夏目 由紀子 アメリカ公演の思い出 NABCへの参加が決まった時からずっと「在米インド人のお祭りに日本人が出演することの意義とは?」という自問と答えの模索を続けていました。現地へ赴いてからも「なぜ日本人が出演するんだろ?」と不思議そうに見つめられ、また質問されるたびに不安は募るばかりでした。 アメリカ生まれアメリカ育ちでインドの古典舞踊には全く興味を示さなかった19歳の娘が、あなたたちの踊りに興奮し夢中で見ていました。こんなことは初めてです≠アのお話を伺った時、すべての不安も問いもクリアーになり、大きな、それでいて静かな感動が溢れ出しました。若い世代の伝統文化への関心の薄れは世界共通の時代の流れで、かく言う私も、以前は日本の伝統文化への関心は人並み、特に興味を示すというほどではありませんでした。しかし、インド舞踊を学ぶようになり、仏教の源であるインド文化の学びを通して、仏教に根差した日本の伝統美・文化の素晴らしさを見つめなおし、日本人としてのアイデンティティーを取り戻すことができました。それ故に、私達の踊りが、19歳のお嬢さんにとって少しでも古典舞踊・文化に目を向けるきっかけとなれたのであれば、それだけでも今回のNABCに参加してよかったと、踊りを続けていてよかったと心から思い、そして、ちょっとだけ舞踊に恩返しができたようで嬉しく感じました。それと同時に、悲しみ・喜び・祈りといった感情を表現すること、そして、その表現を見て感動をする人間の心に国境は無い、民族や宗教の違いは関係ないのだと確信し、舞踊によって訴え得ることの可能性の大きさを益々感じました。 祖国を遠く離れ(離れているからこそ)アメリカに在っても、インドの文化を誇りとし、継承していこうという在米インド人の方々の強い想いは、NABCの規模もさることながら、観客の皆様の反応、かけていただいた数々のお言葉からも窺い知ることができました。公演中に客席から聞こえた拍手や歓声が、どれだけ力を与えてくれたことか!おかげで、私たちは持っている以上の力を発揮することができました。外国人であっても、真摯に取り組む者を受け入れる懐の深さ、それは公演後に多くの方からむけられた笑顔と贈られた言葉からも感じることができました。驚いたことに、お言葉をかけてくださった方々の中には、日本へいらしたことのある方が多く、来日の際に見た京都や奈良の歴史遺産の素晴らしさや、桜の季節に訪れた隅田川の桜並木の美しさなどを熱っぽく語ってくださいました。そんな時「自国の文化を大切にする人は他の文化を大切にすることができる」というシュヴァ先生のお言葉が思い出されるのでした。シュヴァ先生が、日本で一からスタートし築き上げてこられたものが、このNABCの公演でひとつの形、結果となってあらわれたのではないかと(勝手に)感じます。 今回の我々の踊りが、アメリカ公演に向けて寝る間も惜しんで準備に骨を折ってくださった先生のご苦労に少しでも報いることができたならばこれ以上の幸せはありませんせし、そうであることを心から願います。 さらに進化したIndian Classical Dance Troupe を見ていただく機会があるといいですね。 谷口 とも子 USA公演で感じたこと 先生、USA公演に連れて行って下さり本当にありがとうございました。いつも感じるのですが、私は、シュヴァ先生の元で踊りを続けることで、普通では体験出来ない様な貴重で素晴らしい体験が出来ることに、喜びと感謝の気持ちで一杯になるのです。 今回の、私にとっては海外公演第2段であるUSA公演は、ダイレクトに伝わってくるインドの観客の皆様の気持ちが印象的でした。本当に凄いですね。公演後のイベント会場で、少し歩くと声を掛けられ、また少し歩くと呼び止められ、その動作が延々と続き、そのどれもが、とても温かく、自国の文化や芸術に対する誇りと愛情を感じ、また、それを表現している我々への賞賛は本当に心温まるものでした。それというのも、賞賛されるほどの芸術性を持ったシュヴァ先生の作品があったからこそと思います。 いつも踊りの事を考え、私達の事を考え、熱心に指導してくださる先生の情熱があったからこそです。 私は、シュヴァ先生が自分の先生であることに喜びと誇りを感じています。どうしてシュヴァ先生と出会うことが出来たのか不思議に思う時もあります。出会えて本当に良かった。 今回の公演で自身の出来に点数を付けるなら70点くらいです。これからも、日々努力してインド舞踊をまじめに学び、次回の公演では70点よりも上を目指します。