断腸亭日常日記 2013年 その6

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、2006年、2007年、2008年、2009年、2010年、2011年、2013年のスペイン滞在日記です。
太字で書いたモノは2010年11月京都旅行。2011年3月奈良旅行東日本大震災、11月が京都旅行、2012年4月、11月、12月の京都旅行、2013年4月京都旅行5月出雲旅行滞在日記です。

99年4月15日〜5月11日 5月12日〜6月4日 6月7日〜6月10日 2000年4月20日〜4月29日 5月1日〜5月14日
5月15日〜5月31日 6月1日〜6月15日 6月16日〜6月29日 2001年4月19日〜5月3日 5月4日〜5月17日
5月18日〜5月31日 6月1日〜6月11日 6月12日〜6月22日 2002年4月16日〜4月30日 5月1日〜5月15日
5月16〜5月31日 6月1日〜6月13日 2003年4月16日〜5月24日 5月25日〜6月10日 6月12日〜6月26日
2004年4月14日〜5月7日 5月8日〜5月31日 6月1日〜6月17日 2005年3月31日〜4月24日 4月25日〜5月22日
5月23日〜6月16日 2006年4月13日〜5月6日 5月7日〜5月29日 5月30日〜6月19日 2007年4月20日〜5月19日
5月20日〜6月16日 2008年5月13日〜6月16日 2009年5月25日〜6月6日 6月7日〜6月12日 6月13日〜6月22日
6月23日〜7月3日 7月4日〜7月21日 9月24日〜10月2日 2010年5月29日〜6月7日 6月8日〜6月26日
11月14日〜11月26日 2011年3月5日〜3月17日 7月20日〜7月31日 8月1日〜8月22日 9月14日〜10月3日
 11月21日〜11月27日 2012年 4月2日〜4月22日 11月1日〜11月13日  12月4日〜12月11日  12月12日〜31日
 2013年1月1日〜1月31日 2月1日〜2月10日  2月11日〜2月28日  3月1日〜3月28日  4月1日〜4月17日
 4月18日〜5月4日  5月5日〜5月13日  5月14日〜5月24日  5月26日〜5月31日  6月1日〜6月13日

 6月17日(月) 晴 43429/4

 金曜日。台風は、熱帯低気圧になって雨もやんだ。鎌倉の長谷寺へでも行こうかと思っていたが、やめた。そういう気分じゃなかったのだ。寺で紫陽花を観ても、気持ちが変化するとは思えなかったのだ。歯のこともあるし、外で食べるのもなかなか面倒くさい。これは黙って、家で競馬の予想をしていた方が無難だと思った。

 そして、15日土曜日。歴史的快挙を成し遂げた。

 「エディーHC「今日、歴史を築き上げた」 ラグビー日本代表 ウェールズ戦後会見

ラグビーのリポビタンDチャレンジ2013第2戦が15日、東京・秩父宮ラグビー場で行われ、世界ランク15位の日本代表は同5位のウェールズ代表に23-8で勝った。日本は8日の第1戦で18-22で敗れるなど、これまでの対戦成績は12戦全敗。ウェールズは世界トップが集う欧州6カ国対抗を連覇した強豪で、ワールドカップ最高3位(1987年)の実績を誇る。日本にとっては歴史的な勝利となった。

 日本は前半14分、FB五郎丸歩(ヤマハ発動機)のPGで先制すると、同点とされた34分に再び五郎丸のPGで勝ち越す。ハーフウエーライン付近、約45メートルの距離から決め、6-3とリードして折り返した。後半に入っても、日本は果敢に立ち向かう。一度はトライを許して逆転されるが、後半8分にCTBクレイグ・ウィング(神戸製鋼)、19分にFLマイケル・ブロードハースト(リコー)がトライを奪うと、五郎丸が確実にゴールを決め、20-8と一気に突き放す。その後も互角の攻防を繰り広げ、最後は五郎丸のPGでダメ押し。若手主体のウェールズとはいえ、日本は強豪相手に一歩も引くことなく挑み、見事に金星を飾った。

