−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−
por 斎藤祐司
過去の、断腸亭日常日記。 −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−
太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、2006年、2007年、2008年、2009年、2010年、2011年、2013年のスペイン滞在日記です。
太字で書いたモノは2010年11月京都旅行。2011年3月奈良旅行と東日本大震災、11月が京都旅行、2012年4月、11月、12月の京都旅行、2013年4月京都旅行5月出雲旅行の滞在日記です。
9月1日(日) 19520/2
オバマ大統領は、シリアに対して限定的とはいえ軍事行動を実行することを決めた。世界は戦争を望んではいないが、化学兵器を使ったことに対する制裁措置としての軍事行動だという。
土曜日の『あまちゃん』は、2011年3月11日の朝で終わった。映画の公開。コンサート前日という設定だ。しかもユイがそのコンサートを見に来るということで、前日北三陸を旅立つ。何が起きるかは、誰でも判る。東日本大震災だ。来週は、どうなるか?どういう展開になるのか?
脚本の宮藤官九朗は、宮城県栗原市出身。地震があると震度が強いところだ。言わずと知れた東北人だ。村おこしとアイドルというテーマを掲げて、『あまちゃん』を書いているが、しっかりと東日本大震災をドラマに入れた。
夜中に和歌山県田辺市の中学生が、『釜石の奇跡』を起こした、群馬大学の教授と、当時の防災担当の元中学生との交流から、もし大地震が起きて、大津波が来たらどうするかというということに、取り組み始めている事をやっていた。田辺の中学生たちの真剣な眼が心を打ったし、防災担当の元女子中学生の話に感銘を受けた。
『八重の桜』でもやっているが、教育で人を育ている。岩手、宮城、福島の三県は、大津波の影響をもろに受けた。非常に大変な状況で過ごしている。彼らは、新しい教育で、大きく育って行くと思う。NHKの震災復興の曲、『花は咲く』の歌詞を書いているのは、宮城県出身の映画監督、岩井俊二。文化が人を救っていく。
9月3日(火) 晴 20714/2
朝、旧居へ行って、片付け掃除ゴミ出しをした。
9月5日(木) 雨のち晴 17735/2
ガラスなどを出し、粗大ゴミを出して、殆ど片付いた。残りはほんの少しだけ。明日、1・2時間作業をすれば終わる。これから酒を飲んで明日に備える。出来れば明日は、床屋へも行きたい。それと医者へ行く。『あまちゃん』を見たら直ぐに行って後は片付け。昼食は、れいの所で取って、午後には久々にスパに行って、散髪して風呂には入る。浴槽に入れるかと思うと嬉しい。
新居になってからは、シャワーだけ。簡易的に体をサッパリできるので、便利だ。しかし、浴槽に入らないと、どうも物足りないのだ。だから、明日は楽しみだ。新居の部屋の片付けもしなければならない。それと競馬の予想。やることがいっぱいある。
9月7日(土) 曇 28022/3
昨日は、『あまちゃん』を見てから、病院へ行ったらいきなり検査をして、一旦家に帰った。そして、公共料金の停止と切り替えをした。それから再度医者へ行って、検査結果を訊いた。それから旧居へ行って片付けの最後。戻って昼食。テレビを見ていたら電話が鳴って不動産屋から。それから旧居へ行き、部屋を見て貰い鍵を渡した。
午後はスパへ行って散髪をした。それから競馬の印を打ってのんびりした。
9月9日(月) 曇 19070/2
2020年のオリンピックは東京開催に決まった。東京だけではやらないでくれと思っていたが、1番可能性があるのは、東京だと思っていた。これで、不動産価格、物価が上がることは確実だ。それ以上に、給料が上がることは、望めない。つまり、生活が苦しくなるのは、当然の結果だ。
それでも、招致合戦の情報を読んでいると、日本人のチームワークの良さや、最終プレゼンのスピーチが素晴らしかった。パラリンピックに出場した、宮城県出身の女性選手の英語のスピーチは、感動的だった。片足を無くしてスポーツに助けられ、東日本大震災で家族が被災した体験を話し、日本だけでなく世界のアスリートが1000回被災地の子供たちに会いに行き、希望をもたらしたスポーツの力を信じ、東京での開催を決めて欲しいという話は、ドラマチックだったし他の国の話からは聞けない、重さと強さ明るさを感じたのだと思う。
