Sense of Wonder
Museum
決して多くを読んでいるとは思いませんし、かなり偏ってもいますが、そんな私の読書歴の中から人に進められる本を選んでみました。
勿論、独断と偏見に満ち満ちています。有名どころが多いのでさしたるものではないですが。
TopPageに戻る
アルジャーノンに花束を
1950年代に書かれた古い作品。SF、とジャンル分けをしましたが、あまりSF臭さは感じられなかったりします。
一言で言ってしまえば知性に障害のある青年が手術によって(この辺がSF)知性を高めるお話です。
しかし、その後・・・といった形で実験台となった青年の手記(日記)の形で話は進んでいきます。
アルジャーノンとは同じ実験を先行して受けたマウス(ネズミ)の名前。
主人公の青年は高まった知性でアルジャーノンがどうなるかを見ることが出来るようになったわけです。
最初は子供ほどの知性しか持ちあわせていないせいで書く日記もひらがなばかり。
これが手術後には徐々に漢字を使い始め、はじめの頃こそ間違いも多いのですが、ついには
難しい専門用語まで平気で使えるようになるのです。
日本人好み、と言ってはいいすぎなのでしょうが、泣かせる話です。お涙頂戴ものです。
私はこの本を・・・まあ・・・とある場所で読んでいたのですが、最後には思わず涙ぐんでしまい、
どうしようかと困り果てた記憶があります。
「まごころを君に」とかいうタイトルで(正確なタイトル失念)映画化もされたようです。
レンタル屋でたまに思い出しては探してみるのですが、これが見つからないんだな。
著者のダニエル・キイスはこの後「5番目のサリー」「24人のビリー・ミリガン」といった精神分裂を扱った
ノンフィクションよりの作家へと転身したようです。
「5番目のサリー」までは読んだのですが、「24人の〜」のほうは何だか読む気がしませんでした。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
アルジャーノンに花束を | ダニエル・キイス | 4-15-203393-2 | \1,500 | 早川書房 | 1989/4/15改訂初版 | B5単行本 |
たったひとつの冴えたやり方
人類が宇宙へとコールドスリープを使って飛び出し始めた時代。
ミドルティーンの少女が冒険心から宇宙へ単独で飛び出します。それも人類の手の伸びるギリギリの外縁まで。
そしてそこで人類外知的生命体と出会い、友達になります。しかし、悲劇はそこから始まったのです。
ハンカチなくしては読めない話、といわれてますが、私はハンカチなしで読めてしまいました。
でもでも感動。
これも「アルジャーノンに花束を」と同じくお涙頂戴ものに近いです。「アルジャーノンに花束を」とは
また違った方向でのお涙頂戴だけれども。
この話は中編です。あなり長くもなし、星新一には負けますが、読むには手ごろの長さといえるでしょう。
私は長編のほうが好きなので少し物足りなくもありましたけど。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
たったひとつの冴えたやりかた | ジェイムズ・ディプトリー・ジュニア | 4-15-010739-4 | \580 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 1987/10/1 | 文庫 |
ブギーポップは笑わない
「僕は自動的なんだよ」
自らを「不気味な泡(ブギーポップ)」と名乗る、男とも女ともつかない存在が、世界の危機に瀕したときに現れる。
一種の変身モノといっても過言ではないでしょう。
周りの人間は知っているのですが、本人は自分がブギーポップだということを知りません。
あくまで世界の危機に対して自動的に変身するのです。
しかし、そんなあやふやな存在にまかせてばかりではいけない。とばかりに密かに正義の味方としてがんばっている者もいます。
しかし、世界を危機に陥れる者は目に見える怪獣などではありません。
確かに謎の組織も存在しますが、どちらかというと世界の危機を招いているのは人間自身・・・。
淡々とした語り口と、個々に発した事象とが読み進むにつれて一体化してゆく、なんともいえない感覚が残ります。
ちょと大風呂敷な所もあるので、どうおさめていくか、不安であり楽しみでもある作品です。
現在もなお刊行中。
ハードワイヤード
私がロールプレイングゲームの世界に入ってまだ日の浅かった頃。ShadowrunというサイバーパンクファンタジーなRPGに出会いました。
その時に参考文献として紹介されたのが「ニューロマンサー」とこれ、「ハードワイヤード」だったのです。
「ニューロマンサー」はややとっつきにくさがありますが、それに比べるとアクション度が高いこの作品は私の感性に合っていたようです。
装甲ホバーを駆って厳重な警備のなされた国境を越え、物資を運ぶ運び屋の話です。
ホバーとリンクすることで車のセンサーが眼となり耳となり、ホバーのエンジンを心臓とする、男たちの話でした。
いや、本当は地上を走る車のりじゃなくて、という部分もありましたか。
ヒロインもすごいといえばすごい。暗殺用のサイバースネークを咽喉内に隠しており、これを武器として戦う
ストリートサムライ(傭兵)です。
サイバースネークは舌を使って引き出し、使うようになっていたので、使っている間は呼吸が出来ず、戦闘が
長引くと逆に危険になるというスバラシイものでした。
ゲームで再現したかったけれど、Shadowrunでは無理でしたね。
(CyberPunk2.0.2.0.というRPGにはこの小説の世界の再現をするサプリメントがあるので、それなら何とか・・・でも持ってないし)
話は衛星軌道上に作られた「国家」の陰謀に2人が巻き込まれ、逆襲するといった実にわかりやすいものです。
だから私にあってたのかも。
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」(映画「ブレードランナー」原作)を読めなかった私にとっての初サイバーパンクがこれでした。
この著者の別の作品を読もうと思って目にした「必殺の冥路」なる作品はダメダメでしたけど。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
ハードワイヤード(上) | ウォルター・ジョン・ウィリアムズ | 4-15-010818-8 | \480 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 1989/4/30 | 文庫 |
ハードワイヤード(下) | ウォルター・ジョン・ウィリアムズ | 4-15-010819-6 | \520 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 1989/4/30 | 文庫 |
星界の紋章
1990年代。SF界冬の時代。彗星のごとく期待の新人がデビュー作全3巻で現れました。
彗星のごとく去っていかないことを望みます。
ライトな感覚をのこしつつ、根っこにハードSFの香りをしたためた、スペースオペラといってよいでしょう。
アーヴと名乗る種族による宇宙空間の支配。それに巻き込まれた主人公は、ひょんな事からアーヴ世界の「貴族」階級に
なってしまいます。
そして、その課せられた義務のために首都に向おうとするその時に出会ったのが純粋たるアーヴであるヒロインでした。
主人公とヒロインは首都に向うさなか、起こった星間戦争に巻き込まれ思わぬ冒険をするハメとなります。
アニメ化されたのですが、なんでぜーんぶアニメにするかねー。
(イメージが違うぅ・・・)
現在、続編が第二巻まで刊行されています。で、音沙汰なくなったな・・・おひ。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
星界の紋章1 帝国の王女 | 森岡浩之 | 4-15-030547-1 | \500 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 1996/4/10 | 文庫 |
星界の紋章2 ささやかな戦い | 森岡浩之 | 4-15-030552-8 | \520 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 1996/5/15 | 文庫 |
星界の紋章3 異郷への帰還 | 森岡浩之 | 4-15-030555-2 | \500 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 1996/6/15 | 文庫 |
星界の戦旗1 絆のかたち | 森岡浩之 | 4-15-030573-0 | \520 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 1996/12/15 | 文庫 |
星界の戦旗2 守るべきもの | 森岡浩之 | 4-15-030603-6 | \540 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 1998/8/31 | 文庫 |
星界の戦旗3 家族の食卓 | 森岡 浩之 | 4-15-030660-5 | \560 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 2001/03/15 | 文庫 |
星界の戦旗4 −軋む時空− | 森岡 浩之 | 4-15-030774-1 | \520 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 2004/12/25 | 文庫本 |
星界の断章 T | 森岡 浩之 | 4-15-030802-0 | \580 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 2005/07/15 | 文庫本 |
星界の断章 2 | 森岡 浩之 | 978-4-15-030880-3 | \580 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 2007/03/15 | 文庫本 |
楽園の魔女たち
立派な魔法使い目指して個性豊かな4人の美少女たちががんばる「学園コメディー」・・・間違っちゃいないよな。
基本はコメディです。様々な性格の少女たちが師匠や師匠の使い魔を巻き込んで騒ぎを起こしたり収めたり。
もっとも、それだけにあらず。彼女らが魔法使いを目指したのにはそれなりのわけがあったのです。
ちょびっとシリアスすることもあるけど、笑うために読む本です。
いい年した大人がコバルト文庫買うには勇気がいるかもしれませんが。
(私は慣れた・・・慣れとはおそろしいものだ)
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
楽園の魔女たち〜賢者からの手紙 | 樹川さとみ | 4-08-614153-1 | \580 | コバルト文庫/集英社 | 1996/1/10 | 文庫 |
楽園の魔女たち〜とんでもない宝物 | 樹川さとみ | 4-08-614193-0 | \550 | コバルト文庫/集英社 | 1996/5/10 | 文庫 |
楽園の魔女たち〜七日間だけの恋人 | 樹川さとみ | 4-08-614232-5 | \520 | コバルト文庫/集英社 | 1996/9/10 | 文庫 |