 以下、試合後のエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)と主将・廣瀬俊明(東芝)の会見要旨。

エディーHC「スクラムでこの試合を勝ち取った」

エディーHC 本当にチームを誇りに思う。今日、歴史を築き上げた。世界トップ10のチームに初めて勝つ日本になった。ウェールズはベストプレーヤー15人が欠けていたのは重々承知しているが、今日は本当にいいテストマッチになった。チームとしてもこれを糧に前に進むことができる。これからハードワークする助けになる。選手に対して「おめでとうとう」と言いたい。キャプテンの廣瀬(俊明)はチームをよくリードしてくれた。(会場に)2万5000人の方が来てくれて、日本代表にとっても素晴らしいことだと思う。こういう形で前進して成長することが私たちの責任だと思っている。

廣瀬 すごい大観衆の前でプレーできたことは幸せです。今日もそうでしたけど、先週の花園も多くの人に集まっていただいて、選手も幸せを感じ、今週はその思いを勝利で返したいと思ったので、その通りになって幸せです。それでもまだ、たかが1勝なので、今日は喜びますけど、まだまだ努力してトップ10カントリーに入りたいなと思います。

――勝ち切れた要因は?

エディーHC 後半に関しては、スクラムでこの試合を勝ち取ったと思う。ウェールズとの試合で日本がこんなことを言えるとは思っていなかった。マイボールを確保し、相手のボールをいかに出しにくくするか。そこがウィニングポイントになった。あとは選手の気持ち、ファイトし続ける闘争心。ラグビーは複雑なゲームだ。でもシンプルなことを激しく、80分やり切ること。80分できなければ勝てない。今日はそれができた。これが普通な状態になるようにしていく。

――ハーフタイムにどんなことを話したか? 後半逆転されたときは?

廣瀬 ハーフタイムはしっかり覚えてないんですけど、チャンスがあるからそれをモノにしようと。しっかりエリアを取りながら、一回ボールをもらったらしっかりキープしていけば自分たちのペースになると思ったんで、そういうことを心掛けていました。エリアによって何をプライオリティー(優先順位)とするか、一番いいことを選択しようという考えです。

――以前の会見で、エディーHCはモナリザの絵を描いていると表現していたが、どれくらい腕を上げたか?

エディーHC まだまだわれわれはトップ10カントリー向かっている中であって、それは遠いと認識している。ゲームの中で日本に欠けているものがある。そこを修正していく。今、われわれが進んでいる方向は間違っていない。このままハードワークを続けていく。それによって日本のラグビーを変えていく使命を持っている。

――日本に欠けているものとは?

エディーHC まだまだ強くならなければならない。もっともっと速くならなければならない。昨日の夜、サモアの試合を見ていたが、ああいうチームに勝つには強くならなければならない。道のりは遠いが、自分たちのやりたいラグビーができるようになる。どちらかというと、今日の試合はカウンターアタックラグビーで、選手たちはよくやってくれた。ただ、もっとアタックでうちから勝負を仕掛けることを狙いたい。それと、いいセットピースを持つことも重要。これから3年間、(目指す)方向は変えずにやっていく。

――スーパーラグビーでプレーする田中(史朗)、堀江(翔太)について

エディーHC フミ(田中)が今日は最初のファイトをしてくれた。それは日本にとって心理的にすごく大きな意味がある。日本のチームは受けに回る傾向があるが、その態度は変わってきている。フミはスペースを見つけて走り込む、素晴らしいものを持っている。翔太は今日の試合で残念がっているだろう。でも、とてもよく頑張ってくれた。」 ーースポーツナビよりーー

 若手主体だったとはいえ、ウエールズに完勝したのは凄いことだ。ラグビーはもう何十年も前から世界レベルになろうと努力を続けている。日本人監督ではなかなか成果が出ず、外国人を招致して強化に努めてきたが、エディーになってようやく実を結びつつある。古くは、「展開・接近・連続」のラグビー理論で、オール・ブラックス・ジュニアを破った、大西鉄之祐が、世界への扉を開けた。

 「スポーツにおいて、「日本代表」と共に「〇〇ジャパン」という名称を使用する慣用のルーツは大西に起因する。1966年に日本代表監督に就任する前、当時はラグビーでも「全日本」という言い方をしていたが、それではただの寄せ集めチームの名前に過ぎないとして、「いいか、君らは日本を代表して戦うんだ!よって親しみを込めてこれから『ジャパン』ということにする。」と、代表選手を集めたミーティングで説き、以後暫く、「ジャパン」といえば、ラグビー日本代表のことを指すようになった」 ーーウキペディアよりーー

