−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−
por 斎藤祐司
過去の、断腸亭日常日記。 −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−
太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、2006年、2007年、2008年、2009年のスペイン滞在日記です。
1月19日(火) 晴 30931
トレオ・デ・サロンをやっていて気付いたことがある。カポーテを振っていて、カポーテの開き具合が良くないのだ。闘牛学校の教授が持っているカポーテも、生徒が持っているカポーテも、振ればちゃんと綺麗に開いている。そこでDVDを見直していて気付いたことがある。カポーテに付いている折り目が、僕等がカポーテをたたむときと全然違っていることが解った。では、どういう風に折りたたんで仕舞っていれば使うときに、使いやすい癖がカポーテに付くのだろうか?それが課題だった。
DVDを観ていて、真ん中に付いている折り目がいつも綺麗に見えている。カポーテの先、つまり持ったときに下の部分になるところが、開いた状態になっている。僕等のは、縦に折り目通り重なってしまう。その違いが1番大きかったのだ。折り目が縦に重なるということは、と、思って観ていると、カポーテを持つ部分当たりに地面に直角に折り目があることに気付く。左右の手で持つ部分の近くだ。その線が見えたときに、希望が見えた。さらに見続けていると、カポーテの下の部分に地面と平行に走る折り目を発見した。
この2つを組み合わせて折れば、仕舞うときの折り目にしておけば、カポーテを振ったときにちゃんと開いてくれる癖になるのだろうと思ったのだ。そこでそれを実行に移した。そして、カポーテを振ってみたら、以前よりカポーテが開きやすいように癖が付いているようになった。しかも、この折り方だと、仕舞うのにかさばらないという利点まで発見した。
今年、ホセ・トマスはバルセロナに2回出場すると、トニョ・マティジャがラジオで語ったという。7月と、9月の最後を飾る、フェリア・デ・ラ・メルセ。これで大体のめどが付いた。あとは、7月のいつ出場するかということだけだ。9月は行けるかどうかは解らないが…。
TVで、ハイチの大地震についてやっているのを観て、相当深刻な状況であることを知った。死者が、5万から29万人という情報は知っていたが、食糧支援が必要な人たちが全人口の1/3に当たる300万人に達するというのには驚きだったし、政府官庁は軒並み全壊状態で、大地震の状況把握も出来ない状態で、頼りになる国連も、現地本部が全壊してスタッフの多くが死亡行方不明になっている。その少なくなった状態で食糧支援をするのはタダでさえ大変なのに、治安悪化で武装した兵士に守られながらでないと食料が配れない状態だという。配れば配ったで、不平不満が配給するスタッフやNGOに浴びせられるという。非常に深刻で国家を維持することが難しいとさえ感じた。
1月20日(水) 晴 5191
♪おいらが恋した女は
港町のあばずれ いつも
ドアを開けたままで着替えして
男達の気を引く浮気女
かもめ かもめ 笑っておくれ♪ ーー作詞:寺山修司ーー
浅川マキが死んだ。「2010年1月17日、ライブ公演で愛知県名古屋市に滞在中、宿泊先ホテルで倒れているのが発見され、搬送された病院で死亡が確認された。享年69(満67歳没)。愛知県警察中警察署によると、死因は急性心不全とみられる。」 ーー中日新聞よりーー
