断腸亭日常日記 2010年 その21

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、2006年、2007年、2008年、2009年、2010年のスペイン滞在日記です。

99年4月15日〜5月11日 5月12日〜6月4日 6月7日〜6月10日 2000年4月20日〜4月29日
5月1日〜5月14日 5月15日〜5月31日 6月1日〜6月15日 6月16日〜6月29日
2001年4月19日〜5月3日 5月4日〜5月17日 5月18日〜5月31日 6月1日〜6月11日
6月12日〜6月22日 2002年4月16日から4月30日 5月1日〜5月15日 5月16〜5月31日
6月1日〜6月13日 2003年4月16日〜5月24日 5月25日〜6月10日 6月12日〜6月26日
2004年4月14日〜5月7日 5月8日〜5月31日 6月1日〜6月17日 2005年3月31日〜4月24日
4月25日〜5月22日 5月23日〜6月16日 2006年4月13日〜5月6日 5月7日〜5月29日
5月30日〜6月19日 2007年4月20日〜5月19日 5月20日〜6月16日 2008年5月13日〜6月16日
2009年5月25日〜6月6日 6月7日〜6月12日 6月13日〜6月22日 6月23日〜7月3日
7月4日〜7月21日 9月24日〜10月2日 2010年1月1日〜1月18日 1月19日〜2月3日
2月4日〜2月17日 2月18日〜2月27日 2月28日〜3月15日 3月16日〜3月30日
3月31日〜4月10日 4月12日〜4月20日 4月21日〜5月3日 5月4日〜5月17日
5月18日〜5月28日 5月29日〜6月7日 6月8日〜6月26日 6月27日〜7月11日
7月12日〜7月16日 7月17日〜8月4日 8月5日〜8月21日 8月22日〜9月6日
9月7日〜9月14日 9月15日〜9月24日 9月25日〜10月7日 10月9日〜10月22日
10月23日〜11月12日 11月14日〜11月26日

 11月27日(土) 晴 26951 

 JCの枠順が発表された。1番人気はブエナビスタで、1.6倍。普通に考えればブエナが勝。他に有力馬は、全て日本馬。外国馬は、スノーフェアリーが回避したので、勝負にはならないような気がする。京都に行っていたので、週刊競馬ブックも読んでいない。しかしほぼ確信的にそう思うのだ。では、他の日本馬はというと、凱旋門賞2着のナカヤマフェスタ遠征帰り。去年の菊花賞馬オウケンブルースリとダービー馬エイシンフラッシュは中間筋肉痛が出て一頓挫。春の天皇賞馬ジャガーメイルは前走負けすぎ。メイショウベルーガは、前走は勝ちパターンで負けた。このメンバーでどうかという疑問が沸く。ダービーと菊花賞2着馬のローズキングダムは悪くはないだろうと思う。でも、秋の天皇賞2着馬ペルーサが良いと思う。

 今のところ、ブエナとペルーサの馬券が最有力だと思う。京都の景色はブエナビスタ(絶景)だった。

 仙谷官房長官と馬淵国交相の問責決議が可決された。戦略も展望のない内閣。


 11月28日(日) 晴 31219

 JCを観に東京競馬場へ行ってきた。稲城にある温泉によって競馬場へ着いた時はもうパドックで馬が周回していた。ブエナビスタは変わらず良い状態をキープしていた。ペルーサは今までより落ち着いた状態で好調に見えた。しかし、あんな事になるとはな…。ヴィクトワールピサも落ち着いていた。ローズキングダムは歩きながら口を動かしていた。シンゲンはいつも様にチャカ着いている。ジャガーメイルはうるさい。エイシンフラッシュは特徴がない。ナカヤマフェスタはチャカ着いて尻尾を振っていた。こういう馬なのかも知れない。マイナス12キロのオウケンブルースリは厩務員に甘えながら歩き時々チャカ着いている。外国馬はチャカ着いて尻尾を振っている馬が多い。