 それから、伝説のスコットランドに勝利。ワールド・カップで1勝した宿沢などを経て、カーワン、エディーと外国人のHCが続く。エディーは、母国オーストラリアの代表監督まで務めた大物。2003年のワールド・カップでは、準優勝している。コーチとしてのスタートは、なんと日本である。東海大の監督をやっている。父はオーストラリア人で、母は日系アメリカ人。日本人クオーターである。妻は日本人。日本にゆかりの深い人でもある。

 いま、サッカーの方が、国際化を叫ばれていて、外国人監督が代表監督を続けているが、日本の球技スポーツにおいて、国際化を戦略としていち早く実践してきたのは、ラグビーである。エディー・ジョーンズHCが掲げる目標は、2015年W杯(イングランドほか)でのトップ10、、そして日本で開催される19年W杯の決勝トーナメント進出を、掲げる。15日ラグビーファンは、歓喜の声を上げた。実現可能な具体的な目標に向かって突き進んでいる。

 しかし、同じ15日ブラジルで行われたコンフェデレーションズカップ開幕戦の日本対ブラジルは、0−3で完敗。ワールド・カップ優勝を目指すと高らかに言っていたが、レベルが違いすぎた。本田のように自分にプレッシャーをかけるために、大きな事を言うのは結構だが、結果と全然結びつかない。長友は試合後、「ワールド・カップ優勝なんて、腹を抱えて笑われる」と自戒している。ザッケローニは、優勝なんて言っていないが、やれるんじゃないかみたいなことは言っていたが、歯が立たなかった。サッカー的な楽観論だったのだ。

 今、Jリーグのチェアマンは実はラグビー出身の大東和美。早大の2年後輩に宿沢がいる。鹿島アントラーズの社長からの転任であるが、この人は、ラグビー日本代表キャップ6という経験を持っている。ラグビー協会の人でもあり、今や、Jリーグチェアマンで、日本プロサッカーリーグ理事で、国際サッカー連盟クラブ委員メンバーでもある。ラグビー協会のことも解り、Jリーグの事も解っている貴重な人材である。こういう人の感覚も今のサッカー界には必要とされているから、チェアマンにもなったのだと思う。ラグビーのように、地に足をつけて、実現可能な明確な目標を掲げて強化をしていって欲しいと思う。


 6月18日(火) 曇のち雨 4427

 歯医者に行った。治療と歯石を取った。行き帰りの電車の中で、『仏の発見』梅原猛X五木寛之を読む。この中に、今まで解らなかった、大乗仏教と小乗仏教の違いを分かり易く書いている下りがあった。文脈の流れから言うと、西田幾多郎の哲学は、「人生の悲哀」とか「かなしみ」が根本にある。8人の子どもを授かり5人に先立たれている。友人への手紙に「小生の如き鈍き者は愛子の死といふごとき悲惨の境にあらざれば、真の人間といふものを理解し得ずと考え候」と記しているという。

五木 仏教でいうと、たとえば、ブッダの根本的な教えにしたがって、個人の解脱を目的とする、上座仏教とか上座部仏教というのがありますね。初期仏教というか、小乗仏教です。
 それに対して、大衆の幸福なくして個人の利はないとし、利他の精神を説いた大乗仏教というものが出てきますね。私はそれを、なんかあまり言葉がいろいろあるものだから、純仏教と大乗仏教と言ったほうがわかりやすいんじゃないかと思ったのです。同じように、純文学に対しての、自分の放棄というものがあるんです。自分は純文学はやれないという。
梅原 ええ。
(中略))
五木 だとすると、あとは、つまり娯楽とか大衆文学とか、人を喜ばせるフィクションの道へ進み、自分は捨てるという。いうなれば上座部仏教、修行仏教への断念というものが、スタート地点にあったのかもしれません。
梅原 それは、たいへん面白い比喩だと思います。だいたい大乗仏教の創始者というものは、ぜんぶ女色を犯しとるんですよ(笑)。大乗仏教の創始者で、空の思想を説いた龍樹という人は、若いときに、たくさんの女と交わるのがいちばん人生の喜びだと、仲間と共に身を隠す術で宮廷へ忍び込み、宮女と情を交わすんですよ(笑)。
 宮廷では、次つぎと妊娠する宮女が増えるので、きっと身を隠す術を使って忍び込む奴がいるにちがいないと、やみくもに刀で斬りつけたので、仲間はぜんぶ殺されて龍樹だかが生き残って、女色のむなしさを知ったという話があるんですわ。
五木 それは、それは、もっと早く交わってときゃよかった(笑)。
梅原 そしてまた、『法華経』など漢訳した、国王の血統を牽く鳩摩羅什も、都へ来て、昼は教典の訳をした。そして夜は、王様の命によって聖人の子孫を絶やしちゃいけないというので、何人かの宮女を与えられ、子供の生産に励んだという話があります(笑)。まあ、たいへん面白い話だと私は思いますが、この話が大乗仏教と小乗仏教のちがいを見事に示します。
五木 なるほど。 」 ーー『仏の発見』梅原猛X五木寛之よりーー