9月10日(火) 晴 8653
『あまちゃん』『八重の桜』『半沢直樹』とたて続きにブルーレイで録画していた物を観た。ドラマを観るというのは、2ヶ月前までは想像できないことだった。部屋を代えて格段にテレビを観る時間が増えた。時間もテレビに拘束されることも増えた。やっぱり圧倒的に、NHKが面白い。
東京でのオリンピック開催が決まり、株価が400円弱値上がりした。気分は、景気が良くなる方向へ向かっている。来年から消費税8%にするという事が、現実味を帯びてきた。これから景気が良くなり、明るくなればいいが、そうなって、東日本大震災が忘れられる様な事があってはいけないことだ。
9月12日(木) 晴 36672/2
今日は健康診断があって、新宿へ行った。じぇじぇじぇ!到着直前にカバンが開いているのに気付いた。デジカメは?薬は?取り合えずレントゲンとバリウムを飲んで嫌な物は先に済ませ、他の検査も終わったのが10時過ぎ。それから戻った。最寄りの駅で遺失届けを出し、交番でも出した。それから部屋へ戻った。部屋には、デジカメがあった。ホッとした。薬は無かった。医者に電話。
それから、バリウムを出すために下剤を飲んだ。医者に行って戻り昼食というより、朝食を取った。それからは、トイレとの往復が始まる。出来るだけ水分を取って夕方スーパーへ行って買いだし。今日は全て食事は部屋で取った。
9月14日(土) 曇 14081/2
『あまちゃん』で遠くへ行くと言えば、北である。北は、あまちゃんの場合は、北三陸を意味する。知人が失踪して3日経ったと連絡があり、何か訊いているといわれたが、何にも知らない。それで、通じないと思ったが携帯に電話したが、留守電になったので、切った。そしたら、5分後、折り返しの電話が来た。どうしたのと聞いたら、筋の通った答えがあった。今どこにいるのと、訊いたら、松島の先のなんとかいう所を観に宮城にいるという。仙台のホテルに泊まっていて、被災地を観ているという。松島の辺りは殆どないけど、ちょっと場所を移動すると、東松島とか塩釜とか、未だに車がひっくりかっていたり、建物のガラスが割れたままになっていたりするという。
そんな話を訊きながら、胸に込み上げてくる物があって、泣きそうになった。それを堪えてこれからどうするか訊いた。もうすぐ東京に戻るという。それから?○×*+といったので、ちゃんと自分の気持ちを正直に言った方が良いと思うよ。その方が、次に進むのにも良いし、続けるにしても良い方に向かうと思うからというと、ハイと言っていた。後は、見守るだけだ。
昨日あったそんな話を、していたら、「やっぱり遠くへ行くっていったら、北だよなぁ」と、つぶやく人があった。あまちゃんの挿入歌『潮騒のメモリー』にも、「北へ帰るの 誰にも会わず 低気圧に乗って 北へ向かうわ」にという歌詞がある。人は何故、何かがあると北へ行こうとするのだろうか?
9月15日(日) 雨 5555
震災後、アキが北三陸へ行くと、先輩の種市も北三陸へ来た。そして、マネージャーの水口も仕事を辞めてやって来た。NHKの朝ドラ『あまちゃん』では、みんな北へ向かうのだ。台風と同じだ。夜中から降り続いている雨は、大型の台風のせいで雷の音も聞こえる。最近日本近海の水温が27度以上になっていて、台風が接近すると台風が発達する。そして、遠くへいても風雨の影響が強くなる。
この状況だと、大きな被害が出そうな台風である。進路予想は、明日の朝に中部に上陸しそうだ。関東、東北を通って、16日の夜には、北海道沖に抜ける予報である。アメリカとロシアの外相が会談をして、シリアの化学兵器全廃を決めた。来年の11月までに工程表が発表された。取りあえずは、武力行使は行わない事になった。勿論、全廃の工程表が実行されない時は、いつでも武力行使を実行する準備は出来ているという。これは脅しである。アメリカのいつもの方法である。これは、日本の方法とは明らかに違う。
9月16日(月) 雨 7047
台風18号が上陸して各地に被害が出ている。竜巻による被害や、河川の氾濫による浸水被害が出ている。京都は、桂川と鴨川の合流点で氾濫して、避難勧告が大勢の人に出された。東京は、台風が過ぎたが快晴にはなっていない。そして、今日予定されていた、中央競馬は中止になり、明日代替開催になった。
9月17日(火) 晴 10974
