−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−
por 斎藤祐司
過去の、断腸亭日常日記。 −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−
太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、2006年、2007年、2008年、2009年、2010年のスペイン滞在日記です。
9月15日(水) 雨/曇 4921
めっきり秋めいて来て肌寒くなった。菅首相再選が決まって、為替市場は円高に振れ82円台になった。鳩山・小沢・輿石などと会談して人事を決めていく模様。
先日谷啓が死んだ。三宅裕司は、青春時代に親しんだ若大将とクレージー・キャッツの二つを上げて自分の原点のように言っている。健全な笑いや、健全なスター像がそこにはある。今の時代では、欠如している感覚のような気がする。
9月16日(木) 雨 38993
今日は健康診断。バリウムを飲んできた。下剤を飲んだがまだ完全にはバリウムは出ていない。数値が判るのは3週間から1ヶ月後。今年はどういう結果になるのか。それによってはまた病院に行かなければならない。雨が降って肌寒い。こういう陽気には、今までの暑さを考えるとホッとする。ここまま続けばいいのだが、また暑くなるようだ。それでも何日かは涼しい日が続くだろう。
民主党の幹事長には、反小沢よりの岡田克也が内定した。これにより一気に内閣改造が行われるのだろう。小沢派は、反発しているようだが、中間派の川端文化相には固持されたようで岡田氏に白羽の矢がたった。今入ったニュースでは、菅首相は、小沢・輿石氏に党代表代行就任を打診した模様。まだ、返事は来ていない。 日銀の市場介入によって円は、85円台を推移している。単独介入に国際的には批判されている。円高の流れは変えられそうにない。次の一手もないのではないかと、言われている。
リーガ・エスパニョーラ(スペイン・リーグ)の順位を観たら何とビックリ。1位がアトレティコ・デ・マドリードになっている。バルセロナも、レアル・マドリードもつまずいているので連勝したアトレティコが首位だ。凄いことになっている。ヨーロッパ一にもなっている勢いがまだ続いているようだ。
スペイン闘牛ビデオ上映会の出席者がほぼ決まった。今週中には、詳しいことが決まるだろう。
9月17日(金) 曇 6193
小沢・輿石両氏は就任を固持した。内閣改造ではどういう手を打つのか。小沢一郎は何を考えているのか?
iPS細胞の新たな可能性が出てきたという。再生医療だけでなく、新薬開発など新たな分野での活用がすでに始まっているという。
9月19日(日) 晴 40364/2
涼しい日が続いている。菅改造内閣は、小沢派を排除して船出した。挙党一致とは言い難い人事で、これから、副大臣などで配慮するとしているが、綱渡り的な党と国会運営になるのだろう。
スペイン闘牛ビデオ上映会にむけて、DVDの整理をしている。ホセ・トマスは、メキシコで手術を担当した医者をガラパガールに呼び感謝した。ルイス・ボリバルのアポデラードのルイス・アルバレスは別れることになった。おそらく、セサル・リンコンの影響でアポデラードの契約をしたのだろうが、シーズンを通してみて辞めることを決断したのだろう。
9月20日(月) 曇 41473
「菅直人首相は20日午後、首相公邸に海外出張中の海江田万里経済財政担当相、松本龍環境相を除く改造内閣の15閣僚と民主党の岡田克也幹事長ら役員を集め、内政・外交全般の政策課題について約5時間半にわたり勉強会を開催した。首相は各閣僚に対し、主要政策課題の実行スケジュール案を年内と1年間、3年間の3段階で作成し、10月6日召集で調整している次期臨時国会までに官邸に提出するよう指示した。 また、参院で与党が過半数割れし、野党の協力なしでの法案成立が困難なことを踏まえ、臨時国会への新規提出法案など具体的な対応も協議。継続審議となっている国家戦略室の「局」格上げを盛り込んだ政治主導確立法案の扱いも話し合った。 首相は勉強会の締めくくりに「こういう会ができて非常に良かった」と語り、今後も月1回程度のペースで全閣僚と集中討議を行う考えを示した。」 ーー時事通信よりーー