楽園の魔女たち〜銀砂のプリンセス | 樹川さとみ | 4-08-614298-8 | \450 | コバルト文庫/集英社 | 1997/3/10 | 文庫 |
楽園の魔女たち〜ドラゴンズ・ヘッド | 樹川さとみ | 4-08-614341-0 | \480 | コバルト文庫/集英社 | 1997/7/10 | 文庫 |
楽園の魔女たち〜この夜が明けるまで | 樹川さとみ | 4-08-614444-1 | \500 | コバルト文庫/集英社 | 1998/4/10 | 文庫 |
楽園の魔女たち〜スウィート・メモリーズ | 樹川さとみ | 4-08-614475-1 | \440 | コバルト文庫/集英社 | 1998/7/10 | 文庫 |
楽園の魔女たち〜大泥棒になる方法 | 樹川さとみ | 4-08-614536-7 | \560 | コバルト文庫/集英社 | 1998/12/10 | 文庫 |
楽園の魔女たち〜課外授業のその後で | 樹川さとみ | 4-08-614572-3 | \560 | コバルト文庫/集英社 | 1999/4/10 | 文庫 |
楽園の魔女たち〜不思議の国の女王様〜 | 樹川 さとみ | 4-08-614644-4 | \533 | コバルト文庫/集英社 | 1999/10/10 | 文庫 |
楽園の魔女たち〜薔薇の柩で眠れ〜 | 樹川 ひとみ | 4-08-614704-1 | \510 | コバルト文庫/集英社 | 2000/4/10 | 文庫 |
楽園の魔女たち〜ハッピーアイランド〜 | 樹川 ひとみ | 4-08-614753-X | \571 | コバルト文庫/集英社 | 2000/8/10 | 文庫 |
楽園の魔女たち〜星が落ちた日〜 | 樹川 さとみ | 4-08-614792-0 | \495 | コバルト文庫/集英社 | 2000/12/10 | 文庫 |
楽園の魔女たち 〜まちがいだらけの一週間〜 | 樹川 ひとみ | 4-08-614862-5 | \476 | コバルト文庫/集英社 | 2001/6/10 | 文庫 |
楽園の魔女たち〜月と太陽のパラソル〜(前編) | 樹川 さとみ | 4-08-600064-4 | \495 | コバルト文庫/集英社 | 2002/02/10 | 文庫 |
楽園の魔女たち〜月と太陽のパラソル〜(後編) | 樹川 さとみ | 4-08-600091-1 | \533 | コバルト文庫/集英社 | 2002/04/10 | 文庫 |
楽園の魔女たち 〜天使のふりこ〜 | 樹川 さとみ | 4-08-600194-2 | \476 | 集英社コバルト文庫/集英社 | 2002/12/10 | 文庫 |
楽園の魔女たち 〜ミストルテインの矢〜 | 樹川 さとみ | 4-08-600285-X | \514 | コバルト文庫/集英社 | 2003/07/10 | 文庫本 |
楽園の魔女たち 〜楽園の食卓(前編)〜 | 樹川 さとみ | 4-08-600351-1 | \495 | コバルト文庫/集英社 | 2003/12/10 | 文庫本 |
楽園の魔女たち 〜楽園の食卓(中編)〜 | 樹川 さとみ | 4-08-600400-3 | \438 | コバルト文庫/集英社 | 2004/04/10 | 文庫本 |
楽園の魔女たち 〜楽園の食卓(後編)〜 | 樹川 さとみ | 4-08-600454-2 | \512 | コバルト文庫/集英社 | 2004/07/10 | 文庫本 |
E.G.コンバット
よしみるというペンネームの漫画家が漫画原作として考え付いて秋山瑞人の手によって小説化されたものです。
とんでもない、本当にとんでもない絶望的状況下に人類がおかれて、その中でたくましく生きている少女たちのお話。
とはいえ、主人公(ヒロイン)は権力をもったライバル(というか敵というか)に兵員養成学校の教官として飛ばされた
凄腕のロボット乗りだったりしますが。
教官となった彼女は「落ちこぼれ」のグループをあてがわれ、彼女なりの方法で教育を始めます。その結果。
そのグループはそれまで以上に低い成績をだしはじめたのですが・・・。
話自体はどっかで聞いたような話ですが、とにかく周りをとりまく状況が恐ろしくシビア。
異星人に地球が侵略され、その戦闘がかかれているのです。戦場は地球。ちなみに物語の舞台は月。
そして、地球では毎日何千何万という兵士が死んでいる、と。
・・・人類滅亡も遠い話ではなさそうなんですが。
と、そのシビアな状況がたまに、ではあるけれどもちゃんと書かれている。
不安はここまで広がった絶望的状況をどうおさめるか、なんですよね。
とはいえ、私は御都合主義も好きだったりするので、なんでもオッケーとか言いそうな気もしますが。
状況は非常にシビアなものがありますが、話は明るい(一部どんよりもあるけど)です。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
E.G.コンバット | 秋山瑞人 | 4-07-309000-3 | \570 | 電撃文庫/メディアワークス | 1998/6/25 | 文庫 |
E.G.コンバット 2nd | 秋山瑞人 | 4-07-310367-9 | \610 | 電撃文庫/メディアワークス | 1998/12/25 | 文庫 |
E.G.コンバット 3rd | 秋山瑞人 | 4-8402-1239-2 | \610 | 電撃文庫/メディアワークス | 1999/7/25 | 文庫 |
ヴァーチャルガール
完全なるアンドロイド(というよりAI=人工知能)が非合法となった世界で生まれたアンドロイドの少女。
彼女は製作者の側を離れ、自分の"ホーム"を探して旅を始めます。
外的刺激による入力データがオーバーフローをおこしてそれを処理するために自分で自分(=AI)の構成を組み立て直す、
というとんでもない話ではありました。
バックアップは大事です。という話だった。という説もありましたな。
アメリカのホームレス問題が根っこにあるようで、そのあたりが純日本人たる私にはすこぉし理解が難でしたが、
読後感があっとほーむなものでしたね。
サイバーパンクにジャンル分けはできませんが、サイバーな小説ではあります。
自分の記憶をバックアップとれたらいいよね・・・サーチエンジンしっかりしてればさ。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
ヴァーチャル・ガール | エイミー・トムスン | 4-158-011079-4 | \680 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 1994/10/10 | 文庫 |
敵は海賊
神林長平という作家は、読む人を選ぶ、という話を聞いた記憶があります。
確かにこの人の作品である「猶予の月」だとか「死して咲く花、実のある夢」などは多少観念的な所も感じられました。
とはいえ、ライトノベルに近いこの「敵は海賊」のシリーズは読みやすいほうではないかと思います
(氏の作品で一番読みやすかったのは「ライトジーンの遺産」でしたが)
なによりも喧嘩をしつつも息の合ったところを見せる一人と一匹と一台の主人公たちの掛け合いが楽しめます。
伝説の宇宙海賊を追いかける火星の警察機構「海賊課」。海賊よりも海賊らしいとよばれる課に所属する主人公たちの活躍を描いた話です。
なお、下記にある「狐と踊れ」の中に短編が収録されています。SFマガジン56年4月号に発表された短編の文庫収録となりますが、
おそらくはこれが「敵は海賊」の第一作となるのでしょう。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
狐と踊れ | 神林長平 | 4-15-030142-5 | \440 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 1981/10/31 | 文庫 |
敵は海賊・海賊版 | 神林長平 | 4-15-030178-6 | \540 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 1983/9/30 | 文庫 |
敵は海賊・猫たちの饗宴 | 神林長平 | 4-15-030257-X | \440 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 1988/1/15 | 文庫 |
敵は海賊・海賊たちの憂鬱 | 神林長平 | 4-15-030352-5 | \500 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 1991/5/20 | 文庫 |
敵は海賊・不敵な休暇 | 神林長平 | 4-15-030394-0 | \660 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 1993/8/20 | 文庫 |
敵は海賊・海賊課の一日 | 神林長平 | 4-15-030508-0 | \560 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 1995/5/15 | 文庫 |
敵は海賊・A級の敵 | 神林長平 | 4-15-030583-8 | \600 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 1997/7/10 | 文庫 |
敵は海賊・正義の眼 | 神林 長平 | 978-4-15-030893-3 | \620 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 2007/06/25 | 文庫本 |
敵は海賊・短編版 | 神林 長平 | 978-4-15-030963-3 | \600 | ハヤカワ文庫 | 2009/08/25 | 文庫 |
ドラキュラ紀元
もしも、ヴァン・ヘルシングが負けていたら。もしも、ドラキュラ伯爵がイギリスを支配していたら。
という仮定のもとで書かれた切り裂きジャックの話です。
一種の架空歴史になりますが、ロンドンの街を人と吸血鬼が闊歩し、吸血鬼たちに生きる権利が与えられている、
というところが少々変わったところか。
そして、架空の人物(過去の様々な作家によって書かれてきた人物。例えばドラキュラ伯爵からしてそうですし、他にもマイクロフト・ホームズ、
ヘンリー・ジキルなども)と実在の人物(エリザベス女王、フローレンス・ストーカー(プラム・ストーカー婦人)など)とが
小説の中で同居して描かれているのです。
虚偽一体となった世界に実在の人物か、架空の人物か、時折分からなくなることもあります。
そんな世界での切り裂きジャックの話。殺されたのは吸血鬼の娼婦たち。
そうして英国諜報員と長き年月を生きてきた吸血鬼とが協力して事件の解決にあたるのですが。
キム・ニューマンという作家は寡聞にして私は知らなかったのですが、登場人物の中によく知っている人物が。
ジュヌビエーヌ。
WarHammer Fantasy Role PlayというRPGを母体に作られたRPG小説のひとつ、ジャック・ヨーヴィル作「ドラッケンフェルズ」
の登場人物です。
設定も同じく16歳の時に吸血鬼となった美少女。
それもそのはず。キム・ニューマンとジャック・ヨーヴィルは同一人物だったのです。
何があってふたつのペンネームつかってるんでしょうかねぇ?
