断腸亭日常日記 2007年 その7

−−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

por 斎藤祐司


過去の、断腸亭日常日記。  −−バーチャル・リアリティーとリアリティーの狭間で−−

太い斜字で書いてある所は99年、2000年、2001年、2002年、2003年、2004年、2005年、2006年、2007年のスペイン滞在日記です。

99年4月15日〜5月11日 5月12日〜6月4日 6月7日〜6月10日 2000年4月20日〜4月29日
5月1日〜5月14日 5月15日〜5月31日 6月1日〜6月15日 6月16日〜6月29日
2001年4月19日〜5月3日 5月4日〜5月17日 5月18日〜5月31日 6月1日〜6月11日
6月12日〜6月22日 2002年4月16日から4月30日 5月1日〜5月15日 5月16〜5月31日
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1月29日〜2月25日 2月26日〜3月30日 3月31日〜4月24日 4月25日〜5月22日
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2月10日〜3月17日 3月18日〜4月12日 4月13日〜5月6日 5月7日〜5月29日
5月30日〜6月19日 6月22日〜7月22日 7月23日〜8月17日 8月20日〜9月12日
9月13日から10月9日 10月10日〜11月18日 11月19日〜12月30日 2007年1月1日〜2月25日
2月26日〜4月19日 4月20日〜5月19日 5月20日〜6月16日 6月20日〜7月31日
8月1日〜9月1日 9月3日〜9月18日 9月19日〜10月21日 10月23日〜11月16日

 11月17日(土)  5618

 「急性脳梗塞(こうそく)で16日未明に倒れたサッカー日本代表のイビチャ・オシム監督(66)の容体について、日本サッカー協会の田嶋幸三専務理事は17日に記者会見を行い、「オシム監督は引き続き集中治療室におり、小康状態を保っている。昨日と変わらず、良くも悪くもなっていない」と話した。  田嶋専務理事は同日午前、千葉県浦安市の順天堂大学医学部浦安病院にオシム監督を見舞った。「集中治療室にいること自体、楽観できない。意識は今はない。あえてそういう状態にした方がストレスがかからないので、そうしている」と、薬で眠っている状態であることを明かした。  ただ、それ以上の詳しい病状は明かさず、オシム監督が倒れているのをアシマ夫人が見つけてから病院に搬送されるまでの時間も「1時間以上」と話すにとどまった。「アシマ夫人と(長男でJ1ジェフ千葉の)アマル・オシム監督が、公にしてほしくないと望んでいるため」と説明した。」 ーー朝日新聞よりーー

 「 日本サッカー協会の川淵三郎会長は17日、福島県いわき市での講演で、サッカー日本代表のオシム監督の容体について「脳が異常な形で腫れており、寝たきりの状態。この状態が続けば次の治療に進めるのかな」と懸念を示した。 16日の自らの会見に関しては「昨晩から今日にかけてがヤマ場と聞いて、何とか命だけは持ってほしいという思いから不覚にも涙が出てしまった」と明かした。」 ーーサンスポよりーー

 東スポによれば、16日2時に倒れ、それをアシマ夫人が発見し、アマルが知人に連絡したが深夜で繋がらず、フランスにいる元千葉のGM祖母井(うばがい)氏に連絡。それから京都の知人に連絡が取れ119番したが、千葉の救急は千葉でと言うことになり、千葉のMF佐藤の婚約者のアメリカ人に連絡し、そこからオシム邸のアマルに繋がり、住所を訊いて119番通報。順天堂大学浦安病院に到着したのが3時だという。英語で119番通報って出来ないのか?とも思うし、この日に限って何故アマルの知人や千葉の関係者に繋がらなかったのだろうかと思ってしまう。相当悪い状態のようだ。重体。非道いことだ!ガックリしている。オシムのサッカーはおそらく日本に1番フィットしていると思う。これでオシムが復帰出来ずに違う人が監督をやるのだとすれば、日本のサッカーの未来図が見えなくなる状態になるあろうと思うと残念でならないのだ。

 今日研修に行ってきた。眠かったが、為になった。座りすぎて尻が痛い。

 16日の結果。 バレンシア(ベネズエラ)。ミックス闘牛。騎馬闘牛士、ラファエル・ロドリゲス、場内1周。闘牛士、ポンセ、ファンディ、耳1枚。ラファエル・オレジャナ、耳なし。 マラカイボ(ベネズエラ)。エリック・コルテス、耳1枚。マリ・パス・ベガ、耳なし。右手に怪我。マヌエル・エスクリバノ、耳1枚。


 11月18日(日) 晴 6889

 朝寒くなった。立冬が過ぎてから日々少しずつ寒くはなってきていたが、今日は体感気温がグッと低く感じられる。スペインのバレンシアで開かれていたIPCCの総会で発表された地球温暖化についての報告書は、今深刻な状態になっていて、早急に温暖化対策を実施しないと大変なことになるという、科学的な根拠に基づいた報告書だと言うことを強調した。

 「目頭を熱くした阿部は、なんとか声を絞り出していた。千葉時代から指導を受けてきた恩師が急性脳梗塞(こうそく)に倒れた。報道陣の前で阿部は、終始うつむいていた。 「突然のことで、ショックです。信じられない。監督も戦っていると思う。少しでもよくなってくれれば」 代表でも絶大な信頼を得ている阿部。ポリバレント(多様性)の能力を見いだしたのも、オシム監督だった。急性腰痛で9月のオーストリア遠征からは外れたものの、常に招集されてきただけに、ショックは大きい。

 日本代表を支えてきた浦和にとって、悲しみは深い。オシム・ジャパンで唯一、全20戦に先発している鈴木は「ボクにとって、大きくサッカー人生を変えてくれた人。彼がいなければ、ボク自身、今この場所にいなかったかもしれない」と話す。水を運ぶ人と称され、献身的な守備でチームの中心として活躍してきた。サッカーを通じて人生観なども学んだだけに「人間として成長させてくれた」と感謝の気持ちを口にする。

 一方で、闘莉王は「ハッキリ言って、サッカーをしたくない感じ。あの人がいなければアジアチャンピオンにもなれなかった」と唇をかみしめる。代表合宿では“お説教”されることもあったが、オシム監督を尊敬する気持ちに変わりはない。 「できることは、監督のためにお祈りして、神様に助けてもらうことだけ」と闘莉王。」 ーーサンスポよりーー

 オリンピック最終予選ベトナム戦は、4-0で快勝。反町監督は、「 「オシム監督? 次にもっといい報告をしたい」。指揮官は五輪切符獲りへ、自信を回復した。
 北京五輪アジア最終予選(17日、ハノイほか)有言実行だった。病魔と闘うA代表のオシム監督のために勝つと誓ったMF水野(千葉)が、正確無比なFKで2アシストだ。 「ナイスFK? Wユース(現U−20W杯、05年のオランダ大会)の時を思いだした。帰ってきてオシムさんに“お前はFKとスローインだけの選手だ”といわれたことを。流れの中でのプレーは満足してない。オシムさんには怒られると思う」 口をつくのは反省ばかり。かつて「ただのサッカー好きの子供。ムラがなくなればA代表でレギュラーになれるのに」とオシム監督から評されたこともある。
 守備で奮闘したDF水本(千葉)が接触プレーで鼻骨を骨折。試合後、氷を鼻に当てた姿は痛々しかった。日本代表のオシム監督が千葉を率いていたころから指導を受け、A代表に呼ばれたこともある。水本は「オシム監督に比べれば何でもありません。次(最終戦)もやるしかない。やります」と気合を入れていた。 」 ーーサンスポよりーー

 カタールがサウジアラビアに1-2で負け、次のサウジアラビアに、勝つか引き分けでオリンピック出場を決める。こんな状態で競馬の予想どころじゃない。ダイワメジャーとか6歳馬は来ないだろう。それと斤量の恩恵が少ない3歳馬も確率が低いと思う。4歳と5歳馬の戦いになるような気がする。


 11月19日(月) 晴のち夜雨 24462

 オシムは未だ意識不明だが回復の方向に向かっているという。アシマさんは「夫との結婚記念日に最初の危険な段階を乗り越えて回復に向け、前進を始めたことを家族全員で喜んでいる」とのコメントを出したという。