昨日の台風で、京都嵐山の渡月橋は、桂川の水位上昇により、ほぼ冠水状態になり桂川左岸は水が流れ、旅館などが被害受けた。100万都市京都。右京区、伏見区の住民は、戦慄しただろう。市営地下鉄の駅が冠水したという。今年は、京都へ行けるのだろうか?確か去年は、平等院の所が崖崩れが起き、今年は、こんな状態になった京都。それでも秋にはいつものように紅葉が色づくだろう。
今日は、昨日中止になった中央競馬の代替開催の競馬をやった。馬柱が替わらずそのまま投票を行わずに開催された。競馬アルゴリズムでは、日が変われば、予想の根本が変わる。台風の影響で、突然こういう風になったが、成果は出た。1レース買わずに外したレースがあったが、それでも冷静に馬券を買えた。土日と高配当のレースを時間がなかったりして、買えなくて、それが尾を引きずるかと思ったが、意外とちゃんと軸馬を選べた。
9月18日(水) 晴 7634
昨日の夜、伊勢神宮の建物の事をやっていた。それを観ながら、松本清張と樋口清之著の『南紀の旅』が読みたいと思った。部屋の片付けもあるが、今月は国会図書館へ行って読もうと思った。引っ越しで昔買った『京都の旅 第1集』を読んでいるが、非常に興味深い本だ。それを読んで、10月のお伊勢参りに出掛けたいと思ったのだ。
夜中、宮沢賢治の特集番組を、NHKアーカイブスでやっていた。賢治の詩や文章を読んでいたが、何故だろう?涙が出て来た。自然と人間の関わりが、岩手の自然の中で描かれている。イーハトーブは、理想郷にして、エスペラント語風に賢治が呼んだ、岩手県の事を言う。ある意味、『あまちゃん』は、現代のイーハトーブを描いているのかも知れないと思った。
9月20日(金) 晴 30637/2
セカンド・オピニオンを考えて昨日、医者を捜して行ってきた。個人病院だったが、受付など最新式の予約方法などを取り入れていた。健康診断の結果が出たら、それを持って再診しようと思っている。今まで通りの投薬で良いのかどうか?取りあえずは、弊害は感じられないが…。
そろそろ、お伊勢参り用に、予備知識を入れておかないとと思って、ネットで調べたりしたが、やはり、本を読んだ方が良いと思う。日時が決まっているが、それは、大きな所しか載っていない。もうちょっと細かな時間が知りたいと思う。
9月22日(日) 晴 29407/2
久々に東京競馬場へ行ってきた。開催は中山だが、東京も人が一杯だった。午前中に到着して中山と阪神の2開催のレースをする。土曜日は、結果が出たが、どうも調子が上がらない。買うレース買うレース外しまくる。特別戦が始まる。阪神9Rで、3連複で外す。黙ってワイドを買っていれば当たっているのに…。中山9Rは、結果が出てみれば簡単なレース。そして、万馬券。しかし、これも取れない。
でも、何か見える物があった。阪神10Rは、1着になった馬を軸にしていたにも関わらず、外す。中山10Rは、軸にした馬が頭差で4着になり外す。阪神11Rは、大本命が楽勝したが、3連複でいって外し、中山11Rも、3連複でいって外した。しかし、自信を持っていった阪神最終Rは、馬連でいって、軸が首差の3着で外す。何だよ!やっぱりワイドだと思って、中山最終Rは、ワイドでいってようやく的中。
配当は水物。しかし、40倍くらいあったので、この1Rで、今日負け続けたお金を一気に回収してプラスを計上した。それにしても、20R近く外し続けて、たった1R当たっただけで、その日プラスになるというのは初めての経験だった。一緒に行った人は、いつも勝つ人で、ヒントは貰ったが、馬券は教えて貰っていない。帰りに2人でトンカツを食べてから帰ってきて、『八重の桜』『半沢直樹』を観た。半沢直樹の終わり方が気に入らなかった。最後になんだよこれ!って終わり方。消化不良だ。続きを作ってくれ。でも、めっちゃ面白かった。
9月24日(火) 晴 26872/2
国会図書館へ行って本を読んだ。引っ越しで本を片付けていたら、『京都の旅』松本清張・樋口清之著が出て来て、それを読んでいた。そうしたら、そのシリーズに『南紀の旅』というのがあって、そこに伊勢神宮が載っていることを知って、それを読みに行ったのだ。収穫があった。こういう本は、絶版にしてはいけないと思った。例えば京都。『京都の旅 第2集』の南禅寺、平安神宮にしてもそうだが、本に書かれている所に行きたくなる。鴨川の所には以下のことが書かれてある。
「日本の芸能は、相撲と同じく、社寺や社会事業のための勧進(寄付事業)の名目で興行され、発達した。群衆をあつめるため、税のかからない河原の広場が多く選ばれた。すでに武士の式楽になった能に対して、河原者によって、河原の野外で芝居能が興行され、これがその芸能家を河原乞食(河原者)、芸能を芝居というもととなった。鴨川の四条河原は、そのなかでも日本の演劇史にはとくに忘れられないところである。