寺山修司と共にアンダー・グランドから出て来た、夜の女の雰囲気を感じさせるお姉さんだった。声もリリーよりは派手ではないがだみ声で、昔渡辺貞夫を出したライブハウス、ピット・インでジャズ・トランペッターの近藤等則との競演を観たことがある。タバコが似合う女だった。心不全なのに最後までタバコ吸っていたんだろうなぁ。俺も医者にタバコを辞めるように勧められているが辞める気がない。そして、「時代に合わせて呼吸をするつもりはない」という独特の美意識を持っていた。『かもめ』『夜が明けたら』は、よく聴いた曲だった。阪神大震災15年目の日の死だった。最近、よく死ぬなぁ。有名人が。毒が強くあまり好きではなかったが男気があったミッキー安川も死んだ。
17日の結果。 アルメリア(コロンビア)。ミックス闘牛。騎馬闘牛士、ファン・ラファエル・レストレポ、耳なし。闘牛士、エスプラ、耳2枚。ルイス・ボリバル、耳2枚、シンボルとしての耳2枚(牛、インドゥルト)。
アグアスル(コロンビア)。ミックス闘牛。騎馬闘牛士、アンドレス・ルイス、耳2枚。闘牛士、パコ・ペルラサ、耳2枚。ガブリエル・ピカソ、耳1枚、シンボルとしての耳2枚(牛、インドゥルト)。
1月21日(木) 晴 32157
昨日は春の陽気で暖かかった。今日の昼は昨日の陽気を引きずって温かかったが、日が暮れたら寒くなってきた。明日からはまた冬の状態に逆戻りするという。こういう翌日との10℃くらいの気温の変化は体にこたえて風邪などをひきやすい環境だ。床屋に行ったら知り合いの親が死んで葬式をしようとしたら、火葬場が一杯で1週間待つように言われたそうだ。今の時期は、人が死ぬ季節なのかも知れない。
トレオ・デ・サロンをやっているが、カポーテのたたみ方を変えたら、非常に良い具合になってきた。あとは自分のトレアールを体に染み込ませていかなければならない。
20日の結果。 レオン(メキシコ)。カステージャ、耳1枚が2回。コヒーダされ血を流していた。アルトゥロ・マルシアス、耳なし。
1月22日(金) 晴のち曇 5268
昨日、採血をした。前日の夕食後から食べ物と糖分を取らない状態で病院に行った。食事や糖分を取ると数値が変わるからという。しかし、考えてみれば、日常生活はそういういう風に日に3食を取って、または間食したり砂糖入りのコーヒーやジュースなどを取っているのが当たり前なのでこの当たり前の状態の数値が重要な気がするが、そうすると数値が一定にならないからという事なのだろう。数値がどうなるかは来週判るだろう。つまり1ヶ月前から飲み始めている薬が効いているかどうかというのがそれで判るのだ。
僕の見立てだと、今年のサン・イシドロは、5月7日の金曜日から始まり28日土曜日に終わる。29日が騎馬闘牛で、アニベルサリオは6月1日から6日まで。その前にコムニダが5月2日前後のあるはずだ。ホセ・トマスの出場は6月3日。上手く行くともう1日出場する。7月のバルセロナ出場が何日になるか。それによって今年のスペイン行きの予定が変わってくる。去年と同じように第1週の出場なら問題ないが、第3週や4週なら問題だ。そうなった場合は2ヶ月のチケットじゃなく3ヶ月のチケットにしなければならなくなる。何故なら5月23日ビルバオを観るからだ。だから、初めからサン・イシドロを観れるスケジュールになるか、途中からになるかはホセ・トマスのカルテル次第になる。
ところで、闘牛関連のHPでは、5月22日23日のビルバオのホテル2泊付きの切符が売り出されたが、4つ星ホテル2泊で446ユーロ。そのホテルを調べたらその2日で、321ユーロ。切符代が、125ユーロと、手数料が12ユーロかかる。切符はテンディド・ソルの9列目から11列目。因みにもう少し調べたら、切符を売り買いするサイトの1つでは、23日の1番安いのは、グラダ・ソルで、80ユーロである。おいおい、凄い値段になってきた。これじゃラス・ベンタス闘牛場の切符はいくらになるのか?想像を超える値段になるだろう。今から思いやられる。因みにサン・イシドロのアボノは、テンディド・ソンブラで6000ユーロ、テンディド・バッホのソル・イ・ソンブラが2830ユーロで売りに出ている。これがホセ・トマスが出場するアニベルサリオも含まれるのかどうかは定かではない。多分含まれていないだろう。
