テレビや雑誌、書籍等に載っている写真や解説は意味ありげで、いかにも「聖地」の雰囲気を漂わせているように想像されたものだが,実際に行って見ると、何か肩透かしをくった気分に陥るのだった。 「聖と俗」という言葉が、ふっと脳裏をかすめた。「聖地」という言葉から日本人はどのように具体的にイメージを喚起しているのだろう。日常の生活圏内では、たぶんパプリックな意味合いでは信仰の場としての神社仏閣ということになるのではなかろうか。奈良や京都をイメージしてみる。信仰の場が、観光客がみやげ物売り場でごった返した風景が思い返された。なんだ、日本とそっくりではないか。そういえば、ヨーロッパはもとより世界中が似たようなものであった。なにもインドだから特別違っているということもあるまい。 「聖と俗の境界」は人の心の中にあるのだとベナレスの「聖地」に立ち、奇妙に納得させられるものがあった。 |
◎ ブッダガヤー(インド) 悟りの地 ◎ サールナート(インド) 初説法の地 ◎ クシナガラ(インド) 入滅の地 |