仙石線・多賀城駅連続立体交差化工事にともない,多賀城駅の折り返し設備が使用できなくなったことから,仙石線の車両運用数が増加した。これを補うため,205系投入により2004年7月をもって全編成が定期運用を離脱した103系のうち郡山駅構内で長い間留置されていた編成を復活させることとなった。同編成は2006年7月に郡山総合車両センターに入場し,2006年11月に宮城野に戻ってきて,2007年3月から営業運転されている。同編成の車両構成はあおば通方から,クハ103-236+モハ102-499+モハ103-343+クハ103-235。車体更新工事を受けているほか,2パンタグラフ化や機器のリニューアル(CP交換,MGのSIV化など)が行われている。今回の運用復活にあたって,トイレ設置,シングルアームパンタグラフへの交換,ATS-Ps・停車駅誤通過防止装置・EB装置の取り付けなどが行われている。なお,仙石線で実施中のATACS関連の機器は搭載されていない模様。 石巻方クハ103-235へのトイレ設置にともない,妻面の窓は溶接でふさがれている。 車内は車体更新工事の際にリフレッシュ工事が施されている。復活に際してシートモケットが205系と同様のものに張り替えられた。座席は着席区分が入っていて一見バケットシート風だが,座布団の幅は狭く座っていて疲れる。窓は上段降下(バランサ付)・下段固定タイプに交換されている。平成11年秋に天井の扇風機は撤去され,屋根のグロベンも撤去され塞がれている。ドアは押しボタン式の半自動型に改造されており,通年使用される。車掌開閉時は戸袋内上部に設置されたブザーが鳴る(自動開閉時は鳴らない?)。 今回の改造で石巻方クハ103に設置されたトイレは車椅子対応の洋式(循環式)で,トイレの前は車椅子スペースとなっている。 2008年3月ダイヤ改正の後も,平日の朝 小鶴新田6:24−(674S)−あおば通6:36/7:03−(741S)−東塩釜7:36/7:45−(746S)−あおば通8:18/8:25−(871S)−小鶴新田8:37の限定運用となっている。1編成しかないため,都合により走らない場合もあるので注意が必要。 当初は多賀城駅周辺の連続立体交差化工事終了まで走る予定だったが,車両の老朽化にともない2009年10月21日で運転を終了する。 2007年6月11日,クハ103-235 調査
今回の改造で205系と同じ内容の幕に交換されている。
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