21時からのNHKニュースで、新橋駅前で路上ライブをやっている車椅子の女性、濱田朝美さんを紹介していた。言語障害者で重度身体障害者。今はマイクも持つ力もなくなり、生活保護と身障者保険を切りつめて歌っているという。立ち止まって聴く人たちは、「自分も一生懸命生きないとと感じます」「こういう人もいるんだなと感動して涙が出来ます。自分も負けないでやって行けなきゃなぁと思いました」通い続けたある医者は、「歌を歌うだけで困難なはずなのに、聴いているとちゃんと音程が合っているんですよね。そういうところも凄いんです」彼女は、自宅から3時間かけて新橋駅まで通っているそうだ。母親にかわいがられて育ち、病気になり体の力がなくなる。歌手になりたいという彼女を応援していた母親は7年前に死んだ。天涯孤独になっても、それでも上京したのは、母との約束があるから。こんな体になっても、自分をかわいがってくれた母がいるから明るく歌いたいと…。「夢はあきらめません。命を削って育ててくれた母の努力が無駄になってしまうから」。その彼女の歌を人生の応援歌として聴く通行人も多いという。励まし、励まされ…。健常者が歌った歌なら、感動し
ない。あの体の歌なら…。でも、その歌を聴いて涙を流して感動する人たちがいるという事実は、強烈インパクトとシンパシーを感じるのは何故なんだ!!!
1月23日(土) 晴 19698
小沢一郎は今日の午後、検察からの事情聴取に応じる。「小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る事件で、小沢氏に対して23日、東京地検特捜部による任意での事情聴取が行われる。小沢氏側は終了後、検察側に説明した内容を文書にまとめ、国民向けに「声明文」のような形で公表する意向。小沢氏は20日に党幹部らとの会合で「この問題で近々中に国民の理解を得られる状況を作れる」と話していた。」 ーー毎日新聞よりーー
昨日先生とTELで話をした。セルバンテスの打ち合わせ。どういう風にするのか訊きたかったのだ。明日、スタジオで他の3人に話して予定通りにするのか他の案があるのか訊いてみてどうするか決めようと思う。
1月24日(日) 晴 28820
朝、安田スタジオに集まってトレオ・デ・サロンをやった。構成するプログラムをを2回通しでやった。あとはそれぞれが練習して本番を迎えることになる。終わったあとは万希ちゃん、知香ちゃんと昼食。先週はインド・カレーで今日はトルコ料理。ケバブを食べる。ビデオは自分で撮るしかない。問題はトレオ・デ・サロンの撮影。あれに頼もうかな。
先週今週と競馬は、好調。そして、絶好調なのは横山典弘。2週続けて重賞勝ちをおさめ、先週6勝、今週も6勝の固め打ち。今日は5勝。リーディングも19勝でトップをひた走る。2位が武豊の13勝。武は芝では1勝しかできていない。兎に角乗り方がそつがない。昔は直線一気のごぼう抜きを得意としたが、今はそつなく番手勝負で勝ち星を重ねている。本当に頼もしい騎乗だ。来週から東京競馬場に開催が替わる。典弘が得意とする馬場で益々活躍して欲しい。
1月26日(火) 晴 28592/2
病院に行ってきた。採血の結果が出た。数値は、改善された。問題の数値以外にも、改善された数値が並んだ。このまま薬を飲んでいけば良いという。タバコ、塩分、糖分、脂分を抑えて血圧を下げることが悪玉コレステロールを減らす道だという。タバコは辞めるつもりはないというと、本当は辞めた方が良いですが、出来ることからやりましょうと言われた。