 スタート前の枠入りは順調にいっていたが、パドックでチャカ着いて尻尾を振っていたジョジュアツリーが嫌がり時間がかかった。スタンドから、「早く入れ」と、声が出る。これじゃペルーサは出遅れる可能性が高くなると思った。やっぱり出遅れてレースが始まった。ペルーサは、最後方から。あーあと思った。

「■レース結果
第30回ジャパンカップはC・スミヨン騎手騎乗の1番人気ブエナビスタが1位に入線するも、最後の直線で内側に斜行し、武豊騎手騎乗の4番人気ローズキングダムの走行を妨害したとして2位に降着。これにより2位入線のローズキングダムが繰り上がりで優勝となった。勝ち時計は2分25秒2(良)。鞍上の武豊騎手は99年スペシャルウィーク、06年ディープインパクトに続き、このレースは3勝目。本馬を管理する橋口弘次郎調教師はこのレース初勝利となった。

3着はローズキングダムからハナ差で入線したM・ギュイヨン騎手騎乗の8番人気ヴィクトワールピサ。

■レース展開・総括
今回もスタートで7番ペルーサが出遅れて1馬身ほどのロス。その他の馬はほぼ揃った出だしとなった。先行争いは積極的に出て行く馬がおらず、4番シンゲンが押しだされるようにハナへ。2番ヴィクトワールピサ、10番エイシンフラッシュ、15番フィフティープルーフが3頭並んで1コーナーへ向かった。向正面に入り、11番ナカヤマフェスタが5番手、内から1番ヴォワライシ、6番ローズキングダム、11番マリヌス。中団に18番シリュスデゼーグル、12番ジョシュアツリー、5番モアズウェルズ、9番ティモス、3番ダンディーノと外国勢が縦長で追走。それから13番メイショウベルーガ。16番ブエナビスタは後ろから4、5頭目を追走。少し離れて14番オウケンブルースリ、最後方が7番ペルーサとなった。

シンゲンのリードは2馬身ほど。前半1000m通過は60秒7のスローペースとなった。隊列に大きな動きはなく、淡々とした流れ。3〜4コーナー中間、残り800mからシンゲンがリードを4馬身ほどに広げて4コーナーへ。2列目にはフィフティープルーフ、エイシンフラッシュ、ヴィクトワールピサが3頭並んで最後の直線へ向かった。ナカヤマフェスタは外、ブエナビスタは徐々にポジションを上げながら大外を回った。

シンゲンのリードは2馬身。単独の2番手にヴィクトワールピサ、その外からエイシンフラッシュ。その後ろは横にズラリと広がっての追い出し。馬場の3分どころからローズキングダム。5分どころのナカヤマフェスタは反応が鈍く、外からブエナビスタにアッサリと交わされた。残り400mでローズキングダムとブエナビスタが馬体を併せて壮絶な叩き合い。残り200mでシンゲンを交わして先頭に立ったヴィクトワールピサを追った。

200mのハロン棒を過ぎたあたりでブエナビスタとエイシンフラッシュの間にローズキングダムが挟まり、窮屈な態勢。その隙にブエナビスタが弾けるように伸び、残り100m過ぎでヴィクトワールピサを完全に差し切った。最後までビッシリと追われ、1馬身以上の差をつけてのゴール。2着争いは接戦で、体勢を立て直したローズキングダムが外からヴィクトワールピサをハナ差、差し切った。

ブエナビスタの走破時計は2分24秒9。スローペースの展開で大外を回っても、前走天皇賞(秋)同様、素晴らしい末脚で突き抜けてみせた。しかし、レース後に長い審議となり、前述したローズキングダムの不利の要因がブエナビスタの斜行によるものとの判定。これにより2位へ降着となってしまった。昨年の秋華賞でも降着で2位入線から3位となったことがある馬だが、今回は完勝とも言える内容だっただけに残念だ。

繰り上がりとなったローズキングダムは最後にヴィクトワールピサを際どく差し切ったことで幸運が転がり込んできた。クラシックは未勝利で終わったが、3冠すべてに参戦できた順調さ。そして善戦してきた地力の高さがあった。3着ヴィクトワールピサもフランス帰りながら好枠を利して、見せ場十分の走りを見せた。」 ーーJRA・VANよりーー