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
ドラキュラ紀元 | キム・ニューマン | 4-488-57601-X | \980 | 創元推理文庫/東京創元社 | 1995/6/30 | 文庫 |
ドラキュラ戦記 | キム・ニューマン | 4-488-57602-8 | \960 | 創元推理文庫/東京創元社 | 14998/12/25 | 文庫 |
ドラキュラ崩御 | キム・ニューマン | 4-488-57603-6 | \1100 | 創元推理文庫/東京創元社 | 2002/01/25 | 文庫 |
タイム・リープ
私はあまりタイムトラベルものを読みません。食指が動かないだけなんですか。
で、読んだことのある少ない時間もののひとつがこれ。
ドラマ化(映画化?)されたので知名度もままあるほうでは。
映像化されたものは見たことはないのですが、本作、ジグゾーパズルを組み立てるよう
な感覚にさせてくれる本です。
ある朝、主人公(ヒロイン)は突然自分の記憶が丸一日すっぽりと抜け落ちている事に気がつきます。
そして、日記には自分の直筆で謎のメッセージ。
メッセージに従って彼に助けを求め、原因を究明していくにあたって、彼女は自分が時を跳んでいる事に気がついたのです。
時間を飛んで、未来へ過去へ。でもよくよく読むとちゃんと法則性があって、抜けた時間がキレイに埋まって行く。
おや?それでは始まりはいつ?
読後感もライトノベルらしく笑みを誘われてしまいました。
下の紹介はハードカバーの単行本ですが、電撃文庫より上下巻2冊で文庫もでています。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
タイム・リープ あしたはきのう | 高畑京一郎 | 4-07-303060-4 | \500 | メディアワークス | 1995/6/30 | B5ハードカバー |
デルフィニア戦記
ある時、突如世界に出現した少女は、たまたま居合わせた青年をとある理由、それもかなり特殊な理由から気に入り、
彼の玉座奪還に協力することとします。
そして、それが彼らの長い長い旅 -- それは玉座奪還を果たした後も続くのですが -- の始まりでした。
ある意味御都合主義の嵐です。反則技もバリバリに使ってます。主人公(ヒロイン)の存在自体が反則です。
でもスーパーヒーロー嗜好のある人なら読めるでしょう。
主人公が苦戦し、悩み、傷つき、それでも立ち上がってゆく、といった話ではありませんでしたね。
そゆ所があったのかもしれませんが印象にのこってません。
破天荒なまでの強さをもった主人公が立ちふさがる敵をなぎ倒してゆく話でした。
そういうのがダメな人にはお勧めできませんが、そうでなければ読んでみてください。
登場人物たちの軽妙な(?)会話も笑いを誘ってくれます。
全18巻。結構長いのですが、ちゃんと完結しています。・・・第二部とかやるかもしれんが。
そうそう。
電車の中で読むのはやめたほうがいいと思いますよ。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
デルフィニア戦記1 放浪の戦士 | 茅田砂胡 | 4-12-500260-6 | \800 | C Novels Fantasia/中央公論社 | 1993/10/25 | 新書 |
デルフィニア戦記2 黄金の戦女神 | 茅田砂胡 | 4-12-500256-7 | \800 | C Novels Fantasia/中央公論社 | 1993/11/25 | 新書 |
デルフィニア戦記3 白亜宮の陰影 | 茅田砂胡 | 4-12-500276-2 | \800 | C Novels Fantasia/中央公論社 | 1994/3/25 | 新書 |
デルフィニア戦記4 空漠の玉座 | 茅田砂胡 | 4-12-500289-4 | \800 | C Novels Fantasia/中央公論社 | 1994/6/25 | 新書 |
デルフィニア戦記5 異郷の煌姫 | 茅田砂胡 | 4-12-500321-1 | \800 | C Novels Fantasia/中央公論社 | 1994/12/10 | 新書 |
デルフィニア戦記6 獅子の胎動 | 茅田砂胡 | 4-12-500341-6 | \800 | C Novels Fantasia/中央公論社 | 1995/3/25 | 新書 |
デルフィニア戦記7 コーラルの嵐 | 茅田砂胡 | 4-12-500357-2 | \800 | C Novels Fantasia/中央公論社 | 1995/7/25 | 新書 |
デルフィニア戦記8 風塵の群雄 | 茅田砂胡 | 4-12-500378-5 | \800 | C Novels Fantasia/中央公論社 | 1995/11/25 | 新書 |
デルフィニア戦記9 動乱の序章 | 茅田砂胡 | 4-12-500397-3 | \800 | C Novels Fantasia/中央公論社 | 1996/3/25 | 新書 |
デルフィニア戦記10 憂愁の妃将軍 | 茅田砂胡 | 4-12-500417-X | \830 | C Novels Fantasia/中央公論社 | 1996/7/25 | 新書 |
デルフィニア戦記11 妖雲の舞曲 | 茅田砂胡 | 4-12-500444-7 | \830 | C Novels Fantasia/中央公論社 | 1996/11/25 | 新書 |
デルフィニア戦記12 ファロットの誘惑 | 茅田砂胡 | 4-12-500463-3 | \824 | C Novels Fantasia/中央公論社 | 1997/3/22 | 新書 |
デルフィニア戦記13 闘神達の祝宴 | 茅田砂胡 | 4-12-500482-X | \800 | C Novels Fantasia/中央公論社 | 1997/7/25 | 新書 |
デルフィニア戦記14 紅の喪章 | 茅田砂胡 | 4-12-500506-0 | \800 | C Novels Fantasia/中央公論社 | 1997/11/25 | 新書 |
デルフィニア戦記15 勝利への誘い | 茅田砂胡 | 4-12-500516-8 | \800 | C Novels Fantasia/中央公論社 | 1998/3/25 | 新書 |
デルフィニア戦記16 伝説の終焉 | 茅田砂胡 | 4-12-500544-3 | \850 | C Novels Fantasia/中央公論社 | 1998/7/25 | 新書 |
デルフィニア戦記17 遥かなる星(とき)の流れに(上) | 茅田砂胡 | 4-12-500569-9 | \800 | C Novels Fantasia/中央公論社 | 1998/11/25 | 新書 |
デルフィニア戦記18 遥かなる星(とき)の流れに(下) | 茅田砂胡 | 4-12-500571-0 | \800 | C Novels Fantasia/中央公論社 | 1998/12/20 | 新書 |
デルフィニア戦記外伝 大鷲の誓い | 茅田 砂胡 | 4-12-500939-2 | \900 | C Novels Fantasia/中央公論社 | 2006/03/25 | 新書 |
星(ほしむし)虫
ある日のこと、流星雨が天を覆った日、幾人もの人の額に流れた星がくっつき、成長を始めます。
ヒロインもこの星を額につけた一人となるのですが、成長した星はやがてグロテスクな虫になり、・・・・
といった始まりで始まる少し不思議な話です。
当時の環境問題が背後にあったりもしますが、クライマックス部分はなかなか感動モノです。
私はこれを読んでて昔見た映画「未知との遭遇」のクライマックス部分を思い出しました。
残念ながら、この本は現在絶版だそうです。お求めは古本屋さんか、図書館でどうぞ。
と、10年が経過して、別の出版社から再版されました。はくしゅー
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
星(ほしむし)虫 | 岩本隆雄 | 4-10-104411-2 | \480 | 新潮文庫 | 1990/7/25 | 文庫 |
星虫 | 岩本 隆雄 | 4-257-76907-6 | \571 | 朝日ソノラマ文庫/朝日ソノラマ社 | 2000/6/30 | 文庫 |
プラクティス・エフェクト
異世界へと通じる門を生み出す機械を発明した主人公たち研究グループ。ちょとした計略にひっかかり、
主人公は単身その異世界を調査しなければいけなくなるはめになります。
門がとざされ、ひとり取り残された主人公は手持ちの調査ロボットをつかってその異世界の
調査をはじめたのですが、おどろいた事にその世界では・・・・。
と、言ってみればSense of Wonderの基本通りに異世界探検ものが書かれています。
最後の部分にこの異世界のなぞときがあるのですが、これが実は蛇足。そのなぞ解きがなくても、この作品は十分楽しめました。
ライトSFやライトファンタジーが実の所おざなりにしていることの多い、「見知らぬものに出会った時の驚き」というものが
この作品を占めており、SFというよりはファンタジーに近しいものがあったようにも考えられます。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
プラクティス・エフェクト | デイヴィッド・ブリン | 4-15-010675-4 | \760 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 1986/7/31 | 文庫 |
銀河聖船記
コールドスリープカプセルに入った少女が目覚めたとき、銀河をゆるがす大冒険がはじまった。
定番です。まぎれもなく定番です。
随分前に読んだ本なので正直、詳細は忘れてしまったのですが、ラストは「たったひとつの冴えたやり方」に通じるものがありました。
最近読んだ別の本で後味(読後感)が悪い本、というのがあるのですがそれともちょっとちがう。
感動というのが近いのでしょうが、そうではない気もします。
この作者は銀河聖船記のシリーズ名で3冊の本を出した後、過去の話を銀河冒険紀のシリーズ名で出しています。
過去の話が後からくるせいか、ああ、このキャラは、とかこれは、とか思わずニヤリとさせられる場面などもありました。
どうもそのシリーズも完結したようなのですが・・・さてさて。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
ディアスの少女(銀河聖船記1) | 岡本賢一 | 4-257-76687-5 | \500 | ソノラマ文庫 | 1994/7/30 | 文庫 |
ディアスの戦士(銀河聖船記2) | 岡本賢一 | 4-257-76717-0 | \480 | ソノラマ文庫 | 1995/2/28 | 文庫 |
ディアスの天使(銀河聖船記3) | 岡本賢一 | 4-257-76729-4 | \485 | ソノラマ文庫 | 1995/6/30 | 文庫 |
<銀河冒険紀> |
ギガミリオンの幸運 | 岡本賢一 | 4-257-76778-2 | \500 | ソノラマ文庫 | 1996/4/30 | 文庫 |
キャノン・ガール | 岡本賢一 | 4-257-76797-9 | \480 | ソノラマ文庫 | 1997/1/31 | 文庫 |