各新聞TVなどが内閣支持率を出しているが、どこもV字拡幅して65%前後という結果が出ている。脱小沢の組閣が評価されたようだ。明日発表される副大臣、政務官は小沢派が多数含まれるようだ。これで挙党一致として乗り切ろうというものらしい。加えて、予算編成前に野党に話し合いを呼びかけた。これはどうやら、丸呑みを辞さない考えのようだ。そうやって来年度予算を通すつもりらしい。強行採決がないだけマシだしある意味で民主的だ。そんな中、尖閣諸島沖の日本領海内での中国漁船衝突事件を巡り中国は強固姿勢に出ている。1000人の青年訪中団の受け入れを拒否して、SMAPの中国コンサートのチケット発売が中止になったり、1万人の中国企業の日本旅行が中止になったり、物凄い影響が出ている。
海外移籍した香川や長友が大活躍している。2試合連続ゴールの香川の活躍でドルトムントは3連勝して3位になり、非常に際立つ活躍を続ける長友のチェゼーナは、ミランに勝ち、インテルに引き分け、レッチェに勝ち、3試合無失点で首位に立った。驚きの結果だ。2部から昇格したばかりのチームがこれである。今やチェゼーナ好調の象徴が長友になっている。コツコツと自分の仕事を積み重ねることが、いかに重要かが、ここに示されているのだろう。
9月21日(火) 曇 6543
19日にNHKで放送された『菅vs小沢 民主党はどこへ』の再放送があり、観た。あれを観ていると、不安が少なくなった。菅対小沢で対立し混乱は収まる。そういう内容だった。国会運営も野党との対話を中心に民主的に対応していく事になるのだろう。今日、副大臣政務官人事が発表される。融和・挙党一致がはかられるだろう。
9月22日(水) 晴 38207
「特捜証拠改ざん:地検首脳2月に把握 前田容疑者に確認
厚生労働省の村木厚子元局長(54)=大臣官房付=の無罪判決が確定した郵便不正事件で、証拠品として押収したフロッピーディスク(FD)のデータを改ざんしたとして、証拠隠滅の疑いで逮捕された大阪地検特捜部の主任検事、前田恒彦容疑者(43)が今年2月ごろ、当時の特捜部幹部に「データを誤って書き換えてしまった」と話していたことが、検察関係者への取材で分かった。最高検は当時の特捜部長らから事情を聴く方針。
関係者によると、今年1月27日に大阪地裁で開かれた村木元局長の初公判直後、大阪地検内で前田検事がFDデータを書き換えたのではという指摘が出たという。そのため2月ごろ、当時の大坪弘道特捜部長(現京都地検次席検事)が副部長に対し、書き換えについて事実確認を指示。副部長が前田検事に確認したところ、「いろいろやっていたら、FD自体のデータを誤って書き換えてしまった」と認め、「故意ではなかった」と話したという。
特捜部幹部らは、▽公判では書き換え前のFDデータの内容が証拠として提出されている▽押収したFDは既に返却しており公判に影響しない▽前田検事に故意性がない−−との説明とともに、書き換えの事実を大阪地検の小林敬検事正と玉井英章次席検事(現大阪高検次席検事)に報告した。その後、地検による詳しい調査は行われなかったという。 当時の特捜部長だった大坪・京都地検次席検事は22日朝、毎日新聞の取材に対し、前田検事のデータ改ざんについて「指示などするはずがない」と関与を全面否定。前田検事からの報告については「ノーコメント」と話した。小林検事正は「当事者になるので」とだけ述べた。」 ーー毎日新聞よりーー
