インドに関する書籍の紹介 9

   

ここに紹介するものはあまり専門的知識を必要とせず、そして誰もが簡単に活字という「窓」からインド世界が覗き見できるといった手頃なものを主にとり上げていますが、なかには手ごろでないものも(?!)あるかもしれません。インドに興味はあるけれど、何から読んでよいか分からないという方は活用してください。絶版になったものもあるかもしれませんが、散歩がてらに古書店をまわってみて下さい。見つかることもよくあります。また、一冊丸ごとインドというものばかりではなく、インド関連のもの、あるいは「章」単位で書かれているものも載せてあります。インドの本質が書かれているのであれば、「章」単位であろうと、さらにそれより短い文章であろうと取り上げています。最後に掲載順序はアットランダムです。素敵な読書の旅をお楽しみ下さい!!
タ   イ  ト ル
著  者  名
出版社名
初版年月日
コ メ  ン  ト
1 心は孤独な数学者 藤原 正彦 新潮文庫 H13.1.1 インドの天才数学者のことが書かれています。
2 宗教 井上 順孝 ナツメ社 2003.3.10 世界の宗教を網羅した簡易な解説書。初心者向きに出来ており、新興宗教についても書かれている。
3 東電OL殺人事件 佐野 眞一 新潮文庫 H15.9.1 東電OLの心の闇を追いながら、取材は容疑者の出身国ネパールにまで飛ぶ。報道機関と警察、検察の矛盾を突きながら著者のネパール人に対する無罪は確信を深めてゆく。ネパール取材中の話はインドとも絡め綴られている。
4 チーズの話 新沼 杏二 新潮選書 S58.3.20 著者は世界中のチーズを食べ歩き、その薀蓄を傾ける。学術書ではないので気軽に読め、著書のユーモアも文章としてチーズのなかにキチッと活きづいた味付けになっている。
5 南アジア 辛島 昇 朝日新聞社 1992.4.20 分かりやすいインドの歴史書。
6 インド賢者7つの教え あなたが絶対持っている幸せのマスターキー 人見 ミル 徳間書店 2009.3.31 インドに行って人生観が変わったという人の声は多い。しかし私はそれは本当のことだろうか、と内心の懐疑を抱いている。何故なら、人生観が変わるほどの衝撃は長い人生の中で幾度か経験するものであるが、手近なところでは一冊の書物との出あいでさえ、そのように言えることも多いからである。なにも殊更に異国に行き、大げさな外的刺激を受けることが人生の「転機」になるなどと今更にあげつらうこともあるまい、とも思うのである。あえて独断と偏見と自らの経験から言わせてもらえば、不意に出あう良質の一冊の書物の方が人生観を変えてしまう確率は高いように思われるのだが…。
7 インドの数学 林 隆夫 中央新書 1993.10.25 数学の苦手な人にはちょっと辛い読み物になります。理解しながら読み進んでゆくにはかなり時間が必要とされるでしょう。ただ、ゼロの発明の章は難解であることに変わりはありませんが面白く読めました。
8 マザーテレサ 和田 町子 清水書院 1994.9.30 マザーテレサの伝記。少しばかりヒューマン過多だという気がしないでもない。子供が読むには手頃だろうと思いますが。
9 世界屠畜紀行 内澤 旬子 開放出版社 2007.2.10 「世界」と冠しているわりにヨーロッパ地域が大きく抜け落ちている。ドイツやオーストラリアの屠畜産業はどうなっているのかも知りたくも思うのだか…。しかし何処に行っても屠畜の職業に関わっている人は忌まれているのだなあ。少なくとも尊敬されてはいない。インドも賤民の仕事として書かれており、しかもヒンドゥー教とイスラムの微妙な問題にも触れられている。いつも思うことなのだが、どの読み物も総じて「世界」とタイトルが付けられているものに「世界」が書かれたためしはない。著者自身にではなく、出版社サイドの売らんがための《世界》を感じてしまうのである。とはいえ今の時代に「世界」などそれほど魅力ある言葉とも思えないのだが。
10 世界の神話伝説 自由国民社編 自由国民社 1992.11.30 アンソロジーであるにも関わらず執筆陣に専門家を配して編んでいるため、読み応えがあります。一読をオススメしたい。
11 インドが面白い 千代田 哲谷 JMAM 1997.1.10 商社マンのインド滞在記。この種の本も多く多く出版されているが、当たっているものもあれば、ハズレもある。さらっと眺めた表面的なことを捕らえて書くからチグハクになるのだろう。お手伝いさんを雇って高級住宅に住む。それでも日本で暮らすより安上がりなのだ。そんな暮らしの中で本当のインドが見えるはずもない。間違ってはいないが、中心から大きく外れていることも多い。日本人が日本についてどれだけ識っているかを考えてみれば、最大公約数を書く事が無難というものなのだろうか。読む側も100%信じずに、眉に唾して読むことが要求されるのである。