ダイヤモンドを噛み砕け | 岡本賢一 | 4-257-76804-5 | \470 | ソノラマ文庫 | 1997/4/30 | 文庫 |
タイム・クラッシュ(上) | 岡本賢一 | 4-257-76824-X | \490 | ソノラマ文庫 | 1997/12/30 | 文庫 |
タイム・クラッシュ(下) | 岡本賢一 | 4-257-76829-0 | \490 | ソノラマ文庫 | 1998/1/31 | 文庫 |
MONSTER7 | 岡本賢一 | 4-257-76872-X | \470 | ソノラマ文庫 | 1999/3/31 | 文庫 |
小娘オーバードライブ
夏休みにアルバイトをしよう。そう決心した女子高生が応募したバイトは、近所のお化け屋敷として有名な、研究所で応募していた
「正義の味方」
でした。
とっぴょうしもない設定はSFの十八番。現実に近い分それがよけいに感じられるだけでしょう。
バイト代は時給500円。とあればそれも強まるわけで。
設定はとんでもないです。ギャグも多いです。しかし、「正義の味方」の存在の必要十分条件として「悪の秘密組織」が必要だ、
というするどいつっこみもあったりしてなかなかあなどれないシリアス
もあったりします。
それにしても、いまどき時給500円はないよなぁ・・・。(正義の味方だから薄給だ、という説もあり)
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
小娘オーバードライブ | 笹本裕一 | 4-04-415001-X | \500 | 角川スニーカー文庫/角川書店 | 1994/3/1 | 文庫 |
小娘オーバードライブ2 | 笹本裕一 | 4-04-415002-8 | \520 | 角川スニーカー文庫/角川書店 | 1995/11/1 | 文庫 |
小娘オーバードライブ3 誰も知らない戦争(上) | 笹本裕一 | 4-04-415003-6 | \480 | 角川スニーカー文庫/角川書店 | 1997/4/25 | 文庫 |
小娘オーバードライブ4 誰も知らない戦争(下) | 笹本裕一 | 4-04-415004-4 | \540 | 角川スニーカー文庫/角川書店 | 1998/4/1 | 文庫 |
星くず英雄伝
これをね、ここに入れてよいものかどうか、すっげー悩んだんですよ。人に勧めてよいものかどうか。
一応、入れることにしましたけど(自分では気に入ってるシリーズなので)、もしかするとそのうち消えちゃうかもしれません。
人類が宇宙に進出した時に、その大きな助けとなったのが「ヒーロー」の存在でした。
「ヒイロニウム」と呼ばれる特殊な物質のエネルギーを取り出すことが出来、そのエネルギーによって
物理法則や生命反応すらも意のままにした一部の英雄を「ヒーロー」と呼んだのです。
ところが、その「ヒーロー」の力すらあたりまえのものとする人類外生命体の侵略が始まった時、主人公は・・・。
この"本人の能力"よりも、"特殊な物質を使えるか否か"で「ヒーロー」であるか否かが決まる、という
ある意味「レンズマン」と同じ設定が気に入ったひとつでもあります。
主人公は一応「ヒーロー」なのですが、なかなかおもうようにその物質を使うことが出来るず、結構苦労してたりします。
気に入った点はあと2点。
一つは第3巻で、正面からタイムパラドックスに挑戦し、「なんじゃそりゃー」と言いたくなるような方法で
解決を・・・・いや、解決はしてないよな・・・ひとつの方法を見せていること。
とにかく、ハードSFのファンが聞くと頭を抱えたくなるような方法を取っていること。この潔さが気に入ったのと、
あとは第二部開始にあたっての主人公の扱い。
第一部のラストあたりで、主人公は銀河最強レベルの力を発揮します。
それでもって第二部に突入なので、どうするのだろうと思ったのですが、とった方法自体はありがち。力の喪失。
しかし、ライトノベルらしからぬことに徹底して主人公本人は力を出せないでいるんですね。結局第6巻のラストまで。
作者の潔さが気に入った、といってもよいのでしょうか。
スペースオペラが個人的に好きな事もあって続きに期待が持てます。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
星くず英雄伝vol.1 放浪惑星の姫君 | 新木伸 | 4-07-305426-0 | \580 | 電撃文庫/メディアワークス | 1996/12/25 | 文庫 |
星くず英雄伝vol.2 パンドラの乙女 | 新木伸 | 4-07-306437-1 | \570 | 電撃文庫/メディアワークス | 1997/6/25 | 文庫 |
星くず英雄伝vol.3 宇宙樹の少女 | 新木伸 | 4-07-307603-5 | \570 | 電撃文庫/メディアワークス | 1997/12/25 | 文庫 |
星くず英雄伝vol.4 ネットワークの聖女 | 新木伸 | 4-07-308844-0 | \610 | 電撃文庫/メディアワークス | 1998/5/25 | 文庫 |
星くず英雄伝vol.5 銀河大戦の巫女たち | 新木伸 | 4-07-310232-X | \610 | 電撃文庫/メディアワークス | 1998/11/25 | 文庫 |
星くず英雄伝vol.6 ひとかけらのレイディ | 新木伸 | 4-07-311378-X | \570 | 電撃文庫/メディアワークス | 1999/4/25 | 文庫 |
星くず英雄伝vol.7 ファニージュエルふたたび | 新木伸 | 4-8402-1348-8 | \630 | 電撃文庫/メディアワークス | 1999/11/25 | 文庫 |
星くず英雄伝 Vol.8 鏡像宇宙の人魚姫 | 新木 伸 | 4-8402-1680-0 | \630 | 電撃文庫/メディアワークス | 2000/11/25 | 文庫 |
星くず英雄伝 Vol.9 鏡像宇宙の小姫 | 新木 伸 | 4-8402-1773-4 | \610 | 電撃文庫/メディアワークス | 2001/04/25 | 文庫 |
星のパイロット
別に今作品が1999年度星雲賞を受賞したからこれにいれたわけじゃないのですがね。
話そのものは地味目で、近未来、民間の宇宙開発が可能になった時代で、小さな民間宇宙開発会社
ががんばって宇宙開発をする、という話です。この会社にやや強引というか詐欺まがいの
の方法で就職したヒロインが主体となる話。
とはいえ、このヒロインがとんでもなく高い能力持っているとか、特殊能力持っているとかでは
なくて、ごくごく普通の人間。どっちかっていうと、周りの人間のほうが性格的にとんでもなかったりしますか。
作者本人が後書きでなぜこの作品の受けがいいのかわからない、といっているんですが、
私自身の感想では、宇宙への憧憬がストレートに現れている所がよいなぁと。
何しろ近未来な話なもので、超光速機関や惑星改造があるわけでなし、現代と同じように
地上の支援があって始めて宇宙船がとばせる、という時代のせいかもしれませんが、
親近感があるのも事実。
SFオンラインの書評では現代の宇宙開発の状況からすればあまりにもうまくいきすぎている
(民間の宇宙開発にしろ、世界の経済状態にしろ)所に難がある、というような
ことが書いてありましたが、だからこそのSFなのではないかと、私なんかは思うわけです。・・・って、書いてあったよな・・・
星雲賞を受賞したのは第2作の「彗星狩り」。要はチキチキマシン猛レースです。知ってる人は2度おいしいかも
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
星のパイロット | 笹本 裕一 | 4-257-76802-9 | \525 | ソノラマ文庫/朝日ソノラマ | 1997/3/31 | 文庫 |
彗星狩り(上) 星のパイロット2 | 笹本 裕一 | 4-257-76832-0 | \490 | ソノラマ文庫/朝日ソノラマ | 1998/2/28 | 文庫 |
彗星狩り(中) 星のパイロット2 | 笹本 裕一 | 4-257-76842-8 | \490 | ソノラマ文庫/朝日ソノラマ | 1998/5/31 | 文庫 |
彗星狩り(下) 星のパイロット2 | 笹本 裕一 | 4-257-76848-7 | \550 | ソノラマ文庫/朝日ソノラマ | 1998/7/31 | 文庫 |
ハイ・フロンティア 星のパイロット3 | 笹本 裕一 | 4-257-76875-4 | \490 | ソノラマ文庫/朝日ソノラマ | 1999/4/30 | 文庫 |
ロケットガール
ありそで絶対にないお話。
画期的な宇宙服が -- それこそアニメのガンダムで出てくるような宇宙服が -- 発明
され、
しかも十分に実用的であったが為に様々な思惑と偶然とが重なって、女子高校生
だった主人公は宇宙飛行士となってしまいます。
というのが物語の発端。
翌年に出版された第二巻でそんな小型軽量「省エネ」宇宙飛行士たちは3人になりますが。
まぁ・・・読者層が層だしな。うん。いいんでわないかい。
一夜漬けでマニュアル読んで宇宙船飛ばすな、とは言いたいけれども(苦笑)
この作品群もこの上で紹介している笹本裕一氏の「星のパイロット」に通じるものがあります。
宇宙への憧憬
技術力が現代に近く、飛ばす宇宙船だってスペースシャトルなんでしゃれたものでは
なく、アポロ型の宇宙船。現実感ありますよね。・・・1点除けば、だけど。
とはいえ、その一点がまた物語を面白くしているはたしかでして。
科学的考証も画期的発明云々を除けばちゃんと調査をする作者で、3作目の「私と月につきあって」では
月の地図まで参照して(CD−ROM15枚組だそうで)書いてます。
そいった意味では科学的根拠もないではない。
でもライトノベルだけあって楽しめます。あまり難しく考えないほうがいいのかも。
余談:
この作品に関してTRPGらしきものが発表されてます。とはいえ、TRPGとして遊ぶにはいかんせん
プレイヤー2人まで、という制限がきつすぎて遊べたモノではありません。っていうか、遊ぶ気がしない
しかし、宇宙ロケット打ち上げシークエンスなんかもあって別のシステムで流用はできました。まぁ、余談までに(苦笑)
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
ロケットガール | 野尻 抱介 | 4-8291-2618-3 | \640 | 富士見ファンタジア文庫/富士見書房 | 1995/3/25 | 文庫 |
天使は結果オーライ | 野尻 抱介 | 4-8291-2723-6 | \600 | 富士見ファンタジア文庫/富士見書房 | 1996/3/25 | 文庫 |
私と月につきあって | 野尻 抱介 | 4-8291-2896-8 | \580 | 富士見ファンタジア文庫/富士見書房 | 1999/8/25 | 文庫 |
ロケットガール 4 魔法使いとランデブー | 野尻 抱介 | 978-4-8291-1919-8 | \580 | 富士見ファンタジア文庫/富士見書房 | 2007/08/25 | 文庫本 |
星の大地
ようやくスペック判明。とゆことでここに参画します。
はじめは、ただのファンタジーだと思っていました。が、全部読み終えた時の衝撃といったら。
こんなライトノベルがあっていいのか?
