を追い始める。 子どもたちの協力を得て見つけた手がかりは、はたして真犯人を暴く証拠となるか?
    妻と、殺人の濡れ衣をきせた何者かによる二重の網にかかり身動きもとれなくなった画家。 名前と正反対の小悪魔7歳児エンジェルのライバル心を上手に操って画家を窮地から救おうとする姉エミリと、 ふたりの幼い恋のさや当てに時にふりまわされる画家。 ミステリよりサスペンス色の強い作品だったけれど、本当にさりげなく張られた伏線もあり、読み返してひとつひとつ拾っていくのも楽しい。

    作品さえ読めれば訳が古くても気にならないほうだと思うが、アイスクリーム・パーラーでの会話で「どぶろくでもおごりましょうか?」、また 子どもの口から「細工は流々、仕上げを御ろうじろ」という言葉が出てくると、さすがに原文が知りたくなった。だいたい「どぶろく」って……

    米谷ふみ子さんのご長男カール・タロウ・グリーンフェルドによるノンフィクション作品を知る。 米谷さんの夫ジョシュ・グリーンフェルドによる「わが子ノア」三部作から芥川賞受賞作「過ぎ越しの祭」、また「タンブルウィード」など、作中に子ども時代の彼が登場する作品はいくつか読んでいる。一時荒んだ生活を送っていたそうだが、りっぱに更生したのだな…… 史上最悪のウイルス(上下)
      到着便:
    • ロッド・サーリング『ミステリー・ゾーン(2)』(文春文庫)
    • リチャード・マシスン他『ミステリー・ゾーン(4)』(文春文庫)
    『年刊SF傑作選(4)』落丁により読めない解説部分をコピーしてくれたOさんより(2)(4)をいただく。 これで『ミステリー・ゾーン』が4巻揃った。 そういえば日本で出ている分の『ワイルド・カード1〜3』もなんとなく全部揃ったのだな。

    1月9日(火)

    読んだ長編:
  • ハリー・アダム・ナイト「恐竜クライシス Carnosaur」(1984)
    ああ読んだ!はるかな過去から科学の粋を集めて呼び出され、食欲と性欲のおもむくまま住民を襲う恐竜たち!パニック小説かくあるべし。 頭と下半身が別人格なややっこしい人間たちよりはるかにストレート。 あの結末なら続編ができてもおかしくないよね〜。
      昼休みに古書店へ:
    • ロジャー・ゼラズニイ『光の王』(ハヤカワ文庫SF625)
    • エリザベス・アン・スカボロー『治療者の戦争』(ハヤカワ文庫SF957)
    • トーマス・M・ディッシュ『ジェノサイド 人類皆殺し』(HPB SF3174)
    漫画家表紙でも、これは好きな部類に入る萩尾望都カバーの旧版『光の王』。 『治療者の戦争』は著者のヴェトナム体験をもとに書かれたとのことで、どうか『○○』のようなどす黒いものでありませんように……。 『ジェノサイド 人類皆殺し』凶悪なカバーデザインがいいな。文庫があるのにについ銀背も。3冊500円也。
      到着便:
    • ディーン・R・クーンツ『12月の扉(上)』(創元ノヴェルズ)
    • ノエル・クラッド『ダイヤモンドの味』(HPB 902)
    • 早川書房編集部編『名探偵登場(4)(5)(6)』(HPB 253/254/255)

    1月8日(月)

    読んだ長編:
  • パトリック・クェンティン「俳優パズル Puzzle for Players」(1938)
    ダゴネット劇場は伝統を誇る大劇場だが奇怪な伝説がまつわっていた。 それを借りてブロードウェイにカムバックを策するピーター・ドルース劇団は、つぎつぎと変死事件に見舞われる。 緻密な計画と巧妙きわまる手口で事故死を装った殺人事件であろうか? 破廉恥な元俳優、それと結託して俳優たちを恐喝する写真家、自分を名優の兄と取り違えている精神異常の亡命者、鏡という鏡に異様な反応を示す名優など、演劇界を背景に錯綜する怪事件を、素人探偵ふたり―ピーター・ドルースとレンズ博士が探る。

    パトリック・クェンティン名義でパズル・シリーズを共作した片割れHugh C. Wheelerは、渡米して第二次世界大戦後ミュージカルの分野で成功したとか。 この作品でも主人公の演出家をはじめ、ダゴネット劇場の老守衛まで現場に携わる人々がとても生き生きと描かれている。
    「芝居(ライヴ)はなまもの」 複雑なパズルの最後のひとつが嵌った瞬間のカタルシスに酔う。ミステリとしてもちろんすばらしいが、再生を賭ける人たちの人間ドラマとしても心うたれた。 パトリック・クェンティン作品は「網にかかった男」「二人の妻をもつ男」が積読中。 醜悪な現実と美しいメルヘンの世界が巧みに交錯する……という「網にかかった男」がおもしろそうかな。