特捜部幹部が知っているにもかかわらず、裁判を進め、データ改ざんを隠していたことについて、ある作家は、「こういうのを一般的に言えば、「組織ぐるみ」の隠蔽工作と言うんです」といっていた。その通りである。特捜部の信頼の根幹を揺るがす大失態。村木厚子さんは、こういう特捜部の不当な捜査と裁判によって1年3ヶ月間、職場と時間を奪われたのだ。法務省は、特捜部上司に対しての処分は避けられないだろうということのようだ。 「最高検は、データ改ざん事件の捜査と併せて、捜査が適正だったかを調査する検証チームを発足させており、法務省は検証結果がまとまった段階で正式に処分を決める見通し。 懲戒処分には免職、停職、減給、戒告が定められているが、ほかに、懲戒に至らない口頭や文書での訓告、注意などがある。」 ーー毎日新聞よりーー
「 「胸のつかえやっととれた」 村木元局長復職へ
郵便料金不正事件で無罪が確定し、厚生労働省大臣官房付に復職した村木厚子・元雇用均等・児童家庭局長(54)が22日、事件後初めて厚労省に登庁した。昨年6月に逮捕されて以来約1年3カ月ぶり。「やっと胸のつかえがとれた。職場に戻れるのがうれしい」。村木さんは登庁前の会見で吹っ切れたような笑顔を見せた。
村木さんはクリーム色のジャケット姿。同省の正面玄関には職員が100人近く集まり、大きな拍手で迎えられた。待ち受けた職員たちに何度も頭を下げ、時折感極まった様子で口元に手を当てた。 10階大臣室に上がると、細川律夫厚労相に「ご心配おかけしました」と一礼。握手した後、復職の辞令を受けとった。 大臣室では、同じ高知県出身の細川厚労相と談笑。同相が「本当によかった。今まで通り仕事をしてほしい。早く新しい役職を見つけます」と話すと、村木さんは「ブランクはありますが、頑張ります」と答えた。
厚労省は村木さんを当面は大臣官房付とし、早期に内閣府か厚労省の局長級ポストにする方向で調整している。 登庁前の会見で村木さんは、無罪確定直後の21日午後10時半ごろに、細川厚労相から直接「明日から戻ってほしい」と電話があったことを明らかにした。 会見で主任検事の逮捕について問われると、「非常に展開が早く驚いている」と一言。「私自身がどのくらい貢献できるか分からないが、弁護団と協力しながら検察の検証を見守っていきたい」と語った。」 ーー日本経済新聞よりーー
「21日に無罪が確定し、厚生労働省への復職が決まった村木厚子さん(54)が一夜明けた22日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、「やっと胸の中のつかえが取れたようで、正直ホッとした」と現在の心境を笑顔で語った。 21日夜、主任弁護人の弘中惇一郎弁護士から「無罪確定」の一報を受け、家族とハイタッチをして喜んだという。午後10時半ごろには細川律夫厚労相から直接電話で復職を伝えられ、「職場に戻れることは大変うれしい。1年3カ月もブランクがあるので、今は緊張している」と話した。 国家賠償訴訟を起こす考えがあるかについては「控訴の断念と、職場復帰のことで今は頭がいっぱい。そこまで考えていない」と述べるにとどめた。
自身の捜査を担当した大阪地検特捜部の主任検事、前田恒彦容疑者(43)が逮捕されるという事態については、「検事さんが逮捕されたのは率直に驚いた。この事件を通じて、たまたまこういう犯罪が明らかになった。検察が抱えている問題点をきっちりと修正していけるきっかけになればいいなと思う」。 会見に同席した弘中弁護士は改めて「前田検事一人の問題にすることは許されない」と強調。前田容疑者が今年2月の段階で、大阪地検上層部に報告していた疑いがあることにも触れ、「検察の自浄には期待していない。国会、弁護士会、報道機関などが協力し、メスを加えていくことが必要」と言い切った。」 ーー産経新聞よりーー 「偽の障害者団体証明書発行事件で、押収したフロッピーディスク(FD)の更新日時記録を改ざんした疑いが浮上したことに関し、厚生労働省の村木厚子元局長(54)は21日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、FDの改ざんについて「こんなことまであり得るのかと、恐ろしい気がした」と顔をこわばらせた。 その上で、「検察への信頼がかかっている問題だと思うので、徹底的に捜査してほしい」と話した。」 ーー讀賣新聞よりーー