とも思いましたね。確かにスタイル的にはライトノベルのほうがふさわしいのでしょうが、
話の内容からすればハヤカワのJAあたりから出てもおかしくないとまで。
「聖女」と呼び称えられた王女が自害し、「秘宝」によって復活する。と、復活したはずの「聖女」は性格が一変しており・・・
ふつう影武者だとおもわねーか?とか思いつつ読みすすめると話はどんどん妙な方向にいって、ついには世界の破滅にまで至ります。
つまり、この世界の破滅に際して少しでも人々を救おう、と主人公たちが奔走するのがこの話の大筋となります。
冴木 忍という作家は人間を描く作家だ、と書いたことがあります。この話も例外ではなく、
しっかりと人間が、良いところも悪いところも含めて書かれています。それ故に私はこの作品を気に入ったのだとおもいますが。
これを読むと思い出されるのが映画の「ディープ・インパクト」
いかにもアメリカ的な映画ではあるのですが、それ以上に善人しかいない、というすばらしい映画でした。確かに感動したよ、うん。
この話は「ディープ・インパクト」の対極にあるような話なのかもしれません。無論、
悪人しかいない、とかいう意味ではありませんが。
この話の発表当時、Nifty-ServeというBBSの会議室で賛否両論巻き起こった記憶があります。
それほど当時のライトノベルの感覚からすれば異質な作品。
でも私はこの作品が非常に気に入りました。
誇張なんかもあるけど、人間のすごさを、愚かさを、真正面から描いた作品として。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
星の大地1 | 冴木 忍介 | 4-04-413803-6 | \480 | 角川スニーカー文庫/角川書房 | 1993/7/1 | 文庫 |
星の大地2 | 冴木 忍介 | 4-04-413804-4 | \500 | 角川スニーカー文庫/角川書房 | 1993/9/1 | 文庫 |
星の大地3 | 冴木 忍介 | 4-04-413805-2 | \500 | 角川スニーカー文庫/角川書房 | 1993/12/1 | 文庫 |
スクラップド・プリンセス
ドラゴンマガジンの新人発掘がらみのイベントで頭角を現した新人の作品です。
とはいえ、デビュー作ではない。
公式略称「すてプリ」ということでまぁ編集もプッシュはしているようです。
5000年の昔から2度しかはずれたことのない予言によって「世界を毒する者」とされ、
抹殺命令を受けつつも生き延びて成長した姫と、彼女と兄姉として育てられ、姫を守る為に
「守護者」となって追っ手から逃げる兄妹たちの逃避行の話。
一言で言えばこれだけです。
重過ぎる宿命を背負った少女の物語・・・なわけがありません。「星の大地」じゃあるまいし、
これは富士見ファンタジア。
確かに道中シリアスな面も見せはしますが、基本はお気楽珍道中ののりです。
4巻目から古代の文明やら世界の構造の特殊さが出てきて話も佳境にはいりつつあります。
「転」という所かな。こっからずるずると間延びしなきゃいいけど。
何が気に入ったかって、魔法の使い方。
本来長い呪文によってくりだされる魔法を、「バッチ化」という手段でコマンド一発で起動できるようにした。
というアイデアはなかなかすごいとおもったわけです。
(詳しい事は割愛)
「守護者」達が歳のわりに強すぎる感はありますが、お約束なのでしゃーないかな。
さて、ここからが見せ所かと思われます。お手並み拝見(えらそー)
フレームシフト
専門分野の最新技術はそれを知らない素人から見ればフィクションと同じ。という言葉があるそうです。
厳密にいえば、フィクションとノンフィクションの区別がつかない、ということなのですが、この作品が私にとってはまさにそうでした。
というか、遺伝子の勉強なんて遥か昔に4つの塩基、その塩基の並びによってアミノ酸が作られる、
という程度を生物の授業で受けた記憶がある程度なのですが、
この作品はその遺伝子学の教授が主人公となったものです。
いきおい遺伝子学の小難しい話も出てくるのですが、これがフィクションなのかノンフィクションなのかがわからない。
私にとってはSF以外の何者でもないわけです。
作者のロバート・J・ソウヤーは一番有名な作品はおそらく「ターミナル・エクスペリメント」でしょう。確か映画化されているはずですし。
「ターミナル〜」でもそうでしたが、比較的現実に近い舞台を用意し、ガゼットもあまり大袈裟ではなく、
SFを読まない大衆に受ける作品を書くと聞いた記憶があります。
とはいえ、この「フレームシフト」はガゼットそのものは確かに大袈裟ではないですが、大衆受けしそうな作品か?、
と聞かれると、首を捻ってしまいますげれども。
作品冒頭でいきなり主人公が暴漢に襲われるシーンから始まり、過去に戻って主人公たちの現在に至るまでの足跡を示す。
その中で遺伝性の病気とネオ・ナチスの話が出てきてどう絡むのだろうかと思えば、意外なところで絡んでくる。
私自身ハヤカワ文庫の翻訳SFはじっくりと腰を据えて読むようにしているのですが、
ライトノベルとは異なり、勢いだけで読めるものではないので
この作品ななぜだか一気に読めてしまいました。
特に起承転結の「転」に相当する部分。
え?なんでこんな、ほんの1,2ページの描写しかなかったのに。
などと思いながら、それでもしっかりと伏線があるあたりはさすがだ、と思いながら。
フレームシフトとは、遺伝子の塩基配列がなんらかの事故でずれ、余分な塩基が挿入されてしまう現象のことをいうそうです。
正常な塩基配列) | CAT−CAG−GGT−GTC−CAT |
フレームシフト) | TCA−TCA−GGG−TGT−CCA |
普通であれば遺伝子異常ということで人間が形成されず、胎児の段階で流産するそうですが、
この作品ではこのフレームシフトが少しだけ重要な意味を持っています。
さて、私には判断つきませんが、このフレームシフト。フィクションorノンフィクション?
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
フレームシフト | ロバート・J・ソウヤー | 4-15-011304-1 | \880 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 2000/3/15 | 文庫 |
アーバンヘラクレス
久しぶりに読んだハードボイルド。
ShadowrunというRPGをやっている時によく聞いた台詞が、「ハードボイルドとは、つまりはやせがまんだ。」
てのがあったのですが、それを思い出しました。
近未来、賞金稼ぎの仕事をしている主人公の元に、かつて主人公が逮捕したテロリストが
脱獄した、という情報が入ってくる。
あまつさえ、そのテロリストは主人公に深い恨みを抱いており、街の各所に爆弾を仕掛けたという
テロリストからの少ないヒントを元に主人公はハロウィーンでにぎわう街へと飛び出した。
と、つまりは「ダイハード3」なわけですが。
それでも怒涛のスピードでおこされるアクションの数数は一気に読了までもっていかせてくれました。
つめこみすぎ、同じペースで進むため読むほうが息切れを起こす、などという部分も私には感じられましたが、
ライトノベルの必須条件である(と勝手に私が位置づけている)「勢い」は確かにありましたね。
そのうえで主人公がやせがまんをするする。
ジャッキーチェンであれば映画化も可能かなぁ?
