山手線へのE231系投入により205系が各地に転属になった。仙石線には郡山工場(現 郡山総合車両センター;編成番号偶数編成)と土崎工場(現 秋田総合車両センター;編成番号奇数編成)で改造された3100番台・4両編成×18編成が投入された。車体の帯の色は103系旧塗色に準じた青の濃淡となっている。先頭車はすべて中間車のサハ205から改造され,運転台は209系以降と同様の1ハンドルマスコンとなっている。前面行先表示器はLED式だが,側面は改造当初は字幕式のままとなっていた。南武支線用205系先頭車改造車とは異なり列車番号表示器はない。ドアはボタン半自動に改造されており,開閉ボタンは使用可能時にボタンの周りに埋め込まれたLEDが光る新型になっている。登場当初は,ボタンを押したとき黄色LEDが点灯する仕様だったが,一斉にボタンを押した際の過電流による故障が相次いだため一時期ボタンの回りのLED点灯は廃止されたものの,03年初夏ごろから黄色点灯を廃止して順次再開された。保安装置としてATS-Ps形が設置されており,表示器は運転台に埋め込まれている。停車駅誤通過防止装置(2002年12月下旬から使用開始・仙石東北ライン開業後は全列車普通列車となったため,現在は使用停止となっている)やEB装置も設置されている。SIVなどの機器は103系廃車発生品を利用している。パンタグラフは当初103系のものを使用していたが,2005年にシングルアーム式のものに交換されている。 103系と同様に,石巻方から2両目は弱冷房車となっており,M12・M14・M16・M18編成には霜取り用パンタグラフ(シングルアーム)が設置されている。
M2〜5・8編成のクハ205の車内はJRでは初となる,混雑時はロングシート・閑散時はクロスシートの「2WAYシート」に改造されている。組み込み編成は各車ごとに沿線各都市をイメージした帯色となっており,イメージマークがドア横に貼り付けられる。あおば通方から,仙台:仙台市の木であるケヤキ,杜の都をイメージした緑。塩竃:塩竃港に水揚げされるマグロなどの魚をイメージした紫。
こちらは石巻方。石巻:石巻市の花であるツツジをイメージしたピンク。松島:松島の朝日と夕日,扇谷の紅葉をイメージしたオレンジ。
下の写真は,郡山工場で改造中の205系先頭車。側面の帯はまだ山手線のウグイス色のまま。 2003年3月22日から故石ノ森章太郎氏のマンガのキャラクターを車体に描いたマンガ列車「マンガッタンライナー」の運転が開始された。2WAYシート組込編成であるM8編成が使用され,車内にはマンガの1シーンが荷棚上に展示されている。当初,車内放送は「ロボコン」(声:山本圭子さん)が担当していたが,停車駅の増加に放送装置の改修が追いつかず現在は行われていない。 「仙台・宮城デスティネーションキャンペーン」開催にあわせて,2008年9月からM2編成が「マンガッタンライナーII」となった。初代のM8編成とM2編成のどちらかが土休日の所定「マンガ列車」として運転されていた。2015年5月30日の仙石線全線復旧からは日曜日の1021S〜1222Sが指定列車となった。 2003年10月付けで所属が宮城野電車区[仙ミノ]から仙台電車区宮城野派出[仙セン]に変更となり,2004年4月付けで仙台車両センター宮城野派出となった。 車内はロングシートで,首都圏時代の緑色モケットのまま(改造直前の2000年から2003年にかけて交換)になっている。吊手は103系の廃車発生品を利用している。半自動ドアボタンを押すと,ソフトな音質のチャイムが鳴り終わった後ドアが開閉する。石巻方の先頭車(クハ205)妻面には,E231系近郊タイプと同様の車椅子対応トイレ(循環式)が設置されている。 同先頭車のうち5編成(M2〜M5・M8編成)の車内は「2WAYシート」がドア間に3列並び,状況に応じてロングシート・回転クロスシートを切り替えて運転できることが特徴である。しかしながら,2003年1月頃からはほぼ常時クロス,2008年4月からはほぼ常時ロング状態で運用されていた。座席状態は妻面の配電盤内にあるスイッチで「あおば通方クロス」「石巻方クロス」「ロング」に自動転換できるが,クロス状態での座席転換は客まかせとなっている。クロス状態の場合,ドア間最前列はほとんど展望が利かず,またブラインドは全開,3/4閉,全閉しかできないのが残念。 2009年8月からは座席転換制御を改修のうえ,海側をクロス,山側をロング状態として運転されていた。
現在のところ,ロングシート状態で運用されている模様である。 2002年11月5日から営業運転を開始しており,2002年年度中に9編成,2003年度に7編成が投入された。2004年度も改造が行われ全18編成が登場し,103系をすべて置き換えた。 仙石線のあおば通−東塩釜間で使用される無線による列車制御システムATACSのアンテナが,あおば通方先頭車・クハ204の下り方屋根上に2つ取り付けられている。
クハ205の床下には関連機器が設置されている。
2007年春頃からATACS関連の表示器が搭載された運転台に交換されている。ATACS関連の試験が進んだ段階で前面にID表示が追加された (トップ写真)。
2014年から側面行先表示器がLED式に交換となっている。
2015年5月30日,クハ205-3111 調査
2015年5月30日の仙石線全線復旧・仙石東北ライン開業により,仙石線経由を明示する必要がでたため,収録内容が変更となった。実際のLED表示は「仙石線経由」との交互表示となる。01〜18番・23〜37番の部分が白いテープで隠されており,従来の内容が入っていると考えられる。 2011年7月17日,クハ204-3119 調査 (字幕)
2004年10月改正で快速の愛称「うみかぜ」が廃止となり,前面LEDのデータ書き換えが行われた。それに伴い,205系登場以来前面と側面の表示の食い違いにより行われていなかった幕地色,LED文字色による快速の停車駅案内が復活した。赤があおば通−多賀城間快速運転用,緑が同区間各駅停車運転用に使用される。また,前面LEDでの種別との交互表示,普通表示時の種別併記は廃止された。なお,05〜10番は隠されているが,側面字幕には紫快速・青快速・青普通が入っている。 東日本大震災の影響で 快速・高城町行きが運転されており,それに対応した行先表示が順次追加された。この内容追加は 従来使用していた幕に加刷にして行われている模様で,追加のペースは遅かった。未追加の編成では「高城町」表示で運転されていた。 LED式に交換された当初は 収録内容に変更はなかった。
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