「「おかえりなさいがうれしかった」 復職の村木元局長
郵便不正事件で無罪判決が確定した厚生労働省の村木厚子さん(54)が22日、職場復帰した。同日夕方、省内で開かれた記者会見で「『おかえりなさい』と言ってもらえたのが、本当にうれしかった」と、笑顔で喜びを語った。そして「一生懸命仕事がしたい」と意欲を見せた。
村木さんは21日付で大臣官房付で復職となり、22日正午前に復職後初めての登庁。厚労省の玄関では、大勢の同僚らに拍手で迎えられた。
記者会見で一日を振り返った村木さんは、まず「建物に足を踏み入れて、職場の人たちの顔を拝見でき、帰ってきたんだなと実感がわいた」。細川律夫厚労相から辞令交付された後は、雇用や子ども政策の最近の動向などを勉強したという。
逮捕から無罪を勝ち取り職場に戻るまで、1年3カ月。その間、役所は政権交代も経験していた。「どう政策決定が行われていくのか、まだ実感出来ていない。これから」と話す一方、職場を離れてみて「厚労省の政策は、本当に重たい責任を負っている」と感じたという。
勾留(こうりゅう)中も、後輩職員が10分の面会のために大阪まで駆けつけてくれた。「この場所に自分の仲間、同僚がいる」。「仕事をするとか社会のために働くとか、大事な柱をもう一回取り戻せたのは、非常にうれしく思う」と語った。
」 ーー朝日新聞よりーー
感動的な職場復帰の場面がTVで流れた。多くの職員が出迎え、「村木さん」と呼びかけ、拍手に迎えられた。満面笑みを浮かべ、何度も頭を下げていた。村木さんのような人は、会見で特捜部の前田検事他を責めるのでなく、検察の賭けている問題点を修正するようにと建設的意見を言っている。こういうところも立派だ。なかなか真似の出来ることではない。
スペイン闘牛ビデオ上映会用のDVDを編集中。ホセ・トマスは、地方の闘牛場でも手を抜かない。凄いものだ。
9月23日(木) 曇のち雨 5904
秋分の日。天気の方もそれに合わせるかのように、今日から秋雨前線が停滞して気温もグッと下がる。
「村木元局長復職 同僚ら「素直にうれしい」
「とても苦しかったが、得るものも多かった」。郵便割引制度を悪用した偽の証明書発行事件で、厚生労働省の村木厚子・元局長(54)は無罪が確定して一夜明けた22日午前の記者会見で笑顔を見せた。この日は約1年3カ月ぶりの復職の日。「新入社員みたいな緊張感」と語り、仕事に就いた。同省の職員からは歓迎の声があがった一方、主任検事が逮捕されたことへの憤りも聞かれた。
1年3カ月ぶりに厚生労働省に戻ってきた村木さんは、早速、細川律夫厚労相から復職の辞令を受けた。細川厚労相は握手を交わし、「長い間ご苦労様でした」とねぎらった。その後、仕事に就いた村木さんは「新入社員みたいな緊張感がある。ブランクもあって、パソコン操作にも戸惑いました」と笑顔を見せた。
村木さんの登庁前には、新しい副大臣、政務官がそろい、初めての政務三役会議が開かれた。細川厚労相は「皆さんの仕事始めのときに復帰していただくことになった。まずは官房付だが、早急に検討してしかるべき職に就いていただく」とあいさつした。
同省の同僚や元部下からは「率直に、うれしい」と喜びの声が上がった。大阪地検特捜部の捜査に対しては「とんでもない話。国の信頼に対する最後の砦(とりで)が瓦解(がかい)した」と憤った。
村木さんの逮捕は昨年6月。職員らは当初から、「検察の主張はおかしい」との声を上げていた。 起訴の前に、偽造は障害者自立支援法成立のためだったとする関係者の証言が報道されたが、何人もの職員が「あのころはまだ自立支援法の構想がなかった。筋違いだ」とおかしさを指摘していた。
雇用均等・児童家庭局で村木さんの部下として仕事をしたことがある幹部は、検察の捜査について「物証まで改ざんしていたなんて。いったいだれを信じればいいのか」と話した。
入省の際に村木さんが面接官だったという女性幹部の一人は、勾留(こうりゅう)中の村木さんに「変わらず尊敬しています」と手紙を出した。返信には泣き言の一つもなく、精神力の強さを感じたという。ようやくの復職に、この女性幹部は「本人も仕事と子育てを両立し、わたしが出産する時もベビーシッターの活用などのアドバイスをくれた。本当にあたたかい人。失った時間を取り戻すくらい活躍してほしい」とエールを送った。