先生、これからもどうぞ宜しくお願い致します。 今回の公演で、シュヴァ先生始め、ご主人やUSAで良くしてくださった先生のお友達のバスさんやそのご家族、親切にしてくださった全ての方々に心より感謝致します。ありがとうございました。 榊原 寛子 アメリカ公演を振り返って 今回のアメリカ公演はインド公演の時とほぼ同じプログラムでした。しかし、インドではなくアメリカの地で祖国を愛するたくさんの人たちの前で、日本人の私がインド舞踊を踊る姿を見て、皆さんはどのように感じるのだろうと考えると、行く前は少し不安もありました。 実際に公演を終えた今、言葉など文化の違いを取り払い、人の心から心へと伝える力を持っているのが舞踊の「魅力」であると再認識しています。個人的なことを言えば、練習どおりできなかった部分もたくさんあり、技術はまだまだ未熟ながら、たくさんの方々が「よかったよ」と声をかけて下さったのは、インド舞踊への私たちの気持ちが伝わったためではないかと思っています。 「ボンゴションメロン」の規模は想像以上で、舞台や会場の素晴らしさを目にし、怖気てもおかしくないのに精一杯楽しむことが出来たのは、どんな場所に行っても変わらずにしなければならないこと、舞台に携わる方たちへの感謝の気持ちを忘れないことや、観客の皆さんに喜んでもらうことを意識して踊ること、といった技術だけでなく舞踊に対する姿勢も日ごろから教わっていたおかげです。 今回のような大きな経験を積む機会を与えてくださった先生には感謝の気持ちで一杯です。本当にありがとうございました。そして共に練習し切磋琢磨してきた他のメンバーにも「ありがとう」と言いたいです。 鈴木 文子 今回のアメリカ公演 今回のアメリカ公演では、本当にお世話になりました。特に我が家につきましては、夫、息子ともども、日本での練習時からホテル、日常まで細やかなお気遣いをいただき、言葉には言い尽くせない、ありがたい気持ちでいっぱいです。3月に先生から参加のお話をいただいて、「お願いします」とはいったものの、その後、「果たして私などが参加させてもらって良かったのだろうか・・・」「これは大変なことだ・・・」という気持ちがどんどん大きくなり、不安も募りました。しかし、参加するとなると、できるだけのことはしなくてはならない、ともかくやれるだけのことはやろうという気持ちで臨んできました。 先生はじめ、他のメンバーの方々にはひたすら、引っ張って引っ張って引っ張ってもらった、日々だったと振り返っています。アメリカに到着後は時差を解消するまもなく、リハーサル、本番とあっとういう間の4日間でした。 コボセンターはとてつもなく大きく、舞台会場もイスの数も無数にある印象で、ボンゴションメロンというイベントのものすごさに驚嘆しました。本番は個人的には「これは後で先生からお叱りを受けるだろう・・」ということが数々ありました。しかし終演後、観客の皆さんから行く先々で「Excelent!」「Graceful!」「The Best Job!」などの温かいお言葉をいただき、「そうか、何かを心に残した公演だったのだ」と、不思議な感動と、とてもありがたい気持ちを心に抱きしめて帰国させていただきました。 公演の後にはいつも、色々な感情がわきますが、今回の公演では、また、新たな感慨深さを感じることができました。こうした経験をさせていただき、本当に心からありがたいと思っています。また、先生が大切にされている、ベンガルの文化の誇りに接することができ、異国にありながらも自らのルーツを大切にし続けることの大切さを、目の当たりにしたように思います。 最後の晩、本番で用いた和傘や髪飾りをスーツケースにしまうとき、とても愛おしく、そして舞台での光景が目に浮かび、懐かしい感情が湧いてきました。そんな思いにさせていただき、本当にありがとうございました。 岡田 さち代 生まれてはじめてこんなに感動しました アメリカ公演、とても楽しかったです。そして、とても感動しました。 "生まれてはじめてこんなに感動しました!"…みんなが感動するという映画を見ても、綺麗な景色を見ても、あまり感動しない私が、こんなに感動することができるなんて… 創作、始まる時はすごく緊張していました。でも踊り始めると、どんどん楽しくなり、『エンジョイ』の頃には「こんなに踊ることが楽しいなんて!」と感じていました。 古典、控え室から舞台へ向かう時、前日以上に緊張していました。先生にご挨拶したら、なぜか震えて涙が出そうになりました。