 また、『失敗学』畑村洋太郎著を読み始めた。それというのも、『失敗は予想できる』中尾政之著(光文社新書)を買ってきてつらつら読んできて、同じ失敗学をやっている人だったんだと思って、思考展開図の活用法などをもう1度考えようと思い立ったからだ。ネットで検索したらしたら中尾政之さんは、失敗学会の副会長のようだ。会長は勿論、畑村洋太郎さん。

 17日ベネズエラのバレンシアで、リベラ・オルドニェスが、ラ・アウメダ牧場の“ビナグレテ”という名の牛(No411、432キロ)をインドゥルトした。

 17日の結果。 バレンシア(ベネズエラ)。レオナルド・ベニテス、耳1枚が2回。オルドニェス、耳2枚、シンボルとしての耳2枚と尻尾1つ(牛、インドゥルト)。フリオ・ベニテス、耳2枚。

 18日の結果。 メキシコ。マノロ・メヒア、サルバドール・ベガ、罵声。ファン・アントニオ・アダメ、耳なし。 グアダラハラ(メキシコ)。セサル・リンコン、耳なし。ホセ・トマス、大罵声。フェルナンド・オチョア、オマル・ビジャセニョル、耳なし。 マラカイボ(ベネズエラ)。レオナルド・ベニテス、耳なし。ファンディ、耳1枚、耳2枚。フリオ・ベニテス、耳なし。 モンテレイ(メキシコ)。ミックス闘牛。騎馬闘牛士、メンドーサ、耳2枚。闘牛士、エロイ・カバソス、耳2枚と尻尾1つが2回。アレハンドロ・アマジャ、耳2枚。 トレオン(メキシコ)。ダビ・ヒル、耳2枚。リカルド・メディナ、耳なし。ホセ・イグナシオ・オルティス、耳1枚。


 11月20日(火) 曇 4158

 昔、山本益博が出した、東京のレストラン評価本で3つ星を取った所で、行ってみたいなぁと思っていて行っていなかったところが、次郎である。小野次郎と言っても、競馬の騎手ではない。数寄屋橋の次郎という寿司屋の店主である。アワビの蒸し物が食べたかった。82歳になって、今回ミシュランの東京版で8つの3つ星の店に入った。あの頃は、1万円しないで食べれたはずだが、今は、昼夜ともコースで2万7000〜3万2000円だという。アワビの蒸し物を注文できないのだろうか?

 その3つ星店が8つ。内日本料理店が次郎を含めて5店。2つ星が25店。1つ星が117店。掲載の150店全てに星が付いたのは世界で初めてだという。この中には、ラーメン店が1店も入っていないというのが特徴なのかも知れない。そういう意味においても、山本益弘が書いた本は、20年以上前に今のグルメ・ブームを作った先駆けだったような気がする。あの本にはちゃんとラーメン店も載っていた。


 11月21日(水) 曇 26025

 今日最大のニュースは、人間の皮膚細胞から、他の様々な組織になる万能細胞を作ることに成功したという物だ。これは難病を抱える人たちの光明になるだろう。ノーベル賞物の研究成果と言っていいだろう。このニュースは世界に発信され多くの研究者の関心を引きつけているようだ。脳の障害、脊髄損傷などの患者には再生医療の現実が見えてきた。ただ直ぐに利用出来るわけではない。

 「人の皮膚細胞などに複数の遺伝子を組み込み、各種の組織のもとになる万能細胞(人工多能性幹細胞=iPS細胞)をつくることに、京都大・再生医科学研究所の山中伸弥教授らが成功した。21日、米科学誌セル(電子版)に発表する。米ウィスコンシン大も同日、米科学誌サイエンス(電子版)に同様の成果を発表する。人間の体細胞から万能細胞ができたことで、臓器や組織を補う再生医療が現実味を帯びてきた。 代表的な万能細胞の胚(はい)性幹(ES)細胞は、生命の萌芽(ほうが)である受精卵を壊してつくるので批判が根強い。山中教授と高橋和利助教らは昨年8月、マウスの皮膚の細胞に四つの遺伝子を組み込み、世界で初めてiPS細胞を作製。受精卵を壊す必要がなく、倫理問題が少ないとして注目された。  山中教授らは今回、成人の顔の皮膚の細胞や関節にある滑膜の細胞に、マウスの場合と同じ四つの遺伝子を導入。人やサルのES細胞の培養用の増殖因子を使ったり、マウスより長く培養したりして、人間のiPS細胞をつくるのに成功した。この細胞が、神経細胞や心筋細胞、軟骨などへ分化できることも確認したという。  山中教授は「再生医療の実現にはまだ少し時間がかかるが、ねらった細胞に効率よく分化させたり、安全性を高めたりして、臨床応用につなげたい」と話している。  一方、米ウィスコンシン大のチームは、山中教授らの4遺伝子のうち二つを別の遺伝子にして、新生児の皮膚細胞からiPS細胞をつくった。 」 ーー朝日新聞よりーー

 「京都大など日米の2グループが人間の皮膚細胞から万能細胞を作製したことについて、米ホワイトハウスは20日、「ブッシュ大統領はとても喜んでいる」との声明を発表した。 多くの米国民が万能細胞の医療応用に期待する中、ブッシュ大統領は受精卵を材料に作る従来の方式に関しては「生命の破壊」と批判し代替技術の開発を求めてきた。 それだけに、声明は「まさにこうした研究の促進を目指してきた」と強調した。」 ーー讀賣新聞よりーー

 山中伸弥教授の研究は、本人の細胞を使用すれば拒否反応がないことがES細胞では出来なかったこと。また、ES細胞には、倫理的な問題があったが、iPS細胞にはそういう問題はない。しかし、他の遺伝子を4つ入れると言うことが、臨床段階になったときにどういう結果をもたらすのかという重要な問題が存在する。

 11月中にオシムが話を出来る状態にならなければ後任を探す方針だという。

 『わが推理小説零年―山田風太郎エッセイ集成』読了。自作を語っている部分や、色川武大や、筒井康隆などのことを書いている部分が面白かった。それと、貸してくれと言われて途中で読むのが止まっていた、『高層難民』渡辺実著、読了。NHKテキスト『だから失敗は起こる』畑村洋太郎著を読む。最近、人生で1番バナナを食べているような気がする。そして、兎に角、本が読みたくてウズウズしている。


 11月22日(木) 曇 9450

 歯が痛かったので歯医者に行った。チョコレートの食い過ぎで虫歯になったのだと思っていたが、原因は、先月差し歯にした歯が、歯ぎしりで圧迫されて痛んでいたようだ。削って貰って様子を見ることになった。ほんの少しの噛み合わせの違いで、歯が痛くなる。不思議なものだ。

 サブプライム・ローン問題でアメリカと日本の株価が下落して、為替相場はドル安にシフトしている。

 日本サッカーがオリンピック出場を決めた。ジャパン・カップは、目玉のディラントーマスが、検疫で陰性が出て出走不能になり、ウォッカが出否を迷っていたが、追い切りで1番時計をたたき出し、出走することを決めた。凱旋門賞馬が出走出来なくなったことにより、日本馬同士の決着が濃厚になった。ジャパン・カップ・ダートは、ヴァーミアン、ドラゴンファイヤーなどの日本勢とアメリカのスチューデントカウンシルが有力だろう。

 19日の結果。 メキシコ。ミックス闘牛。騎馬闘牛士、メンドーサ、耳1枚、耳2枚。闘牛士、エル・ヘノ、耳1枚、耳2枚。オマル・ビジャセニョル、場内1周、耳2枚と尻尾1つ。 モンテレイ(メキシコ)。セサル・リンコン、ソトルコ、耳1枚。ファン・アントニオ・アダメ、耳2枚。


 11月24日(土) 曇 45254/2

 新橋の吉井画廊へ行ってピカソの写真展を観る。そこに置いてあった写真集でダンカンの撮った写真がカレイを食べるピカソであることを知る。それからWINS汐留へ行ってJCダートの馬券を買う。体力的に東京競馬場へ行くのは無理だと思ったからだ。金曜日の夜は迷った。フリオーソ、ブルーコンコルド、ワイルドワンダー、サンライズバッカスなど。騎乗停止になった横山典弘のフィールドルージュが引っかかったが・・・。結局、本命ヴァーミンアン、対抗ドラゴンファイヤー、単穴スチューデントカウンシルの3点買いにした。結果は、ヴァーミンアンの圧勝。2着になんと迷って切ったフィールドルージュ横山典弘が入った。こんなもんだよなぁ。明日は東京競馬場でJCを観る。