 レース後は、長〜い審議だった。スタンドの観客は殆どそのまま残って、レースの再生をターフビジョンで観ている。最後の直線で、1着入線のブエナビスタが内に切れ込んでローズキングダムに寄っている。しかし、ローズの内ではもう息が上がっているエイシンがフラフラしながらよれてローズに寄ってきている。横からのカメラアングルだと解らなかったが、ヴィクトワールも息が上がり苦しがって内から外によれて来ている。ヴィクトワールが外によれ、ブエナが内に切れ込み馬体を合わせてブエナが交わして完勝のゴールだった。しかし、ブエナとヴィクトワールの間に挟まれてローズは行き場をなくして、しかも横からはエイシンにも体当たり寸前の状態だった。この3つの状態が重なってローズがフリを受けた。審議では、ブエナの降着になったが、ヴィクトワールピサの斜行は、エイシンの斜行は降着の対象になっていないのだ。どうも納得できない審議結果だ。

「レース後のコメント
1着 ローズキングダム 武豊騎手
「今日はこれまで2戦と比べても、妙に馬が落ち着いていて、戦前は『これはどうかな?』と感じていました。内枠が欲しかったので、6番枠はよかったですし、1コーナーへの入りはエイシンフラッシュのすぐそばで、いい感じでした。道中は行きっぷりが良すぎるぐらいで、馬をなだめるほどでした。直線も不利はありましたが、そこまでは前も開いて、しっかりと伸びてくれました。GIを勝てたことは嬉しいです。今年は怪我もあり、いい馬に巡りあえないかもしれないと思っていましたが、こういう素晴らしい馬に会えて、勝利をプレゼントできたことが本当によかったです。次は1位入線で1着になりたいと思います」

橋口弘次郎調教師のコメント
「勝ちましたけど、複雑な気持ちです。秋3戦目、関東への輸送でしたから、春のように体も減るのかと思いましたが、菊花賞からマイナス2キロ。確実に馬が成長してくれています。菊花賞は位置取りが後ろすぎましたが、今日は思い通りの位置につけて、しめしめと思って見ていました。直線、不利はありましたが、そこから見せてくれた根性には目を見張るものがありました。最後のひと伸びとあの根性は本当に素晴らしかったです。これだけのメンバー相手にやれましたし、次は有馬記念に正々堂々と向かいます」

2着 ブエナビスタ C.スミヨン騎手
「ゲートを出て他馬に寄られて躓いて、後方寄りのポジションになりましたが、馬を信じて行きました。直線は内から来た馬(ヴィクトワールピサ)が隣の馬(ローズキングダム)に寄って、その隣の馬がこちらに来たので手前を替えてしまい、内にササルような感じになりました。ここは日本なので日本のルールに従います。次に向けて頑張りたい。それでもブエナビスタの力は証明できたと思います」

3着 ヴィクトワールピサ 角居勝彦調教師
「ギリギリまで走って、厳しい競馬でした。レースの後、ジョッキーからは若干距離が長いと言われました。このあとはオーナーと相談になりますが、距離が長いというならドバイを選択肢に入れて考えたいと思います」

4着 ジャガーメイル R.ムーア騎手
「自分のリズムで走るまでに時間がかかりました。ブエナビスタをマークして進みましたが、勝負どころであっという間に離されてしまいました。この馬の力は出せたと思います」

5着 ペルーサ 安藤勝己騎手
「ゲートで待たされている間、だんだんテンションが上がって、ゲートを飛んで出てしまいました。そうなると位置が後ろになって、腹をくくるしかない。直線も馬群をぬいながらあそこまで来るのだから、力はあります。まだ3歳ですし、これからですよ」

6着 メイショウベルーガ 池添謙一騎手
「スタートから積極的に出して行きました。リズムよく勝負どころも我慢してレースができました。直線、外の馬に馬なりで交わされてからもよく頑張ってくれました。力をつけているし、これからが楽しみです」

