かつて東北新幹線開業前は急行「まつしま」「ざおう」などで活躍していた455系は,車内を近郊形改造され3両編成(クハ455+モハ454+クモハ455)でローカル運用に就いていた。交直両用車だが,直流側の母線が取り外されており交直切り替えスイッチは交流側に固定されているので,交流線区しか走行できない。電源が50/60Hz対応の457系も存在する。概観上の目立った差異はない。 昭和63年から平成3年までの間,若番車を中心に一部の車両は車体更新工事が行われた。更新車両は,下の写真のようにヘッドライトとテールランプが一体となっているので,概観上すぐにわかる。 車内はセミクロスシートに改造されているが,小テーブルは残っている(車体更新車は新品に交換したので栓抜きはない)。洗面所は撤去され立席スペースになっている(一部のクハ455には残っている)。また,トイレはクハ455のみで車体更新車は撤去・立席スペース化,非更新車は閉鎖されているのみ。車内冷房はクハとクモハは分散型,モハは集中型となっている。一部の分散型の車両には,個別スイッチが客室内に設置された車両がある。 クロクシート部分の座席は急行形のままなので,座り心地は良いほう。特に,車体更新した車両は全面的にリニューアルされていて,シートはふかふかで寝やすいが,クッションが厚いせいかクロスシートでは若干狭く感じる。 一部の車両(クハ455-608,609)はサロ165からの改造車で,窓割りとシートピッチが合っておらず,室内灯はカバー付きで,ドアが種車のままのものもある。その他にも165系からクハ455に改造した車両(クハ455−300,500番台)がある。 2008年3月のダイヤ改正で完全撤退となった。かつて常磐線では堂々の9両編成が見られた。 2001年4月1日改正で仙山線と阿武隈急行線から撤退した。 2001年から新型保安装置ATS-Psが設置されたほか,常磐線・勝田−いわき間のATS-P化に伴い455系更新車にもATS-Pが2003年に設置された。しかしながら,いわき−水戸間の運用は2005年7月でなくなった。 2004年1月頃から,東北・常磐組の前面種別幕のLED化が行われている。当初は表示が種別だけとなっていたが,2004年3月改正に合わせて行先を表示するようになり,側面サボはモハだけ使用されている。 E721系の投入により,2007年2月1日から東北本線の黒磯−仙台−利府・一ノ関間での定期運用がなくなった。3月のダイヤ改正により常磐線での運用は減り,順次E721系に置き換えられ同年11月で撤退した。一方で車両不足のため磐越西線での運用が2007年9月から復活したが,2008年3月のダイヤ改正で完全撤退となった。 2005年5月1日 クモハ455-21 調査
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