 帰ってきて、Jリーグ、鹿島対浦和を観る。非常に面白い試合だった。鹿島は良いサッカーをした。優勝を意識して積極的なプレスを掛けて浦和を攻めた。何故、新井場が退場したのか?余計な事をするからだろう。後半は1人少ない中でワンチャンスを物にてゴール。終了間際、舟山が退場になったのは全く意味が判らない。何をやったのか?暴言ではないかと言っていたが・・・。訳鼻毛!途中、JCダートを観ていたので得点シーンは録画で観たが、快心のゴール。快心の勝利だ。6万以上の敵サポーターの中で大きな勝利を掴んだ。優勝できるとは思わないが、来年のアジア・チャンピオンリーグ出場を決めた。

 『風来酔夢談』読了。中野翠が風太郎に、「女の人の顔だちの描写とかそういうのあんまりないですね」と、言う。この人、本読んだことないのだろうか?と思ってしまう。例えば、漱石はそんなのは書けないと、書いているし、荷風は、髪の毛や服装のことを書いても、顔だちなど殆ど書いていない。それに比べれば、風太郎はちゃんと書いてある。少なくても美人であると言うことが判るように・・・。女って言うのは、独断的で断定的だ。比較という物をしないで勝手に思ったことを口に出す。それが特性と言えばそうなのだろうが・・・。

 縄田一雄との対談の中では、漱石の『こころ』で扱った乃木将軍の殉死事件について触れているところが面白かった。
「風太郎 明治時代は、国民が、国家と一体化していたんじゃないですかね。明治が終わると、私も全部終わったような気がしたと、先生の遺書にあるじゃないですか。あれは、先生に託して、漱石の感慨を述べたんですね。ところがぼくらには、昭和の大戦に巻き込まれたにもかかわらず、天皇が死んだから、僕らも昭和とともに終わったという感慨は、ほとんどない。
 縄田 『こころ』の先生は、私も明治の精神に殉死しますと、そう言いますね。
 風太郎 そうそう。けれど、昭和の精神に殉死する、なんて言葉が出てこないでしょう。」 ーー『風来酔夢談』よりーー

 印象に残るところだった。それから漱石と鴎外。鴎外の方が漱石を意識していたと言う。幸徳秋水の大逆事件前後から日本がおかしくなっていったと風太郎が言っている。他には、尾崎秀樹との対談の中で、尾崎が風太郎に戦中の日記を出版するように勧めている。それと、忍法帖シリーズが終わって、ドキュメンタリーを書くように言っている。つまり、これが『戦中派不戦日記』『戦中派虫けら日記』になり、『同日同刻』などになっていくのだろうと知る。再読だから、そう言うことを前に読んだときに気付いていたのか、どうかは忘れてしまったが・・・。

 22日に買った『ミシュラン東京ガイド2008』を読む。どの店に行き何が美味しいのかと言うことが殆ど判らないレストラン・ガイドブック。何が良かったのか、この料理で星がいくつになったのかと言うことが、全く判らない文章が多すぎる。その店に行って何を食べればいいかあえて書いていないとしか思えない。また、その店が目玉と言っている料理が何であるかの具体性がない。コース料理が多いというのもあるが余りにも非道い。一言で言うなら、内容がない様。店の印象に残るのは兎に角値段が高いと言うこと。 『だから失敗は起こる』を読む。


 11月25日(日) 晴 10094

 朝起きたら頭が痛い。飯を食って洗濯をする。それから昼食も取らずに時間がせまったので東京競馬場へ向かった。着いたら馬体重を発表していた。TVモニターを観たが切り替わって観れなかった。パドックへ行って直ぐ馬が出て来た。一通り観て、思い出したように携帯でネットを繋ぎJRAのHPを観たら馬体重が出ていた。それを新聞に書き込んで歩様、仕草、気配、尻尾などをチェックした。競馬を始めた頃、ジャパン・カップに出てくる外国馬は輝いていた。日本馬が貧弱に見えた。しかし、今は外国馬を観ても輝きを感じない。落ち着きがないし、変に発汗している馬もいる。体だって日本馬の方が良いくらいで、とても馬券の対象になるような馬たちではなかった。

 日本馬は内から気がついた事を書けば、ポップロックは天皇賞の時と変わらなかった。耳が横を向いていた。コスモバルクはチャカついて耳を動かしていた。アドマイヤムーンはメンコをかぶり厩務員に甘えたり、うるさくなったり、尻尾が尻にくっついたりしていたが、歩様に問題はないし気配は悪くない。プラス8キロの馬体重も問題ない。インティライミは2人引きでうるさい。メンコをかぶり歩様は踏み込みが深く、尻尾は尻から離れているので元気がある。メイショウサムソンは2人引きだが落ち着いている。歩様も踏み込みが深く尻尾も尻から離れているので元気そうだ。ウォッカは甘えているが、耳は横を向いている。尻尾が尻にくっついたりしていたが四位騎手が乗ったら尻尾は尻から離れた。ドリームパスポートは万全とは行かないが、態勢を整えて来たことが判る。次走以降に期待。デルタブルースは悪くない。この馬の判らないところは、良いと思ったときに来なくて、気を抜いてちゃんと観ていないときに来たりする。距離が伸びた今回は良いだろうが信用できない。

 返し馬で、アルティストロワイヤルが引っかかっていた。17歳のタモラ騎手は経験のなさを出した形だ。馬券は、メイショウサムソンから、インティライミ、ウォッカ、アドマイヤムーンへの3点。結果は、スローで流れて、直線勝負。大外を廻ったメイショウサムソンは、3着。内でじっと直線まで我慢していたアドマイヤムーンが、ポップロックとの接戦を制して優勝。岩田騎手は上手く乗った。それに比べて武豊はダメだ。言い訳で、1番人気でゴチャ着く内を突くより外に行ったが、外を廻った分とどかなかった。だって。あれじゃ勝てるレースも勝てないのは当然だ。だから武豊の馬券は買いたくないのだ。2着のペリエ騎手との技量の差が2着3着の差だ。4着ウォッカ、5着デルタブルース。角居厩舎は、2着4着5着。3頭出してこの結果は凄いもんだ。

 レースが終わった感想は、有馬記念は、天皇賞とジャパン・カップで来た馬は来ないんじゃないかなぁと直感的に思った。帰ってきてネットを観たらアドマイヤムーンが引退するそうだ。理由は2400Mでも長いのに2500Mの有馬には行かないで引退するという物。理由には納得する。益々自分の直感の信憑性が高くなった気がした。だから有馬では、メイショウサムソンとポップロックは買わない。

 競馬が終わった後、米ちゃんと会おうと思っていたが体調不良で戻ってきた。駅を下りて買い物をしていたらTELがあった。米ちゃんもスペインで風邪をひいて体調不良。会うのは明日にした。

 「私の師匠やった父が、喜代美にこないゆうたそうです。人間も箸と同じや。磨いで出てくるのは、塗り重ねたもんだけや。一生懸命生きてさえおったら、悩んだことも、落ち込んだことも、綺麗な模様になって出てくる。お前のなりたいモノになれる。」 ーーNHK『ちりとてちん』の喜代美の父、正則の言葉よりーー

 『ちりとてちん』の徒然亭草若は、落語を捨てて3年後に復帰した。感動的な復帰だった。へたれの喜代美が不器用に落語と関わって行く姿とそれに関わる人間模様が非常に面白い。兎に角、脚本が素晴らしい!