」 ーー朝日新聞よりーー
「村木厚子元局長、内閣府の政策統括官に
政府は22日、郵便不正事件で無罪が確定した厚生労働省の村木厚子元局長(54)について、内閣府の共生社会政策担当の政策統括官に起用する方針を固めた。 月内にも正式に決定する見込みだ。 起訴休職中だった村木元局長は、無罪が確定したため、21日に復職し、厚労省や官邸が復帰ポストを調整していた。共生社会政策担当の政策統括官は、局長級ポストで、少子化対策や障害者施策などにあたる。」 ーー讀賣新聞よりーー
村木さんは内閣府に入る。こういう人はこれからも良い仕事をすると思う。
9月24日(金) 雨/曇 44684
イチローが10年連続200本安打の大リーグ新記録を達成した。凄く嬉しい事だ。
「敵地ファン、味方ブルペンもイチローを祝福=10年連続200安打達成の瞬間
記録達成を一塁側内野スタンドで見届けた。ここ数年は、それが習慣になっている。ファンの生の声が聞けて面白い。 ブルージェイズ戦の3回、2打席目に二塁打を放ち、200安打に王手をかける。そして5回の第3打席、初球のストレートをとらえた打球は、快音を残してセンターへ。イチローは一塁を回ったところで、腕のプロテクターをゆっくりと外した。 驚いたのは、次の瞬間。センターの電光掲示板に記録が紹介される前から、周りのファンが続々と腰を上げて、イチローに拍手を送ったのである。 それが日本人ファンならまだ分かる。が、自分の周りにいたのは多くがカナダ人。昨季までブルージェイズに所属したロイ・ハラデー(現フィリーズ)の色あせた青いTシャツを着たおばあちゃんも、立って拍手を送った。みんな、この記録を知っていたのである。
記念ボールの行方を追っているとき、イチローがヘルメットを取ってファンに応えていた。かなり戸惑った様子。ためらっていた。日米通算3500安打のとき(現地時間9月18日)もそうだったが、100敗するかもしれないチーム状況で、個人記録にどう対応すべきか、イチローは思い悩んでいたのである。そこでもその複雑な胸の内が透けたが、あれだけの声援が飛べば、応えないわけにはいかなかったのだろう。
■チームメートからの万歳に表情を崩す
それ以上のサプライズは、その回が終わってから。 イチローがライトの守備につくと、ライトにあるブルペンから、リリーフ投手らが総立ちで万歳三唱を送ったのである。 昨年もメジャー通算2000本安打を放ったとき、彼らはブルペンから万歳三唱で祝福。 イチローはおそらく、チームメートへの感情にも配慮して、派手なセレモニーを自粛してきたが、チームメートこそが、それを許さなかった。 一塁ベース上で表情一つ変えなかったイチローだが、このときばかりはほおを緩め左手を伸ばして、それに応じる。 おそらく、イチローにとっては、目頭が熱くなるほどの光景ではなかったか。
記念ボールは、センターからマリナーズのコーチを務めるアロンゾ・パウエルの手に渡り、その後、イチローに届けられたよう。1994年から3年連続でセ・パ両リーグの首位打者を独占した2人(イチローは2000年まで7年連続)。イチローはそこでも、この記録に対する特別な思いを新たにしたに違いない。
さて、イチローが記録を達成した瞬間、一塁側の内野スタンド後方で、何度も何度もイチローに罵声(ばせい)を浴びせているファンがいた。そのファンは間もなく警備員に囲まれ、「もう一度言ったら退場してもらう」と警告されたあと、静かになった。完全に酔っぱらっていたようだ。 そんなひとコマもあった偉業達成の瞬間だった。」 ーースポーツナビよりーー
「「侮辱から始まった」10年連続200安打
イチローらしい、射抜くような鋭い打球が中前に転がった。相手チーム本拠地ながら、電光掲示板に記録達成の知らせが浮かび上がる。スタンドのファンの拍手がピークに達したとき、一塁上のイチローは右手でヘルメットをそっと上げて一礼した。試合後、「200安打が簡単ではないことは僕が一番知っている」。安堵(あんど)感が漂った。