    読んだ短編:
  • ロバート・アーサー「こそ泥と老嬢 Larceny and Old Lace」(EQMM No.55)
    射殺された甥から棚ボタ式に屋敷を相続したミステリ好き老姉妹。屋敷に<アッシャー館>と名づけ下宿屋を始めようとおおはしゃぎだが、死んだ甥は裏稼業の帳簿係で、一味の犯罪活動の記録を屋敷のどこかに隠したままらしい……

    1月7日(日)

    読んだ短編:
  • ミニョン・G・エバハート「ウィクワイヤー氏の≪姐御≫ Mr. Wickwire's "Gun Moll"」(1956)
    銀行員ウィクワイヤー氏が現金強奪と殺人事件のとばっちりで預かるはめになった駄犬ローラ。 彼に犬を託し、札束の詰まったハンドバッグと共に姿を消した白い手首の謎の女ははたして強盗の一味なのか? 「ワグスタフ家の真珠(復刻エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン No.1-3)」もウィクマイヤーとのこと。 "Mignon G. Eberhart's Best Mystery Stories"にウィクマイヤーもの6編収録。 召使のウィルキンズ、オス犬ハッピー(こちらはれっきとしたグレートデン)もいい味出しているので将来読めないかなぁ。

    1月6日(土)

    読んだ短編:
  • アーサー・C・クラーク「前哨 Expedition to Earth」(1951)
    1951年といえば昭和26年、私など影も形もない頃だ。 映画『2001年宇宙の旅』のモノリスの原型はピラミッド型だった……(そういえば「2010年」も観たし本も読んだんだけどなぁ)

    下宿に戻る息子と息子の猫を、名古屋駅まで送る。 朝晩食事とトイレの世話をしているとすっかり情が移ってしまい、息子だけ大阪に戻ってたまに猫の顔を見に帰ってくればいいのにとまで思う今日このごろ。

    きのう拾ったパトリック・クェンティンの「パズル」シリーズのうち『悪女パズル』は2005年扶桑社文庫より刊行、『巡礼者パズル』『悪魔パズル』は創社海ミステリからそのうち出る予定だが、『俳優パズル』だけは創元が復刊してほしいもの。 『俳優パズル』の舞台は「ダゴネット劇場」という由緒はあるが気味の悪い劇場で、一瞬「えっ、ダゴン?」……アーサー王の道化ダゴネットにちなんだものでしょうとご教示いただく。

    1月5日(金)

    読んだ短編:
  • フリッツ・ライバー「ビート村 The Beat Cluster」(1961)
    宇宙のビート族、ファッツ・ジョーダン最高!

    古書会館倉庫市初日は、職場からひと駅歩いて会場へ:
    • パトリック・クェンティン『俳優パズル』(創元推理文庫)
    • W・P・マッギヴァーン『悪徳警官』(創元推理文庫)
    • ジョナサン・ラティマー『シカゴの事件記者』(創元推理文庫)
    • ジョン・ヴァーリィ『残像』(ハヤカワ文庫SF379)
    • アーシュラ・K・ル・グィン『オルシニア国物語』(ハヤカワ文庫SF761)
    • フレッド・セイバーヘーゲン『バーサーカー 赤方偏移の仮面』(ハヤカワ文庫SF387)
    • アーサー・C・クラーク『前哨』(ハヤカワ文庫SF607)
    • クリフォード・D・シマック『都市』(ハヤカワ文庫SF205)
    • クリフォード・D・シマック『人狼原理』(HPB SF3237)
    • フレドリック・ブラウン『SFカーニバル』(創元推理文庫)
    • フレドリック・ブラウン『不思議な国の殺人』(創元推理文庫)→Sさんへ
    • フレドリック・ブラウン『未来世界から来た男』(創元推理文庫)
    通り道の古書店にも寄り道して3冊200円×3 、『前哨』は「2001年宇宙の旅」の原型という表題作を読むため。『バーサーカー』は宇宙家族カールビンソンに大笑いしている息子に、パーカーの元ネタ(表紙)を見せてやろうと。 この時点ですでにずっしり。 古書会館では、1階でフレドリック・ブラウンが3冊100円、持っているのだ。でもこのまま雨曝しになるのを見過ごせない……。

    1月4日(木)

    読んだ短編:
  • ロバート・ブロック「猫の影」(怪奇と幻想1)
    原題はCatnip(イヌハッカ)。 この植物に含まれるネペトラクトンは猫が好むが、蚊は嫌うらしい。ということはベランダにイヌハッカを植えておけば一石二鳥? 猫を飼う老婆に危害を加えてはいけません。でないと……
      ブックオフにて:
    • ジョージ・R・R・マーティン編『ワイルド・カード1 大いなる序章(上)』(創元SF文庫)……(下)は積読。
    • ハリー・アダム・ナイト『恐竜クライシス』(創元推理文庫)
    • J・E・ホルロイド編『シャーロック・ホームズ17の愉しみ』(河出文庫)
    • ロバート・ブロック『楽しい悪夢』(ハヤカワ文庫NV95)
    • ディーン・R・クーンツ『12月の扉(上)』(創元ノヴェルズ)