 23日の結果。 フリキジャ(メキシコ)。ミックス闘牛。騎馬闘牛士、メンドーサ、耳1枚。闘牛士、ラファエル・オルテガ、耳なし。ホセリート・アダメ、耳1枚ともう1枚要求、耳2枚。

 24日の結果。 フリキジャ(メキシコ)。ソトルコ、ホセ・トマス、耳1枚が2回。フェルナンド・オチョア、耳2枚。 モンテレイ(メキシコ)。エンリケ・ガルサ、口笛。アントニオ・バレラ、耳1枚が2回。ホセリート・アダメ、耳なし。


 11月26日(月) 晴 11909

 夕方、米ちゃんと会う。スペインに行ってきたときの話を訊く。

 『芸術脳』茂木健一郎著、『葉隠入門』三島由紀夫著を読む。

 25日の結果。 メキシコ。ホセ・ルイス・アンヘリノ、耳なし。アレハンドロ・タラバンテ、口笛。ビクトル・モラ、場内1周、耳1枚。 リマ(ペルー)。ポンセ、耳2枚。フリ、耳なし。カステージャ、耳1枚。 Rion des Landes(フランス)。闘牛士、フェルナンデス・メカ、耳1枚。ファン・バウティスタ、耳2枚。フェルナンド・クルス、メディ・サバジ、耳1枚。見習い闘牛士、トマシト、耳1枚。


 11月27日(火) 曇 7169

 昨日米ちゃんと話をして方向性が定まった。紀伊国屋で、三島由紀夫の、『葉隠入門』を買う。「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」で有名な本。これはスペインでアントニオ・コルバチョと会った時に、三島の本を読んで、「サムライ」の心を知ったと言っていたのを思い出したので、買ったのだ。アントニオ・コルバチョが何を感じたかは知らないが、ホセ・トマスやアレハンドロ・タラバンテの闘牛を観ているので、ある程度の想像が出来るだろうと思ったからだ。いわゆる、「三島事件」があったので、『豊饒の海』4部作やこういうたぐいの方を読まないようにしてきたが、読むことにする。

 それと、注文していた、『芸術脳』茂木健一郎著。本屋に取りに行ったら、婆さんに、「20年前から変わらないですね」と笑って言われた。突然そんなことを言われたのでビックリした。未だ、爺さんが生きて本屋をやっていた頃から通っている近所の本屋。娘2人も嫁いだが未だに本屋を手伝っている。急がない本は極力ここに注文することにしている。雑誌も出来るだけここで買うようにしている。消費者として町の本屋を守っていく必要があると考えているからだ。 


 11月29日(木) 曇 49592/2

 オシムの後任は岡田になるらしい。それで良いのだろうか?俺は嫌だ。信頼が出来ない。もし、オシムがやってワールド・カップに行けないとしてもそれは仕方がないことだと思えるが、岡田がやって行けないのであれば、暴れたい気分になるだろう。

 『芸術脳』茂木健一郎 読了。非常に刺激的な対談集だった本書ではさまざまな分野の人と対談している。子供の頃、ステュディオスな状態を経験していないと大人になってから自分の存在意義が分からなくなるという。

 「20代後半ぐらいになって「あれ? 自分って、本当はなにが好きで、なにをやればいいのいいんだろう?」って不安になって、でも、自分の中にはなにもない。なにをやればいいのかもわからない。"自分"がからっぽなんです、それはそうなんです。他人にどう見られるかとか、あるブランド物を持っていたからという「人とモノとの関係」だけで自己を規定してきて、自分の内側から沸きおこる"これが好きだ!""これが楽しい!"っていう充実した状態である「ステュディオス」な状態を経験せずに生きてきたわけですから。それを深く体験しないまま大人になって、実は気づけば空っぽの自分を、悲しいほどの真面目さで新興宗教や自己啓発セミナーなんかで急場凌ぎで埋めようとして、結局、そんなことでは埋められず、自殺してしまったりする。ほんとうになんでもいいんですよ、昆虫が好きとか、囲碁が好きとか、釣りが好きとか、なにかに夢中になれる楽しいこと、「ステュディオス」状態になれることを持っている人って、自分を充填させる方法を知っている人だと思うんです。」 ーー『芸術脳』佐藤雅彦よりーー

「 「ステュディオス」から派生した言葉の「スタディ study 」は、単に「勉強」って直訳されますが、一般的に「勉強」って言葉って凄く義務的な語感があると思います。そうじゃないんですよ、本来の studious は。夢中になって、のめりこむような状態。」 ーー『芸術脳』佐藤雅彦よりーー

 非常に面白い!好きなことがないという事が理解できないが、そういう人がいるのだろう。それは生きている意味がないと思う。

 他にも色々面白いモノがあったが、変わっているところでいえば、ジャズミュージシャンの菊池成孔は、即興演奏で興奮してくると勃起すると、いっている。さらに、射精したことがあるともいっている。これにはビックリした。そんなことがあるのかと・・・。「気がつくとぬるぬるしている」という。そう言えば昔、スージー・クアトロが、ロックは下腹部が感じるとかいっていたなぁ。まさか、行かないだろうけど?他に、内藤礼、小野塚秋良、いとうせいこう、松任谷由実、ヒロ杉山、リトル・ブリテン、天野祐吉、リリー・フランキー。意外と面白かったのが、いとうせいこうと松任谷由実。天野祐吉はなるほどと思った。

 三島由紀夫の、『葉隠入門』読む。なかなか進まない。が、興味深い所がいくつもある。


 11月30日(金) 曇 7380

 「人間は大きな社会のヴィジョンを一方のこころで持ちながら、そして、その理想へ向って歩一歩を進めながら、同時に理想が達せられそうになると、とたんに退屈してしまう。他方では、一人一人が潜在意識の中に、深い盲目的な衝動をかくしている。それは、未来にかかわる社会的理想とは本質的にかかわりのない、現在の一瞬一瞬の生の矛盾にみちたダイナミックな発見である。青年においては、とくにこれが端的な、先鋭な形であらわれる。また、その盲目的な衝動が劇的に対立し、相争う形であらわれる。青年期は反抗の衝動と服従の衝動とを同じように持っている。これは自由への衝動と死への衝動といいかえてもよい。その衝動のあらわれが、いかに政治的な形をとっても、その実それは、人間存在の基本的な矛盾の電位差によって起こる電流のごときものと考えてよい。
 戦時中には、死への衝動は100パーセント解放されるが、反抗の衝動と自由の衝動と生の衝動は完全に抑圧されている。それとちょうど反対の現象が起きているのが戦後で、反抗の衝動と自由の衝動と生の衝動は100パーセント満足されながら、服従の衝動と死の衝動は、何ら満たされることがない。十年ほど前に、わたしはある保守系の政治家と話をしたときに、日本の戦後政治は経済的繁栄によって、すくなくとも青年の生の衝動は満足させたかもしれないが、死の衝動についてはついにふれることなく終わった。しかし、青年の中に抑圧された死の衝動は、何かの形で爆発する危険にいつもさらされていると語ったことがある。」

「 「葉隠」はしかし、武士というところに前提を持っている。武士とは死の職業である。どんな平和な時代になっても、死が武士の行動原理であり、武士が死をおそれ死をよけたときには、もはや武士ではなくなるのである。」

「したがって、この書物を読んでいくときには、まず武士であるかないかという前提の違いが当然問題になる。そして、その前提の違いを一度とび越して読んでいけば、そこにはあらゆる人生知や、現代でも応用できるさまざまな人間関係に関する知恵が働いている。ひととおりこの本の刺激的な、強い、情熱的な、同時に非常に鋭く、緻密で、逆説的な、さわやかな記述を身にあびて通りぬけるときに、また最後にぶつかるのは、その前提の違いである。」

 以上三島由紀夫の「葉隠入門」より引用。『葉隠』とは、江戸時代、佐賀藩の山本常朝から聞き書きした『葉隠聞書』を三島が昭和42年(死ぬ3年前)に解説して現代訳した武士道の本である。当時の学生運動の影響が色濃く出ている。当然のことであるが、いたって真面目に書いている。内容の好き嫌いではなく、三島事件への伏線も感じられる。だから、読みたくなかったのだが、それはそれで今は面白く感じられる。

 上記に書かれた5つの衝動。反抗の衝動、服従の衝動、自由の衝動、生の衝動、死の衝動。三島は、こういう言い方で人間の行動原理を語っている。

 28日の結果。 キト(エクアドル)。ポンセ、場内1周。フリ、ギジェルモ・アルバン、耳1枚。

 29日の結果。 キト(エクアドル)。フェスティバル闘牛。騎馬闘牛士、ジョアオ・モウラ、耳なし。闘牛士、ぺぺ・ルイス・バスケス、ビクトル・メンデス、ミウラ、ファン・フランシスコ・イノホサ、アルバロ・サンペル、耳なし。