8着 エイシンフラッシュ 内田博幸騎手
「もう少し馬の後ろにつけたかったのですが……。久々だったし、まだ3歳ですからね」

12着 シンゲン 藤田伸二騎手
「ゲート早すぎるのもなぁ。最悪、こういう展開になるかもと思っていたんです」

14着 ナカヤマフェスタ 蛯名正義騎手
「なんだろう、久しぶりのせいかな。ペースも遅くて、いい感じで思い通りに行きましたが、最後は伸びなかったですね」 」 ーーラジオNIKKEIよりーー

 降着で優勝を逃したスミヨン騎手は、「ここは日本なので日本のルールに従います。」と、潔いコメントだ。調教師の松田博資のコメントが出ていないが、さぞ悔しかっただろう。馬連、馬単を買っていたが、この降着で馬単が外れになった。ガッカリだ。今日は、午前中のレースから殆ど当たりで、良い感じでJCもブエナが完勝して非常に良い気分だった。それが、長い審議の間、ターフビジョンに映される再生を何度も観たが、ブエナが降着になるとは思わなかった。審議の後、降着が発表されると、観客は何ともいえない溜息のようなものがスタンド全体と覆った。優勝ジョッキー武豊とアナウンスされターフビジョンに写真が映るとスタンドのあちこちで笑い声が聞こえた。失笑である。明らかに馬鹿にした笑い声だ。

 武豊も上手いよな。まるでサッカー選手のように不利が大きかったとという風なアクションをしている。その後、立て直してヴィクトワールピサを交わしたのは立派だが、交わせる程度の不利しかなかったという証拠だろう。そうまでしてGTを勝ちたいか?大体、武という名前が気にくわない。武じゃなく、たわけだ!むかついてくる。ただ、プレゼンターで岡部幸雄とキャッシュ・アスムッセンが登場して花束を送り、武豊と一緒に笑顔で記念写真に収まっているのを観たら怒りが少しずつ収まってきた。予想は完勝だった。しかし、勝負に勝って、レースに負けた。今日は競馬が悪かった。


 11月29日(月) 晴 13198

 JCは、1着から8着まで日本馬が独占した。そういう意味では、JCが始まった30年前と比べれば凄い進歩である。降着で優勝したローズキングダムと降着になったブエナビスタは、同一馬主でサンデーレーシング。生産も同じでノーザンファームである。違うのは、所属厩舎と騎乗した騎手である。サンデーレーシングとノーザンファームは社台が3つに分かれた内の1つでどっちが勝っても良いのだろうから、調教師や騎手の話が裁定に影響したはずだ。どうも納得がいかない裁定だ。

 断捨離という言葉があるというのをMEGUさんに教えて貰う。断る、捨てる、別れる事らしい。部屋にあるいらない荷物を整理して捨てて新しい人生に変える。この1週間は断捨離しようと思う。そして、東京を離れることも真剣に考えてみよう。


 12月1日(水) 晴 47858/2

 ブエナビスタの降着にどうも納得がいないと思っていたら、サンスポに以下の記事が載っていた。

 「上り詰めた世界の頂点から、まさかの転落劇が待っていた。堂々と先頭でゴールを駆け抜けたブエナビスタは、24分間にも及ぶ長い審議の末、走行妨害によって2着に降着。史上初の牝馬による天皇賞・秋→ジャパンC連覇も、強さに酔いしれたファンの熱い声援も、ウイニングランを終え、投げキッスを繰り返したスミヨン騎手の喜びのパフォーマンスも、すべては夢の出来事となった。 後方10番手から大外を回って直線に向いたブエナは、豪快に突き抜けて、2位入線のローズキングダムに1馬身3/4差をつけてフィニッシュ。しかし、その直前に問題のシーンがあった。 抜け出す際に内のローズと接する形となり、さらに内にいたヴィクトワールピサが外へ進路を取ったため、真ん中のローズの進路が狭くなった。そのまま内に切れ込み続けたブエナは、残り200メートル地点でローズの前をカット。武豊騎手が大きくバランスを崩し審議の対象となった。