 小乗仏教と大乗仏教の違いについての文章を読んでいて、小泉八雲が、『横浜にて』で記述している仏僧との会話の中で、「私もいささか小乗についてお話ししたいことがございます」といっているが、解脱に関連した事を八雲に話したかったのかも知れないと思った。また、こういう分かり易さがないと俺のような無学な人間には解らないのだと、思った。


 6月21日(金) 曇 41040/3

 昨日の早朝行われたコンフェデレーションズカップ日本対イタリア戦は、3−4で日本が負けた。前半2−0でリードしているときは勝てるかと思ったが、甘くはなかった。

「日本代表がイタリアに3−4の敗戦を喫したコンフェデレーションズカップグループA第2節の試合については、当然ながら世界各国メディアで報じられている。

 前半に本田圭佑のPKと香川真司のゴールで2点を奪った日本だが、41分にCKからダニエレ・デ・ロッシに1点を返され、後半開始直後には立て続けに2失点を喫して逆転を許す。岡崎慎司のゴールで3−3の同点に追いついたが、最後はセバスティアン・ジョヴィンコに決勝点を奪われて敗れる結果となった。 勝ち点は獲得できず、ブラジル戦に続く2連敗でグループリーグ敗退が決定することになったとはいえ、対戦国イタリアも含む各国メディアは日本代表の戦いぶりに好意的な評価を下している。

 イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は「狂ったイタリア」「ザックが恐怖を感じさせる」と自国の代表チームの苦戦を伝えた。日本のシュートがたびたびポストやバーに阻まれたことにも触れ、イタリアは幸運に感謝しなければならないとしている。 イタリア『コッリエレ・デッロ・スポルト』も「震えるような4−3 ミス、興奮、苦しみ」とアッズーリが味わわされた苦難を強調。電子版では「武士道の基本理念のような7ゴール」と好ゲームをたたえた。

 イギリス『BBC』は「日本は本当に素晴らしく、勝利にふさわしかった」とし、解説者を務める元ウェールズ代表のロビー・サヴェイジ氏は「(12月に)フリーになる本田は多くのクラブが欲しがるだろう。素晴らしい勝負だった。ここまで今大会のベストゲームだ」と両チームの戦いぶりを称賛している。 『ESPN』は「プランデッリ率いるイタリアに対してこれほど良いプレーを見せたチームは、おそらくEURO2012決勝のスペイン(イタリアに4−0で大勝)まで遡らねばならないだろう」と日本の戦いぶりに賛辞を送った。

 『ユーロスポーツ』英国版はこの試合の両チームを採点し、イタリアのバロテッリ、デ・ロッシ、ジョヴィンコ、日本の本田、香川、岡崎の6人に最高点の8点を付けるとともに、FIFAと同じく香川をマンオブザマッチに選出。同フランス版は「日本の素晴らしい戦いによって異常な試合となったが、最終的にイタリアがグループ突破を勝ち取った」と伝えた。

 アジアのライバル国も日本の健闘をたたえている。韓国『フットボーリスト』のコラムニスト、ソ・ホジョン氏は「日本は、韓国がもう長年失ってしまっているような素晴らしいプレスとパスワークを見せた」と絶賛。Goal韓国版のキム・ヒョンミン氏も「日本のパスプレーは明らかにアジアのレベルを超えている。韓国はここから学ばなければならない」とコメントしている。 中国『中央電子台』の解説者、劉嘉遠氏は「日本の試合で最も感銘を受けたのは『自分自身を信じる』ということだ。中国のサッカーにも同じことが必要だ」と述べた。タイでは大手サッカーサイト『Soccersuck.com』が「日本のスピリットは見事だった。試合を通してアッズーリに対して攻め続けたが、最後は経験豊富な相手に屈した」と試合を伝えている。」ーーGoal.comよりーー