 12月1日(土) 曇 32063

 NHK杯の女子フィギュアで安藤美姫の順位が、何位になるのか予想するのは競馬より簡単だと思っていた。当然優勝か2位だろうと。しかし、ジャンプの転倒が3回で、4位になった。誰がこんな結果を予想しただろう。女の気持ちと体は微妙だ。明日の阪神ジュベナイルフィリーズは、2歳牝馬チャンピオン決定戦。ただでさえ難しいのにこれじゃ予想は出来ない。回避する。

 予想外ということでいえば、今日のJリーグ最終戦で鹿島が勝ち、浦和が最下位の横浜FCの0-1で負け、鹿島が優勝した。こんな嬉しいことはない。浦和は、過密日程がたたった。現実は厳しい。そして、最大10点差あった勝ち点から逆転した鹿島は終盤9連勝で10個目のタイトルをものにした。しかし、こんな逆転があるのかと驚いている。今後の希望が持てる鹿島の復活劇だ。

 ところで馬券を止めてBIGを買った。結果がどうなのかは手元にないので判らない。

 30日の結果。 キト(エクアドル)。カルロス・ジャネス、フリ、耳1枚。ファンディ、耳1枚が2回。


 12月2日(日) 曇 6878

 目、肩がこっている。疲れてくるとこういう状態になる。本を読むことより、圧倒的にパソコンに向かうことの方が負担が掛かる。それだけに、昨日の夜の鹿島の選手がTVに出演していたのは嬉しかった。小笠原。戻ってきて優勝。嬉しく気分の良い時間だった。

 ロッテがシュークリームなど洋菓子が有名な銀座コージーコーナーの株式を100%を200億で買い取り傘下におさめる模様。

 マドリード、ラス・ベンタス闘牛場の興行主のホセ・アントニオ・マルティネス・ウランガは、ホセ・トマスのアポデラードと近々2008年の出場依頼交渉をする模様だが、出場料が約30万ユーロを提示する模様だ。30万ユーロは、約5000万ペセタ。日本円で約4900万円。これが1回の出場料になるのだとすれば、おそらく史上最高額になるだろう。ただし、セビージャの興行主のカノレアが危惧している様に、出場するかどうかは判らない。理由は、以前書いたが、TV中継を拒否するだろうと考えられるからだ。セビージャもラス・ベンタスもTV中継がある。それに合意するかどうかという問題点が残っている。ただし、2000年の時のように、その日だけTV中継をしないで出場するというような妥協案というのもないわけではないと思う。どうなるかは、ホセ・トマスの腹次第。


 12月3日(月) 雨 31410

 夕方、TAKEさん、Kadoyan、MEGUさん、TAMAさん、エムさんの6人で、恵比寿で飲む。TAKEさんは、今週から3月までの予定で名古屋に出張。土曜日の闘牛の会には来れないことが判った。初めに入った立ち飲みの飲み屋の、煮込みが非常に美味しかった。馬鹿話や色々な話をしたが、闘牛マンガの原作を書く話が後半からは中心になった。エムさんにどういう設定で書こうと思うかはおおむね話をした。本当は、今日までに企画書を作って行こうと思っていたが色々忙しいことになって出来なかったので、そういう話をした。

 2日の結果。 メキシコ。ミックス闘牛。騎馬闘牛士、ルイ・フェルナンデス、耳1枚。闘牛士、アントニオ・バレラ、耳なし。レオポルド・カサソラ、耳1枚ともう1枚要求。 キト(エクアドル)。エウヘニオ、場内1周。ディエゴ・リベラ、、耳1枚が2回、耳2枚。ロペス・チャベス、コヒーダされ左太腿を刺される。 リマ(ペルー)。フレディ・ビジャフエンテ、口笛が2回。ペレラ、場内1周。セバスティアン・パロモ、耳なし。


 12月4日(火) 曇 8607

 星野ジャパンが台湾に10-2で逆転勝ちしてオリンピック出場を決めた。勝って当然だが、良くやった。飲み屋でもTVがかかっていて逆転され、逆転した所を観ていた。

 「新語・流行語大賞。優勝した「マンシングウェアKSB」で得た愛称『ハニカミ王子』が、東国原英夫・宮崎県知事の『(宮崎を)どげんかせんといかん』とともに、年間大賞に輝いた。場所を移した遼クンは、ジャケットにTシャツにジーンズというラフなスタイルに衣装替え。各界の著名人と並んで表彰を受けた。
 「毎年、テレビで発表を楽しみにしていた賞を自分が受けるなんて信じられません。世間の皆様が認めてくれたんだな、と思います」
 目の回るような忙しさで受けた表彰ラッシュ。だが、高校生の本分は忘れていない。4日から学校に登校する。「勉強とゴルフを両立させることが必要です」と気を引き締めていた。」 ーーサンスポよりーー

 時代を感じさせる言葉。意外性のある出来事が選ばれた。どちらもさわやかな印象を持つことが出来る。

 昨日の飲み会で、カステージャとフリが同じ年だというTAMAさんの指摘があって、嬉しいことだと思った。これは使えると思った。風太郎のように年表を作らないといけない。


 12月6日(木) 曇 49571/2

 先月受けた健康診断の結果が届いていたが観ていなかった。今日帰ってきて観たら、去年より数値が悪くなっている。どうしたものか・・・。問題が1つ解決すれば、また問題が1つ発生する。こんな繰り返しである。人生とは飽きることがなく続いていく。

 『昭和前期の青春―山田風太郎エッセイ集成』 は、読んでいて切なくなる。両親を幼くして亡くした風太郎の思春期の不良ぶりが可愛くもあり、切なくもある。

 4日の結果。 キト(エクアドル)。ギジェルモ・アルバン、強い耳要求で場内1周。カステージャ、アビソ3回。ペレラ、耳なし。


 12月7日(金) 曇 7199

 ビデオの編集が未だ完成していない。何故だろう。時間や、入れたい物の折り合いがついてなかったからだ。でも、ようやく完成しそうだ。土曜日に完成して持って行けるだろう。ギリギリになってしまった。時間がない。


 12月9日(日) 曇 37741/2

 昨日の闘牛の会。部屋で寝ていたら、携帯が鳴って起きた。荻内先生から。四谷にいてこれから会に行くけど、未だ部屋にいるの?寝坊してこれから行きます。それから、すっ飛んでいった。10人以上が集まって始まっていた。始めてきた人がいたので、自己紹介をして編集したビデオを流した。始めてきたTさんは熱心にビデオを観ていたが、楽しい時を過ごせただろうか?

 昨日は、朝に色々あって時間が過ぎて・・・。体力的に負荷が掛かった日になった。部屋でビデオの編集が終わってネタのが14時過ぎで、携帯のアラームを止めてそのまままた寝たようだ。会でも酒を飲んでいたらしびれるように酔っていた。終わったら、そのまま帰ってきた。会は楽しかった。自己紹介でこのHPを観て会に来ている人が多いことに改めて気づいた。

 今日の朝日杯フューチュリティステークスは、アポロドルチェとスズジュピターの1点にしようかと思っている。


 12月10日(月) 曇 37426

 夕方、荻内先生と奥さん、尾内さんと旦那さん、Nさんと奥さんの7人で飲んだ。尾内さんの旦那さんとNさんの奥さんは初めて会った。もとはと言えば、荻内先生と会ってスペイン現代史の話を訊きたかったからだ。重要なのは、内線後のスペインで、人々がどのような生活をしていたかということ。その中からキャラクターを明確に出来のではないかと思ったからだ。闘牛ファンは、フランコ支持かといえば初めはそうでなかった。それが、フランコ支持派が多くなって行くのは、フランコが独裁政権の民衆のはけ口として、闘牛、サッカー、歌に力を入れてそれらの産業が栄えたからだという。

 例えば、闘牛士でも、貧民街から這い上がってきたエル・コルドベスをフランコが好んだ。それは、そういうドラマ性にも目を付けて闘牛の大ブームを作る。でも、正統派闘牛士の多くはフランコにはなびかなったという。まあパコ・カミノとの殴り合いは有名な話だがライバル意識だけじゃないそういう部分があったとは知らなかった。何もこれは、闘牛だけに限られた話じゃなくて、サッカー選手でもそうだし、歌手でもそうだったという。