 3分遅れの午後3時23分発走となったレースが終了後、10分、15分と経っても着順が確定しない。見守る関係者が不安になり出した3時45分頃、スミヨンと松田博資調教師が裁決室へ。さらに5分後、裁決委員が、ホワイトボードの暫定1着欄に記された“16”の馬番を赤い丸で囲み、2着欄に記されていた“6”の馬番の後に矢印を引く。それが、降着の瞬間だった。 場内放送で降着が伝えられ、着順掲示板の1着と2着が入れ替わると、スタンドからは大ブーイング。10万6000人を超える場内は騒然となった。単勝オッズ1・9倍の断然の1番人気馬の降着で、的中だったはずの約5億円の馬券も、紙くずとなってしまった。

 スミヨンは「内から来た馬とぶつかったときに手前を替えて、内によれてしまった。ファンには迷惑をかけたが、ブエナビスタの力は証明できたのは確かです」。凱旋門賞を2度制している名手はパートナーの力を称えたが、裁定には納得はできなかった様子。12月4日から12日まで、開催日4日間の騎乗停止処分となり、再度、JRAに30分ほど説明を受けたが、「これで日本のジャッジが下手だということを、世界に配信することになるだろう」と憤慨した。

 記念すべき30回目の開催は思いも寄らぬ結末となったが、ブエナの強さが際立っていたことは事実。再びスミヨンとコンビを組む有馬記念(12月26日、中山、GI、芝2500メートル)でリベンジを目指す。」 ーーサンスポよりーー

 「松田博調教師は「あのぐらいなら普通やと思うが」と憮然とした表情。ただ、降着の結果そのものより、24分間にも及んだ審議に憤慨とした様子で「裁決ももっと早く決めんと、ファンにも迷惑がかかる。アカンならアカンでもいい。裁決に呼ばれて青い顔で説明されても困る」と話した。

 ブエナビスタの上がり3ハロン33秒5は、ペルーサと並びメンバー中最速。直線で見せた切れ味は降着とはなったが、強さは存分に見せつけた。 「またケチがついてしまったが、あれだけ強い競馬をしているし、勝とうが負けようがジョッキー(スミヨン)は自信を持って乗ってくれたんやけど…」。松田博師は厩舎地区で上がり運動(引き馬)を行っていたブエナビスタの歩様を確認して、ハナ面を軽くひと撫でして、激走を労った。

 次走はファン投票で第1位の支持を受けている有馬記念。「少しでも悪いところ(疲労など)があれば止めるかもしれんが、スミヨンが(短期免許で)いる間に使ってやらんとな」と、スミヨンとともに改めて頂点を目指す。斜行で自身2度目の降着となったが、これで評価が下がる訳ではない。屈辱をバネにして、さらなる高みへ。この悔しさは、暮れのグランプリで晴らしてみせる。」 ーーサンスポよりーー

 「4着ジャガーメイルのムーア騎手も、今回の裁定に疑問を呈した。英紙「レーシングポスト」の取材に対して、「これは間違った決定だ。チャンピオンが求められていたのに、チャンピオンは誕生しなかった。レースにとっても恥ずべきことだ」とコメント。第三者の立場から、降着に値しないという見方を示した。」 ーーサンスポよりーー

 スミヨンの「これで日本のジャッジが下手だということを、世界に配信することになるだろう」とか、松田博調教師の「あのぐらいなら普通やと思うが」という言葉には納得する。しかし、降着になった当事者の言葉。僕は納得するが客観性があるのか?そこにレースで4着になり後ろから見ていたムーアの言葉が客観性を持たせる。「これは間違った決定だ。チャンピオンが求められていたのに、チャンピオンは誕生しなかった。レースにとっても恥ずべきことだ」とコメントである。この記事を読みながらJCを考えていた。裁定がおかしいことは良くあることだ。野球でもサッカーでも誤審は良くある。日本競馬の裁定の非道さはは明確な基準がないことだ。JCのブエナビスタの脚色は明らかに他の馬と違っていた。ローズキングダムは、ブエナとヴィクトワールの間に挟まって不利を受けたが、それがなかったら優勝できたかと言えば、そういう脚はなかった。だから降着にすべきではないのだ。昔、天皇賞・秋でメジロマックイーンの馬主北野ミヤが激怒してマックイーンは有馬記念には出さないと宣言した事があってJRAが慌てた事があったが、ミヤ婆さんのの様に馬主が激怒してもおかしくない様 な裁定だった。1着2着が同じ馬主だった為にそういうことにはならなかったが…。