 「イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』がこの試合の両チームの選手たちを採点している。 『ガゼッタ』はこの試合、チーム全体への採点としてイタリアを6点、日本を6.5点と日本の方を高く採点。個々の選手でも、敗れた日本の方がやや高めの採点となった。

 日本は香川、本田、岡崎の3人とアルベルト・ザッケローニ監督の4人に最高点の7点が付けられ、その中でも香川が「左サイドで躍動」したとしてベスト選手に選ばれている。本田については「バイクのように」動き回ったと苗字にかけて称賛。ザッケローニ監督に対しても「親愛なるザックよ、日本は何て素晴らしいんだ!」と賛辞を送った。 その他の選手では、4失点を喫したスタメンDFの4人には5.5点。イタリアでプレーするインテルミラノDF長友佑都には「30分間は良かったが、その後は普通になった。と言うより『インテルミラノ化』した」と低調なシーズンを送ったチームに言及した。その他の日本の選手たちには、出場時間の短かった中村憲剛を除いて6点が付けられている。

 イタリアでは、内田篤人のオウンゴールを誘発するなどのプレーを見せたエマヌエレ・ジャッケリーニに最高の7点。マリオ・バロテッリ、セバスティアン・ジョヴィンコにそれに次ぐ6.5点が付いた。 最低点は前半途中で交代となったMFアルベルト・アクイラーニで4.5点。決定的な仕事のできなかったMFアンドレア・ピルロや、岡崎のPK獲得につながるバックパスを出したマッティア・デ・シリオなどは5点となり、ピルロについては「ザックはメキシコのようには彼に自由を与えなかった」と日本が同選手を抑え込んだことを評価している。」 ーーGoal.comよりーー

「 イタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォンは19日(日本時間20日)に行われたコンフェデレーションズカップの日本戦を振り返り、苦戦しながらも勝利を収めたことへの安堵感を口にしている。イタリア『トゥットスポルト』が同選手のコメントを伝えた。 FIFA公式データによれば、この試合で日本が放ったシュートは17本。イタリアが0−4で敗れたEURO2012決勝でスペインに打たれた14本を上回った。ブッフォンは代表マッチでこれほどシュートを打たれた経験はないと語る。

「外から見ている人たちは間違いなく楽しめたと思う。でも僕らにとっては、これだけ色々なことが起こるのは普通じゃなかった。いつもの僕らはバランスの取れたチームだ」 「代表でこんなにシュートを打たれるのは今までになかったことだ。スペインとの(EURO2012)決勝でもなかった。本当に何が起こってもおかしくなかったし、どんな結果になってもおかしくなかった。最終的には僕らにとって良い結果になったけどね」

 後半に岡崎慎司のシュートがゴールポストの内側を叩き、押し込もうとした香川真司のヘディングがクロスバーをかすめた場面や、前半に岡崎を倒してPKを取られたプレーについては次のように振り返っている。 「最初の(岡崎の)シュートに少し触ることができて、その後はうまくいった。PKはPKじゃなかったと思う。先にボールに触って、それから相手がぶつかってきたんだから」  ーーGoal.comよりーー

「先発フル出場したローマ所属のイタリア代表MFダニエレ・デ・ロッシは、イタリアメディア『Rai』のインタビューに応え、試合の印象に関して、「日本は信じられないくらい強かったよ」と、日本の健闘を称えた。

 また、「僕はこんな天候でサッカーするのを経験したことがない。68分に時計をみた時には、200分くらい既にプレーしたんじゃないかと思った」と、蒸し暑い環境の適応に苦しんだことを明かしたデ・ロッシは、「僕たちは今晩運が良かった。今後これを教訓にしたいね。結果が唯一、ポジティブな要素だった」と、内容が悪かったことを認めた。

 最後に、「イエローカードを受けてしまい、ブラジル戦に出場出来ないのは恥ずかしい。けどそれは、他のチャンスを手にする人にとっては、良い影響を与えるだろう。イタリア代表としてプレーするのはいつも誇らしい気持ちで一杯さ」と、自身は累積警告で欠場する22日のブラジル戦に向けて、コメントしている。」 ーーSOCCER KINGよりーー