 他にも、フランシスコ・ザビエルがセビージャ派の宣教師として日本に来たから、天ぷらが日本に定着したと言う。セビージャは天ぷらだけを食べる日というのはカトリックで決まっていて、その習慣が日本に来て定着したと言う。当然、日本の切支丹伴天連は、スペインにから来た、カトリックである。山田風太郎は、切支丹とかキリスト教を書くときに、カトリックとプロテスタントの区別がしっかり判っていなかったように思う。ヘボンはアメリカ人だが、お夕が、マリア様というのは、?と思う。アメリカはプロテスタントじゃないかの?と思うからだ。

 まあそれは良いとして、面白い話が訊けた。スペイン現代史をちゃんと調べても相当面白い。何処まで書けるかは判らないが、事件や、題材が風太郎のように面白く繋がっていって、キャラクターの特徴とマッチして倍加できるように描ければ面白いものになるだろう。そうならなければ、滅茶苦茶なバラバラなものになってしまう危険性もあると思う。


 12月11日(火) 曇 9706

 注文していた、『ボブ・ディラン ニューポート・フォーク・フェスティバル』が届いたので、観た。これが欲しかったのは問題の65年のフォーク・ロックのサウンドにファンがついていけず、ブーイングを上げ引っ込んで、生ギターを抱えて再登場して、泣きながら、『ミスター・タンブリン・マン』 と 『イッツ・オール・オーバー・ナウ・ベイビー・ブルー』を歌うシーンの完全盤が観たかったからだ。観れてスッキリした。それは涙なのか、汗なのか判別が出来なかった。

 浦和が、セパハンに3-1で快勝して、準決勝に進出した。これで、ACミランと対戦できる。


 12月13日(木) 雨のち曇 46953/2

 『「3つ星ガイド」をガイドする』山本益博著読了。『ロックを生んだアメリカ南部 ルーツ・ミュージックの文化的背景』ジェームス・M・バーダマン、村田薫共著読む。読んでいた本を忘れたので上記2冊と『日本の戦時下ジョーク集 太平洋戦争編』早坂隆著の3冊を買って読み始める。『「3つ星ガイド」をガイドする』は、実に面白い本だ。発売が12月15日と書いているが、11日に手に入れて読み始めた。山本益博の肩書きは、料理評論家。料理を食べる側から料理と料理人を評論する人だ。ミシュラン東京版が出版されたときも書いたが、82年『東京・味のグランプリ200』でミシュラン式の3つ星で店を評価した本を書いて以来、外食することで生計を立ててきた、食べる方のプロだ。

 本はそれらの経験をもとに、第1章「ミシュラン」上陸は何を変えるか 第2章「ミシュラン」調査はどう行われるか 第3章選ばれるべきレストランとは 第4章わたしが選ぶ「星付きレストラン」 第5章「ミシュラン」と日本料理 の5章に分けて、1章から3章までは、ミシュランの歴史や今までの評価方法、編集者が代わってからの編集方針の違いなどを具体的なパリなどのレストランの名前を上げて説明して、元調査員が出した本や3つ星レストランのシェフたちから訊いた調査方法を説明している。

 4・5章では、彼自身がミシュランで星が付くだろう店を具体的な店名を上げて、その理由までを述べている。本が書かれたのは後書きから、『ミシュランガイド東京版2008』が発刊する10日前である。かなりの冒険である。そして、かなりの確率で星が付いた店を当てている。そして、店名を上げた店はかなり具体的に何の料理の何処が良いかというものを書いている。ミシュランを読んでも行きたいと思わない店でも、行ってみたいと思わせる文章だ。こういう本を読んでいると興奮する。例えばラス・ベンタス闘牛場のテンディド7を中心とするアフィショナードは、闘牛を観る方のプロと言っていい評価をする。その物に関わり方というのが、やるのではなく、観ることで関わり、良い闘牛にしていこうとする意欲を、闘牛士と共有するような気持ちでいつも関わっている。これは山本益博が食べることで料理を評価し料理人を育てようとする姿勢と共通している。そういうワクワク感がこの本にはあるのだ。『ミシュランガイド東京版2008』を合わせて読むとなお面白いと思う。

 浦和レッズはACミランに0-1で負けた。良い試合だった。


 12月14日(金) 晴 6921

 『ロックを生んだアメリカ南部 ルーツ・ミュージックの文化的背景』は、出来るだけ読みやすく書くように努力されている。プロローグは2人のキングから書いている。キング・オブ・ロックンロールのエルビス・プレスリーと、キング・オブ・ザ・ブルースのB・B・キング。1956年12月7日メンフィスのエリス・オーディトリアムの舞台裏で撮影されたプレスリーとB・B・キングの写真からブルースの話が始まるのだ。

 「ルーツはブルースなんだ。それ以外はみんなその果実(フルーツ)さ」ウィリー・ディクソン

 「ビートルズが最初にアメリカに来たときの記者会見で、一番関心があるのはと訊かれ、「マディ・ウォーターズとボー・ディドリー」とふたりのブルースマンの名前を挙げると事情にうといインタビュアーは、その名前をなんと地名と勘違いした。すると、ジョン・レノンが、あんたたちは自分の国のことなのに何にも知らないんだね、と皮肉ったという話はあまりにも有名だ。 ・・・中略・・・

 バンド結成以前のビートルズは、ブルースとロカビリーをどん欲に吸収していた。エルビス・プレスリーについて、ジョン・レノンはこう語っている。「本当に強烈に響くものを最初に感じたのはエルビスを聞いたときだった。エルビスがいなければビートルズも生まれていない。」一方、六〇年代のフォーク・ロックの起爆剤であり、今なお多くのミュージシャンにインスピレーションを与え続けているボブ・ディランは、エルビスがアメリカのミュージシャンに与えた衝撃をこう語る。「初めてエルビスの声を聞いたとき、ああ、もうふつうに勤めるような仕事はできない、人に命令されて仕事なんかやってられないってね・・・・・・。彼の声を最初に聞いたとき思ったよ、おれは監獄をぶち破ったんだ、って。」 」 ーー『ロックを生んだアメリカ南部 ルーツ・ミュージックの文化的背景』よりーー

 何故人種隔離政策時代のアメリカで、白人のエルビス・プレスリーがブルースを聴いて育ったか?何故B・B・キングを尊敬したかなどからこの本は始まるのだ。これがアメリカの現代史の断片にもなっている。

 来年のバレンシアの火祭り(フェリア・デ・ファジャス)に、ホセ・トマスが出場する模様。ディヒタル・プルスがTV中継するが、ホセ・トマスが出場する日だけTV中継をしないという契約条件のようだ。バレンシアの興行主セバスティアン・ロドリゲスがこういう風に発表したことは、これから続く、セビージャ、マドリードもこれに習う可能性が強いと思う。つまり、そういう考え方でいえばセビージャ、マドリードにも出場するという可能性が高くなったという事だろう。


 12月15日(土) 曇 約28000

 『「3つ星ガイド」をガイドする』山本益博著は、ミシュラン東京ガイドの補足的な本である。彼があの本で書いているのは、今まで食べてきた東京のレストランを、発売に合わせてミシュラン目線で食べ直すところから始めている。そして、ミシュランが、本によって料理を評価し料理人を育てようとする姿勢に共感して出版を歓迎している。日本人だけではない目線からの東京のレストランのあり方に一石を投じるだろうと期待している。当然それに対しての賛否両論があるだろう事も予想して・・・。

 注文していた、『フランコ スペイン現代史の迷路』色魔力夫著が届いた。本屋に取りに行き読み始める。『ロックを生んだアメリカ南部 ルーツ・ミュージックの文化的背景』を読む。偶然手にとって買った本だがいけている。これを読むとジャズとカントリーがブルースと出発点でどう違うのかという歴史的背景が判るだろうと思う。今ジャズの所を読んでいるので、ミシシッピー・デルタのブルースと、ジャズ発祥の地、ニューオリンズの違いが判ってきた。アングロサクソンの大農園テンプテーションで奴隷制時代から南北戦争後の小作人へ代わって、より非道い黒人差別と凄い貧困だった、ミシシッピー・デルタのブルースと、フランス領ヌーヴェル・オルレアンから、ルイジアナ購入協定によりアメリカ領になったニューオリンズの自由であまり差別的な境遇になかった違いは、歴史的な背景も状況も全く違っている。しかし、その後の南北戦争後のジム・クロウ法による人種隔離政策になって過酷な運命を辿る黒人たちからジャズが生まれる。ブルースもミシシッピー・デルタで同じようにして生まれる。その後、禁酒法なども絡んでくる。ミシシッピーの記述にはKKKの 存在も書かれてある。南北戦争後の戦災孤児の救済などの慈善団体として出発したが、その後に人種差別によるリンチ行為を繰り返して黒人を殺害した。そういう中からブルースが生まれる。そして、伝説のロバート・ジョンソンなどの放浪のミュージシャンが生まれる。それは、シカゴなどへの大移動をする以前の話だ。

 高校の同級生からTELあり。サッカー部が全国優勝したからだろう同窓会をするという。久しぶりに聞く声だ。みんなどうしているんだろう?