『美の旅人 スペイン編T』伊集院静著読了。ホセ・トマスはマドリードに2回出場することになった。
24日の結果。 メキシコDF。ホセ・ルイス・アンヘリノ、口笛。マンサナレス、耳1枚。ホセ・マウリシオ、耳なし。 ボゴタ(コロンビア)。フリ、耳2枚。ファンディ、耳1枚が2回。ファン・ソラニジャ、耳なし。 レオン(メキシコ)。悟る子、耳2枚。イグナシオ・ガリバイ、耳2枚と尻尾1つ。カステージャ、耳なし。
1月27日(水) 晴 5324
闘牛のカルテル情報が続々入ってきている。去年ホセ・トマスを7回観た。5月26日コルドバ。6月12日グラナダ。14日トレド。21日レオン。24日バダホス。7月5日、9月27日バルセロナである。それでは今年はカルテル情報を基に今考えられる物を上げると、去年と同じところに出場するとして、今年はそれ以外には、5月23日ビルバオ。6月上旬にはマドリードに2回出場。中旬のアリカンテ。これからカルテルが発表されればホテルの予約を入れる。切符はどうなるかは判らない。成り行き次第。いつもそういう感じだ。ただ絶対手に入れなければならないのは、マドリード、ラス・ベンタス闘牛場。これは何としてでも手に入れなければならない。
ビルバオ、コルドバ、マドリード、バルセロナと第1級闘牛場4ヶ所で5回観れるのが素晴らしい。9月のバルセロナに行ければ6回になる。しかもマドリードでは、カステージャ、タラバンテと一緒に出場するのが楽しみだ。やはり、ホセ・トマスはアントニオ・コルバチョと会いたくないのだ。何故なら、去年タラバンテのアポデラードをやっていたときは、タラバンテと一緒やるのは未だ早いと言ったが、コルバチョがいなくなったら一緒に出場する。どう考えてもコルバチョに会いたくないと思っているとしか思えない。ホセ・トマスはコルバチョが嫌いなのではないと思う。親子のような関係だったコルバチョとホセ・トマス。今会うと心が乱れるのだと思う。それで避けているのだろうと想像するのだ。
ところでトレオ・デ・サロンである。僕がやるガオネラは24日安田スタジオでやった物と変えることにした。どうもシックリ来なかったが、去年のバダホスのホセ・トマスのキーテを観てこれをやれば良いのだと思ったからだ。メディア・ファロール、ガオネラ、メディア・ファロール、ガオネラ、ラルガからラルガ・ファロラーダで決まればバッチリだ。
ホセ・トマスのカポーテ捌きをビデオで観ていて感心するのは、両手の使い方。右角を通すと時の牛を誘う時に、左手を高くし右手を低くする。左手の指は4本の指はピンク色の部分を握り、親指は山吹色(黄色)の部分を強めに掴んでコントロールする。この左手のカポーテの掴み方と、低くした右手のカポーテの掴み方が違う。右手は軽く触っている程度に掴んでる。誘ったあとは両手の位置は左手が低くなり右手は高くなる。この時の左右の手の掴み方は牛を誘ったときと逆の状態になって右手でリードしてカポーテを振る。左手は左腰の位置で右手のリードに合わせてゆっくり動く。これがなめらかなカポーテ捌きに繋がっているようだ。
この両手のカポーテの掴み方は、非常に参考になった。そして、足。足は上記の場合、通常左足から右足に重心が移っていく。そうすると左足の踵(かかと)が地面から離れて上がる。でも、ホセ・トマスは、殆ど上がらないようにしている。それだけ体が柔らかいのだろうし、牛にカポーテに触れられたときに、バランスも崩しにくくなるのだろう思う。こういうのは、なかなか難しいのだ。体の使い方も非常に素晴らしい。兎に角参考になることばかりがビデオを観ていると判るし、関心ばかりしている。