 ピカソの絵が260点新たに発見された。66億円相当の価値があるという。所有者は、出入りの電気技師で、ピカソや、妻に貰ったものだという。マドリード郊外にピカソの散髪をやっていた床屋が、ピカソから貰った絵などを出身地の役所に寄付してそこに小さな美術館を作って公開している所があるが、そういう風にピカソは自分と関係した人に絵をあげていたようだ。今回のこの作品群は違法に所持していた可能性が高いと言うことで、捜査当局から電気技師が取り調べを受けているという。絵も没収されているようだ。不思議な事だ。不思議といえば、バルセロナがレアル・マドリードに5−0で勝った。こんな事が起こるのかとビックリした。ついでに書けば、アイルランドの金融不安から、スペイン・ポルトガルへの懸念が広まってユーロは108円台になっている。


 12月3日(木) 雨 40290/2

 凄い雨が降っている。サンスポに、面白い記事が載っていた。JCの降着処分についてJRA審判部部長補佐とのインタビューが載っていた。

 「−−スミヨン騎手が不信感をあらわにして、ムーア騎手も疑問を呈した今回の決定。外国人騎手が日本の裁決に不満を持つ実情をどう感じるか
 中村嘉宏・JRA審判部部長補佐「日本では、各騎手がきれいな競馬をするように心がけています。これに対して、外国から来る騎手は確かに優秀な実績がありますが、スキあらば狭いところを突くという競馬が身についています。騎乗馬の力を発揮することが第一なのは確かですが、そこに神経が行き過ぎると、我々から見ると荒い競馬になってしまう。日本の競馬施行形態の中では、レースを乱してしまうところがまま見受けられます」
 −−施行規定は世界で統一されていないのか
 「世界的に統一されたルールはありません。施行されている国の統括団体が定めたルールに基づいてレースをすることが前提です。日本では日本のルールに則ってもらうことになります」
 −−日本と諸外国との間ではどのような違いがあるのか
 「英国、アイルランド、香港、豪州、ドバイなどは、脚いろや着差を重視する傾向があります。制裁するかしないかは別ですが、加害馬の脚いろが明らかに違って、被害馬に大きく先着した場合などは、そちらに重きを置いて(着順を変更しないなどの)判断をするようです。逆に日本や米国は、被害馬の程度を重視します。フランスはこの中間になるでしょうか。ムーア騎手の感想も、英国の騎手だからだと思います」
 −−今回のブエナビスタの場合、脚いろは上回っていたように見えるが
 「JRAも脚いろをまったく見ないわけではありませんが、被害馬の能力発揮への影響度が重大だと判断すれば、降着の対象になります」
 −−08年のオークスでは、優勝馬トールポピーが降着にならず、騎手は騎乗停止となった。こうしたケースとの違いを改めてうかがいたい
 「あの時は、影響を受けた馬の数は多かったのですが、個々についてみれば影響度で重大な馬はいませんでした。ただ、修正せずに斜行をしたことが制裁の対象であり、着順の変更はなかったのです。我々は斜行の程度ではなく、あくまでも被害の影響度を見て判断します。この時の映像は、裁決委員の国際会議でも上映しましたが、米、仏の担当者も“着順を変更しないだろう”という意見でした。また、この件からは対外的な説明も必要だと判断し、JRAのホームページで裁決の基準を細かくご説明させていただいております」
 −−確定までに時間がかかったことへの批判については
 「今回は3カ所の審議事象があったことに加えて(意思疎通に時間を要する)外国人騎手も関係したため、時間がかかってしまいました。この点に関してはファンの皆さまにご迷惑をおかけして、大変申し訳なく感じております」
 −−関係者に事情を聞くことを疑問視する声も出ているが
 「我々が被害馬の騎手から話を聞くのは状況を確認するためです。映像だけでは足りない部分もあり、参考に聞いています。到達順位の変更がない場合の確定前に被害馬の調教師に声をかけるのは決定事項の通達で、不服申し立てにつながる手続きの有無を確認する意味合いがあります」
 −−フェアな競馬と、ギリギリの迫力ある競馬は、両立しないようにも思える
 「いい意味でギリギリの技術を駆使することは大切ですが、何よりすべての馬が能力を発揮し切ったうえで着順を得ることが望ましいのです。フェアなレースをして勝ってこそ称賛される…という基準は、日本人の国民性からも受け入れられているのではないか、と個人的には思っています」 」 ーーサンスポよりーー