 評価というのは、自分が自分に対してするモノではなく、常に他人がするのである。そういう意味で、昨日の試合は、高評価だった。日本だけじゃなく世界中のサッカーメディアがそう判断した。しかし、結果は負けである。イタリアは運が良かったと言ったが、それじゃ、日本は運が悪かったですまされるのか?負けて非常に悔しい。この気持ちは、選手が1番実感していることだろう。成長するための糧になるかか、ならないかは、今後の努力と、気持ちと、結果によって表れるだろう。ただこれは、今までの方向性が間違っていなかった事を確認できた重要な試合だった。この事をふまえて、ザッケローニ監督をはじめサッカー協会がワールド・カップに照準を合わせて戦略、戦術の精度を追求するだろう。でも、勝てば冷静に試合を分析でるだろう。これはイタリア側が言っている言葉だ。日本はそういう分析が出来るのかどうか?最後にセルジオ越後氏のコメントを載せておく。

「 「イタリア代表は中2日ということもあり、かなりコンディションが悪かった。というより、日本をなめていたのか、調整に失敗したという感じだったね。その相手に対し、4失点を喫して負けた。惜しい、惜しいとメディアは騒いでいるが、結果的にイタリアは内容が悪くても勝って、日本は1試合を残してグループリーグ敗退が決まった。この差をどう受け止めるかだ」

「勝てるチャンスはもちろんあった。それを生かしきれなかったのは、個人の問題、チームの問題、監督の問題、いろいろある。とりわけ監督の采配はやはりよく分からなかった。前半を1点リードで折り返した試合をどう運んでいくのか。ハーフタイムにどんな指示を飛ばし、交代枠をどう使うのか。酒井宏樹とハーフナー・マイクが入って何かが変わったか。なぜ最後の1枚の投入がロスタイムなんだ? これは結果論だろうか。僕はそうは思わないよ。采配によって流れを変えるのが監督の仕事だからね」

「強豪相手の惜敗、なんていう見出しが踊るのだとすれば、1998年のフランス大会から日本は何も進歩していないことになる。ブラジルには『惜敗』なんて言葉はない。今日のイタリアは、勝ってもさんざん叩かれるだろう。日本は負けたのに、ワイドショーでバカ騒ぎする。本気で世界のトップを目指すなら、そういうのはもうやめようよ」 」 ーーSOCCER KINGよりーー


 6月23日(日) 曇のち雨 30657/2

 コンフェデレーションズカップ日本対メキシコは、またも1−2で負けて3連敗。失望した。本田は明らかに疲れていたし、長谷部に替わって入った細貝は期待はずれだった。ボランチだけじゃなくて、チーム全体がどうも良くなかった。吉田が出ないから喜んでいたら、交代で出て来たときはガッカリした。こんな奴は代表に呼ばない方が良い。交代がDFからDF、次がFWからDFになったときに、ザッケローニの采配に疑問を持った。負けてて、FWを下げてDFを入れて勝つ気あるのか?と思った。これじゃ、監督交代論が出るのもうなずけると思った。