12 よくわかる日本神道のすべて 山蔭 基央 日本文芸社 H10.5.20 神道の話によく仏教が出てきます。日本「独特の歴史」が雄弁に物語られている証でもある。従ってインドの話もよく出てきます。
13 愛と復讐の大地 青山 圭秀 三五館 1998.4.7 もうお「アガスティアの葉」でも馴染みですね。サイエンスを専攻する学者なのですが、相反する精神の世界もお勉強しています。どこで整合性が折り合えるのかなあ。
14 大川周明の大アジア主義 関岡 英之 講談社 2007.12.18 大川周明の「大アジア主義」についての要約とその人となり。東京裁判時の周明の奇矯な振る舞いについての説明もある。平易な文体で読みやすく、素人向けに書かれた人物論であり、一読をお勧めしたい。
15 東電OL症候群 佐野 眞一 新潮社 2001.12.1 「東電OL殺人事件」のその後。盗作、剽窃問題で揺れている著者の現在、こうした実のあるドキュメンターリーも評価するのである。にしても、初期の代表作から連綿と続く著者の剽窃癖は今更ながらに正すべくもない。残念の一語に尽きる。
16 永遠の物語 日本ベーダンタ協会 日本ベーダンタ協会 2013.2.28 川端康成の小説に「掌の小説」という短編形式の読み物よりさらに短い小説集がある。この永遠の物語も、短編よりさらに短い読み物が編まれ掌編というのがふさわしい。タゴール暎子さんがこの本の制作に携わった関係から、暎子さんより直接プレゼントされた。日本語、英語の両用併記で作られた一冊。
17 ラーマヤーナ 阿部 知二 河出書房 S41.1.20 河出出版社の世界文学全集のうちの一冊で本邦初訳と帯にある。訳者は阿部知二。英語版からの二重訳ということになる。半世紀前の出版である。解説を読んでゆくと、お経の中にもこのラーマヤーナの物語は取り込まれているという。インドと日本の関わりの不思議さをあらためて感じる。
18 サイ・ババの奇蹟 エルレンドール・ハラルドソン 技術出版 1989.12.15 きわめて真面目なサイ・ババの行う奇跡を検証した読み物である。
19 マハーラージャ殺し HRFキーティング 早川書房 S57.6.30 舞台はインドでイギリスの植民地時代を舞台とした推理小説です。英国作家推理協会ゴールデン・ダガー賞に輝く。「ボンベイの毒薬」があるが未読なり。
20 レンタルチャイルド 石井光太 新潮社 2010.5.15 世の中にこんな「職業」もあることを知り愕然となる。この本を読んだ読者の多くはそのように感じるはずである。と同時に「悲惨」を絵に描いたような世界が本当にこの世に存在する事と同時にそんな中にも人と人との絆の慥かさが一筋の光明を与えている事も教えられるのである。読んでいて以前、映画「スラムドッグミリオネア」にも同様の職業が主要なエピソードとして出ていたことを思い出した。純粋なドキュメントというより、物語がミックスされた読物である。
21 イスラム世界はなぜ没落したか? バーナード・ルイス 日本評論社 2003.7.15 イスラム世界の没落を西洋との対比で歴史的に解明している。なかなか面白い読み物であったが、物足りなさも感じた。物足りなさとは表層的で核心的深度にまで解明が及ばないといった隔靴掻痒の思いが残ったからである。
22 アジアのアイデンティティー 石井 米雄編 山川出版社 2000.4.10 本書は国際交流機関誌「国際交流」より、特集「アジアとは何か」を改題して一本に纏めたものである。中の対談集が面白く読めました。
23 世界の戦争・革命・反乱 自由国民社編 自由国民社 1992.11.10 「世界の神話伝説」同様、読み応えあり。歴史書としても読めます。
24 文化力 川勝 平太 ウエッジ 2006.9.25 歴史書といってもよいかもしれません。しかし世界が、特に日本の歴史が世界史規模で語られていることに、少しの違和感も感じられない点、日本史学の変遷を見る思いがします。これまではせいぜいお隣の中国韓国との付き合い止まりでしたが、世界のどこにも単独で経てきた国の歴史はないということなのでしょう。
25 世界史上の聖徳太子 上原 和 日本放送出版協会 2002.2.25 第一章がすべてインドと仏教に関して述べられている。日本の先人が視た、日本の未来の姿を聖徳太子を語ることで描出しようとしています。
26 勇午 (上下) 赤名修・真刈信二 講談社漫画文庫 2004.11.12 こんなコミックが出ているとは知らなかった。が、インド編というわりにはインドでなくても良いようなストーリーともいえる。こうした読み物は小説にもある。要するに舞台設定が「インド」というだけで、「インド」の本質は何ものも語られてはいないということである。
27 空海の夢 松岡 正剛 春秋社 1995.7.15 空海といえば密教、密教といえばインド。正剛さんの本はよく読んでいる。語り口は違うものの、どこか明石散人と通じるものがあり、知識欲をクスぐられるのである。