    1月3日(水)

    年越し番組をたまたま録画していたおかげで、紅白でやってクレーム殺到したものと同じ演出のDJ OZMA「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士(ナイト)」を観た。 こりゃ裸に見えるわ……。

    読んだ長編:
  • ノエル・クラッド「ニューヨークの野蛮人 The Savage」(1958)
    時はクリスマスシーズン。ワシントンスクエアには巨大なクリスマスツリーが飾られ、街角では救世軍のバンドが賛美歌を演奏している。ジョン・ランニング・トリーは生粋のショショニ族の殺し屋。これまで14人を片付けてきたが、今回の依頼人にはどこか変質者の匂いがする。おまけに標的は貧しい子連れの未亡人。1万ドルで請け負った殺しを断ったトリーは、代わりに差し向けられた殺し屋から母子を守ろうと腹を決めた……

    「野蛮人」ってこの殺し屋トリーのことかと思って最初は読んでいたのだけど、彼だけじゃなく、大都会に棲息するごろつきからサディストの依頼人、チェロキー族のストリッパー、トリーの恩人でシンジケートの幹部である博識なフランクもひっくるめて、弱肉強食のぎりぎりのところであがいているみんなのことだったんだ。
    ノエル・クラッド作品ではもう一編「ダイヤモンドの味 A Taste for Brilliants 」が訳されている。これも読まなくっちゃ。

    1月2日(火)

    読んだ短編:
  • ロバート・アーサー「ガラスの橋 The Grass Bridge 」
  • ロバート・ターナー「11時のニュース 11 O'clock Bulletin」
  • スティーヴン・マーロウ「さくら The Shill」
    MWA (Mystery Writers of America)会員による自選作品を集めた『アメリカ探偵作家クラブ傑作選1』より、やはり冬らしく、大雪の季節に起きた未解決事件をときあかす安楽椅子探偵もの「ガラスの橋」から読んだ。種明かしが手品をみるように鮮やか。
    「11時のニュース」は親子の夕食前のひととき。ふたりとも口には出さないが今夜は特別な晩なのだ。時計を見ないようにしていたのに、ついやってしまう。7時半、8時32分、そして11時、11時、11時…… (作者追記より;だれだって、どんなに凶悪な人殺しにだって、その人間を愛した、だれかが―母親なり、なにかなりがいるだろうと思うからである。)
    TVシリーズ「ヒッチコック劇場」 エヴァン・ハンター(エド・マクベイン)脚本でドラマ化。
    Writing for Hitchcock: An Interview with Ed McBain
    When I did write one it was based on a story by Robert Turner. It was a difficult thing to do because the story was just an internal monologue, the kid thinking about the ************* of his ****** at 11:00 o'clock.
    スティーヴン・マーロウ(ミルトン・レッサーの本名でSFも書いているそうだ)の『幻夢 − エドガー・ポー最後の5日間』(徳間文庫)は積読中。
      メール便にて一気に到着:
    • 中田耕治編『殺人コレクション』(青弓社)
    • 『シミュレーションズ - ヴァーチャル・リアリティ海外SF短篇集』(ジャストシステム)
    • E・D・ホウク編『風味豊かな犯罪 年刊ミステリ傑作選'76』(創元推理文庫)
    • E・D・ホウク編『今月のペテン師 年刊ミステリ傑作選'77』(創元推理文庫)
    • E・D・ホウク編『最後のチャンス 年刊ミステリ傑作選'78』(創元推理文庫)
    • D・S・ディヴィス編『アメリカ探偵作家クラブ傑作選1』(東京創元社)
    名前の表記が統一されていないけれど、エドワード・D・「ホック」と「ホウク」は同一人物なんだな。 『風味豊かな犯罪('76)』にはジョン・ラッツの楽しい「メール・オーダー」収録。

    1月1日(月)

    読んだ短編:
  • フリッツ・ライバー「バケツ一杯の空気 A Pail of Air」
    太陽系に接近した「暗黒星」に太陽からもぎ取られ、冥王星の軌道より遠くに来てしまった地球。 大気はすべて凍りついてしまった。「ぼく」はバケツを手に、何十枚も重ねた毛布の中の「巣」を出て下の階に積もる酸素を取りに行く…… 冷蔵庫の霜取りの話を連想してしまったのは、この短篇を読んだせいだ。水の補給には、1階に積もった雪を取りにいかなくてはならないの。
      オンライン古書店より在庫確認メール。定価より安く揃った:
    • ビル・プロンジーニ編『現代アメリカ推理小説傑作選(1)』(立風書房)
    • エドワード・D・ホック編『現代アメリカ推理小説傑作選(2)』(立風書房)
    • ハンス・ステファン・サンテッスン編『現代アメリカ推理小説傑作選(3)』(立風書房)

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