100年以上の歴史を持つ大リーグで「10年連続」で自らの記録を更新し、「10度目」という回数で、ピート・ローズに並んだ。今月18日の日米「通算」3500安打達成時には軽い扱いだった米メディアも、今回は大リーグだけで作り上げた記録とあって、AP通信などもただちに報じた。 いまや米国でも当たり前のように語られるイチローの記録男ぶりだが、本人は「最初は侮辱から始まった」と振り返る。「あれは一生忘れられない」と話すのは入団1年目の春季キャンプ。メジャーの剛腕投手を前に、メディアに「彼から安打を打てるのか」と質問されたという。
しかし一見きゃしゃに見えるヒットメーカーは、メジャーでも屈指の鉄人だった。大リーグ1年目から10年間、一シーズンも途切れることなく200本以上の安打を重ねてきた。さらに今季ここまで全試合に出場しているのは、ア・リーグでイチローただ一人だ。イチローは10度目の200安打を放ったこの日、「今は(記者から)『何でヒットが出ないのか』という質問に変わった。周りを変化させたことに気持ち良さはある」と心境を語った。 周囲の目を変えさせる戦いは、まだ続く。ローズは米スポーツ専門局「ESPN」の取材に、イチローの内野安打の多さに触れて「世界一幸運な男」と皮肉った。来年はローズを上回る11度目の200安打がかかるイチローは一言だけ、「ぜひ(ローズの記録を)超えてあげたいですね」。複雑な思いをグッと胸にしまい、決意を口にした。」 ーー毎日新聞よりーー
「周りを変化させられた イチロー、いつも通り淡々
イチローはクラブハウス内で、いつもの試合後と同じように自分のロッカーの前で取材に応じた。淡々とここまでの歩みを振り返った。(共同)
−記録達成。
「チームメートがみんな祝福してくれて、あっ、喜んでいいんだなと思った。2年前のこと(一部地元メディアの批判的な報道)がトラウマ(心的外傷)になってるから。ちょっとほっとした」
−達成感はあるか。
「あるある。ただ、表現しづらいというだけ」
−今季は目標ではないと言ってきた。
「2年前は目標にすることすら否定されて、今度は目標としていないのになんか変な感じですよね」
−200安打10度でローズに並んだ。
「ぜひ超えてあげたいですね」
−200安打への思いは変わらないか。
「簡単じゃないことは僕が一番知っている。それなりの思いがある」
−10年の重みは。
「1年目のスプリングトレーニングで『彼からヒットを打てると思いますか』という質問が飛んできた。いまはヒットが出ないと『何で出ないのか』という質問に変わった。そういう状況をつくれたのはすごく良かった。周りを変化させられたことに対してはちょっとした気持ち良さがある」
−投手有利と言われる今季も記録を伸ばした。
「僕の中にオプション(選択肢)があるのは武器になる。対応の引き出しが幅を生む。それがないと新しいものが現れたら対応は難しい」
−ここまでの道のりの苦しさについて。
「すごく苦しい。純粋にプレーだけさせてもらったらそんなにしんどくない。楽ではないけどね」 」 ーー共同通信よりーー
「エンゼルス・松井秀 「大記録達成おめでとうございます。ひとえに日々の準備とケアのたまものだと思います。素晴らしい記録であるのはもちろんですが、大きなけがをすることなく10年続けてこられたというところにすごさを感じます。これからもファンの方々を喜ばせてほしいと思います」
レッドソックス・松坂 「10年連続200安打おめでとうございます。偉大な記録を残していくイチローさんに少しでも近づけるように僕も頑張っていきたいです」
日本代表でチームメートだったヤクルト・青木 「技術が高いのはもちろんですが、それ以上に大きなけがなくプレーできる状態の体を保ち続けていることが本当にすごい。この記録を達成できたのも、徹底した自己管理のたまものだと思います」