本田圭祐
「「チームとしては、ブラジル戦と違ういろいろな挑戦をして、前半に惜しいシーンもあった。どこで差が出るかというと、間延びして、スペースができたとき。コンパクトにできているときは日本の良さを出せるけど、間延びしたときに、どうしても個の差が出る。サイドでタメをつくられて、1点目もそういう失点。そこで流れが変わる。組織で戦えることは証明できたけど、個で試合を決定づけるプレーが少なかった。こっちが元気で、コンパクトに戦っているときはいいけど、間延びしたときに、こっちは3人、4人で(攻撃に)行けないのが現状」
―間延びするのは最終ラインが下がるから?
「ディフェンスのことで言えば、そういうこ俺はDFの個もクローズアップするべきだと思っている。(最終ラインが)どうしても下がるし、向こうは蹴ったボールが(前線で)おさまる。(高い位置からのプレッシャーで)ハメて、(ロングボールを)蹴らせているつもりでも、そこをつぶせない。苦し紛れのボールなのにそうなる」
―DFの個というのは、体格差もあって攻撃陣の個よりも難しいのでは?
「そういう面で見れば難しいけど、小さい体でいい守備をしている国もある。そういう事例もある。そういう能力を練習で身に付ければ補えるということ。クラブの立場、代表の立場があって、みんな同じ方向を向いてやっているけど、それぞれ課題は違うし、取り組むべき練習も違う。個人練習が許されないチームもある。そういうジレンマを抱えている選手もいる。
 個人的にはシンプルで、どういうチームに行こうが、(CSKAモスクワに)半年、残留しようが、やることは分かっている。相手も必ず間延びする時間はある。そうなったときに役割を果たせなかった。でも、果たせている時間もあった。もっと死ぬ気で、覚悟を持って取り組む必要がある。それは僕だけでなく、トレーナーだったり、“チーム本田”での総力戦」
―3戦全敗だが、直前にW杯予選もあり、コンディション面で不利な面もあったが?
「勝ち負けは力のなさ。すべてをひっくるめて実力。イタリアは中2日で僕らに勝った。どういう状況でも勝つメンタルが必要。所属チームのレベルもある。もっと高いレベルのチーム、高いレベルのリーグでプレーするべきだと思う。結果は不本意。でも現実。人のせいではなく、自分に降りかかるもの。ただ、ネガティブなことばかりを言っていてもしょうがない。ブラジル、イタリア、メキシコに勝てるクオリティー。その上にスペインもいるかもしれない。もっと高められるけど、向こうも高めてくる。その競争に勝たないといけない。日本は必ず成長しているけど、勝てないのは向こうも成長しているから。どれだけ覚悟を持ってやるか。そこが足りない」
―組織も高める必要があるのでは?
「そこは俺が言える問題じゃない。監督の指示の下、チームは組織をつくっている。監督の約束事の中で動いている。そこは監督に任せている。僕らは個人戦術のところ。でも、個人戦術は同じところでやっていても身に付かない。このレベルで、この緊張感の中でやってこそ、自然と『格』が上がっていく。個人練習では上がらない」
―「格」というのは?
「自信の差が『格』になる。百戦錬磨というか、イタリアはあんなにバテていても勝つ。負けられないプライドがある。僕らは練習でやったことを100%出そうとしている。でも、勝ち方が分からない。あれだけ圧倒しても、向こうが勝つ。点が取れない。そこが『格』。向こうには何回もスクデットを取ったり、CLで優勝している選手がいる。その差は現状としてある。逆に俺らがアジアでやるときは、そのアドバンテージがある。誇りを持って挑む。その逆パターンでやられている」
―「惜敗」と言っているようでは格が上がらない?
「格は人が判断するもの。自分では分からない。自分は負けたくないという気持ちでやっている」
―ブラジル戦でドリブルでかわしてシュートを打ったシーンなどは手応えをつかんだのでは?
「いい体勢で、いい条件下でボールを持てば、やれるシチュエーションもあった。それを90分やるのが超一流。そこは僕の課題」
―現状は8割、9割?
「もっと低い。8割、9割できれば、合格点だと思う」
―ベストオブベストのときなら?
「ベストオブベストのキャパシティーが低い。そのキャパシティーを見直さないといけない」
―ビッグクラブに行けば、自分も少し変わる?
「少しじゃない。計り知れない成長が待っている。僕は環境先行型。今までもそうだった。そのステップに行けるかどうかは分からないけど、チャンスがあると思って8月まで待ちます。W杯まで1年しかないと見てもしょうがない。1年あると思って取り組んでいかないと」
―ブラジルの観衆は日本に声援を送っていたが、来年のW杯でも同じことが予想されるが?
「それはアドバンテージですね。W杯で僕らを後押しする可能性がある。親日だなというのは感じている」
―ボール支配率はあまり変わらなかったが、シュート数は大きく下回った。
「さまざまな要素があるけど、一言で言うと、個。ゴールに持っていく力という意味で、日本は横につなぐ力はあるけど、前に持っていく力はメキシコより劣っていた」  」  ーーゲキサカよりーー

 長友も疲れから足を痛めて途中交代。本田、長友はシーズン中怪我で試合にそんなに出ていない。2人がこれじゃ、戦えない。それにしても本田の「格」発言は的を射ている。「自信の差が『格』になる。」唸ってしまう。勝負の壺というのを心得ている。自信があるから結果が出るのか?結果が出るから自信を持ているのか?つまり、この繰り返しがその国の歴史になっていくのだ。

 競馬の帰り本田の言葉を読みながら自分に言い聞かせた。吉田みたいなちょんぽが続けば「格」などと言う発言が出る余地がない。強い明確な意志と、根拠と自信を身につけないといけないと思った。


http://www2u.biglobe.ne.jp/~tougyuu/以下のHPの著作権は、斎藤祐司のものです。勝手に転載、または使用することを禁止する。