 新聞には、取材後記という記事があって、そこには、「あいまいな基準」と思われてきたJRAの審議基準は、「すべての馬が能力を発揮し切ったうえで着順を得ることが望ましい」という大前提を明言。「フェアな競馬を徹底することが日本人気質に合う」という意見も新鮮だったとしているが、「当事者の意見に左右される」「基準が一定ではない」という裁定批判が今でも関係者から数多く聞かれる。外国人騎手に対しても、免許を与えた時点でジャッジの違いを明確に伝えなければ同様の悲劇が繰り返されるに違いない。腕達者な外国人騎手が日本の基準を十分理解し、日本人騎手も世界に通じるワンランク上の技量を身につけ、よりいっそうフェアで迫力ある競馬が展開されることを望む。と、締めてある。

 記事を読んでいて、言っていることは判るが、やってることが理解できない。今まで不審に思う裁定がいくつあったことか。しかし、この裁定をよしとしているのが、清水成駿。配信されてきたメールには、「【名手スミヨンの焦りを誘った大外枠】
 東スポ1面のサブタイトル通り、ジャパンCのブエナビスタには「落し穴」があった。むろん、それが「降着」とは思いもよらなかった。ただ、降着の大本を辿れば8枠16番の大外枠。「スローの大外枠は楽じゃない」と指摘したように、案の定、名手スミヨンの小さな焦りを誘った。 スミヨンの小さな焦りが大きな動揺に変わったのはスタートのすぐ後。 おそらく外から内目狙いは端からの作戦。が、そこで第一のアクシデントが起こった。ビデオには映っていないが、内に切れ込む際、メイショウベルーガと接触。ブエナVは大きくバランスを崩した。結果、馬体を立て直して位置取りは後方から5番手。が、その後はさすがスミヨン。動揺を隠し、直線勝負にすべてを託した。

 直線は大外から内に切れ込みながら申し分ない伸び脚。その時、最内からギュイヨンのヴィクトワールピサ(過怠金1万円)が外に張り出してきた。結果アンコの形で挟まったのが武豊のローズキングダム。が、そこまでで終わればレースは着順通り確定していたはず。が、その後がいけない。 勢いのついたブエナVはさらに切れ込み、完全にローズKの進路を遮った。それもローズKが、「さあーこれから」という時。武豊は手綱を引き、ローズKにブレーキがかかった。残りわずか150m。まともに追えない。最後は流しただけでヴィクトワールPを交わした。一言で馬が強い。並みの馬にはとてもできない。同時に交わしたからいいようなものの、これで交わせず3着だとしたら一体どのような裁定がくだるのであろうか。

 それに比べれば決して今回の裁定は難しいものではない。念には念を入れるのも結構だが、パトロールを見れば誰の目にも降着は明らか。25分もかかるような審議ではない。これも明確な基準と絶対的な権限を持たない裁決の失態。時間がかかればかかるほど、あらぬ流言が飛び交う。公平・正確はむろんのこと、迅速も裁決になくてはならない重要な要素であることを肝に銘じて欲しい。