昨季までマリナーズで同僚だった阪神・城島 「200本はイチローさんの技術の積み重ね。けがをせずグラウンドに1年間立ち続ける。その準備がすごい。来年もプレッシャーの中で記録に挑戦していただきたい。本当にすばらしい記録」
ソフトバンク・王貞治球団会長 「ことしは世界中から期待され、彼の心の中では大変な葛藤があったと思います。でも、彼はそれを感じさせないで当然のことのようにやり遂げました。日本人として誇りと勇気を与えてくれました。これからも一本でもヒットを増やしてファンを楽しませてほしいし、われわれも見続けたい」
2003年から5年連続200安打を記録しているレンジャーズ・ヤング 「打てる技術があってもコンディションを維持しなければいけない。決して簡単ではない。一度でも大変なのに10度も繰り返したのだから本当に信じられない記録だと思う。今の彼を見る限り、この記録がすぐに途切れるとは思えない。来年も問題ないのではないか」
ドジャース・トーリ監督 「大リーグに来てからずっと(200安打を)続けていることは評価できる。殿堂入りに値する選手だ。単純に比べられないが、ローズよりも、ずっと優れた才能がある」 」 ーーサンスポよりーー
大リーグ最多安打記録を持つピート・ローズは、日本の野球は3Aレベルと言ってイチローの安打記録を暗に批判した。が、大リーグの元選手で有名解説者は、そういう風に言うピート・ローズに対して、「ピート・ローズは、イチローの大リーグ最初の年の打率すら超えたことがない」と批判している。記録を破られようとしているピート・ローズは、明らかに歓迎していない。
「船長釈放は検察判断=日中関係修復に努力―官房長官
仙谷由人官房長官は24日午後の記者会見で、沖縄県・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件をめぐり、那覇地検が容疑者の中国人船長の釈放を決めたことについて「刑事事件として刑事訴訟法の意を体してそういう判断に到達したという報告なので、了とした」と述べ、検察独自の判断との立場を強調した。
政府は那覇地検の発表を受け、船長の釈放について、外交ルートを通じて中国政府に伝達した。仙谷長官は、事件をきっかけに日中関係が険悪化していたことを認めた上で、「日中関係は重要な2国間関係だ。戦略的互恵関係の中身を充実させるよう両国とも努力しなければならない」と、修復に努める考えを示した。
仙谷長官は地検の判断について「粛々と国内法に基づいて手続きを進めた結果、ここに至ったという理解だ」と強調。柳田稔法相と同日昼すぎに会談したことに関しても「(地検の判断とは)全く別件だ」と述べた。
地検が「日中関係への考慮」に言及したことについて、仙谷長官は「検察官が総合的判断で処分を考えたとすれば、そういうこともあり得る」と容認する姿勢を示し、拘置期限の29日を待たずに釈放を決めたことについては「捜査上の判断だ」と述べるにとどめた。
訪米中の菅直人首相には、地検の決定後に秘書官を通じて連絡したという。釈放の決定に対しては民主党など政権内部からも批判が出ているが、仙谷長官は「承知していない」と語った。」 ーー時事通信よりーー
「「われわれも悔しい」 苦情殺到で唇噛む海保職員 中国人船長釈放
沖縄・尖閣諸島沖の漁船衝突事件で、中国人船長を那覇地検が釈放するとの発表を受け、海上保安庁の政策評価広報室にはマスコミ各社の記者が続々と詰めかけた。 中川高史室長は「われわれが判断できることではないから…。判断したのは地検ですから」と話しながらも那覇地検の次席検事の会見のニュースを見ながらどこか口惜しげな表情を浮かべた。 石垣海上保安部にもマスコミからの問い合わせが殺到した。ある職員は「事前には知らされていなかった。容疑者の身柄も証拠物も地検に送ってあるので、何もこちらでコメントできない」と話した。
