インドの古い寺院に詣でると、このような踊子のレリーフがいたるところで目につく。歴史に埋没し一度は時間の彼方に押し流され、忘れ去られた、その地方独自の舞踊もこのような歴史遺産のなかで文献や遺跡のレリーフをたよりに復元され、整備されて、新しい息吹を与えられて復活する。現在作業中である「ゴウリオ ヌリッティア」も同様の手順で復元されつつある。日本に知られているインド古典舞踊と言われてる「オリッシー」もまた、このような作業を経、復元された舞踊であり「動く彫刻」と謳い文句のように喧伝されるのは、もともと上記のようなレリーフからその動作を移し復元された舞踊だからである。動く彫刻の由って来る本来的起源もここにあるのだろう。 |