踊っている間は、緊張感と高揚感と感動でいっぱいでした。 子どもの頃から、目立たない地味なタイプだった私が、一昨年はインド公演、そして今回はアメリカ公演に行くことができたなんて…。子ども達に少し手がかからなくなり、習い始めたインド舞踊、6年前のあの時、こんな素晴らしい体験をすることになろうとは、夢にも思いませんでした。インド舞踊との出会いに…シュヴァ先生との出会いに…私の人生にこんな素晴らしい機会を与えてくださったことに…感謝します。そして改めてシュヴァ先生の生徒であることをこの上もなく幸せに感じています。 最後に今回の公演に、ご尽力くださいました、シュヴァ先生、ご主人をはじめとしたすべての方々に、心より感謝いたします。ありがとうございました。 小川 さやか アメリカ公演で思ったこと NABC2007デトロイト公演出演のお話を頂いて、嬉しさとその倍にもなる不安があった。シュヴァ先生の率いる、一緒に舞台に立つダンサーは皆長い間インド舞踊を勉強されている方ばかりで、ついていくのに精一杯だった。毎度のレッスンで非常に熱心な指導を受け落ち込むことは多々あった。でもわからないが必死に踊っていた。ただ踊りたい、少しでも美しく、それしかなかった。なんで毎日ダンス、ダンスなのと聞かれたりしたが、わからなかった。おかしいと思われるだろうが欲望と、一種の使命的な感覚を覚えていた。 舞台は今できることを表現できたかと思う。観客からは本当に沢山の歓声と拍手を頂いた。客席の反応はとてもよかった。インドと開催地アメリカと日本では舞台鑑賞に対する感覚や文化的価値観が違うと思って臨んだ舞台だったが、観客は私達の踊りに集中してくれていた。 国籍・文化・習慣の違いなんか微塵もなく、踊った踊り、それだけ受け入れて頂いたのは、創作・古典共にシュヴァ先生の作品が持つ力の大きさあっての事だと思った。作品の表情の細部にまで指導を受けた強さもとても大きかった。 一度でも観たことがある方ならお分かりだと思う。シュヴァ先生の踊りは、益々眩しくてきらきら精彩を放ちながら輝き、益々豊かな深みを湛えていて、同じ舞台に立っていると信じられなくなってくる。 公演後には踊りを観て頂いた観客の方々から本当に沢山の称賛を直接 (本当に沢山!)頂いてとても励まされた。経験は浅いし、勉強をしていかなければならないことが多くある。でも自分の表現できる全てを出した今、観客の方に何か伝わったらと思うと身震いがする。この舞台で踊る日々が終わってしまうのが惜しかった。全ての演目を終え合掌で観客を目の前にした時ひとつぶ涙がでた。 踊りを通して成長させてくれているシュヴァ先生にありがとうございます。あそこはこうだった、これはああしなければと反省は尽きないが、ここでは止まれない、足りないものが沢山ある。もっと踊れるように目指すので、応援していてください。 木下 浩子 アメリカ公演を通じて 私の手元に一枚の写真があります。アメリカ公演を終え、日本に帰る日の朝、ホテルのロビーで先生と一緒に撮ってもらった写真です。先生の笑顔、最高に美しいです。 シュヴァ先生、この度は、アメリカ公演に連れて行っていただき、ありがとうございました。 今まで踊ったことがないくらい大きな会場で、何千人ものベンガルの人たちの前で踊ることができて、今でも信じられないくらいです。本当に貴重な経験をすることができ、感謝しています。 ステージ横には巨大なスクリーンがあって、広い会場のどこからでも見えるようになっていました。踊っている足元や指先、顔の細かい表情、唇の動きなどがスクリーンにアップで映し出されます。 ステージに立つ前に、先生が「頭のてっぺんから指の先まで神経を行き届かせるように。」とおっしゃったことが、身にしみて感じられました。そして、このことは、スクリーンに映る映らないに関わらず、ふだんから気を付けるべきことなのだと思いました。 公演の後、「グッジョブ」とか「エクセレント」とか、たくさんの人たちがそれぞれの言葉で声をかけてくれたこともとても嬉しかったです。そして私は、アメリカ公演を通じて、今の自分の実力、自分に不足しているもの、踊りだけではない身だしなみや立ち振る舞い、そして精神面、心構えや気配りなど、様々なことに気付きました。アメリカでの経験ひとつひとつが本当に勉強になりました。この貴重な経験を自分の財産にして、これからも頑張りたいと思ってます。 シュヴァ先生、ご主人、バスさんを始め現地でお世話になったたくさんの人たちに心から感謝しています。ありがとうございました。 |