一方、海上保安庁の広報室には市民から苦情の電話が殺到、電話回線がふさがった。「明白な領海侵犯ではないのか」「漁船がわざとぶつかったのに釈放とは…」という問い合わせに、職員が法的な理由を説明していた。 石垣海保にもニュースの直後から電話が入った。1件は「釈放に賛成だ。安心した」というものだったが、もう1件は「海保が命をかけて頑張ったのに検察は何をしているのか」という怒気を含んだものだったという。 関東地方の海上保安署に勤務する40代の職員は「われわれは忠実に任務を遂行しただけ。釈放したのは地検なのだから文句はそちらに言ってほしい。われわれだって悔しい」と話していた。別の職員も「那覇地検だけで決められる話ではないだろう。納得できないな」と唇をかみしめていた。」 ーー産経新聞よりーー
「野党側は今回の処分について、一様に批判しています。 「極めて愚かな判断。誰が見ても中国のさまざまな圧力に対して、政府が屈したというのは明らか」(自民党・安倍晋三
元首相) 「国内法に基づいて粛々ということになると、今度の処理は腑に落ちない」(自民党・谷垣禎一
総裁) 今回の釈放について、民主党内では「よかった」と評価する声がある一方、「それはそれで腰砕けだ。これから国内問題になってしまう」と懸念する声も漏れています。」 ーーTBS JNNニュースよりーー
一体どうなっているんだと思ってしまう。昨日、ロイターかどこかの通信社が、中国は日本向けレアアースの禁輸措置を実施したと報道すると、中国商務省がそれを否定したが、実質的にはやはり禁輸措置をしていた。勿論、企業の手続き上も問題と政府が関与していないと言っているが、その企業というのの多くは政府系企業が殆どだという。なおかつ、今日フジタの社員4人が身柄を拘束された事が決定的だったのかも知れない。しかし、那覇地検という司法機関がそういう政治的な判断をするというは、腑に落ちない。政府の意向が入っていると言われても仕方がない。政府が関与していないにしてもこういう対応では、今後問題解決は中国のごり押しに日本が屈服することが繰り返されるような気がする。本当にガッカリする対応だ。
村木厚子さんの裁判で主任検事の証拠隠ぺい問題は故意にやったと供述したという。「大阪地検特捜部の主任検事、前田恒彦容疑者(43)は、証拠として押収したフロッピーディスクのデータを改ざんしたとして、証拠隠滅の疑いで逮捕されました。検察関係者によりますと、前田検事は最高検の調べに対し、当初、「誤ってデータを書き換えてしまった」と供述していましたが、その後、「わざとデータを書き換えた」と改ざんを認めたことがわかりました。最高検は、前田検事が自分が描いた事件の構図に合うようにデータを書き換え、裁判を有利に進めようとした疑いがあるみて、詳しい経緯や動機について捜査を進めています。さらに最高検は、23日に引き続いて24日も前田検事の上司だった大坪弘道前特捜部長と佐賀元明前副部長から事情を聴いています。検察関係者によりますと、データの書き換えは、ことし1月から2月にかけて厚生労働省の村木元局長の裁判でフロッピーディスクのデータが問題になったあと、前田検事が同僚の検事に打ち明け、大坪前特捜部長と佐賀前副部長に伝えられたということです。2人は前田検事から聞き取りを行い、「わざとではなかった」と判断し、地
検トップの検事正に「問題ない」と報告したということで、最高検は、前田検事が大坪前特捜部長らにどのような報告をしたのかや、その後の対応に問題がなかったかについても調べています。柳田法務大臣は、閣議後の記者会見で「検事が証拠を改ざんすることはあってはならず、怒り心頭だ。事実関係の徹底的な解明のため必要な捜査が行われていると承知しているが、内容については差し控えたい」と述べました。そのうえで柳田大臣は、関係者の処分について「捜査の結果と検証の結果を受けて、そのうえでということになると思う。厳正にやりたい」と述べました。」 ーーNHKニュースーー
とんでもない事だ。イチローの大リーグ10年連続200本安打の大リーグ新記録は非常に嬉しいが、あと二つは嫌なニュースだ。台風接近中。今日は初冬のように寒い。一気に冬服が街に溢れた。
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