 まともなら7対3でブエナVが勝っていたと思われるファンの方が多いはず。が、それはわからない。少なくても13/4馬身差はない。どちらが勝ったにしろハナかアタマの接戦。それくらい際どかった。ただし、JCにおける消耗や摩耗はブエナVの方がはるかに大きい。こういう燃焼の度合が密接にかかわってくるのが次の有馬記念。おのずから結論は出よう。

 それにしても今年の3歳3強、いやペルーサを加えた3歳4強はハイレベル。 直前の追い切りで2歳に煽られたヴィクトワールPが3着。5着に最後まで何もできなかったペルーサ。それでも上がり33秒5はブエナVと並ぶ最速タイ。何もしていないのだからほとんど消耗もない。こういう馬が有馬ではもっとも怖い。中山は初コースでも2500のコーナーは6回。団子になれば突き抜ける可能性がある。菊を回避して何とか間にあったエイシンフラッシュが一番悪い8着。それでも格好はつけた。いずれも有馬が楽しみな3歳精鋭。」 ーーSUPER SELECTION メールマガジンよりーー

 清水の文章を読んでいて、それは自分の予想通り来たからその言い訳を書いているように思えてしまう。スタート直後のつまずいたことやその後のことはよく見ているが、ローズキングダムに脚があったというのは、どうしても疑問を持つ。それはレース・ビデオを観れば判ることだ。こういう書き方は清水にしては潔くない!

 ワールド・カップは2018年がロシア。2022年がカタール開催に決まった。


 12月4日(土) 晴 34112

 今日は中山競馬場へ行ってきた。出世レースの葉牡丹賞は、人気のトゥーザヴィクトリーの子供、プルスウルトラは、大差のしんがり負けで、最後は歩くようにゴールを過ぎていった。心房細動でも起こしたのだろうか?良いタイムで勝ち上がったショウナンパルフェ。4着までが、ハナ、首、1/2馬身差という0.3秒差の僅差の戦いだった。どうなんだろう?と、思ってしまう。中山のメインはステーヤーズ・ステークス。パドックで観ていたら1番人気のトウカイメロディはいらないと思った。落ち着きがない。小股で歩いているが、どうもオシメをしたような歩き方をしていた。フォゲッタブルは良かった。ネヴァブション、ジャミール、モンテクリスエスも良い。エアジパングはゴツゴツした歩き方でとても買えない。そして、もう1頭良かったのがコスモヘレス。落ち着いてゆったり歩いている。前髪を真ん中から分けて澄んだ目をしていた。レースは、ゴール前、そのコスモヘレスが突っ込んできて優勝。選んだ5頭が1着から5着までを独占。しかし、買おうか迷って買わなかった馬が優勝したのでダメだった。あー自分の目を信じろ!変にデータを観なければ良かった。競馬はある意味、 閃きが必要だ。閃いたときそれを生かせないのがダメなのだ!

 阪神のメインは、鳴尾記念。人気の3頭の決着。ルーラーシップ、ヒルノダムール、リルダヴァル。1/2馬身、首差。タイムは1分44秒9。接戦だったが優秀なタイムだった。3歳馬が3着まで独占。今年の3歳は強い。そして、阪神の6レース芝1400m新馬戦を勝ったノーブルジュエリーは、1分21秒3で、2着に9馬身差をつける圧勝だった。この馬、化け物かも知れない。追っただけで、ムチを使っているシーンはVTRには映っていない。新しい桜花賞候補の誕生だ。タイム比較をすれば、最終レースが1000万条件で同じ芝1400mで1分21秒0。0.3秒しか違わない。しかもムチを入れず。遜色ないタイムというのは相当の器だと言うことだ。

 競馬場は日陰にいると寒かった。阪神の最終レースを取ったので懐は寒くならなかった。暖かい電車に乗って帰ってきたら汗をかいて寝ていた。京都から帰ってきて10日弱になる。今年のスペイン旅行より印象深かったかも知れない。


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