それはここで、慶長八年(1603年)、出雲大社の巫女といわれる阿国(恭仁とも書く)が、夫の江州浪人名護三左衛門といっしょに、たくさんの若い女にそろいの小袖を着せ、男女立ち会いの念仏踊りを興行したことである。阿国はこのまえにも、祇園八坂神社の南門、北野神社の森、五条河原などでも興行していたが、五条では群衆があつまりすぎ、伏見城への路がさまたげになるので、ここへ移されたという。それほど人気があって、人が多く集まったのだろう。
念仏踊りは、元来、死者の菩提をいのるため、災害地や墓地、寺の境内などで興行された。それは民衆とともに供養するということを根本の目的にしているので、舞台で役者が音楽にあわせ、胸の鉦(かね)をたたいて並んで踊るだけでなく、観客も興にのるといっしょにならって踊った。ここにながい戦国時代のあとに訪れていた、桃山時代後の民衆の解放と平和への歓喜があらわれていた。やがて、女は男装しても出演するようになり、物まね狂言といわれる、ストーリーをもった劇を演ずるようになった。それが遊女歌舞伎(女)、若衆歌舞伎(男)となり、のち風紀をみだすというので禁止されて野郎歌舞伎(男)となると、女装の男優、すなわち女形ができ、荒事、和事をふくめた歌舞伎の形がしだいに完成していった。
歌舞伎という字は、もちろん宛字(あてじ)であるが、もとは「傾(かぶ)く」の意味、尋常ではないもの、ノーマルでないものという意味で、異様なことをするのを指した。 ーー(中略)ーー
おそらく、能狂言を正しい劇と考える立場から、演劇ではそれに対する変則的なものという意味で歌舞伎と言ったと思う。この歌舞伎劇の発生地が四条河原であるというので、いま、四条河原東詰の南座の横に、小さい「阿国歌舞伎発祥地」と書いた記念碑が建っている。いわば、四条河原は日本近世演劇発祥の地である。」 ーー『京都の旅 第2集』松本清張・樋口清之著よりーー
出雲の阿国が出雲大社の巫女だった言われていた事は、始めて知ったし、念仏踊りが死者の菩提を祈るためのものだったのも始めて知った。鎌倉仏教で始まる念仏踊りが初めからこういうものだったのかは判らない。布教のために行われていた事は知っているが、原型がどういうものだったかと言う興味が湧く。
春に出雲大社に行ったときに、海に出る道筋に、阿国の墓があった。夕暮れに写真を撮ってきたが、天皇がいて、御所がある京都と、出雲大社も伊勢神宮も、遠くにあっても強い結びつきがある。その一片が阿国歌舞伎としても残っているのだと思った。このシリーズは、松本清張と樋口清之の共著である。人気推理作家と、梅干し先生の異名を取る、樋口清之が、良いバランスで面白い本を作った。
9月25日(水) 雨 8021
夜半から降り始めた雨が、朝も続いている。1日降り続くようで、これが止めば、一気に寒くなると言う。秋を早める雨である。最近は、半袖半ズボンで自転車に乗っていると涼しいと感じる。秋の気配から、秋を実感し始めた。それがこの雨で、秋を深めていくようだ。
9月26日(木) 雨のち曇 19999
そろそろ伊勢行きが近づいてきたので、部屋の片付けをやって、夜に自転車で外に出た。寒いとは思っていたけど、半袖半ズボンで出掛けたら寒かった。コンビニ店内の方が暖かかった。明日も作業を続ける。
『あまちゃん』最終週。鈴鹿ひろ美が、『潮騒のメモリー』を北三陸の海女カフェで歌った。勿論、鈴鹿ひろ美役の薬師丸ひろ子が、歌を歌えるのはみんなが知っているが、音痴というレッテルを貼られた鈴鹿ひろ美が、ちゃんと歌えたのには、なんかホッとすると共に感動もした。
9月27日(金) 晴 9828
スプリンターズ・ステークスの枠順が発表された。はたしてロードカナロアは勝つのだろうか?斤量が同じでもまた、ハクサンムーンが勝つのだろうか?それとも、この2頭以外の馬が勝つのだろうか?日曜日の発走前まで考えようと思う。
『あまちゃん』は、いよいよ明日最終回をむかえる。お座敷列車で、潮騒のメモリーズが復活する。録画でしか観れないのが残念。
9月30日(月) 晴 35204/3
「あまロス」?「あまのミクス」?そう「あまちゃん」が終わって、ネットでは残念がって、惜しむコメントが書き立てられているという。昨日の競馬も、万馬券を取ったし、色々あったが、明日からお伊勢参りへ行く。
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