などと思いつつ、つまり香港ハリウッドテイストを感じてたわけなんですが、ご都合的な場面や、
名前しか出てこないのになぜ立ちポーズのイラストがあるんだろうか?などと馬鹿なことを
考えながら、読ませてもらいました。
少し古い本なので、(といっても今年になってから出た本だけれども)
昨今のライトノベル事情を考えると入手は難しいかもしれませんが、お勧めできる本です。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
アーバン・ヘラクレス | 久保田 弥代 | 4-257-76905-X | \533 | ソノラマ文庫/朝日ソノラマ社 | 2000/6/30 | 文庫 |
銀河英雄伝説
ああ、これを入れるのをずいぶんと長い間忘れていました。所持しているのはノベルズ版なのですが、
今簡単に入手できるとしたら徳間デュアル文庫版でしょう。もしかすると改訂などもあるかもしれませんね。
全10巻に及ぶ田中 芳樹氏の最高傑作といってよいでしょう。別名「宇宙三国志」。
氏が中国マニアなのは氏のファンの間では有名な話で、その趣味を全開とまではいかなくとも
はっきりと示した作品でもあります。
ここではあらすじは述べません。宇宙を舞台とした物語(SF)を読める人、
キャラクターに思い入れをしすぎない人であれば読んでもだいじょうぶだろうとは思います。
戦争を舞台としている関係上、人が山のように死にます。
物語は主人公の死をもって終わり、「英雄」を必要とした「伝説」の時代から、人が営みを続けて行く「歴史」へと変わる所で終わります。
主人公すら死んでしまいます。登場人物の大半が死を迎えて終局を迎えるこの物語は、。
ある意味読む人を選ぶものでもあります。
私の知人には特定の巻以降は読めない(読まない)、と宣言している人もいます。
そこでお気に入りの登場人物が死を迎えるそうなんですが。
後半になるにつれ、「後世の歴史家云々」の記述が目立ち、半ば歴史書の様相になってきてしまい、
そこが不満といえば不満ではあるのですが。
一読する価値のある物語ではあるでしょう。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
銀河英雄伝説@ 黎明編 | 田中 芳樹 | 4-19-152624-3 | \699 | トクマノベルズ/徳間書店 | 1983/9/30 | 新書 |
銀河英雄伝説A 野望編 | 田中 芳樹 | 4-19-152790-8 | \699 | トクマノベルズ/徳間書店 | 1983/9/30 | 新書 |
銀河英雄伝説B 雌伏編 | 田中 芳樹 | 4-19-152894-7 | \699 | トクマノベルズ/徳間書店 | 1984/4/30 | 新書 |
銀河英雄伝説C 策謀編 | 田中 芳樹 | 4-19-152978-1 | \699 | トクマノベルズ/徳間書店 | 1984/10/31 | 新書 |
銀河英雄伝説D 風雲編 | 田中 芳樹 | 4-19-153068-2 | \699 | トクマノベルズ/徳間書店 | 1985/4/30 | 新書 |
銀河英雄伝説E 飛翔編 | 田中 芳樹 | 4-19-153151-4 | \699 | トクマノベルズ/徳間書店 | 1985/10/31 | 新書 |
銀河英雄伝説F 怒涛編 | 田中 芳樹 | 4-19-153256-1 | \699 | トクマノベルズ/徳間書店 | 1986/5/31 | 新書 |
銀河英雄伝説G 乱離編 | 田中 芳樹 | 4-19-153384-3 | \699 | トクマノベルズ/徳間書店 | 1987/1/31 | 新書 |
銀河英雄伝説H 回天編 | 田中 芳樹 | 4-19-153445-9 | \699 | トクマノベルズ/徳間書店 | 1987/5/31 | 新書 |
銀河英雄伝説I 落日編 | 田中 芳樹 | 4-19-153530-7 | \699 | トクマノベルズ/徳間書店 | 1987/11/15 | 新書 |
銀河英雄伝説外伝@ <星を砕く者> | 田中 芳樹 | 4-19-153236-7 | \699 | トクマノベルズ/徳間書店 | 1986/4/30 | 新書 |
銀河英雄伝説外伝A <ユリアンのイゼルローン日記> | 田中 芳樹 | 4-19-153418-1 | \699 | トクマノベルズ/徳間書店 | 1987/3/31 | 新書 |
銀河英雄伝説外伝B <千億の星、千億の光> | 田中 芳樹 | 4-19-153634-6 | \699 | トクマノベルズ/徳間書店 | 1988/3/31 | 新書 |
銀河英雄伝説外伝C <螺旋迷宮 スパイラル・ラビリンス> | 田中 芳樹 | 4-19-153995-7 | \699 | トクマノベルズ/徳間書店 | 1989/7/31 | 新書 |
徳間文庫版 |
銀河英雄伝説(1) 黎明編 | 田中 芳樹 | 4-19-890592-4 | \602 | 徳間文庫/徳間書店 | 1996/11/1 | 文庫 |
銀河英雄伝説(2) 野望編 | 田中 芳樹 | 4-19-890624-6 | \602 | 徳間文庫/徳間書店 | 1997/1/1 | 文庫 |
銀河英雄伝説(3) 雌伏編 | 田中 芳樹 | 4-19-890652-1 | \602 | 徳間文庫/徳間書店 | 1997/3/1 | 文庫 |
銀河英雄伝説(4) 策謀編 | 田中 芳樹 | 4-19-890689-0 | \600 | 徳間文庫/徳間書店 | 1997/5/1 | 文庫 |
銀河英雄伝説(5) 風雲編 | 田中 芳樹 | 4-19-890717-X | \600 | 徳間文庫/徳間書店 | 1997/7/1 | 文庫 |
銀河英雄伝説(6) 飛翔編 | 田中 芳樹 | 4-19-890754-4 | \600 | 徳間文庫/徳間書店 | 1997/9/1 | 文庫 |
銀河英雄伝説(7) 怒涛編 | 田中 芳樹 | 4-19-890787-0 | \600 | 徳間文庫/徳間書店 | 1997/11/1 | 文庫 |
銀河英雄伝説(8) 乱離編 | 田中 芳樹 | 4-19-890819-2 | \600 | 徳間文庫/徳間書店 | 1998/1/1 | 文庫 |
銀河英雄伝説(9) 回天編 | 田中 芳樹 | 4-19-890856-7 | \600 | 徳間文庫/徳間書店 | 1998/3/1 | 文庫 |
銀河英雄伝説(10) 落日編 | 田中 芳樹 | 4-19-890889-3 | \600 | 徳間文庫/徳間書店 | 1998/6/1 | 文庫 |
銀河英雄伝説外伝<1> 星を砕く者 | 田中 芳樹 | 4-19-568452-8 | \440 | 徳間文庫/徳間書店 | 1988/3/1 | 文庫 |
愛蔵版 【絶版】 |
銀河英雄伝説<1 黎明編・野望編> | 田中 芳樹 | 4-19-124889-8 | \2330 | 徳間書店 | 1992/6/1 | 書籍 |
銀河英雄伝説<2 雌伏編・策謀編> | 田中 芳樹 | 4-19-124892-8 | \2330 | 徳間書店 | 1992/6/1 | 書籍 |
銀河英雄伝説<3 風雲編・飛翔編> | 田中 芳樹 | 4-19-124893-6 | \2330 | 徳間書店 | 1992/6/1 | 書籍 |
銀河英雄伝説<4 怒涛編・乱離編> | 田中 芳樹 | 4-19-124894-4 | \2330 | 徳間書店 | 1992/6/1 | 書籍 |
銀河英雄伝説<5 回天編・落日編> | 田中 芳樹 | 4-19-124895-2 | \2330 | 徳間書店 | 1992/6/1 | 書籍 |
徳間デュアル文庫版 【続刊中】 |
銀河英雄伝説<Vol.1> 黎明編(上) | 田中 芳樹 | 4-19-905003-5 | \562 | 徳間デュアル文庫/徳間書店 | 2000/8/1 | 文庫 |
銀河英雄伝説<Vol.2> 黎明編(下) | 田中 芳樹 | 4-19-905004-3 | \533 | 徳間デュアル文庫/徳間書店 | 2000/8/1 | 文庫 |
銀河英雄伝説<Vol.3> 野望編(上) | 田中 芳樹 | 4-19-905010-8 | \505 | 徳間デュアル文庫/徳間書店 | 2000/9/1 | 文庫 |
銀河英雄伝説<Vol.4> 野望編(下) | 田中 芳樹 | 4-19-905011-6 | \505 | 徳間デュアル文庫/徳間書店 | 2000/9/1 | 文庫 |
銀河英雄伝説<Vol.5> 雌伏編(上) | 田中 芳樹 | 4-19-905017-5 | \505 | 徳間デュアル文庫/徳間書店 | 2000/10/1 | 文庫 |
銀河英雄伝説<Vol.6> 雌伏編(下) | 田中 芳樹 | 4-19-905021-3 | \505 | 徳間デュアル文庫/徳間書店 | 2000/11/1 | 文庫 |
銀河英雄伝説<Vol.7> 策謀編(上) | 田中 芳樹 | 4-19-905029-9 | \505 | 徳間デュアル文庫/徳間書店 | 2000/12/1 | 文庫 |
銀河英雄伝説<Vol.8> 策謀編(下) | 田中 芳樹 | 4-19-905032-9 | \505 | 徳間デュアル文庫/徳間書店 | 2001/1/1 | 文庫 |
銀河英雄伝説<Vol.9> 風雲編(上) | 田中 芳樹 | 4-19-905040-X | \533 | 徳間デュアル文庫/徳間書店 | 2001/2/1 | 文庫 |
銀河英雄伝説<Vol.10> 風雲編(下) | 田中 芳樹 | 4-19-905045-0 | \533 | 徳間デュアル文庫/徳間書店 | 2001/3/1 | 文庫 |
以下続刊 |
フラッシュフォワード
ロバート・J・ソウヤーの新作です。
前作「フレームシフト」もこちらに紹介しましたが、最近のソウヤーは読んでてひどく引き込まれます。
ヒッグス粒子を発見するはずだった実験を行ったその時、全人類は2分間、21年後の世界を垣間見た。
変わったことを絶望するもの、変わらぬことを絶望するもの。あるいは21年後に実用化される新発明を見て特許取得に走るもの。
そして、何も見えなかったもの。
この21年後のヴィジョンをみたことで人々がさまざまな行動を起こします。
上記の特許取得なんてのはいかにもアメリカらしいな、とかおもうものの一つなんですが。
この後は主に未来を変えられるか変えられないかのふたつの命題のせめぎあいとなります。