 12月16日(日) 晴 10063

「おお、神アブラハムにいわく 「おれのために息子を殺せ」
 アブラハムがいうに、
 「そんなこといって、おれをかつぐんだろう」
 神いわく 「ノー」 アブラハムいわく 「何と?」
 神いわく 「すきなようにするがよいさ
 だがこんどおれを見たら逃げるがいいぞ」
 ではアブラハムいうのに 「どこで殺したらいいか」
 神いわく 「ハイウェイ61で」 」 ーー『追憶のハイウェイ61』ボブ・ディラン、訳・片桐ユズルよりーー

 ハイウェイ61。「国道61号線はニューオーリンズからメンフィスやセントルイスを通り、アイオワからミネソタに入る国道で、当時はディランの生誕地ダルースを通ってカナダ国境まで伸びていた。ベッシー・スミスは同路線で自動車事故死し、ロバート・ジョンソンは61号線と49号線の交わる十字路で悪魔に魂を売り渡した。エルヴィス・プレスリーは同路線に沿って立てられた住宅の中で育ち、マーティン・ルーサー・キングは61号線にあるモーテルで殺害された。

 ロバート・シェルトンはBBCのインタビュアーに「多くのアメリカ文化の基礎がちょうどそのハイウェイとその川を上ってきた。」と語った。「そして10代のディランはラジオの中でそのハイウェイを旅した。・・・ハイウェイ61号線は彼にとって自由、変化、独立のシンボル、そしてヒビングでの彼が望まなかった生活から抜け出すチャンスになったと思うよ。」 」 ーーウィキペディア(Wikipedia)よりーー

 岡林にとって、ハイウェイ61は、ディランがニューヨークに出て来て初めてレコーディングした1961年のことを歌っている。それが彼の心の出発点であり原点になる部分だったと思う。俺のとってのハイウェイ61は、おそらく、今まで接してきた音楽や本やスポーツや闘牛だと思う。


 12月17日(月) 晴 26219

 ACミランがクラブ世界一になった。浦和はPK戦の末、3位になった。昨日の夜、父親からTELがあり話していたら、お袋が痴呆症になってきているという。病院にもいっていないような話をしていた。今日、TELで話をしたら、脳の断層写真を撮ったりして、リハビリにも週2回通っているという。近々帰らなければならないかと思っていたが、大丈夫そうだ。23日はおばあちゃんの命日。あの日も有馬記念だった。大本命メジロマックイーンが2着に敗れあっとビックリのダイユウサクがレコードで駆け抜けた。今年は23日が有馬記念。あの日、ダイユウサクの単勝を1万円買おうとして、オッズを見てビビって買わなかった苦い思い出がある。今回は、思いっきり振り切ることにする。ウォッカ、デルタブルース、ロックドゥカンブ。ポップロックは迷うところ。

 スペイン・リーグはレアル・マドリードもバルセロナも勝った。アトレティコ・デ・マドリードが引き分けで、3位に上がった。ホセ・トマスやフリ、アベジャンが喜んでいることだろう。

 『フランコ スペイン現代史の迷路』を読む。今までの認識では、独裁者フランコは、独裁者であるからヒットラーやムッソリーニにように、悪であるというものであった。この本は、そういう認識をある意味でくつがえすものになるのかも知れないと思う。スペインとは実に軍事クーデターが多い国で、1841年から1936年7月までの間に202回も軍事反乱が起こっている。同じ将軍が何度かクーデターを起こしたりもしている。そのクーデターもいわゆる軍事独裁的なものだけではなく、自由や民主主義を望むものとしてのあるというのが驚きである。そのような混乱の中でフランコはスペイン内戦に巻き込まれたと言っていいような関わり方で参加させられる。全く自発的でないというのが驚きの2つ目である。

 スペイン内戦については、川成洋さんなどは主に共和国の方に立場を置いて色々な本を出版してきた。そういう物と合わせて読むとより面白いだろうと思う。TAKEさんに借りようなかな。

 「 「歴史」とは、事実の集積ではない。たまたま知り得た事実を根拠とする「解釈」である。したがって、歴史の認識は、常に再検討する必要がある。」 ーー『フランコ スペイン現代史の迷路』色魔力夫よりーー

 16日の結果。 メキシコ。エル・サパタ、耳1枚。レオポルド・カサソラ、ギジェルモ・マルティネス、耳なし。 メリダ(メキシコ)。ソトルコ、耳1枚、耳1枚ともう1枚要求。ラファエル・オルテガ、耳1枚。カペア、耳なし。


 12月19日(水) 晴 48577/2

 毎日毎日色んな事がある。闘牛のついても、来年の闘牛動向がニュースなどで分かってきた。それによると、闘牛士の中心はホセ・トマスとセバスティアン・カステージャになりそうだ。ホセ・トマスはおそらく40回前後闘牛をやるだろう。バレンシアには出場が決まったが、おそらく色々あるだろうが、セビージャ、マドリードにも出場すると思う。ホセ・トマスとセバスティアン・カステージャの闘牛を観て、どう思うか、どう感じるか非常に興味を覚える。それと、来年になったらホセ・トマスと一緒にアレハンドロ・タラバンテが出場するかも知れない。この3人の闘牛があれば観てみたいと思う。

 TAKEさんが掲示板に書いていたスペイン内戦の本を注文した。

 16日の結果。 イバゲ(コロンビア)。ミックス闘牛。騎馬闘牛士、フランシスコ・ハビエル・ガルシア、耳1枚。闘牛士、セサル・リンコン、耳2枚。ペペ・マンリケ、耳なし。ルイス・ボリバル、耳2枚。 ウトゥレラ。フェスティバル闘牛。騎馬闘牛士、ダビ・バスケス、耳2枚。闘牛士、クーロ・ドゥラン、バルデラマ、耳なし。クキ・デ・ウトゥレラ、耳2枚。アルベルト・デ・ラ・ペニャ、耳なし。ルイス・ビルチェス、耳2枚と尻尾1つ。見習い闘牛士、ファン・マヌエル・ティラド、耳1枚。


 12月20日(木) 曇 6370

 暮れも押し迫ってきた。有馬まであと3日。スポーツ新聞は昨日の追い切り調教の記事が踊る。熟読してデータを頭に入れておこう。寒くなってきてしかも、23日は天気予報が雨。馬場がどれだけの状態になるのかは判らない。そんなに悪くならないような気がする。

 年表作りも少しずつ進んでいる。どういう風に味付けするか、物語るか、考えていきたい。


 12月22日(土) 小雨 54036/2

 夕方、TELがあった。高校の同級生から。同窓会というか同学年会開催会場からだった。TELを代わったのは、同じ中学から行ったMだった。あいつは中学の頃は目立たなかったが、高校に入ってからギターを覚えてちょっと悪い奴らと付き合いだして劇的に代わった。思春期の時に起こる変化の現象の1つだ。でも、Mは、そんなに悪くはならなかった。おそらく、ギターを覚えて自分を大事にしたからだと思う。あいつはBのコードを押さえるときに、人差し指と薬指の2本の指で押さえるという特技を身に付けていてビックリした。今でもギターを弾いているのかと訊くと、今は俺のギターを息子が弾いていると言っていた。代替わりである。

 そういえば、TELをよこしたKとはサッカー部で一緒にサッカーもやったしギターも良く弾いて歌った。あいつの所に行って泊まったときに、訊いた話を思い出した。夜中に寝ているとビューンと音が鳴って、なんだろうと思っているとバキーンと音が鳴って電気を付けて見ると、ギターの弦が切れていたという話をしたことがあった。そんなことを思い出した。もう長い間会っていないので変わっていて判らないかも知れない。

 今日は、バーボンを飲んで有馬記念のことを考えようと思う。かける音楽はディラン、トム・ウェイツ、クリスタル・ゲイル、エミルー・ハリスなどのアメリカ音楽だ。キース・ジャレットもピアノを聴くだろう。1年で1番神聖な夜が有馬記念前夜だ。


 12月23日(日) 曇 7461

 FとKと3人で中山競馬場へ行ってきた。1年の総決算有馬記念を見に。パドックを観て馬を最終的にチェックして馬券を買った。しかし、結果はあっと驚く大波乱!!!直線に入って先頭がマツリダゴッホだと判ったときに、このまま勝たれた思った。2着がダイワスカーレット、3着がダイワメジャー。ウォッカもメイショウサムソンもポップロックもロックドゥカンブも何にも来ない!時すでに遅し!!!いくら中山功者とはいえ、こんな結果を誰が予想しただろう?