ホセ・トマスの闘牛は、観ていて感動するし、トレアールを真似してみるとさらに深く感心・感動する。踵が上がる話は、以前下山さんから訊いた。アントニオ・コルバチョは、ムレタの時に、踵が上がらないように教えるのだという。その時僕は、セサル・リンコンが足を大きく開いて重心移動を大きくして長いパセをやっているのが好きだったので、へえーと、思って訊いていたが、その意味がトレオ・デ・サロンをやるようになって深く理解できるようになった。
1月28日(木) 曇 29340
トレオ・デ・サロンは完成しつつある。少なくても僕が担当するところは。あと3人はどうなんだろう。夕方、安田スタジオに行って石井さんから送られてきた角を観る。知香ちゃんに連絡するも繋がらず、どうしたもんかと考えて、取りあえずそのまま角は置いてきた。家に着いたらTELがあり、知香ちゃんが角だけ持ってくるということになった。安田さんにも連絡した。
今回参考にしたのは、98年ラス・ベンタス闘牛場でやったホセリートのキーテ。去年のバダホスのホセ・トマスのキーテ。レマテが上手く行かなかったがこのビデオを何度も観て、実際やってみて、改良してやり方が身に付いてきた。あとはちゃんと出来るかだ。
1月29日(金) 曇 6787
最近寝不足で、眠い。トレオ・デ・サロンをやっていると、肩の周辺や、手や腕の筋肉が痛くなる。5分も振ると持てなくなる。非常に重労働だ。これを毎日やって闘牛場へ向かうこと自体が凄いことだと思うようになった。ましてや、毎日闘牛場に立って本物の牛を相手にするのは物凄いことだ。それで良い闘牛をするというのは、もう奇跡に近い。なおかつ、1流、超1流の闘牛士はそれは尊敬されて当然だ。そういう思いで、本番を迎えようという気分になっている。
1月31日(日) 曇/晴 41321/2
30日スペイン国営セルバンテス文化センターの地下1階オーディトリアムで、荻内勝之先生の、『闘牛百科 lenguaje
taurino』が、行われた。相撲と同じで日常的に突っ張りとか、うちゃりとか日本語でも使われているが、スペインでも闘牛用語がそのまま、日常会話の中に取り入れられている言葉が沢山ある。それを荻内先生が闘牛のビデオを使いながら約1時間半講演した。そのあと、僕と安田さん、万希ちゃん、知香ちゃんの4人で、カポーテを使ったトレオ・デ・サロンを行った。
エル・フリとセサル・リンコンのカポーテの説明。カポーテの基本的ベロニカ。ホセ・トマスがよくやるガオネラを、メディア・ファロールとの組み合わせでやり、レマテは、ラルガからラルガ・ファロラーダ。ホセリートなどがよくやる回転しながらのパセ、ナバラ。キーテに華を添える回転しながら体に巻き付けるチクエリーナ。両膝を着いて牛を迎えて、頭の上でカポーテを廻すラルガ・カンビアールからベロニカ、メディア・ベロニカ、ラルガ・コルドベサ。ホセリート・エル・ガジョが考案した、ガジェーゴをオルテガ・カノ風にアレンジした物。これは、カポーテを裏にして肩からかぶる様にして行う。最後がラルガのアレンジ。次がメキシコ人闘牛士が始めたフレゴリーナ。パセのあと、体の後で手を替えて廻す技の連続からラルガ。最後が、ベロニカ、メディア・ベロニカ、セルペンティーナ、ラルガ・ファロラーダ。
初めと終わりに、観客にカポーテに触って貰って重さを実感して貰った。最後は、カポーテを触るのに列が出来た。40人前後の人たちが壇上に上がって触った。いくつかの質問も受けた。カポーテに触った人たちが少しずつ荷物をまとめて家路についていった。それから7階のバルでパーティーが行われた。30人弱が集まりワイワイ話をした。それから場所を替えて市ヶ谷駅の向こう側の中華で2次会。酔っぱらって早めに切り上げて先に帰ってきた。久々に観た顔が何人もいた。その代表が松田君。今は、大学でスペイン語の常勤の講師をやっているという。近いうちに会うことになると思う。