不確定性理論を持ち出してきて変えられる、とするもの、あるいは交流解釈を持ち出してきて変えられない、とするもの。
そこには運命論や人々の自由意志、あるいは多数の人々が2分間の当然の意識遮断により命を失ったことへのうしろめたさ
などがからみあい、論議が白熱します。
その論議に決着をつけるのは。
この作品は2分間の意識遮断を起こしたその事故の顛末を描く第一部と、上記の白熱する論議とその決着を描く第二部と、
そして21年後の第三部とわかれています。
さまざまな努力や論議のはてに21年前に見た未来を変えようと努力したはずの主人公
たちが結局、あの時見た未来と
ほぼ同じ状態になったいたことには驚きを隠せませんでした。
それでも未来は確かに変わっており、それだけは確実なのですが。
最後の第三部で行われた再度の未来視での「映像」は想像を超えたものでした。
よくぞ考え付くな、と。
確かに理論的にはありえる話なのでしょうが、さすがにプロ、というか。
あまり派手なアクションがあるわけではありません。
私自身はこの作品で一番熱中したのは中盤にある「未来は変えられるか、変えられないか」という議論とその決着部分でした。
そういう意味ではソウヤーらしい、地面を足をつけた未来SF作品なのかもしれません。
まぁ、最後はちょっとびっくりしましたけど。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
フラッシュフォワード | ロバート・J・ソウヤー | 4-15-011342-4 | \840 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 2001/01/31 | 文庫 |
サイケデリック・レスキュー
一条 理希著作のシリーズものです。
災害発生時に、人命救助を目的として出動する私設の特殊救助隊の話。
角川スーパーファンタジーなので、読者層にあわせてか、主人公は一介の高校生です。
とはいえ、その能力は未知数、特に生存能力(サバイバビリティ)については常人離れしている。
というある意味アニメじみた設定のある話ではあります。
おもいおこされるのが富士見ファンタジア文庫から出ている「星の大地」
こちらは災害が起きる前に人々を助けようと懸命になった主人公たちの話でした。
一方、こちらのサイケデリック・レスキューは災害が起きた後に人々を少しでも助けようという話です。
既に災害が起きたあと、となると自然と「大」をとるか「個」をとるか、という問題が発生しそうなのですが、
最近の巻になるまではそれがでてきませんでした。
「サイケデリック・レスキュー」
「ヴァンパイア・パニック」
「キャプテン・ラスト」
「ミステリー・トレイン」
「ハイスクール・ジャッカー」
「アクア・クライシス」
「デッド・ライン」
「クリムゾン・インフェルノ(前編)(後編)」
の既刊があり、一応一巻で区切りがついてます。完全な続きものではない。
とはいえ、最初から順番に読んだほうがよいのですが。
アニメじみた設定(主人公にしろ、救助隊をつくった企業の設定や発案理由など)がめだったせいか、
「アクア・クライシス」までは救助も成功するし、死人もでなかったのですが、
(そのままだとおそらくMuseumにはこなかったでしょう)
「デッド・ライン」で死人が、つづく「クリムゾン・インフェルノ」では関東大震災級の震災が発生し、数万の単位で死人が出る描写がでました。
それを前に自分の無力さを嘆く主人公や幹線道路をふさぐ倒壊建築物を破壊するために目の前で
救助を求めている人を見捨てて破壊活動をしなくてはいけない、ということに葛藤する救助隊員の姿などが描かれ
見直したものです。
それにしても、能力があるとはいえ、正規の訓練や教育を受けていない人物を使うから目の前の5人を助けるため動きたい、
といいだすんですよね。間違いなく。
難しい問題なのでしょうが。5人を救ったがために道路の復旧が間に合わず、数千の人々が焼かれて死んで行く、
ということの発想がない、というのがなんともはや。
問題山積みの物語ですし、多くの犠牲者が出る話です。多くの人々が助かる話でもあるのですが。
あう人あわない人いるでしょうが、(特にクリムゾン・インフェルノだけでも)読む価値のある作品でしょう。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
サイケデリック・レスキュー | 一条 理希 | 4-08-613307-5 | \552 | 角川スーパーファンタージ文庫/角川書店 | 1998/06/10 | 文庫 |
ヴァンパイア・パニック | 一条 理希 | 4-08-613xxx-x | \000 | 角川スーパーファンタージ文庫/角川書店 | 199x/xx/10 | 文庫 |
キャプテン・ラスト | 一条 理希 | 4-08-613337-7 | \552 | 角川スーパーファンタージ文庫/角川書店 | 1999/02/10 | 文庫 |
ミステリー・トレイン | 一条 理希 | 4-08-613352-0 | \571 | 角川スーパーファンタージ文庫/角川書店 | 1999/06/10 | 文庫 |
ハイスクール・ジャッカー | 一条 理希 | 4-08-613369-5 | \533 | 角川スーパーファンタージ文庫/角川書店 | 1999/11/10 | 文庫 |
アクア・クライシス | 一条 理希 | 4-08-613376-8 | \571 | 角川スーパーファンタージ文庫/角川書店 | 2000/02/10 | 文庫 |
デッド・ライン | 一条 理希 | 4-08-613384-9 | \571 | 角川スーパーファンタージ文庫/角川書店 | 2000/06/10 | 文庫 |
クリムゾン・インフェルノ(前編) | 一条 理希 | 4-08-613394-6 | \552 | 角川スーパーファンタージ文庫/角川書店 | 2000/11/30 | 文庫 |
クリムゾン・インフェルノ(後編) | 一条 理希 | 4-08-613400-4 | \571 | 角川スーパーファンタージ文庫/角川書店 | 2001/02/28 | 文庫 |
D/d レスキュー | 一条 理希 | 4-08-630059-1 | \571 | 集英社スーパーダッシュ文庫/集英社 | 2000/11/30 | 文庫 |
D/d レスキュー フロイライン・ヴァルキリー | 一条 理希 | 4-08-630074-5 | \533 | 集英社スーパーダッシュ文庫/集英社 | 2002/03/30 | 文 庫 |
D/d レスキュー ラスト・ミッション | 一条 理希 | 4-08-630101-1 | \590 | 集英社スーパーダッシュ文庫/集英社 | 2002/10/30 | 文庫 |
占星師アフサンの遠見鏡
キンダリオと呼ばれてる種族、われわれ人間並みの知性をもち、世襲性の国王に支配されつつも、
宗教の影響を多大にうけている恐竜たちの世界。
その世界にうまれたガリレオ少年の話。
その恐竜ガリレオ少年が自分の立っている大地が動く星である、という事を発見し、
地球でいう地動説を唱え、それ故に迫害され、なおも立ち向かう、という話です。
さすがにソウヤーだ、と思ったのはキンダリオの生態だとか知性と本能の
せめぎあいなどを丁寧に書いてある所でしょうか。
あと、ソウヤーの作品にはいくつかみられる傾向だと思うのですが、
議論や思考実験により主人公の思考を整え、読者にそれをみせて物語を進める点。
特に恐竜ガリレオ少年の地動説発見に至る思考実験は読んでてなかなか面白かったもんです。
文系人間である自分がこの手の思考実験を読んで「面白い」とおもえる作品はそう出会えないもので。
作品そのものはソウヤーの作品の中でも古いものになります。出版もずいぶん前の話だし。
最近、ハヤカワが古い作品の重版をたくさんだすようになって入手できたもののひとつ。
とりあえず、「卵ぼうず」は基本かな、と。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
占星師アフサンの遠見鏡 | ロバート・J・ソウヤー | 4-15-011053-0 | \720 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 1994/03/31 | 文庫 |
サムライ・レンズマン
読む前に、わくわくしながら本を開いたのは本当にひさしぶりのような気がします。
それだけ、この本には期待できた、ということです。
レンズマンなんて小学生の頃に図書館にあった本を読んだっきりだったし、
内容なんてほぼ忘れていました。それでもレンズマンの存在自体を忘れていない、というのが、
この本にどれだけのインパクトがあったのか、物語ってるような気もします。
出来の悪いパロディだったらどうしよう、などと不安がなかったわけではないですが、
この作品はちゃんと版元に許可を得て外伝の形で書かれたものであった、だからといって
作品の質が保証されるわけではないのですが、「外伝」として立派に存在できるものした。
本家のレンズマンを忘れているので本家シリーズのうち、どの位置にくる外伝なのかわからないのですが、
本家主人公のキムとヒロインであるクリスの間に一子ができているくらいの頃になっていました。
本家のレンズマンも1月の下旬に新訳で再刊されています。
火星シリーズのような数冊分まとめて一冊の分厚い本になるのかと思っていましたが、新訳ということもあってか、
過去の一冊を一冊、訳し直した上で再刊するようです。
これを気に集めてみようかな、などとも思ってしまいました。
「外伝」の位置づけとはいえ、本家主人公であるキムやヒロインのクリスなど、記憶にも残っている人物が登場し、活躍します。
懐かしいというか新鮮というか、少しなつかしあたらしの感があります。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
サムライ・レンズマン | 古橋 秀之 | 4-19-905092-2 | \733 | 徳間デュアル文庫/徳間書店 | 2001/12/31 | 文庫 |
チグリスとユーフラテス
新井素子の新作・・・の、文庫です。
超光速航行もなく、冷凍睡眠なんかもごく一部の特権階級のためのもの。
そんな時代、数十年という長い時間を掛けて宇宙を旅し、恒星間移民を成功させた人類。
しかし、その移民計画も、原因不明の人口減少の為についには、「最後の子供」が生まれる。
そして「最後の子供」が冷凍睡眠に入った人々を起こして行く
そこから始まる逆惑星開発記、なのですが。
なんというか・・・