 パドックでは、メイショウサムソンが1番良く見えた。何しろ踏み込みが深い。前脚の着地点より、後脚の着地点が25cmくらいも前に着いていた。こんな馬は見たことがない。尻尾を見ても元気だし、落ち着いている。ピカ1に見えた。これは、勝つかも知れないと思った。当初の予想では買うつもりはなかったが、買った。それはパドックを観たからだ。ウォッカもロックドゥカンブも良かった。デルタブルースは少し疑問に思うことがあった、ダイワスカーレットやダイワメジャーに比べたら良かった。スカーレットは、冬毛が出て発汗している。メジャーは、うるさいしこれも発汗している。この兄弟は、距離に問題があるのにこういう状態じゃダメだろうと思うのは非常に常識的なパドックの見方だと思う。

 武豊は、どうも乗り方が非道い!馬もスタート後に前に付いていけなかった。大外を周り直線勝負じゃ当然届かない!1番人気で1番負けている騎手が武豊なのだからしょうがないのかも知れないけど・・・。しかし、それでもこの結果はなんなんだ!常識や、データでは、今日の馬券は買えない!買えない人が殆どだからこそ、凄い配当がついた。いやー何年競馬をやっても馬券は思うように当たらない!!!

 東京に戻ってきてしゃぶしゃぶを食べた。腹一杯食べた。今日はマツリダゴッホと蛯名正義の夢を見てうなされそうだ!咳をしても1人、じゃなくて、咳をしなくてもゴッホか・・・。


 12月24日(月) 晴 13886

 「 「1年に1日くらい、いいことがあってもいいよね」と満面の笑みを見せた蛯名。01年にマンハッタンカフェ(3番人気)で勝った時も、同じ「12月23日」だった。2着にアメリカンボス(13番人気)が入り、当時のグランプリ馬連最高配当(4万8650円)を記録。今回の3連単は、なんと80万880円で、またもや、ビッグな“クリスマスプレゼント”となった。」 ーー報知新聞よりーー

 そうか、12月23日、おばあちゃんの命日の有馬記念の時は、蛯名正義が勝つのか、と、思った。しかもマツリダゴッホの馬主は、岩手の人だった。

 22日コロンビアのカリで、ディエゴ・ゴンサレスがアビソ3回会の後マンドニェド牧場の、“ピラリコ”という名の牛(No302、480キロ)をインドゥルトした。

 22日の結果。 カリ(コロンビア)。ペペ・マンリケ、耳なし。ディエゴ・ゴンサレス、アビソ3回、シンボルとしての耳2枚(牛、インドゥルト)。ラミロ・カデナ、場内1周。


 12月25日(火) 曇 8489

 NHKの朝ドラ『ちりとてちん』が泣ける。すったもんだがあってようやく徒然亭一門会を開く。再放送があった、『ハゲタカ』も最後は泣かせる。脚本が良いとドラマに引きつけられる。DVDのHDDを整理して年末年始の番組に備えた。そして、予約を入れた。


 12月26日(水) 曇 32368

 夕方、風呂に入って、恵比寿に出掛けた。MEGUさん、カエルさんとアナスタシアさんたちと会って鍋を囲んで食べた。元気そうだ。3年ぶりくらいの帰国だろう。闘牛の話はあまりしなかった。それでもスペインの話をした。カエルさんはまた台湾に行ってきたと言うし、MEGUさんも19日から連続で忘年会などの飲み会が続いているという。俺も12月は、家で飲むこともあったし外でも何度か飲んだ。スペインいるときは毎日飲んでいるけど、日本にいるときは、近年珍しいくらい飲んでいる。アナスタシアさんが、帰りに来年にスペイン来るときに・・・と、言ったので、来年行けるか判らないというと、えっそうなの?といっていた。どうやら、大阪や名古屋でシーラさんやMEGUさんたちとあるらしい。


 12月27日(木) 曇 12273

 『フランコ スペイン現代史の迷路』読了。非常に面白かった。その中にファン・カルロスが皇太子時代にリスボンで事件を起こしている。詳しくは判らない。フランコとドン・ファンによって有耶無耶にされたらしい。そして、スペイン内戦の本を読み始めたが、これが面白くない。それならと思って、荻内先生が訳した、『国王』を再読することにした。カエルさんに、内線の本はつまらないというと、あたしもそう思うと言っていた。僕は、内線をテーマにしているのではないので、そう感じたかと思ったが、どうやら、そういうテーマを持っていなくてもつまらないらしい。


 12月28日(金) 曇のち雨 27013

 全日本フィギュアで浅田真央が2連覇。2位には、安藤美姫がフリーでは1位だがSPでの点差があって僅差で負けた。この2人以外は、演技が面白いとは思わない。格が違う。他はローカル・レベル。安藤は今年の最後で、世界選手権優勝のあとの燃え尽き症候群から立ち直って良い演技を見せた。

 『国王』スペイン王国ドン・ファン・カルロスT世との対談 ホセ・ルイス・ビラジョンガ著 荻内勝之訳 を読む。スペイン内戦の本よりよっぽど面白い。フランコと中心にしたスペイン現代史とファン・カルロスから見るスペイン現代史の違いが面白いし、人間としても興味深い。国王になってからの身辺警護など危険を感じたときはないかという問いに、「名は忘れたけど、ある闘牛士が闘牛場のアレナに入る瞬間、恐怖を感じるかと尋ねたら、「怖がってみても怖さから逃げられません」と言った。」と応えている。


 12月29日(土) 雨 7837

 毎年そうなのだが、DVDで予約を入れたままにしてHDDが一杯になることの繰り返しだった。今年はそんなことにならないようにこまめにメディアへ移している。まめにやると録画の状態も判るし、予約ミスも少なくなる。ペピン・リリアが来年で引退するようだ。

 「パキスタン北部ラワルピンディで有力野党「パキスタン人民党」総裁、ベナジル・ブット元首相(54)が27日に暗殺された事件で、27日から28日にかけブット氏支持者らの暴動が拡大し、計20人前後が死亡するなど、暗殺は全国的な流血の事態に発展した。政府は武装治安部隊を全国で治安出動させ、発砲許可を出した。一方、野党側は反政府の姿勢を強めており、来年1月の総選挙について延長論も浮上している。」 ーー毎日新聞ーー

 26日の結果。 カリ(コロンビア)。ミックス闘牛。闘牛士、イグナシオ・ガリバイ、耳なし。リカルド・リベラ、耳要求。騎馬闘牛士、ジョアオ・モウラ(息子)耳2枚。

 27日の結果。 カリ(コロンビア)。アベジャン、耳要求で場内1周。ファン・バウティスタ、耳2枚。パコ・ペルラサ、耳1枚ともう1枚要求。


 12月31日(月) 晴 54414/2

 K-1を観ている。山本“キッド”徳郁は、強かった。紅白は録画しながら今は、K-1 PREMIUM 2007 Dynamite!! 桜庭が舟木に腕関節で勝った。東北人同士の戦いだった。ピョードルも順当に勝った。そして、三崎は秋山にKO勝ち。クリーム塗らないと秋山は勝てないのか?と、言われそうな流血KOだった。

 『国王』、『ロックを生んだアメリカ南部 ルーツ・ミュージックの文化的背景』読了。再読の『国王』は、フランコの本を読んだあとだったので、より判った。フランコとファン・カルロス国王の時代が現代スペイン史の全てと言って良い。


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