28 世界リンチ残酷史 柳内 伸作 河出文庫 2002.8.20 リンチがギロチン同「人の名前」で、しかもアメリカ発祥ということのようである。リンチとはいかにもアメリカらしいという気がした。要するに公正な裁判の手続きをとらず、痛めつけたり殺したりするのである。ギロチンとリンチを生み出したフランスとアメリカは古今無双の野蛮国家である。
29 天竺花語り 楓屋 ナギ 文芸社 2013.8.15 インドを舞台にした空想ファンタジー。少し冗長で、テンポも間のびがしている。それでも無理をして読んで、やっぱり退屈でした。手を入れてターゲットを中学生あたりの女の子に絞ってみると、私の意見と大きく違ってくるのかもしれません。
30 面白い国インド 西森 利市 新風舎 2003.8.25 トヨタ自動車の社員による現地のレポート。ツマラナイなあ。
31 3本足のアジアンソウル 櫻井 幸一 新風舎 2003.7.5 本書は「インドなんて二度と行くかボケ!!」の先駆を成す表記の仕方で文章が仕上がっている。内容も似たようなものでインド滞在の顛末を感動をもって面白おかしく記されている従来通りの読物。
32 タタ財閥 小島 眞 東洋経済 2008,2,28 インド経済を支配するタタ財閥を詳しく説明した一書。当然ですが財閥の闇の部分は一行たりとありません。
33 われらカレー党宣言 アンソロジー 世界文化社 1993.5.1 39名のカレー好きによる文集。錚々たるメンバーが名を連ね読んでいて楽しくカレーの薀蓄を学ぶことが出来る。
34 幼い未亡人 M・K・インディラ 三一書房 1993.11.15 インド古来の因襲が簡潔な文体によって淡々と綴られていく未亡人の物語である。無駄のない文体が不思議な透明感を読むものに与えている。
35 釈迦の本 学研編集 学研 1997.6.1 釈迦や仏教に関するもろもろの話が書かれている。大変わかりやすく読みやすい。
36 大東亜戦史(全10巻) 富士書苑編 富士書苑 S48.6.1 第二次大戦の後遺症はいまだに日本に大いなる傷痕を残し解決されない問題や新たな問題提起が毎年のように繰り出され、蒸し返されている。「従軍慰安婦」の問題はその最たるものだろう。この全集は40年も前に出されたもので、いまほど偏向した考え方で編まれてはいない。そもそもの「大東亜戦史」の「大東亜」というタイトルそのものが史実に忠実な表記であって偏向のないものだともいえよう。インドの戦前のニュースも多数記述されている。
37 フォトジャーナリスト13人の眼 日本ビジュアル・ジャーナリスト協会編 集英社新書 2005.8.22 世界は狭くなった、という感想を抱くとともに、この「フォトジャーナリスト」の世界もまた極めて狭い世界が語られているなあ、というのが実感である。「画一的通り一遍の世界観」を恥ずかしげもなく「ヒューマン」という免罪符を御旗に蜿蜿と述べ立てているに過ぎない。新たな視野(世界)が少しもない。残念ながら扱われている問題もこれまでの問題提起から少しも発展していない。
38 日本が戦ってくれて感謝しています 井上 和彦 産経新聞出版 H25.1077 まずはじめにタイトルがあまりにもストレートなのに笑ってしまった。アジア地域は広い。その中で、日本をいまだに中傷する国もあれば、日本のおかげで独立できたと感謝する国もある。第二次大戦は最悪だったが、結果の事実を見れば以降、白人の国から独立した国は多い。インドはそんな中の一国である。
39 「仏陀語録」オリジナル 島田 裕巳 三五館 2009.11.1 「お経」がブッダの言葉を綴ったものだということは広く知られている。一時期オウム真理教寄りの発言をして、学界から、ジャーナリストの世界からも批難された著者であったが復活後の活動は目覚しく多くの著書を出している。本書はブッダの百の言葉を現代語風にまとめたものである。最近流行りの「ニーチェ」や「バルタザール」「論語」などの要約した本が大変売れているようだが同様の趣旨に沿って作られている。
40 インドを知るための50章 重松伸司・三田昌彦 明石書店 2003.4.10 インドの基本情報です。
41 超訳 偉人の言葉 白鳥 晴彦 日経大人のOFF 2012.2.13 仏陀の言葉が訳されている他、般若心経が現代語で載せられている。
42 仏様の履歴書 市川 智康 水書坊 S54.3.31 小さな仏様たちに関する辞書風な本。少ないながらも素人には楽しく読め、この一冊を持って寺院などを観光すると、仏像に関する興味が倍増しそうである。
43 インド旅の雑学ノート
驚愕編
山田 和 ダイヤモンド社 1998.12.11 インド旅の雑学ノート熱闘編の続編。
44 ガンジー 岳 真也 潮出版社 S58.4.20 ガンジーの伝記。
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