ああ、新井素子だなぁ、という作品です。
ただ、すこぉし、ずるいな、と感じたのが最後に起こされた人物。
あまりにも前向きすぎ、というか、「そんな奴いるのか?」てな具合で。
いや、いるのかもしれませんがね。
ある種のディストピア小説として読んだのですが、それとも違うかなぁ。
とはいえ、最後を考えると自分的にはディストピア。
人、それぞれなんでしょうけどね。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
チグリスとユーフラテス 上 | 新井 素子 | 4-08-747440-2 | \686 | 集英社文庫/集英社 | 2002/05/25 | 文庫本 |
チグリスとユーフラテス 下 | 新井 素子 | 4-08-747441-0 | \571 | 集英社文庫/集英社 | 2002/05/25 | 文庫本 |
アラビアの夜の種族
ウィザードリィというコンピューターRPGがあります。昔、一世を風靡したことのあるゲームで、
パソコンのみならず、ファミコンやプレイステーション等コンシューマーゲーム機にまで移植、あるいは
バリエーションとして発展してきた名作です。
そのブームの只中、このゲームを基にした数々の本が出版されました。
古川 日出雄の「砂の王」という本も、その中のひとつでした。
ゲームボーイ用のウィザードリー外伝の1か2を基本としたものだったと記憶しています。
色々あって「砂の王」は第一巻しか出版されず、レーベルもきえました。
その「砂の王」のコンセプトを用いて、作者自らテーマを昇華されたのがこの書、「アラビアの夜の種族」です。
とはいえウィザードリィのようなファンタジーゲームの世界ではありません。
正直、あまり期待していなかったのですが、よい意味で予想を裏切ってくれました。
エジプトの砂漠の下に作られた迷宮。その迷宮が作られたわけ、冒険者たちが迷宮にもぐるわけ、そのすべてが描かれていました。
魔物が徘徊し、魔法が炸裂する。英雄が生まれ、そして物語がつむがれてゆく。
そういった幻想的な世界がこの本の中には広がっていたのです。
ナポレオンのエジプト遠征に対抗し、エジプトの若者が提案した撃退方法、それは読むものを引きずり込み、
すべてを捨ててまで読むことに没頭させてしまう伝説の書、「災いの書」をフランス語訳し、
本好きといわれるナポレオンに献上することでナポレオンのエジプト遠征を阻止する
というとんでもないものでした。
そして、起死回生の策を成功するために、「災いの書」の作業は始まったのです
もしかすると、この本がすなわち「災いの書」かもしれません。
そのくらい没頭してしまいました。
一千年の昔に紡ぎだされた物語が現在につながり、そして未来へと連なってゆく、
そんな暗示をこめた、少しびっくりのエンディングにも思わずため息がでたほどです。
久しぶりの絶賛。読み終えたばかりで興奮覚めやらないせいかもしれませんが。
単行本ですし、高めの値段ですが、買って損はないです。
少し大きめの本屋であれば入手も可能ですし、まだ取り寄せもできます。
ぜひ御一読を。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
アラビアの夜の種族 | 古川 日出雄 | 4-04-873334-6 | \2700 | 角川書店 | 2001/12/25 | 単行本 |
十二国記
出版間隔が長いのが難ですが、良質の中華風ファンタジーです。
第一巻目の上巻が非常に辛くて読みづらいのですが、それを超えてしまえば辛かった故の開放感、とでもいうのでしょうか
気持ちのいいエンドが待っています。きっと。
外伝的な位置づけの作品が多いですし、シリーズゆえの宿命か、色々なところで
それは矛盾では?と言いたくなる部分も出てはきますが、それを含めてもお勧めできる
作品が多いです。
根幹をなす「神に選らばれた帝による統治」という概念そのものにもしかすると嫌悪感を抱く人もいるかもしれませんが、
その帝の一人が主人公なので、ある意味問題ありません。
現代の我々と価値観を同じくする主人公を異文化の帝という位置にもってきたことが
より以上にこの物語の価値をあげているのかもしれません。
設定上、同じ感覚をもった一般人が主人公クラスで出てくることがないのが残念といえば残念でしょうか。
なにはともあれ、ご一読を。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
魔性の子 | 小野 不由美 | 4-10-124021-3 | \590 | 新潮文庫 | 1991/09/25 | 文庫本 |
月の影 影の海(上) | 小野 不由美 | 4-06-255071-7 | \530 | 講談社X文庫/講談社 | 1992/06/20 | 文庫本 |
月の影 影の海(下) | 小野 不由美 | 4-06-255072-5 | \530 | 講談社X文庫/講談社 | 1992/07/20 | 文庫本 |
風の海 迷宮の岸(上) | 小野 不由美 | 4-06-255114-4 | \440 | 講談社X文庫/講談社 | 1993/03/20 | 文庫本 |
風の海 迷宮の岸(下) | 小野 不由美 | 4-06-255120-9 | \440 | 講談社X文庫/講談社 | 1993/04/20 | 文庫本 |
東の海神 西の滄海 | 小野 不由美 | 4-06-255168-3 | \610 | 講談社X文庫/講談社 | 1994/06/05 | 文庫本 |
風の万里 黎明の空(上) | 小野 不由美 | 4-06-255175-6 | \650 | 講談社X文庫/講談社 | 1994/08/05 | 文庫本 |
風の万里 黎明の空(下) | 小野 不由美 | 4-06-255178-0 | \650 | 講談社X文庫/講談社 | 1994/09/05 | 文庫本 |
図南の翼 | 小野 不由美 | 4-06-255229-9 | \660 | 講談社X文庫/講談社 | 1996/02/05 | 文庫本 |
黄昏の岸 暁の天(上) | 小野 不由美 | 4-06-255546-8 | \530 | 講談社X文庫/講談社 | 2001/05/15 | 文庫本 |
黄昏の岸 暁の天(下) | 小野 不由美 | 4-06-255550-6 | \530 | 講談社X文庫/講談社 | 2001/05/15 | 文庫本 |
華胥の幽夢 | 小野 不由美 | 4-06-255573-5 | \650 | 講談社X文庫/講談社 | 2001/09/05 | 文庫本 |
タイムライン
ハヤカワでここまで速度のある話というのも久しぶりに読みました。
頭の中でライトノベルにしたら一冊だな、とかここは安直になるな、
とか考えながら読んでた自分がある意味毒されているなぁ、と悲しかったりもしましたが。
前半の描写がしっかりしているおかげで後半との対比が生きてきたのですが、さすがに
わかりずらいと思ったのか、
珍しいことにイラスト付きでした。イラストっていうか、図解なんですが。
映画になる話なんだけれども、むべなるかな。すっげー絵にしやすい話ではありました。
果たして大団円、と呼んでいいのかどうか微妙なところですが、最後には少しだけ驚きも。
まぁ、確かにところどころに伏線は感じていたので、なるほどな、とはおもったのですけどね。
あとは、映画の中で「彼女」がどう扱われるのか、少し楽しみだったりします。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
タイムライン(上) | マイクル・クライトン/酒井 昭伸 | 4-15-041054-2 | \840 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 2003/12/15 | 文庫本 |
タイムライン(下) | マイクル・クライトン/酒井 昭伸 | 4-15-041055-0 | \840 | ハヤカワ文庫/早川書房 | 2003/12/15 | 文庫本 |
夏休みは銀河!
岩本隆雄といえば、「星虫」でやや説教くさいものの、王道のジュブナイルを書いてデビューし、
しかしその後続編の「イーシャの船」を出した後は10年出版せず、引退したかな、
と思った矢先に朝日ソノラマから続編(スピンオフ作品)を出版、作家活動再開したとたん再び休眠に入った変り種の作家さんです。
6年ぶりの出版ということで、ホント久しぶりです。よく出版できたな、という感想もあったりしますが。
そして、「星虫」に連なる話ではなく、完全な新作です。出版と出版の間が開きすぎているのでレーベルもほぼすべての本で変わってしまっています。
しかも、今度は文庫ではなく新書です。ノベルズ、というやつです。
上下巻の構成、計750ページ、(1ページは2段の段組)結構な分量があるので読むには少々覚悟がいるかもしれません。
この作者のカラーなのでしょうが、感覚的にライトノベルではなく、「ジュブナイル」を読んでいる気にさせてくれます。
それこそ昔NHK少年ドラマシリーズになったような「狙われた学園」とか「夕映え作戦」といったものです。
30年以上前に眉村卓や光瀬龍が書いたものを彷彿とさせるわけです。
古めかしいか、というかなんというか。いい例がネーミングにあります。
いまどき異星人や異世界人に「ル人」とか「ア」とか名づけるラノベは見かけません。
まあ、だからこそ良いと思えるのですが。
単純なボーイ・ミーツ・ガールではなく、学校の有名人、あるいはあまり話をしないクラスメートといった
名前くらいは知っているけど、といったあまり縁のなかった同世代の人と話をして友人となり、
協力して難事にあたり、解決するといういわば王道中の王道で話が展開してゆくのが心地よいのです。
ライトノベルにも同じような話はあるのでしょうが、何故か琴線に触れたのがそこでした。
いまどきのラノベとはちょっと風味が違うので、一読のお勧めです。
書名 | 著者 | ISBN | 値段 | 出版社 | 初版 | 装丁 |
夏休みは、銀河!(上) | 岩本 隆雄 | 978-4-02-273900-1 | \1100 | 朝日ノベルズ/朝日新聞出版 | 2008/10/30 | 新書 |
夏休みは、銀河!(下) | 岩本 隆雄 | 978-4-02-273903-2 | \1100 | 朝日ノベルズ/朝日新聞出版 | 2008/10/30 | 新書 |
[ INDEX |
What's New |
The BEST |
Museum |
むかしの。 |
Play Report |
Master Report|
Links ]