荻内先生をはじめTAKEさんや他の人たちからもトレオ・デ・サロンの評判は凄く良かった。アルルのカルテルが発表になった。セビージャのフェリア・デ・アブリルの情報も詳しく出ている。時間がないので明日以降のアップになる。
2月1日(月) 曇のち雨のち雪 25321
曇り空が、昼過ぎになると雨になり、それが夕方になって雪になった。競馬は中山から東京開催に替わって第1週。来週が3歳牡馬クラシックの登竜門、共同通信杯が行われるが、この時期には、いつも雪になる。土曜日のセルバンテス文化センターへは、東京競馬場のメイン東京新聞杯の発走時間と同じ15時45分前に到着。ゲートインが出来たわけだ。練習前に知香ちゃんが舞台の上が滑らないので、ラルガの時にカポーテが廻らないと言っていた。試しに振っていたら、僕は滑らないよりも照明が気になって廻るときに平衡感覚がなくなるのだ。
そんな感じで不安を感じながらの練習だった。練習が終わり、外にタバコを吸いに出た。携帯でレース結果を見たら、厚めに買っていた馬券が当たっていた。それを見て今日は上手く行きそうな気がした。安田さんは、講演が始まってから到着。練習の時からTAKEさんにビデオを撮って貰い、先生の講演はTAKEさんの知り合いのCMディレクターが撮影した。忙しくてDVDの整理をしていないので録画したテープを未だ観ていない。1つ指摘をされたのは、首が出ていたので、もっと胸を張ってやった方が良かったとというのには、鋭い指摘だと思った。
実は家で練習していたときにはDVDを観てやっていたのでその事を気にして出来ていたが、本番では照明が気になってその事を忘れていたのだ。1番気にしなければならないことだった。それから松田君には、マイクを持って話ながらトレオ・デ・サロンを仕切ったが、それが場慣れしている感じがして良かった言われた。それはありがたい指摘だった。闘牛の会でなれているからではないかと言っておいた。競馬は、土曜日の儲けを日曜日に吐き出すような感じでメインレースまで行ったが、東京を外したが、京都もメインは当たった。この1レースの当たりで他のレースを全部外したがとんとんになり、この週は土曜日の勝ち分だけ儲けた。今年は競馬が調子良い。ちょこっとずつだけど勝ち続けている。
2月2日(火) 晴 5222
TVでは、積雪は都心で1センチといっているが、家に近くでは5センチは積もっているように見えるのだ。昨日の夜中ネットをしていたが、どうやらバルセロナのメルセは9月25日26日のようだ。何故ならホテル代が他の日より高いからだ。セビージャのサン・ミゲルと同じ日に今年もなっているようだ。トレオ・デ・サロンの影響で体が痛い。筋肉痛を起こしているようだ。
2月3日(水) 晴のち曇のち雨から雪 39306
競馬には馬券の当たり外れではない人間ドラマがある。それが競馬の魅力の1つになっている。
「第24回根岸S(31日、東京11R、GIII、4歳上オープン国際マル指、別定、ダ1400メートル、1着本賞金3800万円=出走16頭) 今年の中央GI第1弾フェブラリーS(2月21日、東京、ダ1600メートル)の前哨戦は、11番人気の伏兵グロリアスノアが直線で力強く抜け出して快勝。1分23秒7(良)。デビュー11年目の小林慎一郎騎手(28)と人馬で重賞初制覇を飾ったコンビは、本番でさらに大きなタイトルを目指す。断然人気のサマーウインドは1馬身1/4差の2着に敗れ、ダート初黒星を喫した。
コバシン、やった! デビュー11年目の小林慎一郎騎手がグロリアスノアを完璧に操り、人馬揃って重賞初制覇だ。 上位人気馬が引っ張る流れにも小林慎は慌てることなく、馬の力を信じて中団で折り合う。直線で前が開くと迷わずゴーサイン。ノアも瞬時に反応して末脚を一気に炸裂させる。残り100メートルで抜け出すと、その先に感激の瞬間が待っていた。
「馬の能力は高いと思っていました。久々だけが心配でしたが、最後までしっかり伸びてくれましたね。抜け出してからは必死でした」
小林慎は00年3月に関西の中尾謙厩舎からデビュー。04年3月に厩舎の解散に伴いフリーに転向したが、乗り鞍は減少。05年9月に矢作厩舎所属となったが乗り数は増えない。「3〜4年前に乗り役を辞めようかと思った時期もありました」と苦悩もあった。それでも自分で選んだ道を歩み続けノアと出会った。「こういう機会を作っていただいた馬主さんや先生に感謝したい」。ジョッキーでいる喜びを改めて噛みしめた。
馬も筋肉痛で思い通りの調整ができなかったが、小林慎が調教につきっきりで騎乗。担当の池田厩務員もプールを併用するなどスタッフ一丸となって手に入れたタイトルだ。「あまり丈夫な馬ではないので、何とかケアして中2週でGIに行きたい」。矢作芳人調教師はフェブラリーS参戦を明言。ノアは東京で新馬戦を勝ち、東京ダート【3・1・0・0】。過去10年で根岸S優勝馬からは2頭(01年ノボトゥルー、05年メイショウボーラー)が本番もV。大舞台の鞍上は、もちろん小林慎だ。
「ここで結果を出せて本当に良かった。フェブラリーSはまた違った気持ちで挑戦します」。小林慎&グロリアスノアがさらに大きな夢を追い続ける。
昨年は47勝を挙げ、関西リーディングに輝いた矢作芳人調教師(48)は、今年の重賞初Vとなった。「明け4歳でレベルの高いところで勝負してきた。馬は頑張ってくれたし、ジョッキーもうまく乗った。言うことないですね」と満足そうな笑み。特に「あいつ(小林慎)で勝てたということは本当に嬉しい。頑張って乗せてきた甲斐がありました」と、苦楽をともにしてきた人馬の快勝は格別の味わいだった。フェブラリーSには厩舎の大将格スーパーホーネットと2頭で臨むことになる矢作厩舎。今年も関西、さらには全国リーディング獲得へ向けて果敢に挑戦する。」 ーーサンスポよりーー
こういうドラマは、今回は馬券を外したけども、そういうことなら良いかと、物語を受け入れる方向に向かうのだ。馬券が当たればまた来週と思うし、こういうドラマを接するとやっぱり競馬は良い物だと思うのだ。馬券が外れたにしても…。売れない騎手が、重賞を勝つことは天にも昇る気持ちだろう。小林慎一騎手の嬉しそうな笑顔がそれを物語っている。記録によれば、デビューから重賞を取るまで最長かかったのが佐藤正雄騎手。誰も知らない騎手だ。でもこういう情報を書けば思い出す人がいるだろう。初重賞制覇がデビューから22年4ヶ月で、札幌3歳(現2歳)ステークスを勝った。馬は、ニシノフラワー。その後、GT阪神3歳牝馬ステークス(2歳牝馬のチャンピオンを決める現・阪神ジュベナイルフィリーズ)を優勝。牝馬クラシック最有力候補になった。明けて初戦のトライアル、チューリップ賞を1番人気で望み雨のやや重馬場で脚を余してアドラーブルに完敗して、下ろされた。桜花賞は乗り替わった河内洋騎手が乗り優勝した。
やはり、重賞を初めて勝ってGTまで勝っても、そんなに乗鞍が多いわけでもないし、重賞経験も少ない。何よりもクラシック最有力候補になっても冷静な騎乗が出来なかったのだ。この辺が売れない騎手の悲しさだ。平常心を持って大レースに挑めない。河内洋なら馬主も調教師も、そして、ファンも納得する乗り替わりだった。ただ、あの時の僕の心情は、佐藤に乗らせてやれよという、同情が強かった。あの時、佐藤が乗って桜花賞を勝っていたらと思うと、どんなにニシノフラワーと佐藤騎手を祝福しただろうと思うのだ。これが、本当のドラマではないかと思うのだ。今回の根岸ステークスのグロリアスノアと小林慎一騎手は、フェブラリー・ステークスでGTを勝たせたいと思う。馬券は別にしててある。
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